特開2020-27708(P2020-27708A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27708(P2020-27708A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20200124BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20200124BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20200124BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20200124BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20200124BHJP
【FI】
   H01M8/04 H
   H01M8/04 J
   H01M8/0432
   H01M8/04664
   H01M8/04955
   H01M8/04746
   H01M8/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-150926(P2018-150926)
(22)【出願日】2018年8月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑▲崎▼ 美保
(72)【発明者】
【氏名】山本 和男
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 茂樹
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AC02
5H127AC17
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA57
5H127BA58
5H127BA59
5H127BA60
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127BB39
5H127CC01
5H127EE19
5H127EE27
(57)【要約】
【課題】燃料ガス供給流路に設けられた圧力センサにより検出される圧力によらずに、リリーフ弁からの燃料ガスの放出を検出し、燃料ガスの放出継続状態を停止させる。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガスを貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンクと前記燃料電池とを繋ぐ燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料タンクから前記燃料電池へ向けて前記燃料ガスを供給する場合に前記燃料ガスを前記燃料電池へ向けて流通させる燃料ガス供給装置と、前記燃料ガス供給装置よりも前記燃料ガス供給流路の下流側に設けられたリリーフ弁と、前記リリーフ弁の放出口の直下流に設けられた熱流センサと、前記燃料ガス供給装置の動作を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記リリーフ弁の開弁に応じた前記熱流センサの出力値の上昇を検出した場合に、前記燃料ガス供給装置による前記燃料ガスの供給を停止させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
燃料ガスを貯蔵する燃料タンクと、
前記燃料タンクと前記燃料電池とを接続する燃料ガス供給流路と、
前記燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料タンクから前記燃料電池へ向けて前記燃料ガスを供給する場合に前記燃料ガスを前記燃料電池へ向けて流通させる燃料ガス供給装置と、
前記燃料ガス供給装置よりも前記燃料ガス供給流路の下流側に設けられたリリーフ弁と、
前記リリーフ弁の放出口の直下流に設けられた熱流センサと、
前記燃料ガス供給装置の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記リリーフ弁の開弁に応じた前記熱流センサの出力値の上昇を検出した場合に、前記燃料ガス供給装置による前記燃料ガスの供給を停止させる、燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池システムにおいて、燃料ガス供給流路に設けられた複数の圧力センサによる検出結果の変化量に基づいて、燃料ガス供給流路に設けられたリリーフ弁の作動状態、例えば、故障を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−06297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、圧力センサが故障した場合にリリーフ弁の作動状態を検出する手段がないため、リリーフ弁の作動状態が開弁状態となっているにも関わらず、そのまま燃料ガスの供給動作が継続されて、リリーフ弁から燃料ガスが放出されてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガスを貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンクと前記燃料電池とを接続する燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料タンクから前記燃料電池へ向けて前記燃料ガスを供給する場合に前記燃料ガスを前記燃料電池へ向けて流通させる燃料ガス供給装置と、前記燃料ガス供給装置よりも前記燃料ガス供給流路の下流側に設けられたリリーフ弁と、前記リリーフ弁の放出口の直下流に設けられた熱流センサと、前記燃料ガス供給装置の動作を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記リリーフ弁の開弁に応じた前記熱流センサの出力値の上昇を検出した場合に、前記燃料ガス供給装置による前記燃料ガスの供給を停止させる。
上記形態の燃料電池システムでは、リリーフ弁の開弁によって燃料ガスの放出がなされると、リリーフ弁の直下流において発生する燃料ガスの流動の変化に応じて熱流センサの出力値が上昇するので、リリーフ弁の開弁を検出することができる。従って、燃料ガス供給流路に設けられた複数の圧力センサにより検出される圧力の変化によらずに、リリーフ弁からの燃料ガスの放出を検出することができる。そして、燃料ガス供給装置による燃料ガスの供給を停止させて、リリーフ弁からの燃料ガスの放出を停止させることが可能となる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池システム、燃料電池システムにおけるリリーフ弁の作動を検出する検出装置および検出方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態における燃料電池システムの概略構成を示す説明図。
図2】熱流センサが設けられたリリーフ弁を拡大して示す概略断面図。
図3】熱流センサを拡大して示す模式図。
図4】水素ガスの放出に伴う放出流路の圧力変化と熱流センサの出力との関係の一例を示す説明図。
図5】熱流センサの設置位置の他の実施形態を示すリリーフ弁の概略断面図。
図6】熱流センサの設置位置の他の実施形態を示すリリーフ弁の概略断面図。
図7】熱流センサの設置位置の他の実施形態を示すリリーフ弁の概略断面図。
図8】熱流センサの設置位置の他の実施形態を示すリリーフ弁の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態における燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、例えば、車両(燃料電池車両)に搭載され、運転者からの要求に応じて、車両の動力源となる電力を出力する。燃料電池システム10は、燃料電池(FC,Fuel Cell)100と、空気供給系200と、水素ガス供給系300と、図示しない冷却系と、制御装置600と、を備える。
【0009】
燃料電池100は、発電体としての単セル110を複数積層したスタック構造を有している。単セル110は、電解質膜の両側にアノードとカソードの両電極を接合させた膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)と、膜電極接合体のアノード及びカソードの両側から挟持する2枚のセパレータとによって構成されている。燃料電池100は、後述の水素ガス供給系300からアノードに供給された燃料ガスとしての水素と、空気供給系200からカソードに供給された空気中に含まれる酸化ガスとしての酸素と、の電気化学反応によって発電し、その発電電力にて駆動用モータ等の負荷を駆動する。
【0010】
空気供給系200は、燃料電池100のカソードに、酸化ガスである酸素を含む空気を供給する。空気供給系200は、酸素供給流路210と、放出流路220と、コンプレッサー230と、排出流量調整バルブ240と、を備える。酸素供給流路210の一方端は燃料電池100のカソードの入口に接続されており、他方端は開口端となっている。コンプレッサー230は酸素供給流路210に設けられている。放出流路220の一方端は燃料電池のカソードの出口に接続されている。排出流量調整バルブ240は放出流路220に設けられている。空気供給系200は、酸素供給流路210の開口端から取り込んだ空気を、コンプレッサー230にて流量調整した上で燃料電池100のカソードに供給する。また、空気供給系200は、放出流路220の排出流量調整バルブ240で調整された流量で、カソードの出口から排出される未消費の酸素を含む空気(カソードオフガス)を大気放出する。空気供給系200の動作は、コンプレッサー230および排出流量調整バルブ240が、後述する制御装置600によって制御されることで実行される。
【0011】
水素ガス供給系300は、燃料電池100の発電に利用される燃料ガスである水素を燃料電池100のアノードに供給する。水素ガス供給系300は、燃料タンクとしての水素ガスタンク310と、燃料ガス供給流路としての水素ガス供給路320と、還流路330と、開閉バルブ340と、調圧バルブ350と、燃料ガス供給装置としてのインジェクタ360と、圧力センサ321,322と、リリーフ弁323と、水素ガスポンプ370と、気液分離器380と、排出バルブ395と、放出流路390と、を備える。なお、放出流路390は放出流路220に接続されている。
【0012】
水素ガスタンク310は、高圧の水素ガスを貯蔵している。水素ガスタンク310は、水素ガス供給路320を介して燃料電池100のアノードの入口と接続されている。水素ガス供給路320には、水素ガスタンク310側から、開閉バルブ340と、調圧バルブ350と、圧力センサ321と、インジェクタ360と、リリーフ弁323と、圧力センサ322とがこの順に設けられている。開閉バルブ340は、水素ガスタンク310からのアノードガスの供給をオン、オフする。調圧バルブ350は、インジェクタ360へ供給する水素ガスの圧力を調整する。インジェクタ360は、調圧バルブ350から供給された水素ガスを、水素ガス供給路320を介して燃料電池100のアノードに向けて、要求される負荷に応じた周期で噴射し、燃料電池100への水素ガスの供給量を調整する。インジェクタ360の上流側の圧力は圧力センサ321によって検出され、インジェクタ360の下流側の圧力は圧力センサ322によって検出される。リリーフ弁323は、あらかじめ設定された圧力を超えたときに作動(開弁)して、インジェクタ360の下流側の水素ガス供給路320を流れる水素ガスをリリーフ弁323の放出口から放出する。この結果、リリーフ弁323は、インジェクタ360の下流側の水素ガス供給路320の圧力が、設定圧力を超えないように動作する。リリーフ弁323の放出口に接続された放出配管325の端部、すなわち、リリーフ弁323の直下流には、熱流センサ324が設けられている。熱流センサ324は、後述するように、リリーフ弁323が開弁された際に放出口からの水素ガスの放出が開始されたことにより発生する熱流束の変化を検出する。
【0013】
水素ガス供給路320を介して燃料電池100に供給された水素ガスは、複数の単セル110の積層によって構成された供給側の水素ガス流通路(不図示)を流通して、各単セル110に供給される。各単セルで使用されなかった未使用の水素ガスを含むアノードオフガスは、複数の単セル110の積層によって構成された排出側の水素ガス流通路を流通して、還流路330へ排出される。このアノードオフガスには、各単セル110の発電により生成された液水や、カソード側からアノード側へ透過した窒素ガス等の不純物ガスが含まれる。すなわち、アノードオフガスは、水素ガスと、窒素ガス等の不純物ガスを含む混合ガスである。
【0014】
還流路330は、燃料電池100のアノードの出口と、圧力センサ322よりも燃料電池100側の水素ガス供給路320の部分と、に接続され、燃料電池100から排出されたアノードオフガスを水素ガス供給路320に還流させる。還流路330には、気液分離器380と、水素ガスポンプ370とが設けられている。気液分離器380は、燃料電池100から排出された液水混じりのアノードオフガスから液水を分離する。気液分離器380で液水が分離されたアノードオフガスは、水素ガスポンプ370によって、還流路330を介して水素ガス供給路320に還流され、アノードオフガスに含まれる水素ガスは燃料電池100に循環供給される。従って、燃料電池100に供給されるアノードガス(燃料ガス)は、実際には、水素ガスおよび不純物ガスを含む混合ガスである。
【0015】
燃料電池100による発電を効率的に行うためには、不純物ガスの濃度が高く水素ガスの濃度が低くなるのは好ましくない。そこで、アノードオフガスに含まれる不従物ガスの濃度が高く、水素ガスの濃度が低くなった場合には、排出バルブ395を開いて、気液分離器380から放出流路390にアノードオフガスを排出する制御が行われる。また、この際、インジェクタ360から水素ガスを噴射することで、不純物ガスの濃度を低くし水素ガスの濃度を高くする制御が行なわれる。
【0016】
水素ガス供給系300の種々の動作は、開閉バルブ340、調圧バルブ350、インジェクタ360、水素ガスポンプ370、および、排出バルブ395が、後述する制御装置600によって制御されることで実行される。
【0017】
制御装置600は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成される。制御装置600は、圧力センサ321,322や熱流センサ324、不図示の各種センサ等のセンサ入力を受けて、コンプレッサー230や排出流量調整バルブ240、インジェクタ360、調圧バルブ350、開閉バルブ340、排出バルブ395等の各種のバルブの開閉制御等を含む燃料電池100の種々の制御を行なう。例えば、制御装置600は、FC制御部610やリリーフ弁検出部620等を有している。FC制御部610は、空気供給系200や水素ガス供給系300等を制御して燃料電池100の動作を制御する。また、FC制御部610は、圧力センサ321,322の検出結果の変化量に基づいて、ガス漏れや、リリーフ弁323の作動(開弁)を含む故障、各種バルブの故障等を検出する。リリーフ弁検出部620は、後述するように、熱流センサ324の熱流束を示す出力値の上昇からリリーフ弁323の作動(開弁)を検出する。
【0018】
図2は、熱流センサ324が設けられたリリーフ弁323の構成の一例を模式的に示す説明図である。リリーフ弁323の内部空間404には、水素ガス供給路320(図1)に接続される入口403を開閉する弁401が設けられている。弁401は、バネ402によって、入口403の内部空間404側の開口端(「弁座」とも呼ばれる)に向かって付勢されている。バネ402の付勢力は、あらかじめ設定された水素ガスの圧力以上の圧力が入口403側から弁401に加わった時に、弁401が開弁されるように設定される。弁401の開弁によって、水素ガス(図2には「HG」と記載)が、入口403から内部空間404内に流入し放出口405へ向けて流れる。放出口405には、放出流路220(図1)を構成する配管に接続された放出配管325が接続されており、放出口405から放出された水素ガスは、放出配管325の放出流路410を介して外部に放出される。
【0019】
リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部、すなわち、リリーフ弁323の放出口405の直下流には、熱流センサ324が設けられている。熱流センサ324は、リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部における熱流束を検出する。熱流センサ324により検出された熱流束の変化から、後述するように、リリーフ弁323からの水素ガスの放出の発生、すなわち、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出する。
【0020】
図3は、リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部の側面に設けられた熱流センサ324を拡大して示す模式図である。熱流センサ324のセンサ基板421の厚さ方向では、リリーフ弁323の放出口405から燃料ガスの放出が発生した際に、燃料ガスFhgの流れによって熱流束qが発生する。熱流センサ324は、発生した熱流束qにより生じる、放出流路410側のセンサ基板421の表面422の温度と、放出流路410の側面411に接するセンサ基板421の裏面423の温度との間の温度差に起因して、ゼーベック効果による起電力を発生し、熱流束qの検出信号として検出する。熱流束qは単位面積当たりの熱流量である。なお、熱流センサ324は、表面422に熱電対によって構成される検出部424,425を有しており、検出部424,425が温度差によって発生する起電力を、熱流束qの検出信号として検出することができる。
【0021】
また、図4は、水素ガスの放出に伴う放出流路410の圧力変化と熱流センサ324の出力との関係の一例を示す説明図である。図4に示すように、水素ガスの放出に伴う放出流路410の圧力変化およびガス流動が発生した際に、熱流センサ324は、そのセンサ基板421の厚さ方向に発生する熱流束qに応じた熱流センサ出力を発生する。この熱流束qは、ガス流動が発生した直後からの数秒〜十数秒程度の間に、急激に上昇した後減少して安定な状態に収束する。そこで、熱流センサ324として検出時間が例えば1s以下の熱流センサを用いることで、リリーフ弁323が開弁したときに発生する水素ガスの放出によるガス流動に伴う熱流束の上昇変化を起電力の上昇変化として検出することができる(図3)。
【0022】
そこで、リリーフ弁検出部620は、リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部の側面に設けられた熱流センサ324の出力の上昇を検出することによってガス流動の発生を検出することができる。そして、リリーフ弁検出部620は。リリーフ弁323の作動(開弁)による水素ガスの放出を検出することができる。なお、熱流センサ324の出力の上昇の検出は、例えば、以下のようにして行なうことができる。
1)熱流センサ324の出力値が、ガス流動発生前の出力値に対してあらかじめ定めた上昇値以上となった場合に、ガス流動の発生を検出する。
2)熱流センサ324の出力値の上昇速度があらかじめ定めた値以上となった場合に、ガス流動の発生を検出する。
但し、リリーフ弁323からの水素ガスの放出に伴う熱流センサ324の出力の上昇を検出することができればよく、上記1),2)の検出方法に限定されるものではない。
【0023】
そして、リリーフ弁検出部620は、上記のようにしてリリーフ弁323からの水素ガスの放出を検出して、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出した時には、FC制御部610に対して水素ガス供給系300による水素ガスの供給の停止を指示する。この時、FC制御部610は、例えば、インジェクタ360からの水素ガスの供給を停止させる。
【0024】
なお、上記のように、熱流センサ324の設置位置であるリリーフ弁323の直下流の位置を、リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部として説明したが、これに限定されるものではない。リリーフ弁323の放出口405から放出される水素ガスの流動の発生を熱流束の変化として検出できれば、リリーフ弁323の放出口405側の放出流路410の端部よりも下流であってもよい。但し、可能な限り放出口405に近いほうが、リリーフ弁323からの水素ガスの放出に伴うガス流動の変化をより早期にかつ精度よく検出できる点で好ましい。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、リリーフ弁323の直下流に設けられた熱流センサ324の出力値の上昇を検出することにより、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出することができ、水素ガス供給系300による水素ガスの供給を停止させることができる。これにより、リリーフ弁323からの水素ガスの放出を停止させることができる。従って、リリーフ弁323の下流に設けられた圧力センサ322の故障等によって、圧力センサ322の検出する圧力変化に基づいてリリーフ弁323の作動(開弁)が検出されない場合においても、リリーフ弁323の作動を早期に検出することができる。そして、水素ガス供給系300による水素ガスの供給を停止させることができ、リリーフ弁323を介して水素ガスが外部へ放出される続ける状態を停止させることができる。また、圧力センサによるリリーフ弁323の作動検出では、上述したように、他の箇所からのガス漏れも含むので、リリーフ弁323単独での作動検出の精度は低くなる可能性がある。これに対して、熱流センサ324によるリリーフ弁323の作動検出は精度よく検出することが可能である。
【0026】
B.他の実施形態:
(1)熱流センサ324の設置位置は、上記実施形態に限定されるものではない。図5図8は、熱流センサ324の設置位置の他の実施形態を示す説明図である。図5に示すように、熱流センサ324が設置されるリリーフ弁323の直下流の位置として、放出口405の端面406に熱流センサ324を設置するようにしてもよい。具体的には、センサ基板421の表面422に設けられた検出部424,425(図3)が、放出口405の開口端に配置されるように、センサ基板421の表面422側の一端部が放出口405の端面406に設置される。このようにすれば、大気開放される水素ガスの流動の発生を検出することができ、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出することができる。なお、熱流センサ324は、図5の熱流センサ324の向きに対して垂直な向きで、センサ基板421の表面422が放出される水素ガスの側を向くように配置されていてもよい。
【0027】
また、熱流センサ324を、リリーフ弁323の直下流ではなく、リリーフ弁323の内部に設置するようにしてもよい。例えば、図6に示すように放出口405の流路の側面に熱流センサ324を設置するようにしてもよい。このようにしても、リリーフ弁323から放出される水素ガスの流動の発生を検出することができ、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出することができる。また、図7図8に示すように、内部空間404の側面に熱流センサ324を設置するようにしてもよい。このようにしても、リリーフ弁323からの放出に伴って内部空間404で発生する水素ガスの流動の発生を検出することができ、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出することができる。なお、内部空間404における熱流センサ324の設置位置は、図7図8に限定されるものではなく、リリーフ弁323からの放出に伴って内部空間404で発生する水素ガスの流動の発生を検出することができれば、いずれの位置に設置されていてもよい。
【0028】
(2)図2図5図8に示したリリーフ弁323の構成は一例であってこれに限定されるものではない。設定された圧力以上の流体の圧力で開弁する構造の種々のリリーフ弁が適用可能である。
【0029】
(3)上記実施形態では、リリーフ弁323の作動(開弁)を検出した場合に、水素ガス供給系300による水素ガスの供給を停止する場合を前提として説明したが、水素ガスの供給量を減少させて、水素ガスの放出量を抑制する制御を行なうようにしてもよい。
【0030】
(4)上記実施形態では、リリーフ弁323の下流の圧力センサ322によって検出される圧力の変化からリリーフ弁323の作動(開弁)を検出することに加えて、熱流センサ324の出力の上昇からもリリーフ弁323の作動を検出するものとして説明したが、圧力センサ322によるリリーフ弁323の作動の検出は省略されてもよい。
【0031】
(5)上記実施形態では、燃料ガス供給装置としてのインジェクタ360の下流に設置されたリリーフ弁323についての作動(開弁)を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の流路位置にリリーフ弁が設置されている場合には、そのリリーフ弁についても同様に、熱流センサを用いてその作動(開弁)を検出するようにしてもよい。
【0032】
(6)上記実施形態では、車両に搭載された燃料電池システムを例に説明したが、これに限定されるものではなく、電力を動力発生装置(駆動モータ)の動力源とする種々の移動体に搭載される燃料電池システムにも適用可能である。また、移動体に搭載される燃料電池システムだけでなく、定置型の燃料電池システムにも適用可能である。
【0033】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
10…燃料電池システム、100…燃料電池、110…単セル、200…空気供給系、210…酸素供給流路、220…放出流路、230…コンプレッサー、240…排出流量調整バルブ、300…水素ガス供給系、310…水素ガスタンク、320…水素ガス供給路、321…圧力センサ、322…圧力センサ、323…リリーフ弁、324…熱流センサ、325…放出配管、330…還流路、340…開閉バルブ、350…調圧バルブ、360…インジェクタ(燃料ガス供給装置)、370…水素ガスポンプ、380…気液分離器、390…放出流路、395…排出バルブ、401…弁、402…バネ、403…入口、404…内部空間、405…放出口、406…端面、410…放出流路、411…側面、421…センサ基板、422…表面、423…裏面、424…検出部、600…制御装置、610…FC制御部、620…リリーフ弁検出部、Fhg…燃料ガス、q…熱流束
図1
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図8