特開2020-44881(P2020-44881A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-44881(P2020-44881A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】ワイパ装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20200303BHJP
【FI】
   B60S1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-172732(P2018-172732)
(22)【出願日】2018年9月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 健
(72)【発明者】
【氏名】望田 淳史
(72)【発明者】
【氏名】星野 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】田名網 哲圭
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AC01
3D025AD02
3D025AE02
3D025AE57
3D025AG10
3D025AG28
3D025AG78
(57)【要約】
【課題】モータの発熱上昇を抑えながらワイパ装置を作動させる際に、ユーザに与える違和感を軽減するワイパ装置を提供する。
【解決手段】ワイパ装置は、ガラス面上を往復揺動するワイパアーム1a,1bに接続し、車両のガラス面を払拭するワイパブレード2a,2bと、ワイパアーム1a,1bを往復揺動させるモータ6a,6bと、モータ6a,6bを制御するワイパ制御装置10a,10bと、を備える。ワイパ制御装置10a,10bは、モータ6a,6bの負荷状態を検出するモータ負荷検出部と、モータ6a,6bの温度を検出するモータ温度検出部と、を備える。モータ6a,6bの負荷状態が所定の状態を超えた場合に、ワイパブレード2a,2bの払拭速度を遅く変更し、モータ6a,6bの温度が所定温度を超えた場合に、ワイパブレード2a,2bを間欠払拭動作に変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のガラス面を払拭するワイパブレードと、
前記ワイパブレードに接続され、ガラス面上を往復揺動するワイパアームと、
前記ワイパアームを往復揺動させるワイパモータと、
前記ワイパモータを制御する制御装置と、
を備えたワイパ装置であって、
前記制御装置は、
前記ワイパモータの負荷状態を検出する負荷検出部と、
前記ワイパモータの温度を検出する温度検出部と、
を備え、
前記負荷検出部によって検出された前記ワイパモータの負荷状態が所定の状態を超えた場合に、前記ワイパブレードの払拭速度を遅く変更し、
前記温度検出部によって検出された前記ワイパモータの温度が所定温度を超えた場合に、前記ワイパブレードを間欠払拭動作に変更することを特徴とするワイパ装置。
【請求項2】
前記車両の速度を検出する車速検出部をさらに備え、
前記制御装置は、
前記車速検出部によって検出された車速が低速であり、かつ前記温度検出部によって検出された前記ワイパモータの温度が所定温度を超えた場合に、前記ワイパブレードを間欠払拭動作に変更する請求項1に記載のワイパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、雨天時等における運転者の視界を確保するため、ウインドシールド(フロントガラス)に付着した雨や、前車からの飛沫を拭き取るワイパ装置が設けられている。ワイパ装置は、ワイパ制御装置によって揺動制御されるワイパアームを有しており、ワイパアームの先端には、ウインドシールドに当接するワイパブレードが装着されている。ワイパアームは、リンク機構によってモータの回転運動を往復運動に変えることにより揺動して往復揺動を行う。ワイパアームが往復揺動を行うことにより、ワイパブレードがウインドシールド上にて払拭動作を行う。
【0003】
このワイパ装置では、ワイパブレードとウインドシールドとの間の摩擦力などによってモータに高い負荷がかかることがある。従来、モータにかかる負荷を検出し、モータにかかる負荷が高くなった場合に、ワイパブレードの払拭動作の速度を低下させて、モータの発熱上昇を抑えながら払拭動作を継続するワイパ装置がある(例えば、特許文献1参照)。このワイパ装置では、払拭動作の速度を低下させてもモータにかかる負荷が十分に低下しない場合には、払拭動作を間欠払拭動作に変更し、払拭頻度を低下させてモータの発熱上昇を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5130303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のワイパ装置では、モータに高い負荷がかかり、払拭動作の速度を低下させたとしても、モータにかかる負荷が十分に低下しないことがある。この場合には、連続払拭動作において速度を低下させた後、即座に間欠払拭動作に変更してしまう。したがって、ワイパブレードの動きが、払拭速度が低下していない連続払拭動作から間欠払拭動作まで急激に変化するので、ユーザに違和感を与えおそれがあった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、モータの発熱上昇を抑えながらワイパ装置を作動させる際に、ユーザに与える違和感を軽減するワイパ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、車両のガラス面を払拭するワイパブレードと、前記ワイパブレードに接続され、ガラス面上を往復揺動するワイパアームと、前記ワイパアームを往復揺動させるワイパモータと、前記ワイパモータを制御する制御装置と、を備えたワイパ装置であって、前記制御装置は、前記ワイパモータの負荷状態を検出する負荷検出部と、前記ワイパモータの温度を検出する温度検出部と、を備え、前記負荷検出部によって検出された前記ワイパモータの負荷状態が所定の状態を超えた場合に、前記ワイパブレードの払拭速度を遅く変更し、前記温度検出部によって検出された前記ワイパモータの温度が所定温度を超えた場合に、前記ワイパブレードを間欠払拭動作に変更するワイパ制御装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、上述のワイパ制御装置であって、前記制御装置は、前記車速検出部によって検出された車速が低速であり、かつ前記温度検出部によって検出された前記ワイパモータの温度が所定温度を超えた場合に、前記ワイパブレードを間欠払拭動作に変更する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モータの発熱上昇を抑えながらワイパ装置を作動させる際に、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態におけるワイパ装置の概略構成の一例を示す図である。
図2図1に示すワイパ制御装置の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
図3】ワイパ制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】ワイパブレードの払拭速度の時間変化の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。以下、実施の形態におけるワイパ装置を、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態におけるワイパ装置の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、ワイパ装置は、車体に揺動自在に設けられた運転席側のワイパアーム1aと助手席側のワイパアーム1bとを有している。各ワイパアーム1a,1bには、運転席側のワイパブレード2aと助手席側のワイパブレード2bが取り付けられている。ワイパブレード2a,2bは、それぞれワイパアーム1a,1b内に内装された図示しないばね部材等によりフロントガラス3のガラス面に弾圧的に接触している。
【0013】
車体には2つのワイパ軸(ピボット軸)4a,4bが設けられており、ワイパアーム1a,1bはその基端部でワイパ軸4a,4bにそれぞれ取り付けられている。なお、符号における「a,b」は、それぞれ運転席側と助手席側に関連する部材や部分等であることを示している。
【0014】
ワイパアーム1a,1bをフロントガラス3のガラス面上を往復揺動させるため、当該システムにはPWM duty制御される2つの電動モータ(ワイパモータ、以下、「モータ6a,6b」と略記する)が設けられている。モータ6a,6bは、モータ本体7と減速機構8とによって構成されており、ワイパ制御装置10a,10bによって駆動制御され正逆回転する。モータ6aを駆動制御するワイパ制御装置10aは、車両側のコントローラであるECU(Electronic Control Unit)11と車載LAN12を介して接続されている。ワイパ制御装置10a,10b同士の間は通信線13にて接続されている。
【0015】
ワイパ制御装置10aに対しては、ワイパスイッチのON/OFF、Hi、Loなどのスイッチ情報やエンジン起動情報(車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンしたときに供給されるエンジン起動信号、車両の車速を示す信号)などがLAN12を介してECU11から入力される。
【0016】
図1に示すワイパ装置では、ワイパブレード2a,2bの位置情報に基づいてモータ6a,6bがフィードバック制御(PI制御)される。ここでは、ワイパブレード2a,2bの位置に対応して、両ワイパブレードの目標速度が設定されており、予めマップ等の形でワイパ制御装置10a,10b内に格納されている。
【0017】
ワイパ制御装置10a,10bは、ワイパブレード2a,2bの現在位置を検出するとともに、ワイパ軸4a,4bの回転速度からワイパブレード2a,2bの移動速度を検出する。そして、現在のワイパブレード2a,2bの速度と、当該位置におけるワイパブレード2a,2bの目標速度とを比較し、目標速度と現在速度との差に応じて、適宜、モータ6a,6bを制御する。
【0018】
ECU11には、温度センサ14及び車速センサ(車速検出部)15が接続されている。温度センサ14は、モータ6aの温度を検出する。温度センサ14は、検出したモータ6aの温度をECU11に送信する。車速センサ15は、車両の車輪速を検出し、車輪速に演算を施して車速を算出する。車速センサ15は、算出した車速をECU11に送信する。ECU11は、温度センサ14により送信されたモータ6aの温度及び車速センサ15により送信された車速に基づく制御を行う。ECU11は、送信されたモータ6aの温度及び車速を、それぞれモータ温度信号及び車速信号としてワイパ制御装置10aに送信する。
【0019】
図2は、図1に示すワイパ制御装置の制御系の構成の一例を示すブロック図である。なお、ワイパ制御装置10a,10bは同一構成となっているため、図2及び以下の記載では、ワイパ制御装置10aについてのみ説明する。
【0020】
図2に示すように、ワイパ制御装置10aには、モータ駆動部20と、CPU21と、データ送受信部22が設けられている。ワイパ制御装置10aは、LAN12を介してECU11と接続されている。
【0021】
ワイパ制御装置10a内にはさらに、制御プログラムや各種制御情報が格納されたROM23と、モータ回転数やワイパブレード現在位置などの制御上のデータを格納しておくRAM24が設けられている。RAM24には、負荷基準値、モータ温度しきい値、及び車速しきい値が記憶されている。負荷基準値、モータ温度しきい値、及び車速しきい値は、いずれも図3に示すワイパ制御装置10aの動作において利用される値である。負荷基準値は、モータ6aにかかる負荷が高いと判定する際の基準値であり、モータ温度しきい値は、モータ6aの温度が高温であると判定する際のしきい値であり、車速しきい値は、車速が低車速(例えば、時速60km)であると判定する際のしきい値である。負荷基準値、モータ温度しきい値、及び車速しきい値は、それぞれ適宜設定することができる。
【0022】
CPU21は中央演算処理装置であり、ここでは、ECU11と接続されたCPU21がマスタ側となっており、図2では図示しないワイパ制御装置10bのCPUがスレーブ側となっている。ワイパ制御装置10aのCPU21は、データ送受信部22と通信線13を介してワイパ制御装置10bのCPUと接続されている。ワイパ制御装置10aのCPU21とワイパ制御装置10bのCPUは、通信線13を通じて位置情報や動作指示を互いにやり取りしている。マスタ側のCPU21は、ワイパスイッチの状態に従って、ワイパ制御装置10bから送られてきたワイパブレード2bの位置情報や自ら(ワイパブレード2a)の位置情報に基づいてモータ6aの動作を制御する。スレーブ側のCPUは、ワイパ制御装置10aからの指示に従って、ワイパ制御装置10aから送られてきたワイパブレード2aの位置情報や自ら(ワイパブレード2b)の位置情報に基づいてモータ6bの動作を制御する。
【0023】
モータ駆動部20は、ドライバとインバータ回路とを備える。ドライバは、ワイパ制御装置10aのCPU21が出力する制御信号(Duty)が入力されると、制御信号に基づいてインバータ回路に対して、例えば4つのスイッチング信号を出力する。インバータ回路は、モータ6aへの電力供給を制御するスイッチ素子として、4つのNチャネル型のMOSFET(電界効果トランジスタ、以下、「MOSFET」と略する)を備えている。ドライバから出力される4つのスイッチング信号は、MOSFETの各ゲート端子に入力される。インバータ回路は、一対のMOSFET(MOSFET1u、MOSFET1dとする)を直列に接続した直列回路C1と、一対のMOSFET(MOSFET2u、MOSFET2dとする)を直列に接続した直列回路C2とを並列に接続して構成されている。
【0024】
MOSFET1uのソース端子とMOSFET1dのドレイン端子とは、共通接続点N1に接続される。MOSFET2uのソース端子とMOSFET2dのドレイン端子とは、共通接続点N2に接続される。また、MOSFET1uのドレイン端子とMOSFET2uのドレイン端子とは、インバータ回路の電源に接続される。また、MOSFET1dのソース端子とMOSFET2dのソース端子とは、接地される。以上の構成により、インバータ回路は、Hブリッジ回路として構成される。
【0025】
モータ6aは、インバータ回路の共通接続点N1に接続される第1の電極と、インバータ回路の共通接続点N2に接続される第2の電極と、を備えるモータとして構成される。MOSFET1u、MOSFET1d、MOSFET2u、MOSFET2d各々はL(ロー)レベルのスイッチング信号がゲート端子に入力された状態ではオフ状態となり、ドレイン端子からソース端子へ電流が流れない。一方、MOSFET1u、MOSFET1d、MOSFET2u、MOSFET2d各々はH(ハイ)レベルのスイッチング信号がゲート端子に入力された状態ではオン状態となり、ドレイン端子からソース端子へ電流が流れる。
【0026】
モータ6aは、MOSFET1u及びMOSFET2dがオン状態とされると、第1の電極から第2の電極へ電流が流れてワイパ軸4aが一方向に回転する。一方、モータ6aは、MOSFET1d及びMOSFET2uがオン状態とされると、第2の電極から第1の電極へ電流が流れてワイパ軸4aが他方向に回転する。ワイパ制御装置10aのCPU21は、ドライバを介してモータ6aの回転を制御することにより、ワイパブレード2aに対して往復払拭動作をさせている。
【0027】
ワイパ制御装置10aは、ワイパブレード2aが連続払拭動作または間欠払拭動作を行うように、モータ駆動部20によってモータ6aを作動させる。連続払拭動作とは、ワイパブレード2aの折り返し時に、モータ6aがほとんど停止することなく動作して行われる払拭動作であり、間欠払拭動作とは、ワイパブレード2aの折り返し時に、モータ6aが一定時間、例えば0.5s〜1s停止した後、作動を再開して行われる払拭動作である。ワイパ制御装置10aは、駆動制御指示部29の指示に基づいて、ワイパブレード2aに連続払拭動作または間欠払拭動作を行わせる。
【0028】
CPU21はブレード速度検出部25と、モータ負荷検出部26と、モータ温度検出部(温度検出部)27と、車速速度判定部28と、駆動制御指示部29と、を含む。ブレード速度検出部25は、モータ6aに搭載された図示しないセンサマグネットからのセンサ信号に基づいて、ワイパブレード2aの現在の移動速度(現在速度)を検出する。ブレード速度検出部25は、検出したワイパブレード2aの現在の移動速度である払拭速度を払拭速度信号として駆動制御指示部29に出力する。
【0029】
モータ負荷検出部26は、モータ6aのモータ速度(モータパルス)と、CPU21がモータ駆動部20に出力するPWM制御信号に基づいて、ワイパブレード2aを介してモータ6aにかかる負荷を検出する。モータ負荷検出部26は、検出したモータ6aにかかる負荷(負荷状態)をモータ負荷信号として駆動制御指示部29に出力する。
【0030】
モータ温度検出部27は、ECU11から送信されるモータ温度信号に基づくモータ6aの温度と、RAM24に記憶されたモータ温度しきい値を比較する。モータ温度検出部27は、比較の結果、モータ6aが高温であるか否かを判定する。モータ温度検出部27は、モータ温度信号に基づくモータ6aの温度がモータ温度しきい値を超えた場合(所定温度を超えた場合)に、モータ6aが高温であると判定したときに、モータ6aの高温状態を検出して、モータ高温信号を駆動制御指示部29に出力する。
【0031】
車速速度判定部28は、ECU11から送信される車速信号に基づく車速と、RAM24に記憶された車速しきい値を比較する。車速速度判定部28は、比較の結果、車速が低車速であるか否かを判定する。車速速度判定部28は、車速信号に基づく車速が車速しきい値以下であり、車速が低車速であると判定したときに、低車速信号を駆動制御指示部29に出力する。
【0032】
駆動制御指示部29は、ブレード速度検出部25により出力された払拭速度信号に基づくワイパブレード2aの払拭速度、モータ負荷検出部26により出力されたモータ負荷信号に基づくモータ6aにかかる負荷、モータ温度検出部27により出力されるモータ高温信号、車速速度判定部28により出力される低車速信号等に基づいて、モータ6aの駆動信号を生成する。駆動制御指示部29は、生成した駆動信号をモータ駆動部20に出力することにより、モータ6aの駆動制御を行う。駆動制御指示部29は、連続払拭動作の際の払拭速度として、「高速」「通常」の2段階の速度を設定可能であり、間欠払拭動作を加えて、払拭速度を3段階に設定可能である。ワイパスイッチには「Hiスイッチ」及び「Loスイッチ」が設けられており、駆動制御指示部29は、「Hiスイッチ」がONとなったときに払拭速度を高速に制御し、「Loスイッチ」がONとなったときに払拭速度を通常に制御する。駆動制御指示部29は、ワイパブレード2aの払拭速度を4段階以上に設定できるようにしてもよいし、オートボードによる雨滴センサの検出状況により、「高速」よりも遅い速度で無段階に設定できるようにしてもよい。また、間欠払拭動作の際の払拭速度を一定としているが、間欠払拭動作の際の払拭速度を複数段階に設定できるようにしてもよい。
【0033】
次に、ワイパ制御装置10aの動作について説明する。図3は、ワイパ制御装置10aの動作の一例を示すフローチャートである。ワイパ制御装置10aは、図3に示すように、非作動時にワイパスイッチのうち、LoスイッチのONを示すスイッチ情報が入力されたときに制御を開始する。ワイパ制御装置10aは、まず、ワイパブレード2aの払拭速度が通常(通常速度)となるようにモータ6aを制御する(ステップS11)。なお、ワイパスイッチのうち、Hiスイッチを示すスイッチ情報が入力されたときには、ワイパ制御装置10aは、ワイパブレード2aの払拭速度が高速(高速速度)となるようにモータ6aを制御する。以後の制御は、ステップS11以後の制御と共通である。
【0034】
次に、ワイパ制御装置10aは、駆動制御指示部29において、モータ負荷検出部26により出力されるモータ負荷信号に基づいて、モータ6aにかかる負荷が高い否かを判定する(ステップS12)。駆動制御指示部29は、例えば、モータ6aにかかる負荷が負荷基準値を超えた(所定の状態を超えた)場合に、モータ6aにかかる負荷が高いと判定する。駆動制御指示部29は、モータ6aにかかる負荷が高くないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのままステップS11に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度が通常速度となるようにモータ6aを制御する。払拭速度が通常速度である場合には、駆動制御指示部29は、払拭速度を維持する。
【0035】
モータ6aにかかる負荷が高いと判定した場合(ステップS12:YES)、駆動制御指示部29は、払拭速度を低下させて(ステップS13)、ワイパブレード2aの払拭速度を遅く変更する。払拭速度を遅くすると、ワイパブレード2aとフロントガラス3との間の摩擦力が低減して、モータ6aにかかる負荷が小さくなる。駆動制御指示部29は、ワイパブレード2aの払拭速度をリニアに低下させる。なお、駆動制御指示部29は、払拭速度を段階的に低下させてもよい。
【0036】
続いて、ワイパ制御装置10aは、駆動制御指示部29において、モータ6aにかかる負荷が低いか否かを判定する(ステップS14)。駆動制御指示部29は、例えば、モータ6aにかかる負荷が負荷基準値以下であるときに、モータ6aにかかる負荷が低いと判定する。
【0037】
モータ6aにかかる負荷が低いと判定した場合(ステップS14:YES)、駆動制御指示部29は、ステップS11に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度が通常速度となるようにモータ6aを制御する。また、モータ6aにかかる負荷が低くないと判定した場合(ステップS14:NO)、駆動制御指示部29は、ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0038】
ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度でないと判定した場合(ステップS15:NO)、駆動制御指示部29は、ステップS13に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度を低下させる。また、ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度であると判定した場合(ステップS15:YES)、駆動制御指示部29は、払拭速度を最低に制御している(ステップS16)。
【0039】
続いて、駆動制御指示部29は、モータ6aにかかる負荷が低いか否かを判定する(ステップS17)。駆動制御指示部29は、ステップS14における判定と同様に、例えば、モータ6aにかかる負荷が負荷基準値以下であるときに、モータ6aにかかる負荷が低いと判定する。
【0040】
ステップS17において、モータ6aにかかる負荷が低いと判定した場合(ステップS17:YES)、駆動制御指示部29は、ステップS11に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度が通常速度となるようにモータ6aを制御する。また、モータ6aにかかる負荷が低くないと判定した場合(ステップS17:NO)、駆動制御指示部29は、車速が低車速であるか否かを判定する(ステップS18)。駆動制御指示部29は、車速速度判定部28により低車速信号が出力されているか否かに基づいて低車速であるか否かの判定を行う。
【0041】
車速速度判定部28により低車速信号が出力され、車速が低車速であると判定した場合(ステップS18:YES)、駆動制御指示部29は、モータ温度が高温となっているか否かを判定する(ステップS19)。駆動制御指示部29は、モータ温度検出部27によりモータ高温信号が出力されているか否かに基づいて、モータ温度が高温となっているか否かの判定を行う。
【0042】
モータ温度検出部27によりモータ高温信号が出力され、モータ温度が高温となっていると判定した場合(ステップS19:YES)、駆動制御指示部29は、ワイパブレード2aの払拭速度を連続払拭動作から間欠払拭動作に変更するようにモータ6aを駆動制御する(ステップS20)。モータ6aにかかる負荷が大きい場合でも、モータ6aの温度が高温となっていないときには、モータ6aの発熱上昇が進んでいないため、連続払拭動作を行ってもモータ6aが故障に至る懸念は小さい。ところが、モータ6aの温度が高温となっているときには、モータ6aの故障を防止する必要性が高くなる。
【0043】
そこで、モータ温度検出部27によりモータ高温信号が出力されておらず、モータ温度が高温となっていないと判定した場合(ステップS19:NO)、駆動制御指示部29は、ステップS16に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度となるようにモータ6aを制御する。こうして、ワイパブレード2aの払拭動作を間欠払拭動作に変更せずに連続払拭動作のままとして維持する。また、ステップS18において、車速速度判定部28により低車速信号が出力されておらず、車速が低車速でないと判定した場合(ステップS18:NO)、駆動制御指示部29は、ワイパブレード2aの払拭動作を連続払拭動作から間欠払拭動作に変更するようにモータ6aを制御する(ステップS20)。
【0044】
続いて、駆動制御指示部29は、モータ6aにかかる負荷が低いか否かを判定する(ステップS21)。駆動制御指示部29は、ステップS14における判定と同様に、例えば、モータ6aにかかる負荷が負荷基準値以下であるときに、モータ6aにかかる負荷が低いと判定する。
【0045】
ステップS21において、モータ6aにかかる負荷が低いと判定した場合(ステップS21:YES)、駆動制御指示部29は、ステップS16に戻り、ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度となるようにモータ6aを制御する。こうして、モータ6aにかかる負荷が小さくなったときには、ワイパブレード2aの払拭動作を間欠払拭動作から連続払拭動作に復帰させる。また、モータ6aにかかる負荷が低くないと判定した場合(ステップS21:NO)、駆動制御指示部29は、ステップS20に戻り、ワイパブレード2aが間欠払拭動作を継続するようにモータ6aを制御する。
【0046】
以上の構成を説明したワイパ制御装置10aによる払拭速度の時間変化の一例について説明する。図4は、ワイパブレードの払拭速度の時間変化の一例を示すグラフである。図4において、曲線LBは、モータ6aにかかる負荷の時間変化の一例を示し、曲線TBは、モータ6aの温度変化(モータ温度の変化)の一例を示している。また、折れ線WVは、払拭速度の時間変化の一例を示している。また、図4には、負荷基準値Lth及びモータ温度しきい値Tthを示している。
【0047】
図4に示すように、ワイパブレード2aが通常の払拭速度(通常速度)で作動していたところ、時刻t1において、モータ6aにかかる負荷が負荷基準値Lthを超えた。この場合には、時刻t1となった時点で払拭速度を低下させ始める。その後、例えば、モータ6aにかかる負荷が小さくなって負荷基準値Lth以下となった場合には、払拭速度を通常速度に復帰させる。
【0048】
図4に示す例では、時刻t1となり、払拭速度を低下させ始めても、モータ6aにかかる負荷が増加しているため、払拭速度を徐々に低下させている。その後、時刻t2の時点で払拭速度が最低速度となる。ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度となった時刻t2の後は、ワイパブレード2aが最低速度で作動するが、モータ6aのモータ温度が高温となるまではワイパブレード2aは最低速度で連続払拭動作を継続する。
【0049】
図4に示す例では、ここまでの間、モータ6aのモータ温度は徐々に上昇している。その後、時刻t3の時点でモータ6aのモータ温度がモータ温度しきい値Tthを超えた時点で、最低速度で連続払拭動作を行っているワイパブレード2aが間欠払拭動作を行うようになる。
【0050】
したがって、ワイパブレード2aは、時刻t1までは通常の払拭速度で連続払拭動作を行い、時刻t1から時刻t2までは、通常速度から徐々に速度を減じながら連続払拭動作を行う。続いて、時刻t2から時刻t3までの間は、ワイパブレード2aは、最低速度で連続払拭動作を行い、時刻t3以降は間欠払拭動作を行う。
【0051】
このように、上記の例では、モータ6aにかかる負荷が高くなった場合に、ワイパブレード2aが連続払拭動作をしているときにはその払拭速度を減じていき、払拭速度が最低速度となった後は、ワイパブレード2aは最低速度の連続払拭動作を行う。また、ワイパブレード2aが最低速度での連続払拭動作を行っている間、モータ6aのモータ温度が高温となったときに、ワイパブレード2aの払拭動作を連続払拭動作から間欠払拭動作に変更する。
【0052】
例えば、モータ6aのモータ温度を考慮しない場合、モータ6aにかかる負荷の増大により、通常速度などの比較的高速での連続払拭動作を行っているワイパブレード2aの払拭動作が、例えば時刻t2で急に間欠払拭動作に変更されてしまい、ユーザに違和感を与える可能性がある。この点、上記の例では、モータ6aのモータ温度が高温となったときにワイパブレード2aの払拭動作が間欠払拭動作に変更されるので、例えば時刻t3の時点で払拭速度が最低速度であるワイパブレード2aの払拭動作が間欠払拭動作に変更される。したがって、モータ6aの負荷が高くなってワイパブレード2aの払拭速度を減じるとしても、比較的高速でのワイパブレード2aの連続払拭動作が急に間欠払拭動作に変更される事態を抑制できる。その結果、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【0053】
また、上記の例では、ワイパブレード2aの払拭動作が間欠払拭動作となるまで時間がかかるので、ユーザがワイパスイッチをOFFにしてワイパ装置の使用を終了することも期待できる。さらに、ユーザは、ワイパブレード2aの払拭動作を極力、間欠払拭動作ではなく連続払拭動作として使用することを望むことが多い。上記の例では、ワイパブレード2aの払拭動作が間欠払拭動作となるまで時間がかかるので、このようなユーザの要望に応えることもできる。
【0054】
モータ6aの負荷を軽減する技術として、ワイパブレード2aの払拭速度が最低速度となった後、間欠払拭動作に変更するまでディレイ時間を設けることが考えられるが、モータ6aのモータ温度が高い場合には、モータ6aの故障の誘発が懸念される問題がある。また、ワイパブレード2aの払拭動作を間欠払拭動作に変更するためのモータ6aにかかる負荷にしきい値を設けることも考えられるが、ワイパブレード2aの払拭速度が低下することにより、しきい値の設定が難しくなる問題がある。この点、上記の例では、これらの問題が発生しないようにできる。
【0055】
また、上記の例では、車速が低車速であるときにワイパブレード2aの払拭動作を間欠払拭動作に変更するようにしている。このため、高速走行時にワイパブレード2aが間欠払拭動作に変更されることを抑制できる。したがって、高速走行時のドライバの視界を妨げにくくすることができる。
【0056】
上述した実施の形態におけるワイパ制御装置10aをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0057】
以上、この発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、実施の形態では、ワイパモータである電動モータを2つ備え、運転席側と助手席側とのワイパアームおよびワイパブレード(以下、「ワイパアーム等」という)を略同一方向に払拭動作させるワイパ装置を示したが、本発明はこれに限らず、2つの電動モータをフロントガラス3に対して左右対称に配置し、運転席側と助手席側とのワイパアーム等を対向するよう払拭動作させる対向払拭型のワイパ装置にも適用可能である。さらに、実施の形態では、電動モータを2つ備えたワイパ装置を示したが、ワイパ装置の構成はこれに限られず、特開2005−94821号公報の図1に記載のように、リンク機構を用いて1つの電動モータで運転席側と助手席側のワイパアーム等を払拭動作させるものでもよい。
【符号の説明】
【0058】
1a,1b…ワイパアーム
2a,2b…ワイパブレード
3…フロントガラス
6a,6b…モータ
10a,10b…ワイパ制御装置
14…温度センサ
15…車速センサ(車速検出部)
20…モータ駆動部
21…CPU
23…ROM
24…RAM
25…ブレード速度検出部
26…モータ負荷検出部
27…モータ温度検出部(温度検出部)
28…車速速度判定部
29…駆動制御指示部
Lth…負荷基準値
Tth…モータ温度しきい値
図1
図2
図3
図4