特開2020-46518(P2020-46518A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-46518画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-46518(P2020-46518A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20200303BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20200303BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   G03G15/00 447
   G03G21/14
   B65H5/06 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-174289(P2018-174289)
(22)【出願日】2018年9月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】市川 勝久
(72)【発明者】
【氏名】吉村 理
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F049
【Fターム(参考)】
2H072AA12
2H072AA16
2H072AA22
2H072AA23
2H072AA29
2H072AB06
2H072BA03
2H072CA01
2H072CB05
2H072HB07
2H072JA02
2H270LA37
2H270LA39
2H270LA70
2H270LC02
2H270LC11
2H270LC12
2H270LC13
2H270LD03
2H270LD09
2H270MC55
2H270MC59
2H270MD01
2H270MD02
2H270MD13
2H270MH06
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
3F049AA02
3F049DA12
3F049EA01
3F049EA24
3F049LA02
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】 単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整すること。
【解決手段】 MFPは、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、駆動モーターと、駆動モーターを動力源として回転し画像形成部に記録媒体を供給するタイミングローラーと、駆動モーターを動力源として回転しタイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、駆動モーターと給紙ローラーとの間に設けられる給紙用クラッチと、駆動モーターとタイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、タイミングクラッチおよび給紙クラッチを切断した状態で画像形成部が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻t2よりもループ時間だけ前に給紙クラッチを接続し、開始時刻t2にタイミングクラッチを接続する搬送制御手段と、を備える。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
駆動モーターと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記タイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、
前記駆動モーターと前記給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、
前記駆動モーターと前記タイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、
前記タイミングクラッチおよび前記給紙クラッチを切断した状態で、前記画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に前記給紙クラッチを接続し、前記開始時刻に前記タイミングクラッチを接続する搬送制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記給紙ローラーと前記タイミングローラーとの間の搬送経路に設けられて記録媒体を検出する検出手段と、
前記給紙ローラーが記録媒体を搬送中に前記検出手段により記録媒体が検出されてから前記給紙クラッチを切断するまでの切断時間と、前記検出手段から前記タイミングローラーまでの距離と、前記給紙ローラーが記録媒体を搬送する給紙速度とに基づいて前記ループ時間を決定するループ時間決定手段と、をさらに備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ループ時間決定手段は、前記給紙ローラーと前記タイミングローラーとの間に存在する記録媒体の搬送方向の長さとして予め定められたループ長さに基づいて前記ループ時間を決定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ループ時間決定手段は、前記給紙クラッチが接続を開始してから接続が完了するまでの時間の最大値に基づいて、前記ループ時間を決定する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ループ時間決定手段は、前記ループ時間を記録媒体の種類に応じて変更する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記給紙ローラーは、前記タイミングローラーの下方に配置され、
前記ループ時間決定手段は、前記給紙クラッチが切断された状態で前記給紙ローラーが逆回転して記録媒体が移動する距離に基づいて前記ループ時間を決定する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記タイミングクラッチが切れた状態における前記タイミングローラーの回転を規制する規制手段を、さらに備えた、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記給紙ローラーが記録媒体を搬送する力が予め定められた値以下となるように調整する調整手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
駆動モーターと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記タイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、
前記駆動モーターと前記給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、
前記駆動モーターと前記タイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、を備え、
前記タイミングクラッチおよび前記給紙クラッチを切断した状態で、前記画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に前記給紙クラッチを接続するステップと、
前記開始時刻に前記給紙クラッチを接続するステップと、を含む画像形成方法。
【請求項10】
画像形成装置を制御するコンピューターで実行される画像形成プログラムであって、
前記画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
駆動モーターと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、
前記駆動モーターを動力源として回転し前記タイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、
前記駆動モーターと前記給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、
前記駆動モーターと前記タイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、を備え、
前記タイミングクラッチおよび前記給紙クラッチを切断した状態で、前記画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に前記給紙クラッチを接続するステップと、
前記開始時刻に前記給紙クラッチを接続するステップと、を前記コンピューターに実行させる画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関し、特に、記録媒体の傾きを補正して記録媒体を搬送する画像形成装置、その画像形成装置で実行される画像形成方法およびその画像形成方法を画像形成装置を制御するコンピューターに実行させる画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置において、記録媒体を搬送しながら記録媒体に画像を形成する。複数種類のサイズの記録媒体を搬送するために搬送経路の幅が記録媒体の最大サイズに合わせられている。記録媒体を搬送中に記録媒体が傾く場合がある。このため、いずれのサイズの記録媒体を搬送する場合であっても記録媒体を適切な方向で搬送するために記録媒体の傾きを補正する技術が知られている。
【0003】
例えば、特開2016−94273号公報には、レジストローラと、当該レジストローラに隣接してシートの搬送方向の上流側に配置されたレジスト前ローラとを含み、停止中のレジストローラにシートの先端部を当接させ、シートに所定の撓みを形成した後にシートを搬送する搬送装置であって、レジスト前ローラを回転させる第1駆動部と、レジストローラを回転させる第2駆動部とをさらに含み、第1駆動部がレジスト前ローラを回転させることにより搬送されるシートの先端部が、レジストローラに到達したことを受けて、第1駆動部は、レジスト前ローラの回転を停止させ、第1駆動部がレジスト前ローラの回転を停止させた後、第1駆動部が、第1速度でレジスト前ローラの等速回転を開始させると同時に、第2駆動部は、第1速度よりも小さい第2速度で、レジストローラの等速回転を開始させ、レジスト前ローラ及びレジストローラの等速回転を開始させた後、シートに所定の撓みが形成されたことを受けて、第2駆動部は、レジストローラを第1速度で等速回転させる、搬送装置が記載されている。この搬送装置において、第1駆動部及び第2駆動部は、停止時にロータが固定されないブラシレスモータであり、シートに所定の撓みが形成されたときの、レジストローラによるシートの搬送距離は0.5mm以下である。
【0004】
特開2016−94273号公報に記載の搬送装置は、レジストローラーを回転させるブラシレスモータと、レジスト前ローラーを回転させるブラシレスモータを設けなければならず、コストが高くなるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−94273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的の1つは、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面によれば、画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、駆動モーターと、駆動モーターを動力源として回転し画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、駆動モーターを動力源として回転しタイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、駆動モーターと給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、駆動モーターとタイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、タイミングクラッチおよび給紙クラッチを切断した状態で、画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に給紙クラッチを接続し、開始時刻にタイミングクラッチを接続する搬送制御手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に給紙クラッチが接続され、開始時刻にタイミングクラッチが接続される。このため、ループ時間の間に給紙ローラーが搬送する記録媒体の長さが給紙ローラーとタイミングローラーとの間の距離より長くなるようにループ時間を設定すれば、記録媒体の先端がタイミングローラーに到達してからタイミングローラーが回転を開始するまでに所定の時間が確保され、記録媒体の方向を補正することができる。その結果、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、給紙ローラーとタイミングローラーとの間の搬送経路に設けられて記録媒体を検出する検出手段と、給紙ローラーが記録媒体を搬送中に検出手段により記録媒体が検出されてから給紙クラッチを切断するまでの切断時間と、検出手段からタイミングローラーまでの距離と、給紙ローラーが記録媒体を搬送する給紙速度とに基づいてループ時間を決定するループ時間決定手段と、をさらに備える。
【0012】
この局面に従えば、給紙速度に対応したループ時間を決定することができる。
【0013】
好ましくは、ループ時間決定手段は、給紙ローラーとタイミングローラーとの間に存在する記録媒体の搬送方向の長さとして予め定められたループ長さに基づいてループ時間を決定する。
【0014】
この局面に従えば、予め定められたループ長さを確保することができる。
【0015】
好ましくは、ループ時間決定手段は、給紙クラッチが接続を開始してから接続が完了するまでの時間の最大値に基づいて、ループ時間を決定する。
【0016】
この局面に従えば、給紙ローラーとタイミングローラーとの間に存在する記録媒体の長さをループ長さ以上にすることができる。
【0017】
好ましくは、ループ時間決定手段は、ループ時間を記録媒体の種類に応じて変更する。
【0018】
この局面に従えば、給紙ローラーとタイミングローラーとの間に存在する記録媒体の長さが記録媒体の種類に応じて変更されるため、記録媒体がタイミングローラーに当接する際に発生する力が大きくなり過ぎないようにすることができる。このため、タイミングローラーの損傷を少なくすることができる。
【0019】
好ましくは、給紙ローラーは、タイミングローラーの下方に配置され、ループ時間決定手段は、給紙クラッチが切断された状態で給紙ローラーが逆回転して記録媒体が移動する距離に基づいてループ時間を決定する。
【0020】
この局面に従えば、給紙ローラーとタイミングローラーとの間に存在する記録媒体の長さをループ長さ以上にすることができる。
【0021】
好ましくは、タイミングクラッチが切れた状態におけるタイミングローラーの回転を規制する規制手段を、さらに備える。
【0022】
この局面に従えば、タイミングクラッチが切断された状態で給紙ローラーにより搬送される記録媒体がタイミングローラーに当接してもタイミングローラーが回転しないようにすることができる。
【0023】
好ましくは、給紙ローラーが記録媒体を搬送する力が予め定められた値以下となるように調整する調整手段を含む。
【0024】
この局面に従えば、給紙ローラーにより搬送される記録媒体がタイミングローラーに当接してもタイミングクラッチが切断された状態におけるタイミングローラーが回転しないようにすることができる。
【0025】
この発明の他の局面によれば、画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、駆動モーターと、駆動モーターを動力源として回転し画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、駆動モーターを動力源として回転しタイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、駆動モーターと給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、駆動モーターとタイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、を備え、タイミングクラッチおよび給紙クラッチを切断した状態で、画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に給紙クラッチを接続するステップと、開始時刻に給紙クラッチを接続するステップと、を含む。
【0026】
この局面に従えば、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成方法を提供することができる。
【0027】
この発明の他さらに他の局面によれば、画像形成プログラムは、画像形成装置を制御するコンピューターで実行される画像形成プログラムであって、画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、駆動モーターと、駆動モーターを動力源として回転し画像形成手段に記録媒体を供給するタイミングローラーと、駆動モーターを動力源として回転しタイミングローラーに記録媒体を供給する給紙ローラーと、駆動モーターと給紙ローラーとの間に設けられる給紙クラッチと、駆動モーターとタイミングローラーとの間に設けられるタイミングクラッチと、を備え、タイミングクラッチおよび給紙クラッチを切断した状態で、画像形成手段が記録媒体に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻よりもループ時間だけ前に給紙クラッチを接続するステップと、開始時刻に給紙クラッチを接続するステップと、をコンピューターに実行させる。
【0028】
この局面に従えば、単一の駆動源を用いて記録媒体の方向を調整することが可能な画像形成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2】本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図3】本実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。
図4】主搬送経路および複数の副搬送経路の構成を示す側面図である。
図5】転写ローラーに与えられる合成力FCPの時間的な変化を説明するための第1の図である。
図6】実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図7】タイミングクラッチおよび給紙クラッチの接続タイミングの一例を示す図である。
図8】比較例の一例を示す図である。
図9】転写ローラーに与えられる合成力FCPの時間的な変化を説明するための第2の図である。
図10】本実施の形態における画像形成制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】ループ時刻決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】切換制御決定理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】定着速度切換定理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。また、以下の説明においては、画像形成装置の一例としてMFPを説明する。本実施の形態においては、記録媒体の一例として用紙を用い、媒体種別を普通紙、上質紙、または厚紙としている。媒体種別が異なる記録媒体は、坪量が異なる。
【0031】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて用紙に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0032】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置される原稿を検出する原稿検出センサを備える。
【0033】
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読み取り面が露出する開状態と、読み取り面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。自動原稿搬送装置120は、自動原稿搬送装置120の開状態を検出する状態検出センサを備える。
【0034】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。原稿読取部130は、画像データをメイン回路110が備えるCPU111に出力する。
【0035】
給紙部150は、後述する第1〜第3の給紙カセットおよび手差しカセットに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。給紙部150は、画像形成部140に搬送される用紙に関する情報を媒体情報として検出する。本実施の形態においては、媒体情報は、用紙の坪量である。給紙部150において媒体情報を検出するための構成および動作の詳細は後述する。
【0036】
画像形成部140は、CPU111により制御され、周知の電子写真方式により画像を形成するものである。本実施の形態では、画像形成部140は、CPU111から入力される画像データと、用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は排紙トレイ159に排出される。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
【0037】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0038】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0039】
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0040】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0041】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0042】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
【0043】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0044】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0045】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD−ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0046】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
図3は、本実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。図3を参照して、MFP100の内部には、太い点線で示される主搬送経路41が基本的に上下方向に延びるように形成されている。主搬送経路41は、給紙部150から搬送される用紙を、画像形成部140を通して排紙トレイ159へ導くための経路である。本例の主搬送経路41においては、画像形成部140よりも上方に位置する上端部13の反対側の下端部30が給紙部150から用紙を受ける搬入口を構成する。また、主搬送経路41の上端部13が、画像形成後の用紙を排紙トレイ159に排出する排出口を構成する。主搬送経路41の上端部13には、排紙ローラー48が設けられている。主搬送経路41の下端部30は、後述する給紙部150の複数の副搬送経路SP1,SP2,SP3に接続される。用紙の搬送方向は、給紙部150から排紙トレイ159に向かう方向である。
【0048】
給紙部150は、記録媒体である用紙を格納するための、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154を含む。3つの給紙カセット151,152,153は、この順で上方から下方に向かって並ぶように積層配置されている。給紙カセット151に対応してサイズセンサ151sが配置される。サイズセンサ151sは、給紙カセット151に格納される用紙のサイズを検出する。例えば、サイズセンサ151sは、給紙カセット151に設けられた仕切り板の位置を検出する。同様に、給紙カセット152に対応してサイズセンサ152sが配置され、給紙カセット153に対応してサイズセンサ153sが配置される。サイズセンサ152sは、給紙カセット152に格納される用紙のサイズを検出する。サイズセンサ153sは、給紙カセット153に格納される用紙のサイズを検出する。
【0049】
手差しカセット154は、MFP100の側壁101に設けられ、画像形成部140よりも下方に位置する。手差しカセット154は、側壁101と平行な位置の閉状態と、側壁101と所定の角度を形成する位置の開状態とに状態を変化させる。手差しカセット154は、開状態において、上側が開放するので、ユーザーが、用紙を補充することができる。手差しカセット154に対応してサイズセンサ154sが配置される。サイズセンサ154sは、手差しカセット154に格納される用紙のサイズを検出する。例えば、サイズセンサ154sは、手差しカセット154に設けられた仕切り板の位置を検出する。
【0050】
サイズセンサ151s〜154sは、有体物を検出可能なセンサである。サイズセンサ151s〜154sとして、限定するものではないが、例えば、光電センサ、圧力センサ等を用いることができる。
【0051】
図3に太い一点鎖線で示すように、給紙部150においては、3つの給紙カセット151,152,153のうち上段に位置する給紙カセット151から主搬送経路41の下端部30へ延びるように副搬送経路SP1が形成されている。また、手差しカセット154から主搬送経路41の下端部30へ延びるように副搬送経路SP2が形成されている。さらに、3つの給紙カセット151,152,153のうち中段および下段に位置する給紙カセット152,153それぞれから主搬送経路41の下端部30に延びる2つの搬送経路152a,153aが形成されている。2つの搬送経路152a,153aそれぞれの主搬送経路41の下端部30から所定の長さの部分は、2つの搬送経路152a,153aで共用される副搬送経路SP3である。
【0052】
MFP100においては、用紙への画像形成時に、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうちから画像形成されるべき用紙が収納されたカセットが対象カセットとして選択される。3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうち対象カセットとして選択されたカセットから副搬送経路SP1,SP2,SP3のいずれかを通して主搬送経路41に画像形成されるべき用紙が供給される。
【0053】
副搬送経路SP1には、給紙カセット151に収納された用紙を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー151rおよび給紙従動ローラー151rAが設けられている。副搬送経路SP2には、手差しカセット154に収納された用紙を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー154rおよび従動ローラー154rAが設けられている。搬送経路152aには、給紙カセット152に収納された用紙を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー152rおよび従動ローラー152rAが設けられている。さらに、搬送経路153aには、給紙カセット153に収納された用紙を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー153rおよび従動ローラー153rAが設けられている。給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとの関係は、給紙ローラー152rと従動ローラー152rAとの関係、給紙ローラー153rと従動ローラー153rAとの関係および給紙ローラー154rと従動ローラー154rAとの関係と同じなので、以下の説明では、給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとの関係を例に説明する。給紙ローラー151rは給紙従動ローラー151rAと対になる。
【0054】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kを備える。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット51Yについて説明する。
【0055】
画像形成ユニット51Yは、イエローの印字用データが入力される露光ヘッドと、像担持体である感光体ドラムと、帯電チャージャと、現像器と、転写ローラー53Yとを備える。露光ヘッドは、受取った印字用データ(電気信号)に応じてレーザ光を発光する。発光されたレーザ光は露光ヘッドが備えるポリゴンミラーにより1次元走査され、感光体ドラムを露光する。感光体ドラムは、露光を受ける前にクリーナで表面の残存トナーが除去され、さらにイレーサランプに照射されて除電された後、帯電チャージャにより一様に帯電されている。感光体ドラムを1次元走査する方向は、主走査方向である。感光体ドラムは、帯電チャージャによって帯電された後、露光ヘッドが発光するレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムに静電潜像が形成される。続いて、現像器により、静電潜像上にトナーが載せられてトナー像が形成される。感光体ドラム上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト57上に、転写ローラー53Yにより転写される。
【0056】
一方、中間転写ベルト57は、駆動ローラー55とローラー55Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー55の回転軸は本体ケースに軸支されている。ローラー55Aの回転軸は、中間転写ベルト57の弛みをなくすための調整機構を介して本体ケースに固定されている。駆動ローラー55は、モーターM1を駆動源として回転する。モーターM1の回転力は駆動ローラー55に直接伝達される。駆動ローラー55が図中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト57が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト57の回転に伴って、ローラー55Aが、反時計回りに回転する。
【0057】
これにより、画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kが、順に中間転写ベルト57上にトナー像を転写する。中間転写ベルト57は、転写されたトナー像を担持する。したがって、中間転写ベルト57は像担持体の1つである。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kそれぞれが、中間転写ベルト57上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト57に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト57上に重畳される。
【0058】
上記の主搬送経路41には、下端部30から上端部13にかけて、タイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49がこの順で間隔をおいて配置されている。タイミングローラー45はタイミング従動ローラー45Aと対になる。タイミング従動ローラー45Aは、タイミングローラー45に従動して回転する。転写ローラー47は駆動ローラー55と対になり、駆動ローラー55に従動して回転する。定着ローラー49は従動ローラー49Aと対になる。
【0059】
給紙部150から主搬送経路41へ供給された用紙はタイミングローラー45へ送られる。タイミングローラー45は、中間転写ベルト57に形成されたトナー像が転写ローラー47に到達するタイミングで用紙が転写ローラー47に到達するように決定された開始時刻に回転を開始し、主搬送経路41に用紙を搬送する。タイミングローラー45により搬送される用紙は、転写ローラー47により中間転写ベルト57に押し当てられ、転写ローラー47を帯電させることにより、中間転写ベルト57上に重畳して形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が用紙に転写される。転写ローラー47の帯電量は、用紙の坪量に適した値となるように、転写ローラー47に印加される電圧がCPU111によって制御される。
【0060】
トナー像が転写された用紙は、定着ローラー49に搬送され、定着ローラー49により加熱される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、画像形成後の用紙は、排紙ローラー48によって主搬送経路41の上端部13から排紙トレイ159上に排出される。定着ローラー49の温度は、用紙の坪量に適した値となるように、CPU111によって制御される。駆動ローラー55の回転軸は本体ケースに軸支されている。
【0061】
本実施の形態におけるMFP100には、主搬送経路41内に検出領域を有する検出装置11が設けられている。検出装置11は、投光部11aおよび受光部11bを含み、主搬送経路41の下端部30とタイミングローラー45との間の位置で投光部11aおよび受光部11bが主搬送経路41を挟んで互いに対向するように配置されている。投光部11aは、例えば発光ダイオード等の発光素子、発光素子の駆動回路、および光学系を含み、その光軸に沿って光を出射する。投光部11aの光軸に沿う主搬送経路41内の領域が検出領域となる。受光部11bは、フォトダイオード等の受光素子を含み、受光素子が受ける光の受光量に対応する信号を出力する。検出装置11の検出領域は、投光部11aと受光部11bとの間の領域である。
【0062】
検出装置11においては、投光部11aから検出領域に予め定められた光量の光が出射される。この状態で、用紙が検出領域を横切るように移動することにより、移動中の用紙の一部に光が照射される。このとき、用紙に照射された光の一部は当該用紙を透過し、光の残りは用紙に吸収されるかまたは用紙から反射される。受光部11bは、用紙を透過した光を受光し、その受光量に応じた信号をCPU111に出力する。
【0063】
CPU111においては、受光部11bの出力信号に基づいて、検出領域に用紙が進入したことを検出するとともに、検出領域を移動する用紙の媒体種別を決定する。具体的には、CPU111は、投光部11aが出射した光の光量に対する受光部11bが受光した光の光量の変化から検出領域に用紙が進入したことを検出する。また、CPU111は、投光部11aが出射した光の光量に対する受光部11bが受光した光の光量の割合を透過率として算出し、透過率に対する坪量を決定する。さらに、予め実験等することにより複数の媒体種別それぞれに対する坪量を求めておき、坪量から媒体種別を決定する。ここでは、媒体種別を普通紙、上質紙、および厚紙としている。
【0064】
CPU111は、取得された媒体種別に基づいて、当該用紙の画像形成条件を設定する。用紙の画像形成条件には、中間転写ベルト57に形成されたトナー像を用紙に適切に転写させるために必要とされる転写ローラー47に印加する電圧、および、用紙に転写されたトナー像を用紙に適切に定着させるために必要とされる定着ローラー49の温度が含まれる。また、用紙の画像形成条件は、トナー像を用紙に転写および定着させるために必要とされる用紙の搬送速度を含む。例えば、坪量が大きい用紙の搬送速度は、坪量が小さい用紙の搬送速度より遅く設定される。また、坪量が小さい用紙の搬送速度は、坪量が大きい用紙の搬送速度より早く設定される。
【0065】
図4は、主搬送経路および複数の副搬送経路の構成を示す側面図である。図4では、主搬送経路41および複数の副搬送経路SP1,SP2,SP3の形状ならびにそれらの位置関係の理解を容易にするために、副搬送経路SP1,SP2に互いに異なる2種類のハッチングが付されるとともに、主搬送経路41および副搬送経路SP3に互いに異なる2種類のドットパターンが付されている。また、主搬送経路41および副搬送経路SP1において、給紙カセット151から搬送される用紙が通過する経路の一例を点線で示している。
【0066】
検出装置11は、主搬送経路41内に検出領域DAを有するように配置される。検出装置11の検出領域DAは、用紙の進行方向に交差するとともに主搬送経路41を移動する用紙に交差する方向に延びている。検出領域DAは、投光部11aと受光部11bとの間の領域である。検出領域DAの伸びる方向は、投光部11aの中心と受光部11bの中心とを結んだ線と平行である。
【0067】
タイミングローラー45および給紙ローラー151r、152r,153r、154rそれぞれは、モーターM1を駆動源とする。タイミングローラー45および給紙ローラー151r、152r,153r、154rそれぞれの回転軸は本体ケースで軸支されている。モーターM1とタイミングローラー45との間にタイミングクラッチ45Bが配置される。モーターM1の回転力はタイミングクラッチ45Bを介してタイミングローラー45に伝達される。タイミングクラッチ45Bは、CPU111により制御され、切断状態と接続状態とのいずれかに状態を変化する。タイミングクラッチ45Bが接続状態の場合はモーターM1の回転力がタイミングローラー45に伝達され、タイミングクラッチ45Bが切断状態の場合はモーターM1の回転力がタイミングローラー45に伝達されない。
【0068】
モーターM1と給紙ローラー151rとの間に給紙クラッチ151rBが配置される。モーターM1の回転力は給紙クラッチ151rBを介して給紙ローラー151rに伝達される。給紙クラッチ151rBは、CPU111により制御され、切断状態と接続状態とのいずれかに状態を変化する。給紙クラッチ151rBが接続状態の場合はモーターM1の回転力が給紙ローラー151rに伝達され、給紙クラッチ151rBが切断状態の場合はモーターM1の回転力が給紙ローラー151rに伝達されない。同様に、モーターM1と給紙ローラー152rとの間に給紙クラッチ152rBが配置され、モーターM1と給紙ローラー153rとの間に給紙クラッチ153rBが配置され、モーターM1と給紙ローラー154rとの間に給紙クラッチ154rBが配置される。
【0069】
定着ローラー49は、モーターM1とは別に設けられたモーターM2を駆動源として回転する。モーターM2の回転力は定着ローラー49に直接伝達される。このため、転写ローラー47、給紙ローラー151rの回転数を一定にしつつ定着ローラー49の回転数を変更することができる。
【0070】
主搬送経路41の少なくとも一方の側面は、所定の曲率を有する。主搬送経路41の下端部30と複数の副搬送経路SP1〜SP3との接続部近傍には、副搬送経路SP1と副搬送経路SP3とを仕切る経路形成部材B1が設けられている。また、副搬送経路SP3と副搬送経路SP2とを仕切る経路形成部材B2が設けられている。また、経路形成部材B1の下方には、給紙カセット152からの搬送経路152aと給紙カセット153からの搬送経路153aを仕切る経路形成部材B3が設けられている。
【0071】
用紙が給紙ローラー151rにより搬送されて副搬送経路SP1を通して主搬送経路41に搬送される場合、副搬送経路SP1から主搬送経路41に進入する用紙が検出領域DAに導かれる。用紙の先端が検出領域DAに到達した時点で、CPU111が、検出装置11の出力信号の変換に基づいて、用紙を検出するとともに、検出装置11の出力信号に基づいて用紙の媒体種別を決定する。
【0072】
さらに、用紙は、給紙ローラー151rにより搬送されてタイミングローラー45に当接する。この段階で、タイミングローラー45とモーターMとの間の駆動経路に配置されるタイミングクラッチ45Bが切れており、タイミングローラー45は停止している。このため、用紙の下流側の先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなるが、用紙の上流側の部分が給紙ローラー151rにより押し出されるので、用紙が撓む。用紙が撓んだ状態で、用紙の下流側の先端の辺がタイミングローラー45と平行になるため、用紙の方向が、タイミングローラー45に対して所定の方向となるように調整される。このため、タイミングクラッチ45Bが繋がれてタイミングローラー45が回転する時点で、タイミングローラー45は、用紙をタイミングローラー45に対して予め定められた方向で搬送することができる。
【0073】
給紙ローラー151rと対になる給紙従動ローラー151rAの回転軸は給紙ローラー151rの回転軸との間の距離が変動するように本体ケースにより軸支されている。例えば、給紙従動ローラー151rAの回転軸は本体ケースに軸支された給紙固定軸を中心に回転する給紙ローラー用回転部材に軸支される。給紙ローラー用回転部材が回転することにより、給紙従動ローラー151rAの回転軸が給紙ローラー151rの回転軸に相対して移動する。また、給紙従動ローラー151rAの回転軸が、給紙従動ローラー151rAの回転軸を法線とする面において給紙ローラー151rの回転軸と給紙従動ローラー151rAの回転軸とを結んだ線を法線とし給紙従動ローラー151rAの回転軸を含む面に対して給紙ローラー151rが配置される側に図中の矢印で示される付勢力151rCが与えられる。例えば、給紙ローラー用回転部材に給紙固定軸を中心にした回転力を与える回転ばねが用いられる。これにより、給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとが互いに押し合う方向の力を受ける。
【0074】
このため、給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとの間に用紙が存在する場合、給紙ローラー151rおよび給紙従動ローラー151rAそれぞれと用紙との間に摩擦力が発生する。この摩擦力は、給紙従動ローラー151rAの回転軸を給紙ローラー151rに向かう方向に付勢する付勢力151rCと摩擦係数とによって定まる。このため、付勢力151rCが定まれば、給紙ローラー151rが用紙を搬送する力が定まる。具体的には、給紙クラッチ151rBが切れた状態における給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとが用紙を保持したまま回転しないように、給紙従動ローラー151rAが給紙ローラー151rを付勢する付勢力151rCは予め定められた下限しきい値以上の大きさに設定される。具体的には、給紙従動ローラー151rAが給紙ローラー151rを付勢する付勢力151rCは、回転ばねのバネ係数により定まる。
【0075】
一方、給紙クラッチ151rBが接続された状態において給紙ローラー151rと給紙従動ローラー151rAとで搬送される用紙がタイミングローラー45に当接して撓む状態となるが、給紙ローラー151rおよび給紙従動ローラー151rAそれぞれと用紙との間に摩擦力が大きすぎる場合、タイミングクラッチ45Bが切れた状態におけるタイミングローラー45が回転する。このため、タイミングローラー45が回転する前に給紙ローラー151rおよび給紙従動ローラー151rAそれぞれと用紙とが滑るように、給紙従動ローラー151rAが給紙ローラー151rを付勢する付勢力151rCが予め定められた上限しきい値以下の大きさに設定される。
【0076】
タイミングローラー45と対になるタイミング従動ローラー45Aの回転軸はタイミングローラー45の回転軸との間の距離が変動するように本体ケースにより軸支されている。例えば、タイミング従動ローラー45Aの回転軸は本体ケースに軸支されたタイミング固定軸を中心に回転するタイミング回転部材に軸支される。タイミング回転部材が回転することにより、タイミング従動ローラー45Aの回転軸がタイミングローラー45の回転軸に相対して移動する。
【0077】
また、タイミング従動ローラー45Aの回転軸がタイミング従動ローラー45A側に付勢される。具体的には、タイミング従動ローラー45Aの回転軸がタイミング従動ローラー45Aの回転軸を法線とする面においてタイミングローラー45の回転軸とタイミング従動ローラー45Aの回転軸とを結んだ線を法線としタイミング従動ローラー45Aの回転軸を含む面に対してタイミングローラー45が配置される側に図中に矢印で示される付勢力45Cが与えられる。例えば、タイミング回転部材にタイミング固定軸を中心にした回転力を与える回転ばねが用いられる。したがって、タイミングローラー45とタイミング従動ローラー45Aとが互いに押し合う方向の第3付勢力を受ける。これにより、タイミングローラー45とタイミング従動ローラー45Aとの間に摩擦力が発生し、タイミングクラッチ45Bが切れた状態でタイミングローラー45の回転が規制される。これにより、タイミングクラッチ45Bが切れた状態で、タイミングローラー45が搬送中の用紙が落下する量をできるだけ少なくすることができる。
【0078】
タイミング従動ローラー45Aがタイミングローラー45を付勢する付勢力45Cは、給紙ローラー151rによって搬送された用紙がタイミングローラー45に当接し、用紙がタイミングローラー45とタイミング従動ローラー45Aとの間に入り込む場合にタイミングローラー45が回転しない大きさとなるように設定される。具体的には、付勢力45Cは、回転ばねのバネ係数により定まる。
【0079】
転写ローラー47はNBRゴムにイオン導電物質を添加し発泡させた弾性ローラーであり、温度、湿度の影響で電気抵抗が変化するため、本体筐体内に設けられた温湿度センサで温度、湿度が測定されて転写ローラー47に印加する電圧が調整される。転写ローラー47の回転軸は駆動ローラー55の回転軸との間の距離が変動するように本体ケースにより軸支されている。例えば、転写ローラー47の回転軸は本体ケースに軸支された転写固定軸を中心に回転する転写回転部材に軸支される。転写回転部材が回転することにより、転写ローラー47の回転軸が駆動ローラー55の回転軸に相対して移動する。また、転写ローラー47は、印字を行わない時には中間転写ベルト57から離間する。これにより、転写ローラー47のクリープ変形が防止される。
【0080】
また、転写ローラー47の回転軸が駆動ローラー55側に図中に矢印で示す第1付勢力F1が付与される。具体的には、転写ローラー47の回転軸が、転写ローラー47の回転軸を法線とする面において駆動ローラー55の回転軸と転写ローラー47の回転軸とを結んだ線を法線とし転写ローラー47の回転軸を含む面に対して駆動ローラー55が配置される側に付勢されている。例えば、転写回転部材に転写固定軸を中心にした回転力を与える回転ばねが用いられる。したがって、駆動ローラー55と転写ローラー47とが互いに押し合う方向の第1付勢力F1を受ける。駆動ローラー55と転写ローラー47との間には、中間転写ベルト57が存在し、中間転写ベルト57と転写ローラー47との間に用紙が進入した状態で、中間転写ベルト57が担持するトナー像が用紙に転写される。したがって、転写ローラー47を駆動ローラー55に付勢する第1付勢力F1の大きさは、用紙に形成されるトナー像の画質に影響するために適切な値に設定される。
【0081】
転写ローラー47により用紙にトナー像の画質を向上させるために、タイミングローラー45と転写ローラー47の間に存在する用紙の一部が撓んだ第1状態と、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の一部が撓んだ第2状態で、用紙を搬送する。第1状態は、タイミングローラー45および転写ローラー47それぞれが同一の用紙と接する間にタイミングローラー45が用紙と接する第1位置と転写ローラー47が用紙と接する第2位置との間に存在する用紙の搬送方向の長さが第1位置と第2位置との間の第1距離より長い状態である。第2状態は、転写ローラー47および定着ローラー49それぞれが同一の用紙と接する間に転写ローラー47が用紙と接する第2位置と定着ローラー49が用紙と接する第3位置との間に存在する用紙の搬送方向の長さが第2位置と第3位置との間の第2距離より長い状態である。
【0082】
具体的には、給紙速度、転写速度および定着速度を異ならせる。給紙速度はタイミングローラー45が用紙を搬送する速さである。転写速度は転写ローラー47が用紙を搬送する速さである。定着速度は定着ローラー49が用紙を搬送する速さである。転写速度は、中間転写ベルト57にトナー像が形成される速さと同じである。より具体的には、給紙速度を転写速度より速くする。これにより、タイミングローラー45と転写ローラー47の間に存在する記録媒体の長さが時間の経過とともに増大する。定着速度を転写速度より速い第1速度と転写速度より遅い第2速度とに順に切り換える。
【0083】
搬送経路の転写ローラー47と定着ローラー49との間には、ループ検出センサ12が配置されている。ループ検出センサ12は、回転軸12Aを中心に回転可能に取り付けられており、回転ばねによって図中反時計方向に付勢される。ループ検出センサ12は図中実線で示す下限位置と図中点線で示す上限位置とを検出する。具体的には、ループ検出センサ12は下限位置より反時計方向に回転している間に下限信号を出力し、ループ検出センサ12は上限位置より時計方向に回転している間に上限信号を出力する。なお、ループ検出センサ12に代えて、距離を測定する測距センサを用いるようにして、搬送経路中の用紙の位置を検出し、用紙の撓み量を検出してもよい。
【0084】
転写ローラー47により搬送される用紙はその先端が定着ローラー49に到達した段階で定着速度が第2速度に設定される。その後、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の部分の長さが時間の経過とともに増加するので、用紙がループ検出センサ12を押し込み、ループ検出センサ12が図中時計方向に回転する。そして、ループ検出センサ12が下限位置に到達した段階でループ検出センサ12が下限信号を出力する。さらに、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の部分の長さが時間の経過とともに増加して、用紙がループ検出センサ12を押し込み、ループ検出センサ12が上限位置に到達した時点でループ検出センサ12が上限信号を出力する。この段階で用紙が撓んでその撓み量が上限に到達したことが検出される。用紙の撓み量が上限に到達したことが検出されると、定着速度が第2速度に設定される。その後、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の部分の長さが時間の経過とともに減少するので、ループ検出センサ12が図中反時計方向に回転する。そして、ループ検出センサ12が下限を出力した段階で、用紙の撓み量が下限に到達したことが検出される。その後、定着速度が第2速度に設定される。
【0085】
タイミングローラー45と転写ローラー47の間に存在する用紙の一部を撓ませることにより、図中に矢印で示す第2付勢力F2が転写ローラー47に働く。また、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の一部を撓ませることにより図中に矢印で示す第3付勢力F3が転写ローラー47に働く。このため、転写ローラー47の回転軸を駆動ローラー55側に付勢する合成力FCPは、転写ローラー47の回転軸が回転ばねによって付勢される力である第1付勢力F1と、転写ローラー47の回転軸がタイミングローラー45側の用紙から付勢される力である第2付勢力F2と、定着ローラー49側の力である第3付勢力F3との合力であり、次式(1)で示される。
FCP=F1−F2−F3 …(1)
ここで、転写ローラー47に与えられる合成力FCPについて説明する。
【0086】
合成力FCPが正の場合は、転写ローラー47は、中間転写ベルト57と接触する。このため、中間転写ベルト57と転写ローラー47との間に用紙が進入する場合、用紙が中間転写ベルト57に押し付けられて接触する。一方、合成力FCPがゼロまたは負の場合、転写ローラー47は、中間転写ベルト57と離れる。このため、中間転写ベルト57と転写ローラー47との間に用紙が進入する場合、用紙が転写ローラー47に押し付けられ、用紙と中間転写ベルト57とが接触することなく、離れる。この状態においては、中間転写ベルト57に形成されたトナー像のすべてが用紙に転写されなくなるが、一部は転写される。ここで、中間転写ベルト57に形成されたトナー像を構成するトナーのうち用紙に転写されるトナーの割合を転写率とする。中間転写ベルト57と用紙とが接触していれば転写率はほぼ一定であるが、中間転写ベルト57と用紙とが離れている場合は、離れる距離が大きくなれば転写率が低下する。転写率の変化が緩やかであれば画質の劣化は視覚的に目立たないが、転写率の変化が急激な場合は画質の劣化は視覚的に目立つ。例えば、中間転写ベルト57と用紙とが離れた状態から接触した状態に変化する場合、転写率が急激に増大するため画質が悪化する。具体的には、転写率が増大した時点で、トナー量が増加するので筋状のノイズが現われる。以下、合成力FCPが0以下となる値をしきい値TFとする。
【0087】
なお、合成力PCPが0以下とならないように第1付勢力F1を大きな値に定めることが考えられる。しかしなら、転写ローラー47が中間転写ベルト57に付勢される力が大きいほど、像担持体である中間転写ベルト57が劣化し易くなる。このため、第1付勢力F1は上限値が定められている。
【0088】
図5は、転写ローラーに与えられる合成力FCPの時間的な変化を説明するための第1の図である。図5を参照して、上から順にループ検出センサ12の出力信号、定着速度、給紙速度、転写速度、第2付勢力F2、第3付勢力F3および転写ローラーに与えられる合成力FCPを示している。第1付勢力F1は時間の経過にかかわらず一定なので図には示していない。図5を参照して、定着速度は、ループ検出センサ12によって上限値が検出されると定着速度が第2速度に設定され、ループ検出センサ12によって下限値が検出されると定着速度が第1速度に設定される。転写速度はV1で一定である。このため、第3付勢力F3は、定着速度が第2速度に設定されている間に増加し、定着速度が第1速度に設定されている間に減少する。
【0089】
給紙速度はV2で一定であり転写速度V1より大きい。このため、第3付勢力F3は、時間の経過とともに増加する。そして、用紙の後端がタイミングローラー45を通過する解放時刻t1において、タイミングローラー45と転写ローラー47の間に存在する用紙の一部の撓みが解消するので、第3付勢力F3がΔFだけ急激に減少し、ゼロになる。
【0090】
合成力FCPは、上記式(1)で示される。このため、解放時刻t1の直前における合成力FCPの値がしきい値TFより小さいが、解放時刻t1の直後においては、変化量ΔFだけ増加してしきい値TFより大きくなる。このように、合成力FCPがしきい値TFより小さい状態からしきい値TFより大きい状態に急激に変化する。合成力FCPの値は、用紙に形成されるトナー像の画質に影響するので、急激に変化する場合に変化の前後でしきい値TFより大きい値であることが好ましい。本実施の形態におけるMFP100は、用紙の後端がタイミングローラー45を通過する段階で、合成力FCPがしきい値TFより大きくなるように定着ローラー49の速度を制御する。
【0091】
図6は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図6を参照して、CPU111は、媒体種別検出部61と、媒体検出部63と、画像形成制御部65と、サイズ検出部67と、ループ検出部69と、搬送制御部71と、準備期間決定部73と、搬送速度制御部75と、を含む。
【0092】
媒体種別検出部61は、検出装置11が出力する出力信号に基づいて透過率を決定し、透過率に基づいて、用紙の媒体種別を決定する。変換情報を用いて透過率に対する坪量を決定する。変換情報は、坪量と透過率との対応を定める情報である。変換情報は、予め実験等することにより生成され、HDD115に記憶されている。媒体種別検出部61は、透過率に基づき決定された坪量に対する媒体種別を決定する。複数の媒体種別それぞれは、その媒体種別の用紙の坪量が所定の範囲内となることが分かっている。このため、媒体種別と、その媒体種別の用紙の坪量の範囲との対応テーブルを予めHDD115に記憶しておくようにすればよい。
【0093】
媒体検出部63は、検出装置11が出力する出力信号に基づいて検出領域DAに用紙が進入したことを検出する。具体的には、媒体検出部63は、検出装置11の投光部11aが出射した光の光量に対する受光部11bが受光した光の光量の変化から検出領域DAに用紙が進入したことを検出する。媒体検出部63は、検出領域DAに用紙が進入したことを検出することに応じて、搬送制御部71に検出信号を出力する。検出信号は、検出領域DAに用紙が存在することを示す検出状態と、検出領域DAに用紙が存在しないことを示す非検出状態と、のいずれかを示す。
【0094】
画像形成制御部65は、ユーザーが操作部163に入力する画像形成指示に従って、画像形成部140に画像を形成させる。画像形成部140は、中間転写ベルト57に形成されるトナー像の位置に基づいて、トナー像が転写ローラー47に到達する時刻を算出し、算出した到達時刻を搬送制御部71の開始時刻決定部83に出力する。
【0095】
サイズ検出部67は、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154それぞれに格納されている用紙のサイズを検出する。具体的には、サイズセンサ151s,152s,153s,154sそれぞれの出力に基づいて、用紙のサイズを検出する。サイズ検出部67は、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154それぞれに格納されている用紙のサイズを、準備期間決定部73および搬送速度制御部75に出力する。
【0096】
なお、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154それぞれに、そのカセットに収納されている用紙のサイズおよび媒体種別を関連付けた関連付テーブルをHDD115に記憶しておき、用紙のサイズおよび媒体種別を決定するようにしてもよい。関連付テーブルは、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154それぞれを識別するためのカセット識別情報と、そのカセットに収納されている用紙のサイズおよび媒体種別とを含む関連付レコードを含む。
【0097】
ループ検出部69は、ループ検出センサ12の出力信号に基づいて、用紙の撓み量(ループ量)が上限であること上または用紙の撓み量が下限であることを検出する。ループ検出部69は、ループ検出センサ12が下限信号を出力する場合に用紙の撓み量が下限に到達したことを検出し、搬送速度制御部75に増速信号を出力する。ループ検出部69は、ループ検出センサ12が上限信号を出力する場合に用紙の撓み量が上限に到達したことを検出し、搬送速度制御部75に低速信号を出力する。ループ検出部69は、ループ検出センサ12が下限信号を出力してから上限信号を出力するまでの間は搬送速度制御部75に増速信号を出力し、ループ検出センサ12が上限信号を出力してから下限信号を出力するまでの間は搬送速度制御部75に低速信号を出力する。
【0098】
搬送制御部71は、給紙クラッチ151rBと、タイミングクラッチ45Bとを制御する。搬送制御部71は、画像形成制御部65により画像形成が開始されると、給紙クラッチ151rBを接続状態に切り換える。これにより、給紙ローラー151rが回転し、用紙の搬送を開始する。その後、搬送制御部71は、媒体検出部63から検出信号が入力されることに応じて、給紙クラッチ151rBを切断状態に切り換える。これにより、給紙ローラー151rによる用紙の搬送が停止する。タイミング従動ローラー45Aにタイミングローラー45を付勢する付勢力45Cが与えられているので、タイミングローラー45とタイミング従動ローラー45Aとの間に摩擦力が発生し、タイミングクラッチ45Bが切れた状態でタイミングローラー45の回転が規制される。これにより、タイミングクラッチ45Bが切れた状態で、タイミングローラー45が搬送中の用紙が落下する量が所定量以下となる。搬送制御部71は、タイミングクラッチ45Bおよび給紙クラッチ151rBを切断した状態で、画像形成部140が用紙に画像を形成するタイミングに基づき決定される開始時刻t2よりもループ時間TRだけ前のループ時刻に給紙クラッチ151rBを接続し、開始時刻t2にタイミングクラッチ45Bを接続する。以下、より詳細に説明する。
【0099】
搬送制御部71は、ループ時間決定部81と、開始時刻決定部83と、給紙クラッチ制御部85と、タイミングクラッチ制御部87と、を含む。ループ時間決定部81は、ループ時間TRを算出する。ループ時間TRは、給紙ローラー151rを回転させてからタイミングローラー45と転写ローラー47との間に存在する用紙を所定量だけ撓ませるのに必要な時間である。ループ時間決定部81は、次式(2)を用いてループ時間TRを算出する。
TR=(LR−L1+LB1+LM)/V2−TC+TMC …(2)
L1は、タイミングローラー45が用紙と接する第1位置と転写ローラー47が用紙と接する第2位置との間の第1距離である。
【0100】
LB1は、ループ検出センサ12が配置される位置からタイミングローラー45までの距離である。TCは、媒体検出部63から検出信号が入力されてから給紙クラッチ151rBを切断するまでの切断時間である。本実施の形態においては、切断時間TCをゼロにしている。V2は、給紙ローラー151rが用紙を搬送する給紙速度である。LRは、給紙ローラー151rとタイミングローラー45との間に存在する撓んだ状態の用紙の搬送方向の長さとして用紙の種別ごとに予め定められた長さである。このため、ループ時間決定部81は、媒体検出部63から入力される媒体種別で定まる坪量に対応するループ長LRを決定する。坪量によって用紙の強度が異なる。また、ループ長LRが大きいと、用紙がタイミングローラー45を押下する力が大きくなる。したがって、坪量が大きいほどループ長LRを小さな値とすることで、タイミングローラー45が損傷するのを防止することができる。LMは、給紙クラッチ151rBが切断されている状態で用紙に加わる重力で給紙ローラー151rが逆回転することによって用紙が搬送方向と逆方向に移動する距離である。距離LMは、用紙の坪量によって定まる。坪量によって用紙の重量が変わるからである。さらに、ループ時間決定部81は、ループ時間を給紙クラッチ151rBが切断状態から接続状態に移行するまでに要する時間の最大値TMCで補正する。なお、最大値とは別に平均値または中央値を用いてもよい。
【0101】
開始時刻決定部83は、画像形成制御部65から入力される到達時刻に基づいて開始時刻t2を決定する。開始時刻t2はタイミングローラー45が回転を開始する時刻である。開始時刻決定部83は、タイミングローラー45と転写ローラー47との間の第1距離L1を、タイミングローラー45が用紙を搬送する給紙速度V2で除算して求まる時間だけ到達時刻より前の時刻を開始時刻t2に決定する。開始時刻決定部83は、開始時刻t2を給紙クラッチ制御部85およびタイミングクラッチ制御部87に出力する。タイミングクラッチ制御部87は、現在時刻が開始時刻t2になるとタイミングクラッチ45Bを接続する。タイミングクラッチ制御部87は、検出装置11の出力信号が検出状態から非検出状態に切り換わると、タイミングクラッチ45Bを切断する。
【0102】
給紙クラッチ制御部85は、ループ時間決定部81からループ時間TRが入力され、開始時刻決定部83から開始時刻t2が入力される。給紙クラッチ制御部85は、現在時刻が開始時刻t2よりループ時間TRだけ前のループ時刻になると、給紙クラッチ151rBを接続する。給紙クラッチ制御部85は、検出装置11の出力信号が検出状態から非検出状態に切り換わると、タイミングクラッチ45Bを切断する。
【0103】
準備期間決定部73はサイズ検出部67から3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154それぞれに格納されている用紙のサイズが入力され、準備期間を決定する。準備期間決定部73は、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうちから、画像形成の対象となる用紙が格納されたカセットを特定する。例えば、ユーザーが操作部163を用いてカセットを指定する場合に、指定されたカセットを特定する。準備期間決定部73は、特定されたカセットに格納されている用紙のサイズを特定する。準備期間は、解放時刻より前の期間である。以下、給紙カセット151が特定される場合を例に説明する。
【0104】
準備期間決定部73は解放時刻決定部89を含む。解放時刻決定部89は、解放時刻t1を決定する。解放時刻t1は、タイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49それぞれが用紙と接する状態からタイミングローラー45が用紙と接しなくなる時点である。換言すれば、解放時刻t1は、用紙の後端がタイミングローラー45を通過する時刻である。解放時刻決定部89は、サイズ検出部67から入力される用紙のサイズにより定まる用紙の搬送方向の長さを、給紙速度V2で除算した値の時間が開始時刻t2から経過した時刻を解放時刻t1として算出する。解放時刻決定部89は、解放時刻t1を、給紙クラッチ制御部85およびタイミングクラッチ制御部87に出力する。準備期間は、予め定められた期間である。準備期間決定部73は、解放時刻t1を準備期間が終了する準備終了時刻とし、解放時刻t1より準備期間だけ前の時刻を準備期間が開始する準備開始時刻に決定する。準備期間決定部73は、準備期間の準備開始時刻および準備終了時刻を搬送速度制御部75に出力する。
【0105】
第1速度をV3、撓み量をLRとする場合、準備期間TB2は、次式(3)で示される。
TB2=(LR−L2―TL)/V3 … (3)
L2は、転写ローラー47と定着ローラー49との間の第2距離である。TLは、撓み量の最低値であり、予め定められた値である。なお、転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の開始時刻における撓み量を算出するようにして、TLをしきい値として、準備期間の間に定着速度を第1速度とした場合に、終了時刻における撓み量が所定のしきい値TL以上となる準備期間を算出するようにしてもよい。転写ローラー47と定着ローラー49との間に存在する用紙の開始時刻における撓み量は、定着ローラー49が用紙を搬送した距離と、転写ローラー47が用紙を搬送した距離と、定着ローラー49と転写ローラー47との間の距離と、から算出すればよい。
【0106】
搬送速度制御部75は、定着ローラー49が用紙を搬送する定着速度を制御する。搬送速度制御部75は、切換制御部91と、維持制御部93と、を含む。切換制御部91は、転写ローラー47が用紙と接する第2位置と定着ローラー49が用紙と接する第3位置との間に存在する用紙の搬送方向の長さが第2位置と第3位置との間の第2距離L2より長い第2状態で用紙を搬送するために、定着速度を転写速度V1より速い第1速度V3と転写速度V1より遅い第2速度V4とに順に切り換える。
【0107】
具体的には、切換制御部91は、ループ検出部69から増速信号または低速信号が入力される。切換制御部91は、画像形成部140による画像形成が開始される場合、定着速度を第2速度V4に設定する。具体的には、モーターM2を制御して、定着ローラー49が第2速度V4で用紙を搬送する回転速度で回転させる。切換制御部91は、ループ検出部69から増速信号が入力されることに応じて定着速度を第1速度V3に設定する。具体的には、モーターM2を制御して、定着ローラー49が第1速度V3で用紙を搬送する回転速度で回転させる。切換制御部91は、ループ検出部69から低速信号が入力されることに応じて定着速度を第2速度V4に設定する。具体的には、モーターM2を制御して、定着ローラー49が第2速度V4で用紙を搬送する回転速度で回転させる。したがって、切換制御部91は、ループ検出部69から増速信号が入力されている間は定着速度を第1速度V3に設定し、ループ検出部69から低速信号が入力されている間は定着速度を第2速度V4に設定する。
【0108】
維持制御部93は、準備期間の間は切換制御部91が切換制御を実行しないようにして、定着速度を第1速度V3に維持する。具体的には、維持制御部93は、現在時刻が準備期間の準備開始時刻になった時点で定着速度が第2速度V4に設定されている場合は、定着速度を第1速度V3に設定する。維持制御部93は、現在時刻が準備開始時刻になった時点で定着速度が第1速度V3に設定されている場合は、定着速度を第1速度V3に維持する。維持制御部93は、準備終了時刻になった時点で定着速度を第2速度V4に設定し、切換制御部91に切換制御を実行させる。
【0109】
搬送速度制御部75は、媒体種別検出部61から入力される媒体種別で特定される用紙の坪量が第1しきい値TH1以下の場合は、準備期間に維持制御部93の機能を無効とし、切換制御部91の機能を有効にする。搬送速度制御部75は、準備期間に定着速度を第1速度V3に維持することなく、切換制御部91に切換制御を実行させる。坪量が第1しきい値TH1以下の用紙は、それより坪量が大きな用紙に比較してこしが弱いため、第2付勢力F2および第3付勢力F3が小さく、合成力TCPがしきい値TF以下となる場合がないからである。
【0110】
また、搬送速度制御部75は、サイズ検出部67から入力される用紙のサイズで特定される用紙の搬送方向の長さが第2しきい値TH2より小さい場合は、準備期間に維持制御部93を無効とし、切換制御部91を有効にする。第2しきい値TH2は、タイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49が同時に同一の用紙と接する場合の用紙の長さの最小値より小さい値である。したがって、第2しきい値TH2は、タイミングローラー45と転写ローラー47との間の第1距離L1と転写ローラー47と定着ローラー49との間の第2距離L2との和である。用紙の搬送方向の長さが第2しきい値より小さい場合、用紙がタイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49と同時に接しないので、第2付勢力F2および第3付勢力F3が同時に働くことがなく、合成力TCPがしきい値TF以下となる場合がないからである。
【0111】
図7は、タイミングクラッチおよび給紙クラッチの接続タイミングの一例を示す図である。図7を参照して、横軸に時間の流れを示し、上から順に、検出装置11の出力信号、タイミングクラッチ45Bの接続状態、給紙クラッチ152rBの接続状態を示している。検出装置11の出力信号は、用紙を検出している検出状態と、用紙を検出していない非検出状態とを示している。
【0112】
画像形成部140による画像形成が開始されると、給紙クラッチ151rBが接続される。検出装置11の出力信号の状態が非検出状態から検出状態に切り換わる場合、給紙クラッチ151rBが切断される。次に開示時刻よりループ時間TRだけ前のループ時刻に、給紙クラッチ151rBが接続される。そして、ループ時間TRが経過した開始時刻に、タイミングクラッチ45Bが接続される。給紙クラッチ151rBが接続されてからタイミングクラッチ45Bが接続されるまでの間に、ループ時間TRが確保される。このため、給紙ローラー151rにより搬送される用紙は、その先端がタイミングローラー45に当接して撓む。用紙が撓むことにより、用紙の先端がタイミングローラー45の回転軸と平行になるので用紙の搬送方向が揃えられる。そして、検出装置11の出力信号の状態が検出状態から非検出状態に切り換わると、給紙クラッチ151rBおよびタイミングクラッチ45Bが切断される。
【0113】
図8は、比較例の一例を示す図である。図8を参照して、横軸に時間の流れを示し、上から順に、検出装置11の出力信号、タイミングクラッチの接続状態、給紙クラッチの接続状態を示している。検出装置11の出力信号の状態は、用紙を検出して入り検出状態と、用紙を検出していない非検出状態とを示している。
【0114】
画像形成部140による画像形成が開始されると、給紙クラッチ151rBが接続される。検出装置11の出力信号の状態が非検出状態から検出状態に切り換わってから所定時間経過後に、給紙クラッチ151rBが切断される。この所定時間は、用紙の先端がタイミングローラー45に当接して撓む状態になるまでの時間である。所定時間は、検出装置11の出力信号の状態が非検出状態から検出状態に切り換わってから経過する時間として予め定められている。次に開示時刻に、給紙クラッチ151rBおよびタイミングクラッチ45Bが接続される。そして、検出装置11の出力信号の状態が検出状態から非検出状態に切り換わると、給紙クラッチ151rBおよびタイミングクラッチ45Bが切断される。
【0115】
図7図8とを比較すると、給紙ローラー151rとタイミングローラー45との間で用紙が撓む状態なるループ時間のタイミングが異なる。図7においては、給紙クラッチ151rBを接続した後であるのに対して、図8においては、給紙クラッチ151rBを切断する前である。図8における比較例においては、用紙が撓んだ状態で、給紙クラッチ151rBが切断される。この場合、用紙の坪量が大きくこしが強い場合などは、給紙ローラー151rが逆回転する場合があり、その場合には用紙の先端がタイミングローラー45の回転軸と平行でなくなってしまう場合がある。これに対して、図7に示したように、用紙が撓んだ状態で、給紙クラッチ151rBが接続されている場合は、給紙クラッチ151rBが逆回転することなく、用紙の先端がタイミングローラー45の回転軸と平行な状態を維持しつつタイミングローラー45を回転させることができる。
【0116】
図9は、転写ローラーに与えられる合成力FCPの時間的な変化を説明するための第2の図である。図9を参照して、上から順にループ検出センサ12の出力信号、定着速度、給紙速度、転写速度、第2付勢力F2、第3付勢力F3および転写ローラーに与えられる合成力FCPを示している。第1付勢力F1は時間の経過にかかわらず一定なので図には示していない。図9を参照して、図5に示した図と比較して、第2付勢力F2と、合成力FCPとが異なる。解放時刻t1より前の準備期間において、定着速度は第1速度V3に設定される。転写速度はV1で一定である。このため、第3付勢力F3は、準備期間において増加することなく減少する。
【0117】
第3付勢力F3は、準備期間において時間の経過とともに増加し、解放時刻t1において急激に減少し、ゼロになる。合成力FCPは、上記式(1)で示される。解放時刻t1の直前における合成力FCPの値がしきい値TFより大きく、解放時刻t1の直後において、変化量ΔFだけ増加するがしきい値TFより大きい。このように、用紙の後端がタイミングローラー45を通過する前後で合成力FCPがしきい値TFより大きい状態を維持するので、転写率の変化が小さくなる。このため、用紙に転写されるトナー像の画質に与える影響を小さくすることができる。
【0118】
図10は、本実施の形態における画像形成制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図10を参照して、MFP100が備えるCPU111は、画像形成を開始し(ステップS01)、処理をステップS02に進める。この段階で、モーターM1を駆動し、駆動ローラー55が回転する。
【0119】
ステップS02においては、画像形成の対象となる用紙のサイズを検出する。3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうちから、画像形成の対象となる用紙が格納されたカセットを特定する。例えば、ユーザーが操作部163を用いてカセットを指定する場合に、指定されたカセットを特定する。ここでは、給紙カセット151が特定される場合を例に説明する。
【0120】
次のステップS03においては、給紙クラッチ151rBを接続し、処理をステップS04に進める。ステップS04においては、定着速度を第2速度に設定し、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、定着ローラーを駆動し、処理をステップS06に進める。これにより、定着ローラー49が第2速度で用紙を搬送するための回転数で回転を開始する。
【0121】
ステップS06においては、検出領域DA内に用紙を検出したか否かを判断する。具体的には、検出装置11の出力信号が検出状態を示す場合に、検出領域DAに用紙が進入したことを検出する。用紙を検出するまで待機状態となり(ステップS06でNO)、用紙を検出したならば(ステップS06でYES)、処理をステップS07に進める。ステップS07においては、給紙クラッチ151rBを切断し、処理をステップS08に進める。
【0122】
次のステップS08においては、媒体種別を決定し、処理をステップS09に進める。検出装置11の出力信号に基づいて、用紙の媒体種別を決定する。ステップS09においては、ループ時刻決定処理を実行し、処理をステップS10に進める。ループ時刻決定処理は、ループ時間TRと、開始時刻と、ループ時刻と、を決定する処理である。次のステップS10においては、切換制御決定処理を実行し、処理をステップS11に進める。切換制御決定処理の詳細は後述するが、準備期間中に切換制御を実行するか否か決定する処理である。
【0123】
次のステップS11においては、現在時刻がループ時刻か否かを判断する。現在時刻がループ時刻になるまで待機状態となり(ステップS11でNO)、現在時刻がループ時刻ならば(ステップS11でYES)、処理をステップS12に進める。
【0124】
ステップS12においては、給紙クラッチ151rBを接続し、処理をステップS13に進める。これにより、給紙ローラー151rによって用紙の搬送が開始される。次のステップS13においては、現在時刻が開始時刻か否かを判断する。現在時刻が開始時刻になるまで待機状態となり(ステップS13でNO)、現在時刻が開始時刻ならば(ステップS13でYES)、処理をステップS14に進める。ステップS14においては、タイミングクラッチ45Bを接続し、処理をステップS15に進める。
【0125】
ステップS15においては、定着速度切換処理を実行し、処理をステップS16に進める。定着速度切換処理の詳細は後述するが、定着速度を切り換える処理である。ステップS16においては、画像形成が終了したか否かを判断する。定着ローラー49を用紙が通過したならば画像形成が終了したと判断する。画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS16でNO)、画像形成が終了したならば(ステップS16でYES)、処理をステップS17に進める。ステップS17においては、定着ローラー49を停止させ、処理を終了する。具体的には、モーターM2を停止させる。
【0126】
図11は、ループ時刻決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。ループ時刻決定処理は、図10のステップS09において実行される処理である。図11を参照して、CPU111は、ループ時間TRを決定する(ステップS21)。上記式(2)を用いてループ時間TRを算出する。ステップS08において決定された用紙の媒体種別で定まる坪量に対応するループ長LRを用いてループ時間TRを決定する。坪量によって用紙の強度が異なる。また、ループ長LRが大きいと、用紙がタイミングローラー45を押下する力が大きくなる。したがって、坪量が大きいほどループ長LRを小さな値とすることで、タイミングローラー45が損傷するのを防止することができる。
【0127】
次のステップS22においては、開始時刻t2を決定する。画像形成部140が、中間転写ベルト57に形成されるトナー像の位置に基づいて、トナー像が転写ローラー47に到達する時刻を到達時刻として決定する。画像形成部140により決定され到達時刻よりも、タイミングローラー45と転写ローラー47との間の第1距離L1を、給紙速度V2で除算して求まる時間だけ前の時刻を開始時刻t2に決定する。
【0128】
次のステップS23においては、ループ時刻を決定し、処理を画像形成制御処理に戻す。ステップS22において決定された開始時刻t2よりも、ステップS21において決定されたループ時間TRだけ前の時刻をループ時刻に決定する。
【0129】
図12は、切換制御決定理の流れの一例を示すフローチャートである。切換制御決定処理は、図10のステップS10において実行される処理である。図12を参照して、CPU111は、解放時刻t1を決定し(ステップS31)、処理をステップS32に進める。解放時刻t1は、用紙の後端がタイミングローラー45を通過する時刻である。ステップS02において検出された用紙のサイズにより定まる用紙の搬送方向の長さを、給紙速度V2で除算した値の時間が開始時刻から経過した時刻を解放時刻t1に決定する。
【0130】
次のステップS32においては、準備期間を決定し、処理をステップS33に進める。準備期間として予め定められた期間を準備期間に決定する。ステップS33においては、準備開示時刻を決定し、処理をステップS34に進める。ステップS31において決定された解放時刻より準備期間だけ前の時刻を準備開始時刻に決定する。
【0131】
ステップS34においては、坪量が第1しきい値TH1以下か否かを判断する。ステップS08において決定された用紙の媒体種別で定まる坪量が第1しきい値TH1以下ならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS36に進める。ステップS35においては、切換制御フラグをONに設定し、処理を画像形成制御処理に戻す。ステップS36においては、用紙サイズが第2しきい値TH2以下か否かを判断する。ステップS02において検出された用紙のサイズにより定まる用紙の搬送方向の長さが第2しきい値TH2以下ならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS37においては、切換制御フラグをOFFに設定し、処理を画像形成制御処理に戻す。
【0132】
図13は、定着速度切換定理の流れの一例を示すフローチャートである。定着速度切換定理は、図10のステップS15において実行される処理である。図13を参照して、CPU111は、ループ量が上限となったか否かを判断する(ステップS41)。ループ検出センサ12により用紙の撓み量が上限に到達したことが検出される場合にループ量が上限以上となったと判断する。ループ量が上限ならば処理をステップS42に進めるが、そうでなければステップS42をスキップして処理をステップS43に進める。ステップS42においては、定着速度を第1速度に設定し、処理をステップS43に進める。
【0133】
ステップS43においては、ループ量が下限となったか否かを判断する。ループ検出センサ12により用紙の撓み量が下限に到達したことが検出される場合にループ量が下限となったと判断する。ループ量が下限ならば処理をステップS44に進めるが、そうでなければステップS44をスキップして処理をステップS45に進める。ステップS44においては、定着速度を第2速度に設定し、処理をステップS45に進める。
【0134】
ステップS45においては、現在時刻が準備開始時刻後か否かを判断する。現在時刻が準備開始時刻または準備開始時刻より後ならば処理をステップS46に進めるが、そうでなければ処理をステップS41に戻す。ステップS46においては、切換制御フラグがONに設定されているか否かを判断する。切換制御フラグがONに設定されていれば処理をステップS51に進めるが、そうでなければ処理をステップS47に進める。
【0135】
ステップS47においては、定着速度を第1速度に設定し、処理をステップS48に進める。ステップS48においては、現在時刻が解放時刻t1か否かを判断する。現在時刻が解放時刻t1ならば処理をステップS49に進めるが、そうでなければ処理をステップS47に戻す。ステップS49においては、定着速度を第2速度に設定し、処理をステップS50に進める。ステップS50においては、制御切換フラグをONに設定し、処理をステップS41に戻す。
【0136】
ステップS51においては、検出領域DAに用紙を検出しているか否かを判断する。検出装置11の出力信号に基づいて、検出領域DAに用紙が存在するか否かを判断する。検出領域DAに用紙を検出するならば処理をステップS41に戻すが、そうでなければ処理をステップS52に進める。
【0137】
ステップS52においては、タイミングクラッチ45Bを切断し、処理をステップS53に進める。ステップS53においては、給紙クラッチ151rBを切断し、処理を画像形成制御処理に戻す。
【0138】
なお、本実施の形態におけるMFP100は、画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kそれぞれに対応する感光体ドラムを備えるようにしたが、1つの感光体ドラムを現像器が共有するサイクル式の現像方式を採用してもよい。サイクル式の現像方式は、フルカラーの画像が形成される場合は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの現像器が順に感光体ドラムにトナー像を形成する。したがって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が用紙に転写されるように、用紙が感光体ドラムに繰り返して搬送される。この場合において、本実施の形態におけるMFP100が備える中間転写ベルト57は不要であり、像担持体である感光体ドラムが転写ローラー47を回転させる駆動ローラーとなる。
【0139】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0140】
<付記>
(1) 前記規制手段は、前記タイミングローラーと前記タイミングローラーに対向するタイミング従動ローラーとが互いに押し合う方向に付勢するタイミング用付勢手段を含む、請求項7に記載の画像形成装置。この局面に従えば、タイミングクラッチが切断された状態でタイミングローラーの回転を規制する力の大きさを、付勢力の大きさで調整することができる。
(2) 前記調整手段は、前記給紙ローラーと前記給紙ローラーに対向する従動ローラーとが互いに押し合う方向に付勢する給紙用付勢手段を含む、請求項8に記載の画像形成装置。この局面に従えば、給紙ローラーと記録媒体との摩擦力の大きさを、付勢力の大きさで調整することができる。
【符号の説明】
【0141】
100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信インターフェース(I/F)部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、118 外部記憶装置、118A CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、125 原稿トレイ、127 原稿排紙トレイ、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、151,152,153 給紙カセット、151s〜154s サイズセンサ、151r〜154r 給紙ローラー、154 手差しカセット、159 排紙トレイ、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、165 タッチパネル、167 ハードキー部、11 検出装置、12 ループ検出センサ、41 主搬送経路、45 タイミングローラー、45A タイミング従動ローラー、45B タイミングクラッチ、47 転写ローラー、48 排紙ローラー、49 定着ローラー、49A 従動ローラー、51Y,51M,51C,51K 画像形成ユニット、55 駆動ローラー、57 中間転写ベルト、61 媒体種別検出部、63 媒体検出部、65 画像形成制御部、67 サイズ検出部、69 ループ検出部、71 搬送制御部、73 準備期間決定部、75 搬送速度制御部、81 ループ時間決定部、83 開始時刻決定部、85 給紙クラッチ制御部、87 タイミングクラッチ制御部、89 解放時刻決定部、91 切換制御部、93 維持制御部、151r,152r,153r 給紙ローラー、151rA,152rA,153rA,154rA 給紙従動ローラー、151rB,152rB,153rB,154rB 給紙クラッチ、151s,152s,153s,154s サイズセンサ、151,152,153 給紙カセット、154 手差しカセット、LR ループ長、M1 モーター、M2 モーター、TB2 準備期間、TC 切断時間、FCP 合成力、F1 第1付勢力、F2 第2付勢力、F3 第3付勢力、TR ループ時間、V1 転写速度、V2 給紙速度、t1 解放時刻、t2 開始時刻、ΔF 変化量。
図1
図2
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図10
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図13