特開2020-70085(P2020-70085A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジキンの特許一覧
特開2020-700852つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置
<>
  • 特開2020070085-2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置 図000003
  • 特開2020070085-2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置 図000004
  • 特開2020070085-2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置 図000005
  • 特開2020070085-2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置 図000006
  • 特開2020070085-2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-70085(P2020-70085A)
(43)【公開日】2020年5月7日
(54)【発明の名称】2つ以上の飲料タンクを備える炭酸飲料提供装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20200410BHJP
   B67D 1/04 20060101ALI20200410BHJP
   B67D 1/12 20060101ALI20200410BHJP
【FI】
   B67D1/08 Z
   B67D1/04 C
   B67D1/04 F
   B67D1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-206177(P2018-206177)
(22)【出願日】2018年10月31日
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】土肥 亮介
(72)【発明者】
【氏名】藤本 良平
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 恵一
(72)【発明者】
【氏名】小川 洋史
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082CC01
(57)【要約】
【課題】2つ以上の飲料タンクが、吐出口に対して並列に接続され、1つの流量計測手段によって、それぞれの飲料タンク毎からの炭酸飲料の提供量を算出、積算および、記憶できる炭酸飲料提供装置を提供する。
【解決手段】本発明の炭酸飲料提供装置は、1つの吐出口と、2つ以上の飲料タンクと、炭酸ガスボンベと、炭酸ガス供給路と、飲料タンクに接続される飲料供給路と、飲料供給路を1つに集約して2つ以上の飲料タンクを吐出口に対して並列に接続し吐出口に炭酸飲料を流す共通路と、吐出口から提供される炭酸飲料の流量を計測する1つの流量計測手段と、いずれの前記飲料タンクから炭酸飲料を提供するかを選定するタンク選定手段と、流量と選定された飲料タンクとの情報から炭酸飲料の提供量を算出する提供量算出手段と、提供量をそれぞれの飲料タンク毎に積算し記憶する提供量記憶手段と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算制御処理を行う処理部を有する炭酸飲料提供装置であって、前記炭酸飲料提供装置は、
炭酸飲料を提供するための1つの吐出口と、
炭酸飲料が貯蔵される2つ以上の飲料タンクと、
炭酸ガスが充填される炭酸ガスボンベと、
前記飲料タンクに炭酸ガスを供給するための炭酸ガス供給路と、
前記飲料タンクに接続される飲料供給路と、
2つ以上の前記飲料タンクに接続された複数の前記飲料供給路を1つに集約して前記吐出口に炭酸飲料を流す共通路と、
前記吐出口と、前記共通路との間に配置され、前記吐出口から提供される炭酸飲料の流量を計測する1つの流量計測手段と、
いずれの前記飲料タンクから炭酸飲料を提供するかを選定するタンク選定手段と、
前記流量計測手段によって計測された流量と、前記タンク選定手段によって選定された飲料タンクとの情報から、飲料タンクから提供した炭酸飲料の提供量を算出する提供量算出手段と、
前記提供量算出手段によって算出された提供量を、それぞれの飲料タンク毎に積算し記憶する提供量記憶手段と、
を備える炭酸飲料提供装置。
【請求項2】
前記流量計測手段は、前記炭酸飲料に対して非接触なセンサである、請求項1に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項3】
前記炭酸ガス供給路は、飲料タンク側末端部のそれぞれに設けられた炭酸ガス用バルブを有し、
前記飲料供給路は、飲料タンク側末端部のそれぞれに設けられた飲料用バルブを有し、
それぞれの飲料タンクには、前記炭酸ガス用バルブおよび、前記飲料用バルブが対となるようにそれぞれ1つずつ接続され、
前記タンク選定手段は、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブを同時に開状態にすることを特徴とする、請求項1または2に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項4】
2つ以上の前記飲料タンクに貯蔵される炭酸飲料が、少なくとも2以上の異なる種類の炭酸飲料を含み、
前記タンク選定手段は、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブの1対のみを同時に開状態にできることを特徴とする、請求項3に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項5】
前記炭酸ガスボンベの数量は1つであり、
前記炭酸ガス供給路は、1つの前記炭酸ガスボンベを2つ以上の前記飲料タンクに並列に接続することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項6】
前記炭酸ガスボンベと、前記炭酸ガス供給路との間に配置される1つのレギュレータと、
前記レギュレータを制御して、それぞれの飲料タンク毎に供給される炭酸ガスの供給量を調整可能にする、炭酸ガス供給量調整手段と、
をさらに備える請求項5に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項7】
前記レギュレータは、リリーフ機構を備え、
前記炭酸ガス供給量調整手段は、前記レギュレータを制御して前記炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給量を少なくし、
対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブは、同時に開状態にされ、
少なくとも前記飲料供給路および、前記共通路に提供されずに残留する炭酸飲料を元の前記飲料タンクに回収可能であることを特徴とする、請求項6に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項8】
少なくとも前記吐出口、前記炭酸ガス供給路、前記飲料供給路、前記共通路、前記流量計測手段、前記タンク選定手段、前記提供量算出手段、前記提供量記憶手段、前記炭酸ガス用バルブ、前記飲料用バルブ、前記レギュレータ、および前記炭酸ガス供給量調整手段が、単一ユニットとして構成されることを特徴とする、請求項6または7に記載の炭酸飲料提供装置。
【請求項9】
前記飲料タンクの容量を記憶する容量記憶手段と、
前記提供量記憶手段に記憶されたそれぞれの飲料タンク毎の炭酸飲料の提供量および、前記容量記憶手段に記憶された飲料タンクの容量を参照し、それぞれの飲料タンク毎の炭酸飲料の残量を表示する残量表示手段と、
をさらに備える請求項1乃至8のいずれか1項に炭酸飲料提供装置。
【請求項10】
炭酸飲料の残量が一定以下になった飲料タンクが存在するときに、警告を発する警告手段をさらに備える、請求項9に記載の炭酸飲料提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸飲料提供装置に関する。さらに詳しくは、2つ以上の飲料タンクを備え、それぞれの飲料タンク毎からの炭酸飲料の提供量を算出する炭酸飲料提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等では、飲料を大量に提供するための装置(例えば、ビールサーバー)を設置して、客に飲料を提供することが多い。
【0003】
飲食店等で飲料を提供する従来の装置として、飲料を貯蔵するタンクと、飲料をグラスやカップに吐出する吐出口とを1つずつ備える装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
またこのような装置は、提供した飲料の代金や、タンク内の飲料の残量を計算するために、流量計等を備え飲料の提供量を測定している。
【0005】
飲食店等では複数の種類の飲料を客に提供するために、複数の装置を店舗内に設置することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5270320号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、店舗内に装置を複数設置するためには、店舗が十分な空間的余裕を有している必要がある。
【0008】
また装置毎に流量計を備えるため、それぞれの流量計に起因する提供量の測定誤差が生じる虞がある。
【0009】
この誤差を取り除くために、流量計のメンテナンスなどが必要である。加えて、衛生状態を確保するために、例えば、飲料が流れる配管の洗浄などの維持管理がそれぞれの装置毎に必要である。これらは結果として飲食店等の店員あるいは、装置のメンテナンスを行う作業員等の労力およびコストを増大させている。
【0010】
さらに従来の装置では、飲料の提供量を装置毎に測定する必要があることも、店員等の労力を増大させている。または複数の装置の提供量を一元的に管理する別の装置を使用することもできるが、この場合には空間的余裕がさらに必要となる。
【0011】
本発明は上記の課題を解消するためになされたものであり、2つ以上の飲料タンクが飲料供給路および共通路を介して、吐出口に並列に接続され、1つの流量計測手段によって、それぞれの飲料タンク毎からの炭酸飲料の提供量を算出、積算および、記憶できる炭酸飲料提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、演算制御処理を行う処理部を有する炭酸飲料提供装置であって、前記炭酸飲料提供装置は、炭酸飲料を提供するための1つの吐出口と、炭酸飲料が貯蔵される2つ以上の飲料タンクと、炭酸ガスが充填される炭酸ガスボンベと、前記飲料タンクに炭酸ガスを供給するための炭酸ガス供給路と、前記飲料タンクに接続される飲料供給路と、2つ以上の前記飲料タンクに接続された複数の前記飲料供給路を1つに集約して、前記吐出口に炭酸飲料を流す共通路と、前記吐出口と、前記共通路との間に配置され、前記吐出口から提供される炭酸飲料の流量を計測する1つの流量計測手段と、いずれの前記飲料タンクから炭酸飲料を提供するかを選定するタンク選定手段と、前記流量計測手段によって計測された流量と、前記タンク選定手段によって選定された飲料タンクとの情報から、飲料タンクから提供した炭酸飲料の提供量を算出する提供量算出手段と、前記提供量算出手段によって算出された提供量を、それぞれの飲料タンク毎に積算し記憶する提供量記憶手段と、を備える炭酸飲料提供装置に関する。
【0013】
係る装置は、2つ以上の飲料タンクが飲料供給路および、共通路を介して吐出口に並列に接続されており、2つ以上の飲料タンクからそれぞれ個別に炭酸飲料を提供することが可能である。さらに係る装置は、吐出口および、流量計測手段を1つしか備えていないが、それぞれの飲料タンクから提供した炭酸飲料の提供量を算出し、積算および記憶できる。またすべて飲料タンクから提供される炭酸飲料の流量が、1つの流量計測手段で計測されるため、それぞれの飲料タンク毎の計測誤差を減少させることができる。
【0014】
加えて係る装置は、従来の装置に比べて、吐出口および、流量計測手段の数が少ないことはもちろん、炭酸飲料を流すために必要な配管や、流量計測手段を制御するために必要な電気配線なども少なくすることができ、装置全体を小型化することが可能となる。また係る装置は、構成する部品が少ないため、装置の維持管理が容易になるという利点も有する。
【0015】
前記流量計測手段は、前記炭酸飲料に対して非接触なレーザーセンサであることが好ましい。
【0016】
流体と接触するタイプの流量センサであっても、流量を計測するには十分ではあるが、接触するタイプのセンサの場合、センサ部分に流体が付着するため、液滴がその部分に残留する事で細菌等の発生源になる虞がある。また、飲料供給路および、共通路は定期的に洗浄を行う事で清浄度を保つ必要があるが、接触タイプの場合、配管内に何らかの端子等が突出しているため、洗浄の妨げになる虞がある。
【0017】
前記炭酸ガス供給路は、飲料タンク側末端部のそれぞれに設けられた炭酸ガス用バルブを有し、前記飲料供給路は、飲料タンク側末端部のそれぞれに設けられた飲料用バルブを有し、それぞれの飲料タンクには、前記炭酸ガス用バルブおよび、前記飲料用バルブが対となるようにそれぞれ1つずつ接続され、前記タンク選定手段は、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブを同時に開状態にすることが好ましい。
【0018】
このような構成とすることで、タンク選定手段は、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブを同時に開状態にするため、炭酸ガスボンベから供給される炭酸ガスの圧力によって、それぞれの飲料タンク毎に炭酸飲料を提供可能にする。
【0019】
2つ以上の前記飲料タンクに貯蔵される炭酸飲料が、少なくとも2以上の異なる種類の炭酸飲料を含み、前記タンク選定手段は、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブの1対のみを同時に開状態にできるものであってもよい。
【0020】
係る装置によれば、2つ以上の飲料タンクが飲料供給路および、共通路を介して吐出口に並列に接続されていても、それぞれの飲料タンク毎に貯蔵されている炭酸飲料を、他の飲料タンクに貯蔵されている炭酸飲料と混合することなく提供することができる。
【0021】
前記炭酸ガスボンベの数量は1つであり、前記炭酸ガス供給路は、1つの前記炭酸ガスボンベを2つ以上の前記飲料タンクに並列に接続することが好ましい。
【0022】
このような構成とすることで、炭酸ガスボンベの数量も最小限とすることができ、装置をより小型にすることが可能となる。
【0023】
前記炭酸ガスボンベと、前記炭酸ガス供給路との間に配置される1つのレギュレータと、前記レギュレータを制御して、それぞれの飲料タンク毎に供給される炭酸ガスの供給量を調整可能にする、炭酸ガス供給量調整手段と、をさらに備える構成であることが好ましい。
【0024】
このような構成とすることで、飲料タンク(50)に貯蔵されている飲料に合わせて、炭酸飲料の炭酸ガスの含有量をそれぞれきめ細かく調整することができる。
【0025】
前記レギュレータは、リリーフ機構を備え、前記炭酸ガス供給量調整手段は、前記レギュレータを制御して前記炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給量を少なくし、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブは、同時に開状態にされ、少なくとも前記飲料供給路および、前記共通路に提供されずに残留する炭酸飲料を元の前記飲料タンクに回収可能であることがより好ましい。
【0026】
レギュレータがリリーフ機構を備えることで、炭酸ガスボンベから炭酸ガス供給路に過剰供給された炭酸ガスを装置外部に放出することができる。これによって飲料タンクへの炭酸ガスの供給量の調整が容易になる。
【0027】
さらにレギュレータを制御して炭酸ガスの供給量を少なくし、且つリリーフ機構によって炭酸ガスを装置外部に放出するときに、対となる炭酸ガス用バルブおよび、飲料用バルブが同時に開状態にされると飲料タンク内の炭酸ガスも放出され、飲料タンク内の圧力が減少する。飲料タンク内の圧力が減少すると、飲料供給路および、共通路から飲料タンクに向かう流体の流れが生じるため、飲料供給路および、共通路に提供されずに残留する炭酸飲料を飲料タンクに回収することが可能となる。
【0028】
さらに本発明の1つの実施形態では、少なくとも前記吐出口、前記炭酸ガス供給路、前記飲料供給路、前記共通路、前記流量計測手段、前記タンク選定手段、前記提供量算出手段、前記提供量記憶手段、前記炭酸ガス用バルブ、前記飲料用バルブ、前記レギュレータ、および前記炭酸ガス供給量調整手段が、単一ユニットとして構成される。
【0029】
この実施形態に係る装置は、交換が必要な飲料タンクおよび、炭酸ガスボンベ以外の構成要素(部品)が単一ユニットとして構成されている。したがって、それぞれの構成要素を空間的に無駄なく配置することができ、装置をより小型にすることが可能となる。
【0030】
前記飲料タンクの容量を記憶する容量記憶手段と、前記提供量記憶手段に記憶されたそれぞれの飲料タンク毎の炭酸飲料の提供量および、前記容量記憶手段に記憶された飲料タンクの容量を参照し、それぞれの飲料タンク毎の炭酸飲料の残量を表示する残量表示手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0031】
このような構成とすることで、それぞれの飲料タンク毎および/または飲料タンクの交換の前後で飲料タンクの容量が異なっても、正確に飲料タンクの残量を算出し表示することが可能となる。
【0032】
炭酸飲料の残量が一定以下になった飲料タンクが存在するときに、警告を発する警告手段をさらに備えることがより好ましい。
【0033】
このような構成とすることで、残量を表示するだけでなく、炭酸飲料の残量が一定以下になった飲料タンクを交換が必要なタンクとして警告し、飲料タンクの交換を促すことが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、2つ以上の飲料タンクが飲料供給路および、共通路を介して吐出口に並列に接続されており、2つ以上の飲料タンクからそれぞれ個別に炭酸飲料を提供することが可能である。さらに本発明は、吐出口および、流量計測手段を1つしか備えていないが、それぞれの飲料タンクから提供した炭酸飲料の提供量を算出し、積算および記憶できる。また本発明は、すべて飲料タンクから提供される炭酸飲料の流量が、1つの流量計測手段で計測されるため、それぞれの飲料タンク毎の計測誤差を減少させることができる。
【0035】
加えて本発明に係る炭酸飲料提供装置は、従来の装置に比べて、吐出口および、流量計測手段の数が少ないことはもちろん、炭酸飲料を流すために必要な配管や、流量計測手段を制御するために必要な電気配線なども少なくすることができる。よって本発明は、炭酸飲料提供装置全体を小型化することが可能である。またこのように本発明に係る炭酸飲料提供装置は、構成する部品が少ないため、装置の維持管理が容易になるという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係る炭酸飲料提供装置の全体斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る炭酸飲料提供装置の配管系統を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る炭酸飲料提供装置の制御系統を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る炭酸飲料提供装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る炭酸飲料提供装置の炭酸飲料の回収について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
つぎに図面を参照しながら本発明の炭酸飲料提供装置の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0038】
本発明において、「上流」とは、炭酸ガス供給路においては炭酸ガスボンベにより近い方向、飲料供給路および、共通路においては飲料タンクにより近い方向を意味する。「下流」とは、炭酸ガス供給路においては飲料タンクにより近い方向、飲料供給路および、共通路においては吐出口により近い方向を意味する。
【0039】
なお、本発明において扱われる「炭酸飲料」はノンアルコール飲料および、アルコール飲料を含む。ノンアルコール飲料としては、限定されないが、炭酸水(ソーダ水またはソーダとも呼ばれる、水に二酸化炭素(CO)を圧入しただけのもの)、炭酸水に甘味料、酸味料、香料および/または、乳製品等を加えた飲料(例えば、サイダー、コーラ、ラムネ、トニックウォーター、ジンジャーエール、メロンソーダ、クリームソーダなど)、ティー・ソーダ(炭酸入りの紅茶)、スパークリング・コーヒー(炭酸入りのコーヒー)などが挙げられる。アルコール飲料としては、限定されないが、ビール、発泡酒、スパークリングワイン、カクテルなどが挙げられる。
【0040】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る炭酸飲料提供装置(1)(以下、装置(1)と略)を示す全体斜視図である。図2は本発明の第1の実施形態に係る装置(1)の配管系統を示す概略図である。
【0041】
<配管系統の構成>
装置(1)は、吐出口(51)を1つ備え、この吐出口(51)からカップ(300)に炭酸飲料を提供できる。
【0042】
なお本実施形態では、カップ(300)に炭酸飲料を提供しているが、カップ(300)に替えて、ワイングラス、コップ、ジョッキ、タンブラー等の容器に炭酸飲料を提供してもよい。また容器の材質も、ガラス、陶器、紙、プラスチック、金属、木材、石材など限定されることなく選択可能である。
【0043】
装置(1)は、炭酸飲料が貯蔵される2つ以上の飲料タンク(50)を備える。飲料タンク(50)は、装置(1)から着脱自在に備えられており、それぞれ別の飲料タンク(50)に交換することができる。
【0044】
飲料タンク(50)には、飲料供給路(53)が接続される。飲料供給路(53)は、共通路(52)によって1つに集約され吐出口(51)に接続される。すなわち図2で示されるように飲料タンク(50)は、飲料供給路(53)および、共通路(52)を介して、吐出口(51)に対して並列に接続されている。
【0045】
2つ以上の飲料タンク(50)は、それぞれ異なる種類の炭酸飲料を含むことが好ましいが、同じ種類の炭酸飲料を含む飲料タンク(50)が複数同時に存在してもよい。すなわち、人気があり提供回数が多い炭酸飲料を貯蔵した飲料タンク(50)を予め複数備えることもできる。
【0046】
飲料タンク(50)には、炭酸ガス供給路(11)を介して炭酸ガスが充填される炭酸ガスボンベ(12)が着脱自在に接続される。炭酸ガスボンベ(12)は充填された炭酸ガスが空になった場合など、別の炭酸ガスボンベ(12)に交換することが可能である。
【0047】
炭酸ガスボンベ(12)は、飲料タンク(50)にそれぞれ1つずつ接続されてもよいが、図1および図2に示されるように、炭酸ガス供給路(11)を介して、1つの炭酸ガスボンベ(12)に対して複数の飲料タンク(50)が並列に接続されることが好ましい。炭酸ガスボンベ(12)の数量が最小限となり、装置をより小型にできるためである。
【0048】
装置(1)は、吐出口(51)と共通路(52)との間に配置された流量計測手段(30)を1つ備える。流量計測手段(30)が1つであるため、計測機器に由来するそれぞれの飲料タンク毎の計測誤差を減少させることができる。
【0049】
流量計測手段(30)は、限定されないが、容積式流量計、タービン式流量計、質量式流量計、渦式流量計、超音波式流量計、電磁式流量計、ダイヤフラム式流量計、光学式流量計などを使用することができる。
【0050】
流量計測手段(30)は、炭酸飲料に対して非接触なセンサであることが好ましい。また光学式流量計の1つである非接触レーザーセンサであることがより好ましい。
【0051】
流体と接触するタイプの流量センサであっても、流量を計測するには十分ではあるが、接触するタイプのセンサの場合、センサ部分に流体が付着するため、液滴がその部分に残留する事で細菌等の発生源になる虞がある。また、飲料供給路(53)および、共通路(52)は定期的に洗浄を行う事で清浄度を保つ必要があるが、接触タイプの場合、配管内に何らかの端子等が突出しているため、洗浄の妨げになる虞がある。
【0052】
非接触レーザーセンサは、レーザーを照射した際の反射光の解析により、流量を計測する光学方式のセンサである。移動する物体が反射した光は、物体の速度に応じて周波数が変化すること(レーザードップラー現象)が知られている。非接触レーザーセンサは、出射光と反射光の周波数変化を解析することで、流体の流速を計測するものである。
【0053】
また流量(体積流量)(Q)は、流速(V)と、流路の断面積(A)から、以下の式(I)によって求めることができる。
【0054】
Q=V・A ・・・(I)
【0055】
非接触レーザーセンサは、光学方式であるため流体(すなわち炭酸飲料)に対して高速応答が可能であり、精度の高い流量の計測が可能である。
【0056】
さらに非接触レーザーセンサは、反射光強度の解析により、流量の測定のみならず、炭酸飲料中の気泡および、異物の検知、並びに炭酸飲料の濃度変化の検知も可能である。よって提供する炭酸飲料の品質管理を容易にする。
【0057】
炭酸ガス供給路(11)は、下流側の末端部のそれぞれに炭酸ガス用バルブ(21)を備えることが好ましい。
【0058】
飲料供給路(53)は、上流側の末端部のそれぞれに飲料用バルブ(22)を備えることが好ましい。
【0059】
図2に示されるように本実施形態では、炭酸ガス用バルブ(21)および、飲料用バルブ(22)は、それぞれの飲料タンク(50)に、対となるようにそれぞれ1つずつ接続される。
【0060】
装置(1)は、炭酸ガスボンベ(12)と、炭酸ガス供給路(11)との間に配置されるレギュレータ(10)を備える。上述のように、炭酸ガスボンベ(12)が1つの場合、レギュレータ(10)も1つでよい。
【0061】
<装置の制御>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る装置(1)の制御系統を示すブロック図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る装置(1)の動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図3で示されるように、装置(1)は、処理部(100)、入力部(20)およびび、表示部(60)を備える。そして詳細は後述するが、処理部(100)は、タンク選定手段(120)、提供量算出手段(130)および、提供量記憶手段(140)を含む。また処理部(100)は、炭酸ガス供給量調整手段(110)、容量記憶手段(130)、残量表示手段(150)および、警告手段(160)をさらに含むことが好ましい。
【0063】
入力部(20)は、ボタン式の入力手段など有しており、提供を受けたい炭酸飲料を入力し、指定することが可能である(ステップS201)。または図1のように入力部(20)が、タッチパネルを有していてもよい。
【0064】
タンク選定手段(120)は、入力部(20)によって入力された情報を取得し、
入力された情報と一致する飲料タンク(50)を選定し、情報と一致する飲料タンク(50)に貯蔵された炭酸飲料が吐出口(51)に向かって流れるようにする(ステップS202)。
【0065】
本実施形態では、タンク選定手段(120)は、対となる炭酸ガス用バルブ(21)および、飲料用バルブ(22)を同時に開状態にすることで飲料タンク(50)の選定を行うものであるが、これに限定して理解されるべきではない。
【0066】
対となる炭酸ガス用バルブ(21)および、飲料用バルブ(22)の1対のみを同時に開状態にすることで、複数の飲料タンク(50)に、異なる種類の炭酸飲料が貯蔵されていても、炭酸飲料を混合することなく提供することができる。
【0067】
流量計測手段(30)によって、提供する炭酸飲料の流量を計測する(ステップS203)。
【0068】
提供量算出手段(130)は、流量計測手段(30)によって計測された流量と、タンク選定手段(120)によって選定された飲料タンク(50)の情報から、1回の提供で飲料タンク(50)から提供した炭酸飲料の提供量を算出する(ステップS204)。
【0069】
提供量記憶手段(140)は、提供量算出手段(130)によって算出された提供量を、それぞれの飲料タンク(50)毎に積算し記憶する(ステップS205)。よって装置(1)は、吐出口(51)および、流量計測手段(30)を1つしか備えていないが、それぞれの飲料タンク(50)から提供した炭酸飲料の提供量を記憶することができる。
【0070】
炭酸ガス供給量調整手段(110)は、レギュレータ(10)を制御して、それぞれの飲料タンク(50)毎に供給される炭酸ガスの供給量を調整可能である。炭酸ガス供給量調整手段(110)を備えることで、飲料タンク(50)に貯蔵されている飲料に合わせて、炭酸飲料の炭酸ガスの含有量をそれぞれきめ細かく調整することができる。
【0071】
容量記憶手段(150)は、飲料タンク(50)の容量を、それぞれの飲料タンク(50)毎に記憶する。
【0072】
飲料タンク(50)の容量は、炭酸飲料の銘柄、種類または、製造者によって異なることがある。また同じ炭酸飲料であっても、さまざまな容量の飲料タンク(50)が流通していることもある。
【0073】
容量記憶手段(150)は、異なる容量の飲料タンク(50)が同時に装置(1)に含まれていても、飲料タンク(50)毎に容量を記憶することができる。
【0074】
また飲料タンク(50)の交換の前後で、飲料タンク(50)の容量が異なるときは、入力部(20)から交換後の飲料タンク(50)の容量を入力し容量記憶手段(150)に記憶させることができる。
【0075】
残量表示手段(160)は、提供量記憶手段(140)に記憶されたそれぞれの飲料タンク(50)毎の炭酸飲料の提供量および、容量記憶手段(150)に記憶された飲料タンク(50)の容量を参照し、それぞれの飲料タンク(50)毎の炭酸飲料の残量を表示部(60)に表示する(ステップS206)。
【0076】
さらに処理部(100)は、炭酸飲料の残量が一定以下になった飲料タンク(50)が存在するときに、警告を発する警告手段(170)を備えてもよい。警告手段(170)は、飲料タンク(50)の残量を取得し、残量が一定以下になったタンク(50)の有無を確認する(ステップS207)。
【0077】
炭酸飲料の残量が一定以下になった飲料タンク(50)が存在すれば、警告手段(170)は警告を発して残量が少ない飲料タンク(50)の交換を促すことができる(ステップS208)。
【0078】
<第2の実施形態>
本実施形態では、レギュレータ(10)はリリーフ機構を備えている。
【0079】
レギュレータ(10)がリリーフ機構を備えることで、炭酸ガスボンベ(12)から炭酸ガス供給路(11)に過剰供給された炭酸ガスを装置(1)の外部に放出することができる。これによって飲料タンク(50)への炭酸ガスの供給量の調整がさらに容易になる。
【0080】
さらに本実施形態では、レギュレータ(10)がリリーフ機構を備えることで、飲料供給路(53)および、共通路(52)に提供されずに残留する炭酸飲料を飲料タンク(50)に回収することが可能である。この残留する炭酸飲料の回収について図面を参照しながら詳述する。
【0081】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る装置(1)の炭酸飲料の回収について説明する図である。
【0082】
炭酸飲料の1回の提供が完了したあとに、炭酸ガス供給量調整手段(110)はレギュレータ(10)を制御して炭酸ガスの供給量を少なくする。より好ましくは、炭酸ガスの供給を一時的に完全に停止する。
【0083】
続いてリリーフ機構によって炭酸ガスを装置(1)の外部に放出するときに、対となる炭酸ガス用バルブ(21)および、飲料用バルブ(22)を同時に開状態にする。これによって炭酸ガス供給路(11)のみではなく、飲料タンク(50)内の炭酸ガスも上流側から下流側へ逆流して、装置(1)の外部に放出される。すると飲料タンク(50)内の圧力が減少する。
【0084】
飲料タンク(50)内の圧力が減少すると、飲料供給路(53)および、共通路(52)にも上流側から下流側に向かう流れが生じるため、飲料供給路(53)および、共通路(52)に提供されずに残留する炭酸飲料を飲料タンク(50)に回収することが可能となる。
【0085】
炭酸飲料の回収が完了したら、リリーフ機構による炭酸ガスの装置(1)の外部への放出を停止し、炭酸ガス用バルブ(21)および、飲料用バルブ(22)を閉状態にする。これによって吐出口(51)から飲料タンク(50)に外気が逆流することを防止することができる。
【0086】
<第3の実施形態>
本実施形態では、少なくとも吐出口(51)、炭酸ガス供給路(11)、飲料供給路(53)、共通路(52)、流量計測手段(30)、炭酸ガス用バルブ(21)、飲料用バルブ(22)、レギュレータ(10)、および処理部(100)が単一ユニットとして構成される装置(1)であり、処理部(100)は、少なくとも炭酸ガス供給量調整手段(110)、タンク選定手段(120)、提供量算出手段(130)、および提供量記憶手段(140)を含む。
【0087】
本実施形態に係る装置(1)は、交換が必要な飲料タンク(50)および、炭酸ガスボンベ(12)以外の構成要素(部品)が単一ユニットとして構成されている。したがって、それぞれの構成要素を空間的に無駄なく配置することができ、装置(1)をより小型にすることが可能となる。
【0088】
処理部(100)は、必要に応じて、残量表示手段(160)および、警告手段(170)を含み、単一ユニットとして装置(1)を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、2つ以上の飲料タンクが飲料供給路および、共通路を介して吐出口に並列に接続されており、2つ以上の飲料タンクからそれぞれ個別に炭酸飲料を提供することが可能な炭酸飲料提供装置である。また本発明は、すべての飲料タンクから提供される炭酸飲料の流量が、1つの流量計測手段で計測されるため、それぞれの飲料タンク毎の計測誤差を減少させることが可能な炭酸飲料提供装置を実現する。
【0090】
加えて本発明に係る炭酸飲料提供装置は、従来の装置に比べて、吐出口および、流量計測手段の数が少ないことはもちろん、炭酸飲料を流すために必要な配管や、流量計測手段を制御するために必要な電気配線なども少なくすることができる。よって本発明は、炭酸飲料提供装置全体を小型化することが可能である。また本発明は、構成する部品が少ないため、装置の維持管理が容易になるという利点を有する炭酸飲料提供装置を実現する。
【符号の説明】
【0091】
1 炭酸飲料提供装置
10 レギュレータ
11 炭酸ガス供給路
12 炭酸ガスボンベ
20 入力部
21 炭酸ガス用バルブ
22 飲料用バルブ
30 流量計測手段
50 飲料タンク
51 吐出口
52 共通路
53 飲料供給路
60 表示部
100 処理部
110 炭酸ガス供給量調整手段
120 タンク選定手段
130 提供量算出手段
140 提供量記憶手段
150 容量記憶手段
160 残量表示手段
170 警告手段
300 カップ
図1
図2
図3
図4
図5