特開2020-75370(P2020-75370A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大日本印刷株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000003
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000004
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000005
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000006
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000007
  • 特開2020075370-熱転写システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75370(P2020-75370A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】熱転写システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/325 20060101AFI20200424BHJP
   B41J 17/38 20060101ALI20200424BHJP
   B41J 17/30 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   B41J2/325 A
   B41J2/325 Z
   B41J17/38 Z
   B41J17/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-208449(P2018-208449)
(22)【出願日】2018年11月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 善幸
【テーマコード(参考)】
2C065
2C068
【Fターム(参考)】
2C065AA01
2C065AC04
2C065AD07
2C065DA33
2C065DZ09
2C065DZ12
2C068AA02
2C068AA06
2C068AA15
2C068AA22
2C068HH09
2C068HH17
2C068PP10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な構成をもって被転写体上における転写層の未転写部分を確実になくすことができる熱転写システムを提供する。
【解決手段】熱転写システム39の転写装置18Aは、プラテンロール19と、プラテンロール19との間でインクリボン13と被転写体14をニップする加熱体18を有する。加熱体18の下流側にインクリボン13と被転写体14をプラテンロール19に向かって押付けるシリコンゴムローラ20が設けられている。加熱体18とシリコンゴムローラ20を覆ってヒートカバー50が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持層と転写層とを有する転写媒体を用いて、搬送される被転写体に対して前記転写層を転写する熱転写システムにおいて、
前記転写媒体を前記被転写体に向かって送り出す送出部と、
前記被転写体側に設けられたプラテンロールと、前記転写媒体側に設けられ、前記プラテンロールとの間で前記転写媒体と前記被転写体を挟持して、前記転写媒体の前記転写層を前記被転写体に対して転写する加熱体とを有する転写装置と、
転写済の前記転写媒体を巻取る巻取部とを備え、
前記転写装置は前記加熱体の前記被転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記転写媒体と前記被転写体を再度前記プラテンロールとの間で挟持して、前記転写媒体の前記転写層を前記被転写体に対して転写するニップ体を更に有し、前記加熱体と前記ニップ体を覆うヒートカバーを設けた、熱転写システム。
【請求項2】
前記ヒートカバーは前記加熱体を覆うとともに、水平方向に延びる上面と前記上面から傾斜面を介して連結され、垂直方向に延びる前面とを有し、前記傾斜面と前記前面は前記ニップ体を覆う、請求項1記載の熱転写システム。
【請求項3】
前記傾斜面の長さは、前記前面の長さより大きい、請求項2記載の熱転写システム。
【請求項4】
前記ヒートカバーは、各々が加熱体用開口とニップ体用開口をもつ一対の側面を有する、請求項1乃至3のいずれか記載の熱転写システム。
【請求項5】
前記加熱体の中心は、前記プラテンロールの中心を通る垂直線より前記被転写体の搬送方向上流側に位置する、請求項1乃至4のいずれか記載の熱転写システム。
【請求項6】
前記加熱体は剛性体を含み、前記ニップ体は弾性体を含む、請求項1乃至5のいずれか記載の熱転写システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被転写体に対して転写層を熱転写する熱転写システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にIDカードにおいては、カード所有者の顔写真などの画像情報と、カード所有者の住所、氏名、生年月日などの文字情報とが、カードに印画される。例えば特許文献1において、複数の印画ユニットを備え、ID番号によって対応づけられた画像情報と文字情報とからIDカードを作製するIDカード作製装置が提案されている。
【0003】
また画像情報および文字情報が印画されたカードに対して、これら画像情報および文字情報を保護するためオーバーコート層が熱転写される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−137198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーバーコート層を熱転写する熱転写システムとして、プラテンロールと、このプラテンロールとの間でインクリボンとカードを挟持してインクリボンのオーバーコート層をカードに転写する加熱体とを有するシステムが知られている。
【0006】
このような熱転写システムにおいて、カード上にゴミ等が残っていると、このゴミ周囲でカード上にオーバーコート層が転写されない現象が発生する。またカード表面に凹凸形状が存在すると、この凹凸形状周囲でカード上にオーバーコート層が転写されない現象が発生する。このような場合、熱転写システムの加熱体の下流側に、追加の加熱体および追加のプラテンロールを設けることも考えられるが、装置が全体として複雑化してしまう。
【0007】
また中間転写媒体に印画層を転写する際も、中間転写媒体上にゴミが残っていたり、中間転写媒体に凹凸形状が存在すると、印画層を確実に転写できないことも考えられる。
【0008】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、簡単な構成をもって被転写体上における転写層の未転写部分を確実になくすことができる熱転写システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、支持層と転写層とを有する転写媒体を用いて、搬送される被転写体に対して前記転写層を転写する熱転写システムにおいて、前記転写媒体を前記被転写体に向かって送り出す送出部と、前記被転写体側に設けられたプラテンロールと、前記転写媒体側に設けられ、前記プラテンロールとの間で前記転写媒体と前記被転写体を挟持して、前記転写媒体の前記転写層を前記被転写体に対して転写する加熱体とを有する転写装置と、転写済の前記転写媒体を巻取る巻取部とを備え、前記転写装置は前記加熱体の前記被転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記転写媒体と前記被転写体を再度前記プラテンロールとの間で挟持して、前記転写媒体の前記転写層を前記被転写体に対して転写するニップ体を更に有し、前記加熱体と前記ニップ体を覆うヒートカバーを設けた、熱転写システムである。
【0010】
本開示は、前記ヒートカバーは前記加熱体を覆うとともに、水平方向に延びる上面と、前記上面から傾斜面を介して連結され、垂直方向に延びる前面とを有し、前記傾斜面と前記前面は前記ニップ体を覆う、熱転写システムである。
【0011】
本開示は、前記傾斜面の長さは、前記前面の長さより大きい、熱転写システム。
【0012】
本開示は、前記ヒートカバーは、各々が前記加熱体用開口と前記ニップ体用開口をもつ一対の側面を有する、熱転写システムである。
【0013】
本開示は、前記加熱体の中心は、前記プラテンロールの中心を通る垂直線より前記被転写体の搬送方向上流側に位置する、熱転写システムである。
【0014】
本開示は、前記加熱体は剛性体を含み、前記ニップ体は弾性体を含む、熱転写システムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、未転写部分をなくして被転写体に対して転写層を確実に転写することができ、かつ全体としての構造を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施の形態における熱転写システムを示す側面図。
図2図2は、図1に示す熱転写システムの拡大図。
図3図3は、ヒートカバーを示す斜視図。
図4図4は、ヒートカバーの取り付け構造を示す図。
図5図5は、本発明による熱転写システムが組込まれたカード発行システムの全体を示す図。
図6図6は、インクリボンを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態>
以下、図1乃至図6を参照して、本実施の形態について説明する。はじめに図5を参照して、本実施の形態による熱転写システムが組み込まれたカード発行システム35全体について説明する。
【0018】
<カード発行システム>
図5に示すように、カード発行システム35は、ケーシング46と、ケーシング46内上方に設けられ、多数のカードを収納するとともにICカード(被転写体)14(図1参照)を順次排出するカードホッパ31と、カードホッパ31の下流側に設けられ、カードの表面に画像情報および文字情報を印画する印画装置30と、を備えている。
【0019】
また図5に示すように、印画装置30の下流側には、カードの表面に印画された画像情報および文字情報を保護する第1保護シート(オーバーコート層ともいう)13b(図6参照)をICカード14の表面上に設ける、本実施の形態による熱転写システムとしての第1保護シート形成部39が設けられている。また第1保護シート形成部39の下流側には、第1保護シート13b上に更に第2保護シートを設ける、熱転写システムとしての第2保護シート形成部40が設けられている。また第2保護シート形成部40の下流側には、カードを集積部45へ振分ける振分け機構44が設けられている。
【0020】
なお本実施の形態において、所有者の画像情報および文字情報が電子的に格納されたICチップ(図示せず)がICカード14内に実装されていてもよい。この場合、図5に示すリーダライタ37により、ICカード14のICチップに画像情報および文字情報が書き込まれてもよい。
【0021】
また本実施の形態において、ICカード14の表面だけでなく裏面にも、所有者の画像情報または文字情報が印字されてもよい。この場合、図5に示す裏面印字ユニット38により、ICカード14の裏面に画像情報および文字情報が印字されてもよい。
【0022】
<熱転写システム>
次に本実施の形態による熱転写システムを構成する第1保護シート形成部39および第2保護シート形成部40について、図1乃至図4により説明する。以下、第1保護シート形成部39について説明するが、第2保護シート形成部40も、第1保護シート形成部39と略同一構成をもつ。
【0023】
図1および図2に示すように、第1保護シート形成部39は、少なくとも図6に示す支持層13aとオーバーコート層13bとを含むインクリボン13を用いてICカード14にオーバーコート層13bを加熱して転写するものであり、第1保護シート形成部39は本実施の形態による熱転写システムを構成する。この場合、オーバーコート層13bは転写層13bとなり、インクリボン13は転写媒体となる。第1保護シート形成部(以下、熱転写システムという)39は、矢印Rで示す方向にインクリボン13を送り出す送出部(インクリボン用送出部)25と、送出部25のインクリボン13の送出方向下流側に配置された転写装置18Aと、転写装置18Aの下流側に配置され、矢印Rで示す方向に転写済のインクリボン13を巻き取る巻取部26と、を備えている。図1に示すように、インクリボン13は、送出部25から案内ローラ16によって転写装置18Aまで案内され、転写装置18Aから剥離ローラ17を経て巻取部26に巻取られる。
【0024】
一方、ICカード14は導入ライン11により転写装置18Aまで搬送され、転写装置18Aから排出ライン12を経て外方へ排出される。
【0025】
次に転写装置18Aについて説明する。図1に示すように転写装置18AはICカード14を支持するプラテンロール19と、インクリボン13およびICカード14を挟んでプラテンロール19と対向するよう設けられた加熱体18、例えば加熱ヘッドとを有している。図1に示すように、加熱体18は、インクリボン13の支持層13a側に設けられている。そして加熱体18とプラテンロール19とによりICカード14とインクリボン13がニップされ(挟持され)、加熱体18により、インクリボン13のオーバーコート層13bが加熱される。これによって、インクリボン13のオーバーコート層13bがICカード14に対して転写される。ここで加熱ヘッドとは、一般的な複数の発熱素子を有する端面ヘッド、平面ヘッドのような加熱手段をいう。
【0026】
また転写装置18Aは、図1および図2に示すように、更に加熱体18のICカード14の搬送方向下流側に設けられ、ICカード14とインクリボン13をプラテンロール19との間で再度ニップするニップ体、例えば弾性体からなるシリコンゴムローラ20を有する。
【0027】
図1および図2に示すように、転写装置18Aの加熱体18は、剛性体からなる加熱ヘッドからなり、加熱体18の中心C1は、プラテンロール19の中心C2を通る垂直線LよりICカード14の搬送方向上流側に位置している。またシリコンゴムローラ20は、加熱体18のICカード14の搬送方向下流側に位置し、加熱体18に比べて軟質の材料、例えば上述したシリコンゴムからなる。
【0028】
加熱体18は垂直線L上を通る下流側部分18aにおいてインクリボン13とICカード14をプラテンロール19の中心C2に向かって押圧する。またシリコンゴムローラ20は、垂直線Lに対して傾斜角αだけ傾斜する直線L1に沿って、インクリボン13とICカード14をプラテンロール19の中心C2に向かって押圧する。
【0029】
なお、シリコンゴムローラ20と加熱体18はそれぞれ別部材により支持されている。あるいは、シリコンゴムローラ20はローラ保持体20bにより保持され、このローラ保持体20bは加熱体18から延びる連結具20aに連結されていても良い。
【0030】
加熱体18とシリコンゴムローラ20を別部材により支持する場合、加熱体18とシリコンゴムローラ20を別々に加圧制御することができる。あるいは、連結具20aとローラ保持体20bとによって、加熱体18とシリコンゴムローラ20が一体に構成されている場合、連結具20aとローラ保持体20bをバネ部材としたり、あるいは、シリコンゴムローラ20の硬度調整により、シリコンゴムローラ20からICカード14に対して所望の圧力を加えることができる。
【0031】
上述のように加熱体18は加熱ヘッドからなり、シリコンゴムローラ20は加熱体18により加熱されたインクリボン13のオーバーコート層13bをICカード14に対して転写する。この場合、インクリボン13のオーバーコート層13bのうち、加熱体18によって十分に転写されなかった未転写部分をICカード14に転写することができる。
【0032】
シリコンゴムローラ20としては、特に加熱されない常温のローラを用いることもできるが、加熱されるローラを用いてもよい。
【0033】
また図1および図2に示すように、加熱体18とシリコンゴムローラ20を覆って、ヒートカバー50が設けられている。このヒートカバー50は加熱体18とシリコンゴムローラ20を覆う空間50Aを形成する。そしてヒートカバー50内の空間50Aが加熱体18により温められ、シリコンゴムローラ20が加温される。
【0034】
ヒートカバー50の構造を更に、図1乃至図4により説明する。ヒートカバー50は加熱体18を覆うとともに水平方向に延びる上面51と、上面51からICカード14の搬送方向下流側に傾斜面52を介して連結され、垂直方向に延びる前面53とを有し、加熱体18とシリコンゴムローラ20とを外方から覆っている。このうち上面51は加熱体18の全域を覆うとともに、シリコンゴムローラ20のうちICカード14の搬送方向上流側の一部の領域を覆っている。さらに傾斜面52と前面53はシリコンゴムローラ20のうちICカード14の搬送方向下流側の他の領域を覆っている。なお、傾斜面52はICカード14のー搬送方向下流側に向かって降下している。
【0035】
またヒートカバー50は、上面51、傾斜面52および前面53に連結された一対の側面54を有し、各側面54は加熱体用開口55aとシリコンゴムローラ用開口(ニップ体用開口ともいう)55bとを有する。そして加熱体18は各側面54の加熱体用開口55aを介して外方へ露出し、シリコンゴムローラ20はシリコンゴムローラ用開口55bを介して外方へ露出している。
【0036】
ところでヒートカバー50は全体としてアルミニウム鋼となっており、ヒートカバー50のうち、上面51の長さ(ICカード14の搬送方向に延びる長さ)をl1、傾斜面52の長さ(ICカード14の搬送方向に延びる長さ)をl2、前面53の長さ(垂直方向の長さ)をl3とした場合、l1>l2>l3となっている。
【0037】
このように各長さl1、l2、l3がl1>l2>l3の関係をもつことにより、ヒートカバー50内の空間50Aの形状を加熱体18とシリコンゴムローラ20の外形に近似させることができ、このことによりヒートカバー50内の空間50Aの熱伝達性, 及び保温性を高めることができる。
【0038】
このようにヒートカバー50により加熱体18とシリコンゴムローラ20を覆うことにより、加熱体18によりシリコンゴムローラ20を直接加温することに加えて、加熱体18からの熱をヒートカバー50により熱伝達し, かつ保温して、シリコンゴムローラ20を更に効果的に加温することができる。
【0039】
次にヒートカバー50の取付構造について説明する。支持構造60に取付ボルト61bにより断面L字状の取付板61が取り付けられ、この取付板61にヒートカバー50の上面51が取付ボルト61aにより取り付けられている。このようにしてヒートカバー50は取付板61を介して支持構造60に取り付けられて固定される。
【0040】
この場合、取付板61に設けられた取付ボルト61aは、ヒートカバー50の上面51に設けられた開口51aを貫通し、取付板61とヒートカバー50の上面51とを固定する。
【0041】
次に支持層13aとオーバーコート層13bとを有するインクリボン13の構成について説明する。
【0042】
本発明において支持層(基材)13aは、熱転写時に熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。このような支持層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。また、支持層の厚さは、2μm以上、20μm以下であることが好ましく、4μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
【0043】
オーバーコート層(転写層)13bとしては、熱溶融性のコート層を用いることができる。オーバーコート層13bはICカード14表面に印画された画像情報および文字情報を上方から覆って、これら画像情報および文字情報を保護する。
【0044】
なお、上記熱転写システム39の各構成部分、例えば転写装置18A、送出部25、巻取部26等は、カード発行システム35に組込まれた制御部35Aにより駆動制御される。
【0045】
<本実施の形態の作用>
次に、このような構成からなる本実施の形態による熱転写システム39の作用について説明する。
【0046】
まず上流側の印画装置30によって、予め表面に画像情報および文字情報が印画されたIDカード等のICカード14が、熱転写システム39側へ送られる。この際、制御部35Aは搬送ローラからなる導入ライン11を駆動させて、ICカード14を転写装置18Aに向けて搬送するとともに、ヒータ部15によりICカード14を予備加熱する。一方、制御部35Aは巻取部26を駆動させてインクリボン13を、送出部25から転写装置18Aに向けて送り出す。このとき、インクリボン13に対して送出部25に内蔵されたブレーキ機構により張力が加わる。
【0047】
この間、転写装置18Aの加熱体18は、制御部35Aにより作動して予備加熱されて、ヒートカバー50の空間A内を予め加温している。次にICカード14が転写装置18Aの加熱体18とプラテンロール19との間に到達すると、制御部35Aにより予備加熱されていた加熱体18がインクリボン13を加熱しながらICカード14に対して押し付ける。これによって、インクリボン13のオーバーコート層13bがICカード14上に転写される。このことにより、ICカード14上に上流側の印画装置30によって予め印画された画像情報および文字情報がオーバーコート層13bにより覆われて保護される。
【0048】
他方、転写装置18Aにより転写されたインクリボン13は、剥離ローラ17を介してICカード14から剥離されて巻取部26に巻取られる。
【0049】
次に、加熱体18により加熱されたインクリボン13およびICカード14は、更にシリコンゴムローラ20側へ送られる。そしてこのシリコンゴムローラ20によりインクリボン13がICカード14に対して押付けられる。
【0050】
ところで、ICカード14上に例えば微細なゴミが残存したり、ICカード14に微細な凹凸形状が存在すると、加熱体18によってインクリボン13を加熱押圧してもオーバーコート層13bを十分にICカード14に転写することができず、オーバーコート層13bの未転写部分が残ってしまうことがある。
【0051】
本実施の形態によれば、加熱体18だけではオーバーコート層13bを十分にICカード14に転写することができなくても、加熱体18の下流側にシリコンゴムローラ20を設けたことにより、このシリコンゴムローラ20によりインクリボン13のオーバーコート層13bを十分かつ確実にICカード14に転写することができる。また、加熱体18とシリコンゴムローラ20がヒートカバー50により覆われており、ヒートカバー50の空間50Aが予め加熱体18により加温されているため、加熱体18からの熱伝達によりシリコンゴムローラ20を効果的に加温することができる。このため加熱体18により加温されたシリコンゴムローラ20により、インクリボン13のオーバーコート層13bをより確実にICカード14に転写することができる。また、シリコンゴムローラ20は加熱体18からの熱伝達により加温されるため、シリコンゴムローラ20を加温するために別途独立した加熱手段を設定する必要はなく、簡便な構造のヒートカバー50を設けるだけで、容易にシリコンゴムローラ20を加温することができる。
【0052】
このように表面にオーバーコート層13bが転写されたICカード14は、次に排出ライン12から外方へ排出される。
【0053】
以上のように、本実施の形態によれば、加熱体18とシリコンゴムローラ20がヒートカバー50により覆われており、ヒートカバー50の空間50Aが予め加熱体18により加温されているため、加熱体18からの熱伝達によりシリコンゴムローラ20を効果的に加温することができる。このため加熱体18により加温されたシリコンゴムローラ20により、インクリボン13のオーバーコート層13bをより確実にICカード14に転写することができる。
【符号の説明】
【0054】
11 導入ライン
12 排出ライン
13 インクリボン
13a 支持層
13b オーバーコート層
14 ICカード
15 ヒータ部
16 案内ローラ
17 剥離ローラ
18 加熱体
18A 転写装置
19 プラテンロール
20 シリコンゴムローラ(ニップ体)
25 送出部
26 巻取部
30 印画装置
31 カードホッパ
39 第一保護シート形成部(熱転写システム)
40 第二保護シート形成部(熱転写システム)
50 ヒートカバー
51 上面
51a 開口
52 傾斜面
53 前面
54 側面
55a 加熱体用開口
55b シリコンゴムローラ用開口
60 支持構造
61 取付板
図1
図2
図3
図4
図5
図6