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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75429(P2020-75429A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】印刷装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/015 20060101AFI20200424BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20200424BHJP
   B41J 2/05 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   B41J2/015 101
   B41J2/01 451
   B41J2/01 401
   B41J2/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-210829(P2018-210829)
(22)【出願日】2018年11月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】近藤 僚太
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA25
2C056EB07
2C056EB30
2C056EC07
2C056EC37
2C056EC38
2C056EC42
2C057AF52
2C057AG46
2C057AL25
2C057AM16
2C057AM17
(57)【要約】
【課題】環境条件に左右されず、サーマルヘッドの通電効率を高めることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】制御部は、ドットを形成するときに、発熱体に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能であり、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成がなかった場合、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間の順に通電し、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成があった場合であって、対象の前記ドットを形成した1つ後のタイミングで前記ドットを形成する予定がない場合、前記本通電時間で通電し、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間は、検出部が検出したサーマルヘッドの温度に応じて決定する、印刷装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を有するサーマルヘッドと、
前記発熱体に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部と、
前記サーマルヘッドの温度を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記ドットを形成するときに、前記発熱体に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能であり、
対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成がなかった場合、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間の順に通電し、
対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成があった場合であって、対象の前記ドットを形成した1つ後のタイミングで前記ドットを形成する予定がない場合、前記本通電時間で通電し、
前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間は、前記検出部が検出した前記温度に応じて決定する、印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1通電時間の長さと、前記第2通電時間の長さとを同じにする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記温度が、所定の前記温度より高い場合に、前記第1通電時間よりも、前記第2通電時間を長くする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記温度が、所定の前記温度よりも低い場合に、前記第1通電時間よりも、前記第2通電時間を短くする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
発熱体を有するサーマルヘッドと、
前記発熱体に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部と、
前記サーマルヘッドの温度を検出する検出部と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
前記ドットを形成するときに、前記発熱体に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能であり、
対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成がなかった場合、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間の順に通電し、
対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成があった場合であって、対象の前記ドットを形成した1つ後のタイミングで前記ドットを形成する予定がない場合、前記本通電時間で通電し、
前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間は、前記検出部が検出した前記温度に応じて決定する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱を利用して印刷を行う印刷装置が知られている。当該印刷装置では、例えば、サーマルヘッドに通電してドット単位で発熱体を発熱させ、当該発熱体に感熱紙を押し当てることで、当該感熱紙を発色させて印字する。
当該印刷装置では、印字速度が速くなるほど、ドット単位の紙送り時間が短くなるため、ドット単位の通電時間が短くなり、印字濃度が薄くなる。
【0003】
そこで、当該印刷装置において、ドット単位の通電時間を長くすることが考えられるが、単純に通電時間を長くするだけでは、発熱体の温度が上がり過ぎて、放熱に時間がかかり、印字が不要なドットなどが印字されてしまう現象が発生することがある。例えば、文字の下側に尾が引いたような印字が為される場合があり、このような現象は、尾引きと呼ばれることがある。
【0004】
特許文献1に係るサーマルヘッドの発熱体制御方法では、印字ドットパターンに基づいて発熱体をドット単位で通電、非通電制御し、発熱体の発熱により印字を行う(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−071864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の印刷装置では、環境の条件が変化した場合に、サーマルヘッドの発熱体に対する通電制御が適切に行われない場合があった。当該環境としては、例えば、印刷装置の内部の温度、あるいは、外部の温度などがある。なお、外部の温度は、気温と呼ばれてもよい。これらの温度は、サーマルヘッドの温度に影響を与え得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、発熱体を有するサーマルヘッドと、前記発熱体に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部と、前記サーマルヘッドの温度を検出する検出部と、を備え、前記制御部は、前記ドットを形成するときに、前記発熱体に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能であり、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成がなかった場合、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間の順に通電し、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成があった場合であって、対象の前記ドットを形成した1つ後のタイミングで前記ドットを形成する予定がない場合、前記本通電時間で通電し、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間は、前記検出部が検出した前記温度に応じて決定する、印刷装置である。
【0008】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、発熱体を有するサーマルヘッドと、前記発熱体に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部と、前記サーマルヘッドの温度を検出する検出部と、を備えた印刷装置の制御方法であって、前記ドットを形成するときに、前記発熱体に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能であり、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成がなかった場合、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間の順に通電し、対象の前記ドットを形成する1つ前のタイミングで前記ドットの形成があった場合であって、対象の前記ドットを形成した1つ後のタイミングで前記ドットを形成する予定がない場合、前記本通電時間で通電し、前記第1通電時間、前記本通電時間、前記第2通電時間は、前記検出部が検出した前記温度に応じて決定する、制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る印刷システムの概略的な構成を示す図である。
図2】実施形態に係る印刷部の概略的な構成を示す図である。
図3】実施形態に係るライン印刷の例を説明するための図である。
図4】実施形態に係る1個の発熱体における1個の画素に対応した通電パターンの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る1個の発熱体における1個の画素に対応した通電パターンの他の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る1個の発熱体における1個の画素に対応した通電パターンの他の一例を示す図である。
図7】実施形態に係るプレヒートの制御における通電の状況の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る尾引きカットの制御における通電の状況の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<印刷システム>
図1は、実施形態に係る印刷システム1の概略的な構成を示す図である。
印刷システム1は、印刷装置11と、外部装置12を備える。
本実施形態では、印刷装置11は、長尺状の用紙をロール上に巻いたロール紙を収容し、当該用紙を繰り出して、複数の発熱体によりドットを形成して印刷するサーマルプリンターである。
外部装置12は、例えば、ホストコンピューターである。外部装置12は、CPUや、ROM、RAM等を備え、インストールしたプリンターアプリケーションや、プリンタードライバー等の機能により、印刷対象となる印刷データを生成し、印刷装置11に対して、印刷データを送信する。
本実施形態では、印刷データは、印刷対象となる画像のデータを含む。また、印刷データは、印刷装置11に印刷を実行させるための指示を含んでもよい。
なお、外部装置12と印刷装置11との間の通信は、例えば、有線の通信であってもよく、無線の通信であってもよく、あるいは、有線の通信と無線の通信との組み合わせであってもよい。
また、本実施形態では、CPUは、Central Processing Unitであり、ROMは、Read Only Memoryであり、RAMは、Random Access Memoryである。
【0012】
<印刷装置>
印刷装置11は、操作部31と、入力インターフェイス32と、印刷部33と、用紙搬送部34と、制御部35と、バス41を備える。
印刷部33は、印刷制御部61と、サーマルヘッド62と、検出部63を備える。
用紙搬送部34は、モータードライバー71と、ステッピングモーター72を備える。
制御部35は、CPU81と、ROM82と、RAM83を備える。
【0013】
入力インターフェイス32と、印刷制御部61と、モータードライバー71と、CPU81と、ROM82と、RAM83は、それぞれ、バス41と接続されており、バス41を介して互いに通信することが可能である。
バス41は、例えば、システムバスである。
【0014】
操作部31は、ユーザーによって行われる操作の内容を受け付ける。操作部31は、例えば、ユーザーによって操作されるボタンなどを有する。
操作部31は、受け付けられた操作の内容を表すデータを、入力インターフェイス32およびバス41を介して、制御部35に送信する。
ここで、操作の内容としては、例えば、印刷装置11の電源スイッチをオンまたはオフにするための操作の内容、印刷の実行を指示するための操作の内容、印刷の中止を指示するための操作の内容などであってもよい。
【0015】
入力インターフェイス32は、通信ポート、通信回路等を備え、操作部31から入力されたデータを、バス41を介して、制御部35に送信する。
また、入力インターフェイス32は、外部装置12から入力された印刷データを、バス41を介して、制御部35に送信する。
【0016】
印刷部33は、印刷を実行する。
印刷制御部61は、制御部35によって制御されて、サーマルヘッド62を制御する。
サーマルヘッド62は、複数の発熱体を有している。サーマルヘッド62は、印刷制御部61によって制御されて、通電により当該発熱体を加熱して、当該発熱体の熱エネルギーによって用紙に文字などを印刷する。本実施形態では、サーマルヘッド62は、印刷制御部61によって制御される。
なお、本実施形態では、印刷対象となる記録媒体として、用紙が用いられている。当該用紙は、長尺状の感熱紙や、長尺状の台紙の上に感熱紙のラベルを貼り付けたラベル紙などが用いられる。また、用紙は、記録紙と呼ばれてもよい。当該記録媒体としては、他のものが用いられてもよい。
検出部63は、サーマルヘッド62の温度を検出する。なお、検出部63は、例えば、サーマルヘッド62の付近に設けられ、サーマルヘッド62の外表面またはサーマルヘッド62の内部に設けられてもよい。また、検出部63によって検出される温度は、必ずしもサーマルヘッド62自体の温度と厳密に一致しなくてもよく、実用上で有効であれば厳密に一致しなくてもよい。検出部63は、例えば、サーミスターを用いて構成されてもよい。
【0017】
用紙搬送部34は、印刷対象となる用紙を搬送する。
モータードライバー71は、制御部35によって制御されて、ステッピングモーター72の駆動を制御する。
ステッピングモーター72は、モータードライバー71によって制御されて、図示が省略された給紙ローラーを回転させる。当該給紙ローラーの回転によって、印刷対象となる用紙が搬送される。本実施形態では、用紙の搬送は、印刷されるラインごとに当該用紙をずらすように行われる。
なお、用紙の搬送は、例えば、紙送りと呼ばれてもよい。
【0018】
制御部35は、印刷装置11において各種の制御を行う。
ROM82は、例えば、不揮発性メモリーであり、各種のデータを記憶する。ROM82は、例えば、フラッシュメモリーであってもよい。ROM82は、CPU81によって実行される制御プログラム、および当該制御プログラムの実行で使用されるパラメーターのデータなどを記憶する。
RAM83は、例えば、揮発性メモリーであり、各種のデータを記憶する。RAM83は、例えば、SRAM(Static RAM)であってもよい。RAM83は、印刷すべきデータなどを一時的に記憶するワークメモリーとして使用される。
CPU81は、制御プログラムをROM82から読み出してRAM83に保存する。そして、CPU81は、RAM83に保存された制御プログラムを実行して、当該制御プログラムにしたがって処理を実行する。
【0019】
例えば、CPU81は、外部装置12から入力された印刷データに含まれる画像データを、入力インターフェイス32を介して取り込み、取り込まれた画像データを2値形式のイメージデータに変換する。
ここで、イメージデータは、用紙に画像を印刷するために用いられるデータであり、ドットの配置を表す2値のデータである。
CPU81は、変換された2値形式のイメージデータをRAM83に構築されたイメージバッファーに展開する。また、CPU81は、イメージデータを用紙に印刷させるために、イメージバッファーに展開されたイメージデータを1ラインごとに読み出す。CPU81は、読み出されたイメージデータに基づいてデータ信号を生成し、生成されたデータ信号を印刷部33に出力する。
【0020】
<印刷部>
図2は、実施形態に係る印刷部33の概略的な構成を示す図である。
図2には、印刷部33と、制御部35を示してある。
印刷部33において、サーマルヘッド62は、シフトレジスター111と、ラッチレジスター112と、スイッチ回路113と、印字ヘッド部115を備える。
スイッチ回路113は、複数の否定論理積ゲート114を備える。なお、図2では、複数の否定論理積ゲート114のうちの1つに符号を付してある。
印字ヘッド部115は、複数の発熱体116を備える。なお、図2では、複数の発熱体116のうちの1つに符号を付してある。
ここで、複数の否定論理積ゲート114の数と、複数の発熱体116の数とは、同じである。
【0021】
印刷制御部61は、サーマルヘッド62に制御信号を送信する。
当該制御信号は、データ信号Dと、クロック信号CLKと、ラッチ信号LATと、ストローブ信号STBを含む。
【0022】
シフトレジスター111は、印刷制御部61から送信されたデータ信号Dおよびクロック信号CLKを受信して入力する。シフトレジスター111では、クロック信号CLKに同期して1ライン分のデータ信号Dが入力されて、入力されたデータ信号Dを保持する。
なお、クロック信号CLKは、サーマルヘッド62がデータ信号Dを取り込むタイミングを通知する信号である。
また、データ信号Dは、印刷される各ドットに対応する信号を含み、例えば、信号レベルがローレベルとなった場合にアクティブとなる信号である。
【0023】
本実施形態では、発熱体116の発熱によって用紙にインクのドットを形成することを、ドットを形成すると言う。
ドットを形成するインクは、例えば、黒色を有するが、他の色を有してもよい。通常は、インクによって形成されるドットの色としては、用紙の色とは異なる色が用いられる。そして、ドットが形成されない部分は、用紙の色のままとなる。
【0024】
ラッチレジスター112は、シフトレジスター111にパラレルに接続されている。ラッチレジスター112は、印刷制御部61から送信されたラッチ信号LATを受信して入力する。
ラッチレジスター112は、シフトレジスター111によって保持されるデータ信号Dを、同時並列的に、対応する記憶領域に移送して保持する。シフトレジスター111からラッチレジスター112へのデータの転送タイミングは、印刷制御部61から出力されるラッチ信号LATのラッチレジスター112への入力タイミングによって制御される。
なお、ラッチ信号LATは、シフトレジスター111からラッチレジスター112へのデータ信号Dの転送タイミングを通知する信号である。
【0025】
スイッチ回路113において、複数の否定論理積ゲート114のそれぞれは、印字ヘッド部115が備える複数の発熱体116のそれぞれに対応して設けられている。
各否定論理積ゲート114は、2個の入力端子と、1個の出力端子を有する。各否定論理積ゲート114は、印刷制御部61から送信された共通のストローブ信号STBを受信して入力する。
各否定論理積ゲート114の一方の入力端子には、ラッチレジスター112から出力されたデータ信号Dがパラレルで入力される。各否定論理積ゲート114に入力されるデータ信号Dは、形成すべき各ドットに応じた信号となる。また、各否定論理積ゲート114の他方の入力端子には、各否定論理積ゲート114に共通にストローブ信号STBが入力される。
【0026】
ここで、ストローブ信号STBは、印字ヘッド部115が備える発熱体116の通電時間を規定する信号である。ストローブ信号STBの信号レベルがアクティブな状態にあるときに、データ信号Dの信号レベルがアクティブな状態になると、対応する発熱体116が通電して発熱する。
スイッチ回路113では、ラッチレジスター112からパラレル入力したデータ信号Dと、ストローブ信号STBを否定演算した信号との否定論理積演算を各否定論理積ゲート114で行う。各否定論理積ゲート114の演算結果が印字ヘッド部115の各発熱体116に出力される。
なお、否定演算は、NOT演算と呼ばれてもよい。
また、否定論理積演算は、NAND演算と呼ばれてもよい。
【0027】
印字ヘッド部115において、複数の発熱体116は、1行分のイメージデータを同時に印刷するための抵抗体である。
それぞれの発熱体116には、それぞれの発熱体116を独立して加熱駆動するための複数の否定論理積ゲート114のそれぞれの出力端子が接続されている。
本実施形態では、印刷部33には、それぞれの発熱体116を加熱するための電源電圧Vdが備えられている。
【0028】
本実施形態では、複数の発熱体116を配列した行方向をライン方向と呼ぶ。複数の発熱体116は、用紙の幅方向に沿って延びる印字ヘッド部115の先端に配置されている。
また、制御部35が、複数の発熱体116を選択的に加熱駆動させることによって、用紙に1行分のドットを同時に形成する。また、制御部35が、用紙をライン方向に直交する方向に移動させながら1ラインの印刷を繰り返すことで、複数ラインのドットを用紙に印刷する。
本実施形態では、サーマルヘッド62を駆動して、画像を1ラインごとに形成する印刷をライン印刷と呼ぶ。
【0029】
<ライン印刷>
図3は、実施形態に係るライン印刷の例を説明するための図である。
図3には、説明の便宜上、複数の発熱体116を配列した行方向であるライン方向を表す方向Hを示してあり、また、方向Hに対して垂直な方向である方向Vを示してある。
また、図3には、1ラインの印刷の対象となる複数の画素211−1〜211−12を示してある。これら複数の画素211−1〜211−12は方向Hに平行に並んでいる。また、本例では、複数の画素211−1〜211−12の数を12としてある。
それぞれの画素211−1〜211−12には、それぞれの発熱体116が対応する。そして、それぞれの画素211−1〜211−12のところに、それぞれの画素211−1〜211−12に対応する発熱体116によって、ドットを形成することが可能である。
【0030】
また、図3には、1ラインの印刷の対象となる複数の画素211−1〜211−12とともに、それに続く1ラインごとの印刷の対象となる複数の画素も示してある。
図3の例では、1ライン目の複数の画素211−1〜211−12と、2ライン目の複数の画素と、3ライン目の複数の画素を示してある。説明の便宜上、1ライン目の複数の画素211−1〜211−12のうち1個の画素211−3に対応する発熱体116に注目して説明すると、当該発熱体116は、2ライン目では画素211−3−1に対応し、3ライン目では画素211−3−2に対応する。
【0031】
本実施形態では、サーマルヘッド62により次にライン印刷を行うラインを対象ラインと呼ぶ。
図3の例では、1ライン目を対象ラインとすると、その次には2ライン目の印刷が行われ、その次には3ライン目の印刷が行われる。つまり、図3の例では、方向Vに沿って、順次、1ラインごとの印刷が行われていく。
この場合、用紙の搬送方向は、方向Vに対して反対の方向となる。つまり、用紙の搬送方向とは逆の方向に、順次、1ラインごとの印刷が行われていく。
【0032】
CPU81は、ライン印刷に際し、これから印刷を行う対象ラインの次のラインのイメージデータを参照して、次のラインのライン印刷の際に画像を形成するドットの情報を取得する。具体的には、CPU81は、RAM83のイメージバッファーを参照して、次のラインのライン印刷の際に画像を形成するドットの情報を取得する。
CPU81は、1ラインのライン印刷に際して、対象ラインのイメージデータに基づいて、画像を形成すべき発熱体116に対して、画像を形成する通電量分の通電を行って画像を形成する。
ここで、CPU81は、印刷制御部61に出力するストローブ信号STBを制御することによって、通電量を調整する。具体的には、CPU81は、ストローブ信号STBがアクティブとなる時間を制御することで通電量を制御する。
【0033】
このように、CPU81は、発熱体116に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する。
また、本実施形態では、CPU81は、検出部63により検出された温度に応じて、通電量を制御する。
【0034】
<サーマルヘッドの通電制御>
本実施形態に係るサーマルヘッド62の通電制御について説明する。
図4は、実施形態に係る1個の発熱体116における1個の画素に対応した通電パターンの一例を示す図である。
図4には、時間を表す横軸と、通電のレベルを表す縦軸を示してある。通常、通電のレベルが高いほど、通電の時間が長いほど、発熱体116での発熱量が大きくなる。
【0035】
図4の例では、時間T1、時間T2、時間T3、時間T4の順に、時間が進んでいく。
時間T1と時間T4の間の時間が、1個の画素に設けられた時間に対応する。また、時間T1と時間T2の間の時間が第1通電時間P1である。また、時間T2と時間T3の間の時間が本通電時間Q1である。また、時間T3と時間T4の間の時間が第2通電時間P2である。
このように、本実施形態では、CPU81は、ドットを形成するときに、発熱体116に、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2の順に通電することが可能である。
【0036】
なお、本実施形態では、説明の便宜上、1個の画素に設けられた時間を構成する3個の時間を、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間と呼ぶが、これら3個の時間のそれぞれは任意の名称で呼ばれてもよい。
このように、本実施形態では、印刷装置11において、1個のラインごとの通電回数を3回に分割して通電する。なお、本実施形態と同様な処理が可能であれば、1個のラインごとの通電回数を3回以外の所定回数に分割して通電してもよい。
【0037】
CPU81は、検出部63によって検出された温度に応じて、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2を決定する。
具体的には、CPU81は、検出部63によって検出された温度が高いときの方が、当該温度が低いときと比べて、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のそれぞれの長さを短くする。つまり、サーマルヘッド62の温度が高い方が、当該温度が低いときと比べて、短い通電時間でも、発熱体116の温度を所定の温度に高めることが可能であると考えられる。
【0038】
ここで、本実施形態では、検出部63によって検出される温度に応じて、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のそれぞれの長さを変更する場合を示すが、他の例として、検出部63によって検出される温度に応じて、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のうちの2個の長さを変更してもよく、あるいは、検出部63によって検出される温度に応じて、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のうちの1個の長さを変更してもよい。
また、検出部63によって検出される温度と、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のそれぞれの長さとの対応関係が、テーブルなどの形式で、あらかじめ印刷装置11に設定されてもよい。例えば、当該対応関係の情報が、ROM82あるいはRAM83に記憶されてもよい。
【0039】
図4の例では、CPU81は、第1通電時間P1の長さと、第2通電時間P2の長さとを同じにしている。このため、図4の例では、CPU81は、第1通電時間P1の長さと第2通電時間P2の長さとを同じにしたまま、これらの時間の長さを調整する。
なお、本通電時間Q1の長さは、第1通電時間P1の長さに対して、同じであってもよく、あるいは、異なってもよい。
【0040】
図5は、実施形態に係る1個の発熱体116における1個の画素に対応した通電パターンの他の一例を示す図である。
図5には、時間を表す横軸と、通電のレベルを表す縦軸を示してある。
図5の例では、第1通電時間P11と、本通電時間Q2と、第2通電時間P12を示してある。なお、本通電時間Q2は、図4の例における本通電時間Q1に対して、同じ長さであってもよく、あるいは、異なる長さであってもよい。
【0041】
図5の例では、時間T11、時間T12、時間T13、時間T14の順に、時間が進んでいく。
時間T11と時間T14の間の時間が、1個の画素に設けられた時間に対応する。また、時間T11と時間T12の間の時間が第1通電時間P11である。また、時間T12と時間T13の間の時間が本通電時間Q2である。また、時間T13と時間T14の間の時間が第2通電時間P12である。
このように、本実施形態では、CPU81は、ドットを形成するときに、発熱体116に、第1通電時間P11、本通電時間Q2、第2通電時間P12の順に通電することが可能である。
【0042】
CPU81は、検出部63によって検出された温度に応じて、第1通電時間P11、本通電時間Q2、第2通電時間P12を決定する。この決定の制御については、例えば、図4の例で説明したものと同様であってもよい。
図5の例では、CPU81は、第1通電時間P11の長さよりも、第2通電時間P12の長さの方を長くしている。このため、図5の例では、CPU81は、第1通電時間P11の長さと比べて第2通電時間P12の長さを長くしたまま、これらの時間の長さを調整する。
なお、本通電時間Q2の長さは、第1通電時間P11の長さあるいは第2通電時間P12の長さに対して、同じであってもよく、あるいは、異なってもよい。
【0043】
図6は、実施形態に係る1個の発熱体116における1個の画素に対応した通電パターンの他の一例を示す図である。
図6には、時間を表す横軸と、通電のレベルを表す縦軸を示してある。
図6の例では、第1通電時間P21と、本通電時間Q3と、第2通電時間P22を示してある。なお、本通電時間Q3は、図4の例における本通電時間Q1あるいは図5の例における本通電時間Q2に対して、同じ長さであってもよく、あるいは、異なる長さであってもよい。
【0044】
図6の例では、時間T21、時間T22、時間T23、時間T24の順に、時間が進んでいく。
時間T21と時間T24の間の時間が、1個の画素に設けられた時間に対応する。また、時間T21と時間T22の間の時間が第1通電時間P21である。また、時間T22と時間T23の間の時間が本通電時間Q3である。また、時間T23と時間T24の間の時間が第2通電時間P22である。
このように、本実施形態では、CPU81は、ドットを形成するときに、発熱体116に、第1通電時間P21、本通電時間Q3、第2通電時間P22の順に通電することが可能である。
【0045】
CPU81は、検出部63によって検出された温度に応じて、第1通電時間P21、本通電時間Q3、第2通電時間P22を決定する。この決定の制御については、例えば、図4の例で説明したものと同様であってもよい。
図6の例では、CPU81は、第1通電時間P21の長さよりも、第2通電時間P22の長さの方を短くしている。このため、図6の例では、CPU81は、第1通電時間P21の長さと比べて第2通電時間P22の長さを短くしたまま、これらの時間の長さを調整する。
なお、本通電時間Q3の長さは、第1通電時間P21の長さあるいは第2通電時間P22の長さに対して、同じであってもよく、あるいは、異なってもよい。
【0046】
ここで、印刷装置11では、一例として、図4に示される通電パターンが使用されてもよい。
また、印刷装置11では、他の例として、図5に示される通電パターンと、図6に示される通電パターンとが、切り替えられて使用されてもよい。この構成では、例えば、CPU81は、検出部63によって検出される温度が、所定の温度より高い場合に、図5に示される通電パターンを使用するように切り替え、つまり、第1通電時間P11よりも、第2通電時間P12を長くする。また、この構成では、例えば、CPU81は、検出部63によって検出される温度が、所定の温度より低い場合に、図6に示される通電パターンを使用するように切り替え、つまり、第1通電時間P21よりも、第2通電時間P22を短くする。
なお、所定の温度は、任意の温度であってもよく、例えば、25度あるいはその付近の温度であってもよい。
【0047】
なお、具体的な例として、図4の第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2をそれぞれ基準の通電時間として、温度変化に応じて、基準の通電時間から長くする、あるいは、短くする構成としてもよい。例えば、所定の温度より高い場合に、図4で示す基準の第1通電時間P1よりも短い第1通電時間P11を設定して、他の本通電時間Q2、第2通電時間P12は、それぞれ基準の本通電時間Q1、及び基準の第2通電時間P2と同じ長さにする。このようにすることで、所定の温度より高いときの全体の通電時間は、所定の温度のときの全体の通電時間よりも短くなる。他には、所定の温度より高い場合に、図4で示す基準の第1通電時間P1よりも短い第1通電時間P11と、図4で示す基準の第2通電時間P2よりも短い第2通電時間P12を設定して、本通電時間Q2は、基準の本通電時間Q1と同じ長さにしてもよい。また、第1通電時間P11と、第2通電時間P12とは、同じ長さにしてもよいし、異なる長さにしてもよい。
【0048】
同様に、所定の温度より低い場合に、図4で示す基準の第1通電時間P1よりも長い第1通電時間P21を設定して、他の本通電時間Q3、第2通電時間P22は、それぞれ基準の本通電時間Q1、及び基準の第2通電時間P2と同じ長さにする。このようにすることで、所定の温度より低いときの全体の通電時間は、所定の温度のときの全体の通電時間よりも長くなる。他には、所定の温度より低い場合に、図4で示す基準の第1通電時間P1よりも長い第1通電時間P21と、図4で示す基準の第2通電時間P2よりも長い第2通電時間P22を設定して、本通電時間Q3は、基準の本通電時間Q1と同じ長さにしてもよい。また、第1通電時間P21と、第2通電時間P22とは、同じ長さにしてもよいし、異なる長さにしてもよい。
【0049】
<プレヒートと尾引きカットの制御>
本実施形態では、CPU81は、通電パターンを決定する対象となる画素とその前後のうちの一方または両方の画素を含む複数の画素の印字データに基づいて通電の有無を決定し、プレヒートと尾引きカットを組み合わせた通電パターンを生成する。プレヒートとは、ドットを形成する予定の発熱体が、温められていないときに、十分なドットを形成できないことへの対策であり、発熱体に対して通常の通電時間よりも余分に長く通電し、発熱体を十分に温める。また、尾引きカットとは、ドットを形成した発熱体が、次にドットを形成する予定がないにも関わらず、余熱によりドットを形成してしまうことへの対策であり、発熱体が、連続してドットを形成していた場合に、最後に形成予定のドットに対しては、発熱体に対して通常の通電時間よりも短く通電し、余熱を抑える。プレヒートの制御を第1の制御、尾引きカットの制御を第2の制御としてもよい。
ここで、印字データは、各画素において印字すべき内容を表すデータである。例えば、白黒の印刷が行われる場合、印字データは、黒色の画素を形成すること、あるいは、白色の画素を形成することを表すデータである。本実施形態では、用紙は白色であるとし、発熱体116の温度が所定の閾値を超えるときに印字によって黒色のドットが形成され、発熱体116の温度が当該所定の閾値以下であるときに印字によって黒色のドットが形成されずつまり白色のままとなる。ただし、実際には、発熱体116の温度が所定の閾値以下であっても所定の閾値に近い場合には多少の黒色の模様が形成され得る場合も考えられる。
【0050】
なお、黒色のドットが形成されない画素は、白色の画素となる。つまり、本実施形態では、複数の画素のうちで黒色とされる画素について黒色のドットが形成され、これにより、残りの画素については白色の画素となる。
本実施形態では、説明の便宜上、制御の対象となる形成すべきドットを該当ドットと呼んで説明する。
【0051】
CPU81は、プレヒートの制御を行う条件が満たされるか否かを判定し、当該条件が満たされると判定した場合、プレヒートの制御を行う。
また、CPU81は、尾引きカットの制御を行う条件が満たされるか否かを判定し、当該条件が満たされると判定した場合、尾引きカットの制御を行う。
CPU81は、該当ドットに対する通電を制御する際に、プレヒートの制御を行う条件が満たされる場合にはプレヒートの制御を行い、尾引きカットの制御を行う条件が満たされる場合には尾引きカットの制御を行う。
【0052】
通常の制御について説明する。
CPU81は、該当ドットを形成するときに、通常の通電が行われる場合には、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。ここで、本実施形態では、通常の通電とは、該当ドットを形成する前のタイミングでドットの形成があった場合であって、当該該当ドットを形成した後のタイミングでドットを形成する予定がある場合に行われる通電を表す。
この場合、図4の例では、CPU81は、本通電時間Q1、第2通電時間P2の順に通電する。また、図5の例および図6の例についても、同様である。
【0053】
ここで、該当ドットを形成する前のタイミングでのドットとは、該当ドットと同じ発熱体116によって前のタイミングで形成されるドットである。
また、該当ドットを形成した後のタイミングでのドットとは、該当ドットと同じ発熱体116によって次のタイミングで形成されるドットである。
【0054】
プレヒートの制御について説明する。
ここでは、該当ドットは、プレヒートの制御の対象となるドットである。
CPU81は、該当ドットを形成するときに、プレヒートの制御が行われる場合には、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。ここで、本実施形態では、プレヒートの制御が行われる場合とは、該当ドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成がなかった場合である。
この場合、図4の例では、CPU81は、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2の順に通電する。また、図5の例および図6の例についても、同様である。
プレヒートの制御によって、例えば、感熱紙が発熱体116によって発色しない程度の短い時間だけ通電することで、その通電に続くドットの通電開始時に速やかに発色するように予熱しておくことが実現される。
【0055】
このように、プレヒートの制御において、CPU81は、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成がなかった場合、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。
【0056】
尾引きカットの制御について説明する。
ここでは、該当ドットは、尾引きカットの制御の対象となるドットである。
CPU81は、該当ドットを形成するときに、尾引きカットの制御が行われる場合には、本通電時間に通電する。ここで、本実施形態では、尾引きカットの制御が行われる場合とは、該当ドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成があった場合であって、当該該当ドットを形成した1つ後のタイミングでドットを形成する予定がない場合である。
この場合、図4の例では、CPU81は、本通電時間Q1に通電する。また、図5の例および図6の例についても、同様である。
尾引きカットの制御によって、例えば、複数の連続したドットでの印字が続いて、連続した通電によって発熱体116の温度が高くなる可能性があるときに、サーマルヘッド62への通電を省くことで、サーマルヘッド62の温度を低下させて、不要なドットを印字してしまうことが抑制される。
【0057】
このように、尾引きカットの制御において、CPU81は、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成があった場合であって、対象のドットを形成した1つ後のタイミングでドットを形成する予定がない場合、本通電時間で通電する。
【0058】
ここで、他の例として、尾引きカットの制御が行われる場合として、該当ドットを形成するよりもn個前のタイミング以降のすべてでドットの形成があった場合であって、当該該当ドットを形成した後のタイミングでドットを形成する予定がない場合が用いられてもよい。nは、2以上の整数値であり、任意の整数値であってもよい。nは、例えば、印刷装置11ごとの構造に基づいて決定されてもよく、あるいは、ユーザーによって任意に設定されてもよい。
【0059】
なお、CPU81は、該当ドットを形成しない場合には、該当ドットの前後のタイミングでのドットの形成の有無にかかわらず、通電しない。
この場合、図4の例では、CPU81は、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2のいずれにおいても通電しない。また、図5の例および図6の例についても、同様である。
【0060】
プレヒートの制御および尾引きカット制御の他の例を示す。
CPU81は、該当ドットを形成するときに、プレヒートの制御が行われる場合には、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。ここで、プレヒートの制御の他の例では、プレヒートの制御が行われる場合とは、該当ドットを形成する前のタイミングでドットの形成がなかった場合であって、当該該当ドットを形成した後のタイミングでドットを形成する予定がある場合である。この場合、図4の例では、CPU81は、第1通電時間P1、本通電時間Q1、第2通電時間P2の順に通電する。また、図5の例および図6の例についても、同様である。
【0061】
ここで、プレヒートの制御あるいは尾引きカットの制御は、例えば、印字速度に関わらず実行されてもよく、あるいは、印字速度に応じて実行される場合と実行されない場合が切り替えられてもよい。
例えば、プレヒートの制御あるいは尾引きカットの制御は、ドット単位の通電時間が短くなる場合に、特に有効である。ドット単位の通電時間が短くなる場合としては、印字速度が高速である場合、あるいは、印字速度が定速である場合がある。ここで、定速とは、高速と低速との間の速度を表す。ここでは、相対的な速度として、印字速度が高速、定速、低速のいずれかに切り替えられることを想定している。
このため、逆に言えば、印字速度が低速である場合には、通電間隔が長くなり、プレヒートの制御あるいは尾引きカットの制御が行われなくても、十分な濃度の印字が行われ得る。
【0062】
本実施形態では、例えば、印刷装置11において、CPU81は、印字速度が高速である場合または定速である場合に、プレヒートの制御を実行するモードに切り替え、また、印字速度が低速である場合に、プレヒートの制御を実行しないモードに切り替えてもよい。
同様に、本実施形態では、例えば、印刷装置11において、CPU81は、印字速度が高速である場合または定速である場合に、尾引きカットの制御を実行するモードに切り替え、また、印字速度が低速である場合に、尾引きカットの制御を実行しないモードに切り替えてもよい。
【0063】
なお、印刷装置11において、印字速度の切り替えは、例えば、ユーザーによって行われる操作部31の操作の内容に応じて行われてもよく、あるいは、あらかじめ定められた印字速度を切り替える規則に基づいて、自動的に行われてもよい。
また、印刷装置11では、必ずしも、2以上の異なる印字速度を切り替えることが可能でなくてもよく、他の例として、印字速度が一定の速度に固定的に設定されてもよい。
【0064】
<通電制御の状況の具体例>
図7は、実施形態に係るプレヒートの制御における通電の状況の一例を示す図である。
本例では、1個の発熱体116によるドットの形成に着目して説明し、当該発熱体116を該当する発熱体116と呼ぶ。
図7に示されるグラフにおいて、横軸は各画素に対応する時間を区切って示しており、縦軸は該当する発熱体116の温度を示している。
当該グラフの横軸において、画素時間D1〜D4のそれぞれは、1番目の画素〜4番目の画素のそれぞれに対応する時間を表す。ここで、図7の例における時間的に4個の連続した画素を、説明の便宜上、1番目の画素〜4番目の画素と呼んでいる。これら4個の画素のうちで形成すべきドットは、該当する発熱体116によって必要なタイミングで発熱することで形成される。
【0065】
それぞれの画素時間D1〜D3は、第1通電時間と、本通電時間と、第2通電時間から構成される。それぞれの画素時間D1〜D3では、通電パターンとして、例えば、図4図6のうちのいずれかに示される通電パターンが用いられる。
図7の例では、図示を簡略化するために、それぞれの画素時間D1〜D3において、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間の区切りについては図示を省略してある。
【0066】
また、図7に示されるグラフにおいて、該当する発熱体116の温度の特性1011を示してある。なお、当該特性1011は、説明のための概略的なものであり、実際に測定されたものではない。また、図7の例では、図示を簡略化するために、当該特性1011において、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間のそれぞれごとの特性の変化の詳細については図示を省略し、概略化している。
また、図7に示されるグラフにおいて、該当する発熱体116の発熱によってインクの印字が為される温度の参照値R1を示してある。概略的には、該当する発熱体116の温度が参照値R1を超える場合にインクの印字が為され、該当する発熱体116の温度が参照値R1以下である場合にインクの印字が為されないが、実際には、該当する発熱体116の温度が参照値R1以下でも参照値R1に近いと多少のインクの印字が為され得る。
なお、参照値R1は、発色温度と呼ばれてもよい。
【0067】
図7の例では、画素時間D1および画素時間D2において、該当する発熱体116について、発熱による印字は無く、CPU81は、通電をしないように制御する。画素時間D3において、該当する発熱体116について、発熱による印字があり、CPU81は、プレヒートの制御による通電をするように制御する。画素時間D4において、該当する発熱体116について、発熱による印字があり、CPU81は、通常の通電をするように制御する。
ここで、画素時間D3では、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成がなかった場合に該当し、CPU81は、プレヒートの制御によって、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。
また、画素時間D4では、通常の通電が行われるとし、CPU81は、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。
【0068】
図8は、実施形態に係る尾引きカットの制御における通電の状況の一例を示す図である。
本例では、1個の発熱体116によるドットの形成に着目して説明し、当該発熱体116を該当する発熱体116と呼ぶ。
図8に示されるグラフにおいて、横軸は各画素に対応する時間を区切って示しており、縦軸は該当する発熱体116の温度を示している。
当該グラフの横軸において、画素時間D11〜D14のそれぞれは、1番目の画素〜4番目の画素のそれぞれに対応する時間を表す。ここで、図7の例における時間的に4個の連続した画素を、説明の便宜上、1番目の画素〜4番目の画素と呼んでいる。これら4個の画素のうちで形成すべきドットは、該当する発熱体116によって必要なタイミングで発熱することで形成される。
【0069】
それぞれの画素時間D11〜D13は、第1通電時間と、本通電時間と、第2通電時間から構成される。それぞれの画素時間D11〜D13では、通電パターンとして、例えば、図4図6のうちのいずれかに示される通電パターンが用いられる。
図8の例では、図示を簡略化するために、それぞれの画素時間D11〜D13において、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間の区切りについては図示を省略してある。
【0070】
また、図8に示されるグラフにおいて、該当する発熱体116の温度の特性1021を示してある。なお、当該特性1021は、説明のための概略的なものであり、実際に測定されたものではない。また、図8の例では、図示を簡略化するために、当該特性1021において、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間のそれぞれごとの特性の変化の詳細については図示を省略し、概略化している。
また、図8に示されるグラフにおいて、該当する発熱体116の発熱によってインクの印字が為される温度の参照値R1を示してある。当該参照値R1は、図7で示された値と同じである。
【0071】
図8の例では、画素時間D11および画素時間D12において、該当する発熱体116について、発熱による印字があり、CPU81は、通常の通電をするように制御する。画素時間D13において、該当する発熱体116について、発熱による印字があるが、CPU81は、尾引きカットの制御による通電をするように制御する。画素時間D14において、該当する発熱体116について、発熱による印字は無く、CPU81は、通電をしないように制御する。
ここで、画素時間D13では、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成があった場合であって、対象のドットを形成した1つ後のタイミングでドットを形成する予定がない場合に該当し、CPU81は、尾引きカットの制御によって、本通電時間で通電する。
また、画素時間D11および画素時間D12では、通常の通電が行われるとし、CPU81は、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。
【0072】
<印刷装置における処理>
図9および図10は、実施形態に係る印刷装置11において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図9に示される処理フローについて説明する。本処理フローは、印刷の実行時における全体的な処理フローである。
【0073】
ステップS1において、印刷装置11では、外部装置12から印刷の指示を受信したことに応じて、CPU81は、印刷データに基づく印字の処理を開始する。そして、ステップS2の処理へ移行する。
ステップS2の処理からステップS21の処理は、画素ごとに行われ、また、それぞれのラインについてまとめて行われる。
【0074】
ステップS2において、CPU81は、印字速度を計算する。そして、ステップS3の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では、CPU81は、例えば、実際に実行されている印字の速度を計測することにより、印字速度を計算する。他の例として、CPU81は、設定されている印字速度を読み取ってもよい。
【0075】
ステップS3において、CPU81は、計算された印字速度が所定の速度V1以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、CPU81は、計算された印字速度が所定の速度V1以上であると判定した場合、ステップS11の処理へ移行する。
この判定の結果、CPU81は、計算された印字速度が所定の速度V1以上ではないと判定した場合、ステップS4の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では、印字速度が所定の速度V1以上である場合には印字速度が高速または定速であるとし、印字速度が所定の速度V1以上ではない場合には印字速度が低速であるとする。
【0076】
本実施形態では、印字速度が低速である場合には、ステップS4の処理〜ステップS10の処理によって、通常の通電の制御が行われる。
また、本実施形態では、印字速度が高速または定速である場合には、ステップS11の処理〜ステップS20の処理によって、通常の通電の制御、プレヒートの制御、尾引きカットの制御を組み合わせた制御が行われる。
【0077】
ステップS3で、CPU81は、計算された印字速度が所定の速度V1以上ではないと判定した場合、ステップS4において、CPU81は、本通電時間について通電データを作成する。そして、ステップS5の処理へ移行する。
ここで、通電データは、サーマルヘッド62に対する通電を制御するためのデータである。CPU81は、通電データを用いて、サーマルヘッド62に対する通電を制御する。
【0078】
ステップS5において、CPU81は、第2通電時間について通電データを作成する。第2通電時間は、検出部63によって検出した温度に応じた通電時間となり、第2通電時間の通電データによりサーマルヘッド62に対する通電の制御が行われる。そして、ステップS6の処理へ移行する。
【0079】
ステップS6において、CPU81は、本通電時間の通電データに基づいて、本通電時間における通電時間を設定する。そして、ステップS7の処理へ移行する。
【0080】
ステップS7において、CPU81は、第2通電時間の通電データに基づいて、第2通電時間における通電時間を設定する。そして、ステップS8の処理へ移行する。
【0081】
ステップS8において、CPU81は、用紙搬送部34の紙送りモーターであるステッピングモーター72を駆動させて、印刷対象のラインに印字されるように用紙を搬送する。そして、ステップS9の処理へ移行する。
【0082】
ステップS9において、CPU81は、本通電時間の通電を開始する。そして、当該通電の終了後に、ステップS10の処理へ移行する。
【0083】
ステップS10において、CPU81は、第2通電時間の通電を開始する。そして、当該通電の終了後に、ステップS21の処理へ移行する。
【0084】
一方で、ステップS3で、CPU81は、計算された印字速度が所定の速度V1以上であると判定した場合、ステップS11において、CPU81は、第1通電時間について通電データを作成する。第1通電時間は、検出部63によって検出した温度に応じた通電時間となり、第1通電時間の通電データによりサーマルヘッド62に対する通電の制御が行われる。そして、ステップS12の処理へ移行する。
【0085】
ステップS12において、CPU81は、本通電時間について通電データを作成する。そして、ステップS13の処理へ移行する。
【0086】
ステップS13において、CPU81は、第2通電時間について通電データを作成する。そして、ステップS14の処理へ移行する。第2通電時間は、検出部63によって検出した温度に応じた通電時間となり、第2通電時間の通電データによりサーマルヘッド62に対する通電の制御が行われる。
【0087】
ステップS14において、CPU81は、第1通電時間の通電データに基づいて、第1通電時間における通電時間を設定する。そして、ステップS15の処理へ移行する。
【0088】
ステップS15において、CPU81は、本通電時間の通電データに基づいて、本通電時間における通電時間を設定する。そして、ステップS16の処理へ移行する。
【0089】
ステップS16において、CPU81は、第2通電時間の通電データに基づいて、第2通電時間における通電時間を設定する。そして、ステップS17の処理へ移行する。なお、ステップS14からステップS16については、後ほど詳述する。
【0090】
ステップS17において、CPU81は、用紙搬送部34の紙送りモーターであるステッピングモーター72を駆動させて、印刷対象のラインに印字されるように用紙を搬送する。そして、ステップS18の処理へ移行する。
【0091】
ステップS18において、CPU81は、第1通電時間の通電を行う場合は第1通電時間の通電を開始する。そして、当該通電の終了後に、ステップS19の処理へ移行する。
【0092】
ステップS19において、CPU81は、本通電時間の通電を開始する。そして、当該通電の終了後に、ステップS20の処理へ移行する。
【0093】
ステップS20において、CPU81は、第2通電時間の通電を行う場合は第2通電時間の通電を開始する。そして、当該通電の終了後に、ステップS21の処理へ移行する。
【0094】
ステップS21において、CPU81は、印字が終了したか否か、つまり、印刷対象であるすべてのデータが印刷されたか否かを判定する。
この判定の結果、CPU81は、印字が終了したと判定した場合、本フローの処理を終了する。
また、この判定の結果、CPU81は、印字が終了していないと判定した場合、ステップS2の処理へ移行する。
【0095】
図10に示される処理フローを説明する。本処理フローは、CPU81が、ステップS14の処理〜ステップS16の処理を行うときの具体的な処理フローである。
【0096】
ステップS41において、CPU81は、プレヒートの制御をするか否かを判定する。
この判定の結果、CPU81は、プレヒートの制御をすると判定した場合、ステップS42の処理へ移行する。
また、この判定の結果、CPU81は、プレヒートの制御をしないと判定した場合、ステップS43の処理へ移行する。
【0097】
ステップS42において、CPU81は、第1通電時間に通電することを設定する。そして、ステップS44の処理へ移行する。
【0098】
ステップS43において、CPU81は、第1通電時間に通電しないことを設定する。そして、ステップS44の処理へ移行する。なお、ステップS41からステップS43は、図9のステップS14に対応する。
【0099】
ステップS44において、CPU81は、尾引きカットの制御をするか否かを判定する。
この判定の結果、CPU81は、尾引きカットの制御をすると判定した場合、ステップS45の処理へ移行する。
また、この判定の結果、CPU81は、尾引きカットの制御をしないと判定した場合、ステップS46の処理へ移行する。
【0100】
ステップS45において、CPU81は、第2通電時間に通電しないことを設定する。そして、本フローの処理を終了する。
【0101】
ステップS46において、CPU81は、第2通電時間に通電することを設定する。そして、本フローの処理を終了する。なお、ステップS44からステップS46は、図9のステップS16に対応する。
【0102】
<以上の実施形態について>
以上のように、本実施形態に係る印刷装置11では、プレヒートの制御、尾引きカットの制御、温度に応じた通電時間の制御を行うことで、例えば、環境条件に左右されず、サーマルヘッド62の通電効率を高めることができる。
例えば、本実施形態に係る印刷装置11では、プレヒートの制御を行うことにより、短い通電時間でも、サーマルヘッド62の温度を速やかに発色温度に到達させることができ、十分な濃度の印字を行い、印刷の高速化を図ることができる。
例えば、本実施形態に係る印刷装置11では、尾引きカットの制御を行うことにより、連続印字時にも、サーマルヘッド62の温度の上昇を防ぎ、尾引きを発生させることなく、綺麗に印字を行うことができる。
【0103】
<構成例>
一構成例として、本実施形態に係る印刷装置11では、発熱体116を有するサーマルヘッド62と、発熱体116に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部35と、サーマルヘッド62の温度を検出する検出部63と、を備える。制御部35は、ドットを形成するときに、発熱体116に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能である。制御部35は、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成がなかった場合、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。制御部35は、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成があった場合であって、対象のドットを形成した1つ後のタイミングでドットを形成する予定がない場合、本通電時間で通電する。第1通電時間、本通電時間、第2通電時間は、制御部35によって、検出部63が検出した温度に応じて決定する。
したがって、印刷装置11では、プレヒートの制御および尾引きカットの制御が行われ、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間がサーマルヘッド62の温度に応じて決定されることで、環境条件に左右されず、サーマルヘッド62の通電効率を高めることができる。
【0104】
一構成例として、本実施形態に係る印刷装置11では、制御部35は、第1通電時間の長さと、第2通電時間の長さとを同じにする。
したがって、印刷装置11では、第1通電時間と第2通電時間とが同じ長さであることで、制御し易くなる。
【0105】
一構成例として、本実施形態に係る印刷装置11では、制御部35は、サーマルヘッド62の温度が、所定の温度より高い場合に、第1通電時間よりも、第2通電時間を長くする。
したがって、印刷装置11では、サーマルヘッド62の温度が所定の温度より高い場合、プレヒートの制御のための第1通電時間よりも、尾引きカットの制御のための第2通電時間を長くすることで、このような温度に適した通電時間とすることができる。
【0106】
一構成例として、本実施形態に係る印刷装置11では、制御部35は、サーマルヘッド62の温度が、所定の温度よりも低い場合に、第1通電時間よりも、第2通電時間を短くする。
したがって、印刷装置11では、サーマルヘッド62の温度が所定の温度より低い場合、プレヒートの制御のための第1通電時間よりも、尾引きカットの制御のための第2通電時間を短くすることで、このような温度に適した通電時間とすることができる。
【0107】
一構成例として、発熱体116を有するサーマルヘッド62と、発熱体116に所定のタイミングで通電して、ドットを形成する制御を実行する制御部35と、サーマルヘッド62の温度を検出する検出部63と、を備えた印刷装置11の制御方法であって、次のような処理を実行する。
すなわち、当該制御方法では、ドットを形成するときに、発熱体116に、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電可能である。当該制御方法では、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成がなかった場合、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間の順に通電する。当該制御方法では、対象のドットを形成する1つ前のタイミングでドットの形成があった場合であって、対象のドットを形成した1つ後のタイミングでドットを形成する予定がない場合、本通電時間で通電する。当該制御方法では、第1通電時間、本通電時間、第2通電時間は、検出部63が検出したサーマルヘッド62の温度に応じて決定する。
したがって、印刷装置11の制御方法では、プレヒートの制御および尾引きカットの制御が行われ、第1通電時間と本通電時間と第2通電時間がサーマルヘッド62の温度に応じて決定されることで、環境条件に左右されず、サーマルヘッド62の通電効率を高めることができる。
【0108】
なお、以上に説明した印刷装置11などの任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
なお、オペレーティングシステムは、OSと呼ばれる場合もある。
また、CDは、Compact Discと呼ばれる場合もある。
【0109】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。
【0110】
また、以上に説明した印刷装置11などの任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一部または全部を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはICなどが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0111】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU、あるいは、DSP等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASICによるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0112】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1…印刷システム、11…印刷装置、12…外部装置、31…操作部、32…入力インターフェイス、33…印刷部、34…用紙搬送部、35…制御部、41…バス、61…印刷制御部、62…サーマルヘッド、63…検出部、71…モータードライバー、72…ステッピングモーター、81…CPU、82…ROM、83…RAM、111…シフトレジスター、112…ラッチレジスター、113…スイッチ回路、114…否定論理積ゲート、115…印字ヘッド部、116…発熱体、211−1〜211−12、211−3−1、211−3−2…画素、D1〜D4、D11〜D14…画素時間、P1、P11、P21…第1通電時間、P2、P12、P22…第2通電時間、Q1〜Q3…本通電時間、1011、1021…特性
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10