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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75528(P2020-75528A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】ハイブリッド自動車
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/16 20160101AFI20200424BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20200424BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20200424BHJP
   B60W 10/10 20120101ALI20200424BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20200424BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20200424BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20200424BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20200424BHJP
   F01N 3/023 20060101ALI20200424BHJP
   F01N 3/033 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   B60W20/16ZHV
   B60W10/06 900
   B60W10/08 900
   B60W10/10 900
   B60K6/445
   B60K6/547
   B60K6/48
   B60L11/14
   F01N3/023 Z
   F01N3/033 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-208041(P2018-208041)
(22)【出願日】2018年11月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牟田 浩一郎
【テーマコード(参考)】
3D202
3G190
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202AA08
3D202BB08
3D202BB09
3D202BB16
3D202BB35
3D202BB53
3D202CC02
3D202CC22
3D202CC46
3D202DD01
3D202DD05
3D202DD18
3D202DD19
3D202DD20
3D202DD24
3D202DD26
3D202DD32
3D202DD33
3D202DD45
3D202EE24
3D202FF06
3D202FF13
3G190AA03
3G190AA12
3G190AA13
3G190BA22
3G190CA01
3G190CA13
3G190CA14
3G190CB18
3G190CB34
3G190CB35
3G190DA02
3G190DB02
3G190DB12
3G190DC14
3G190DD01
3G190EA01
3G190EA02
3G190EA07
3G190EA24
3G190EA26
3G190EA32
3G190EA41
3G190EA52
3G190EA57
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA04
5H125BC11
5H125BD17
5H125BE05
5H125CA01
5H125CD02
5H125EE08
5H125EE52
5H125EE70
(57)【要約】
【課題】フィルタの損傷を抑制する。
【解決手段】排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンと、エンジンの出力軸に接続されたモータと、モータと電力をやりとりする蓄電装置とを備え、走行に要求される走行用パワーに基づいてエンジンの目標パワーを設定し、目標パワーがエンジンから出力されると共に走行用パワーに基づいて走行するようにエンジンとモータとを制御する。そして、フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、堆積量が所定量未満のときに比して制限を課して目標パワーを設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたモータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
走行に要求される走行用パワーに基づいて前記エンジンの目標パワーを設定し、前記目標パワーが前記エンジンから出力されると共に前記走行用パワーに基づいて走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、前記堆積量が前記所定量未満のときに比して制限を課して前記目標パワーを設定する、
ハイブリッド自動車。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記堆積量が前記所定量以上のときには、前記堆積量が多いときに小さいときに比して厳しい制限を課して前記目標パワーを設定する、
ハイブリッド自動車。
【請求項3】
請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記堆積量が前記所定量以上のときに前記堆積量が前記所定量未満のときに比して小さくなるように前記エンジンの許容上限パワーを設定し、前記走行用パワーに基づいて前記許容上限パワー以下の範囲内で前記目標パワーを設定する、
ハイブリッド自動車。
【請求項4】
請求項3記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記許容上限パワーが小さいときに大きいときに比して小さくなるように前記エンジンの許容上限回転数を設定し、前記エンジンの回転数が前記許容上限回転数以下となるように前記エンジンを制御する、
ハイブリッド自動車。
【請求項5】
請求項4記載のハイブリッド自動車であって、
前記エンジンと前記モータと車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が共線図において前記モータ、前記エンジン、前記駆動軸の順に並ぶように接続されたプラネタリギヤと、
前記駆動軸に接続されると共に前記蓄電装置と電力をやりとりする第2モータと、
を更に備え、
前記制御装置は、前記許容上限回転数と前記モータの許容回転数範囲と前記プラネタリギヤの回転要素の許容回転数範囲とに基づいて許容上限車速を設定し、車速が前記許容上限車速以下となるように前記エンジンと前記モータと前記第2モータとを制御する、
ハイブリッド自動車。
【請求項6】
請求項4記載のハイブリッド自動車であって、
車軸に連結された駆動軸に出力軸が接続された変速機と、
前記エンジンと前記モータと前記変速機の入力軸とに3つの回転要素が共線図において前記モータ、前記エンジン、前記入力軸の順に並ぶように接続されたプラネタリギヤと、
前記駆動軸に接続されると共に前記蓄電装置と電力をやりとりする第2モータと、
を更に備え、
前記制御装置は、前記許容上限回転数と前記モータの許容回転数範囲と前記プラネタリギヤの許容回転数範囲とに基づいて許容下限変速段を設定し、前記変速機の変速段が前記許容下限変速段以上となるように前記変速機を制御する、
ハイブリッド自動車。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちの何れか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーにより走行できないときには、出力不足の旨を告知し、前記走行用パワーにより走行できるときには、前記出力不足の旨を告知しない、
ハイブリッド自動車。
【請求項8】
請求項7記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーに基づく判定用パワーが閾値よりも大きいときには、前記出力不足の旨を告知し、前記判定用パワーが前記閾値以下のときには、前記出力不足の旨を告知せず、
前記閾値は、前記蓄電装置の強制充電が要求されているときには、前記蓄電装置の強制充電が要求されていないときに比して小さい値に設定される、
ハイブリッド自動車。
【請求項9】
請求項8記載のハイブリッド自動車であって、
前記閾値は、前記蓄電装置の強制充電が要求されていないときには、前記エンジンの許容上限パワーと前記蓄電装置の許容出力電力との和として設定され、前記蓄電装置の強制充電が要求されているときには、前記エンジンの許容上限パワーとして設定される、
ハイブリッド自動車。
【請求項10】
請求項8または9記載のハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーを、前記エンジンに吸入される空気の空気密度と前記蓄電装置の充放電要求パワーと実際の充放電要求パワーとのずれとのうちの少なくとも一方を考慮して補正して前記判定用パワーを設定する、
ハイブリッド自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンを備えるハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のハイブリッド自動車としては、排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンと、エンジンの出力軸に接続されたモータと、モータと電力をやりとりするバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、フィルタの再生を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、フィルタの再生が要求されるときには、フィルタの再生が要求されないときよりもバッテリの残存容量の制御範囲を拡大し、残存容量を制御範囲の拡大前の下限値よりも減少させてから制御範囲の拡大前の上限値よりも増加させ、その後に、エンジンの燃料噴射を停止させると共にモータによりエンジンをモータリングする。エンジンの燃料噴射を停止すると、フィルタに酸素を含む空気が供給されて粒子状物質が燃焼することにより、フィルタの再生が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−202832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のハイブリッド自動車において、フィルタの再生を行なうために、エンジンの燃料噴射を停止すると、フィルタに堆積した粒子状物質の燃焼によるフィルタの温度上昇により、フィルタが損傷する可能性がある。
【0005】
本発明のハイブリッド自動車は、フィルタの損傷を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のハイブリッド自動車は、
排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたモータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
走行に要求される走行用パワーに基づいて前記エンジンの目標パワーを設定し、前記目標パワーが前記エンジンから出力されると共に前記走行用パワーに基づいて走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、前記堆積量が前記所定量未満のときに比して制限を課して前記目標パワーを設定する、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド自動車では、走行に要求される走行用パワーに基づいてエンジンの目標パワーを設定し、目標パワーがエンジンから出力されると共に走行用パワーに基づいて走行するようにエンジンとモータとを制御する。そして、フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、堆積量が所定量未満のときに比して制限を課して目標パワーを設定する。これにより、堆積量が所定量以上のときに、エンジンの燃料噴射を行なうときのフィルタの温度上昇を抑制し、その後に燃料カットを行なったときのフィルタの過熱を抑制することができる。この結果、フィルタの損傷を抑制することができる。
【0009】
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記堆積量が前記所定量以上のときには、前記堆積量が多いときに小さいときに比して厳しい制限を課して前記目標パワーを設定するものとしてもよい。発明者らは、実験や解析により、フィルタのが損傷するおそれのある領域が、堆積量が多いほどフィルタの温度の低温側に拡大することを確認した。したがって、このように目標パワーを設定することにより、フィルタの損傷をより適切に抑制することができる。
【0010】
本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記堆積量が前記所定量以上のときに前記堆積量が前記所定量未満のときに比して小さくなるように前記エンジンの許容上限パワーを設定し、前記走行用パワーに基づいて前記許容上限パワー以下の範囲内で前記目標パワーを設定するものとしてもよい。こうすれば、堆積量が所定量以上のときには、堆積量が所定量未満のときに比して許容上限パワーを小さくするという制限を課して目標パワーを設定することができる。
【0011】
エンジンの許容上限パワー以下の範囲内で目標パワーを設定する態様の本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記許容上限パワーが小さいときに大きいときに比して小さくなるように前記エンジンの許容上限回転数を設定し、前記エンジンの回転数が前記許容上限回転数以下となるように前記エンジンを制御するものとしてもよい。発明者らは、実験や解析により、エンジンの回転数が大きいほど同一のパワーを出力するのに要する吸入空気量が多くなり、また、吸入空気量が多いほどフィルタの温度が高温になりやすいことを確認した。したがって、このようにエンジンの許容上限回転数を設定すると共に許容上限回転数以下の範囲内でエンジンを制御することにより、目標パワーをエンジンから出力する際のフィルタの温度の上昇を抑制することができる。
【0012】
エンジンの回転数が許容上限回転数以下となるようにエンジンを制御する態様の本発明のハイブリッド自動車において、前記エンジンと前記モータと車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が共線図において前記モータ、前記エンジン、前記駆動軸の順に並ぶように接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に接続されると共に前記蓄電装置と電力をやりとりする第2モータとを更に備え、前記制御装置は、前記許容上限回転数と前記モータの許容回転数範囲と前記プラネタリギヤの回転要素の許容回転数範囲とに基づいて許容上限車速を設定し、車速が前記許容上限車速以下となるように前記エンジンと前記モータと前記第2モータとを制御するものとしてもよい。こうすれば、モータやプラネタリギヤの回転要素が過回転になるのを抑制することができる。
【0013】
また、エンジンの回転数が許容上限回転数以下となるようにエンジンを制御する態様の本発明のハイブリッド自動車において、車軸に連結された駆動軸に出力軸が接続された変速機と、前記エンジンと前記モータと前記変速機の入力軸とに3つの回転要素が共線図において前記モータ、前記エンジン、前記入力軸の順に並ぶように接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に接続されると共に前記蓄電装置と電力をやりとりする第2モータとを更に備え、前記制御装置は、前記許容上限回転数と前記モータの許容回転数範囲と前記プラネタリギヤの許容回転数範囲とに基づいて許容下限変速段を設定し、前記変速機の変速段が前記許容下限変速段以上となるように前記変速機を制御するものとしてもよい。こうすれば、モータやプラネタリギヤの回転要素が過回転になるのを抑制することができる。
【0014】
本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーにより走行できないときには、出力不足の旨を告知し、前記走行用パワーにより走行できるときには、前記出力不足の旨を告知しないものとしてもよい。こうすれば、制限を課して目標パワーを設定することに基づく出力不足を運転者に告知することができる。また、制限を課して目標パワーを設定する場合に走行用パワーにより走行できるか否かに拘わらずに出力不足の旨を告知するものに比して、出力不足の告知の頻度が過剰になるのを抑制することができる。
【0015】
必要に応じて出力不足の旨を告知する態様の本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーに基づく判定用パワーが閾値よりも大きいときには、前記出力不足の旨を告知し、前記判定用パワーが前記閾値以下のときには、前記出力不足の旨を告知せず、前記閾値は、前記蓄電装置の強制充電が要求されているときには、前記蓄電装置の強制充電が要求されていないときに比して小さい値に設定されるものとしてもよい。こうすれば、蓄電装置の強制充電が要求されているか否かを考慮して、出力不足の旨を告知するかをより適切に判定することができる。この場合、前記閾値は、前記蓄電装置の強制充電が要求されていないときには、前記エンジンの許容上限パワーと前記蓄電装置の許容出力電力との和として設定され、前記蓄電装置の強制充電が要求されているときには、前記エンジンの許容上限パワーとして設定されるものとしてもよい。
【0016】
また、必要に応じて出力不足の旨を告知する態様の本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記制限を課して前記目標パワーを設定する場合、前記走行用パワーを、前記エンジンに吸入される空気の空気密度と前記蓄電装置の充放電要求パワーと実際の充放電要求パワーとのずれとのうちの少なくとも一方を考慮して補正して前記判定用パワーを設定するものとしてもよい。こうすれば、エンジンに吸入される空気の空気密度や蓄電装置の充放電要求パワーと実際の充放電要求パワーとのずれを考慮して、蓄電装置の強制充電が要求されているか否かを考慮して、出力不足の旨を告知するか否かをより適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
図2】HVECU70により実行される目標運転ポイント設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図3】許容上限パワー設定用マップの一例を示す説明図である。
図4】PM堆積量Qpmとフィルタ温度Tfとフィルタ損傷領域との関係の一例を示す説明図である。
図5】エンジン22の動作ラインの一例と仮目標回転数Netmpを設定する様子とを示す説明図である。
図6】許容上限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。
図7】エンジン22の目標パワーPe*についての等パワーラインとエンジン22の吸入空気量Qaについての等空気量ラインとの関係の一例を示す説明図である。
図8】HVECU70により実行される告知ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図9】HVECU70により実行される許容上限トルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図10】エンジン22の性能起因上下限回転数Nemax(co),Nemin(co)と車速Vとの関係の一例を示す説明である。
図11】許容上限トルク設定用マップの一例を示す説明図である。
図12】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
図13】HVECU70により実行される変速機制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図14】許容下限変速段設定用マップの一例を示す説明図である。
図15】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
【0020】
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、ダンパ28を介してプラネタリギヤ30のキャリヤに接続されている。エンジン22の排気系には、浄化装置25と、粒子状物質除去フィルタ(以下、「PMフィルタ」という)25fと、が取り付けられている。浄化装置25は、エンジン22の排気中の未燃焼燃料や窒素酸化物を浄化する触媒25aを有する。PMフィルタ25fは、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕捉する。エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により運転制御されている。
【0021】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23aからのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ23bからの冷却水温Twを挙げることができる。また、エンジン22の排気系のうち浄化装置25よりも上流側に取り付けられた空燃比センサ25bからの空燃比AFや、エンジン22の排気系のうち浄化装置25よりも下流側に取り付けられた酸素センサ25cからの酸素信号O2も挙げることができる。さらに、PMフィルタ25fの前後の差圧(上流側と下流側との差圧)を検出する差圧センサ25gからの差圧ΔPも挙げることができる。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
【0022】
エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23aからのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、水温センサ23bからの冷却水温Twなどに基づいて触媒25aの温度(触媒温度)Tcを演算(推定)したりしている。また、エンジンECU24は、エアフローメータ(図示省略)からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて、体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。さらに、エンジンECU24は、差圧センサ25gからの差圧ΔPに基づいて、PMフィルタ25fに堆積した粒子状物質の堆積量としてのPM堆積量Qpmを演算したり、エンジン22の回転数Neや体積効率KLに基づいて、PMフィルタ25fの温度としてのフィルタ温度Tfを演算したりしている。
【0023】
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されており、サンギヤと、リングギヤと、それぞれサンギヤおよびリングギヤに噛合する複数のピニオンギヤと、複数のピニオンギヤを自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤとを有する。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、上述したように、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。したがって、モータMG1、エンジン22、駆動軸36およびモータMG2は、プラネタリギヤ30の共線図においてこの順に並ぶようにプラネタリギヤ30の3つの回転要素としてのサンギヤ、キャリヤ、リングギヤに接続されていると言える。
【0024】
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。電力ライン54には、平滑用のコンデンサ57が取り付けられている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によってインバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
【0025】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサ45u,45v,46u,46vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や角速度ωm1,ωm2,回転数Nm1,Nm2を演算している。
【0026】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
【0027】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbとに基づいてバッテリ50の入出力制限Win,Woutを演算したりしている。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力量の割合であり、入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい許容入出力電力である。
【0028】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。HVECU70からは、各種情報を表示するディスプレイ89への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
【0029】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の回転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
【0030】
HV走行モードでアクセルオンのときには、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を計算する。続いて、走行用パワーPd*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22に要求される要求パワーPetagを演算すると共に演算したエンジン22の要求パワーPetagに基づいてエンジン22の目標パワーPe*を設定し、目標パワーPe*がエンジン22から出力されるようにエンジン22の目標運転ポイントとしての目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する。エンジン22の目標パワーPe*や目標回転数Ne*および目標トルクTe*の設定方法の詳細については後述する。
【0031】
次に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に走行用トルクTd*とモータMG1のトルク指令Tm1*とに基づいて走行用トルクTd*(走行用パワーPd*)が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0032】
HV走行モードでアクセルオフのときには、HVECU70は、車速Vに基づいて走行用トルクTd*(基本的に負の値)を設定し、エンジン22の燃料カットとモータMG1によるエンジン22のモータリングとモータMG2の回生駆動とにより、または、エンジン22の自立運転とモータMG2の回生駆動とによりバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の燃料カット指令または自立運転指令をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、燃料カット指令を受信すると、エンジン22の燃料噴射制御および点火制御を停止し、自立運転指令を受信すると、エンジン22が自立運転されるようにエンジン22の運転制御を行なう。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
【0033】
EV走行モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
【0034】
また、実施例のハイブリッド自動車20では、HV走行モードで、PMフィルタ25fを再生するためのフィルタ再生条件が成立しているときに、アクセルオフされてエンジン22の燃料カット(およびモータMG1によるエンジン22のモータリング)が行なわれると、PMフィルタ25fに空気(酸素)が供給されてPMフィルタ25fに堆積した粒子状物質が燃焼することにより、PMフィルタ25fの再生が行なわれる。ここで、フィルタ再生条件としては、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref1以上で且つPMフィルタ25fのフィルタ温度Tfが閾値Tfref以上である条件が用いられる。閾値Qpmrefは、PMフィルタ25fの再生が必要であるか否かを判断するための閾値であり、例えば、3g/Lや4g/L、5g/Lなどが用いられる。閾値Tfrefは、フィルタ温度TfがPMフィルタ25fの再生に適した再生可能温度に至っているか否かを判断するための閾値であり、例えば、580℃や600℃、620℃などが用いられる。
【0035】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22の目標運転ポイントとしての目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する際の動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される目標運転ポイント設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、HV走行モードでアクセルオンのときに繰り返し実行される。
【0036】
図2の目標運転ポイント設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、最初に、PM堆積量Qpmやエンジン22の要求パワーPetagなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、PM堆積量Qpmは、エンジンECU24により演算された値を通信により入力するものとした。エンジン22の要求パワーPetagは、上述のようにアクセル開度Accと車速Vとに基づく走行用パワーPd*とバッテリ50の充放電要求パワーPb*とに基づいて設定した値を入力するものとした。
【0037】
こうしてデータを入力すると、入力したPM堆積量Qpmに基づいてエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定し(ステップS110)、エンジン22の要求パワーPetagを許容上限パワーPemaxで制限(上限ガード)してエンジン22の目標パワーPe*を設定する(ステップS120)。
【0038】
ここで、エンジン22の許容上限パワーPemaxは、実施例では、PM堆積量Qpmと許容上限パワーPemaxとの関係を予め定めて許容上限パワー設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、PM堆積量Qpmが与えられると、このマップから対応する許容上限パワーPemaxを導出するものとした。図3は、許容上限パワー設定用マップの一例を示す説明図である。許容上限パワーPemaxは、図示するように、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2未満の領域では、エンジン22の定格出力Peratが設定され、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上の領域では、エンジン22の定格出力Perat未満の範囲内でPM堆積量Qpmが多いほど小さくなるように設定される。閾値Qpmref2は、その後にエンジン22の燃料カットを行なってもPMフィルタ25fが損傷するおそれのないPM堆積量Qpmの上限として定められ、上述の閾値Qpmref1と同一またはそれよりも若干少ない値が用いられる。
【0039】
以下、図3のような傾向にエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定する理由について説明する。図4は、PM堆積量Qpmとフィルタ温度TfとPMフィルタ25fが損傷するおそれのある領域(以下、「フィルタ損傷領域」という)との関係の一例を示す説明図である。発明者らは、実験や解析により、フィルタ損傷領域が、図示するように、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上の範囲内で且つPM堆積量Qpmが多いほどフィルタ温度Tfの低温側に拡大することを確認した。また、エンジン22の燃料カットを行なうとPMフィルタ25fに堆積した粒子状物質の燃焼により、エンジン22の燃料噴射を行なっているときに比してフィルタ温度Tfが高温になりやすいことも確認した。さらに、エンジン22の燃料噴射を行なっているときには、エンジン22の吸入空気量Qaが多いほどエンジン22の出力が大きくなり、フィルタ温度Tfが高温になりやすいことも確認した。したがって、図3のような傾向に、即ち、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上の領域でPM堆積量Qpmが多いほど小さくなるようにエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定し、設定した許容上限パワーPemaxでエンジン22の要求パワーPetagを上限ガードしてエンジン22の目標パワーPe*を設定してエンジン22を制御することにより、その後にエンジン22の燃料カットを行なったときに、フィルタ温度Tfがフィルタ損傷領域に至るのを抑制し、PMフィルタ25fが損傷するのを抑制することができる。なお、エンジン22の燃料カットは、例えば、アクセルオフされたときに、モータMG1によるエンジン22のモータリングと共に行なわれる。
【0040】
ステップS120でエンジン22の目標パワーPe*を設定すると、設定したエンジン22の目標パワーPe*とエンジン22を効率よく運転するための動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*の仮値としての仮目標回転数Netmpを設定する(ステップS130)。図5は、エンジン22の動作ラインの一例と仮目標回転数Netmpを設定する様子とを示す説明図である。エンジン22の仮目標回転数Netmpの設定処理は、エンジン22の目標パワーPe*が一定の曲線とエンジン22の動作ラインとの交点の回転数Ne1を仮目標回転数Netmpとして設定することにより行なわれる。
【0041】
続いて、エンジン22の許容上限パワーPemaxに基づいてエンジン22の許容上限回転数Nemaxを設定し(ステップS140)、エンジン22の仮目標回転数Netmpを許容上限回転数Nemaxで制限(上限ガード)してエンジン22の目標回転数Ne*を設定し(ステップS150)、エンジン22の目標パワーPe*をエンジン22の目標回転数Ne*で除してエンジン22の目標トルクTe*を演算して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。
【0042】
ここで、エンジン22の許容上限回転数Nemaxは、実施例では、許容上限パワーPemaxと許容上限回転数Nemaxとの関係を予め定めて許容上限回転数設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、許容上限パワーPemaxが与えられると、このマップから対応する許容上限回転数Nemaxを導出して設定するものとした。図6は、許容上限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。エンジン22の許容上限回転数Nemaxは、図示するように、エンジン22の許容上限パワーPemaxが小さいほど小さくなるように設定される。
【0043】
以下、図6のような傾向にエンジン22の許容上限回転数Nemaxを設定する理由について説明する。図7は、エンジン22の目標パワーPe*についての等パワーラインとエンジン22の吸入空気量Qaについての等空気量ラインとの関係の一例を示す説明図である。発明者らは、実験や解析により、図示するように、エンジン22の回転数Neが大きいほど同一のパワーを出力するのに要する吸入空気量Qaが多くなることを確認した。そして、上述したように、エンジン22の吸入空気量Qaが多いほどフィルタ温度Tfが高温になりやすい。したがって、図6のような傾向に、即ち、エンジン22の許容上限パワーPemaxが小さいほど小さくなるようにエンジン22の許容上限回転数Nemaxを設定することにより、エンジン22から目標パワーPe*を出力する際のフィルタ温度Tfの上昇を抑制することができる。
【0044】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上のときにPM堆積量Qpmが閾値Qpmref2未満のときに比して小さくなるようにエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定し、走行用パワーPd*に基づいてエンジン22の許容上限パワーPemax以下の範囲内でエンジン22の目標パワーPe*を設定してエンジン22を制御する。これにより、その後にエンジン22の燃料カットを行なったときに、フィルタ温度Tfがフィルタ損傷領域に至るのを抑制し、PMフィルタ25fが損傷するのを抑制することができる。
【0045】
実施例のハイブリッド自動車20では、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上のときには、エンジン22の定格出力Perat未満の範囲内でPM堆積量Qpmが多いほど小さくなるようにエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定するものとした。しかし、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上のときには、エンジン22の定格出力Perat未満の範囲内であれば、PM堆積量Qpmに拘わらずに一律の値を用いるものとしてもよい。
【0046】
実施例のハイブリッド自動車20では、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上のときにPM堆積量Qpmが閾値Qpmref2未満のときに比して小さくなるようにエンジン22の許容上限パワーPemaxを設定し、エンジン22の要求パワーPetagを許容上限パワーPemaxで制限(上限ガード)してエンジン22の目標パワーPe*を設定するものとした。しかし、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2未満のときには、エンジン22の要求パワーPetagを目標パワーPe*に設定し、PM堆積量Qpmが閾値Qpmref2以上のときには、エンジン22の要求パワーPetagに値1よりも小さい補正係数kpを乗じた値をエンジン22の目標パワーPe*に設定するものとしてもよい。この場合、係数kpは、PM堆積量Qpmが多いほど小さくなるように定められるものとしてもよいし、PM堆積量Qpmに拘わらずに一律の値が用いられるものとしてもよい。
【0047】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の許容上限パワーPemaxが小さいほど小さくなるようにエンジン22の許容上限回転数Nemaxを設定するものとしたが、エンジン22の許容上限パワーPemaxに拘わらずにエンジン22の許容上限回転数Nemaxとして一律の値を用いるものとしてもよい。
【0048】
実施例のハイブリッド自動車20では、説明していないが、HVECU70は、図2の目標運転ポイント設定ルーチンで設定したエンジン22の許容上限パワーPemaxが定格出力Peratよりも小さいときには、このルーチンと並行して、図8の告知ルーチンも繰り返し実行するものとしてもよい。
【0049】
図8の告知ルーチンが実行されると、HVECU70は、最初に、バッテリ50の電圧Vbや蓄電割合SOC、出力制限Wout、エンジン22の許容上限パワーPemaxを入力する(ステップS200)。ここで、バッテリ50の電圧Vbは、電圧センサ51aにより検出された値を入力するものとした。バッテリ50の蓄電割合SOCや出力制限Woutは、バッテリECU52により演算された値を通信により入力するものとした。走行用パワーPd*は、上述のようにアクセル開度Accと車速Vとに基づいて設定した値を入力するものとした。エンジン22の許容上限パワーPemaxは、図2の目標運転ポイント設定ルーチンにより設定した値を入力するものとした。
【0050】
こうしてデータを入力すると、入力したバッテリ50の電圧Vbおよび蓄電割合SOCを用いてバッテリ50の強制充電が要求されているか否かを判定する(ステップS210)。この判定処理は、例えば、バッテリ50の電圧Vbを許容下限電圧Vbminと比較すると共にバッテリ50の蓄電割合SOCを許容下限割合Sloと比較することにより行なわれる。バッテリ50の許容下限電圧Vbminとしては、バッテリ50の定格電圧Vbratよりも十分に低い値が用いられ、バッテリ50の許容下限割合Sloとしては、例えば、30%や35%、40%などが用いられる。
【0051】
なお、バッテリ50の強制充電が要求されているときには、バッテリ50の充放電要求パワーPb*に負の範囲内の十分に小さい(絶対値としては大きい)値を設定し、エンジン22の要求パワーPetagを走行用パワーPd*よりも十分に大きくさせる。これにより、エンジン22の許容上限パワーPemaxが走行用パワーPd*よりも大きいことを条件として、エンジン22の目標パワーPe*、即ち、エンジン22からのパワーが走行用パワーPd*よりも大きくなり、バッテリ50が強制的に充電される。この結果、バッテリ50の過放電を抑制することができる。
【0052】
ステップS210でバッテリ50の強制充電が要求されていないときには、エンジン22の許容上限パワーPemaxとバッテリ50の出力制限Woutとの和を、走行用パワーPd*を駆動軸36に出力して走行できるか否かの判定に用いる閾値Prefに設定し(ステップS220)、バッテリ50の強制充電が要求されているときには、エンジン22の許容上限パワーPemaxを閾値Prefに設定する(ステップS230)。前者は、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内でバッテリ50から放電してもよいのに対し、後者は、バッテリ50から放電するのが好ましくないためである。
【0053】
続いて、走行用パワーPd*に基づいて判定用パワーPjdgを設定する(ステップS240)。ここで、判定用パワーPjdgは、例えば、式(1)に示すように、走行用パワーPd*に、エンジン22の吸入空気の空気密度に基づく補正値α1と、バッテリ50の充放電要求パワーPb*と実際の充放電パワーPbとのずれΔPbに基づく補正値α2と、を用いた補正を施して演算することができる。補正値α1は、エンジン22の吸入空気の空気密度(気温や標高に依存)により、同一の目標パワーPe*に対するエンジン22の出力が異なり、駆動軸36に出力されるパワーに影響を与えるためである。補正値α2は、バッテリ50の充放電要求パワーPb*と実際の充放電パワーPbとのずれΔPbが駆動軸36に出力されるパワーに影響を与えるためである。
【0054】
Pjdg=Pd*・α1+α2 (1)
【0055】
次に、判定用パワーPjdgを判定閾値Prefと比較する(ステップS250)。そして、判定用パワーPjdgが閾値Prefよりも大きいときには、走行用パワーPd*を駆動軸36に出力して走行できないと判断し、エンジン22の許容上限パワーPemaxを定格出力Peratよりも小さくしたことに基づく出力不足の旨をディスプレイ89に表示して(ステップS260)、本ルーチンを終了する。これにより、エンジン22の許容上限パワーPemaxを定格出力Peratよりも小さくしたことに基づく出力不足の旨を運転者に告知することができる。
【0056】
ステップS250で判定用パワーPjdgが閾値Pref以下のときには、走行用パワーPd*を駆動軸36に出力して走行できると判断し、出力不足の旨をディスプレイ89に表示することなく、本ルーチンを終了する。これにより、エンジン22の許容上限パワーPemaxを定格出力Peratよりも小さくしたときに、走行用パワーPd*や判定用パワーPjdgに拘わらずに出力不足の旨を告知するものに比して、出力不足の旨の告知の頻度が過剰になるのを抑制することができる。
【0057】
この変形例では、エンジン22の許容上限パワーPemaxが定格出力Peratよりも小さいときにおいて、判定用パワーPjdgが閾値Prefよりも大きいときには、出力不足の旨を告知し、判定用パワーPjdgが閾値Pref以下のときには、出力不足の旨を告知しないものとした。これに代えて、エンジン22の許容上限パワーPemaxが定格出力Peratよりも小さいときには、走行用パワーPd*や判定用パワーPjdgに拘わらずに、エンジン22の許容上限パワーPemaxを定格出力Peratよりも小さくした旨(これに起因して出力不足が生じる可能性がある旨)を告知するものとしてもよい。
【0058】
また、この変形例では、走行用パワーPd*に補正値α1,α2を用いた補正を施して判定用パワーPjdgを設定するものとしたが、走行用パワーPd*に補正値α1,α2のうちの何れかだけを用いた補正を施して判定用パワーPjdgを設定するものとしてもよいし、走行用パワーPd*をそのまま判定用パワーPjdgに設定するものとしてもよい。
【0059】
実施例のハイブリッド自動車20では、説明していないが、HVECU70は、図2の目標運転ポイント設定ルーチンなどと並行して、図9の許容上限トルク設定ルーチンも実行するものとしてもよい。このルーチンは、HV走行モードのときに繰り返し実行される。
【0060】
図9の許容上限トルク設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、最初に、図2の目標運転ポイント設定ルーチンで設定したエンジン22の許容上限回転数Nemaxを入力し(ステップS300)、入力したエンジン22の許容上限回転数Nemaxに基づいて許容上限車速Vmaxを設定する(ステップS310)。図10は、エンジン22やモータMG1、プラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づくエンジン22の上下限回転数(以下、「性能起因上下限回転数」という)Nemax(co),Nemin(co)と、車速Vと、の関係の一例を示す説明である。
【0061】
図示するように、エンジン22の性能起因上限回転数Nemax(co)には、エンジン22の定格回転数Neratと、モータMG1の性能に基づくエンジン22の上限回転数Nemax(mg1)と、プラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づくエンジン22の上限回転数Nemax(pin)と、のうちの最小値が設定される。ここで、モータMG1の性能に基づくエンジン22の上限回転数Nemax(mg1)と車速Vとは、モータMG1の正側の定格回転数Nm1rat1とプラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)と車速Vを駆動軸36の回転数Ndに換算するための換算係数kvとを用いると、式(2)の関係を有する。また、プラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づくエンジン22の上限回転数Nemax(pin)と車速Vとは、ピニオンギヤの正側の定格回転数Npinrat1とプラネタリギヤ30におけるピニオンギヤ33に対するギヤ比γと換算係数kvとを用いると、式(3)の関係を有する。
【0062】
Nemax(mg1)=ρ・Nm1rat1/(1+ρ)+V・k/(1+ρ) (2)
Nemax(pin)=V・k+γ・Npinrat1 (3)
【0063】
また、図示するように、エンジン22の性能起因下限回転数Nemin(co)には、値0と、モータMG1の性能に基づくエンジン22の下限回転数Nemin(mg1)と、プラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づくエンジン22の下限回転数Nemin(pin)と、のうちの最大値が設定される。ここで、モータMG1の性能に基づくエンジン22の下限回転数Nemin(mg1)と車速Vとは、モータMG1の負側の定格回転数Nm1rat2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρと換算係数kvとを用いると、式(4)の関係を有する。また、プラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づくエンジン22の下限回転数Nemin(pin)と車速Vとは、ピニオンギヤの負側の定格回転数Npinrat2とプラネタリギヤ30におけるピニオンギヤ33に対するギヤ比γと換算係数kvとを用いると、式(5)の関係を有する。
【0064】
Nemin(mg1)=ρ・Nm1rat2/(1+ρ)+V・k/(1+ρ) (4)
Nemin(pin)=V・k+γ・Npinrat2 (5)
【0065】
ステップS310の処理では、図2の目標運転ポイント設定ルーチンで設定した(ステップS300で入力した)エンジン22の許容上限回転数Nemaxと図10とを用いて、エンジン22の許容上限回転数Nemaxと性能起因下限回転数Nemin(co)との交点を許容上限車速Vmaxに設定する。こうすれば、モータMG1やプラネタリギヤ30のピニオンギヤの性能に基づいて、これらの過回転を抑制可能な範囲内で許容上限車速Vmaxを設定することができる。
【0066】
こうして許容上限車速Vmaxを設定すると、設定した許容上限車速Vmaxに基づいて許容上限トルクTdmaxを設定して(ステップS320)、本ルーチンを終了する。ここで、許容上限トルクTdmaxは、この変形例では、許容上限車速Vmaxと許容上限トルクTdmaxとの関係を予め定めて許容上限トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、許容上限車速Vmaxが与えられると、このマップから対応する許容上限トルクTdmaxを導出して設定するものとした。図11は、許容上限トルク設定用マップの一例を示す説明図である。許容上限トルクTdmaxは、図示するように、車速Vが高いほど小さくなるように設定される。こうして許容上限トルクTdmaxを設定すると、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて許容上限トルクTdmax以下の範囲内で走行用トルクTd*を設定する。こうすれば、車速Vに応じて走行用トルクTd*を制限することにより、車速Vが許容上限車速Vmaxを超えるのを抑制することができる。この結果、モータMG1やプラネタリギヤ30のピニオンギヤの過回転を抑制することができる。
【0067】
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36にプラネタリギヤ30およびモータMG2が接続されるものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に示すように、駆動軸36とプラネタリギヤ30およびモータMG2が接続された中間軸128との間に変速機130が設けられるものとしてもよい。
【0068】
変速機130は、入力軸や出力軸、複数の遊星歯車、油圧駆動の複数の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を有し、入力軸が中間軸128に接続されていると共に出力軸が駆動軸36に接続されている。この変速機130は、複数の摩擦係合要素の係脱により、第1速から第5速までの前進段や後進段を形成して入力軸と出力軸との間で動力を伝達する。また、この変速機130は、HVECU70により制御される。
【0069】
こうして構成された変形例のハイブリッド自動車120では、HVECU70は、図2の目標運転ポイント設定ルーチンなどと並行して、図9の許容上限トルク設定ルーチンを実行するのに代えて図13の変速機制御ルーチンを実行するものとしてもよい。
【0070】
図13の変速機制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、最初に、アクセル開度Accや車速V、エンジン22の許容上限回転数Nemaxなどのデータを入力する(ステップS400)。アクセル開度Accは、アクセルペダルポジションセンサ84により検出された値を入力するものとした。車速Vは、車速センサ88により検出された値を入力するものとした。エンジン22の許容上限回転数Nemaxは、図2の目標運転ポイント設定ルーチンで設定した値を入力するものとした。
【0071】
こうしてデータを入力すると、入力した車速Vおよびエンジン22の許容上限回転数Nemaxに基づいて変速機130の許容下限変速段Mminを設定し(ステップS410)、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて変速機130の目標変速段M*を許容下限変速段Mmin以上の範囲内で設定し(ステップS420)、変速機130の変速段Mが目標変速段M*となるように変速機130を制御して(ステップS430)、本ルーチンを終了する。
【0072】
ここで、変速機130の許容下限変速段Mminは、この変形例では、車速Vおよびエンジン22の許容上限回転数Nemaxと変速機130の許容下限変速段Mminとの関係を予め定めて許容下限変速段設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、車速Vおよびエンジン22の許容上限回転数Nemaxが与えられると、このマップから対応する変速機130の許容下限変速段Mminを導出して設定するものとした。図14は、許容下限変速段設定用マップの一例を示す説明図である。変速機130の許容下限変速段Mminは、図示するように、車速Vが高いほど高速段となり且つエンジン22の許容下限回転数Neminが低いほど高速段となるように設定される。これは、変速機130の変速段Mが高速段側であるほど同一の車速Vに対する中間軸128の回転数が低くなり、図10の横軸の「車速V」を「中間軸128の回転数Nin」に置き換えたときに、エンジン22の許容下限回転数Neminが低い側まで許容することになるためである。こうして設定した変速機130の許容下限変速段Mmin以上の範囲内で変速機130の目標変速段M*を設定して変速機130を制御することにより、図9の許容上限トルク設定ルーチンを実行する場合と同様に、モータMG1やプラネタリギヤ30のピニオンギヤの過回転を抑制することができる。
【0073】
この変形例では、変速機130として、10段変速の変速機を用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、4段変速や5段変速、6段変速、8段変速などの変速機を用いるものとしてもよい。
【0074】
実施例のハイブリッド自動車20では、蓄電装置として、バッテリ50を用いるものとしたが、バッテリ50に代えて、キャパシタを用いるものとしてもよい。
【0075】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とHVECU70とを備えるものとしたが、これらのうちの少なくとも2つを単一の電子制御ユニットとして構成するものとしてもよい。
【0076】
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36にプラネタリギヤ30を介してエンジン22およびモータMG1を接続すると共に駆動軸36にモータMG2を接続し、モータMG1,MG2に電力ラインを介してバッテリ50を接続する構成とした。しかし、図15の変形例のハイブリッド自動車220に示すように、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に変速機230を介してモータMGを接続すると共にモータMGにクラッチ229を介してエンジン22を接続し、モータMGに電力ラインを介してバッテリ50を接続する構成としてもよい。
【0077】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「モータ」に相当し、バッテリ50が「蓄電装置」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御装置」に相当する。また、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当する。さらに、変速機130が「変速機」に相当する。
【0078】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0079】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23a クランクポジションセンサ、23b 水温センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 浄化装置、25a 触媒、25b 空燃比センサ、25c 酸素センサ、25f PMフィルタ、25g 差圧センサ、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45u,45v,46u,46v 電流センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、57 コンデンサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 ディスプレイ、128 中間軸、130,230 変速機、229 クラッチ、MG,MG1,MG2 モータ。
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