特開2020-75822(P2020-75822A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-75822硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75822(P2020-75822A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 17/16 20060101AFI20200424BHJP
   C01B 17/027 20060101ALI20200424BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20200424BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20200424BHJP
   C22B 23/00 20060101ALN20200424BHJP
   C22B 3/44 20060101ALN20200424BHJP
【FI】
   C01B17/16 A
   C01B17/027 M
   B01D35/02 B
   F28D7/16 D
   C22B23/00 102
   C22B3/44 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-207997(P2018-207997)
(22)【出願日】2018年11月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智孝
(72)【発明者】
【氏名】中井 修
【テーマコード(参考)】
3L103
4D116
4K001
【Fターム(参考)】
3L103AA12
3L103BB26
3L103DD06
4D116BB01
4D116KK06
4D116QA04C
4D116QA04E
4D116QA04G
4D116QA26C
4D116QA26D
4D116QA26G
4D116QB41
4D116TT05
4D116TT06
4D116UU12
4D116VV30
4K001AA19
4K001BA02
4K001DB24
(57)【要約】
【課題】配管やポンプ等の磨耗を抑制して、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することができる硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る硫化水素ガス製造プラント1は、硫黄と水素ガスとの反応により硫化水素ガスを発生させる反応設備11と、未反応の溶融硫黄を回収して冷却する硫黄冷却設備15と、反応設備11と硫黄冷却設備15とを接続し、その硫黄冷却設備15にて冷却して得られる液体硫黄をポンプ17により反応設備11に循環させる流送配管16と、を備えており、流送配管16の経路上において、ポンプ17よりも上流側の位置に、循環させる液体硫黄に含まれる固形分を分離する固形分分離設備18が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄と水素ガスとの反応により硫化水素ガスを発生させる反応設備と、
未反応の溶融硫黄を回収して冷却する硫黄冷却設備と、
前記反応設備と前記硫黄冷却設備とを接続し、該硫黄冷却設備にて冷却して得られる液体硫黄をポンプにより該反応設備に循環させる流送配管と、を備え、
前記流送配管の経路上において、前記ポンプよりも上流側の位置に、循環させる前記液体硫黄に含まれる固形分を分離する固形分分離設備が設けられている
硫化水素ガス製造プラント。
【請求項2】
前記硫黄冷却設備は、U字形の熱交換チューブを複数有する熱交換器で構成されている
請求項1に記載の硫化水素ガス製造プラント。
【請求項3】
前記固形分分離設備は、ストレーナーで構成されている
請求項1又は2に記載の硫化水素ガス製造プラント。
【請求項4】
前記固形分分離設備では、前記ストレーナーを複数系列備えている
請求項3に記載の硫化水素ガス製造プラント。
【請求項5】
反応設備内にて硫黄と水素ガスとの反応により硫化水素ガスを製造する硫化水素ガスの製造方法において、
前記反応設備から未反応の溶融硫黄を回収し、該溶融硫黄を冷却して得られる液体硫黄を、該反応設備にポンプを用いて循環させるにあたり、該液体硫黄を該ポンプに供給するに先立って固液分離に付することにより固形分を除去する
硫化水素ガスの製造方法。
【請求項6】
前記反応設備から回収した前記溶融硫黄を、120℃〜140℃の範囲まで冷却する
請求項5に記載の硫化水素ガスの製造方法。
【請求項7】
前記反応設備から回収した前記溶融硫黄を、U字形に形成された熱交換チューブを複数有する熱交換器を用いて冷却する
請求項5又は6に記載の硫化水素ガスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法に関するものであり、より詳しくは、プラント内のポンプや配管の磨耗等による消耗を抑え、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法においては、ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られた溶液や不純物を除去したニッケル回収用溶液に対して、硫化水素ガスを吹き込んで金属硫化物を生成させる硫化処理が行われる。
【0003】
このときに使用される硫化水素ガスは、例えば、硫化水素ガス製造プラントにより製造され供給される。硫化水素ガス製造プラントとしては、特許文献1に示すものが知られており、硫化水素ガスを製造するための設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する設備と、硫化水素ガス中の硫黄を回収する設備等を備える。
【0004】
図3は、従来の硫化水素ガス製造プラントの構成を示す構成図である。図3に示すように、硫化水素ガス製造プラント6は、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを生成させる反応設備(リアクター66、クエンチタワー67、ヒーター68)61と、生成した硫化水素ガスを冷却する冷却設備62(62A,62B)と、硫化水素ガス中の硫黄を除去するノックアウト設備63と、硫化水素ガスから除去した硫黄を回収し硫黄処理プラント等に供給するブローダウン設備64と、で構成されている。また、硫化水素ガス製造プラント6は、付帯設備として、反応設備61の熱バランスを調整するために、溶融硫黄を抜き出して冷却する硫黄冷却設備65を備える。
【0005】
具体的に、硫化水素ガス製造プラント6では、反応設備61のリアクター66内に溶融硫黄(液体硫黄)が貯留され、リアクター66の下部から水素ガスを供給することにより、水素ガスが液体硫黄を通過する間に硫化水素ガスの生成反応が進行する。なお、反応によって減少する硫黄は、反応設備61上部から供給される。反応設備61において生成したガスは、大部分が硫化水素であるものの、揮発した硫黄蒸気や水素ガスがリアクター66内を通過する際に巻き込んだ硫黄微粒子も含まれている。
【0006】
また、硫化水素ガス製造プラント6では、硫化水素ガスの製造条件として、例えば、圧力が約800kPaG、温度が約470℃という高温・高圧条件で運転されている。生成した硫化水素ガスは、反応設備61を構成するクエンチタワー67から排出される際に約150℃程度にまで温度が下がっているが、さらに冷却設備62にて約50℃程度(供給先の設備で使用する温度)にまで冷却され、ノックアウト設備63に移送される。
【0007】
反応設備61にて生成した硫化水素ガスに含まれる硫黄(硫黄蒸気)の大部分は、供給先となる硫化水素ガスを使用するプラント等のコントロール弁やマニュアルバルブ等のバルブ類や温度計や圧力計等の計器類に付着すると、操業上大きな支障をきたす原因となる。そのため、硫化水素ガスに含まれる硫黄については、ノックアウト設備63にて一度固化し、その底部に堆積した硫黄をノックアウト設備63に設置されたジャケットを介して水蒸気で加熱することによって溶融させ回収するようにしている。回収した硫黄は、ブローダウン設備64にて貯留された後に供給ポンプ69を用いて硫黄処理プラント等に供給されて処理され、又は繰り返して使用される。
【0008】
このようにして硫化水素ガスに含まれていた硫黄をノックアウト設備63にて分離した後、硫黄を分離除去した硫化水素ガスは、例えば、上述したニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける脱亜鉛工程や硫化工程等における硫化水素ガスを使用するプラントに供給される。
【0009】
ここで、硫化水素ガス製造プラント6では、上述のように、反応設備61の熱バランスを調整する目的で硫黄冷却設備65が設けられている。硫黄冷却設備65では、反応設備61内に残留した溶融硫黄を抜き出し(回収して)冷却することによって、約150℃まで温度が低下した液体硫黄としている。硫黄冷却設備65にて得られた液体硫黄は、一端が反応設備61に接続された配管70を介して、再び、反応設備61に供給される硫黄源として循環使用される。このとき、液体硫黄は、配管70に設けられたポンプ(定量ポンプ)71により定量的に流送される。
【0010】
このように、硫化水素ガス製造プラント6では、温度、圧力が変化しながら、硫化水素ガスだけでなく硫黄も循環しており、その流れは、気体、液体、固体が混合した状態で流動している。そのため、配管やポンプ等の設備に腐食や磨耗が生じて消耗しやすくなっている。特に、未反応硫黄を冷却して得られる液体硫黄の反応設備61への循環においては、循環に用いる配管70やポンプ71が速やかに磨耗してしまうという問題がある。
【0011】
ポンプ71や配管70が磨耗して穴があくような事態となると、定量的な液体硫黄の循環流送ができなくなる。また、磨耗による減肉を発見した時点で操業の安全を確保するために高い頻度で点検を施すことが必要となり、そのたびに硫化水素ガス製造プラント6を停止させなければならなくなる。また、硫化水素ガス製造プラント6全体を緊急停止することも要するため、それによっても硫化水素ガスの生産性が著しく低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2014−152090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、配管やポンプ等の磨耗を抑制して、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することができる硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、反応設備に循環させる液体硫黄には細かな固形物が含まれていることを発見した。そのことから、本発明者らは、反応設備から回収し冷却して得られる液体硫黄を再び反応設備にポンプを用いて循環させるにあたり、その液体硫黄をポンプに供給するに先立って固液分離に付すようにすることで、配管やポンプの磨耗を効果的に抑え、安定的に硫化水素ガスを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
(1)本発明の第1の発明は、硫黄と水素ガスとの反応により硫化水素ガスを発生させる反応設備と、未反応の溶融硫黄を回収して冷却する硫黄冷却設備と、前記反応設備と前記硫黄冷却設備とを接続し、該硫黄冷却設備にて冷却して得られる液体硫黄をポンプにより該反応設備に循環させる流送配管と、を備え、前記流送配管の経路上において、前記ポンプよりも上流側の位置に、循環させる前記液体硫黄に含まれる固形分を分離する固形分分離設備が設けられている、硫化水素ガス製造プラントである。
【0016】
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記硫黄冷却設備はU字形の熱交換チューブを複数有する熱交換器で構成されている、硫化水素ガス製造プラントである。
【0017】
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記固形分分離設備はストレーナーで構成されている、硫化水素ガス製造プラントである。
【0018】
(4)本発明の第4の発明は、第3の発明において、前記固形分分離設備では、前記ストレーナーを複数系列備えている、硫化水素ガス製造プラントである。
【0019】
(5)本発明の第5の発明は、反応設備内にて硫黄と水素ガスとの反応により硫化水素ガスを製造する硫化水素ガスの製造方法において、前記反応設備から未反応の溶融硫黄を回収し、該溶融硫黄を冷却して得られる液体硫黄を、該反応設備にポンプを用いて循環させるにあたり、該液体硫黄を該ポンプに供給するに先立って固液分離に付することにより固形分を除去する、硫化水素ガスの製造方法である。
【0020】
(6)本発明の第6の発明は、第5の発明において、前記反応設備から回収した前記溶融硫黄を、120℃〜140℃の範囲まで冷却する、硫化水素ガスの製造方法である。
【0021】
(7)本発明の第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記反応設備から回収した前記溶融硫黄を、U字形に形成された熱交換チューブを複数有する熱交換器を用いて冷却する、硫化水素ガスの製造方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、配管やポンプ等の磨耗を抑制して、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することができる硫化水素ガス製造プラント、硫化水素ガスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】硫化水素ガス製造プラントの構成の一例を示す構成図である。
図2】硫黄冷却設備の具体的な構成の一例を示す図である。
図3】従来の硫化水素ガス製造プラントの構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
【0025】
≪1.硫化水素ガス製造プラントについて≫
図1は、本実施の形態に係る硫化水素ガス製造プラントの構成の一例を示す構成図である。図1に示すように、硫化水素ガス製造プラント1は、硫化水素ガスを発生させる反応設備11と、発生した硫化水素ガスを冷却する複数の冷却設備12と、硫化水素ガス中の硫黄を除去し硫黄が除去された硫化水素ガスを供給する硫黄除去設備13と、を備える。
【0026】
また、硫化水素ガス製造プラント1は、付帯設備として、硫黄除去設備13にて除去された硫黄を回収して貯留し、硫黄を処理する設備に供給するブローダウン設備14と、反応設備11の熱バランスを調整するために溶融硫黄を回収して冷却する硫黄冷却設備15を備える。
【0027】
また、硫化水素ガス製造プラント1は、硫黄冷却設備15にて冷却され得られた液体硫黄を、ポンプ17を用いて反応設備11に循環させる流送配管16を備えている。そして、流送配管16を介した液体硫黄の循環経路上には、ポンプ17よりも上流側に、液体硫黄中に含まれる固形分を分離する固形分分離設備18が設けられている。
【0028】
なお、硫化水素ガス製造プラント1には、反応設備11や硫黄冷却設備15等に窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備(図示しない)を備えるようにすることができる。
【0029】
以下では具体的に、硫化水素ガス製造プラント1を構成する各設備について説明する。
【0030】
(1)反応設備
反応設備11は、例えば、リアクター20と、クエンチタワー21と、ヒーター22とから構成されている。反応設備11は、供給された硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスの生成反応を生じさせ、硫化水素ガスを発生させる。
【0031】
具体的には、反応設備11においては、その上部から溶融硫黄がノズル等を介して供給されリアクター20内に貯留された後、その下部から水素ガスが供給されることによって、水素ガスの上昇流が溶融硫黄を通過する間に反応が進行して硫化水素ガスが発生する。こうして得られたガスは、その大部分が硫化水素であるが、一部に揮発した硫黄蒸気や水素ガスがリアクター20を通過する際に巻き込んだ硫黄微粒子が含まれている。なお、反応設備11にて得られるガスを「硫化水素含有ガス」と称する。
【0032】
反応設備11においては、温度が約470℃、圧力が約800kPaGという比較的に高温かつ高圧の条件下で運転されており、発生した硫化水素含有ガスも高温かつ高圧になっている。なお、発生した硫化水素含有ガスは、供給される硫黄と熱交換が行われる結果、クエンチタワー21を通過した際には150℃程度となっている。
【0033】
ここで、反応設備11におけるリアクター20は、例えば円筒状の反応容器から構成され、その材質は特に限定されないが、一般的にはステンレス等により構成されている。
【0034】
(2)冷却設備
冷却設備12は、反応設備11にて発生した硫化水素含有ガスを回収して冷却する。冷却設備12における硫化水素含有ガスの冷却温度としては、特に限定されないが、硫化水素含有ガス中の硫黄分を低減する観点からするとより低い温度であることが好ましい。具体的には、冷却に際しては通常(冷却)水を使用して行い、約50℃程度にまで冷却する。
【0035】
硫化水素ガス製造プラント1においては、冷却設備12が複数備えられている。冷却設備12で、回収した硫化水素含有ガス中に含まれる硫黄の一部が、設備内部(伝熱面)で固化して固着してしまうことがある。そのため、冷却設備12を複数備えるようにすることで、それらを交互に切り替えて使用することを可能にし、冷却能力の低下に伴う操業効率の低下を防止している。なお、図1では、硫化水素ガス製造プラント1において、冷却設備12A,12Bの2系統を有する例を示している。
【0036】
冷却設備12(12A,12B)では、例えばその下部周囲にジャケットが設けられており、スチームで加熱することによって固着した硫黄を溶融することが可能となっている。例えば、冷却設備12Aの内部に硫黄が固着した場合、冷却設備12Aの使用を停止して冷却設備12Bに切り替えた後、使用を停止させた冷却設備12Aにおいては固着した硫黄をスチームにより溶融させて回収する作業を行うようにすることができる。
【0037】
(3)硫黄除去設備
硫黄除去設備(ノックアウト設備)13は、冷却設備12にて冷却された硫化水素含有ガス中に混入した硫黄を除去する。硫黄除去設備13では、硫化水素含有ガス中から硫黄を除去した後、その硫化水素ガスを硫化処理プラント等に供給する。
【0038】
具体的に、反応設備11内で発生した硫化水素含有ガスには一部硫黄蒸気が含まれているため、硫黄除去設備13では、その硫黄蒸気を固化し、固化したものを底部に堆積させた後、例えばその下部の外周囲に設置されたジャケットを介してスチームで加熱することによって硫黄を溶融させて回収する。回収した溶融硫黄(液体硫黄)は、後述するブローダウン設備14に移送する。
【0039】
なお、硫黄除去設備13にて硫黄が除去されたガス(硫化水素ガス)は、例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法にて用いられる硫化工程プラントや脱亜鉛工程プラント等の硫化処理プラントに供給される。硫化水素ガスの供給は、硫黄除去設備13から導出された供給管30を介して行われる。なお、供給管30には、硫化処理プラントへの硫化水素ガスの供給を制御するON/OFFバルブやコントロールバルブを設けることができ、また、硫化水素ガスの圧力を測定する圧力計や流量を測定する流量計を設けることもできる。
【0040】
(4)ブローダウン設備
ブローダウン設備14は、硫黄除去設備13にて硫化水素含有ガスから除去された硫黄を回収する。また、ブローダウン設備14は、冷却設備12A,12B内に固着していた硫黄を回収する。
【0041】
ブローダウン設備14では、それら回収した硫黄(液体硫黄)を、供給ポンプ31を用いて供給管32を介し、例えば硫黄処理プラント等に供給する。または、回収した硫黄を、再び反応設備11に対して供給する硫黄源として循環利用させてもよい。
【0042】
(5)硫黄冷却設備
硫黄冷却設備15は、反応設備11の熱バランスを調整するために、反応設備11内に貯留されている未反応の溶融硫黄を回収して冷却する。具体的に、硫黄冷却設備15では、反応設備11から抜き出した溶融硫黄(約450℃〜500℃)を、好ましくは130℃〜140℃程度の範囲まで冷却する。そして、回収し冷却して得られた液体硫黄を再び反応設備11に循環させるようにしている。
【0043】
(硫黄冷却設備の具体的な構成)
硫黄冷却設備15について、その具体的な構成は特に限定されず、反応設備11から回収した溶融硫黄を効率的に冷却でき、反応設備11の熱バランスを適切に調整できるものであればよい。例えば、硫黄冷却設備15として、U字形の熱交換チューブを複数有する熱交換器で構成されるものを挙げることができる。
【0044】
図2は、硫黄冷却設備15の具体的な構成の一例を示すものであり、具体的に、熱交換チューブにより構成された、いわゆるシェルアンドチューブ型の熱交換器の態様を示す。なお、この図2に示す硫黄冷却設備15の符号を「15A」として示す。
【0045】
硫黄冷却設備15Aは、円筒形のシェル50を備え、シェル50の一端は閉塞しており、他端は開口している。シェル50の内部には、U字形をした熱交換チューブ51が多数設けられている。なお、図2では1本の熱交換チューブ51のみを示している。
【0046】
熱交換チューブ51は、U字形に形成された管であり、その両端部は円盤形の保持板52で固定されている。熱交換チューブ51の両端は、保持板52の一方の面(図2における右側の面)において開口している。熱交換チューブ51は、シェル50の開口部からその内部に挿入される。
【0047】
保持板52は、シェル50の開口部に形成されたフランジ50fと、ヘッド53に形成されたフランジ53fとの間に挟まれ、フランジ50fとフランジ53fとをボルト、ナット等で締結することで固定される。フランジ50fの接合面と保持板52の一方の面、フランジ53fの接合面と保持板52の他方の面は、それぞれ環状に密着しており、これにより、シェル50とヘッド53とが液密に密閉された状態となる。
【0048】
シェル50は、熱媒体供給管54と接続管55とが設けられている。シェル50は、熱媒体供給管54を介して冷却用熱媒体が内部に供給されることにより、冷却用熱媒体が貯留される冷媒室となる。なお、冷却用熱媒体としては、被冷却物よりも温度の低い流体であれば特に限定されず、例えば純水が用いられる。また、接続管55は、冷却用熱媒体を冷却する他の熱交換器(図示せず)に接続している。
【0049】
ヘッド53は、被冷却物供給管56と被冷却物排出管57とが設けられている。硫黄冷却設備15Aにおいて、被冷却物は反応設備11から回収した溶融硫黄であり、その溶融硫黄が被冷却物供給管56を介してヘッド53の内部に供給される。なお、ヘッド53の内部は、溶融硫黄を多数の熱交換チューブ51のそれぞれに分配する構造となっている。
【0050】
熱交換チューブ51の両端は、ヘッド53側に開口し、入口側と出口側はヘッド53内で隔壁によって隔てられている。ヘッド53に供給された溶融硫黄は、熱交換チューブ51の一端から流入し、U字型の形状に沿って管内を流れた後、他端から流出する。熱交換チューブ51から流出した溶融硫黄は、ヘッド53から被冷却物排出管57を介してヘッド53の外部に排出される。
【0051】
このような硫黄冷却設備15Aにおいては、溶融硫黄が熱交換チューブ51の内部を通る際に、溶融硫黄と冷却用熱媒体との間で熱交換が行われ、これにより溶融硫黄が冷却される。一方、冷却用熱媒体は加熱され蒸気となり、例えば冷却用熱媒体として純水を用いた場合には水蒸気となる。なお、蒸気となった冷却用熱媒体は、大気放出してもよいが、接続管55を介して熱媒体冷却用の熱交換器に供給され、その熱交換器で冷却されて凝縮することにより再利用が可能となる。液体となった冷却用熱媒体は、接続管55を介してシェル50の内部に戻る。
【0052】
ここで、硫黄冷却設備15がU字形の熱交換チューブ51を複数有する熱交換器で構成されることにより、溶融硫黄が冷却される過程で、その溶融硫黄に含まれる固形分が熱交換チューブ51内で捕集され、固形分が低減した液体硫黄が得られるようになることから、特に好ましい。
【0053】
詳しくは後述するように、反応設備11から回収される溶融硫黄には、反応設備11(リアクター20)を構成する反応容器の材料に由来するスケール等の高融点物質が含まれていることがある。このような高融点物質は、溶融硫黄を硫黄冷却設備15にて冷却した後に反応設備11に再び循環する際に固形物の状態で残存し、循環に用いる配管やポンプを磨耗させる原因となる。したがって、反応設備11に循環させる硫黄(溶融硫黄を冷却して得られる液体硫黄)においては、そのような固形分の含有量を極力低減させておくことが好ましい。
【0054】
その点において、循環させる液体硫黄を、反応設備11から回収して硫黄冷却設備15にて冷却させて得るに際し、その硫黄冷却設備15としてU字形の熱交換チューブ51を複数有する熱交換器で構成されるものを用いることで、そのU字形の熱交換チューブ51内を溶融硫黄が通過する過程で、溶融硫黄に含まれる固形分を除去することができる。具体的には、熱交換のために溶融硫黄がU字形の熱交換チューブ51内を通過するとき、例えばその熱交換チューブ51の屈曲部(図2中に示すZ部)にて固形分が捕集されるようになる。したがって、このような硫黄冷却設備15によれば、溶融硫黄を効率的に冷却させることができるとともに、溶融硫黄に含まれるスケール等の固形分を捕集して除去することができ、固形分が低減した液体硫黄を得ることができる。
【0055】
さて、硫黄冷却設備15Aの通常運転時には、シェル50の内部に冷却用熱媒体を貯留した状態として、熱交換チューブ51に溶融硫黄を通過させる。このようにして硫黄冷却設備15Aの運転を継続すると、反応設備11から回収した溶融硫黄には反応容器の材料に由来する高融点物質が含まれていることから、熱交換チューブ51内を通過する過程で溶融硫黄からはその高融点物質は固形分として除去されるものの、熱交換チューブ51内では除去した固形物が徐々に堆積して閉塞物となる。
【0056】
熱交換チューブ51内で閉塞物が増加すると、熱交換される溶融硫黄の量が減少し、熱交換効率も低下して、その溶融硫黄を所望の温度まで冷却できなくなる可能性がある。その結果、反応設備11の熱バランス(硫化水素の発生は発熱反応であるため、通常は冷却を要する)が悪化して、反応設備11の内部の温度が上昇する。
【0057】
そのため、硫黄冷却設備15Aにおいては、定期的にその運転を停止させ、熱交換チューブ51内を洗浄して閉塞物を除去することが好ましい。洗浄方法は、特に限定されないが、熱交換チューブ51内に加熱用熱媒体を供給し、その媒体によって閉塞物を加熱し融解したり、押し流したりすることによって除去する方法が挙げられる。なお、洗浄にあたっては、硫黄冷却設備15Aへの溶融硫黄の供給を停止して流しきるとともに、硫黄冷却設備15内に窒素ガスを供給する等して硫化水素ガスを置換し、無害化させておく。
【0058】
(冷却後に得られる液体硫黄の流送)
硫黄冷却設備15は、反応設備11と流送配管16で接続されており、冷却して得られた液体硫黄は、その流送配管16を介して、再び反応設備11に供給する硫黄源として循環させることができるようになっている。なお、その一部の液体硫黄については、例えばブローダウン設備14に供給して冷却設備12や硫黄除去設備13から回収した硫黄と共に硫黄処理プラント等に供給するようにしてもよい。
【0059】
ここで、流送配管16は、上述のように、反応設備11と硫黄冷却設備15とを接続する配管であり、硫黄冷却設備15にて冷却して得られた液体硫黄を流送させ反応設備11に循環させる。流送配管16には、所定の位置にポンプ(循環ポンプ)17が設けられており、そのポンプ17により反応設備11に液体硫黄を循環させるようにしている。ポンプ17には、例えばギアポンプ(歯車ポンプ)で構成された定量ポンプが適用される。
【0060】
(6)固形分分離設備
硫化水素ガス製造プラント1には、固形分分離設備18が設けられている。固形分分離設備18は、流送配管16を介した液体硫黄の循環経路上において、ポンプ17よりも上流側(硫黄冷却設備15から反応設備11への循環の流れの上流側)の位置に設けられている。また、固形分分離設備18は、硫黄冷却設備15と反応設備11とを接続する流送配管16を介した循環経路上に設けられていて、硫黄冷却設備15よりも下流側に位置している。固形分分離設備18は、流送配管16を介して循環させる液体硫黄に含まれる固形分を分離除去する。
【0061】
本発明者らは、従来のプラントにおいて液体硫黄を循環させるためのポンプや配管の磨耗の原因を調査した結果、反応設備から回収し冷却して得られる液体硫黄中に細かな固形物が存在することを発見した。また、その固形物は、主として、反応設備を構成するステンレス等からなる反応容器から生じたスケール等からなる高融点物質であることを発見した。例えば、液体硫黄を循環させるためのポンプとしては、ギアポンプが用いられており、特にその構造や駆動機構の関係上、スケール等の固形物の混入は磨耗の原因や異常動作の原因となりやすい。
【0062】
そこで、本実施の形態に係る硫化水素ガス製造プラント1では、液体硫黄の循環経路上におけるポンプ17よりも上流側の位置に、固形分分離設備18を設けている。そして、液体硫黄を反応設備11にポンプ17を用いて循環させるにあたり、その液体硫黄をポンプ17に供給するに先立って、固液分離に付すことができるようにしている。
【0063】
このように、硫化水素ガス製造プラント1において固形分分離設備18を設けることで、流送配管16やポンプ17に接触する液体硫黄からスケール等に由来する固形分を有効に分離除去することができる。これにより、固形分が低減された液体硫黄を循環させることができ、循環に際して用いる流送配管16やポンプ17への磨耗や、異常動作の発生を効果的に抑制することができる。
【0064】
また、固形分分離設備18の設置箇所としてポンプ17よりも上流側の位置とすることが重要であり、これにより、ポンプ17へ流入する液体硫黄内の固形分を速やかに低減することができ、ポンプ17の寿命を長くすることができる。また、固形分分離設備18の設置箇所として硫黄冷却設備15よりも下流側の位置とすることが重要であり、これにより、硫黄冷却設備15での冷却に伴って析出、粗大化した固液物を除去の対象とすることができる。
【0065】
このような硫化水素ガス製造プラント1によれば、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することができる。
【0066】
固形分分離設備18としては、液体硫黄に含まれる固形分を効率的に分離除去できるものであれば、特に限定されない。例えば、ストレーナー装置等の分離装置により構成されているものを挙げることができる。ストレーナー装置によれば、運転費用も安価であり、また既存の設備への追加設置も比較的容易であり、好ましい。
【0067】
ストレーナー装置は、特に限定されず、公知のものを適用することができる。ストレーナー装置において、液体硫黄が流れて固形分を分離するためのメッシュ面(分離面)の目開きは、液体硫黄に含まれる固形分の大きさに応じて適宜設定することが好ましい。
【0068】
また、固形分分離設備18としては、例えばストレーナー装置等の分離装置を並列して複数系統(例えば2〜3系統)備えるようにすることが好ましい。図1では、分離装置を2系統(18A,18B)備えた固形分分離設備18の例を示している。ストレーナー装置等の分離装置では、連続的あるいは繰り返しの使用によって、分離面に固形物が堆積して目詰まりが生じることがあり、液体硫黄の反応設備11への循環の妨げとなる可能性がある。このとき、分離装置を並列して複数系統備えた固形分分離設備18を用いることで、複数あるいずれかの分離装置に切り替えて使用することができるようにする。
【0069】
これにより、一方の分離装置(例えば分離装置18A)の運転時には、他方の分離装置(例えば分離装置18B)を停止させるようにすることができ、その停止時に分離面の洗浄処理を行って清浄化して、目詰まりによる液体硫黄の循環不良や固形分の分離効率の低下を防ぐことができる。
【0070】
≪2.硫化水素ガスの製造方法について≫
上述した硫化水素ガス製造プラント1を用いた硫化水素ガスの製造方法では、リアクター20と、クエンチタワー21と、ヒーター22とから構成されている反応設備11において、その上部から溶融硫黄を供給してリアクター20内に貯留させ、一方で、その下部から水素ガスを供給することによって、水素ガスの上昇流が溶融硫黄を通過する間に硫化水素ガス生成反応を生じさせる。これにより、硫化水素ガスが生成する。
【0071】
反応設備11における反応条件としては、例えば、温度が約470℃、圧力が約800kPaGという比較的に高温かつ高圧の条件とする。なお、反応設備11において生成した硫化水素含有ガスは、供給される溶融硫黄と熱交換が行われる結果、クエンチタワー21を通過した時点で150℃程度となる。
【0072】
次に、生成した硫化水素含有ガスを冷却設備12に移送し、約50℃程度にまで冷却する。
【0073】
次に、冷却した硫化水素含有ガスを硫黄除去設備13に移送し、硫化水素含有ガスに含まれている硫黄を除去する。
【0074】
このような処理を経て、高純度な硫化水素ガスを製造することができる。製造した硫化水素ガスは、例えばニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける硫化処理プラント等に送られ、硫化剤として用いることができる。
【0075】
さて、硫化水素ガスの製造方法においては、反応設備11における熱バランスを調整するために、反応設備11から未反応の溶融硫黄の少なくとも一部を回収して所定の温度に冷却している。そして、冷却して得られた液体硫黄を、流送配管16を介して、再び反応設備11に循環させ、硫化水素ガス生成反応のための硫黄源として用いている。
【0076】
反応設備11から回収した溶融硫黄に対する冷却処理(硫黄冷却設備15での冷却)においては、その溶融硫黄を、120℃〜140℃の範囲まで冷却することが好ましい。140℃以下の温度まで溶融硫黄を冷却することで、反応設備11へ循環させるに際して、例えば耐熱性に乏しいポンプ(ポンプ17)も使用することが可能となり、ポンプの選択性が増し、また設備コストを抑えることができる。また、140℃以下の温度まで冷却することで、得られる液体硫黄の粘度も効率的に低下させることができ、ポンプ17を用いた運転コストも低く抑えることができる。さらに、120℃〜140℃の範囲までの冷却では、一般的な熱交換器による冷却水を用いた処理で容易に冷却することができる。
【0077】
そして、本実施の形態に係る硫化水素ガスの製造方法では、溶融硫黄を冷却して得られる液体硫黄を、反応設備11へポンプ17を用いて循環させるにあたり、その液体硫黄をポンプ17に供給するに先立って固液分離に付すようにしている。
【0078】
このように、溶融硫黄を冷却して得られる液体硫黄をポンプ17に供給するに先立って固液分離に付すことで、液体硫黄に含まれる固形分を効果的に除去できる。これにより、固形分が有効に低減された液体硫黄が得られ、得られた液体硫黄を、ポンプ17を用いて流送配管16を介して反応設備11に循環させることで、配管やポンプを磨耗から守り、穴あきや減肉等の発生を防ぐことができる。そして、このことから、安全性高く、安定的に硫化水素ガスを製造することができる。
【実施例】
【0079】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
【0080】
[実施例1]
実施例1では、図1に構成図を示す硫化水素ガス製造プラント1を用いて、反応設備11に溶融硫黄と水素ガスとを供給して硫化水素ガスを製造した。
【0081】
その硫化水素ガスの製造においては、反応設備11の熱バランスを調整するために、適宜、反応設備11の下部から溶融硫黄を回収して硫黄冷却設備15に送り、溶融硫黄を130℃〜140℃の範囲まで冷却した。硫黄冷却設備15としては、U字形の熱交換チューブを複数有する熱交換器により構成されているものを用いた(図2参照)。
【0082】
そして、冷却して得られた液体硫黄を、ポンプ(ギアポンプ)17を用いて、硫黄冷却設備15と反応設備11とを接続する流送配管16を介して循環させ、再び硫黄源として反応設備11に供給するようにした。このとき、冷却した液体硫黄を循環させるに際し、ポンプ17よりも上流側に設けた固形分分離設備18に液体硫黄を供給し、液体硫黄に含まれる固形分を分離する固液分離に付した。そして、固液分離を経た液体硫黄を、ポンプ17により流送配管16を介して反応設備11に循環させた。なお、固形分分離設備18としては、ストレーナー装置を2台(18A,18B)並列に備えたものを用いた。
【0083】
このような製造プロセスにて継続的に運転したところ、2年以上経ってもポンプ17に故障は見られなかった。また、そのポンプ17や流送配管16には、目立った磨耗は認められなかった。なお、操業の間、ストレーナー装置(18A,18B)を定期的に開けて掃除をしたところ、細かな固形物が確認された。
【0084】
[比較例1]
比較例1では、図3に構成図を示す従来の硫化水素ガス製造プラント6を用いて、硫化水素ガスを製造した。すなわち、実施例1にて用いた硫化水素ガス製造プラント1のような固形分分離設備を備えていないプラントを用いた。
【0085】
その結果、製造プロセスの継続的な運転に伴い、0.2年が経過した時点でポンプ71(液体硫黄を反応設備61に循環させるためのポンプ)が閉塞して過負荷停止してしまった。そのため、硫化水素ガス製造プラント6全体を緊急停止しなければならなかった。また、ポンプ71には、磨耗が顕著に確認された。
【符号の説明】
【0086】
1 硫化水素ガス製造プラント
11 反応設備
12,12A,12B 冷却設備
13 硫黄除去設備
14 ブローダウン設備
15,15A 硫黄冷却設備
16 流送配管
17 ポンプ
18 固形分分離設備
18A,18B 分離装置
20 リアクター
21 クエンチタワー
22 ヒーター
50 シェル
50f フランジ
51 熱交換チューブ
52 保持板
53 ヘッド
53f フランジ
54 熱媒体供給管
55 接続管
56 被冷却物供給管
57 被冷却物排出管
図1
図2
図3