特開2020-78144(P2020-78144A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000003
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000004
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000005
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000006
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000007
  • 特開2020078144-電力制御システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-78144(P2020-78144A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】電力制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20200424BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20200424BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20200424BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20200424BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20200424BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20200424BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20200424BHJP
   B60L 50/50 20190101ALI20200424BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20200424BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20200424BHJP
   B60L 58/00 20190101ALI20200424BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20200424BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   H02J7/00 B
   H02J7/00 P
   H02J7/35 K
   H02J7/34 B
   H02J3/00 170
   H02J3/00 130
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   B60L11/18 C
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-209458(P2018-209458)
(22)【出願日】2018年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 俊彰
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066AE03
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
5G066KB01
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503CB16
5G503DA04
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5H030AA01
5H030AS03
5H030AS06
5H030AS08
5H030BB07
5H030BB21
5H030FF41
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC21
5H125BE01
5H125BE02
5H125CC04
5H125CC06
5H125EE27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太陽光発電装置の発電電力量及び車両の走行スケジュールを適宜、予測することで、車両の走行利便性と建物の光熱費などの経済性との両方を確保できる電力制御システムを提供する。
【解決手段】太陽電池パネル1を備えた住宅への電力の供給を制御する電力制御システムにおいて、管理サーバ5の制御部6は、住宅の消費電力量を予測する消費電力予測部62と、太陽電池パネルの発電電力量を予測する発電電力予測部63と、住宅に接続される車載蓄電池41が搭載された電気自動車4の走行スケジュールを予測する走行スケジュール予測部64と、車載蓄電池の充電及び放電を制御する充放電制御部61とを備えている。充放電制御部は、外部系統電力から車載蓄電池に充電する充電量を、消費電力予測部、発電電力予測部及び走行スケジュール予測部の予測と、定置蓄電池7及び車載蓄電池の残容量とに基づいて決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置及び定置蓄電池を備えた建物への電力の供給を制御する電力制御システムであって、
前記建物の消費電力量を予測する消費電力予測部と、
前記太陽光発電装置の発電電力量を予測する発電電力予測部と、
前記建物に接続される車載蓄電池が搭載された車両の走行スケジュールを予測する走行スケジュール予測部と、
前記定置蓄電池及び車載蓄電池の充電及び放電を制御する充放電制御部とを備え、
前記充放電制御部は、外部系統電力から前記車載蓄電池に充電する充電量を、前記消費電力予測部、発電電力予測部及び走行スケジュール予測部の予測と、前記定置蓄電池及び車載蓄電池の残容量とに基づいて決定することを特徴とする電力制御システム。
【請求項2】
前記充電量は、深夜電力の時間帯における充電量であることを特徴とする請求項1に記載の電力制御システム。
【請求項3】
前記充放電制御部では、前記消費電力予測部及び発電電力予測部の予測に基づいて、前記太陽光発電装置の発電電力による前記建物の余剰電力量と消費不足電力量とを推定するとともに、
前記余剰電力量、消費不足電力量及び前記走行スケジュール予測部の予測並びに前記定置蓄電池及び車載蓄電池の残容量値に基づいて、前記定置蓄電池への定置充電量及び前記車載蓄電池への車載充電量を推定し、
前記充電量を、前記車両の走行電力量の予測値に前記消費不足電力量の予測値を加えた値から、前記車載蓄電池の残容量値及び前記車載充電量を引いた正の値として決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置を備えた建物への電力の供給を制御する電力制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物に電気自動車などの車載蓄電池が搭載された車両を接続することで、系統電力網などの外部系統電力から電気自動車に充電を行うだけでなく、車載蓄電池に充電された電力を住宅で利用できるようにした電力供給システムが知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、特許文献1には、電気自動車の充放電制御部に記憶された走行履歴等を住宅側の制御装置が取得して、走行パターンや走行距離を予測して必要な充電量を算出し、それに基づいて外部系統電力から電気自動車に充電することが記載されている。
【0004】
さらに、特許文献2には、複数戸の住宅からなる地域において、複数戸の住宅で相互に地域内の電力を融通するに際して、各住宅と電気的に接続された車両から電力供給を受けることも考慮することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−23955号公報
【特許文献2】特開2013−143892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、太陽光発電装置及び定置蓄電池を備えた建物であれば、発電された電力を電気自動車の車載蓄電池や定置蓄電池に充電して、電気自動車や住宅の電力として利用することができる。しかしながら、一方の蓄電池に充電が偏ると、電気自動車の利用に制約を受けたり、電気自動車による外出中に住宅の消費電力を賄えない状況が発生したりして、電力価格が高い時間帯に外部系統電力を買電して光熱費が増加してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、太陽光発電装置の発電電力量及び車両の走行スケジュールを適宜、予測することで、車両の走行利便性と建物の光熱費などの経済性との両方を確保できる電力制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の電力制御システムは、太陽光発電装置及び定置蓄電池を備えた建物への電力の供給を制御する電力制御システムであって、前記建物の消費電力量を予測する消費電力予測部と、前記太陽光発電装置の発電電力量を予測する発電電力予測部と、前記建物に接続される車載蓄電池が搭載された車両の走行スケジュールを予測する走行スケジュール予測部と、前記定置蓄電池及び車載蓄電池の充電及び放電を制御する充放電制御部とを備え、前記充放電制御部は、外部系統電力から前記車載蓄電池に充電する充電量を、前記消費電力予測部、発電電力予測部及び走行スケジュール予測部の予測と、前記定置蓄電池及び車載蓄電池の残容量とに基づいて決定することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記充電量は、深夜電力の時間帯における充電量であることが好ましい。また、前記充放電制御部では、前記消費電力予測部及び発電電力予測部の予測に基づいて、前記太陽光発電装置の発電電力による前記建物の余剰電力量と消費不足電力量とを推定するとともに、前記余剰電力量、消費不足電力量及び前記走行スケジュール予測部の予測並びに前記定置蓄電池及び車載蓄電池の残容量値に基づいて、前記定置蓄電池への定置充電量及び前記車載蓄電池への車載充電量を推定し、前記充電量を、前記車両の走行電力量の予測値に前記消費不足電力量の予測値を加えた値から、前記車載蓄電池の残容量値及び前記車載充電量を引いた正の値として決定される構成とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の電力制御システムは、建物の消費電力予測部に加えて、太陽光発電装置の発電電力量を予測する発電電力予測部と、建物に接続される車載蓄電池が搭載された車両の走行スケジュール予測部とを備えている。そして、外部系統電力から車載蓄電池に充電する充電量を、消費電力予測部、発電電力予測部及び走行スケジュール予測部の予測と、定置蓄電池及び車載蓄電池の残容量とに基づいて決定する。
【0011】
このように、太陽光発電装置の発電電力量及び車両の走行スケジュールを適宜、予測することで、住人の日々の暮らしの中で車両の利用制限を受けることが少ない走行利便性が確保できるうえに、光熱費の低減が図れる経済性も確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態の電力制御システムの構成を説明するブロック図である。
図2】発電余剰電力と消費不足電力の用語の意味を説明する図である。
図3】本実施の形態の電力制御システムの処理の流れを説明する図である。
図4】翌日の余剰充電のみで不足電力を賄える場合(ケース1)の電力制御システムによる充放電制御を例示した説明図である。
図5】翌日の余剰充電のみで不足電力を賄える場合(ケース2)の電力制御システムによる充放電制御を例示した説明図である。
図6】翌日の余剰充電のみでは不足電力を賄えない場合(ケース3)の電力制御システムによる充放電制御を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1を参照しながら本実施の形態の電力制御システムの全体構成について説明する。この電力制御システムによって制御される建物としての住宅Hは、電力会社の発電所や地域毎に設置されたコジェネレーション設備などからの外部系統電力を受けるために、系統電力網に接続されている。
【0014】
また、住宅Hは、太陽光発電装置としての太陽電池パネル1と定置蓄電池7とを備えている。さらに、この住宅Hには、電気自動車4やプラグインハイブリッド車などの車載蓄電池41が搭載された車両を接続することができるようになっている。
【0015】
この太陽電池パネル1の発電電力は、定置蓄電池7や車載蓄電池41に一時的に蓄えておくことができる。さらに、この住宅Hは、インターネットなどの外部の通信網に繋がっている。そして、同じく通信網に接続された外部の管理サーバ5との間で、計測値や演算処理結果などのデータの送受信や制御信号の送受信などが行われる。
【0016】
本実施の形態の電力制御システムは、住宅側としての住宅Hに配置される構成と、サーバ側としての管理サーバ5に配置される構成とを有している。なお、本実施の形態では説明を省略するが、管理サーバ5には、複数の住宅Hが接続されている。
【0017】
まず、処理対象となる住宅H側の構成について説明する。
住宅Hは、太陽電池パネル1と、定置蓄電池7と、太陽電池パネル1の時間毎の発電電力及び住宅Hの時間毎の消費電力を計測する計測装置2と、表示装置としての表示モニタ3と、電気自動車4を電気的に接続させる充放電口とを主に備えている。
【0018】
太陽電池パネル1は、太陽電池を利用することによって、太陽光を電力に変換して発電を行う装置である。この太陽電池パネル1は、太陽光を受けることができる時間帯のみ電力を供給することが可能な装置である。また、太陽電池パネル1によって発電された直流電力は、通常、図示を省略したパワーコンディショナによって交流電力に変換されて使用される。なお、この住宅Hに設置された太陽電池パネル1の発電容量などの仕様については、管理サーバ5側の後述する邸情報データベース51に記憶されている。
【0019】
また、定置蓄電池7も、太陽電池パネル1と同様に、図示省略のパワーコンディショナに接続されて、充放電の制御がなされる。例えば、定置蓄電池7には、系統電力網から供給される深夜電力などの電力価格が安い電力や太陽電池パネル1によって発電された電力を充電する。この定置蓄電池7の蓄電容量や定格出力などの仕様も、管理サーバ5側の後述する邸情報データベース51に記憶されている。
【0020】
一方、車載蓄電池41の充放電口も、太陽電池パネル1と同様に、図示省略のパワーコンディショナに接続されて、充放電の制御がなされる。例えば、車載蓄電池41には、系統電力網から供給される深夜電力などの電力価格が安い電力や太陽電池パネル1によって発電された電力を充電する。この車載蓄電池41の蓄電容量や定格出力などの仕様も、管理サーバ5側の後述する邸情報データベース51に記憶されている。
【0021】
また、住宅Hには、分電盤を通して外部系統電力が供給され、電力を消費する様々な負荷が設置されている。この様々な負荷としては、例えば、エアコンディショナーなどの空調装置、給湯装置、照明スタンドやシーリングライトなどの照明装置、冷蔵庫やテレビなどの家電装置などがある。
【0022】
計測装置2は、住宅Hに設置された太陽電池パネル1によって実際に発電された発電電力量を計測する。また、計測装置2は、住宅Hに設置された負荷によって消費された消費電力量も計測する。この計測装置2による計測は、秒単位、分単位、時間単位などの任意の間隔で時間毎に行うことができる。そして、計測装置2によって計測された計測値のデータは、管理サーバ5側の後述する消費電力履歴データベース52に記憶される。
【0023】
なお、消費電力履歴データベース52では、気温などの気象条件に影響を受け易い空調装置などの空調負荷及び給湯装置などの給湯負荷の消費電力量と、気温などの気象条件に影響を受け難いその他の負荷の消費電力量とを、負荷別にカテゴリー分けして記憶される。
【0024】
表示モニタ3には、計測装置2で計測された計測値や、管理サーバ5側の制御状態を示す情報などを表示させる。この表示モニタ3には、専用の端末モニタを用いてもよいし、パーソナルコンピュータなどの汎用機器の画面などを用いてもよい。
【0025】
次に、住宅Hと通信網を介して接続される管理サーバ5側の構成について説明する。
管理サーバ5側は、通信手段としての通信部56と、各種制御を行う制御部6と、記憶手段としての邸情報データベース51、消費電力履歴データベース52、電力価格データベース53、気象予報データベース54及び外出パターン履歴データベース55とを備える。
【0026】
通信部56は、住宅Hから送信されてくる各種設備の仕様、計測値、処理要求などを、管理サーバ5の制御部6に送るとともに、各種データベース(51,52,53,54,55)に記憶されたデータ、制御部6で行われた演算処理結果、更新プログラムなどを住宅Hに向けて送る機能を有している。
【0027】
邸情報データベース51には、複数の住宅Hの邸コード(識別番号)、その邸コードに関連付けられた住所、建築年、断熱性能、間取り、電気配線、使用部材、太陽電池パネル1の仕様(発電容量)、定置蓄電池7の仕様(蓄電容量、定格出力)、接続される電気自動車4の車載蓄電池41の仕様(蓄電容量、定格出力)などの情報が記憶されている。
【0028】
消費電力履歴データベース52には、各住宅Hで計測されて通信部56を介して管理サーバ5が受信した計測値のデータが記憶される。この計測値は、邸コードに関連付けて記憶させることで、いずれの住宅Hで計測された結果であるかを識別させることができる。
【0029】
さらに、この消費電力履歴データベース52に記憶される消費電力量の履歴は、上述したように、気温などの気象条件に影響を受け易い空調装置などの空調負荷及び給湯装置などの給湯負荷の消費電力量と、気温などの気象条件に影響を受け難いその他の負荷の消費電力量とを、負荷別にカテゴリー分けした記録となっている。
【0030】
また、消費電力履歴データベース52には、定置蓄電池7の残容量値や充放電履歴などの情報が蓄電池データとして記憶される。この定置蓄電池7の残容量値は、任意の時刻において定置蓄電池7から取得して記憶させることもできる。
【0031】
そして、電力価格データベース53には、外部系統電力を供給する電力会社等が設定する一日の時間によって変化する電力価格(住人側から見て買電価格)に関する情報が記憶されている。
【0032】
例えば、23時から翌6時までの時間帯の深夜電力の買電価格は、それ以外の日中電力などの買電価格よりも安く設定されている。電力価格データベース53には、電力価格が切り替わる時刻と、各時間帯の電力価格(単価)が記憶される。また、電力価格データベース53には、太陽電池パネル1で発電した電力を電力会社等が買い取る買取価格(住人側から見て売電価格)も記憶されている。
【0033】
気象予報データベース54には、気象庁や気象予報会社等の図示省略のサーバから通信網を介して受信した、住宅Hが立地する全国各地の気温や日射量などの翌日の気象予報データが記憶される。
【0034】
外出パターン履歴データベース55には、電気自動車4の住宅Hへの接続又は非接続の情報、車載蓄電池41の充放電履歴の情報などが記憶される。この外出パターン履歴データベース55のデータは、後述する走行スケジュール予測部64で利用される。
【0035】
そして、制御部6には、充放電制御部61と、消費電力予測部62と、発電電力予測部63と、走行スケジュール予測部64とが設けられている。
【0036】
消費電力予測部62は、単位時間(本実施の形態では1時間を単位時間とする)毎の消費電力を予測する手段である。例えば、前日に翌日の住宅Hの時間毎の消費電力を予測することができる。この消費電力予測部62では、気温などの気象条件に影響を受け易い空調負荷及び給湯負荷の時間毎の消費電力は、気象予報データに基づいて予測し、気温などの気象条件に影響を受け難いその他の負荷の時間毎の消費電力については、過去の履歴データに基づいて予測し、これらを合計して、住宅Hの時間毎の消費電力を予測するものである。
【0037】
具体的には、空調負荷及び給湯負荷の時間毎の消費電力を予測するにあたっては、気象予報データベース54に記憶された気温などの翌日の気象予報データを参照し、消費電力予測部62により、時間毎の消費電力を予測する。その他の負荷の時間毎の消費電力を予測するにあたっては、消費電力履歴データベース52にカテゴリー分けして記憶された過去の履歴データを参照し、消費電力予測部62により、時間毎の消費電力を予測する。そして、これらを合計して、住宅Hの時間毎の消費電力を予測する。
【0038】
発電電力予測部63は、太陽電池パネル1の時間毎の発電電力を予測する。例えば、前日に翌日の住宅Hの時間毎の発電電力を予測することができる。具体的には、太陽電池パネル1の時間毎の発電電力を予測するにあたっては、気象予報データベース54に記憶された日射量などの翌日の気象予報データを参照し、発電電力予測部63により、住宅Hの時間毎の発電電力を予測する。
【0039】
走行スケジュール予測部64は、電気自動車4を使用した外出時間又は在宅時間や、電気自動車4の走行に必要な走行電力量を予測する。電気自動車4の住宅Hへの接続又は非接続のパターンや走行後の車載蓄電池41の残容量のパターンなどを、外出パターン履歴データベース55に記憶させて、そのデータに基づいて機械学習などをさせることで、住人による電気自動車4の走行スケジュールが予測できるようになる。例えば、翌日が火曜日であれば日中に外出する可能性が高い、日曜日の走行距離は通常より長くなる(車載蓄電池41の残容量が少なくなる)などのパターンによる予測が可能になる。また、走行スケジュール予測部64は、任意の時刻において車載蓄電池41の残容量値を取得することができる。
【0040】
そして、予測された住宅Hの消費電力量、発電電力量及び電気自動車4の走行スケジュールと、定置蓄電池7及び車載蓄電池41の残容量とに基づいて、充放電制御部61によって定置蓄電池7及び車載蓄電池41の充放電の制御を行う。この充放電制御部61による制御の詳細を説明する前に、発電電力(発電)と消費電力との関係について、図2を参照しながら説明する。
【0041】
この図2において、「発電」は、時刻単位における太陽電池パネル1による発電電力を指し、「消費電力」は、時刻単位における住宅Hの消費電力を指す。そして、「発電余剰電力」とは、時刻単位における発電から消費電力を引いた値の正(プラス)となる電力であり、24時間などで積算した余剰となる発電電力量が、「発電余剰電力量」となる。
【0042】
一方、「消費不足電力」は、時刻単位における消費電力から発電を引いた値の正(プラス)となる電力であり、24時間などで積算した不足する電力量が、「消費不足電力量」となる。すなわち、発電が消費電力よりも上回る時間では「発電余剰電力量」として積算され、消費電力が発電を上回る時間では「消費不足電力量」として積算されていく。
【0043】
続いて、定置蓄電池7及び電気自動車4の車載蓄電池41を深夜電力によって充電する「深夜充電」と、太陽電池パネル1の発電電力によって充電する「余剰充電」とについて説明する。「深夜充電」では、単価の安い深夜電力を系統電力網から買電して定置蓄電池7や車載蓄電池41に充電する。
【0044】
一方、日中の太陽電池パネル1の発電電力は、住宅Hで発電自家消費として使用することができる。また、発電余剰電力は系統電力網に売電することもできる。さらに、発電余剰電力を売電せずに、定置蓄電池7や車載蓄電池41に充電することができる。これが、「余剰充電」となる。
【0045】
そして、太陽電池パネル1の発電電力が消費電力を下回った場合には、定置蓄電池7や車載蓄電池41に充電された電力を住宅Hに放電して補うことになる。また、深夜の時間帯においても、住宅Hの消費電力は、定置蓄電池7や車載蓄電池41の放電によって賄うことができる。
【0046】
次に、制御部6による充放電制御について、図3に示した本実施の形態の電力制御システムの処理の流れを参照しながら説明する。
本実施の形態の電力制御システムでは、例えば毎日の所定の時刻に、深夜充電による充電量の決定のための演算処理が行われる。例えば、現在時刻が深夜電力価格(深夜料金)の開始される時刻(例えば23時)の1時間前か否かを判断し、現在時刻が22時になった時点で演算処理が開始される。以下の処理で「翌日」とは、深夜料金の開始時刻を起点とした24時間(例えば23時から次の23時まで)を言う。
【0047】
深夜充電による充電量の決定においては、発電電力の予測が行われる(S21)。翌日の住宅Hの太陽電池パネル1の発電電力量は、気象予報データベース54から取得された翌日の日射量(S11)、及び消費電力履歴データベース52から取得された過去の発電量(S12)の実績などのデータに基づいて、発電電力予測部63によって予測される。このため、翌日の天気予報が「曇り」や「雨」の場合と「晴れ」の場合とでは、予測される発電電力量が大きく変わる。この予測された発電電力を予測値Aとする。
【0048】
一方、翌日の住宅Hの消費電力量は、消費電力履歴データベース52から取得された過去の消費電力量(S13)の実績などのデータに基づいて、消費電力予測部62によって予測される。この予測された消費電力を予測値Bとする(S22)。
【0049】
また、走行スケジュール予測部64では、翌日に電気自動車4が住宅Hに接続する時間帯(EV在宅時間)と電気自動車4の走行に必要な走行電力量(EV外出時の走行電力量)を、外出パターン履歴データベース55に記憶されたデータに基づいて推定する。
【0050】
そして、予測された翌日の電気自動車4の走行スケジュール(EVデータ(S14))から、電気自動車4が「外出なし」で接続状態となるEV在宅時間を予測値Cとして取得する(S23)。
【0051】
また、電気自動車4のEV外出時の走行電力量を、予測値Dとして取得する(S24)。さらに、走行スケジュール予測部64によって、現在の車載蓄電池41(EV蓄電池)の残容量値Eを取得する(S25)。
【0052】
さらに、消費電力履歴データベース52の蓄電池データ(S15)に記録された現在の定置蓄電池7の残容量値Fを、充放電制御部61が取得する(S26)。
【0053】
このようにして取得された予測値A−予測値D並びに残容量値E及び残容量値Fを使って、充放電制御部61では、系統電力網から深夜料金時間帯に車載蓄電池41に充電する充電量(深夜充電量M)を算定する。
【0054】
まず、発電電力の予測値Aと消費電力の予測値Bとに基づいて、住宅Hの1日(24時間)の余剰電力量の予測値G及び消費不足電力量の予測値Hの推定を行う(S31)。また、EV在宅時間の予測値Cにおける発電余剰電力量の予測を行う(S32)。
【0055】
すなわち、発電余剰電力量の予測値Iは、EV在宅時間帯(予測値C)の各単位時間の発電電力(予測値A)から消費電力(予測値B)を引いた正(プラス)となる値の積算値として算出される。
【0056】
要するに1日(24時間)の余剰電力量の予測値Gは、電気自動車4が住宅Hに接続されているか否かに関わらず太陽電池パネル1の発電によって余剰充電が行える電力量を示している。これに対して、EV在宅時間(予測値C)の発電余剰電力量の予測値Iは、車載蓄電池41に充電可能な余剰充電の電力量を示している。
【0057】
続いて、EV外出時の住宅Hの消費不足電力量(宅内不足消費電力量)の予測を行う(S33)。この宅内不足消費電力量の予測値Jは、EV外出時間帯の各単位時間の消費電力(予測値B)から発電電力(予測値A)を引いた正(プラス)となる値の積算値として算出される。
【0058】
そして、このようにして算出された宅内不足消費電力量の予測値Jから定置蓄電池7の残容量値Fを引いた値を、太陽電池パネル1の発電の余剰分による定置蓄電池7の定置充電量(余剰充電量K)として算出する(S34)。この余剰充電量Kは、発電余剰電力量の予測値I以下の正の値となる。
【0059】
また、発電余剰電力量の予測値Iから余剰充電量Kを引いた値を、太陽電池パネル1の発電の余剰分による車載蓄電池41(EV蓄電池)の車載充電量(余剰充電量L)として算出する(S35)。
【0060】
そして、深夜料金時間帯に車載蓄電池41に充電する充電量(深夜充電量M)を、次の式で決定する(S36)。
深夜充電量M=走行電力量D+消費不足電力量H−EV蓄電池の残容量値E−EV蓄電池の余剰充電量L
【0061】
次に、本実施の形態の電力制御システムによる運転制御の例示と、その作用について説明する。
図4図6は、本実施の形態の電力制御システムによる充放電制御を例示(ケース1−ケース3)した説明図である。これらの図には、定置蓄電池7と車載蓄電池41との余剰充電の割合及び深夜充電による車載蓄電池41への充電量を決定した後の翌日の制御が例示されている。
【0062】
翌日の充電制御の決定は、深夜料金時間帯の例えば1時間前の時刻(22時)に開始される。この時刻に、EV蓄電池(車載蓄電池41)の残容量値E及び定置蓄電池7の残容量値Fが確認される(図3のS25,S26)。
【0063】
続いて、翌日となる翌24時間(時刻23時〜時刻23時)までの太陽電池パネル1による発電電力量(予測値A)と、住宅Hの消費電力量(予測値B)と、EVデータの予測を行う(図3のS21,S22,S14)。
【0064】
そして、予測によって得られた余剰電力量の予測値G、宅内不足消費電力量の予測値J、発電余剰電力量の予測値I、宅内不足消費電力量の予測値J及び定置蓄電池7の残容量値Fから、定置蓄電池7の余剰充電量KとEV蓄電池の余剰充電量Lとを算出する(図3のS31−S35)。
【0065】
さらに、走行電力量の予測値D、消費不足電力量の予測値H、EV蓄電池の残容量値E及びEV蓄電池の余剰充電量Lから、深夜料金時間帯にEV蓄電池(車載蓄電池41)に充電する充電量(深夜充電量M)を決定する(図3のS36)。
【0066】
図4に示したケース1は、翌日の天気が晴れで日射量が充分にあるという気象予報データに基づいて、日中の住宅Hの消費電力は発電による発電自家消費で賄えると予測されている。また、発電自家消費を上回る日中の発電余剰電力によって、車載蓄電池41の余剰充電(EV充電)及び定置蓄電池7の余剰充電が行えると予測されている。
【0067】
また、このケース1では、夕刻に電気自動車4による外出があるが、発電が多く余剰充電が行える時間帯は、住宅Hと電気自動車4とが接続状態となる。この結果、このケース1では、深夜電力による車載蓄電池41への充電量(深夜充電量M)は0と決定され、深夜充電は行われない。
【0068】
そして、電気自動車4が接続されている時間帯において、消費電力が太陽電池パネル1の発電電力(発電)を上回る時間は、車載蓄電池41からの放電(EV放電)によって住宅Hの消費電力を賄う放電制御を行う。
【0069】
一方、発電が消費電力を上回る日中においては、発電自家消費を超える発電の余剰分を車載蓄電池41又は定置蓄電池7に充電する充電制御が行われる。また、電気自動車4による外出がある(EV外出)と予測された時間帯において、消費電力が太陽電池パネル1の発電を上回る時間は、定置蓄電池7からの放電(定置蓄電池放電)によって住宅Hの消費電力を賄う放電制御を行う。
【0070】
一方、図5に示したケース2も、翌日の太陽電池パネル1の発電による余剰充電のみで、車載蓄電池41及び定置蓄電池7の充電量が賄えると予測された場合の例示である。しかしながらこのケース2では、翌日の発電電力量が少ないと予測されたうえに、深夜から朝までと夕刻から深夜までの夜間の消費電力が高いと予測されている。
【0071】
そこで、このケース2では、余剰充電によるEV充電の割合を減らし、定置蓄電池7への余剰充電の割合を増やしている。すなわち、定置蓄電池7の余剰充電量K及びEV蓄電池の余剰充電量Lの算定式(図3のS34,S35)により決定された割合に基づいて、余剰充電の制御が行われる。
【0072】
そして、ケース1と同様に、電気自動車4が接続されている時間帯において、消費電力が太陽電池パネル1の発電を上回る時間は、車載蓄電池41からの放電(EV放電)によって住宅Hの消費電力を賄う放電制御が行われる。また、発電が消費電力を上回る日中においては、発電自家消費を超える発電の余剰分を、走行電力量Dを補うためにまず車載蓄電池41に充電し、それ以外は定置蓄電池7に余剰充電する充電制御が行われる。
【0073】
これらに対して、図6に示したケース3は、翌日の太陽電池パネル1の発電による余剰充電のみでは、車載蓄電池41及び定置蓄電池7の充電量が賄えないと予測された場合である。そして、電気自動車4が住宅Hと非接続状態になる15時から16時までのEV外出の時間帯は、定置蓄電池7の放電によって消費電力の不足分が補われるようにする。
【0074】
このケース3では、翌日の発電電力量が少ないと予測されたうえに、深夜から朝までと夕刻から深夜までの夜間の消費電力が高いと予測される場合の例示である。このため、定置蓄電池7と車載蓄電池41との余剰充電の割合(余剰充電量K、余剰充電量L)に加えて、深夜電力による車載蓄電池41への充電量が深夜充電量Mの算定式(図3のS36)により決定され、系統電力網から買電した外部系統電力による車載蓄電池41への深夜充電(EV買電充電)が行われる。
【0075】
そして、消費電力が発電を上回る8時ごろまでは、EV放電によって消費電力を賄う放電制御が行われる。また、午前中の電気自動車4が住宅Hと接続状態にあるときには、発電の余剰分を車載蓄電池41に余剰充電する充電制御が行われる。
【0076】
さらに、余剰充電量Lの充電が車載蓄電池41に行われた後は、定置蓄電池7への余剰充電を行う充電制御が行われる。また、EV外出時の消費電力が発電を上回る夕刻の消費電力の不足分は、定置蓄電池7からの放電制御によって補われる。
【0077】
このように構成された本実施の形態の電力制御システムは、住宅Hの消費電力量を予測する消費電力予測部62に加えて、太陽電池パネル1の発電電力量を予測する発電電力予測部63と、住宅Hに接続される車載蓄電池41が搭載された電気自動車4の走行スケジュール予測部64とを備えている。
【0078】
そして、系統電力網から車載蓄電池41に充電する深夜充電量Mを、消費電力予測部62、発電電力予測部63及び走行スケジュール予測部64の予測(予測値A−予測値D)と、車載蓄電池41の残容量値E及び定置蓄電池7の残容量値Fとに基づいて決定する。
【0079】
このように、太陽電池パネル1の発電電力量及び電気自動車4の走行スケジュールを適宜、予測することで、住人の日々の暮らしの中で電気自動車4の利用制限を受けることが少ない走行利便性が確保できるうえに、光熱費の低減が図れる経済性も確保できるようになる。
【0080】
すなわち、翌日に必要とされる車載蓄電池41に蓄えておかなければならない深夜充電量Mを、深夜料金時間帯という電力価格が安い時間の外部系統電力で賄うことができ、電力価格が高い時間帯に外部系統電力を買電することを極力、抑えることができるようになる。
【0081】
また、定置蓄電池7と車載蓄電池41という2つの蓄電池に対して余剰充電を行うにあたって、予め定置蓄電池7の余剰充電量Kと車載蓄電池41の余剰充電量Lとを算定しておく。このため、一方の蓄電地の残容量が充電不足で少なくなって、利用に支障をきたすような事態の発生を防ぐことができるようになる。すなわち、定置蓄電池7を備えるとともに車載蓄電池41が接続される住宅Hにおいて、2つの蓄電池の充放電の最適制御を行うことができるようになる。
【0082】
さらに、走行スケジュール予測部64による予測が、車載蓄電池41の充放電履歴データなどの外出パターン履歴データベース55に記憶されたデータに基づいて行われるのであれば、データの蓄積によって住人の走行パターンの予測精度が向上し、より適切な深夜充電の充電量の決定が行えるようになる。
【0083】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、深夜料金時間帯の買電価格が安いため「深夜充電」として説明したが、これに限定されるものではなく、系統電力網から供給される電力の買電価格が安い時間帯を「外部系統電力を車載蓄電池に充電する時間」とすることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 :太陽電池パネル(太陽光発電装置)
4 :電気自動車(車両)
41 :車載蓄電池
61 :充放電制御部
62 :消費電力予測部
63 :発電電力予測部
64 :走行スケジュール予測部
7 :定置蓄電池
H :住宅(建物)
M :深夜充電量(充電量)
K :余剰充電量(定置充電量)
L :余剰充電量(車載充電量)
図1
図2
図3
図4
図5
図6