特開2020-78858(P2020-78858A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファナック株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000003
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000004
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000005
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000006
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000007
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000008
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000009
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000010
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000011
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000012
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000013
  • 特開2020078858-ばねバランサ装置とその分解方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-78858(P2020-78858A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】ばねバランサ装置とその分解方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20200501BHJP
【FI】
   B25J19/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-213988(P2018-213988)
(22)【出願日】2018年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】滝川 隆士
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS15
3C707CY23
3C707CY37
3C707MT01
(57)【要約】
【課題】プレス機を用いることなく、簡易な冶具により容易に分解する。
【解決手段】フランジ17が、シャフト3を貫通させる貫通孔22を備えるとともに、圧縮ばね18の径方向内方に配置され、シャフトの第1雄ねじ15に締結される第1ナット部材16によって、シャフトの他端に着脱可能に保持される第1フランジ部材19と、第1ナット部材を貫通させる中央孔23を有するとともに、第1フランジ部材の外周縁に締結具によって後端板6側から着脱可能に固定された第2フランジ部材20とを備え、ケーシング2の後端板が、第2フランジ部材の外周縁を突き当てる当接部10と、当接部よりも径方向内方かつ中央孔よりも径方向外方において第2フランジ部材の表面を外部に露出させる開口部11とを備え、ケーシングの前端板5および後端板の少なくとも一方が、ケーシングの筒体4に着脱可能に取り付けられているばねバランサ装置1である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と、該筒体の両端を閉塞する位置に配置された前端板および後端板とを備えるケーシングと、
前記前端板を板厚方向に貫通して長手方向に移動可能に配置されるシャフトと、
該シャフトの前記ケーシング外に配置される一端に固定された取付ブロックと、
該シャフトの前記ケーシング内に配置される他端に固定されたフランジと、
前記前端板と前記フランジとの間に、圧縮された状態で配置されている圧縮ばねとを備え、
前記他端に第1雄ねじが設けられ、
前記フランジが、前記シャフトを貫通させる貫通孔を備えるとともに、前記圧縮ばねの径方向内方に配置され、前記第1雄ねじに締結される第1ナット部材によって、前記他端に着脱可能に保持される第1フランジ部材と、前記第1ナット部材を貫通させる中央孔を有するとともに、前記第1フランジ部材の外周縁に締結具によって前記後端板側から着脱可能に固定された第2フランジ部材とを備え、
前記後端板が、前記第2フランジ部材の外周縁を突き当てる当接部と、該当接部よりも径方向内方かつ前記中央孔よりも径方向外方において前記第2フランジ部材の表面を外部に露出させる開口部とを備え、
前記前端板および前記後端板の少なくとも一方が、前記筒体に着脱可能に取り付けられているばねバランサ装置。
【請求項2】
前記後端板が、前記開口部を外側から着脱可能に閉塞する蓋体を備える請求項1に記載のばねバランサ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のばねバランサ装置の分解方法であって、
前記第2フランジ部材を前記当接部に突き当てた状態で、前記第1ナット部材および前記締結具を取り外し、
前記第1雄ねじを締結させる雌ねじを備える内孔と前記中央孔よりも小さい外径の外面に第2ナット部材がねじ込まれた第2雄ねじが設けられた円筒状の冶具の先端面を前記第1フランジ部材の表面に突き当てた状態で、前記雌ねじに前記第1雄ねじを締結して、前記取付ブロックを前記前端板の外面に押し付け、
前記第2ナット部材を前記第2フランジ部材の表面に突き当たるまで前記第2雄ねじに対して締めこみ、
前記前端板または前記後端板と前記筒体とを分離し、
前記第2ナット部材を緩めるばねバランサ装置の分解方法。
【請求項4】
前記第1雄ねじと前記第2雄ねじとが逆ねじの関係である請求項3に記載のばねバランサ装置の分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばねバランサ装置とその分解方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットにおいて、動力補助のために使用されるばねバランサ装置として、産業用ロボットに装着される前の初期状態として、内部の圧縮ばねに圧縮力が作用しているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなばねバランサ装置は、廃棄等を目的として分解する際に、プレス機等を用いて圧縮ばねの圧縮力を解放する処理が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−277479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、産業用ロボットが導入されている現場にプレス機が設置されているとは限らず、現場においてばねバランサ装置を分解することが困難であるという不都合がある。
本発明は、プレス機を用いることなく、簡易な冶具により容易に分解することができるばねバランサ装置とその分解方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、筒体と、該筒体の両端を閉塞する位置に配置された前端板および後端板とを備えるケーシングと、前記前端板を板厚方向に貫通して長手方向に移動可能に配置されるシャフトと、該シャフトの前記ケーシング外に配置される一端に固定された取付ブロックと、該シャフトの前記ケーシング内に配置される他端に固定されたフランジと、前記前端板と前記フランジとの間に、圧縮された状態で配置されている圧縮ばねとを備え、前記他端に第1雄ねじが設けられ、前記フランジが、前記シャフトを貫通させる貫通孔を備えるとともに、前記圧縮ばねの径方向内方に配置され、前記第1雄ねじに締結される第1ナット部材によって、前記他端に着脱可能に保持される第1フランジ部材と、前記第1ナット部材を貫通させる中央孔を有するとともに、前記第1フランジ部材の外周縁に締結具によって前記後端板側から着脱可能に固定された第2フランジ部材とを備え、前記後端板が、前記第2フランジ部材の外周縁を突き当てる当接部と、該当接部よりも径方向内方かつ前記中央孔よりも径方向外方において前記第2フランジ部材の表面を外部に露出させる開口部とを備え、前記前端板および前記後端板の少なくとも一方が、前記筒体に着脱可能に取り付けられているばねバランサ装置である。
【0006】
本態様によれば、筒体とシャフトの一端に固定された取付けブロックとを、ロボットの回転軸に平行な軸線回りに回転可能に取り付けて、ロボットを作動させることにより、ケーシング内からシャフトが引き出される方向に移動させられると、フランジと前端板との間で圧縮ばねがさらに圧縮されてシャフトをケーシング内に引き込む方向に弾発力が作用する。これにより、ロボットの動力を補助することができる。
【0007】
本態様に係るばねバランサ装置を分解するには、ロボットから取り外した状態、すなわち、ケーシング内において圧縮ばねが最大限に伸びて第2フランジ部材の外周縁を後端板の当接部に突き当てている状態において、後端板に設けられた開口部を経由して、シャフトの他端の第1雄ねじから第1ナット部材を取り外す。また、開口部を経由して、第2フランジ部材を第1フランジ部材に取り付けている締結具を取り外す。
【0008】
次いで、シャフトの第1雄ねじを締結させる雌ねじを備える内孔と第2フランジ部材の中央孔よりも小さい外径の外面に第2ナット部材がねじ込まれた第2雄ねじが設けられた円筒状の冶具を開口部からケーシング内に挿入し、第1雄ねじを雄ねじに締結することにより、取付ブロックを前端板に突き当て、冶具の第2ナット部材を第2フランジ部材に突き当てる。
【0009】
これにより、圧縮ばねの圧縮力が、シャフトによって連結された取付ブロックと第2ナット部材との間で保持されるので、前端板または後端板の少なくとも一方を筒体から取り外す。この状態で、冶具の第2雌ねじに対して第2ナット部材を緩めていくことにより、前端板と第2フランジ部材との間隔を徐々に広げて、圧縮ばねの圧縮力を徐々に解放していくことができる。すなわち、本態様によれば、プレス機を用いることなく、簡易な冶具により容易に分解することができる。
【0010】
上記態様においては、前記後端板が、前記開口部を外側から着脱可能に閉塞する蓋体を備えていてもよい。
この構成により、蓋体を後端板に取り付けることによって開口部を閉塞し、ケーシング内部を密閉して、塵埃やミストの進入を防止することができる。分解時には蓋体を取り外して、分解作業を容易に行うことができる。
【0011】
また、本発明の他の態様は、上記いずれかのばねバランサ装置の分解方法であって、前記第2フランジ部材を前記当接部に突き当てた状態で、前記第1ナット部材および前記締結具を取り外し、前記第1雄ねじを締結させる雌ねじを備える内孔と前記中央孔よりも小さい外径の外面に第2ナット部材がねじ込まれた第2雄ねじが設けられた円筒状の冶具の先端面を前記第1フランジ部材の表面に突き当てた状態で、前記雌ねじに前記第1雄ねじを締結して、前記取付ブロックを前記前端板の外面に押し付け、前記第2ナット部材を前記第2フランジ部材の表面に突き当たるまで前記第2雄ねじに対して締めこみ、前記前端板または前記後端板と前記筒体とを分離し、前記第2ナット部材を緩めるばねバランサ装置の分解方法である。
【0012】
上記態様においては、前記第1雄ねじと前記第2雄ねじとが逆ねじの関係であることが好ましい。
この構成により、冶具を取り付けた状態から、第2雄ねじに対して第2ナット部材を回転させて緩めていく際に、第2ナット部材に加えたトルクが、冶具全体が回転させる方向に作用しても、シャフトの第1雄ねじと冶具の雌ねじとの締結が緩むことを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プレス機を用いることなく、簡易な冶具により容易に分解することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るばねバランサ装置が取り付けられている状態のロボットの一例を部分的に示す図である。
図2図1のばねバランサ装置の初期状態を示す縦断面図である。
図3図2のばねバランサ装置から蓋体を取り外した状態を示す縦断面図である。
図4図3のばねバランサ装置から第1フランジ部材と第2フランジ部材とを締結するボルトおよびシャフトの雄ねじに締結されていた第1ナット部材を取り外した状態を示す縦断面図である。
図5図4のばねバランサ装置のシャフトの雄ねじを利用して治具を取り付ける状態を示す縦断面図である。
図6図5のばねバランサ装置に取り付けた治具において第2ナット部材を締結する作業を説明する縦断面図である。
図7図6のばねバランサ装置のボルトを取り外してケーシング本体を前端板から取り外した状態を示す縦断面図である。
図8図7のばねバランサ装置に取り付けた治具の第2ナット部材を緩めて圧縮ばねの圧縮力を解放する作業を説明する縦断面図である。
図9図1のばねバランサ装置の分解方法を説明するフローチャートである。
図10図1のばねバランサ装置の第1の変形例を説明する縦断面図である。
図11図7のばねバランサ装置の第2の変形例を説明する縦断面図である。
図12図7のばねバランサ装置の第3の変形例を説明する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るばねバランサ装置1とその分解方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るばねバランサ装置1は、図1に示されるように、例えば、直立多関節型のロボット100の重力軸、すなわち、水平な軸線回りにベース110に対して回転可能に支持されるアーム120を駆動するモータ(図示略)の動力を補助するために使用されるものである。
【0016】
ばねバランサ装置1は、図1に示されるように、ベース110に揺動可能に支持されるケーシング2と、アーム120に揺動可能に取り付けられるシャフト3とを備えている。
ケーシング2は、図2に示されるように、円筒状のケーシング本体(筒体)4と、ケーシング本体4の両端を閉塞する前端板5および後端板6と、前端板5に設けられた貫通孔7に配置されシャフト3を長手方向に移動可能に支持する滑り軸受8とを備えている。
【0017】
前端板5は、ケーシング本体4に対してボルト9により着脱可能に取り付けられている。
また、後端板6はケーシング本体4に一体的に設けられ、ケーシング本体4の後端に内鍔状に突出し中央に開口部11を有する周縁部10と、該周縁部10にボルト12により着脱可能に取り付けられ開口部11を閉塞する蓋体13とを備えている。周縁部10は、後述する第2フランジ部材20の外周縁を突き当てる当接部として機能する。
【0018】
シャフト3には、ケーシング2の外部に配置される一端に取付ブロック14が固定され、ケーシング2の内部に配置される他端に雄ねじ(第1雄ねじ)15が形成されている。
本実施形態に係るばねバランサ装置1は、図3および図4に示されるように、雄ねじ15に締結されるナット部材(第1ナット部材)16によってシャフト3の他端に取付状態に保持されるフランジ17と、フランジ17と前端板5との間に挟まれる位置に、圧縮された状態で配置される圧縮ばね18とを備えている。
【0019】
フランジ17は、圧縮ばね18の径方向内方に配置される径寸法を有する円板状の第1フランジ部材19と、第1フランジ部材19の該周縁に板厚方向に重ねられた状態で、後端板6側からボルト(締結具)21によって着脱可能に取り付けられた第2フランジ部材20とを備えている。
第1フランジ部材19は、中央にシャフト3を貫通させる貫通孔22を備えている。貫通孔22にシャフト3の他端を貫通させた状態で、シャフト3の雄ねじ15に後端板6側からナット部材16を締結することにより、第1フランジ部材19がシャフト3の他端側から脱落しない状態に保持される。
【0020】
第2フランジ部材20は、ナット部材16の外形よりも大きな内径寸法を有する中央孔23を備えている。圧縮ばね18は、コイルスプリングであって、前端板5と第2フランジ部材20との間に配置される径寸法を有している。
【0021】
次に、本実施形態に係るばねバランサ装置1を分解するための治具200について説明する。
この治具200は、図5に示されるように、治具本体210とナット部材(第2ナット部材)220とを備えている。治具本体210は、円柱状(円筒状)に形成され、先端側から軸方向に沿って軸方向の途中位置まで設けられた中央孔211を備え、中央孔211の内面にシャフト3の雄ねじ15を締結させる雌ねじ212を備えている。
【0022】
中央孔211の深さは、図6に示されるように、取付ブロック14を前端板5に突き当てる位置に配置したシャフト3の雄ねじ15を、中央孔211内の雌ねじ212に締結していく途中で、治具本体210の先端が第1フランジ部材19の表面に突き当たる程度の深さに設定されている。
【0023】
また、治具本体210の中央孔211側の先端の外面には、雄ねじ(第2雄ねじ)213が設けられ、ナット部材220が締結されている。本実施形態においては、治具本体210の雄ねじ213と雌ねじ212とは逆ねじの関係を有している。
また、治具本体210の後端近傍には、スパナのような工具を係合させるための一対の平面部214が、径方向に対向して設けられている。
【0024】
このように構成された本実施形態に係るばねバランサ装置1の分解方法について、図9のフローチャートを参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る分解方法は、図2に示されるように、ロボット100から取り外された状態から分解する方法である。
【0025】
図2の状態では、ケーシング2内の圧縮ばね18が、その弾発力によって伸張し、第2フランジ部材20を後端板6の周縁部10である当接部に押し当てている予圧状態にある。すなわち、圧縮ばね18の圧縮力が、ケーシング2の前端板5と後端板6とによって受けられているので、この状態では、ケーシング本体4に前端板5を固定しているボルト9を外すことは困難である。
【0026】
本実施形態に係る分解方法は、まず、図3に示されるように、ボルト12を緩めて後端板6の蓋体13を後端板6から取り外し、開口部11を開放する(ステップS1)。
次いで、図4に示されるように、開放された開口部11に露出しているナット部材16をシャフト3の雄ねじ15に対して緩めて取り外すとともに、第1フランジ部材19に第2フランジ部材20を固定しているボルト21を緩めて取り外す(ステップS2)。
【0027】
そして、図5に示されるように、シャフト3を長手方向に移動させて取付ブロック14を前端板5に突き当て、後端板6の開口部11から挿入した治具本体210の中央孔211の雌ねじ212に、シャフト3の雄ねじ15を締結していく。
これにより、図6に示されるように、治具本体210の先端が第1フランジ部材19の表面に密着する位置に治具200を配置する(ステップS3)。
【0028】
この状態で、図6に矢印で示されるように、治具本体210の外面の雄ねじ213に締結されているナット部材220を雄ねじ213に対して回転させて、第2フランジ部材20の表面に突き当たる位置まで移動させる(ステップS4)。これにより、シャフト3の両端に固定された取付ブロック14と治具200のナット部材220とによって、前端板5と第2フランジ部材20との間隔が広がることが阻止される。
【0029】
すなわち、この状態で、ケーシング2の前端板5と後端板6とによって受けられていた圧縮ばね18の圧縮力が、シャフト3によって連結された取付ブロック14と治具200のナット部材220とによって引き受けられる。
したがって、ケーシング本体4と前端板5とを固定しているボルト9を取り外しても、圧縮ばね18の圧縮力が開放されずに保持されるので、図7に示されるように、ボルト9を外してケーシング本体4を前端板5から取り外すことができる(ステップS5)。
【0030】
そして、図8に矢印で示されるように、治具本体210の雄ねじ213に対してナット部材220を回転させることにより、ナット部材220を治具本体210の後端側に徐々に移動させる(ステップS6)。
圧縮ばね18の圧縮力が完全に解放される位置までナット部材220を後退させることにより、ばねバランサ装置1を分解することができる。
【0031】
このように、本実施形態に係るばねバランサ装置1とその分解方法によれば、プレス機を用いることなく、簡易な冶具200により容易に分解することができるという利点を有する。
すなわち、プレス機が利用できない現場等において、ばねバランサ装置1を簡易に分解して廃棄、ばねバランサ装置1を構成するケーシング2あるいは圧縮ばね18等の部品の交換等の保守を容易に行うことができるという利点がある。
【0032】
また、本実施形態においては、後端板6に設けた開口部11を蓋体13によって閉塞しているので、ケーシング2内部を密閉して、塵埃やミストの進入を防止することができる。また、分解時には蓋体13を取り外して、分解作業を容易に行うことができる。
【0033】
また、本実施形態においては、治具本体210の雌ねじ212と雄ねじ213とを逆ねじの関係に構成したので、図8に示されるように、ナット部材220を回転させて圧縮ばね18の圧縮力を解放していく作業において、ナット部材220と治具本体210との間の摩擦によって治具本体210が回転しても、治具本体210の雌ねじ212とシャフト3の雄ねじ213との締結が緩むことを確実に防止することができるという利点がある。
【0034】
なお、本実施形態においては、単一の圧縮ばね18をケーシング2内に収容しているばねバランサ装置1を例示したが、図10に示されるように、複数条の圧縮ばね18,24を収容するばねバランサ装置1に適用してもよい。
【0035】
また、本実施形態においては、ケーシング本体4と後端板6とを一体的に構成し、ケーシング本体4と前端板5とをボルト9によって分離可能に固定している場合を例示したが、これに代えて、図11に示されるように、ケーシング本体4と前端板5とを一体的に構成し、ケーシング本体4と後端板6とをボルト25によって分離可能に固定してもよい。また、図12に示されるように、前端板5および後端板6の両方をケーシング本体4に対してボルト9,25によって分離可能に固定してもよい。
【0036】
また、治具200の雄ねじ213と雌ねじ212とを逆ねじの関係に構成したが、同一方向のねじでもよい。この場合には、平面部214を工具で抑えることにより、回転を阻止すればよい。
【符号の説明】
【0037】
1 ばねバランサ装置
2 ケーシング
3 シャフト
4 ケーシング本体(筒体)
5 前端板
6 後端板
10 周縁部(当接部)
11 開口部
13 蓋体
14 取付ブロック
15 雄ねじ(第1雄ねじ)
16 ナット部材(第1ナット部材)
17 フランジ
18,24 圧縮ばね
19 第1フランジ部材
20 第2フランジ部材
21 ボルト(締結具)
22 貫通孔
23 中央孔
200 冶具
213 雄ねじ(第2雄ねじ)
220 ナット部材(第2ナット部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12