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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-79160(P2020-79160A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20200501BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20200501BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   B65H37/04 Z
   B65H31/00 Z
   B65H37/04 D
   G03G15/00 431
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-213996(P2018-213996)
(22)【出願日】2018年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】横山 誠二
【テーマコード(参考)】
2H072
3F054
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA17
2H072AA24
2H072AA29
2H072FB01
2H072GA08
3F054AA01
3F054AB01
3F054AC01
3F054BA01
3F054BB01
3F054CA02
3F054CA21
3F054CA34
3F054DA01
3F054DA14
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA44
3F108HA54
(57)【要約】
【課題】 処理トレイにステイプル処理されない記録材が放置された状態であっても、処理トレイを使用する新たな記録材の搬送指示を実行できるようにする。
【解決手段】 本発明の画像形成システムは、画像形成手段と、処理トレイと、検知手段と、ステイプルユニットと、排出手段と、排出トレイと、指示手段と、第1のモードと、第2のモードを切り替え可能な制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記第1のモードによる記録材の搬送指示が出された場合、前記ステイプルユニットによって前記処理トレイに挿入された記録材に対して前記ステイプル処理を実行させることなく、前記排出手段によって前記処理トレイに挿入された記録材を前記排出トレイへ排出させる排出動作を実行させることを特徴とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された記録材が載置される処理トレイと、
前記処理トレイに載置された記録材を検知する検知手段と、
前記処理トレイに載置された記録材に対してステイプル処理を実行するステイプルユニットと、
前記ステイプルユニットによって前記ステイプル処理が実行された記録材を前記処理トレイから排出口を介して排出する排出手段と、
前記排出手段によって排出された記録材が載置される排出トレイと、
前記ステイプルユニットによる前記ステイプル処理の実行指示を出す指示手段と、
前記画像形成手段から搬送された記録材を、前記処理トレイを介して前記排出トレイへと排出する第1のモードと、装置本体の外部から前記排出口を介して前記処理トレイに挿入された記録材を前記検知手段により検知した状態で、前記指示手段からの前記実行指示を待機し、前記実行指示を受けて前記記録材に対して前記ステイプル処理を実行する第2のモードを切り替え可能な制御手段と、を有する画像形成システムにおいて、
前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記第1のモードによる記録材の搬送指示が出された場合、前記ステイプルユニットによって前記処理トレイに挿入された記録材に対して前記ステイプル処理を実行させることなく、前記排出手段によって前記処理トレイに挿入された記録材を前記排出トレイへ排出させる排出動作を実行させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記第1のモードによる前記記録材の搬送指示が出され、かつ、前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で所定時間が経過した場合、前記排出手段に前記排出動作を実行させ、
前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記第1のモードによる前記記録材の搬送指示が出され、かつ、前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記所定時間が経過していない場合、前記排出手段に前記排出動作を実行させないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記排出手段による前記排出動作を実行させた後、前記制御手段の動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに切り替えて、前記第1のモードによる前記記録材の搬送指示に応じて、前記画像形成手段から搬送された記録材を、前記処理トレイを介して前記排出トレイへと排出させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1のモードとは、前記画像形成手段から前記処理トレイに搬送された記録材に対して前記ステイプルユニットによって前記ステイプル処理を実行させ、前記排出手段によって前記ステイプル処理された記録材を前記排出トレイへ排出させるモードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された記録材が載置される処理トレイと、
前記処理トレイに載置された記録材を検知する検知手段と、
前記処理トレイに載置された記録材に対してステイプル処理を実行するステイプルユニットと、
前記ステイプルユニットによって前記ステイプル処理が実行された記録材を前記処理トレイから排出口を介して排出する排出手段と、
前記排出手段によって排出された記録材が載置される排出トレイと、
前記ステイプルユニットによる前記ステイプル処理の実行指示を出す指示手段と、
前記画像形成手段から搬送された記録材を、前記処理トレイを介して前記排出トレイへと排出する第1のモードと、装置本体の外部から前記排出口を介して前記処理トレイに挿入された記録材を前記検知手段により検知した状態で、前記指示手段からの前記実行指示を待機し、前記実行指示を受けて前記記録材に対して前記ステイプル処理を実行する第2のモードを切り替え可能な制御手段と、を有する画像形成システムにおいて、
前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で所定時間が経過した場合、前記ステイプルユニットによって前記処理トレイに挿入された記録材に対して前記ステイプル処理を実行させることなく、前記排出手段によって前記処理トレイに挿入された記録材を前記排出トレイへ排出させる排出動作を実行させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記制御手段の動作モードを前記第2のモードへと切り替える切り替え手段を有し、
前記切り替え手段により前記動作モードが前記第2のモードへと切り替わってから第2の所定時間が経過しても前記検知手段が前記処理トレイに載置された記録材を検知しない場合、前記制御手段は前記動作モードを前記第1のモードへと切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記排出手段は、前記処理トレイに載置された記録材と当接する当接位置と、前記処理トレイに載置された記録材から離間した離間位置の間で移動可能なローラであって、
前記制御手段の動作モードが前記第1のモードに切り替わった場合、前記制御手段は前記ローラを前記当接位置へと移動させ、前記動作モードが前記第2のモードに切り替わった場合、前記制御手段は前記ローラを前記離間位置へと移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記制御手段の動作モードが前記第2のモードに切り替わり、前記ローラが前記離間位置にある状態で、前記制御手段が前記ローラに前記排出動作を実行させる場合、前記制御手段は、前記離間位置にある前記ローラを前記当接位置に移動させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に対して画像形成を実行する画像形成装置と、画像形成装置から搬送された記録材に対してステイプル処理を実行する後処理装置を有する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の画像形成装置から排出された記録材を受け取り、後処理を実行する後処理装置の中には、受け取った記録材に対してステイプル処理を実行するものがある(以下、この機能を自動ステイプルと呼ぶ)。また、他の後処理装置の中には、ユーザによって装置本体の外部から挿入された記録材に対してステイプル処理を実行するものがある(以下、この機能をマニュアルステイプルと呼ぶ)。
【0003】
特許文献1には、自動ステイプルを行うステイプルユニットとマニュアルステイプルを行うステイプルユニットを別々に設けることなく、1つのステイプルユニットによって2つの機能を実現する後処理装置が記載されている。この後処理装置では、自動ステイプルを実行する処理トレイに対し、ユーザが後処理装置の排出口から記録材を挿入してマニュアルステイプルの実行ボタンを押すと、挿入された記録材に対してステイプル処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−206298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の後処理装置においては、ユーザが後処理装置の排出口から処理トレイに記録材を挿入したにも関わらず、マニュアルステイプルの実行ボタンを押さないまま放置した場合、自動ステイプルジョブ等を実行できない状態が継続する。その結果、ユーザビリティーが低下する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、処理トレイにステイプル処理されない記録材が放置された状態であっても、処理トレイを使用する新たな記録材の搬送指示を実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の画像形成システムは、記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された記録材が載置される処理トレイと、前記処理トレイに載置された記録材を検知する検知手段と、前記処理トレイに載置された記録材に対してステイプル処理を実行するステイプルユニットと、前記ステイプルユニットによって前記ステイプル処理が実行された記録材を前記処理トレイから排出口を介して排出する排出手段と、前記排出手段によって排出された記録材が載置される排出トレイと、前記ステイプルユニットによる前記ステイプル処理の実行指示を出す指示手段と、前記画像形成手段から搬送された記録材を、前記処理トレイを介して前記排出トレイへと排出する第1のモードと、装置本体の外部から前記排出口を介して前記処理トレイに挿入された記録材を前記検知手段により検知した状態で、前記指示手段からの前記実行指示を待機し、前記実行指示を受けて前記記録材に対して前記ステイプル処理を実行する第2のモードを切り替え可能な制御手段と、を有する画像形成システムにおいて、前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で前記第1のモードによる記録材の搬送指示が出された場合、前記ステイプルユニットによって前記処理トレイに挿入された記録材に対して前記ステイプル処理を実行させることなく、前記排出手段によって前記処理トレイに挿入された記録材を前記排出トレイへ排出させる排出動作を実行させることを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明の画像形成システムは、記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された記録材が載置される処理トレイと、前記処理トレイに載置された記録材を検知する検知手段と、前記処理トレイに載置された記録材に対してステイプル処理を実行するステイプルユニットと、前記ステイプルユニットによって前記ステイプル処理が実行された記録材を前記処理トレイから排出口を介して排出する排出手段と、前記排出手段によって排出された記録材が載置される排出トレイと、前記ステイプルユニットによる前記ステイプル処理の実行指示を出す指示手段と、前記画像形成手段から搬送された記録材を、前記処理トレイを介して前記排出トレイへと排出する第1のモードと、装置本体の外部から前記排出口を介して前記処理トレイに挿入された記録材を前記検知手段により検知した状態で、前記指示手段からの前記実行指示を待機し、前記実行指示を受けて前記記録材に対して前記ステイプル処理を実行する第2のモードを切り替え可能な制御手段と、を有する画像形成システムにおいて、前記制御手段は、前記第2のモードにおいて前記検知手段が前記処理トレイに挿入された記録材を検知してから、前記実行指示を待機している状態で所定時間が経過した場合、前記ステイプルユニットによって前記処理トレイに挿入された記録材に対して前記ステイプル処理を実行させることなく、前記排出手段によって前記処理トレイに挿入された記録材を前記排出トレイへ排出させる排出動作を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、処理トレイにステイプル処理されない記録材が放置された状態であっても、処理トレイを使用する新たな記録材の搬送指示を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成システムの構成を示す図
図2】後処理装置の俯瞰図
図3】画像形成システムの制御ブロック図
図4】後処理制御部の詳細図
図5】実施例1における後処理制御部の動作を示すフローチャート
図6】実施例2における後処理制御部の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施例1〕
本実施例では、マニュアルステイプル用の用紙束が処理トレイに挿入されてからの経過時間と、自動ステイプルジョブの保留状態という2つの条件に応じて、マニュアルステイプルモードを解除する構成について説明する。
【0012】
図1は、本実施例における画像形成装置101と後処理装置29を備えた画像形成システム1の構成を示す図である。画像形成装置101は、電子写真方式のカラーレーザービームプリンタである。画像形成装置101は、現像色の数だけ並置されたステーション毎に、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成された感光ドラム5Y、5M、5C、5Kを備えている。ここで、Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックを表し、以下、必要な場合を除き省略する。画像形成装置101は、帯電器7、レーザスキャナ10、現像器8、トナーカートリッジ11、中間転写ベルト12、一次転写ローラ6、二次転写ローラ9、定着器13を備えている。
【0013】
印刷動作が開始されると、感光ドラム5は、不図示の駆動モータによって反時計回り方向(図中、矢印方向)に回転する。帯電器7は、感光ドラム5を帯電させるために、帯電スリーブ7S(7YS、7MS、7CS、7KS)を有している。帯電スリーブ7Sによって帯電された感光ドラム5の表面は、レーザスキャナ10によって露光される。レーザスキャナ10は入力された画像データに基づいて感光ドラム5を露光し、感光ドラム5に静電潜像を形成する。現像器8は、感光ドラム5に形成された静電潜像を可視化するために、現像スリーブ8S(8YS、8MS、8CS、8CK)を有している。現像スリーブ8Sは感光ドラム5にトナーを供給することで、静電潜像をトナー像として可視化する。
【0014】
中間転写ベルト12は、駆動ローラ18aと従動ローラ18b、18cによって張設された無端状ベルトである。中間転写ベルト12は、感光ドラム5に当接しつつ、駆動ローラ18aによって時計回り方向(図中、矢印方向)に回転する。そして、中間転写ベルト12には、一次転写ローラ6によって、順次、トナー像が転写される(以下、一次転写という)。各色のトナー像が中間転写ベルト12に重なって転写されることにより、中間転写ベルト12にカラー画像が形成される。
【0015】
給紙カセット2又はマルチトレイ3には用紙P(記録材)が載置されている。給紙ローラ4は給紙カセット2又はマルチトレイ3から搬送路25へ用紙Pを給紙する。搬送路25へ給紙された用紙Pは、搬送ローラ24によってレジストレーションセンサ19へ向けて搬送される。レジストレーションセンサ19が用紙Pの先端を検知すると、用紙Pは更に一定量だけ搬送され、停止しているレジストレーションローラ23に対して突き当てられる。これにより用紙Pには撓み(ループともいう)が形成される。レジストレーションローラ23は中間転写ベルト12に形成されたトナー像とタイミングが合うように、停止している用紙Pを二次転写ローラ9へ向けて再搬送する。用紙Pは、中間転写ベルト12と二次転写ローラ9により狭持搬送され、中間転写ベルト12に形成されたトナー像が一括して用紙Pに転写される(以下、二次転写という)。二次転写を行う場合、二次転写ローラ9は実線で示す位置に移動して中間転写ベルト12に当接するが、二次転写を行わない場合、二次転写ローラ9は点線で示す位置に移動して中間転写ベルト12から離間する。
【0016】
定着器13は、用紙Pを搬送しつつ、転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着器13は、用紙Pを加熱する定着ローラ14と、用紙Pを定着ローラ14に圧接させる加圧ローラ15を有している。定着ローラ14と加圧ローラ15は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ16、17が配置されている。クリーニング装置21は、中間転写ベルト12に残ったトナーをクリーニングする。クリーニングされたトナーは、クリーニング装置21が有するクリーナ容器に蓄えられる。
【0017】
後処理装置29は、画像形成装置101から排紙された用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pに対して後処理を実行する。例えば、受け取った用紙Pを複数の排紙トレイ30、31(排出トレイ)へ仕分けする機能や、ステイプル処理(綴じ処理)を実行して複数枚の用紙Pをまとめる機能などを備えている。用紙Pを排紙トレイ30、31へ仕分けする際は、排紙トレイ30、31の昇降を行うためのモータ(不図示)により、排紙トレイ30、31を上下に移動させる。
【0018】
ステイプル処理に関する構成について詳細に説明する。ステイプルユニット33は、ステイプルトレイ32(処理トレイ)に積載された複数枚の用紙Pに対してステイプル処理を実行する。さらにステイプルユニット33はステイプルカートリッジ34を備えている。ステイプルカートリッジ34にはステイプル処理に使用する針がまとめられている。
【0019】
画像形成装置101から排紙された用紙Pに対してステイプル処理を実行する場合について説明する。画像形成装置101から後処理装置29に搬送された用紙Pの後端が搬送ローラ対35を通過し、排紙ローラ対36に到達した時点で、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を逆回転させ、用紙Pをステイプルトレイ32へと引き込み積載する。予め指定された枚数の用紙Pがステイプルトレイ32に積載された後、ステイプルユニット33によりステイプル処理が実行される。ステイプル処理された用紙Pの束は、装置本体42に形成された排紙口41(排出口)を介して、排紙ローラ対36によって排紙トレイ30又は排紙トレイ31へ排紙される。以下、この機能を自動ステイプルと呼ぶ。
【0020】
続いて、図1図2を用いて、ユーザによって装置本体42の外部から挿入された用紙束に対してステイプル処理を行う場合について説明する。以下、この機能をマニュアルステイプルと呼ぶ。
【0021】
図2は、本実施例における後処理装置29の俯瞰図である。後処理装置29には、マニュアルステイプルモード移行ボタン201とマニュアルステイプル実行ボタン202が設置されている(以下、それぞれ移行ボタン201、実行ボタン202と表記する)。また、後処理装置29はステイプルトレイ32に挿入された用紙束203を検知する用紙検知センサ204を備えている。本実施例の後処理装置29は、ユーザが用紙束203を排紙口41からステイプルトレイ32へ挿入することで、マニュアルステイプルが実行される構成となっている。ここで、排紙口41とは、自動ステイプルにおいてステイプル処理された用紙束が排紙トレイ30又は31へ排紙される際に通過する開口である。
【0022】
マニュアルステイプルを実行する場合、後処理装置29は、ユーザによる移行ボタン201の押下により、図1の排紙ローラ対36と引き込みローラ37を点線の位置へ移動させる。これにより、ユーザが用紙束203を挿入する際の妨げとならないようにしている。装置本体42の外部から排紙口41を介して挿入された用紙束203は、用紙検知センサ204によって検知される。用紙検知センサ204が用紙束203を検知すると、後処理装置29はマニュアルステイプル実行待ち状態になる。そして、ユーザにより実行ボタン202が押されると、ステイプル処理の実行指示が出され、後処理装置29はステイプルユニット33によるステイプル処理を行う。マニュアルステイプル処理終了後、後処理装置29は、図1の排紙ローラ対36と引き込みローラ37を実線の位置へ移動させ正回転させることで、用紙束203を排紙トレイ30又は31へ排紙させる。このように排紙ローラ対36と引き込みローラ37は、実線の位置と点線の位置の間で移動可能な構成である。
【0023】
図3は、画像形成装置101と後処理装置29のシステム構成を説明するためのブロック図である。コントローラ301は、ホストコンピュータ等の外部機器300と通信を行って印刷データを受信する。また、コントローラ301は画像形成装置101と後処理装置29を統括して制御しており、エンジン制御部302は画像形成装置101を制御し、後処理制御部303は後処理装置29を制御している。304はコントローラ301からエンジン制御部302へ、305はコントローラ301から後処理制御部303へコマンド信号を送信するシリアル信号線である。306はコマンド信号に応えてエンジン制御部302からコントローラ301へ、307は後処理制御部303からコントローラ301へステータスデータを送信するシリアル信号線である。コントローラ301は、エンジン制御部302、後処理制御部303に対し、コマンド信号を送信するとともに、エンジン制御部302、後処理制御部303からのステータスデータを受信することで制御を行っている。このように、複数の装置が接続され動作する場合は、コントローラ301が各装置の制御や状態を一元管理し、各装置間の動作の整合性を保つ。なお、コントローラ301とエンジン制御部302は画像形成装置101に設けられており、後処理制御部303は後処理装置29に設けられている。
【0024】
後処理制御部303は、コントローラ301からのコマンド信号に応じて用紙搬送を行う。また、後処理制御部303は自動ステイプルとマニュアルステイプルを切り替えて制御可能である。さらに自動ステイプルを行う場合、後処理制御部303は画像形成装置101から排紙された用紙Pの束に対して、ステイプルユニット33を制御しステイプル処理を行う。また、マニュアルステイプルを行う場合、後処理制御部303は、移行ボタン201、実行ボタン202、用紙検知センサ204の入力信号に基づいて、ステイプルユニット33を制御しステイプル処理を行う。また、後処理制御部303は、時間計測部308と解除判断部309を備えている。時間計測部308は、用紙検知センサ204が用紙Pを検知してから経過した時間を計測し、解除判断部309は、マニュアルステイプルモードを解除するか否かを判断する。
【0025】
図4は、本実施例における後処理制御部303の詳細図である。後処理制御部303はCPU400を有しており、シリアル通信手段427を介してコントローラ301と通信する。シリアル通信手段427はCPU400とコントローラ301を、シリアル信号線305、307を含む複数の信号線で接続する。外部機器300を通じて印刷データ428がコントローラ301に通知されると、コントローラ301はシリアル通信手段427を介して保留中動作有無信号424等の信号をCPU400に通知する。また、CPU400はシリアル通信手段427を介してモード移行信号426等の信号をコントローラ301に通知する。それぞれの信号について詳しくは後述する。
【0026】
CPU400の出力端子にはモータドライバ410、411が接続される。モータドライバ410は排紙モータ401を駆動する。排紙モータ401が正回転、または、逆回転することにより、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を正回転、または、逆回転させることができる。排紙ローラ対36と引き込みローラ37が正回転することで、用紙Pを排紙トレイ30、または、31へ排紙することができ、排紙ローラ対36と引き込みローラ37が逆回転することで、用紙Pをステイプルトレイ32へと引き込むことができる。モータドライバ411は離間モータ402を駆動する。離間モータ402が正回転、または、逆回転することにより、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を当接位置、または、離間位置へと移動させることができる。当接位置とは、排紙ローラ対36と引き込みローラ37がステイプルトレイ32に載置されている用紙Pと当接する位置であり、離間位置とは、排紙ローラ対36と引き込みローラ37がステイプルトレイ32に載置されている用紙Pから離間する位置である。用紙検知センサ204は、プルアップ413を使用し、バッファ414を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。移行ボタン201、実行ボタン202は、ボタンの押下状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400へ入力する。また、CPU400の出力端子にはステイプルユニット33のステイプルモータ駆動信号415が、入力端子にはステイプルユニット33のホームポジションセンサ信号416が接続される。ここで、ホームポジションセンサ信号416とは、ステイプラがホームポジションに位置しているか否かを示す信号である。ステイプル動作を行う際、CPU400は、ステイプルモータ駆動信号415を介してステイプルユニット33内のステイプルモータを駆動してステイプル処理を行う。そして、CPU400は、ホームポジションセンサ信号416の入力値に応じて、ステイプルモータ駆動信号415を介してステイプルモータを停止させる。
【0027】
図5は本実施例におけるマニュアルステイプル実行時の後処理制御部303の動作を示すフローチャートである。図5に基づく制御は、主に後処理制御部303に搭載されたCPU400が不図示のROM等に記憶されているプログラムに基づいて実行する。
【0028】
本フローチャートは、ユーザにより移行ボタン201が押下されることにより開始される。フローチャートが開始されると、まず後処理制御部303は動作モードをマニュアルステイプルモードへ切り替える。そして、後処理制御部303は、動作モードがマニュアルステイプルモードに移行したことを通知するために、シリアル通信手段427を介してモード移行信号426をコントローラ301へ送信する(S501)。コントローラ301は、後処理制御部303がマニュアルステイプルモードに移行している状態で、外部機器300から新たな印刷指示が通知された場合、その印刷指示に対応する印刷データ428の処理を保留し、印刷データ428を内部のROM等に記憶する。そして、コントローラ301は、処理を保留している印刷データ428が有ることを通知するために、保留中動作有無信号424を後処理制御部303へ送信する。なお、ここでの印刷指示は、ステイプルトレイ32を用いた自動ステイプルジョブであるとする。続いて、後処理制御部303はタイマカウンタTのカウント値を0秒にリセットして、マニュアルステイプルモードに移行してからの経過時間の計測を開始する(S502)。そして、後処理制御部303は排紙ローラ対36と引き込みローラ37をそれぞれ離間位置に移動させ(S503)、ユーザによる排紙口41からの用紙束の挿入に備える。
【0029】
S504において、用紙検知センサ204によりユーザによる用紙束の挿入を検知した場合、後処理制御部303は、タイマカウンタTのカウント値を0秒にリセットして用紙束の挿入からの経過時間の計測を開始する(S505)。そして、後処理制御部303はユーザによる実行ボタン202の押下を待機する(S506)。S506において、ユーザにより実行ボタン202が押下された場合、後処理制御部303は、ステイプルユニット33によりステイプル処理を実行させる(S507)。そして、後処理制御部303は、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を当接位置に移動させ(S508)、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を正回転させることで、マニュアルステイプル処理済の用紙束を排紙トレイ30又は31へ排紙する(S509)。後処理制御部303はマニュアルステイプルモードを解除し、マニュアルステイプルモードが解除されたことを通知するために、モード移行信号426をコントローラ301へ送信する(S510)。マニュアルステイプルモード解除後、コントローラ301は、保留している印刷データ428がある場合には、エンジン制御部302と後処理制御部303を制御して印刷動作を開始する。
【0030】
S504において、用紙検知センサ204によりユーザによる用紙束の挿入を検知していない場合、解除判断部309は、時間計測部308のタイマカウンタTのカウント値を参照する。そして、解除判断部309は、マニュアルステイプルモードへ移行してからの経過時間が所定時間に到達したか否かを判断する(S511)。経過時間が所定時間に到達していない場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除しない。後処理制御部303はS504の用紙束挿入の検知処理へ戻る。一方、経過時間が所定時間に到達している場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除する。後処理制御部303は排紙ローラ対36と引き込みローラ37を当接位置に移動させ(S512)、マニュアルステイプルモードを解除する。そして、後処理制御部303はモード移行信号426をコントローラ301へ送信する(S510)。
【0031】
S506において、ユーザにより実行ボタン202が押下されていない場合、解除判断部309は、時間計測部308のタイマカウンタTのカウント値を参照する。そして、解除判断部309は、用紙束挿入からの経過時間が所定時間に到達したか否かを判断する(S513)。なお、S513における所定時間とS511における所定時間は、同じ長さの時間であってもよいし、異なる長さの時間であってもよい。経過時間が所定時間に到達していない場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除しない。後処理制御部303はS506の実行ボタン202の押下の待機処理へ戻る。経過時間が所定時間に到達している場合、後処理制御部303は、保留中動作有無信号424の受信状況に基づいて、保留中の印刷データ428があるか否かを判断する(S514)。そして、保留中の印刷データ428がない場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除しない。後処理制御部303はS506の実行ボタン202の押下の待機処理へ戻る。一方、S514において、保留中の印刷データ428がある場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除する。後処理制御部303は、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を当接位置へ移動させる(S508)。そして、後処理制御部303は、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を正回転させることで、ステイプル処理が施されていない用紙束を排紙トレイ30又は31へ排紙させる(排出動作)(S509)。後処理制御部303はマニュアルステイプルモードを解除し、マニュアルステイプルモードが解除されたことを通知するために、モード移行信号426をコントローラ301へ送信する(S510)。コントローラ301は、マニュアルステイプルモードが解除されたので、保留していた印刷データ428の処理を開始して、印刷動作を開始する。
【0032】
以上、説明したように本実施例によれば、ユーザが用紙束を挿入してからの経過時間を計測することで、所定時間が経過後に保留中の印刷データがある場合にマニュアルステイプルモードを解除することができる。そのため、処理トレイにマニュアルステイプルのための用紙束が挿入されたまま放置された場合であっても、印刷動作の実行が可能となり、ユーザビリティーを向上させることができる。
【0033】
なお、本実施例では、マニュアルステイプル用の用紙束が処理トレイに挿入されてからの経過時間と、自動ステイプルジョブの保留状態という2つの条件に応じて、マニュアルステイプルモードを解除する構成について説明した。しかし、これに限定されない。経過時間の条件を省略し、自動ステイプルジョブの保留状態のみに応じてマニュアルステイプルモードを解除してもよい。この場合、マニュアルステイプル用の用紙束が処理トレイに挿入されてからの経過時間が所定時間に到達していなくても、保留中の印刷データの有無によってマニュアルステイプルモードを解除できる。
【0034】
また、本実施例において、新たな印刷指示はステイプルトレイ32を用いた自動ステイプルジョブであるとしたが、これに限定されない。画像形成装置101単体では完結せず、後処理装置29を用いる印刷指示であればよい。図1に記載した通り、本実施例の構成では、排紙トレイ30、31に用紙Pを排紙する途中でステイプルトレイ32を通過することになるため、例えば、印刷された用紙Pを排紙トレイ30、31に積載していくスタック処理を実行する印刷指示(搬送指示)であってもよい。
【0035】
〔実施例2〕
実施例1では、マニュアルステイプル用の用紙束が処理トレイに挿入されてからの経過時間と、自動ステイプルジョブの保留状態という2つの条件に応じて、マニュアルステイプルモードを解除する構成について説明した。本実施例では、マニュアルステイプル用の用紙束が挿入されてからの経過時間のみに応じて、マニュアルステイプルモードを解除する構成について説明する。主な部分の説明は実施例1と同様であり、ここでは実施例1と異なる部分のみを説明する。
【0036】
図6は本実施例におけるマニュアルステイプル実行時の後処理制御部303の動作を示すフローチャートである。図6に基づく制御は、後処理制御部303に搭載されたCPU400のROM等(不図示)に記憶されているプログラムに基づいて実行する。
【0037】
実施例1で説明した図5と異なる部分は、解除判断部309がマニュアルステイプルモードを解除する判断条件であるS601の動作と、保留中の印刷指示の有無を確認するS514の工程を設けていないところである。本実施例において解除判断部309は、判断条件に時間計測部308の計測時間のみを使用し、保留中の印刷指示の有無を用いないため、S514の工程は不要となる。なお、図6のフローチャートにおいては、図5と差異のあるS601の処理についてのみ説明し、その他の処理に関しては説明を省略する。
【0038】
S601において、解除判断部309は、時間計測部308のタイマカウンタTのカウント値を参照し、用紙束挿入からの経過時間が所定時間に到達したか否かを判断する。経過時間が所定時間に到達していない場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除しない。後処理制御部303はS506の実行ボタン202の押下の待機処理へ戻る。経過時間が所定時間に到達している場合、解除判断部309はマニュアルステイプルモードを解除する。後処理制御部303は、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を当接位置へ移動させる(S508)。そして、後処理制御部303は、排紙ローラ対36と引き込みローラ37を正回転させることで、ステイプル処理が施されていない用紙束を排紙トレイ30又は31へ排紙させる(S509)。後処理制御部303はマニュアルステイプルモードを解除し、マニュアルステイプルモードが解除されたことを通知するために、モード移行信号426をコントローラ301へ送信する(S510)。コントローラ301は、保留していた印刷指示がある場合には、印刷動作を開始する。
【0039】
以上、説明したように本実施例によれば、ユーザが用紙束を挿入してからの経過時間を計測することで、所定時間の経過後にマニュアルステイプルモードを解除することができる。また、実施例1と異なり、コントローラ301と後処理制御部303との間でシリアル通信手段427を介した情報の伝達が不要であるため、後処理制御部303単独でマニュアルステイプルモードの解除を行うことができる。
【0040】
なお、上記の実施例1及び2において、移行ボタン201や実行ボタン202は後処理装置29に設けられていなくてもよく、画像形成装置101に設けられていてもよい。また、移行ボタン201や実行ボタン202は図2に記載されたような物理的なボタンである必要はなく、ディスプレイなどに表示させた仮想的なボタンであってもよい。
【0041】
また、上記の実施例1及び2において、移行ボタン201のように後処理装置29の動作モードを切り替える手段を後処理装置29に設ける必要はなく、例えば、外部機器300から後処理装置29の動作モードを切り替えることができる構成であってもよい。
【0042】
また、上記の実施例1及び2においては、レーザビームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は複写機でもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成システム
29 後処理装置
30、31 排紙トレイ
32 ステイプルトレイ
33 ステイプルユニット
36 排紙ローラ対
101 画像形成装置
202 マニュアルステイプル実行ボタン
204 用紙検知センサ
301 コントローラ
303 後処理制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6