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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-80227(P2020-80227A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】センサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20200501BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20200501BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20200501BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   H01H36/00 B
   H05K5/00 B
   H05K5/02 T
   H01H11/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-212387(P2018-212387)
(22)【出願日】2018年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】中山 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】後 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】桂 浩人
(72)【発明者】
【氏名】上原 尚美
(72)【発明者】
【氏名】中村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】今泉 豊博
【テーマコード(参考)】
4E360
5G023
5G046
【Fターム(参考)】
4E360AA03
4E360AB12
4E360AB31
4E360BD05
4E360CA02
4E360ED22
4E360EE08
4E360EE15
4E360GA23
4E360GB99
4E360GC08
5G023CA41
5G023CA43
5G046AA11
5G046AB01
5G046AC03
5G046AC10
5G046AD05
5G046AD16
5G046AE21
(57)【要約】
【課題】筐体とクランプとの間からの封止樹脂の漏れを防止できるセンサを提供する。
【解決手段】一端に開口部11が形成された筒形状の筐体10と、筐体10に収容された電子部品と、一端が開口部11から筐体10内部に挿入された筒形状のクランプ20と、筐体10の内壁10aとクランプ20の外壁20aとの隙間を封止する封止樹脂51と、を備え、クランプ20は、筐体10の内壁10aに向かって隆起するリブ部24を外壁20aに有し、リブ部24は、頂部25と、頂部25からクランプ20の他端側に延在しクランプ20の外壁20aと交わる斜面26bとを含み、筐体10の内壁10aと頂部25との間からにじみ出て斜面26b上に位置する封止樹脂51は、表面張力による凹み51aを有している、センサ1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部が形成された筒形状の筐体と、
前記筐体に収容された電子部品と、
一端が前記開口部から前記筐体の内部に挿入された筒形状のクランプと、
前記筐体の内壁と前記クランプの外壁との隙間を封止する封止樹脂と、を備え、
前記クランプは、前記筐体の内壁に向かって隆起するリブ部を外壁に有し、
前記リブ部は、頂部と、前記頂部から前記クランプの他端側に延在し前記クランプの外壁と交わる斜面とを含み、
前記筐体の内壁と前記頂部との間からにじみ出て前記斜面上に位置する前記封止樹脂は、表面張力による凹みを有している、センサ。
【請求項2】
前記リブ部は、前記クランプの外周方向に沿って連続して形成されている、
請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記リブ部は、前記クランプの軸方向に複数並んで形成されている、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項4】
凝固することにより前記封止樹脂を形成する液体状態の封止樹脂の粘度は、96mPa・s以上であり、
前記斜面は、前記クランプの外壁と140°以上の角度で交わる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記センサは、近接センサである、
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
一端に開口部が形成された筒形状の筐体に電子部品を挿入する工程と、
筒形状のクランプの一端を前記開口部から前記筐体の内部に挿入する工程と、
封止樹脂により前記筐体の内壁と前記クランプの外壁との隙間を封止する工程と、を含むセンサの製造方法であって、
前記クランプは、前記筐体の内壁に向かって隆起するリブ部を外壁に有し、
前記リブ部は、頂部と、前記頂部から前記クランプの他端側に延在し前記クランプの外壁と交わる斜面とを含み、
前記筐体の内壁と前記頂部との間からにじみ出て前記斜面上に位置する封止樹脂は、表面張力による凹みを有している、センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、検出領域内における物体の有無を検出するために近接センサや光電センサ等の各種センサが用いられている。例えば、近接センサは、磁界を発生させるコイルを備えており、コイルに接近した物体に発生する誘導電流によるコイルのインピーダンスの変化を測定することで物体の有無を検出する。また、光電センサは、投光部から検出領域内に光を出射し、物体を透過又は反射した光を受光部により分析することで物体の有無を検出する。これらのセンサは、開口部が設けれられた筐体内部にコイル等の電子部品を収容した後、電子部品を保護するクランプの一部を開口部に挿入し製造されることがある。
【0003】
また、筐体の内部には、筐体とクランプとの隙間を封止するために封止樹脂が設けられる場合がある。このとき、充填された封止樹脂が筐体の内壁とクランプの外壁との隙間からセンサ外部に漏れ出すおそれがある。そこで、クランプの外壁に筐体の内壁と当接するリブ部を形成し、当該クランプを筐体内部に圧入することにより封止樹脂の漏れを防止している。特許文献1には、外壁に帯状突起(リブ部に相当)が設けられたクランプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−092105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の方法では、リブ部の高さが規定の寸法より若干小さい等の理由から筐体とリブ部との間からにじみ出た封止樹脂がセンサの外部へと漏れ出てしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、筐体とクランプとの間からの封止樹脂の漏れを防止できるセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るセンサは、一端に開口部が形成された筒形状の筐体と、筐体に収容された電子部品と、一端が開口部から筐体内部に挿入された筒形状のクランプと、筐体の内壁とクランプの外壁との隙間を封止する封止樹脂と、を備え、クランプは、筐体の内壁に向かって隆起するリブ部を外壁に有し、リブ部は、頂部と、頂部からクランプの他端側に延在しクランプの外壁と交わる斜面とを含み、筐体の内壁と頂部との間からにじみ出て斜面上に位置する封止樹脂は、表面張力による凹みを有している。
【0008】
この態様によれば、筐体の内壁とリブ部との間から封止樹脂がにじみ出た場合であっても、封止樹脂の流れは、表面張力により筐体の内壁とリブ部の斜面との間で停止する。すなわち、筐体とクランプとの間からセンサ外部へ封止樹脂が漏れ出ることを防止できる。
【0009】
上記態様において、リブ部は、クランプの外周方向に沿って連続して形成されてもよい。
【0010】
この態様によれば、クランプの外壁全周にわたって封止樹脂の漏れを防止できる。
【0011】
上記態様において、リブ部は、前記クランプの軸方向に複数並んで形成されてもよい。
【0012】
この態様によれば、リブ部が一つのみ形成されている場合と比較してより高い精度で封止樹脂の漏れを防止することができる。
【0013】
上記態様において、凝固することにより封止樹脂を形成する液体状態の封止樹脂の粘度は、96mPa・s以上であり、斜面は、クランプの外壁と140°以上の角度で交わってもよい。
【0014】
この態様によれば、液体樹脂の粘度が96mPa・s以下、又は、斜面がクランプの外壁と140°以下の角度で交わる場合と比較してより高い精度で封止樹脂の漏れを防止できる。
【0015】
上記態様において、センサは、近接センサであってもよい。
【0016】
この態様によれば、検出対象の有無を非接触で検出することができる。
【0017】
本実施形態の他の態様に係るセンサの製造方法は、一端に開口部が形成された筒形状の筐体に電子部品を挿入する工程と、筒形状のクランプの一端を開口部から筐体内部に挿入する工程と、筐体内部に封止樹脂を注入し、筐体の内壁とクランプの外壁との隙間を封止する工程と、を含むセンサの製造方法であって、クランプは、筐体の内壁に向かって隆起するリブ部を外壁に有し、リブ部は、頂部と、頂部からクランプの他端側に延在しクランプの外壁と交わる斜面とを含み、筐体の内壁と頂部との間からにじみ出て、斜面上に位置する封止樹脂は、表面張力による凹みを有している。
【0018】
この態様によれば、筐体の内壁とリブ部との間から封止樹脂がにじみ出た場合であっても、封止樹脂の流れは、表面張力により筐体の内壁とリブ部の斜面との間で停止する。すなわち、筐体とクランプとの間からセンサ外部へ封止樹脂が漏れ出ることを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、筐体とクランプとの間からの封止樹脂の漏れを防止できるセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るセンサの分解斜視図である。
図2図1に示すセンサのII−II線における断面図である。
図3図2に示すセンサの内部に封止樹脂が設けられた状態の図である。
図4】センサの内部に封止樹脂を設ける工程を示す図である。
図5図3に示す破線領域Aの拡大図であり、リブ部の形状の一例を示す図である。
図6】リブ部の形状の他の例を示す図である。
図7】第2樹脂の粘度と斜面の角度との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0022】
図1及び図2を参照して、センサ1の内部構造について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るセンサ1の分解斜視図である。図2は、図1に示すセンサ1を組み立てた状態におけるII−II線の断面図である。本明細書においては、本発明を近接センサに適用した場合を例に説明するが、本発明は近接センサに限られず、光電センサ等の各種センサに適用可能である。
【0023】
本実施形態に係るセンサ1は、筐体10、クランプ20、基板30、ケーブル素線34、ケーブル35、リング部品36、検出部40及びシールド45を備える。筐体10は、筒形状に形成されており、内部に基板30等の電子部品が収容される。筐体10は、一端に開口部11を有しており、この開口部11から基板30等の電子部品が差し込まれる。筐体10は、金属や樹脂等で形成されてもよい。センサ1は、その外形が円柱形状となっているが、筐体10やクランプ20の外周が多角形である角柱形状であってもよい。
【0024】
クランプ20は、その端部が筐体10の開口部11に接続され、筐体10に収容された基板30等の電子部品を保護する。図1の矢印で示すように、センサ1の軸方向に沿って、クランプ20から筐体10に向かう方向を前方とし、筐体10からクランプ20に向かう方向を後方とすると、図2に示すように、クランプ20の前方部分21が開口部11から筐体10内部に挿入される。基板30はその多くの領域が筐体10内に収容されているが、基板30における後方の領域はクランプ20内に収容されている。また、クランプ20には、ケーブル素線34、リング部品36及びケーブル35の一部が収容されている。
【0025】
クランプ20は、樹脂や金属等で形成することができるが、可視光を透過する透明な材料により形成し、センサ1の内部に位置する表示灯32を外部から視認可能とすることが好ましい。
【0026】
図2に示すように、クランプ20のうち前方部分21の外壁には、筐体10の内壁に向かって隆起するリブ部24が設けられている。リブ部24は、センサ1内部に封止樹脂が設けられる際、筐体10とクランプ20との間からセンサ1外部に封止樹脂が漏れ出ることを防止する。本実施形態において、リブ部24は、クランプ20の外周方向に沿って連続して形成されている。また、リブ部24は、クランプ20の軸方向に沿って二つ並んで形成されている。なお、リブ部24の個数はこれに限定されず、一つ又は三つ以上であってよい。リブ部24の詳細については、図5を用いて後述する。
【0027】
基板30は、検出部40を制御する制御回路(不図示)及び検出部40に電流を供給する電流供給回路(不図示)を搭載する基板であり、筐体10に一部が収容される。基板30の前方側の端部には、図2に示すように検出部40が取り付けられている。検出部40は、検出対象の有無を非接触で検出する。検出部40は、コイル42が収容されるコア41と、環状に巻かれたコイル42とを備える。一方、基板30の後方側の端部には、ランド31が設けられており、ケーブル素線34と電気的に接続される。ここで、センサ1による検出対象の検出方法を説明する。まず、基板30に搭載された電流供給回路からコイル42に励磁電流が供給される。コイル42は、供給された励磁電流に基づいて磁場を発生させる。この状態でコイル42に金属等の検出対象が接近すると、電磁誘導の法則により検出対象内部に渦電流が発生する。この渦電流は磁場を発生させるため、コイル42を貫く磁束、ひいてはコイル42のインピーダンスが変化する。検出部40に接続された制御回路は、コイル42のインピーダンスの変化を測定し、検出対象の有無を検出する。
【0028】
基板30には、センサ1の動作状態を表示する表示灯32が搭載されている。表示灯32は、例えば、LED等であってよい。本実施形態において、表示灯32は、センサ1の電源がオンになっている場合や、センサ1が検出対象を検出した場合に点灯する。
【0029】
ケーブル35は、複数のケーブル素線34に保護被覆を施したものである。ケーブル素線34は、基板30のランド31と電気的に接続される。ケーブル素線34は、外部電源からの電力を基板30に搭載された回路へ供給してもよい。また、ケーブル素線34は、基板30に搭載された制御回路からの出力信号をアンプ等の外部機器へ伝達してもよい。
【0030】
リング部品36は、ケーブル35の外周に設けられ、ケーブル35の破損を防止する。詳しくは、リング部品36は、ケーブル35における保護被覆の端部を覆う位置に射出成形等により形成される。また、リング部品36は、筐体10の内部に設けられる封止樹脂と密着し、ケーブル35をクランプ20に固定する。
【0031】
ケーブル35とクランプ20との間であって、且つ、リング部品36より後方の領域には、ケーブル35を取り囲むように封止リング38が設けられている。封止リング38は、クランプ20の内壁とケーブル35の外周との隙間を封止する。封止リング38は、センサ1の外部から液体や粉塵が浸入することを防止する。また、封止リング38は、センサ1の内部に設けられる封止樹脂が外部へ漏れ出ることを防止する。
【0032】
シールド45は、外部からのノイズを除去する。シールド45は、検出部40及び基板30の一部を囲むように設けられており、検出部40及び基板30へとノイズが到達することを防止する。シールド45は、例えば、金属膜で形成されてもよいし、銅箔とポリイミド樹脂との積層部材で形成されてもよい。
【0033】
図3は、図2に示すセンサ1の内部に封止樹脂(第1樹脂50及び第2樹脂51)が設けられた状態の図である。また、図4は、センサ1の内部に封止樹脂を設ける工程を示す図である。
【0034】
封止樹脂のうち第1樹脂50は、図3に示すように筐体10内部の前方領域に設けられ、検出部40や基板30の一部を覆っている。第1樹脂50は、基板30を筐体10に固定し基板30の位置ずれを防止する。第2樹脂51は、筐体10内部の後方領域及びクランプ20内部に設けられている。第2樹脂51は、破線領域Aで示す筐体10とクランプ20との隙間を封止している。また、第1樹脂50と第2樹脂51との間には樹脂が存在しない空隙が設けられている。
【0035】
図4を参照して第1樹脂50及び第2樹脂51を筐体10内部に設ける工程を説明する。まず、図4(a)に示すように、筐体10を前面12が下側に位置するように配置し、開口部11から液体状態の第1樹脂50を筐体10内部へと注ぎ込む。その後、検出部40及びシールド45が取り付けられた基板30が、筐体10の内部へと挿入される。この状態で、第1樹脂50を凝固させ、基板30を筐体10に固定する。
【0036】
次に、図4(b)に示すように、ケーブル素線34を基板30のランドに接続する。ケーブル素線34とランドとの接続は、ハンダ付けにより行われてもよい。その後、図4(c)に示すように、開口部11から第2樹脂51を筐体10の内部に注ぎ込む。
【0037】
次に、図4(d)に示すように、クランプ20を筐体10の開口部11に挿入する。第2樹脂51が凝固する前に、図4(e)に示すように、センサ1全体を上下反転させる。すると、第2樹脂51が重力の影響によりクランプ20側に移動し、第1樹脂50及び第2樹脂51との間に空隙が設けられる。この状態で、第2樹脂51を凝固させる。以上の方法により、封止樹脂が筐体10内部に設けられる。なお、上述の方法に限られず、筐体10又はクランプ20に微小な孔を設け、当該孔からセンサ1内部に封止樹脂を充填する方法等により、封止樹脂がセンサ1内部に設けられてもよい。
【0038】
上述したように第2樹脂51は液体状態でセンサ1内部へと注ぎ込まれる。そのため、筐体10に注ぎ込まれた第2樹脂51は、筐体10とクランプ20との隙間へと浸入することがある。図3に示すように、クランプ20の外壁にはリブ部24が設けられている。リブ部24は、第2樹脂51の流れを妨げ、筐体10の内壁とクランプ20の外壁との隙間から第2樹脂51がセンサ1の外部へと漏れ出ることを防止している。ここで、リブ部24について図5及び図6を用いて説明する。
【0039】
図5は、図3に示す破線領域Aの拡大図であり、リブ部24の形状の一例を示す図である。図6は、リブ部24の形状の他の例を示す図である。
【0040】
図5に示すようにクランプ20の外壁20aには、筐体10の内壁10aに向かって隆起するリブ部24が形成されている。リブ部24は、頂部25と二つの斜面26a、bとを有している。頂部25は、斜面26aと斜面26bとを接続する接続面である。斜面26aは、頂部25からセンサ1の前方側へと下る斜面であり、斜面26bは、頂部25からセンサ1の後方側へと下る斜面である。なお、本実施形態において、リブ部24は二つ形成されているが、どちらも同様の構成を有するため、センサ1の前方寄りに位置するリブ部24を例に説明を行う。
【0041】
図5に示すように、斜面26bは、クランプ20の外壁20aと角度αで交わっている。角度αの大きさは、筐体10の内壁10aと頂部25との間からにじみ出た第2樹脂51の流れが表面張力により筐体10の内壁10aと斜面26bとの間で停止するように調整されている。角度αの大きさは、液体状態における第2樹脂51の粘度に基づいて定まる。角度αの大きさと第2樹脂51の粘度との関係については図7を用いて説明する。
【0042】
センサ1内部に注ぎ込まれた液体状態の第2樹脂51は、筐体10の内壁10aとクランプ20の外壁20aとの隙間に浸入し、隙間内を図5に示す矢印方向に移動する。具体的には、第2樹脂51は斜面26aから頂部25に向かって移動する。上述したように第2樹脂51は、筐体10の内壁10aと頂部25との間からにじみ出た場合であっても、表面張力により筐体10の内壁10aと斜面26bとの間で流れが停止する。にじみ出た第2樹脂51の形状は、第2樹脂51の進行方向に向かって突き出ているのではなく、表面張力の影響により第2樹脂内部への凹み51aを有している。
【0043】
リブ部24の形状は図5に示す形状に限られない。例えば、リブ部24のうちセンサ1の前方側(第2樹脂51が浸入してくる側)に位置する面は斜面26aではなく、図6に示すように、クランプ20の外壁20aとほぼ垂直に交わる側面28であってよい。また、本実施形態においては、クランプ20の軸方向に沿ってリブ部24が二つ設けられているが、リブ部24の数は限定されず、一つ又は三つ以上であってよい。
【0044】
図7は、第2樹脂51の粘度と、斜面26bとクランプ20の外壁20aが成す角度αとの関係を示す表である。図7の表には、にじみ出た第2樹脂51の流れが筐体10の内壁10aと斜面26bとの隙間で停止するかを、第2樹脂51の粘度と角度αのそれぞれを変化させ検証した結果が示されている。図7に示す表には、第2樹脂51の粘度を「96mPa・s」、「108mPa・s」、「139mPa・s」、角度αの角度を「130°」、「140°」、「150°」にそれぞれ変化させて行った検証の結果が示されている。
【0045】
図7に示すように、第2樹脂51の粘度が96mPa・sであって角度αが130°であるとき、第2樹脂51の流れは、筐体10の内壁10aと斜面26bとの隙間で停止しない。一方、第2樹脂51の粘度が96mPa・sであって角度αが140°又は150°であるとき、第2樹脂51の流れは筐体10の内壁10aと斜面26bとの隙間で停止する。
【0046】
また、第2樹脂51の粘度が108mPa・s又は139mPa・sである場合、角度αが130°、140°及び150°のいずれであっても、第2樹脂51の流れは筐体10の内壁10aと斜面26bとの隙間で停止する。すなわち、角度αが大きい程(筐体10の内壁10aと斜面26bとが成す角度が小さい程)、より粘度の低い樹脂の流れを筐体10の内壁10aと斜面26bとの隙間で停止させることができる。角度αの大きさや、第2樹脂51として用いる樹脂の粘度は、図7に示すような検証結果に基づいて決定されてよい。
【0047】
本実施形態に係るセンサ1によれば、筐体10の内壁10aとリブ部24との間から第2樹脂51がにじみ出た場合であっても、第2樹脂51の流れは、表面張力により筐体10の内壁10aとリブ部24の斜面26bとの間で停止する。すなわち、筐体10とクランプ20との間からセンサ1外部へ第2樹脂51が漏れ出ることを防止できる。
【0048】
また、リブ部24がクランプ20の外周方向に沿って連続して形成されているため、クランプ20の外壁全周にわたって第2樹脂51の漏れを防止できる。また、リブ部24がクランプ20の軸方向に沿って複数並んで形成されている。そのため、リブ部が一つのみ形成されている場合と比較してより高い精度で第2樹脂51の漏れを防止することができる。
【0049】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1…センサ、10…筐体、10a…内壁、11…開口部、12…前面、20…クランプ、20a…外壁、21…前方部分、24…リブ部、25…頂部、26…斜面、26a…斜面、26b…斜面、28…側面、30…基板、31…ランド、32…表示灯、34…ケーブル素線、35…ケーブル、36…リング部品、38…封止リング、40…検出部、41…コア、42…コイル、45…シールド、50…第1樹脂、51…第2樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7