特開2021-101447(P2021-101447A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-101447(P2021-101447A)
(43)【公開日】2021年7月8日
(54)【発明の名称】電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20210611BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20210611BHJP
   F16F 15/067 20060101ALI20210611BHJP
   F16F 1/12 20060101ALI20210611BHJP
【FI】
   H05K7/14 B
   H05K7/12 P
   F16F15/067
   F16F1/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-232699(P2019-232699)
(22)【出願日】2019年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(74)【代理人】
【識別番号】100174713
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧川 彰人
(72)【発明者】
【氏名】村松 慎也
(72)【発明者】
【氏名】小河 真仁
【テーマコード(参考)】
3J048
3J059
4E353
5E348
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048BC02
3J048CB30
3J048DA01
3J059AE01
3J059BA05
3J059BB01
3J059BD01
3J059CA01
3J059CB20
3J059CC01
3J059DA17
3J059GA21
4E353AA05
4E353AA16
4E353BB02
4E353BB13
4E353CC04
4E353CC16
4E353CC33
4E353DD08
4E353DD11
4E353DR15
4E353DR36
4E353DR57
4E353GG13
5E348AA02
5E348AA07
5E348AA08
5E348AA11
5E348AA13
5E348AA16
5E348AA32
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】振動が発生した際に、接続部品と導通手段との摺動を抑制することができ、且つ導通手段の取り付け作業性の向上が可能な電子制御装置を提供する。
【解決手段】本発明において、コイルばね4は、コイル小径部41と、コイル小径部41よりも回路基板2側に設けられコイル小径部41よりも大径に形成されたコイル大径部42と、を有し、取付部33は、取付小径部331と、取付小径部331よりも回路基板2側に設けられ取付小径部331よりも大径に形成された取付大径部332と、を有し、コイル小径部41の径は、取付小径部331の径よりも大きく且つ取付大径部332の径よりも小さく、コイル大径部42の径は、取付大径部332の径よりも大きく、コイル小径部41は、取付小径部331の外周側に配置され、コイル大径部42は、取付大径部332の外周側に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に配置された回路基板と、
前記ケース内に位置する導電部、及び前記回路基板側に突出する取付部を有し、前記ケースに取り付けられる接続部品と、
前記導電部に接触し且つ前記取付部に挿通された状態で前記接続部品に取り付けられ、圧縮された状態で前記回路基板と前記導電部とを電気的に接続するコイルばねと、
を備え、
前記コイルばねは、コイル小径部と、前記コイル小径部よりも前記回路基板側に設けられ前記コイル小径部よりも大径に形成されたコイル大径部と、を有し、
前記取付部は、取付小径部と、前記取付小径部よりも前記回路基板側に設けられ前記取付小径部よりも大径に形成された取付大径部と、を有し、
前記コイル小径部の径は、前記取付小径部の径よりも大きく、且つ前記取付大径部の径よりも小さく、
前記コイル大径部の径は、前記取付大径部の径よりも大きく、
前記コイル小径部は、前記取付小径部の外周側に配置され、
前記コイル大径部は、前記取付大径部の外周側に配置される電子制御装置。
【請求項2】
前記取付部の軸方向の長さは、前記取付部の軸方向において、前記取付部の先端から前記コイルばねの前記回路基板側の端部までの長さよりも大きい請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記取付部は、径方向に弾性変形可能に形成されている請求項1又は2に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記取付部の先端は、前記コイル小径部よりも小径に形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御装置には、例えば特開2013−35319号公報に記載されているように、カバー部材に伝達された電気ノイズを逃がす構造が採用されている。この電子制御装置では、回路基板に対して、板ばね(アースプレート)がボルトで固定されている。板ばねは、カバー部材を押圧しつつカバー部材に接触している。そして、カバー部材の電気ノイズは、板ばね、ボルト、及びコイルばねを介して、液圧制御ブロックに逃がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−35319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成では、車両に搭載されると、車両の振動や部材の熱変形により、カバー部材が板ばねに対して相対的に摺動し、摩耗による接点不良の発生や、摺動により生じた破片等の異物が回路基板に悪影響を及ぼすおそれがある。カバー部材の板ばねに対する摺動は、例えば、カバー部材をケース(筐体)に取り付けるための振動溶接工程又は超音波溶着工程等でも起こり得る。
【0005】
そこで、カバー部材等の接続部品(回路基板に電気的に接続され且つケースに取り付けられる部品)と、導通手段との摺動を抑制することが求められる。また、上記電子制御装置では、板ばねを回路基板にボルトで固定する必要があり、導通手段の取り付け作業性に改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、振動が発生した際に、接続部品と導通手段との摺動を抑制することができ、且つ導通手段の取り付け作業性の向上が可能な電子制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子制御装置は、ケース内に配置された回路基板と、前記ケース内に位置する導電部、及び前記回路基板側に突出する取付部を有し、前記ケースに取り付けられる接続部品と、前記導電部に接触し且つ前記取付部に挿通された状態で前記接続部品に取り付けられ、圧縮された状態で前記回路基板と前記導電部とを電気的に接続するコイルばねと、を備え、前記コイルばねは、コイル小径部と、前記コイル小径部よりも前記回路基板側に設けられ前記コイル小径部よりも大径に形成されたコイル大径部と、を有し、前記取付部は、取付小径部と、前記取付小径部よりも前記回路基板側に設けられ前記取付小径部よりも大径に形成された取付大径部と、を有し、前記コイル小径部の径は、前記取付小径部の径よりも大きく、且つ前記取付大径部の径よりも小さく、前記コイル大径部の径は、前記取付大径部の径よりも大きく、前記コイル小径部は、前記取付小径部の外周側に配置され、前記コイル大径部は、前記取付大径部の外周側に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コイルばねにより接続部品の導電部と回路基板とが導通する。コイルばねは、横方向(軸方向に交差する方向)に弾性変形しやすく、接続部品の横方向の振動(相対移動)に対して、コイルばねの端部が接続部品に追従して移動しやすい。これにより、電子制御装置が振動した場合でも、接続部品(又は回路基板)に対するコイルばねの端部の相対移動すなわち摺動は抑制される。
【0009】
また、本発明によれば、コイルばねを接続部品に取り付けるにあたり、ねじ止めは不要であって、作業者又は作業装置は、取付大径部を乗り越えてコイル小径部を取付部に挿通するだけでよい。これにより、コイルばねは、取付部に係止される。そして、取付大径部により、コイルばねの接続部品からの脱落は抑制される。つまり、取り付け作業性は向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の電子制御装置の構成図である。
図2】本実施形態の取付部及びコイルばねの構成図(図1の点線で囲った部分の拡大図)である。
図3】本実施形態の変形例1の取付部及びコイルばねの構成図である。
図4】本実施形態の変形例2の取付部及びコイルばねの構成図である。
図5】本実施形態のその他の変形例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。以下の各例相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、説明に用いる各図は概念図である。また、説明において、「軸方向」は、取付部33の軸方向を意味する。
【0012】
本実施形態では、一例として、電子制御装置1をブレーキECUとして用いた場合について説明する。本実施形態の電子制御装置1は、電子制御ユニット(ECU)であって、図1に示すように、ケース10と、回路基板2と、カバー部品(「接続部品」に相当する)3と、コイルばね4と、を備えている。
【0013】
ケース10は、回路基板2を収容する凹部を有する樹脂製ケースである。回路基板2は、電子部品を有するプリント基板であり、ケース10内に配置されている。回路基板2は、片面又は両面に回路が形成されている。回路基板2は、ケース10の底面10aから離間し、ケース10の側面から取付した設置面10b上に固定されている。回路基板2は、底面10aと略平行に配置されている。
【0014】
回路基板2には、複数の電子部品、例えば本実施形態の例では圧力センサ5、電磁弁(図示略)、及びモータ(図示略)等が接続されている。これら電子部品は、ブレーキアクチュエータ6に取り付けられている。ブレーキアクチュエータ6の配管及びケースは、金属ブロック61により形成されている。
【0015】
カバー部品3は、ケース10に取り付けられている。詳細に、カバー部品3は、ケース10の開口部10cを塞ぐように、ケース10に固定されている。カバー部品3は、回路基板2に対向配置されている。カバー部品3のケース10への固定方法としては、例えば振動溶接、超音波溶着、又は接着剤による接合等が挙げられる。カバー部品3は、外部からケース10内への異物の進入を防止する。また、カバー部品3は、回路基板2に対する放熱手段の一部として構成されている。
【0016】
カバー部品3は、本体部31と、ケース10内に位置する導電部32と、ケース10内に位置する取付部33と、を備えている。本体部31は、ケース10外部に露出する表面31a、及びケース10内に露出する裏面31bを有する板状部材である。本体部31は、樹脂で形成されている。
【0017】
導電部32は、本体部31の裏面31bに固定された板状の導電部材である。導電部32は、ケース10内に位置している。また、導電部32は、回路基板2に対向配置されている。導電部32は、導電材料(例えばアルミニウム)で形成されている。導電部32は、少なくとも取付部33の周囲に(取付部33を囲む部位に)配置されている。本実施形態の導電部32は、放熱性を高めるために、導電部32の体積を大きくしている。
【0018】
(取付部)
取付部33は、コイルばね4をカバー部品3に取り付けるための部分である。取付部33は、本体部31から回路基板2側に突出している。取付部33は、本体部31の裏面31bから略円柱状に突出している。取付部33は、樹脂製であり、本体部31と一体的に形成(樹脂成形)されている。
【0019】
取付部33は、スナップフィット構造、すなわちコイルばね4と取付部33とがスナップフィットする構造に形成されている。図2に示すように、取付部33は、取付小径部331と、取付大径部332と、先端部333と、切り込み部334と、接続テーパ部335と、を備えている。
【0020】
取付小径部331は、取付部33のうち、導電部32側の端部(軸方向一方側の端部)を含む部分である。取付小径部331は、円柱状に形成されている。取付小径部331の径は、軸方向に一定である。本実施形態の例では、軸方向の長さにおいて、取付部33のおよそ半分程度が取付小径部331である。
【0021】
取付大径部332は、取付小径部331よりも回路基板2側(軸方向他方側)に設けられ、且つ取付小径部331よりも大径に形成されている。取付大径部332は、円柱状に形成されている。取付大径部332と取付小径部331との間には、接続テーパ部335が形成されている。接続テーパ部335は、取付小径部331と取付大径部332とを接続している。接続テーパ部335は、取付大径部332に近いほど大径となるテーパ状に形成されている。接続テーパ部335の径は、取付小径部331の径と取付大径部332の径との間の値をとる。
【0022】
先端部333は、取付部33のうち回路基板2側の端部を含む部位であり、取付大径部332の回路基板2側に接続されている。先端部333は、回路基板2に近いほど小径となるテーパ状に形成されている。先端部333の最小径(軸方向他端の径)は、後述するコイルばね4のコイル小径部41の径よりも小さい。
【0023】
切り込み部334は、取付部33の軸方向他端から軸方向一端まで形成された切り込みである。切り込み部334により、取付部33は、切り込み部334により、軸方向に直交する方向(径方向)に離間した2つの部位に分離しているといえる。この2つの部位は、径方向に弾性変形可能であり、両者の先端は接近可能である。
【0024】
このように、取付部33は、径方向に弾性変形可能に形成されている。切り込み部334は、取付部33の弾性変形(縮径)を容易にするための構成といえる。なお、取付部33の径は、例えば軸方向で取付部33を見た際に見える円形状(切り込み部334がないと仮定して見える円形状)の径に相当する。
【0025】
(コイルばね)
コイルばね4は、導電部32に接触し且つ取付部33に挿通された状態でカバー部品3に取り付けられたコイル形状の金属ばねである。コイルばね4は、圧縮された状態で回路基板2と導電部32とを電気的に接続している。コイルばね4は、軸方向一端が導電部32に接触し、軸方向他端が回路基板2の配線21に接触した導通手段である。コイルばね4は、ケース10に収容された状態では圧縮されているため、付勢力により、導電部32及び回路基板2を押圧している。
【0026】
カバー部品3に帯電した電気(電気ノイズ)は、コイルばね4及び配線21を介して、例えばコネクタの接地端子7に流れる。接地端子7は、グラウンド(車両接地)に接続されている。なお、導電部32の電気的な接続先は、接地端子7に限らず、ブレーキアクチュエータ6の金属ブロック61であってもよい。このように、導電部32は、コイルばね4及び回路基板2を介してグラウンドに接続される。
【0027】
コイルばね4は、図2に示すように、コイル小径部41と、コイル大径部42と、小径端部43と、接続部44と、を備えている。コイル小径部41は、コイルばね4のうち、導電部32側の端部を含む部位である。本実施形態のコイル小径部41は、コイルばね4の軸方向一端部を構成している。つまり、コイル小径部41は、導電部32に接触している。コイル小径部41は、取付小径部331の外周側に配置されている。なお、コイルばね4の径は、例えば軸方向でコイルばね4を見た際に見える円形状の径に相当する。
【0028】
コイル大径部42は、コイル小径部41よりも回路基板2側に設けられ、コイル小径部41よりも大径に形成されている。本実施形態のコイル大径部42は、コイルばね4の軸方向中央部(軸方向両端部を除く部分)を構成している。コイル大径部42の径は、軸方向に同一である。コイル大径部42は、取付大径部332の外周側に配置されている。
【0029】
コイル大径部42とコイル小径部41との間には、接続部44が形成されている。接続部44は、コイル小径部41とコイル大径部42とを接続している。接続部44の径は、コイル小径部41の径とコイル大径部42の径の間の値において、コイル大径部42に近いほど大きくなる。
【0030】
小径端部43は、コイルばね4のうち回路基板2側の端部を含む部位である。本実施形態の小径端部43は、コイルばね4の軸部材他端部を構成している。つまり、小径端部43は、回路基板2の配線21に当接している。配線21のコイルばね4との接触部分には、Snメッキ(Snパッドとも呼ばれる)21aが形成されている。小径端部43は、コイル大径部42に接続されている。小径端部43の径は、コイル大径部42から遠いほど小さくなる。
【0031】
小径端部43の形状は、コイル小径部41を軸方向(図の上下)で反転させた形状に相当する。小径端部43の最小径(コイルばね4の軸方向他端の径)とコイル小径部41の径(コイルばね4の軸方向一端の径)とは同じである。つまり、本実施形態のコイルばね4の形状(径の大きさ)は、軸方向中央で軸方向に直交する平面に対して面対称(上下対称)となるように形成されている。
(大小関係)
【0032】
コイル小径部41の径(R41)は、取付小径部331の径(R331)よりも大きく、且つ取付大径部332の径(R332)よりも小さい。また、コイル大径部42の径(R42)は、取付大径部332の径(R332)よりも大きい。つまり、径の大小関係は、R42>R332>R41>R331が成立する。また、取付部33の先端(軸方向他端)の径(R333)は、コイル小径部41の径(R41)よりも小さい(R41>R333)。本実施形態ではさらにR331>R333が成立する。取付部33の最大径はR332であり、最小径はR333である。また、コイルばね4の最大径はR332であり、最小径はR41である。
【0033】
また、取付部33の軸方向の長さ(露出部分の長さ)L1は、軸方向において、取付部33の先端(軸方向他端)からコイルばね4の回路基板2側の端部(軸方向他端)までの長さL2よりも大きい(L1>L2)。換言すると、取付部33の長さL1は、カバー部品3がケース10に取り付けられた状態のコイルばね4の長さ(L1+L2)(本実施形態ではカバー部品3と回路基板2との離間距離ともいえる)の半分より大きい。なお、長さL1、L2は、カバー部品3がケース10に取り付けられた状態での長さである。
【0034】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、コイルばね4によりカバー部品3の導電部32と回路基板2とが導通する。コイルばね4は、横方向(軸方向に交差する方向)に弾性変形しやすく、カバー部品3の横方向の振動(相対移動)に対して、コイルばね4の軸方向他端部がカバー部品3に追従して移動しやすい。これにより、電子制御装置1が振動した場合でも、カバー部品3(又は回路基板2)に対するコイルばね4の接続端部の相対移動すなわち摺動は抑制される。コイルばね4の弾性力により振動が吸収されるともいえる。カバー部品3は、他の電子部品よりも電子制御装置1の振動の影響を受けやすいが、本実施形態によれば接続部分の摺動は効果的に抑制される。
【0035】
また、本実施形態によれば、コイルばね4をカバー部品3に取り付けるにあたり、ねじ止めは不要であって、作業者又は作業装置は、取付大径部332を乗り越えてコイル小径部41を取付部33に挿通するだけでよい。これにより、コイルばね4は、取付部33に係止される。両者はスナップフィットにより容易に係合する。そして、取付大径部332により、コイルばね4のカバー部品3からの脱落は抑制される。つまり、取り付け作業性は向上する。
【0036】
また、径方向に対向配置されたコイル小径部41と取付小径部331とにおける径の大小関係はR41>R331であり、且つ径方向に対向配置されたコイル大径部42が取付大径部332とにおける径の大小関係はR42>R332である。このため、コイルばね4は、取付部33に取り付けられた状態で、軸方向に弾性力を働かせることができる。つまり、コイルばね4は、両端の導電部分を押圧し、電気的接続を安定して維持することができる。
【0037】
(取付部の長さによる効果)
また、取付部33の長さL1が長さ(離間距離)L2より大きいため、取付部33によるコイルばね4のガイド機能が向上する。これにより、取り付け作業時や電子制御装置1の振動時などにおいて、コイルばね4の軸ずれは抑制される。より有利には、取付部33や組付け時のばらつきを考慮しても取付部33の先端が回路基板2(Snメッキ21a)に接触しないように(接触しないことを条件に)長さL2をより小さくすることで、取付部33によるコイルばね4のガイド機能がより向上する。
【0038】
(切り込み部による効果)
また、取付部33が径方向に弾性変形可能に形成されている。これにより、コイルばね4を取付部33に挿入する際に、取付大径部332の軸方向直交断面積(軸方向に直交する平面で切断した断面の面積)を小さくすることができ、挿入が容易となり、取り付け作業がより容易となる。
【0039】
(取付部の先端形状による効果)
また、取付部33の先端はコイル小径部41よりも小径であるため(R41>R333)、コイルばね4を取付部33に挿入しやすく、取り付け作業が容易となる。さらに本実施形態では、取付部33の先端が取付小径部331よりも小径であるため(R331>R333)、さらに取り付け作業は容易となる。また、先端部333が取付大径部332に近いほど大径となるテーパ状であるため、取り付け作業がスムーズとなる。
【0040】
(その他の効果)
また、本実施形態では、コイルばね4が上下対称構造であるため、取り付け作業の際に、コイルばね4のいずれの端部からも挿入でき、取り付け方向を確認する必要がない。つまり、取り付け作業がさらに容易となる。また、Snメッキ21aのように、導電部32のうちコイルばね4と接触する部分、配線21のうちコイルばね4と接触する部分、及び/又はコイルばね4の両端部に、Sn(スズ)メッキが形成されることで、接触部分の密着性及び電気導電性を向上させることができる。なお、金属メッキ(パッド)は、Au(金)メッキでもよい。
【0041】
(変形例1)
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、接続部品は、カバー部品3に限らず、図3に示すように、回路基板2に接続される電子部品(ここでは圧力センサ5を例とする)であってもよい。圧力センサ5のケース51の軸方向一端面には、導電部52及び取付部53が形成されている。導電部52は、回路基板2に対向配置された導電部材であって、圧力センサ5の検出信号を出力する部分である。取付部53は、本実施形態の取付部33を上下反転した形状に相当する。取付部53の形状は、本実施形態を参照できるため、説明を省略する。
【0042】
コイルばね4は、本実施形態同様、導電部52に接触し且つ取付部53に挿入された状態で電子部品(圧力センサ5)に取り付けられている。コイルばね4は、圧縮された状態で回路基板2の配線21と導電部52とを電気的に接続する。コイルばね4の形状も本実施形態と同様であるため説明を省略する。圧力センサ5の電気信号は、導電部52及びコイルばね4を介して、回路基板2に伝達される。コイルばね4は、回路基板2と電子部品とを電気的に接続させる配線として機能する。
【0043】
変形例1のように、接続部品が電子部品であっても、電子制御装置1の振動に対してコイルばね4が弾性変形し、コイルばね4と導電部52(又は回路基板2)との摺動は抑制される。つまり、変形例1によっても、本実施形態同様の効果が発揮される。
【0044】
(変形例2)
図4に示すように、取付部33は、取付大径部332の軸方向の長さL3がコイルばね4のピッチ幅L4よりも大きくなるように(L3>L4)形成されてもよい。ピッチ幅L4は、コイルばね4が電子制御装置1に取り付けられた状態における、コイルばね4に形成される軸方向の隙間の長さである。これにより、コイルばね4が軸ずれして取付大径部332に当接した場合でも、取付大径部332がコイルばね4の隙間に入り込みにくくなる。これにより、コイルばね4の大きな軸ずれが抑制されるとともに、コイルばね4の軸ずれからの復帰がスムーズとなる。
【0045】
(その他の変形例)
コイルばね4は、回路基板2に直接的に接触せずに、他の導通手段(例えば導電部32に相当するもの)を介して回路基板2と電気的に接続されてもよい。例えば、図5に示すように、回路基板2と取付部33との間に、ケース10に固定された平板部9が形成されている。平板部9は、裏面に形成された第1配線部91と、第1配線部91と回路基板2の配線21とを接続する第2配線部92と、を備えている。コイルばね4は、第1配線部91と接続部品8の導電部52とを接続する。これによっても、同様の効果が発揮される。なお、第2配線部92は、コイルばねなどの弾性体によって形成されてもよい。また、接続部品8は、例えばカバー部品3であっても圧力センサ5であってもよい。また、平板部9及び配線部91、92は、回路基板2の一部と捉えてもよい。
【0046】
また、コイルばね4は、上下対称形状でなくてもよく、小径端部43はなくてもよい。例えば、コイルばね4は、コイル小径部41とコイル大径部42と接続部44で構成されてもよい。また、切り込み部334は、複数形成されてもよい。例えば、取付部33が、軸方向から見て、3つ以上の扇形に分割されるように、切り込み部334が形成されてもよい。また、取付大径部332は、取り付け作業時のコイルばね4の圧入により径方向に変形する材料(例えばゴム)で形成されてもよい。また、電子制御装置1は、ブレーキECUに限らず、他のECUに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…電子制御装置、10…ケース、2…回路基板、3…カバー部品(接続部品)、32、52…導電部、33、53…取付部、331…取付小径部、332…取付大径部、334…切り込み部、4…コイルばね、41…コイル小径部、42…コイル大径部、5…圧力センサ(接続部品)、8…接続部品。
図1
図2
図3
図4
図5