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特開2021-102929タービン翼およびタービン翼の製造方法並びにガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-102929(P2021-102929A)
(43)【公開日】2021年7月15日
(54)【発明の名称】タービン翼およびタービン翼の製造方法並びにガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/18 20060101AFI20210618BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20210618BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20210618BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20210618BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20210618BHJP
   B23H 9/10 20060101ALI20210618BHJP
   B23H 9/14 20060101ALI20210618BHJP
【FI】
   F01D5/18
   F02C7/18 A
   F02C7/00 D
   F01D25/00 X
   F01D9/02 102
   B23H9/10
   B23H9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-233581(P2019-233581)
(22)【出願日】2019年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八田 将佳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 啓太
(72)【発明者】
【氏名】若園 進
【テーマコード(参考)】
3C059
3G202
【Fターム(参考)】
3C059AA02
3C059HA13
3C059HA14
3G202CA07
3G202CA15
3G202CB02
3G202GA08
3G202GB01
3G202JJ02
3G202JJ06
3G202JJ26
(57)【要約】
【課題】タービン翼およびタービン翼の製造方法並びにガスタービンにおいて、翼を効率良く冷却することで冷却性能の向上を図ると共に、効率良くタービン翼を製造することができる。
【解決手段】翼高さ方向に沿う冷却通路が前後方向に所定間隔を空けて複数設けられるタービン翼において、冷却通路は、先端側から基端側に向けて内径が第1拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第1冷却通路と、先端側から基端側に向けて内径が一定または第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第2冷却通路とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
翼高さ方向に沿う冷却通路が前後方向に所定間隔を空けて複数設けられるタービン翼において、
前記冷却通路は、
先端側から基端側に向けて内径が第1拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第1冷却通路と、
先端側から基端側に向けて内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第2冷却通路と、
を備えるタービン翼。
【請求項2】
前記タービン翼は、前後方向における中間部から前縁側および後縁側に向けて幅が狭くなる形状をなし、前記第2冷却通路は、最前縁側または最後縁側に位置する、
請求項1に記載のタービン翼。
【請求項3】
前記第1拡大率は、内径寸法の拡大率であって、100%より大きく250%より小さい範囲に設定される、
請求項1または請求項2に記載のタービン翼。
【請求項4】
前記第1拡大率は、内径寸法に基づいた通路面積拡大率であって、100%より大きく306%より小さい範囲に設定される、
請求項1または請求項2に記載のタービン翼。
【請求項5】
前後方向における中間部で隣接する前記第1冷却通路の間隔は、その他の隣接する前記第1冷却通路および前記第2冷却通路の間隔より大きい、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のタービン翼。
【請求項6】
前後方向における中間部に前記第1冷却通路のない非冷却部が設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のタービン翼。
【請求項7】
前記第1冷却通路は、一端が先端側に開口して翼高さ方向に沿って内径が同じである第1冷却孔と、一端が前記第1冷却孔の他端に連通して基端側に向けて内径が大きくなる第2冷却孔と有する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のタービン翼。
【請求項8】
前記第1冷却孔の一端から前記第1冷却孔と前記第2冷却孔との連通位置までの長さは、前記第1冷却孔の一端から基端側におけるガスパス面までの長さの40%〜60%の範囲に設けられる、
請求項7に記載のタービン翼。
【請求項9】
前記第2冷却孔は、基端側に向けて内径が連続して大きくなるテーパ形状をなす、
請求項7または請求項8に記載のタービン翼。
【請求項10】
前記冷却通路は、一端が基端側に開口する基端側冷却孔と、内径が前記基端側冷却孔の内径より大きくて前記第1冷却通路の他端または前記第2冷却通路の他端および前記基端側冷却孔の他端が連通する空洞部とを有する、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のタービン翼。
【請求項11】
翼部とプラットフォームと翼根部とを有し、前記空洞部は、前記プラットフォームに設けられる、
請求項10に記載のタービン翼。
【請求項12】
翼高さ方向に沿う冷却通路が前後方向に所定間隔を空けて複数設けられるタービン翼の製造方法において、
タービン翼の先端側から基端側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向に沿って内径が第1拡大率をもって大きくなる第1冷却通路を電解加工により形成する工程と、
前記タービン翼の先端側から基端側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向に沿って内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる第2冷却通路を電解加工により形成する工程と、
を有することを特徴とするタービン翼の製造方法。
【請求項13】
前記第1冷却通路は、一端が先端側に開口して翼高さ方向に沿って内径が同じである第1冷却孔と、一端が前記第1冷却孔の他端に段差なく連通して基端側に向けて内径が大きくなる第2冷却孔とを有し、
前記第1冷却孔における前記タービン翼の先端側の一端から前記第1冷却孔と前記第2冷却孔との連通位置までの長さは、前記第1冷却孔の一端から前記タービン翼の基端側におけるガスパス面までの長さの40%〜60%の範囲に設けられる、
請求項12に記載のタービン翼の製造方法。
【請求項14】
前記第2冷却孔を電解加工により形成するとき、電流値を最大で一定とし、加工速度を変更しながら翼高さ方向に沿って内径が大きくなる前記第2冷却孔を電解加工により形成する、
請求項13に記載のタービン翼の製造方法。
【請求項15】
空気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のタービン翼を有して前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、
を備えるガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンに適用される動翼や静翼などのタービン翼、タービン翼の製造方法、タービン翼を備えるガスタービンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンを有する。圧縮機は、空気取入口から取り込まれた空気を圧縮することで高温・高圧の圧縮空気とする。燃焼器は、圧縮空気に燃料を供給して燃焼させることで高温・高圧の燃焼ガスを得る。タービンは、燃焼ガスにより駆動し、同軸上に連結された発電機を駆動する。
【0003】
ガスタービンにおける動翼や静翼などのタービン翼において、タービン翼の内部に冷却通路を設け、冷却通路に冷却流体を流すことにより、高温のガス流れに曝されるタービン翼を冷却することが知られている。例えば、特許文献1には、翼部の長手方向に沿って冷却媒体が流れる複数の冷却孔を貫通して設け、冷却孔を直径の異なる大径部と中径部と小径部とから構成したものが記載されている。また、下記特許文献2には、ブレード部の長手方向に沿って冷却空気が流れる複数の冷却通路を貫通して設け、冷却通路の直径をブレード部の前後方向で変化させたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−167934号公報
【特許文献2】特開2012−203100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のタービン翼では、翼部の長手方向に沿って複数の冷却孔を貫通して設け、複数の冷却孔に冷却媒体を流すことで、翼部の先端まで十分に冷却することができるようにしている。近年、ガスタービンの高出力化が求められており、これにより排気ガス温度が上昇するため、翼部の冷却性能をさらに向上させたいという要望がある。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、翼を効率良く冷却することで冷却性能の向上を図るタービン翼およびタービン翼の製造方法並びにガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示のタービン翼は、翼高さ方向に沿う冷却通路が前後方向に所定間隔を空けて複数設けられるタービン翼において、前記冷却通路は、先端側から基端側に向けて内径が第1拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第1冷却通路と、先端側から基端側に向けて内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる冷却孔を有する第2冷却通路と、を備える。
【0008】
本開示のタービン翼の製造方法は、翼高さ方向に沿う冷却通路が前後方向に所定間隔を空けて複数設けられるタービン翼の製造方法において、タービン翼の先端側から基端側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向に沿って内径が第1拡大率をもって大きくなる第1冷却通路を電解加工により形成する工程と、前記タービン翼の先端側から基端側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向に沿って内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる第2冷却通路を電解加工により形成する工程と、を有する。
【0009】
本開示のガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、前記タービン翼を有して前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示のタービン翼およびタービン翼の製造方法並びにガスタービンによれば、翼を効率良く冷却することで冷却性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態のガスタービンの全体構成を表す概略図である。
図2図2は、第1実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図である。
図3図3は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。
図4図4は、電解加工装置を表す概略図である。
図5図5は、第1実施形態のタービン翼の製造方法を説明するための断面図である
図6図6は、冷却孔の1パス加工時における加工距離に対する電流値を表すグラフである。
図7図7は、冷却孔の1パス加工時における加工距離に対する加工速度を表すグラフである。
図8図8は、冷却孔の2パス加工時における加工距離に対する電流値を表すグラフである。
図9図9は、冷却孔の2パス加工時における加工距離に対する加工速度を表すグラフである。
図10図10は、タービン翼の製造方法の第1変形例を説明するための断面図である。
図11図11は、電解加工工具を表す概略図である。
図12図12は、タービン翼の製造方法の第2変形例を説明するための断面図である。
図13図13は、電解加工工具を表す概略図である。
図14図14は、電流印加時間に対する冷却孔拡大率を表すグラフである。
図15図15は、第2実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図である。
図16図16は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。
図17図17は、第3実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図である。
図18図18は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0013】
[第1実施形態]
<ガスタービン>
図1は、第1実施形態のガスタービンの全体構成を表す概略図である。なお、以下の説明では、ガスタービンのロータの中心の軸線をOとしたとき、軸線Oが延びる方向を軸方向Daとし、ロータの軸線Oに直交するロータの径方向を翼高さ方向Dh、ロータの軸線Oを中心とした周方向を周方向Dcとして説明する。また、軸方向Daは、燃焼ガスの流れ方向であり、且つ、タービン翼の前後方向であり、燃焼ガスの流れ方向の上流側をタービン翼の前方(前縁)とし、燃焼ガスの流れ方向の下流側をタービン翼の後方(後縁)として説明する。
【0014】
第1実施形態において、図1に示すように、ガスタービン10は、圧縮機11と燃焼器12とタービン13とを備える。ガスタービン10は、同軸上に図示しない発電機が連結され、発電機により発電が可能である。
【0015】
圧縮機11は、空気を取り込む空気取入口20を有し、圧縮機車室21内に入口案内翼(IGV:Inlet Guide Vane)22が配設されると共に、複数の静翼23と動翼24が軸方向Daに交互に配設され、その外側に抽気室25が設けられる。燃焼器12は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、点火することで燃焼可能である。タービン13は、タービン車室26内に複数の静翼27と動翼28が軸方向Daに交互に配設される。タービン車室26は、下流側に排気車室29を介して排気室30が配設され、排気室30は、タービン13に連続する排気ディフューザ31を有する。
【0016】
また、圧縮機11、燃焼器12、タービン13、排気室30の中心部を貫通するようにロータ32が位置する。ロータ32は、圧縮機11側の端部が軸受部33により回転自在に支持され、排気室30側の端部が軸受部34により回転自在に支持される。ロータ32は、圧縮機11にて、各動翼24が装着されたディスクが複数重ねられて固定され、タービン13にて、各動翼28が装着されたディスクが複数重ねられて固定され、排気室30側の端部に発電機(図示略)の駆動軸が連結される。
【0017】
ガスタービン10は、圧縮機11の圧縮機車室21が脚部35に支持され、タービン13のタービン車室26が脚部36により支持され、排気室30が脚部37により支持される。
【0018】
そのため、圧縮機11の空気取入口20から取り込まれた空気が、入口案内翼22、複数の静翼23と動翼24を通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となる。燃焼器12にて、圧縮空気に対して所定の燃料が供給され、燃焼する。燃焼器12で生成された作動流体である高温・高圧の燃焼ガスが、タービン13を構成する複数の静翼27と動翼28を通過することでロータ32を駆動回転し、ロータ32に連結された発電機を駆動する。一方、タービン13を駆動した燃焼ガスは、排気ガスとして大気に放出される。
【0019】
<タービン翼>
ここで、第1実施形態のタービン翼としての動翼28について詳細に説明する。図2は、第1実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図、図3は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。
【0020】
図2および図3に示すように、動翼28は、翼部41と、プラットフォーム42と、翼根部43とを有する。翼部41は、翼高さ方向Dhに沿って長い形状をなし、先端41aが基端41bに対して前後方向の長さと幅が小さくなる先細形状をなす。また、翼部41は、凸面状をなす負圧面41cと、凹面状をなす正圧面41dと、前縁41eと、後縁41fとを有する。翼部41は、軸方向Daである前後方向における中間部から前縁41e側および後縁41f側に向けて幅が狭くなる翼形断面形状をなす。前縁41eは、翼型中心線であるキャンバーラインCの延びる方向で最も前方側(上流側)の端部であり、後縁41fは、キャンバーラインCの延びる方向で最も後方側(下流側)の端部である。翼部41は、負圧面41cと正圧面41dとが前縁41eと後縁41fを介して連続してなる翼型断面形状である。
【0021】
プラットフォーム42は、表面42a,42bがガスパス面であり、この表面42a,42bに翼部41の基端41bが一体に接続される。翼根部43は、軸方向Daから見た形状が、所謂、クリスマスツリー形状であり、プラットフォーム42の裏面42cに一体に接続される。翼根部43は、ロータ32(図1参照)の外周部に固定される。
【0022】
動翼28は、翼高さ方向Dhに沿って複数の冷却通路50が設けられる。複数の冷却通路50は、軸方向Da方向である前後方向に所定間隔を空けて設けられる。冷却通路50は、第1冷却通路50aと、第2冷却通路50bとを有する。
【0023】
第1冷却通路50aは、翼部41の先端41a側から基端41b側に向けて内径が予め設定された所定の第1拡大率をもって大きくなる冷却孔(後述する第2冷却孔54)を有する。第2冷却通路50bは、第1冷却通路50aより後縁41f側に位置して先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定である冷却孔(後述する第3冷却孔55)を有する。第1実施形態にて、第1冷却通路50aは、複数(図2および図3では、7個)設けられ、第2冷却通路50bは、後縁41f側に1つ設けられる。第2冷却通路50bは、翼部41の最も後縁41f側に位置する。
【0024】
ここで、複数の第1冷却通路50aと1つの第2冷却通路50bは、キャンバーラインCに沿って設けられる。但し、複数の第1冷却通路50aと1つの第2冷却通路50bをキャンバーラインCより負圧面41c側や正圧面41d側に設けてもよい。隣接する複数の第1冷却通路50a同志の間隔P1と、隣接する第1冷却通路50aと第2冷却通路50bとの間隔P2は、同じ寸法である。但し、複数の間隔P1を異ならせてもよいし、間隔P1に対して間隔P2を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。
【0025】
なお、第1実施形態では、第2冷却通路50bが、第1冷却通路50aより後縁41f側に位置して先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定である冷却孔を有するものとしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、第2冷却通路50bが、先端41a側から基端41b側に向けて内径が第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる冷却孔を有するものとしてもよい。
【0026】
第1冷却通路50aは、基端側冷却孔51と、空洞部52と、第1冷却孔53と、第2冷却孔54とを有する。第2冷却通路50bは、第3冷却孔55とを有する。
【0027】
基端側冷却孔51は、一端が動翼28の基端側、つまり、翼根部43の基端43aに開口する。基端側冷却孔51は、翼高さ方向Dhに沿って設けられ、翼高さ方向Dhに沿って内径D1が同じ(一定)寸法である。空洞部52は、プラットフォーム42(または、翼根部43)に設けられる。空洞部52は、基端側冷却孔51の他端部が連通する。空洞部52は、内径D2が基端側冷却孔51の内径D1より大きい寸法である。
【0028】
第1冷却孔53は、一端が動翼28の先端側、つまり、翼部41の先端41aに開口する。第1冷却孔53は、翼高さ方向Dhに沿って設けられ、翼高さ方向Dhに沿って内径D3が同じ(一定)寸法である。第2冷却孔54は、一端が第1冷却孔53の他端に連通し、他端が空洞部52に連通する。第2冷却孔54は、一端から他端に向けて内径がD3からD4まで漸次大きくなる。第2冷却孔54は、一端側から基端側に向けて内径が連続して大きくなるテーパ形状をなす。第1冷却孔53と第2冷却孔54は、段差なく滑らかに連通する。なお、第1冷却孔53と第2冷却孔54とを曲面により連結してもよい。
【0029】
空洞部52の内径D2は、基端側冷却孔51の内径D1より大きく、基端側冷却孔51の内径D1は、第2冷却孔54の最大内径D4より大きく、第2冷却孔54の最小内径D3は、第1冷却孔53の内径D4と同じである。また、第2冷却孔54は、一端から他端に向けて内径D3が内径D4まで漸次大きくなるが、第2冷却孔54の内径拡大率は、100%より大きく250%より小さい範囲に設定される。なお、第2冷却孔54の内径拡大率は、100%より大きく175%より小さい範囲に設定されることが好ましい。ここで、内径拡大率とは、第2冷却孔54における一端の最少内径D3に対する他端の最大内径D4の拡大率である。なお、基端側冷却孔51、空洞部52、第1冷却孔53、第2冷却孔54、第3冷却孔55は、円形断面形状であるが、楕円形断面形状等の非円形断面形状としてもよい。この場合、冷却孔54の内径拡大率を冷却孔54の通路面積拡大率としてもよい。内径拡大率に応じた通路面積の拡大率は、2乗倍となる。以下に、内径拡大率と通路面積拡大率との関係を記載する。
内径拡大率175% → 面積拡大率 306%
内径拡大率250% → 面積拡大率 625%
【0030】
第1冷却孔53は、翼部41における先端41a側の領域A1に形成され、第2冷却孔54は、翼部41における基端41b側の領域A2に形成される。第1冷却孔53と第2冷却孔54とを合わせた翼高さ方向Dhに沿った長さをL(A1+A2)とするとき、第1冷却孔53の一端(翼部41の先端41a)から、第1冷却孔53と第2冷却孔54との連通位置Bまでの長さ(A1)は、第1冷却孔53の一端から基端側におけるガスパス面までの長さ(L)の40%〜60%の範囲に設けられる。すなわち、第1冷却孔53の一端から第2冷却孔54との連通位置Bまでの長さ(A1)は、翼高さ方向Dhに沿った先端41aから後縁側のプラットフォーム42の表面42bまでの長さLの40%〜60%の範囲に設けられる。
【0031】
第3冷却孔55は、翼部41における先端41aから基端41bの長さL(A1+A2)の領域に形成される。
【0032】
ここで、翼部41における先端41aとは、翼高さ方向Dhに沿った先端側の端面の位置である。なお、翼部41の先端41aにチップシュラウドが設けられている構造にあっては、翼部41における先端41aは、チップシュラウドにおけるガスパス面の位置である。また、翼部41における基端41bとは、翼高さ方向Dhに沿った基端側の端面の位置であり、プラットフォーム42のガスパス面となる表面42a,42bの位置である。そして、翼部41の翼高さ方向Dhに沿った長さを規定する場合には、翼部41の後縁側(図2の右側)の位置としての先端41a、表面43b側の長さである。
【0033】
冷却空気は、冷却通路50としての複数の第1冷却通路50aと1つの第2冷却通路50bを通って動翼28を冷却する。すなち、冷却空気は、動翼28における基端部側に供給され、基端側冷却孔51、空洞部52、第2冷却孔54、第1冷却孔53を通って外部に排出されると共に、基端側冷却孔51、空洞部52、第3冷却孔55を通って外部に排出される。このとき、動翼28は、基端側冷却孔51、空洞部52、第2冷却孔54、第1冷却孔53、第3冷却孔55を通る冷却空気により冷却される。まず、動翼28は、冷却空気が基端側冷却孔51および空洞部52を流れることで、プラットフォーム42および翼根部43を冷却される。次に、冷却空気が空洞部52から第2冷却孔54および第1冷却孔53を流れると共に、第3冷却孔55を流れることで、翼部41が冷却される。
【0034】
動翼28は、一般的に、翼部41における翼高さ方向Dhの基端部でのクリープ強度が十分であるが、翼部41における翼高さ方向Dhの中間付近で最もクリープ強度が厳しい。ところが、冷却空気は、基端側冷却孔51、空洞部52、第2冷却孔54、第1冷却孔53、第3冷却孔55の順に流れて動翼28を冷却する。そのため、翼部41は、プラットフォーム42および翼根部43を冷却して温度上昇した冷却空気により冷却されることとなる。すなわち、熱負荷が高い翼部41における翼高さ方向Dhの中間位置を冷却空気により効率良く冷却することが困難となる。
【0035】
そこで、第1実施形態では、第1冷却通路50aにて、プラットフォーム42に近い位置に設けられた第2冷却孔54をテーパ形状とする。すなわち、第2冷却孔54の空洞部52に連通する内径を最大内径D4として大きくする一方、第2冷却孔54の第1冷却孔53に連通する内径を最小内径D3として小さくする。一方、第1冷却孔53の内径を内径D3の一定とする。そして、第1冷却孔53と第2冷却孔54の連通位置を翼部41における翼高さ方向Dhの中間位置とする。また、第1冷却孔53と第2冷却孔54とを段差なく連通させるため、第2冷却孔54の内径を最大内径D4から最小内径D3まで連続的に変化させる。
【0036】
一方、第2冷却通路50bにて、第3冷却孔55を長手方向に内径D5が一定なストレート形状とする。翼部41は、前縁41e側および後縁41f側に向けて幅が狭くなる翼形断面形状である。そのため、第2冷却通路50bの第3冷却孔55を、第1冷却通路50aの第2冷却孔54のようなテーパ形状とし、空洞部52に連通する内径を大きくすると、第3冷却孔55の周囲の翼部41の厚さが薄くなる。しかし、翼部41は、中央部が前縁41eや後縁41fに比較して厚いため、第2冷却孔54のようなテーパ形状とし、空洞部52に連通する内径を大きくすることが可能となる。
【0037】
そのため、動翼28における基端部側に供給された冷却空気は、基端側冷却孔51から空洞部52に導入され、空洞部52から第2冷却孔54および第1冷却孔53に流れて外部に排出される。また、冷却空気は、基端側冷却孔51から空洞部52に導入され、空洞部52から第3冷却孔55に流れて外部に排出される。このとき、基端側冷却孔51や空洞部52は、第2冷却孔54や第1冷却孔53より内径が大きいことから、冷却空気の流速が遅い。第1冷却通路50aの第2冷却孔54は、第1冷却孔53側に向けて内径が漸次小さくなることから、冷却空気の流速が徐々に速くなり、最速なって第1冷却孔53を流れる。
【0038】
すなわち、冷却空気は、基端側冷却孔51および空洞部52から第2冷却孔54に流れるとき、翼高さ方向Dhに沿って内径が同じ(一定)寸法である従来の冷却孔(以下、従来の冷却孔)に比べて流速が遅いことから、比較的クリープ強度に余裕がある基端側における冷却空気のヒートアップが抑制される。一方、第2冷却孔54から第1冷却孔53に流れるとき、冷却空気は、従来の冷却孔よりも、流速が早く、且つ、基端側でのヒートアップが抑えられていることから冷却効率が向上する。つまり、翼部41における翼高さ方向Dhの中間付近で最も熱負荷が高い中間位置から先端側を効率良く冷却することができる。
【0039】
なお、第2冷却通路50bの第3冷却孔55は、ストレート形状であり、冷却空気の流速が一定である。しかし、第3冷却孔55は、翼部41の幅の狭い後縁41fに設けられており、冷却空気により後縁41fを適正に冷却することができる。
【0040】
<タービン翼の製造方法>
ここで、第1実施形態のタービン翼としての動翼28の製造方法、具体的には、動翼28における冷却通路50の形成方法について説明する。図4は、電解加工装置を表す概略図、図5は、第1実施形態のタービン翼の製造方法を説明するための断面図である。
【0041】
図4に示すように、電解加工装置100は、動翼28へ冷却通路50を形成する複数の電解加工工具101と、電解加工工具101を進行させる移動機構102と、電解加工工具101を進行させるときに電解加工工具101を案内するガイド部103とを備える。
【0042】
移動機構102は、電解加工工具101を動翼28に対して進退させる。そして、移動機構102は、動翼28における翼部41の先端41a側に配置され、この先端41aに対して進退移動可能に構成される。そして、移動機構102は、例えば、図示しない駆動装置を用いて電解加工工具101の進退移動を行う。
【0043】
移動機構102は、動翼28の先端41a側の面に電解加工工具101の基端110b(図5参照)を把持する複数の把持部104を有する。把持部104は、内部が中空形状とされた筒形状をなし、軸方向の一端側に電解加工工具101の基端110bが挿入されることで電解加工工具3101把持可能となっている。また、把持部104の他端側は、図示しない電解液流通路に接続され、電解液流通路を介して把持部104の内部に電解液W(図4参照)が供給される。電解液Wの供給量は、図示しない流量制御装置によって任意に調整可能である。なお、電解液Wとしては、例えば、硫酸、硝酸、食塩水等が用いられる。
【0044】
ガイド部103は、移動機構102と動翼28の先端41aとの間に配置され、移動機構102によって進退される電解加工工具101を動翼28の先端41aに対して所定の進行方向となるように案内する。ガイド部103は、移動機構102側と動翼28側とを互いに連通する複数のガイド孔105が形成される。複数のガイド孔105は、それぞれ電解加工工具101が移動機構102側から動翼28側に向かって挿通される。そして、この状態で、電解加工工具101が移動機構102によって前進させられることで、ガイド孔105の配置に応じて動翼28の先端41aにおける所望の位置に、且つ、先端41aに対して所望の角度で電解加工工具101を導入することができる。
【0045】
電解加工工具101について説明する。電解加工工具101は、動翼28に冷却通路50を電解加工により形成するものである。図5に示すように、電解加工工具101は、電極111と、電極111を外周から覆う絶縁層112を有し、全体として筒形状をなす工具本体110を備える。
【0046】
工具本体110における電極111は、軸線Oに沿って延びる筒状をなし、例えば、ステンレス、銅、チタン等の可撓性を有する導電性材料から構成される。電極111は、内側の中空部分(電極111の内部)が、移動機構102の把持部104(いずれも図3参照)の中空部分と連通している。これによって、電極111は、内部に工具本体110の基端110b側(移動機構102側)から先端110a側(動翼28側)に向かって電解加工に供される電解液Wが流通される。
【0047】
また、先端110a側での電極111の端面は、軸線Oに直交する平坦状、もしくはテーパ形状をなす。なお、第1実施形態では、電極111は円筒状をなしているが、例えば、断面多角形の角筒状としてもよい。
【0048】
工具本体110における絶縁層112は、例えば、電気絶縁性を有するポリエステル系の樹脂等から構成され、電極111の外周面に被覆され、また、先端110a側での電極111の端面は、絶縁層112によって覆われずに電極111が露出している。
【0049】
このような電解加工装置100において、電解加工工具101によって電極111の内部を流通した電解液Wが工具本体110の先端110aから導出される。そして、導出された電解液Wを介して工具本体110の先端110aの端面と、動翼28の冷却通路50の内面との間が通電し、動翼28が電解して冷却通路50が軸線O方向に向かってより深く加工されていく。
【0050】
図2および図3に示すように、第1実施形態の動翼28において、冷却通路50は、第1冷却通路50aと第2冷却通路50bとを有する。第1冷却通路50aは、基端側冷却孔51と、空洞部52と、第1冷却孔53と、第2冷却孔54とを有し、第2冷却孔54は、一端から他端に向けて内径が最小内径D3から最大内径D4まで漸次大きくなっている。第2冷却通路50bは、第3冷却孔55を有し、第3冷却孔55は、一端から他端に向けて内径D5が一定である。
【0051】
第1実施形態のタービン翼の製造方法は、冷却通路50を構成する第1冷却通路50aと第2冷却通路50bを形成するものである。第1実施形態のタービン翼の製造方法は、第1冷却通路50aを構成する基端側冷却孔51と空洞部52と第1冷却孔53と第2冷却孔54を形成するものである。図6は、冷却孔の1パス加工時における加工距離に対する電流値を表すグラフ、図7は、冷却孔の1パス加工時における加工距離に対する加工速度を表すグラフである。
【0052】
第1実施形態のタービン翼の製造方法は、動翼28の先端41a側から基端41b側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向Dhに沿って内径が第1拡大率をもって大きくなる第1冷却通路50aを電解加工により形成する工程と、動翼28の先端41a側から基端41b側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向Dhに沿って内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる第2冷却通路50bを電解加工により形成する工程とを有する。
【0053】
また、第1実施形態のタービン翼の製造方法は、動翼28の先端側から基端側に向けて電解加工により翼高さ方向Dhに沿う第1冷却通路50aを形成するものであって、先端41a側から電流値および加工速度を一定として翼高さ方向に沿って内径が同じである第1冷却孔53を電解加工により形成する工程と、第1冷却孔53から電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を変更しながら翼高さ方向Dhに沿って内径が大きくなる第2冷却孔54を電解加工により形成する工程とを有する。
【0054】
第1冷却通路50a形成する工程にて、まず、前述した電解加工装置100を用い、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101を動翼28の基端側から先端側に移動することで、内径が変わらずに同じである基端側冷却孔51を電解加工により形成する。次に、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101の加工速度を減速、または、停止して内径が基端側冷却孔51の内径より大きい空洞部52を電解加工により形成する。
【0055】
続いて、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101を動翼28の先端側から基端側に移動することで、内径が変わらずに同じである第1冷却孔53を電解加工により形成する。そして、最後に、電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を変更しながら、電解加工工具101を動翼28に形成した第1冷却孔53の端部から動翼28の基端側に移動することで、内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を電解加工により形成する。そのため、動翼28の翼部41に連通部に段差のない第1冷却孔53とテーパ形状の第2冷却孔54を形成することができる。
【0056】
具体的には、図6に示すように、電解加工工具101を領域A1に相当する加工距離L1までは、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101を移動して内径が一定である第1冷却孔53を形成する。その後、電解加工工具101を領域A1+A2に相当する加工距離L2までは、電流値を上昇させながら、電解加工工具101を移動して内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を形成する。または、図7に示すように、第1冷却孔53を形成した後、電解加工工具101を領域A1+A2に相当する加工距離L2までは、加工速度を下降させながら、電解加工工具101を移動して内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を形成する。このとき、電流値や加工速度を変更する変更率は、第2冷却孔54の形状に応じて適宜設定すればよい。また、電解加工工具101を移動して第2冷却孔54を形成するとき、電解加工量が徐々に多くなることから、加工中に発生する水素ガスが増え、スラッジの排出性が悪化する可能性があるため、電解液Wの流通速度を徐々に高くしていくことが好ましい。
【0057】
なお、第2冷却孔54を電解加工により形成する工程にて、電流値を最大で一定とし、加工速度を変更しながら電解加工工具101を移動して内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を電解加工により形成することが好ましい。電流値を最大で一定とすることで、大きな加工量を確保することができ、加工時間を短縮することができる。
【0058】
上述した説明では、電解加工工具101を領域A1を移動させることで、第1冷却孔53を電解加工により形成した後、電解加工工具101を領域A2を移動させることで、第2冷却孔54を1パスで電解加工により形成したが、この方法に限定されるものではない。図8は、冷却孔の2パス加工時における加工距離に対する電流値を表すグラフ、図9は、冷却孔の2パス加工時における加工距離に対する加工速度を表すグラフである。
【0059】
図8に示すように、電解加工工具101を領域A1+A2に相当する加工距離L2までは、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101を移動して内径が一定である第1冷却孔53と基礎第2冷却孔を1パス目で形成する。その後、領域A1に相当する加工距離L1から領域1+A2に相当する加工距離L2まで、電流値を上昇させながら、電解加工工具101を移動して内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を2パス目で形成する。または、図9に示すように、電解加工工具101を領域A1+A2に相当する加工距離L2までは、電流値および加工速度を一定とした状態で、電解加工工具101を移動して内径が一定である第1冷却孔53と基礎第2冷却孔を1パス目で形成する。その後、領域A1に相当する加工距離L1から領域A1+A2に相当する加工距離L2まで、加工速度を下降させながら、電解加工工具101を移動して内径が漸次大きくなる第2冷却孔54を2パス目で形成する。なお、2パス目における電解加工工具101の電極の外径は、1パス目における電解加工工具101の電極の外径と同一である。なお、2パス目における電解加工工具101の電極の外径を、1パス目における電解加工工具101の電極の外径より大きくしてもよい。また、電解加工工具101の移動方向は、加工距離L2から加工距離L1に向かう方向であってもよい。
【0060】
また、電解加工工具101を移動して第2冷却孔54を形成するとき、電解加工量が多いことから、電解加工工具101と第2冷却孔54の内面との距離が大きくなり、溶液抵抗が増大し、加工性が低下するおそれがある。図10は、タービン翼の製造方法の第1変形例を説明するための断面図、図11は、電解加工工具を表す概略図である。
【0061】
図10および図11に示すように、電解加工工具101Aは、電極121と、電極121を外周から覆う絶縁層122を有し、全体として筒形状をなす工具本体120を備える。
【0062】
工具本体120における電極121は、軸線Oに沿って延びる筒状をなす。電極121は、内部に工具本体120の基端120b側から先端120a側に向かって電解加工に供される電解液Wが流通される。工具本体120は、電極121の外周面が絶縁層122により被覆され、先端120a側での電極121の端面は、絶縁層122によって覆われずに電極121が露出している。
【0063】
工具本体120は、非絶縁部123が設けられる。非絶縁部123は、工具本体120の先端120aと基端120bとの間の先端120a寄りの中途位置で、電極121の外周面が周方向の全域にわたって軸線Oを中心としてリング状に露出することで、動翼28と径方向に対向するように形成される。非絶縁部123は、軸線O方向に間隔をあけて2つが形成されるが、少なくとも1つが形成されていればよい。
【0064】
そして、非絶縁部123は、工具本体120の先端120aから導出される電解液Wを介して動翼28との間で通電可能となっている。
【0065】
電解加工のとき、非絶縁部123が形成されていることで、工具本体120の先端120aにおける軸線O方向を向く端面だけでなく、電極121の外周面においても動翼28との間で通電が可能となる。そのため、動翼28との間での通電面積が増して、印加電圧の上昇を抑制しつつ、加工速度の向上を図ることができる。そして、第2冷却孔54を形成するとき、電解加工工具101Aと第2冷却孔54の内面との距離が大きくなって、溶液抵抗が増大しても、加工性の低下を抑制することができる。
【0066】
図12は、タービン翼の製造方法の第2変形例を説明するための断面図、図13は、電解加工工具を表す概略図である。
【0067】
図12および図13に示すように、電解加工工具101Bは、電極131と、電極131を外周から覆う絶縁層132を有し、全体として筒形状をなす工具本体130を備える。
【0068】
工具本体130における電極131は、軸線Oに沿って延びる筒状をなす。電極131は、内部に工具本体130の基端130b側から先端130a側に向かって電解加工に供される電解液Wが流通される。工具本体130は、電極131の外周面が絶縁層132により被覆され、先端130a側での電極131の端面は、絶縁層132によって覆われずに電極131が露出している。
【0069】
工具本体120は、非絶縁部133が設けられる。非絶縁部133は、電極131の外周面において、径方向視で四角形状をなして、工具本体130の先端130aの端面における電極131の露出部分に連続するように軸線O方向に延びて形成される。非絶縁部133は、周方向に一定の間隔をあけて絶縁層132と周方向に交互となるように複数が形成されており、第1実施形態では、4つ形成されている。
【0070】
電解加工のとき、非絶縁部133によって、電極131の外周面においても動翼28との間で通電が可能となるため、通電面積を増大できる。そして、第2冷却孔54を形成するとき、電解加工工具101Aと第2冷却孔54の内面との距離が大きくなって、溶液抵抗が増大しても、加工性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、図2および図3に示すように、電解加工により第1冷却孔53と第2冷却孔54を連続して形成し、基端側冷却孔51に連通するとき、第2冷却孔54の形成位置が軸方向Daや周方向Dcにずれると、第2冷却孔54が基端側冷却孔51に連通しない。そのため、第2冷却孔54と基端側冷却孔51との間に空洞部52を設けている。すなわち、動翼28の基端側から先端側に向けて電解加工して基端側冷却孔51を形成した後、電流値を一定とし、加工速度を微速、または、0にし、空洞部52を形成する。
【0072】
図14は、電流印加時間に対する冷却孔拡大率を表すグラフである。図4に示すように、電極に高電圧を印加したE1では、電流印加時間の増加に対して冷却孔拡大率が曲線状に変化する。また、電極に低電圧を印加したE2では、電流印加時間の増加に対して冷却孔拡大率が直線状に変化するように見える。このような出圧と電流印加時間と冷却孔拡大率との関係に基づいて、第2冷却孔54および基端側冷却孔51の内径や位置ずれ量に応じて空洞部52の内径を決定する。空洞部52を設けることで、第2冷却孔54の形成位置が軸方向Daや周方向Dcにずれても、第2冷却孔54と基端側冷却孔51を空洞部52により連通することができる。
【0073】
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図、図16は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0074】
図15および図16に示すように、動翼28Aは、翼部41Aと、プラットフォーム42と、翼根部43とを有する。動翼28Aは、翼高さ方向Dhに沿って複数の冷却通路50が設けられる。複数の冷却通路50は、軸方向Da方向である前後方向に所定間隔を空けて設けられる。冷却通路50は、第1冷却通路50aと、第2冷却通路50bとを有する。
【0075】
第1冷却通路50aは、翼部41Aの先端41a側から基端41b側に向けて内径が予め設定された所定の第1拡大率をもって大きくなる第2冷却孔54を有する。第2冷却通路50bは、第1冷却通路50aより前縁41e側に位置すると共に後縁41f側に位置して先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定である第3冷却孔55を有する。第2実施形態にて、第1冷却通路50aは、複数(図15および図16では、6個)設けられ、第2冷却通路50bは、前縁41e側および後縁41f側に1つずつ合計2個設けられる。第2冷却通路50bは、翼部41Aの最も前縁41e側および最も後縁41f側にそれぞれ位置する。
【0076】
ここで、複数の第1冷却通路50aと2つの第2冷却通路50bは、キャンバーラインCに沿って設けられている。隣接する複数の第1冷却通路50a同志の間隔P1と、隣接する第1冷却通路50aと第2冷却通路50bとの間隔P2は、同じ寸法である。但し、複数の間隔P1を異ならせてもよいし、間隔P1に対して間隔P2を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。
【0077】
なお、第2実施形態では、第2冷却通路50bが、第1冷却通路50aより前縁41e側および後縁41f側に位置して先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定である冷却孔を有するものとしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、第2冷却通路50bが、先端41a側から基端41b側に向けて内径が第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる冷却孔を有するものとしてもよい。そして、前縁41e側の第2冷却通路50bと後縁41f側の第2冷却通路50bの拡大率を同じにしてもよいし、異ならせてもよい。
【0078】
第1冷却通路50aと第2冷却通路50bの構成は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0079】
[第3実施形態]
図17は、第3実施形態のタービン翼としての動翼を表す縦断面図、図18は、動翼の翼高さ方向における異なる位置での形状を表す概略図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】
図17および図18に示すように、動翼28Bは、翼部41Bと、プラットフォーム42と、翼根部43とを有する。動翼28Bは、翼高さ方向Dhに沿って複数の冷却通路50が設けられる。複数の冷却通路50は、軸方向Da方向である前後方向に所定間隔を空けて設けられる。冷却通路50は、第1冷却通路50aと、第2冷却通路50bとを有する。
【0081】
第1冷却通路50aは、翼部41Bの先端41a側から基端41b側に向けて内径が予め設定された所定の第1拡大率をもって大きくなる第2冷却孔54を有する。第2冷却通路50bは、第1冷却通路50aより前縁41e側に位置すると共に後縁41f側に位置して先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定である第3冷却孔55を有する。第3実施形態にて、第1冷却通路50aは、複数(図17および図18では、6個)設けられ、第2冷却通路50bは、後縁41f側に1つ設けられる。第2冷却通路50bは、翼部41の最も後縁41f側に位置する。なお、第2冷却通路50bを翼部41の前縁41e側に設けてもよい。
【0082】
動翼28Bは、前後方向における中間部に第1冷却通路50aのない非冷却部56が設けられる。非冷却部56は、前後方向の中央部に設けられる隣接する一対の第1冷却通路50aの間に設けられる。非冷却部56は、翼部41Bとプラットフォーム42と翼根部43とを翼高さ方向Dhに沿って連続するように形成される。
【0083】
非冷却部56より前縁41e側に設けられる複数の第1冷却通路50aにて、隣接する複数の第1冷却通路50a同志の間隔P1は、同じ寸法である。また、非冷却部56より後縁41f側に設けられる複数の第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50bにて、隣接する複数の第1冷却通路50a同志の間隔P1と、隣接する第1冷却通路50aと第2冷却通路50bとの間隔P2は、同じ寸法である。一方、非冷却部56を挟んで両側に設けられる隣接する第1冷却通路50a同志の間隔P3は、間隔P1より大きい寸法である。
【0084】
第1冷却通路50aと第2冷却通路50bの構成は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0085】
<実施形態の作用効果>
第1の態様に係るタービン翼は、翼高さ方向Dhに沿う冷却通路50が軸方向Daに所定間隔を空けて複数設けられる動翼28,28A,28Bにおいて、冷却通路50は、先端41a側から基端41b側に向けて内径が第1拡大率をもって大きくなる第2冷却孔54を有する第1冷却通路50aと、先端41a側から基端41b側に向けて内径が一定または第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる第3冷却孔55を有する第2冷却通路50bとを備える。
【0086】
第1の態様に係るタービン翼は、基端41b側に供給された冷却空気は、第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50bを通って先端41a側に排出される。このとき、第1冷却通路50aは、基端側に向けて内径が大きくなる第2冷却孔54を有することから、第2冷却孔54を流れる冷却空気は、徐々に流速が高くなる。そのため、冷却空気により熱負荷が高い中間位置から先端41a側を積極的に冷却することができる。この場合、第1冷却通路50aより前縁41e側または後縁41f側に位置する第2冷却通路50bは、内径が一定または基端側に向けて内径が若干大きくなる。そのため、第2冷却通路50bの形状に拘わらず、第1冷却通路50aの第1拡大率を設定することができる。その結果、動翼28を効率良く冷却することで冷却性能の向上を図ることができる。
【0087】
第2の態様に係るタービン翼は、動翼28は、軸方向Daにおける中間部から前縁41e側および後縁41f側に向けて幅が狭くなる形状をなし、第2冷却通路50bは、最前縁41e側または最後縁41f側に位置する。これにより、幅の狭い第2冷却通路50bの強度を低下させることなく、冷却空気により最前縁41e側や最後縁41f側を適正に冷却することができる。
【0088】
第3の態様に係るタービン翼は、第1拡大率は、内径寸法の拡大率であって、100%より大きく250%より小さい範囲に設定する。これにより、第1冷却通路50aの基端41bを流れる冷却空気の流速を低下させ、より低温の冷却空気を中間部から先端41aに供給し、第1冷却通路50aの先端側を流れる冷却空気の流速を上昇させることで、動翼28の先端側を効率良く冷却することができる。
【0089】
第3の態様に係るタービン翼は、第1拡大率は、内径寸法に基づいた通路面積拡大率であって、100%より大きく306%より小さい範囲に設定する。これにより、第1冷却通路50aの基端41bを流れる冷却空気の流速を低下させ、より低温の冷却空気を中間部から先端41aに供給し、第1冷却通路50aの先端側を流れる冷却空気の流速を上昇させることで、動翼28の先端側を効率良く冷却することができる。
【0090】
第5の態様に係るタービン翼は、軸方向Daにおける中間部で隣接する第1冷却通路50aの間隔P3がその他の隣接する第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50bの間隔P1,P2より大きい。それにより、動翼28Bの中間部の温度低下を抑制することができると共に、動翼28Bの強度を向上することができる。
【0091】
第6の態様に係るタービン翼は、軸方向Daにおける中間部に第1冷却通路50aのない非冷却部56を設ける。それにより、非冷却部56に冷却空気が流れないこととなり、動翼28Bの中間部の温度低下を抑制することができる。つまり、中間部と前縁41eおよび後縁41fとの間での温度差を小さくすることができると共に、第1冷却通路50aを流れる冷却空気のヒートアップを抑制することができる。また、非冷却部56を設けることで、動翼28Bの強度を向上することができる。その結果、動翼28Bの熱反りを抑制することができると共に、十分な強度を確保することができる。
【0092】
第7の態様に係るタービン翼は、第1冷却通路50aとして、一端が先端41a側に開口して翼高さ方向Dhに沿って内径が同じである第1冷却孔53と、一端が第1冷却孔53の他端に連通して基端41b側に向けて内径が大きくなる第2冷却孔54を設ける。それにより、基端側に供給された冷却空気は、第2冷却孔54から第1冷却孔53を通って先端側に排出される。このとき、第2冷却孔54が基端側に向けて内径が大きくなることから、第2冷却孔54を流れる冷却空気は、徐々に流速が高くなって第1冷却孔53を流れる。そのため、冷却空気により熱負荷が高い中間位置から先端側を積極的に冷却することができる。
【0093】
第8の態様に係るタービン翼は、第1冷却孔53の一端から第1冷却孔53と第2冷却孔54との連通位置までの長さを、第1冷却孔53の一端から基端41b側におけるガスパス面までの長さの40%〜60%の範囲に設ける。それにより、冷却通路50を流れる冷却空気は、基端側で遅く、中間位置から先端側で速くなる。そのため、冷却空気により熱負荷が高い中間位置から先端側を積極的に冷却することができる。
【0094】
第9の態様に係るタービン翼は、第2冷却孔54を基端41b側に向けて内径が連続して大きくなるテーパ形状とする。そりにより、第2冷却孔54が段差などのないテーパ形状をなすことから、応力集中の発生を抑制することができる。
【0095】
第10の態様に係るタービン翼は、冷却通路50は、一端が基端41b側に開口する基端側冷却孔51と、内径が基端側冷却孔51の内径より大きくて第1冷却通路50aの他端または第2冷却通路50bの他端および基端側冷却孔51の他端が連通する空洞部52とを有する。それにより、基端41b側に供給された冷却空気は、基端側冷却孔51から空洞部52に導入され、空洞部52から第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50bに導入されることとなり、冷却空気を翼部41,41A,41B内に適正に供給することができる。
【0096】
第11の態様に係るタービン翼は、空洞部52をプラットフォーム42に設ける。それにより、第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50b、第2冷却孔54、基端側冷却孔51より内径の大きい空洞部52を容易に形成することができる。
【0097】
第12の態様に係るタービン翼の製造方法は、翼高さ方向Dhに沿う冷却通路50が軸方向Daに所定間隔を空けて複数設けられる動翼28,28A,28Bの製造方法において、動翼28,28A,28Bの先端41a側から基端41b側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向Dhに沿って内径が第1拡大率をもって大きくなる第1冷却通路50aを電解加工により形成する工程と、動翼28,28A,28Bの先端41a側から基端41b側に向けて電流値と加工速度の少なくともいずれか一方を調整しながら翼高さ方向Dhに沿って内径が一定または前記第1拡大率より小さい第2拡大率をもって大きくなる第2冷却通路50bを電解加工により形成する工程とを有する。それにより、翼高さ方向Dhに沿って内径が大きくなる第1冷却通路50aと、翼高さ方向Dhに沿って内径が一定または若干大きくなる第2冷却通路50bを容易に形成することができ、冷却性能の高い動翼28を効率良く製造することができる。
【0098】
第13の態様に係るタービン翼の製造方法は、第1冷却通路50aは、一端が先端41a側に開口して翼高さ方向Dhに沿って内径が同じである第1冷却孔53と、一端が第1冷却孔53の他端に段差なく連通して基端41b側に向けて内径が大きくなる第2冷却孔54と有し、第1冷却孔53における動翼28,28A,28Bの先端41a側の一端から第1冷却孔53と第2冷却孔54との連通位置までの長さを、第1冷却孔53の一端から動翼28,28A,28Bの基端41b側におけるガスパス面までの長さの40%〜60%の範囲に設ける。それにより、冷却空気により熱負荷が高い中間位置から先端側を積極的に冷却することができる第1冷却通路50aを高精度に形成することができる。
【0099】
第14の態様に係るタービン翼の製造方法は、第2冷却孔54を電解加工により形成するとき、電流値を最大で一定とし、加工速度を変更しながら翼高さ方向に沿って内径が大きくなる第2冷却孔54を電解加工により形成する。それにより、電流値を最大で一定にすることで、所定の電解加工量を確保することができ、加工速度を変更しながら電極を移動することで、内径が大きくなる第2冷却孔54を適正に形成することができる。
【0100】
第15の態様に係るガスタービンは、圧縮機11と、圧縮機11が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器12と、タービン翼としての動翼28を有して燃焼器12が生成した燃焼ガスFGにより回転動力を得るタービン13とを備える。これにより、動翼28,28A,28Bにて、冷却空気により熱負荷が高い中間位置から先端側を積極的に冷却することができる。その結果、動翼28を効率良く冷却することで冷却性能の向上を図ることができる。
【0101】
なお、上述した実施形態にて説明した第1冷却通路50aおよび第2冷却通路50bの位置や数や大きさなどは、実施形態のものに限定されるものではなく、動翼28,28A,28Bの形状、大きさ、適用環境などにより適宜設定すればよいものである。
【0102】
また、上述した実施形態では、本発明のタービン翼を動翼28に適用して説明したが、静翼27に適用してもよい。
【符号の説明】
【0103】
10 ガスタービン
11 圧縮機
12 燃焼器
13 タービン
27 静翼
28 動翼(タービン翼)
32 ロータ
41,41A,41B 翼部
41a 先端
41b 基端
41c 負圧面
41d 正圧面
41e 前縁
41f 後縁
42 プラットフォーム
42a,42b 表面
42c 裏面
43 翼根部
43a 基端
50 冷却通路
50a 第1冷却通路
50b 第2冷却通路
51 基端側冷却孔
52 空洞部
53 第1冷却孔
54 第2冷却孔
55 第3冷却孔
56 非冷却部
100 電解加工装置
101,101A,101B 電解加工工具
102 移動機構
103 ガイド部
110,120,130 工具本体
111,121,131 電極
112,122,132 絶縁層
123,133 非絶縁部
Da 軸方向
Dc 周方向
Dh 翼高さ方向
P1,P2,P3 孔ピッチ
図1
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