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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-103643(P2021-103643A)
(43)【公開日】2021年7月15日
(54)【発明の名称】燃料電池システム及び運転方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20210618BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20210618BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20210618BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20210618BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20210618BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20210618BHJP
【FI】
   H01M8/04 J
   H01M8/12 101
   H01M8/04 Z
   H01M8/04303
   H01M8/04014
   H01M8/04701
   H01M8/04746
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-234465(P2019-234465)
(22)【出願日】2019年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100121049
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦幸
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AC05
5H127BA05
5H127BA12
5H127BA28
5H127BA48
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB34
5H127BB37
5H127DA11
5H127DC83
5H127DC84
(57)【要約】
【課題】固体酸化物形燃料電池の停止後すぐに、水蒸気を生成することが可能な燃料電池システム及び運転方法を提供すること。
【解決手段】本発明の燃料電池システム(1)は、アノードガス流路(4)と、カソードガス流路85)と、前記アノードガス流路から燃料ガス、及び、前記カソードガス流路から空気が供給されて電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池(2)と、前記固体酸化物形燃料電池を停止した時に、前記燃料ガスと混合する水蒸気を発生させる水蒸気発生器(3)と、を有し、前記水蒸気発生器は、前記アノードガス流路、或いは、前記カソードガス流路を流れるガスと熱交換可能に配置されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードガス流路と、
カソードガス流路と、
前記アノードガス流路から燃料ガス、及び、前記カソードガス流路から空気が供給されて電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、
前記固体酸化物形燃料電池を停止した時に、前記燃料ガスと混合する水蒸気を発生させる水蒸気発生器と、を有し、
前記水蒸気発生器は、前記アノードガス流路、或いは、前記カソードガス流路を流れるガスと熱交換可能に配置されることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記水蒸気発生器は、前記アノードガス流路の入口側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記固体酸化物形燃料電池の停止後に、前記水蒸気発生器の温度低下を抑制するヒータが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
アノードガス流路から燃料ガス、及び、カソードガス流路から空気を供給して電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池を停止した時に、前記燃料ガスに水蒸気を混合する燃料電池システムの運転方法であって、
水蒸気発生器を、前記アノードガス流路、或いは、前記カソードガス流路を流れるガスと熱交換可能に配置し、
前記水蒸気発生器を、前記固体酸化物形燃料電池の発電中に、前記ガスとの熱交換により、前記水蒸気を生成可能な温度に維持し、前記固体酸化物形燃料電池の発電を停止したときに、前記水蒸気発生器から前記水蒸気を発生させることを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
【請求項5】
前記水蒸気発生器を、ヒータにより加熱して、前記固体酸化物形燃料電池の停止後、前記水蒸気発生器の温度低下を抑制することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システムの運転方法。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム及び運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の発明では、固体酸化物形燃料電池の停止時に、セラミックヒータで水気化器を加熱することにより、水蒸気を生成し、燃料ガスを改質している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−119055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ヒータ加熱により、水気化器を昇温させるために、水気化器が水蒸気発生可能な温度に昇温されるまで時間を要する。このため、水蒸気は、固体酸化物形燃料電池を停止させてから遅れて生成される。したがって、固体酸化物形燃料電池の停止後、水蒸気が供給されない時間が生じ、その時間も燃料ガスが、燃料電池スタックに供給される。これにより、スチームカーボン比(S/C)が低下し、改質器や燃料電池スタックの触媒上に炭素が析出し、触媒が劣化する、いわゆるコーキングが生じる。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、固体酸化物形燃料電池の停止後すぐに、水蒸気を生成することが可能な燃料電池システム及び運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の燃料電池システムは、アノードガス流路と、カソードガス流路と、前記アノードガス流路から燃料ガス、及び、前記カソードガス流路から空気が供給されて電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池を停止した時に、前記燃料ガスと混合する水蒸気を発生させる水蒸気発生器と、を有し、前記水蒸気発生器は、前記アノードガス流路、或いは、前記カソードガス流路を流れるガスと熱交換可能に配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様の燃料電池システムの運転方法は、アノードガス流路から燃料ガス、及び、カソードガス流路から空気を供給して電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池を停止した時に、前記燃料ガスに水蒸気を混合する燃料電池システムの運転方法であって、水蒸気発生器を、前記アノードガス流路、或いは、前記カソードガス流路を流れるガスと熱交換可能に配置し、前記水蒸気発生器を、前記固体酸化物形燃料電池の発電中に、前記ガスとの熱交換により、前記水蒸気を生成可能な温度に維持し、前記固体酸化物形燃料電池の発電を停止したときに、前記水蒸気発生器から前記水蒸気を発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池の停止後すぐに、水蒸気を生成することができる。したがって、固体酸化物形燃料電池の停止後、水蒸気が供給されない時間が生じるのを抑制することができ、改質器や燃料電池スタックの触媒の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。
図2】本実施の形態の水蒸気発生器の斜視図である。
図3】水蒸気発生器とガス流路とを示す断面模式図である。
図4】水蒸気発生器をガス流路に接触させない比較例における、固体酸化物形燃料電池の発電から停止までの温度プロフィールを示す。
図5】水蒸気発生器をガス流路に接触させた本実施の形態における、固体酸化物形燃料電池の起動から、発電、及び、停止までの温度プロフィールを示す。
図6】本実施の形態の燃料電池システムにおける、固体酸化物形燃料電池の停止時の運転方法例を示すグラフである。
図7】第2の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。
図8】第3の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。
図9】第4の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。
図10】水蒸気発生機能を持たせたガス流路の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。図1に示すように、燃料電池システム1は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)2と、水蒸気発生器3と、アノードガス流路4と、カソードガス流路5と、を有して構成される。なお、アノードガス流路4と、カソードガス流路5とを区別せずに、「ガス流路」と称する場合がある。
【0012】
固体酸化物形燃料電池2は、複数のセルを積層または集合体として構成したセルスタックを有している。各セルは、空気極と燃料極で電解質を挟んだ基本構成を有しており、各セルの間には、セパレータが介在している。セルスタックの各セルは、電気的に直列に接続されている。固体酸化物形燃料電池は、空気極で生成された酸化物イオンが電解質を透過して燃料極に移動し、燃料極で酸化物イオンが、水素又は一酸化炭素と反応することにより電気エネルギーを発生する発電メカニズムである。
【0013】
アノードガス流路4は、固体酸化物形燃料電池2から見て入口側のアノードガス入口路L1と、固体酸化物形燃料電池2から見て出口側のアノードガス出口路L2と、を有する。
【0014】
アノードガス入口路L1は、燃料ガスを固体酸化物形燃料電池2に供給する燃料ガス供給路として機能する。燃料ガスは、図示しない燃料供給ブロアにより流量調整される。アノードガス出口路L2は、アノード排ガスを放出する排気路として機能する。また、アノードガス出口路L2は、途中で分岐して、アノードガス入口路L1との間でアノード排ガスを再循環する再循環路L3を備える。図1に示すように、再循環路L3には、再循環ブロア6が設けられており、再循環されるアノード排ガスの流量調整が行われる。
【0015】
図1に示す第1の実施の形態では、水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスと熱交換可能に配置されている。水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1のうち、例えば、固体酸化物形燃料電池2と再循環路L3との間に配置される。図1に示すように、水蒸気発生器3の入口側には、水供給路L5が設けられている。また、水蒸気発生器3の出口側には、水蒸気供給路L6が設けられており、水蒸気発生器3で発生した水蒸気は、水蒸気供給路L6を通して、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスと混合される。
【0016】
図1に示すように、カソードガス流路5は、固体酸化物形燃料電池2から見て入口側のカソードガス入口路L7と、固体酸化物形燃料電池2から見て出口側のカソードガス出口路L8と、を有する。
【0017】
空気ブロア7により、空気が、カソードガス入口路L7から固体酸化物形燃料電池2に供給される。カソードガス入口路L7には、再生熱交換器8が設けられている。
【0018】
図1に示すように、カソード排ガスの排気路であるカソードガス出口路L8は、再生熱交換器8に接続され、カソード排ガスを再循環する流路を構成する。再生熱交換器8では、カソードガス入口路L7を流れる空気を、カソード排ガスと熱交換し、昇温している。
【0019】
水蒸気発生器3について説明する。図2図3に示すように、水蒸気発生器3は、筐体10と、筐体10の前面(入口側に向く面)に設けられた筒状部11と、筐体10の側面に設けられた水蒸気放出管12と、筐体10の裏面側に配置されたヒータ13と、水蒸気発生器3を、燃料電池システム1の所定箇所に固定するための固定治具14と、を有して構成される。筒状部11と、水蒸気放出管12との配置は、図2以外であってもよい。
【0020】
筒状部11、及び、水蒸気放出管12は、筐体10内に通じている。筒状部11は、図1に示す水供給路L5と接続されている。水蒸気放出管12は、図1で示した水蒸気供給路L6の全部、或いは一部を構成する。水蒸気放出管12が、水蒸気供給路L6の全部を構成する場合、水蒸気放出管12は、アノードガス入口路L1に直接接続される。
【0021】
図3に示すように、水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1に接触している。このため、水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスと熱交換可能であり、高温状態(例えば、300℃以上)に維持されている。なお、水蒸気発生器3の温度は、温度測定器3a(図1を参照)にて測定される。
【0022】
したがって、水が、水供給路L5を通して水蒸気発生器3に供給されると、即座に水蒸気を生成でき、水蒸気を、水蒸気放出管12からアノードガス入口路L1に流れる燃料ガスへ供給することができる。
【0023】
図3に示すように、ヒータ13は、アノードガス入口路L1とは非接触に配置される。ヒータ13に直接、アノードガス入口路L1を接触させると、ガスの急激な温度変化等で熱衝撃が加わり、ヒータ13の破損に繋がる。したがって、ヒータ13は、アノードガス入口路L1と接触しないように配置することが好ましく、筐体10の裏面以外に配置することもできる。
【0024】
ヒータ13は、水蒸気発生器3が高温を維持できるように、アシスト加熱する役割を有している。
【0025】
以下、図4及び図5を用いて、比較例、及び本実施の形態における、固体酸化物形燃料電池の発電から停止までの温度プロフィールを説明する。
【0026】
図4は、比較例の温度プロフィールである。比較例では、本実施の形態と異なって、水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1と接触していない。
【0027】
図4に示すように、固体酸化物形燃料電池2の発電中、水蒸気発生器3は、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスと熱交換せず、常温である。図4に示すように、固体酸化物形燃料電池2の発電を停止すると、水蒸気発生器3のヒータ13を起動させ、水蒸気発生器3の温度を上昇させる。水蒸気発生器3の温度を、最終的に300℃程度まで上昇させる。図4に示すように、水蒸気発生器3に水を供給し、このとき、水蒸気発生器3の温度が100℃以上になると、水蒸気が生成し始める。しかしながら、図4に示すように、水蒸気の生成は、固体酸化物形燃料電池2を停止したときから時間tだけ遅れる。
【0028】
一方、図5は、本実施の形態の温度プロフィールである。本実施の形態では、図1図3に示すように、水蒸気発生器3を、アノードガス入口路L1に接触させている。なお、図5では、固体酸化物形燃料電池2の起動から発電、及び停止までの温度プロフィールを説明する。
【0029】
図5に示すように、固体酸化物形燃料電池2の起動開始から時間(1)まで、水蒸気発生器3の温度は、燃料ガスからの伝熱により、上昇する。時間(1)から時間(2)の間では、水蒸気発生器3に設けられたヒータ13を起動させて、水蒸気発生器3の温度を更に上昇させる。このように、燃料ガスからの伝熱とヒータ加熱により、水蒸気発生器の温度を、300℃程度まで上昇させる。
【0030】
図5に示すように、時間(2)になると、水蒸気を発生させ、燃料ガスに混合する。これにより、燃料ガスを、水蒸気改質することができる。
【0031】
固体酸化物形燃料電池2の発電中(図5に示す時間(3)から時間(4)の間)は、水自立させるために、水蒸気の供給を停止する。図5に示すように、固体酸化物形燃料電池2の発電中、水蒸気発生器3は、燃料ガスからの伝熱により、約300℃を維持することができる(ホットスタンバイ)。
【0032】
時間(4)にて、固体酸化物形燃料電池2の発電を停止すると同時に、水蒸気発生器3に水を供給する。このとき、水蒸気発生器3は、約300℃の温度を維持しているため、水の供給により直ちに水蒸気を生成させることができる。
【0033】
図5に示すように、時間(4)から時間(5)の間では、水蒸気の生成により、水蒸気発生器3の温度が一度低下するが、ヒータ13を起動させることで、ヒータ加熱により、水蒸気発生器3を再び、約300℃の温度に保つことができる。
【0034】
図5に示すように、固体酸化物形燃料電池2の発電を停止した時間(4)以降、ガス温度は低下し続ける。時間(5)から時間(6)では、ガス温度の低下により、ヒータによる加熱を主として、水蒸気発生器3を加熱して、水蒸気を生成する。
【0035】
図5に示す本実施の形態の温度プロフィールに示すように、図4の比較例と異なって、固体酸化物形燃料電池2の停止時から水蒸気を生成できる。この結果、固体酸化物形燃料電池2の停止後において、改質器や燃料電池スタックの触媒の劣化を抑制でき、コーキングの発生を効果的に防止することができる。
【0036】
図6は、本実施の形態における燃料電池システムにおける、停止時の運転方法例を示すグラフである。
【0037】
ステップST1では、固体酸化物形燃料電池2の発電を停止する(図5の時間(4))。続いて、ステップST2では、水蒸気発生器3に水を供給する。このとき、水蒸気発生器3は、水蒸気を生成可能な温度に保たれているため、水の供給により、即座に水蒸気発生器3から水蒸気を生成することができる。
【0038】
ステップST3では、水蒸気発生器3の温度を、温度測定器3a(図1を参照)にて測定し、水蒸気発生器3の温度が、例えば、図5の時間(4)から時間(5)の間に示すように、280℃を下回ったとき、ステップST4に移行する。そして、水蒸気発生器3に取り付けられたヒータ13を起動させる。これにより、水蒸気発生器3の温度を、300℃まで再び上昇させることができる。
【0039】
以上のように、固体酸化物形燃料電池2の発電を停止した直後は、水蒸気発生器3が、水蒸気を生成可能な温度に保たれているため、即座に水蒸気を生成できる。固体酸化物形燃料電池2の停止から所定時間が経過すると、水蒸気発生器3の温度が低下し始める。このため、ヒータ13の加熱を利用して、水蒸気発生器3を所定温度に保つことで、固体酸化物形燃料電池2の停止直後からコーキングの発生が解消される所定時間、水蒸気の生成を持続することができる。
【0040】
図1に示す第1の実施の形態では、水蒸気発生器3を、アノードガス流路4のアノードガス入口路L1に配置した。これにより、水蒸気供給路L6を短くすることができ、固体酸化物形燃料電池2の停止後、即座に、水蒸気を燃料ガスに混合でき、効果的に、コーキングの発生を防止することができる。
【0041】
このように、本実施の形態では、水蒸気発生器3を、アノードガス流路4のアノードガス入口路L1に配置することが好ましいが、これに限定されるものではなく、他のガス流路位置に配置することも可能である。以下、図1とは異なる水蒸気発生器3の配置例を説明する。
【0042】
<その他の実施の形態>
図7は、第2の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図、図8は、第3の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図、図9は、第4の実施の形態に係る燃料電池システムの概念図である。
【0043】
図7から図9の各実施の形態において、図1と同じ符号は、同じ部分を示している。図7に示す第2の実施の形態では、水蒸気発生器3を、アノードガス流路4の出口側であるアノードガス出口路L2に配置した。水蒸気発生器3を、図3と同様に、アノードガス出口路L2に接触させることで、アノードガス出口路L2を流れる排ガスとの熱交換を効果的に行うことができる。なお、水蒸気発生器3を、再循環路L3に接触するように配置することもできる。
【0044】
図8に示す第3の実施の形態では、水蒸気発生器3を、カソードガス流路5の出口側であるカソードガス出口路L8に配置した。水蒸気発生器3を、図3と同様に、カソードガス出口路L8と接触させることで、カソードガス出口路L8を流れる排ガスとの熱交換を効果的に行うことができる。水蒸気発生器3を、カソードガス出口路L8の再循環路上に接触するように配置することが好ましい。
【0045】
図9に示す第4の実施の形態では、水蒸気発生器3を、カソードガス流路5の入口側であるカソードガス入口路L7に配置した。水蒸気発生器3を、図3と同様に、カソードガス入口路L7に接触させることで、カソードガス入口路L7を流れる酸化剤ガスとの熱交換を効果的に行うことができる。
【0046】
そして、図7から図9の各実施の形態において、固体酸化物形燃料電池2の停止時に、水を水蒸気発生器3に供給することで、水蒸気を生成することができる。水蒸気を、水蒸気供給路L6を通して、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスに混合することで、固体酸化物形燃料電池2の停止直後から、燃料ガスを水蒸気改質することができる。これにより、改質器や燃料電池スタックの触媒の劣化を抑制でき、コーキングの発生を効果的に防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態の水蒸気発生器は、図10に示すように、ガス流路の一部と一体的になっていてもよい。図10では、ガス流路を2重管構造とし、配管20の外周にヒータ層21を設ける。ヒータ層21と配管20との間には、水供給路L5から水を通すことの可能な空間を備える。これにより、配管20内を流れるガスとの熱交換により水蒸気を生成することができる。ヒータ層21と配管20との間の空間は、水供給路L5とは別の位置で水蒸気供給路L6に繋がっている。そして、水蒸気を、水蒸気供給路L6を介して、アノードガス入口路L1を流れる燃料ガスに混合する。このように、ガス流路を2重管構造とすることで、ガス流路自体に、熱交換率が高い水蒸気発生機能を持たせることができ、効率的に、水蒸気の供給が可能になる。また、小さいヒータ容量でも、安定した水蒸気の供給が可能になる。
【0048】
なお、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0049】
また、本発明の実施の形態は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【0050】
例えば、本実施の形態では、水蒸気発生器3に、ヒータ13を設けない構造とすることができる。この場合、図5の時間(4)と時間(5)との間に示すように、水蒸気発生器3の温度が低下したとき、水蒸気の供給量を減らすなどの制御により、より長い時間、水蒸気を発生させることができる。ただし、水蒸気発生器3に、外部電源としてのヒータ13を設けることで、水蒸気発生器3の温度が低下したときに、ヒータ13で加熱することで、水蒸気発生器3の温度を一定値に保つことができ、常に一定量の水蒸気を供給することが可能になる。これにより、高S/Cを維持でき、電池劣化のリスクを抑制することができる。
【0051】
また、上記の実施の形態では、水蒸気発生器3を、ガス流路に接触させていたが、ガス流路を流れるガスとの熱交換が可能であれば、接触していなくてもよい。例えば、水蒸気発生器3と、ガス流路との間に、中間層があってもよく、或いは、水蒸気発生器3と、ガス流路との間に多少の空間が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 :燃料電池システム
2 :固体酸化物形燃料電池
3 :水蒸気発生器
3a :温度測定器
4 :アノードガス流路
5 :カソードガス流路
6 :再循環ブロア
7 :空気ブロア
8 :再生熱交換器
10 :筐体
11 :筒状部
12 :水蒸気放出管
13 :ヒータ
14 :固定治具
20 :配管
21 :ヒータ層
L1 :アノードガス入口路
L2 :アノードガス出口路
L3 :再循環路
L5 :水供給路
L6 :水蒸気供給路
L7 :カソードガス入口路
L8 :カソードガス出口路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10