特開2021-105102(P2021-105102A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-105102ロタキサンポリウレア架橋体、ロタキサンポリウレア・ウレタン架橋体、およびこれらの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-105102(P2021-105102A)
(43)【公開日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】ロタキサンポリウレア架橋体、ロタキサンポリウレア・ウレタン架橋体、およびこれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/64 20060101AFI20210625BHJP
   C08B 37/16 20060101ALI20210625BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
   C08G18/64 084
   C08B37/16
   C08G18/32 028
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-236371(P2019-236371)
(22)【出願日】2019年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100125184
【弁理士】
【氏名又は名称】二口 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188488
【弁理士】
【氏名又は名称】原谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】多羅尾 俊之
(72)【発明者】
【氏名】田中 真実
(72)【発明者】
【氏名】高田 十志和
(72)【発明者】
【氏名】赤江 要祐
【テーマコード(参考)】
4C090
4J034
【Fターム(参考)】
4C090AA02
4C090AA05
4C090BA11
4C090BB04
4C090BB99
4C090CA35
4C090CA46
4J034CA04
4J034CA15
4J034CB03
4J034CC03
4J034CC08
4J034CC12
4J034CC22
4J034DA01
4J034DB04
4J034DF01
4J034DF02
4J034DF12
4J034DF15
4J034DF20
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG06
4J034EA07
4J034HA01
4J034HA04
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC13
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC45
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC54
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
(57)【要約】
【課題】新規なロタキサンおよびこの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のロタキサンポリウレアの架橋体は、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアの架橋体であって、前記ロタキサンポリウレアのシクロデキストリンが架橋剤により架橋されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアの架橋体であって、前記ロタキサンポリウレアのシクロデキストリンが架橋剤により架橋されていることを特徴とするロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項2】
前記架橋剤は、ポリイソシアネートであり、シクロデキストリンが有するヒドロキシ基と反応して、ロタキサンポリウレアを架橋している請求項1に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項3】
前記ポリウレア鎖は、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンとジイソシアネートとの反応により分子鎖にウレア結合が形成されたものである請求項1または2に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項4】
前記ジイソシアネートは、ジイソシアネートモノマーあるいはジイソシアネートマクロモノマーである請求項3に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項5】
前記ロタキサンジアミンは、2個のシクロデキストリンと、前記2個のシクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するものである請求項3または4に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項6】
前記ロタキサンジアミンは、シクロデキストリンがジアミンから脱離するのを防止する封鎖基を有さないものである請求項3〜5のいずれか一項に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項7】
前記ロタキサンジアミンが有するジアミンは、炭素数が6〜20の直鎖アルカンジアミンである請求項3〜6のいずれか一項に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項8】
前記ロタキサンジアミンが有するジアミンは、ドデカンジアミンである請求項7項に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項9】
前記ポリウレア鎖は、前記シクロデキストリンがポリウレア鎖から脱離するのを封鎖する封鎖構造を主鎖中または主鎖末端に有する請求項1〜8に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項10】
前記主鎖中の封鎖構造は、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を二つ有する化合物であって、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖する封鎖化合物により形成されている請求項9に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項11】
前記封鎖化合物は、ジアミン、ジイソシアネート、ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項10に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項12】
前記主鎖末端の封鎖構造は、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を一つ有する化合物であって、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖する封鎖化合物により形成されている請求項9に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項13】
前記封鎖化合物は、モノアミン、モノイソシアネート、モノアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項12に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項14】
前記シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ―シクロデキストリンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜13のいずれか一項に記載のロタキサンポリウレアの架橋体。
【請求項15】
請求項1〜14に記載のロタキサンポリウレアのポリウレア鎖は、ポリウレア鎖の分子鎖にさらにウレタン結合を有するポリウレア・ウレタン鎖であるロタキサンポリウレア・ウレタンの架橋体。
【請求項16】
シクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンと、前記シクロデキストリンを貫通することができるジイソシアネートとを反応させて、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアを製造する工程と、
前記ロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンを架橋剤で架橋させる工程とを有することを特徴とするロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【請求項17】
シクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンと、前記シクロデキストリンを貫通することができるジイソシアネートと、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を二つ有する化合物であって、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖する封鎖化合物とを反応させることにより、前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖を有するロタキサンポリウレアを製造する工程と、
前記ロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンを架橋剤で架橋させる工程とを有することを特徴とするロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【請求項18】
前記ジイソシアネートとして、ジイソシアネートマクロモノマーを使用する請求項16または17に記載のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【請求項19】
前記ジイソシアネートマクロモノマーとして、ジイソシアネートモノマーとポリエーテルジオールとを反応させてなるものを使用する請求項18に記載のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【請求項20】
前記封鎖化合物として、ジアミン、ジイソシアネート、ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を使用する請求項17に記載のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【請求項21】
前記架橋剤として、ポリイソシアネートを用い、シクロデキストリンが有するヒドロキシ基と反応させて、ロタキサンポリウレアを架橋する請求項16〜20のいずれか一項に記載のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なロタキサンおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロタキサン架橋体について、種々の研究・開発がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、第1の環状分子の開口部に第1の直鎖状分子が串刺し状に包接されてなる第1のポリロタキサンであって該第1の直鎖状分子の両末端に第1のブロック基を有し該第1のブロック基が前記第1の環状分子を脱離できないように配置される第1のポリロタキサン、及び第2の環状分子の開口部に第2の直鎖状分子が串刺し状に包接されてなる第2のポリロタキサンであって該第2の直鎖状分子の両末端に第2のブロック基を有し該第2のブロック基が前記第2の環状分子を脱離できないように配置される第2のポリロタキサンを有し、前記第1及び第2の環状分子の環は実質的な環であり、前記第1の環状分子の少なくとも1つと前記第2の環状分子の少なくとも1つとが化学結合を介して結合されてなる架橋ポリロタキサンを有する化合物であって、前記第1の直鎖状分子及び第2の直鎖状分子の分子量が10,000以上であり、前記化合物が粘弾性材料である化合物が開示されている。
【0004】
特許文献2には、第1のポリロタキサン及び第2のポリロタキサンを有する材料であって、前記第1のポリロタキサンは、第1の環状分子の開口部が第1の直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる第1の擬ポリロタキサンの両端に前記第1の環状分子が脱離しないように第1の封鎖基を配置してなり、前記第2のポリロタキサンは、第2の環状分子の開口部が第2の直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる第2の擬ポリロタキサンの両端に前記第2の環状分子が脱離しないように第2の封鎖基を配置してなり、該第1及び第2のポリロタキサンは前記第1及び第2の環状分子を介して架橋してなり、該材料が溶媒フリーであり、前記材料は、X)圧縮永久歪が10%以下;Y)引張応力緩和が15%以下;及び Z)ヒステリシスロスが25%以下;からなる群から選ばれる少なくとも1種の特性を有する材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3475252号公報
【特許文献2】特開2011−241401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規なロタキサンおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロタキサンポリウレアの架橋体は、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアの架橋体であって、前記ロタキサンポリウレアのシクロデキストリンが架橋剤により架橋されていることを特徴とする。本発明は、シクロデキストリンを貫通している軸分子がポリウレア鎖であって、シクロデキストリンが架橋されているところに特徴がある。
【0008】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法は、シクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンと、前記シクロデキストリンを貫通することができるジイソシアネートとを反応させて、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアを製造する工程と、前記ロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンを架橋剤で架橋させる工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、新規なロタキサン架橋体およびその製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のロタキサンポリウレア架橋体の分子構造の一態様を模式的に説明する模式図である。
図2】本発明のロタキサンポリウレア架橋体の分子構造の一態様を模式的に説明する模式図である。
図3】本発明のロタキサンポリウレア架橋体の分子構造の一態様を模式的に説明する模式図である。
図4】本発明で使用するロタキサンジアミンの分子構造の一態様を模式的に説明する模式図である。
図5】本発明で使用するロタキサンポリウレアを製造する反応スキームの一例を模式的に説明する模式図である。
図6】本発明で使用するロタキサンポリウレアを製造する反応スキームの一例を示す説明図である。
図7】本発明のロタキサンポリウレア架橋体を製造する反応スキームの一例を示す説明図である。
図8】本発明で使用するロタキサンポリウレアの一例のH−NMRスペクトルである。
図9】本発明のロタキサンポリウレア架橋体の一例のH−NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のロタキサンポリウレアの架橋体は、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアの架橋体であって、前記ロタキサンポリウレアのシクロデキストリンが架橋剤により架橋されていることを特徴とする。本発明のロタキサンポリウレアの架橋体は、シクロデキストリンの空洞部を軸分子であるポリウレア鎖が貫通しているロタキサン構造を有するとともに、シクロデキストリンが架橋されているところに要旨がある。
【0012】
本発明において、「ロタキサン」とは、少なくとも1個の環状分子(シクロデキストリン)と、前記環状分子(シクロデキストリン)の空洞部を貫通している軸分子とを有する構造を有する分子を意味する。軸分子に、前記環状分子(シクロデキストリン)が軸分子から脱離するのを封鎖する構造の有無を問わないものとする。軸分子が貫通している環状分子(シクロデキストリン)が2個以上の「ロタキサン」を「ポリロタキサン」と称する場合がある。軸分子が貫通している環状分子(シクロデキストリン)が2個以上である「ポリロタキサン」は、軸分子が貫通している環状分子(シクロデキストリン)が少なくとも1個以上である「ロタキサン」に含まれる。また、「ロタキサンポリウレア」および「ロタキサンジアミン」と称する場合、「ポリウレア」および「ジアミン」はそれぞれ、環状分子(シクロデキストリン)を貫通している軸分子を意味する。
【0013】
本発明で使用するロタキサンポリウレア1分子が有するシクロデキストリンの数は、少なくとも1個であれば、特に限定されない。1分子のロタキサンポリウレアが有する環状分子の数は、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましく、5個以上であることがさらに好ましく、100個以下であることが好ましい。
【0014】
図1は、本発明のロタキサンポリウレアの架橋体1の分子構造の一例を模式的に示す模式図である。ロタキサンポリウレア2は、シクロデキストリン3と、前記シクロデキストリン3を貫通しているポリウレア鎖5とを有する。ロタキサンポリウレア2が有するシクロデキストリン3が架橋剤6により架橋されている。図1に示した態様のロタキサンポリウレア2は、ポリウレア鎖5にシクロデキストリン3がポリウレア鎖5から脱離するのを封鎖する封鎖構造を有していないが、架橋構造によって、シクロデキストリン3が拘束されているので、ポリウレア鎖5から脱離するのが抑制される。なお、図1では、ロタキサンポリウレア二分子の分子間架橋構造を示しているが、本発明のロタキサンポリウレア架橋体には、分子内架橋構造も含まれる。
【0015】
本発明で使用するロタキサンポリウレアは、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有し、前記ポリウレア鎖は、前記シクロデキストリンがポリウレア鎖から脱離するのを封鎖する封鎖構造を主鎖中または主鎖末端に有することが好ましい。主鎖末端に設ける態様は、主鎖の両末端にのみ封鎖構造が設けられていることが好ましい。封鎖構造を有することにより、ポリウレア鎖からシクロデキストリンの脱離が抑止される。
【0016】
図2は、本発明のロタキサンポリウレア架橋体1の分子構造の一例を模式的に示す模式図である。ロタキサンポリウレア2は、シクロデキストリン3と、前記シクロデキストリン3を貫通しているポリウレア鎖5とを有する。ポリウレア鎖5の主鎖中には前記シクロデキストリン3がポリウレア鎖5から脱離するのを封鎖する封鎖構造7が設けられている。シクロデキストリン3は、隣接する封鎖構造7の間で軸分子に沿って可動することができる。ロタキサンポリウレア2が有するシクロデキストリン3が架橋剤6により架橋されている。
【0017】
図3は、本発明のロタキサンポリウレア架橋体1の分子構造の一例を模式的に示す模式図である。ロタキサンポリウレア2は、シクロデキストリン3と、前記シクロデキストリン3を貫通しているポリウレア鎖5とを有する。ポリウレア鎖5の主鎖の両末端にのみ、前記シクロデキストリン3がポリウレア鎖5から脱離するのを封鎖する封鎖構造7が設けられている。シクロデキストリン3は、軸分子であるポリウレア鎖5の全域に渡って可動することができる。ロタキサンポリウレア2が有するシクロデキストリン3が架橋剤6により架橋されている。
【0018】
本発明で使用するロタキサンポリウレアは、好ましくは、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンと、ジイソシアネートとの反応により得られる。
【0019】
本発明で使用するロタキサンポリウレアの軸分子であるポリウレア鎖について説明する。前記ポリウレア鎖は、分子鎖に複数のウレア結合を有し、且つ、シクロデキストリンを貫通できるものであれば、特に限定されない。前記ポリウレア鎖は、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンとジイソシアネートとの反応により分子鎖にウレア結合が形成されたものであることが好ましい。ロタキサンジアミンが有するジアミンとジイソシアネートとが反応して、複数のウレア結合を有するポリウレア鎖が形成される。形成されたポリウレア鎖は、ロタキサンジアミンが有しているシクロデキストリンを貫通している状態を維持しているので、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサン構造が形成される。
【0020】
本発明で使用するロタキサンポリウレアを構成するロタキサンジアミンについて説明する。
【0021】
1.ロタキサンジアミン
前記ロタキサンジアミンは、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するものである。すなわち、ロタキサンジアミンは、シクロデキストリンの空洞部を軸分子であるジアミンが貫通しているロタキサン構造を有している。
【0022】
図4は、前記ロタキサンジアミンを模式的に示す模式図である。ロタキサンジアミン9は、2個のシクロデキストリン11と前記シクロデキストリンを貫通しているジアミン13とを有する。
【0023】
1分子のロタキサンジアミンが有するシクロデキストリンの数は、少なくとも1個であれば、特に限定されない。1分子のロタキサンジアミンが有するシクロデキストリンの数は、2個以上であることが好ましく、8個以下であることが好ましく、4個以下であることがより好ましい。
【0024】
前記ロタキサンジアミンは、シクロデキストリンが、軸分子であるジアミンから脱離するのを防止する封鎖基を有していても、有していなくてもよい。本発明では、シクロデキストリンがジアミンから脱離するのを防止する封鎖基を有していないロタキサンジアミンを使用することが好ましい。封鎖基がなければ、ロタキサンジアミンが有するシクロデキストリンは、ジアミンに由来する分子鎖に拘束されず、ポリウレア鎖を構成する他の分子鎖部分へ移動することができる。なお、本発明では、封鎖基を有さないロタキサンジアミンを、「擬ロタキサンジアミン」と称することがある。
【0025】
前記シクロデキストリンとは、中央に空洞部を有する環状構造を持つ有機化合物である。前記シクロデキストリンは、環状構造を有するオリゴ糖の総称である。シクロデキストリンは、例えば、6〜8個のD−グルコピラノース残基がα−1,4−グルコシド結合により環状に結合したものである。シクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン(グルコース数:6個)、β−シクロデキストリン(グルコース数:7個)、γ−シクロデキストリン(グルコース数:8個)などが挙げられ、α−シクロデキストリンが好ましい。α−シクロデキストリン(グルコース数:6個)、β−シクロデキストリン(グルコース数:7個)、γ−シクロデキストリン(グルコース数:8個)の空洞部の内径は、それぞれ、約0.57nm、約0.78nm、約0.95nmである。シクロデキストリンの環状構造には、イソシアネート基やエポキシ基に対して反応し得るヒドロキシル基が複数存在する。
【0026】
前記ジアミンとは、アミノ基を2つ有する有機化合物である。前記ジアミンとしては、前記シクロデキストリンを貫通できるように立体障害が小さいものであることが好ましい。このような観点から、前記ジアミンは、直鎖状ジアミンが好ましく、直鎖アルカンジアミンがより好ましい。なお、アミノ基は、ジイソシアネートとの反応性を高めるために、分子鎖の両末端にあることが好ましい。
【0027】
前記ジアミンの炭素数は、特に限定されないが、シクロデキストリンを貫通する数と、シクロデキストリンの貫通しやすさとのバランスなどの点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、12以上が特に好ましく、30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。
【0028】
前記ジアミンとしては、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−イコサンジアミンなどを挙げることができる。本発明で使用するジアミンは、1,12−ドデカンジアミンであることが好ましい。
【0029】
2.ジイソシアネート
前記ジイソシアネートとは、イソシアネート基を2つ有する有機化合物である。前記ジイソシアネートは、軸分子であるポリウレア鎖を構成する。また、ポリウレア鎖において、シクロデキストリンの可動領域を構成することから、立体障害が小さいジイソシアネートが好ましい。
【0030】
前記ジイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネートモノマー、および、ジイソシアネートマクロモノマーが挙げられる。
【0031】
前記ジイソシアネートモノマーとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0032】
前記ジイソシアネートマクロモノマーとしては、例えば、イソシアネート基と反応する官能基を2つ有する化合物と、前記ジイソシアネートモノマーとを、イソシアネート基が過剰になるような条件で反応させてなる生成物である。生成物であるジイソシアネートマクロモノマーは、ジイソシアネートモノマーに比べて高分子量化されているマクロモノマー(プレポリマー)であり、イソシアネート基を末端に二つ有する。
【0033】
イソシアネート基と反応する官能基を2つ有する化合物としては、ジオール、ジアミン、アミノアルコールなどを挙げることができる。
【0034】
前記ジオールとしては、分子量が500未満の低分子量ジオールや数平均分子量が500以上の高分子量ジオールを挙げることができる。本発明では、ジイソシアネートマクロモノマーを構成するジオール成分として、数平均分子量が500〜10000のジオールを使用することが好ましく、数平均分子量が1000〜5000のジオールを使用することがより好ましい。
【0035】
前記低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオールを挙げることができる。
【0036】
前記高分子量のジオールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0037】
前記ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などが挙げられる。前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などが挙げられる。前記ポリカプロラクトンポリオールとしては、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などが挙げられる。前記ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。
【0038】
前記ジイソシアネートマクロモノマーの数平均分子量は、500以上が好ましく、800以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましく、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。
【0039】
本発明の好ましい態様では、前記ジイソシアネートマクロモノマーは、例えば、ジイソシアネートモノマーとポリエーテルジオールとを、NCO/OH=2/1〜3/2(モル比)で反応させてなるイソシアネート基末端のプレポリマーであることが好ましい。
【0040】
本発明のより好ましい態様では、前記ジイソシアネートマクロモノマーは、2,4−トルエンジイソシアネートとポリオキシプロピレングリコール(PPG)とが反応してなる下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0041】
【化1】
(1)
[式(1)中、nは、繰り返し単位の数を表し、7〜180の数である。]
【0042】
3.ポリウレア鎖を構成し得るその他の成分
本発明で使用するロタキサンポリウレアは、軸分子であるポリウレア鎖を構成する成分として、前述したロタキサンジアミンとジイソシアネートに加えて、ジアミンおよび/またはジオールなどを構成成分として有しても良い。
【0043】
前記ジアミンとしては、ロタキサンジアミンの軸成分であるジアミンとして列挙したものを使用することができる。また、前記ジオールとしては、ジイソシアネートマクロモノマーを構成するジオール成分として列挙したものを使用することができる。
【0044】
本発明のロタキサンポリウレアが、ポリウレア鎖を構成する成分として、ジオール成分を含有する場合、シクロデキストリンを貫通している軸分子であるポリウレア鎖には、ウレア結合に加えてウレタン結合が生成する。そのため、ポリウレア鎖は、ロタキサンポリウレア・ウレタン鎖になる。従って、本発明のロタキサンポリウレアは、ロタキサンポリウレア・ウレタンを含む。
【0045】
4.封鎖化合物
本発明で使用するロタキサンポリウレアは、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有し、前記ポリウレア鎖は、前記シクロデキストリンがポリウレア鎖から脱離するのを封鎖する封鎖構造を主鎖中または主鎖末端に有することが好ましい。
【0046】
封鎖構造を形成する分子の大きさは、シクロデキストリンの内径に応じて適宜選択すればよい。例えば、ベンゼン環の外接円の直径は、約0.278nmであり、ベンゼン環のC−H結合の長さは、0.110nmである。例えば、メタン分子におけるC−H結合距離は、0.110nmである。エタン分子におけるC−C結合距離は、約0.153nmであり、C−H結合距離は、0.110nmである。
【0047】
前記ポリウレア主鎖中の封鎖構造は、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を二つ有する化合物であって、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖する封鎖化合物(以下、「二官能基封鎖化合物」という場合がある。)により形成されることが好ましい。
【0048】
前記二官能基封鎖化合物は、アミノ基またはイソシアネート基と反応可能な官能基を二つ有し、且つ、立体障害により前記シクロデキストリンを封鎖するものであれば特に限定されない。前記二官能基封鎖化合物としては、ジアミン、ジイソシアネート、ジオールなどが挙げられる。
【0049】
前記二官能基封鎖化合物の具体例としては、ビス(4−イソシアネート−3,5−ジエチルフェ二ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ二ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェ二ル)メタンなどが挙げられる。
【0050】
封鎖構造を主鎖中に有する場合、ポリウレア鎖を構成する二官能基封鎖化合物の割合は、1.0モル%以上が好ましく、1.5モル%以上がより好ましく、2.0モル%以上がさらに好ましく、10.0モル%以下が好ましく、8.0モル%以下がより好ましく、6.0モル%以下がさらに好ましい。二官能基封鎖化合物の割合が1.0モル%以上であれば、封鎖構造により、シクロデキストリンのポリウレア鎖からの脱離を抑止できる。また、二官能基封鎖化合物の割合が10.0モル%以下であれば、ポリウレア鎖におけるシクロデキストリンの可動領域が広くなる。その結果、得られるロタキサンポリウレアの物性が良好となる。なお、二官能基封鎖化合物の割合は、以下の式で算出される。
二官能基封鎖化合物の割合=100×[二官能基封鎖化合物のモル数/(二官能基封鎖化合物のモル数+ジイソシアネートのモル数+ロタキサンジアミンのモル数)
【0051】
前記ポリウレア主鎖末端の封鎖構造は、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を一つ有する化合物であって、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖する封鎖化合物(以下、「単官能基封鎖化合物」という場合がある。)により形成されることが好ましい。
【0052】
前記単官能基封鎖化合物は、アミノ基またはイソシアネート基と反応可能な官能基を一つ有し、且つ、前記シクロデキストリンを立体障害により封鎖するものであれば特に限定されない。前記単官能基封鎖化合物としては、モノアミン、モノイソシアネート、モノアルコールなどが挙げられる。
【0053】
前記単官能基封鎖化合物の具体例としては、3,5−ジメチルフェニルイソシアナート、3,5−ジメチルベンジルアミン、3,5−ジメチルベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0054】
本発明のロタキサンポリウレアは、ブロック型、ランダム型のいずれもよい。製造方法を適宜選択することで、ブロック型、あるいは、ランダム型にすることができる。
【0055】
本発明で使用するロタキサンポリウレアの分子全体の数平均分子量(Mn)は、15,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、25,000以上がさらに好ましい。その上限は、特に限定されないが、500,000が好ましい。
【0056】
本発明で使用するロタキサンポリウレアの軸分子であるポリウレア鎖の数平均分子量(Mn)は、15,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、25,000以上がさらに好ましい。その上限は、特に限定されないが、500,000が好ましく、より好ましくは450,000、さらに好ましくは400,000である。
【0057】
本発明で使用するロタキサンポリウレアの分子全体の分子量分布(PDI)(Mw/Mn)は、1.5以上が好ましく、1.7以上がより好ましく、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下がさらに好ましい。
【0058】
前記数平均分子量、分子量分布は、後述する方法により測定されるものである。
【0059】
5.架橋剤
架橋剤としては、前記ロタキサンポリウレアの環状分子であるシクロデキストリンが有するヒドロキシ基と反応する官能基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されない。前記官能基としては、エポキシ基やイソシアネート基が挙げられる。これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
【0060】
前記架橋剤としては、ポリイソシアネートが好ましく、シクロデキストリンが有するヒドロキシ基と反応して、ロタキサンポリウレアを架橋する。前記架橋剤として使用することができるポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート;およびこれらのジイソシアネートのアロハネート体、ビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体などのトリイソシアネート;が挙げられる。前記ポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0061】
なお、架橋点間の距離を調製する観点から、架橋剤として、ロタキサンポリウレアのポリウレア鎖を構成し得るジイソシアネートマクロモノマーを使用することも好ましい態様である。
【0062】
エポキシ系架橋剤としては、多価グリシジル化合物が好ましい。前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテルジグリシジルエーテル、フタル酸グリシジルエステル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
【0063】
前記架橋剤と、ロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンとのモル比(架橋剤/シクロデキストリン×100)は、15モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、8モル%以下がさらに好ましい。架橋剤の使用量が15モル%より高くなると、得られるロタキサンポリウレア架橋体の架橋度が高くなり、性質的に脆くなる場合がある。前記架橋剤とロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンとのモル比(架橋剤/シクロデキストリン×100)の下限は、特に限定されないが、1.0モル%が好ましく、2.0モル%がより好ましく、3.0モル%がさらに好ましい。
【0064】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体のヤング率は、7MPa以上が好ましく、8MPa以上がより好ましく、9MPa以上がさらに好ましい。
【0065】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体の破断伸度は、5%以上が好ましく、8%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましく、20%以上が最も好ましい。
【0066】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体の破断応力は、0.5MPa以上が好ましく、1.0MPa以上がより好ましく、1.5MPa以上がさらに好ましい。
【0067】
前記ヤング率、破断ひずみ、破断応力は、後述する方法により測定されるものである。
【0068】
本発明で使用するロタキサンポリウレアにおいて、ポリウレア鎖を構成する、ロタキサンジアミンの軸分子であるジアミン成分を環状分子であるシクロデキストリンが包接している割合(カバー率θ1)は、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、80%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。カバー率θ1が前記範囲内であれば、十分な伸びと強度を得られるからである。
【0069】
本発明で使用するロタキサンポリウレアにおいて、ポリウレア鎖全体を環状分子であるシクロデキストリンが包接している割合(カバー率θ2)は、0.5%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。カバー率θ2が前記範囲内であれば、十分な伸びと強度を得られるからである。
【0070】
次に、本発明のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法について説明する。
【0071】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体の製造方法は、シクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているジアミンとを有するロタキサンジアミンと、前記シクロデキストリンを貫通することができるジイソシアネートとを反応させて、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサンポリウレアを製造する工程と、前記ロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンを架橋剤で架橋させる工程とを有することを特徴とする。
【0072】
前記ロタキサンポリウレア製造工程では、ロタキサンジアミンが有するジアミンとジイソシアネートとが反応して、複数のウレア結合を有するポリウレア鎖が形成される。形成されたポリウレア鎖は、ロタキサンジアミンが有しているシクロデキストリンを貫通している状態を維持しているので、少なくとも1個のシクロデキストリンと前記シクロデキストリンを貫通しているポリウレア鎖とを有するロタキサン構造が形成される。次いで、架橋工程において、得られたロタキサンポリウレアが有するシクロデキストリンを架橋剤で架橋する。
【0073】
好ましい態様では、ジイソシアネート成分としては、上述したジイソシアネートマクロモノマーを使用する。ジイソシアネートマクロモノマーを使用することにより、ロタキサンポリウレアの高分子量化が容易になるからである。
【0074】
前記ロタキサンポリウレア製造工程では、前述したロタキサンジアミンとジイソシアネートに加えて、軸分子であるポリウレア鎖を構成する成分として、ジアミンおよび/またはジオールなどを構成成分として使用してよい。
【0075】
ロタキサンポリウレア製造工程では、すべての原料を一括で反応させるワンショット法、一部の原料を先に反応させて中程度の分子量のプレポリマーを作製し、このプレポリマーを、鎖長延長剤成分を用いてさらに高分子量化するプレポリマー法などを挙げることができる。
【0076】
ロタキサンポリウレア製造工程では、ロタキサンポリウレアが有するポリウレア鎖に、シクロデキストリンがポリウレア鎖から脱離するのを封鎖する封鎖構造を主鎖中または主鎖末端に設けることが好ましい。
【0077】
ポリウレア鎖の主鎖末端(好ましくは、主鎖の両末端にのみ)に封鎖構造を設ける場合、例えば、ロタキサンジアミンとジイソシアネートを反応させてポリウレア鎖を作製し、ポリウレア鎖の両末端に存在するアミノ基またはイソシアネート基と、アミノ基またはイソシアネート基と反応する官能基を1つ有する封鎖化合物とを反応させることにより封鎖構造を主鎖末端に設けることができる。
【0078】
ポリウレア鎖の主鎖中に封鎖構造を設ける場合、ロタキサンジアミンとジイソシアネートと、前記ロタキサンジアミンまたはジイソシアネートと反応する官能基を2つ有する封鎖化合物とを反応させることにより封鎖構造を主鎖中に設けることができる。
【0079】
図5は、ロタキサンポリウレア製造工程の反応スキームの一例を模式的に示す図である。図5では、ロタキサンジアミン9とジイソシアネートマクロモノマー15とロタキサンジアミンまたはジイソシアネートマクロモノマーと反応する官能基Xを2つ有する封鎖化合物17とを反応させることにより、ランダムロタキサンポリウレア19が得られる。
【0080】
ロタキサンポリウレア製造工程において使用する封鎖化合物としては、前記した封鎖化合物が挙げられる。これらの封鎖化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0081】
なお、ロタキサンポリウレア製造工程において、ジイソシアネートとして、上記したジイソシアネートモノマーとポリエーテルジオールとを反応させてなるジイソシアネートマクロモノマー(分子内にウレタン結合を有するジイソシアネートマクロモノマー)を使用する場合、生成物がロタキサンポリウレア・ウレタンに該当する。よって、本発明のロタキサンポリウレア・ウレタン架橋体を製造する方法は、前記ロタキサンポリウレア架橋体の製造方法に含まれる。
【0082】
ロタキサンポリウレア製造工程において、ジイソシアネートとロタキサンジアミンとの反応において、ジイソシアネートのイソシアネート基と、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物の官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基など)とのモル比は、0.8/1.0〜1.2/1.0であることが好ましい。前記モル比が、上記範囲内であれば、分子量が好適になるからである。
【0083】
本発明の製造方法は、ロタキサンポリウレア製造工程で得られたロタキサンポリウレアを架橋剤で架橋する工程(本発明において、単に「架橋工程」と称する場合がある)を含む。ロタキサンポリウレアの架橋は、ロタキサンポリウレアと架橋剤とを接触させる方法であれば、特に限定されない。ロタキサンポリウレアの架橋は、例えば、ロタキサンポリウレアを含有するロタキサンポリウレア組成物と、架橋剤とを混合して反応させることにより行うことができる。
【0084】
架橋工程において使用するロタキサンポリウレアは、前記で得られるロタキサンポリウレアである。ロタキサンポリウレアは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0085】
架橋工程において使用する架橋剤としては、前記した架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0086】
本発明の製造方法では、溶媒を使用することが好ましい。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられるが、原料の溶解性が高いDMFが好ましい。
【0087】
本発明の製造方法には、ポリウレタンの合成における公知の触媒を使用することができる。前記触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどのモノアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミンなどのポリアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、トリエチレンジアミンなどの環状ジアミン類;ジブチルチンジラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触媒などが挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジブチルチンジラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触媒が好ましく、特に、ジブチルチンジラウリレートが好適に使用される。
【0088】
本発明の製造方法では、架橋工程においてのみ前記触媒を使用することが好ましい。架橋工程は、例えば、−10℃〜100℃の範囲の反応温度で1時間〜48時間行うことが好ましい。ロタキサンジアミンとジイソシアネートとの反応は、速やかに反応するので触媒を使用しなくてもよい。
【0089】
ジイソシアネートとロタキサンジアミンとの反応温度は、特に限定されないが、100℃未満が好ましく、50℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。イソシアネート基とアミノ基とは激しく反応するので、低温で反応させることが好ましい。
【0090】
ジイソシアネートとロタキサンジアミンとの反応時間は、特に限定されないが、6時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましく、18時間以上がさらに好ましい。また、生産効率の観点から、反応時間は、24時間以下とすることが好ましい。
【0091】
前記製造方法で得られる生成物は、通常の精製方法により精製すればよい。例えば、得られる生成物(溶媒などを含むもの)を水に注ぎ込み、得られる沈殿を真空加熱して乾燥させることにより精製する。
【実施例】
【0092】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0093】
[評価方法]
(1)H−NMRスペクトルの測定
H−NMRスペクトルは、重水素化溶媒を用いてBruker Biospin AVANCE DPX-300およびBruker AVANCEIIIHD500により記録した。前記スペクトルは、非重水素化溶媒およびテトラメチルシランを内部標準物質として用いて較正した。
【0094】
(2)数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布(分散度)
数平均分子量および重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてDMF(LiBr 5mM)、カラムとしてTOSOH TSKgel G2500HとG4000Hカラムセットを備えたJASCO PU−2080システムを用いて、30℃、流速0.85ml/分間の条件で測定した。分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量により算出した。
【0095】
(3)引張り試験
引張り試験は、50N荷重セルを備えたSHIMADZU AG-ISを用いて、伸長率167%/分間、25℃で測定した。この引張り試験の結果から、引張り物性(ヤング率、破壊ひずみ、破壊応力、破壊エネルギー)を算出した。ヤング率は、0%〜10%間のひずみとその応力を用いて算出した。なお、ロタキサンポリウレア架橋体からなるシートを、パンチングブレードを用いてダンベル形(60mm)に打抜き、引張り試験用サンプルとした。
【0096】
(4)PU1のカバー率θ1(%)
H−NMRの測定結果から、以下のようにして算出した。図8は、下記に示したようにして作製したPU1のH−NMR(400MHz、298K,DMF−d)のデータである。ドデカン鎖の-(CH10−の積分値は20、PPG鎖中のメチル基aの積分値は3×33×0.9=89.1、嵩高いイソシアナート中のメチル基fの積分値は、3×4×0.1=1.2であり、これらの合計値は20+89.1+1.2=110.3である。この積分値を基準値とする。シクロデキストリンのC(1)Hの積分値は3.4である。ここで、ドデカン鎖を2つのシクロデキストリンが包接した場合、カバー率を100%と定義する。ドデカン鎖を2つのシクロデキストリンが包接した場合、シクロデキストリンのC(1)Hの積分値は12である。
従って、ドデカン鎖部分のカバー率θ1は、以下のようにして算出される。
θ1=(3.4/12)×100=28%(PU1)
【0097】
(5)PU1のカバー率θ2(%)
シクロデキストリンは、2つのPPGユニットを包接することができる。すなわち、カバー率θ2=100%の場合、16.5のシクロデキストリンユニットが、ジイソシアネートマクロマー(「NCO−PPG」)を包接する。これに、ドデカン鎖の2個のシクロデキストリンユニットを加えると18.5のシクロデキストリンユニットが存在する。ここで、前記で算出したように、PU1のドデカン鎖部分のシクロデキストリンユニット数は、0.57(=3.4/12×2)となる。
従って、ポリウレア鎖のカバー率θ2は、以下のようにして算出される。
θ2=(0.57/18.5)×100=3.0%(PU1)
【0098】
(6)PU10のカバー率θ1(%)
H−NMRの測定結果から、以下のようにして算出した。図9は、下記に示したようにして作製したPU10のH−NMR(400MHz、298K、DMSO−d)のデータである。ドデカン鎖の−(CH10−の積分値は20×0.95=19、PPG鎖中のメチル基aの積分値は3×33=99、嵩高いイソシアナート中のメチル基fの積分値は、3×4 ×0.05=0.6であり、これらの合計値は19+99+0.6=118.6である。この積分値を基準値とする。シクロデキストリンのC(1)Hの積分値は3.4である。ここで、ドデカン鎖を2つのシクロデキストリンが包接した場合、カバー率を100%と定義する。ドデカン鎖を2つのシクロデキストリンが包接した場合、シクロデキストリンのC(1)Hの積分値は12×0.95=11.4である。
従って、ドデカン鎖部分のカバー率θ1は、以下のようにして算出される。
θ1=(3.4/(12×0.95))×100=30%(PU10)
【0099】
(7)PU10のカバー率θ2(%)
シクロデキストリンは、2つのPPGユニットを包接することができる。すなわち、カバー率θ2=100%の場合、16.5のシクロデキストリンユニットが、ジイソシアネートマクロマー(「NCO−PPG」)を包接する。これに、ドデカン鎖の2×0.95=1.9個のシクロデキストリンユニットを加えると、18.4のシクロデキストリンユニットが存在する。ここで、前記で算出したように、PU1のドデカン鎖部分のシクロデキストリンユニット数は、0.57(=2×0.30×0.95)となる。
従って、ポリウレア鎖のカバー率θ2は、以下のようにして算出される。
θ2=(0.57/18.4)×100=3.1%(PU10)
【0100】
[ロタキサンポリウレア製造用原料]
(1)ロタキサンジアミン
ロタキサンジアミンは、Eur. J. Org. Chem. 2019, 3605-3613に記載した擬[3] ロタキサンP1の合成方法に従って合成した。具体的には、1,12−ジアミノドデカン(8.8g、44mmol)をα−シクロデキストリン(86g、89mmol)の水(600ml)溶液に添加し、混合液を1時間還流させた後、室温で一晩静置した。ろ過により沈殿を収集し、収集した沈殿を水で洗浄した後、真空乾燥し、白色結晶としてロタキサンジアミン(95g)を得た。
【0101】
なお、Eur. J. Org. Chem. 2019, 3605-3613に記載した確認方法によれば、このロタキサンジアミンは、図4に示したように、2個のシクロデキストリン(α−シクロデキストリン)と前記シクロデキストリンを貫通している末端アミノ基直鎖状ジアミン(1,12−ジアミノドデカン)とからなる封鎖基を有さないものであった。以下、このロタキサンジアミンを、擬[3] ロタキサンジアミンと略称する。
【0102】
(2)ジイソシアネート
ジイソシアネートマクロモノマーとして、下記式(2)の化合物(以下、「NCO−PPG」と略称する)(メルク社製、Mn=2300)を用いた。なお、この化合物は、オキシプロピレンユニットの平均重合度が33のポリプロピレングリコールの両末端に2,4−トルエンジイソシアネートが反応してなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(3量体)である
【0103】
【化2】
(2)
【0104】
(3)封鎖化合物
封鎖化合物として、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ二ル)メタン(市販品)を用いた。その構造は、下記式(3)で示される。
【0105】
【化3】
(3)
【0106】
(4)架橋剤
架橋剤として、4,4’−ジフェ二ルメタンジイソシアネート(MDI)を用いた。
【0107】
[ロタキサンポリウレアPU1の製造(ワンショット法)]
NCO−PPG(9.6g、4.2mmol)とビス(4−イソシアネート−3,5−ジエチルフェ二ル)メタン(0.17g、0.47mmol)を0℃でDMF(60ml)に溶かした溶液に、擬[3]ロタキサンジアミン(10g、4.7mmol)を添加し、室温で24時間攪拌した。得られた混合液を水に注ぎ込み、沈殿を80℃で真空乾燥し、白色固体としてロタキサンポリウレアPU1(10.5g、収率:53%)を得た。PU1の反応スキームは、図6に示した。得られたロタキサンポリウレアは、ランダム構造を有する。PU1のH NMRのデータは、下記の通りである(図8参照)。
【0108】
ロタキサンポリウレアPU1の組成を表1に示した。
【0109】
【表1】
【0110】
1H NMR (300 MHz, 298 K, DMF-d7) δ 8.32-7.90 (m, 1.2H), 7.85-6.49 (m, 5.8H), 5.10-4.81 (m, C(1)H, 3.4H), 3.84-3.15 (m, 113.5H), 2.58 (s, 0.80H), 2.24-2.05 (m, 5.4H), 1.52-0.86 (m, 110.3H) ppm.
【0111】
[ロタキサンポリウレア架橋体(PU10)の製造]
NCO−PPG(10.8g、4.7mmol)を0℃でDMF(60ml)に溶かした溶液に、擬[3] ロタキサンジアミン(9.7g、4.5mmol)を添加し室温で24時間攪拌した後、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ二ル)メタン(73mg、0.24mmol)を添加し、続いて24時間攪拌した。得られた混合液(ロタキサンポリウレア生成物および溶媒などを含むもの)に、架橋剤としてMDI(77mg、0.31mmol)とジブチルチンジラウリレート(19mg、0.032mmol)を添加し、続いて24時間攪拌した。得られた混合液を水に注ぎ込み、沈殿を80℃で真空乾燥し、白色固体としてロタキサンポリウレア架橋体No.1(PU10)(12g、収率:59%)を得た。ロタキサンポリウレア架橋体No.1(PU10)のH−NMRのデータは、下記の通りである(図9参照)。
【0112】
1H NMR (300 MHz, 298 K, DMF-d6) δ 9.64-6.41 (m, 14.9H), 5.70-5.46 (m, 2.7H), 5.04-4.81 (m, C(1)H, 3.4H), 4.64-4.57 (m, 1.1H), 3.96-2.84 (m, 123.4H), 2.33-1.92 (m, 6.4H), 1.68-0.68 (m, 118.6H) ppm.
【0113】
なお、別途で、前記と同様にしてロタキサンポリウレアを製造し、得られた混合液(ロタキサンポリウレア生成物および溶媒などを含むもの)を水に注ぎ込み、沈殿を80℃で真空乾燥し、白色固体としてロタキサンポリウレア精製物を得た。得られたロタキサンポリウレア精製物を確認したところ、そのMnは31000、Mwは93000、分子量分布は3.0、ジアミン鎖におけるシクロデキストリンのカバー率は49%、ポリウレア鎖におけるシクロデキストリンのカバー率は5.3%であった。
【0114】
また、MDIとジブチルチンジラウリレートの使用量を表1の通りに変更した以外、ロタキサンポリウレア架橋体No.1と同様にして、ロタキサンポリウレア架橋体No.2およびNo.3を製造した。
【0115】
ロタキサンポリウレア架橋剤の製造における反応スキームを図7に示した。
【0116】
前記ロタキサンポリウレア架橋体No.1〜No.3について、MDIおよびジブチルチンジラウリレートの配合、生成物の収率、シクロデキストリンのカバー率、各引張り物性(ヤング率、破断ひずみ、破断応力、破断エネルギー)の測定結果は、表2に示した。
【0117】
【表2】
【0118】
本発明のロタキサンポリウレア架橋体は、新規な材料として有用である。
【符号の説明】
【0119】
1:ロタキサンポリウレア架橋体、3:シクロデキストリン、5:ポリウレア鎖、6:架橋剤、7:封鎖構造、9:ロタキサンジアミン、11:シクロデキストリン、13:ジアミン、15:ジイソシアネートマクロモノマー、17:封鎖化合物、19:ランダムロタキサンポリウレア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9