特開2021-105456(P2021-105456A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-105456(P2021-105456A)
(43)【公開日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20210625BHJP
   F24F 11/39 20180101ALI20210625BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20210625BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20210625BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20210625BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
   F24F11/52
   F24F11/39
   F24F11/32
   F24F11/84
   F24F11/56
   F25B49/02 570B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-235626(P2019-235626)
(22)【出願日】2019年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 端之
(72)【発明者】
【氏名】落合 康敬
(72)【発明者】
【氏名】田崎 宣明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 冬樹
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA32
3L260BA62
3L260CB06
3L260CB20
3L260CB23
3L260CB26
3L260EA07
3L260GA02
3L260GA17
3L260JA13
(57)【要約】
【課題】計画的に保守をすることができる空気調和システムを得る。
【解決手段】圧縮機、第1熱交換器、膨張弁および第2熱交換器が冷媒配管を介して接続され、冷媒が循環する冷媒回路と、空気を吸い込んで第1熱交換器に供給するファンと、圧縮機、膨張弁およびファンを制御する制御装置と、第1熱交換器の熱交換量を示すパラメータについて正常値に対する低下率を時系列で表示する表示装置とを有するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、第1熱交換器、膨張弁および第2熱交換器が冷媒配管を介して接続され、冷媒が循環する冷媒回路と、
空気を吸い込んで前記第1熱交換器に供給するファンと、
前記圧縮機、前記膨張弁および前記ファンを制御する制御装置と、
前記第1熱交換器の熱交換量を示すパラメータについて正常値に対する低下率を時系列で表示する表示装置と、
を有する空気調和システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
冷房運転中に前記第1熱交換器の過熱度が予め決められた目標過熱度になるように前記膨張弁の開度を制御する冷凍サイクル制御手段を有する、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
暖房運転中に前記第1熱交換器の過冷却度が予め決められた目標過冷却度になるように前記膨張弁の開度を制御する冷凍サイクル制御手段を有する、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記パラメータとして前記膨張弁の開度の前記正常値に対する前記低下率を算出する比較手段と、
前記比較手段によって算出された前記低下率を時系列で記憶する記憶手段と、を有する、
請求項2または3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記膨張弁の開度に基づいて前記第1熱交換器に単位時間あたりに流通する冷媒循環量を、前記パラメータとして算出する演算手段と、
前記演算手段によって算出された前記冷媒循環量の前記正常値に対する前記低下率を算出する比較手段と、
前記比較手段によって算出された前記低下率を時系列で記憶する記憶手段と、を有する、
請求項2または3に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記第1熱交換器の2つの冷媒出入口のうち、一方の冷媒出入口に設けられ、前記冷媒の温度である第1冷媒温度を検出する第1冷媒温度センサと、
前記第1熱交換器の前記2つの冷媒出入口のうち、他方の冷媒出入口に設けられ、前記冷媒の温度である第2冷媒温度を検出する第2冷媒温度センサと、をさらに有し、
前記制御装置は、
前記膨張弁の開度に基づいて前記第1熱交換器に単位時間あたりに流通する冷媒循環量を算出し、前記冷媒循環量と、前記第1冷媒温度および前記第2冷媒温度の温度差とを用いて、前記第1熱交換器の能力を前記パラメータとして算出する演算手段と、
前記能力の前記正常値に対する前記低下率を算出する比較手段と、
前記比較手段によって算出された前記低下率を時系列で記憶する記憶手段と、
を有する、
請求項2または3に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記ファンは、複数の風量段階のうち、設定された風量段階に対応して回転し、
前記記憶手段は、前記複数の風量段階のそれぞれに対応する前記正常値を記憶し、
前記比較手段は、前記低下率を算出する際、前記ファンに設定された風量段階に対応する前記正常値を前記記憶手段が記憶する複数の前記正常値から選択する、
請求項4〜6のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
算出された前記低下率と予め決められた閾値とを比較し、前記低下率が前記閾値以上である場合、異常があると判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記異常があると判定されると、異常を検知した旨の情報を前記表示装置に表示させる報知手段と、をさらに有する、
請求項4〜7のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記表示装置は、前記制御装置に搭載された制御基板と前記制御装置にユーザが指示を入力するためのリモートコントローラとのうち、少なくともいずれかに設けられている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項10】
前記冷媒回路、前記ファンおよび前記制御装置を含む空気調和装置と、
ネットワークを介して前記空気調和装置と接続される前記表示装置と、
を有する、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項11】
前記ファンによって生じる気流の前記第1熱交換器よりも上流側に配置されたエアフィルタをさらに有する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路を有する空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機において、送風機のファンモータの電流値を計測し、計測した電流値と閾値とを比較することで、エアフィルタが塵および埃などによって目詰まりしているか否かを検知する表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された表示装置は、計測した電流値が閾値を下回ると、エアフィルタの目詰まりを検知し、エアフィルタが目詰まりしたことを外部に報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−63405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目詰まりは、エアフィルタに限らず、熱交換器の放熱フィンの隙間にも発生し得る。熱交換器の放熱フィンの隙間に目詰まりが発生すると、熱交換器の熱交換量が低下する。特許文献1に開示された表示装置は、熱交換器の目詰まりを検知できるが、単に目詰まりしたことを報知するだけなので、ユーザは、熱交換器に目詰まりが発生するまでの経過状態を把握できない。そのため、ユーザは空気調和機を計画的に保守することができない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、計画的に保守をすることができる空気調和システムを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空気調和システムは、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁および第2熱交換器が冷媒配管を介して接続され、冷媒が循環する冷媒回路と、空気を吸い込んで前記第1熱交換器に供給するファンと、前記圧縮機、前記膨張弁および前記ファンを制御する制御装置と、前記第1熱交換器の熱交換量を示すパラメータについて正常値に対する低下率を時系列で表示する表示装置と、を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示装置が第1熱交換器の熱交換量の低下率の時系列変化を表示するので、第1熱交換器における目詰まり状態の推移が可視化される。そのため、ユーザは、第1熱交換器を含む空気調和システムの保守を計画的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る空気調和システムの一構成例を示す冷媒回路図である。
図2図1に示した制御装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図3図2に示した制御装置の一構成例を示すハードウェア構成図である。
図4図2に示した制御装置の別の構成例を示すハードウェア構成図である。
図5図1に示した空気調和システムにおいて、運転モードが冷房運転のときの過熱度制御を説明するための図である。
図6図1に示した空気調和システムにおいて、運転モードが暖房運転のときの過冷却度制御を説明するための図である。
図7図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが膨張弁の開度である場合の変化の一例を示す図である。
図8図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが冷媒循環量である場合の変化の一例を示す図である。
図9図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが負荷側熱交換器の能力の場合の変化の一例を示す図である。
図10図1に示した表示装置によって、エアフィルタまたは負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移が可視化された画像の一例を示す図である。
図11図1に示した表示装置によって、エアフィルタまたは負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移が可視化された画像の別の例を示す図である。
図12図1に示した空気調和システムの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図13】変形例1において、図1に示した制御装置が搭載される制御基板の一構成例を示すブロック図である。
図14図13に示した表示装置の一構成例を示す図である。
図15図14に示した表示装置の表示例を示す図である。
図16】実施の形態2に係る空気調和システムの一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態1の空気調和システムの構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る空気調和システムの一構成例を示す冷媒回路図である。空気調和システム10は、熱源側ユニット1と、負荷側ユニット2aおよび2bと、制御装置3と、表示装置4とを有する。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイである。熱源側ユニット1と負荷側ユニット2aおよび2bとは、冷媒配管61を介して接続されている。
【0010】
また、空気調和システム10は、信号線(不図示)を介して制御装置3と接続されるリモートコントローラ40を有する。制御装置3とリモートコントローラ40との通信接続は、有線に限らず、無線であってもよい。リモートコントローラ40に表示装置4が設けられている。表示装置4は、リモートコントローラ40とは別に設けられていてもよい。リモートコントローラ40は、負荷側ユニット2aおよび2bの台数に対応して、2台設けられていてもよい。
【0011】
また、図1は、空気調和システム10が負荷側ユニット2aおよび2bの2台の負荷側ユニットを有する場合を示しているが、負荷側ユニットは1台であってもよく、3台以上であってもよい。空気調和システム10は、1台の室外機に複数の室内機が接続されるマルチエアコンであってもよく、1台の室外機に1台の室内機が接続されるパッケージエアコンであってもよい。図1に示す空気調和システム10において、負荷側ユニット2aおよび2bの両方が利用されてもよく、いずれか一方だけが利用されてもよい。
【0012】
[熱源側ユニット1の構成]
熱源側ユニット1は、圧縮機11と、冷媒を外気と熱交換させる熱源側熱交換器13と、四方弁12と、室外ファン14とを有する。圧縮機11の冷媒吸入口側には低圧圧力センサ17が設けられている。圧縮機11の冷媒吐出口側には高圧圧力センサ15が設けられている。熱源側熱交換器13の2つの冷媒出入口のうち、一方の冷媒出入口が四方弁12と接続され、他方の冷媒出入口が負荷側ユニット2aおよび2bと接続されている。熱源側熱交換器13の他方の冷媒出入口側の冷媒配管61に冷媒温度センサ16が設けられている。
【0013】
圧縮機11は、吸入する冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機11は、容量を変えることができる圧縮機であり、例えば、インバータ圧縮機である。圧縮機11が冷媒の圧力を高めて吐出することで、冷媒配管61内に冷媒が循環する。四方弁12は、冷房運転および暖房運転の運転モードに対応して、冷媒配管61を流通する冷媒の流通方向を切り替える。熱源側熱交換器13は、外気を冷媒と熱交換させる熱交換器である。熱源側熱交換器13は、運転モードが冷房運転のときに凝縮器として機能し、運転モードが暖房運転のときに蒸発器として機能する。熱源側熱交換器13は、例えば、フィンアンドチューブ型熱交換器である。室外ファン14は、外気を熱源側熱交換器13に供給し、熱源側熱交換器13において冷媒と熱交換した後の空気を熱源側ユニット1から外に排出する。室外ファン14は、例えば、モータ(不図示)の回転によって駆動するプロペラファンである。
【0014】
高圧圧力センサ15は、圧縮機11から吐出される冷媒の温度である吐出温度を検出する圧力センサである。低圧圧力センサ17は、圧縮機11に吸入される冷媒の温度である吸入温度を検出する圧力センサである。冷媒温度センサ16は、運転モードが冷房運転のとき、熱源側熱交換器13において外気と熱交換した後の冷媒の温度を検出し、運転モードが暖房運転のとき、負荷側ユニット2aおよび2bから熱源側熱交換器13に流入する冷媒の温度を検出する。
【0015】
本実施の形態1においては、圧縮機11、四方弁12および室外ファン14の各機器は、図に示さない信号線を介して、制御装置3と接続される。高圧圧力センサ15、低圧圧力センサ17および冷媒温度センサ16の各センサは、図に示さない信号線を介して、制御装置3と接続される。なお、圧縮機11、四方弁12および室外ファン14の各機器と、制御装置3との通信接続は、有線に限らず、無線であってもよい。高圧圧力センサ15、低圧圧力センサ17および冷媒温度センサ16の各センサと、制御装置3との通信接続についても、有線に限らず、無線であってもよい。
【0016】
[負荷側ユニット2aおよび2bの構成]
図1を参照して、負荷側ユニット2aおよび2bの構成を説明する。負荷側ユニット2aは、空調対象空間となる室内の空気を調和する。負荷側ユニット2aは、負荷側熱交換器21aと、室内ファン22aと、膨張弁23aとを有する。室内ファン22aによって生じる気流の負荷側熱交換器21aよりも上流側にエアフィルタ27aが設けられている。室温センサ24aが負荷側ユニット2aに設けられている。
【0017】
負荷側ユニット2bは、空調対象空間となる室内の空気を調和する。負荷側ユニット2bは、負荷側熱交換器21bと、室内ファン22bと、膨張弁23bとを有する。室内ファン22bによって生じる気流の負荷側熱交換器21bよりも上流側にエアフィルタ27bが設けられている。室温センサ24bが負荷側ユニット2bに設けられている。
【0018】
図1に示すように、圧縮機11、熱源側熱交換器13、膨張弁23aおよび負荷側熱交換器21aが冷媒配管61で接続され、冷媒が循環する冷媒回路60aが構成される。また、圧縮機11、熱源側熱交換器13、膨張弁23bおよび負荷側熱交換器21bが冷媒配管61で接続され、冷媒回路60bが構成される。
【0019】
続いて、負荷側ユニット2aおよび2bの各ユニットに設けられた構成について説明するが、負荷側ユニット2aおよび2bは同様な構成であるため、ここでは、負荷側ユニット2aの構成について説明する。
【0020】
負荷側熱交換器21aは、室内の空気を冷媒と熱交換させる熱交換器である。負荷側熱交換器21aは、運転モードが冷房運転のときに蒸発器として機能し、運転モードが暖房運転のときに凝縮器として機能する。負荷側熱交換器21aは、例えば、フィンアンドチューブ型熱交換器である。室内ファン22aは、室内の空気を吸い込んで負荷側熱交換器21aに供給し、負荷側熱交換器21aにおいて冷媒と熱交換した後の空気を室内に戻す。室内ファン22aは、例えば、モータ(不図示)の回転によって駆動する遠心ファンまたは多翼ファンである。室内ファン22aは、複数の風量段階のうち、いずれかの風量段階にユーザが設定できる構成である。複数の風量段階は、例えば、強風、中風および弱風である。膨張弁23aは、冷媒を減圧して膨張させるとともに、冷媒の流量を調節する。膨張弁23aは、例えば、電子膨張弁である。
【0021】
室温センサ24aは、負荷側熱交換器21aにおいて冷媒と熱交換した後の空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ25aは、運転モードが冷房運転のときに負荷側熱交換器21aに流入する冷媒の温度を検出し、運転モードが暖房運転のときに室内の空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出する。第2冷媒温度センサ26aは、運転モードが冷房運転のときに室内の空気と熱交換した後の冷媒の温度を検出し、運転モードが暖房運転のときに負荷側熱交換器21aに流入する冷媒の温度を検出する。
【0022】
本実施の形態1においては、室内ファン22aおよび22bと、膨張弁23aおよび23bとの各機器は、図に示さない信号線を介して、制御装置3と接続される。第1冷媒温度センサ25aおよび25bと、第2冷媒温度センサ26aおよび26bと、室温センサ24aおよび24bとの各センサは、図に示さない信号線を介して、制御装置3と接続される。なお、室内ファン22aおよび22bと、膨張弁23aおよび23bとの各機器と、制御装置3との通信接続は、有線に限らず、無線であってもよい。第1冷媒温度センサ25aおよび25bと、第2冷媒温度センサ26aおよび26bと、室温センサ24aおよび24bとの各センサと、制御装置3との通信接続についても、有線に限らず、無線であってもよい。
【0023】
[制御装置3の構成]
図2は、図1に示した制御装置の一構成例を示す機能ブロック図である。制御装置3は、記憶手段31、抽出手段32、演算手段33、比較手段34、判定手段35、報知手段36および冷凍サイクル制御手段37を有する。制御装置3は、マイクロコンピュータなどの演算装置がソフトウェアを実行することにより各種機能が実現される。また、制御装置3は、各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアで構成されてもよい。
【0024】
負荷側ユニット2aを利用するユーザによって、設定温度Ts1がリモートコントローラ40を介して制御装置3に入力される。負荷側ユニット2aを利用するユーザによって、室内ファン22aの風量段階がリモートコントローラ40を介して制御装置3に入力される。負荷側ユニット2bを利用するユーザによって、設定温度Ts2が、リモートコントローラ40を介して制御装置3に入力される。負荷側ユニット2bを利用するユーザによって、室内ファン22bの風量段階がリモートコントローラ40を介して制御装置3に入力される。図1に示した空気調和システム10において、制御装置3の設置位置は限定されない。制御装置3は、熱源側ユニット1に設けられてもよく、負荷側ユニット2aまたは2bに設けられていてもよい。
【0025】
冷凍サイクル制御手段37は、熱源側ユニット1、負荷側ユニット2aおよび2bのそれぞれに設けられた各センサの検出値を一定の周期で記憶手段31に記憶させる。冷凍サイクル制御手段37は、熱源側ユニット1、負荷側ユニット2aおよび2bのそれぞれに設けられた各機器の運転データを、各機器の状態の変化に対応して記憶手段31に記憶させる。運転データは、例えば、圧縮機11の運転周波数、ならびに膨張弁23aおよび23bの開度である。また、冷凍サイクル制御手段37は、運転モードに対応して四方弁12を制御する。
【0026】
冷凍サイクル制御手段37は、室温センサ24aの検出値が設定温度Ts1と同等に、室温センサ24bの検出値が設定温度Ts2と同等になるように、圧縮機11の運転周波数と、室外ファン14の回転数と、膨張弁23aおよび23bの開度とを制御する。また、冷凍サイクル制御手段37は、運転モードが冷房運転のときに過熱度制御を行い、運転モードが暖房運転のときに過冷却度制御を行う。過熱度制御および過冷却度制御については、後で説明する。
【0027】
冷凍サイクル制御手段37は、負荷側ユニット2aのユーザによって設定された風量段階に対応して室内ファン22aのモータ(不図示)の回転数が一定になるように室内ファン22aを制御する。冷凍サイクル制御手段37は、負荷側ユニット2bのユーザによって設定された風量段階に対応して室内ファン22bのモータ(不図示)の回転数が一定になるように室内ファン22bを制御する。
【0028】
記憶手段31は、熱源側ユニット1、負荷側ユニット2aおよび2bのそれぞれに設けられた各センサの検出値を時系列で記憶する。記憶手段31は、熱源側ユニット1、負荷側ユニット2aおよび2bのそれぞれに設けられた各機器の運転データを時系列で記憶する。また、記憶手段31は、室内ファン22aおよび22bの複数の風量段階に対応して、負荷側熱交換器21aおよび21bの熱交換量を示すパラメータの正常値を記憶している。
【0029】
負荷側熱交換器21aの熱交換量を示すパラメータは、例えば、膨張弁23aの開度と、負荷側熱交換器21aを単位時間あたりに流通する冷媒循環量と、負荷側熱交換器21aの冷凍能力および暖房能力を含む能力とである。負荷側熱交換器21bの熱交換量を示すパラメータは、膨張弁23bの開度と、負荷側熱交換器21bを単位時間あたりに流通する冷媒循環量と、負荷側熱交換器21bの冷凍能力および暖房能力を含む能力とである。さらに、記憶手段31は、負荷側熱交換器21aおよび21bについて、比較手段34によって算出される、パラメータの低下率Rdを含むデータを記憶する。
【0030】
抽出手段32は、記憶手段31によって記憶されるデータから、負荷側熱交換器21aおよび21bの熱交換量を示すパラメータに影響するデータを抽出する。本実施の形態1においては、負荷側熱交換器21aの熱交換量を示すパラメータに影響するデータは、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの目詰まり状態の判定に必要なデータである。負荷側熱交換器21bの熱交換量を示すパラメータに影響するデータは、エアフィルタ27bおよび負荷側熱交換器21bの目詰まり状態の判定に必要なデータである。演算手段33は、抽出手段32によって抽出されたデータを用いて、負荷側ユニット2aおよび2bの各ユニットの冷媒循環量および能力を算出する。
【0031】
比較手段34は、負荷側ユニット2aおよび2bのユニット毎に、熱交換量を示すパラメータについて、設定された風量段階に対応する正常値を記憶手段31から読み出し、正常値に対する低下率Rdを算出する。比較手段34は、算出した低下率Rdを記憶手段31に記憶させる。熱交換量を示すパラメータは、冷媒循環量、膨張弁の開度、および負荷側熱交換器の能力である。比較手段34は、冷媒循環量、膨張弁の開度、および負荷側熱交換器の能力の3つのパラメータのうち、少なくとも1つのパラメータについて低下率Rdを算出してもよく、3つのパラメータの全部の低下率Rdを算出してもよい。
【0032】
また、判定手段35は、比較手段34によって算出された低下率Rdと予め決められた異常閾値THとを比較する。異常閾値THはパラメータの種類に対応して記憶手段31に記憶されている。低下率Rdが異常閾値TH未満である場合、判定手段35は、低下率Rdのデータを報知手段36に送信する。低下率Rdが異常閾値TH以上である場合、判定手段35は、低下率Rdのデータと、異常がある旨の情報とを報知手段36に送信する。判定手段35は、低下率Rdと異常閾値THとの判定の後、パラメータ、低下率および判定結果と、パラメータの算出に用いられたデータとを記憶手段31に記憶させる。
【0033】
判定手段35は、3つのパラメータの全部の低下率Rdを比較手段34から受け取った場合、3つの低下率Rdのうち、最小値を、異常閾値THとの判定対象にする。3つのパラメータのうち、優先順位が予め決められていてもよい。この場合、判定手段35は、2つ以上のパラメータの低下率Rdを比較手段34から受け取ったとき、優先順位が最も高いパラメータの低下率Rdを、異常閾値THとの判定対象にすればよい。
【0034】
報知手段36は、パラメータの低下率Rdを時系列で表示装置4に表示させる。表示装置4がパラメータの低下率Rdの時系列の変化を表示することで、ユーザおよび作業者に対して、エアフィルタまたは負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移が可視化される。報知手段36は、異常がある旨の情報を判定手段35から受信すると、異常を検知した旨の情報を表示装置4に表示させる。
【0035】
ここで、図2に示した制御装置3のハードウェアの一例を説明する。図3は、図2に示した制御装置の一構成例を示すハードウェア構成図である。制御装置3の各種機能がハードウェアで実行される場合、図2に示した制御装置3は、図3に示すように、処理回路70で構成される。図2に示した、記憶手段31、抽出手段32、演算手段33、比較手段34、判定手段35、報知手段36および冷凍サイクル制御手段37の各機能は、処理回路70により実現される。
【0036】
各機能がハードウェアで実行される場合、処理回路70は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものに該当する。記憶手段31、抽出手段32、演算手段33、比較手段34、判定手段35、報知手段36および冷凍サイクル制御手段37の各手段の機能を個別の処理回路70で実現してもよく、これらの手段の機能を1つの処理回路70で実現してもよい。
【0037】
また、図2に示した制御装置3の別のハードウェアの一例を説明する。図4は、図2に示した制御装置の別の構成例を示すハードウェア構成図である。制御装置3の各種機能がソフトウェアで実行される場合、図2に示した制御装置3は、図4に示すように、プロセッサ71およびメモリ72で構成される。記憶手段31、抽出手段32、演算手段33、比較手段34、判定手段35、報知手段36および冷凍サイクル制御手段37の各機能は、プロセッサ71およびメモリ72により実現される。図4は、プロセッサ71およびメモリ72が互いに通信可能に接続されることを示している。記憶手段31はメモリ72に相当する。
【0038】
各機能がソフトウェアで実行される場合、図2に示す記憶手段31を含む7つの手段の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ72に格納される。プロセッサ71は、メモリ72に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各手段の機能を実現する。
【0039】
メモリ72として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリが用いられる。また、メモリ72として、RAM(Random Access Memory)の揮発性の半導体メモリが用いられてもよい。さらに、メモリ72として、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。
【0040】
[空気調和システム10における冷媒の流れ]
次に、図1に示した空気調和システム10における冷媒の流れを説明する。冷媒回路60aおよび冷媒回路60bのそれぞれの回路における冷媒の流れは同じになるため、ここでは、冷媒回路60aの場合で説明する。はじめに、運転モードが冷房運転の場合について説明する。図1において、冷房運転時に冷媒が流れる方向を破線の矢印で示す。
【0041】
運転モードが冷房運転の場合、制御装置3は、圧縮機11から吐出される冷媒が熱源側熱交換器13に流入するように、四方弁12の流路を切り替える。低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮されることで、高温高圧のガス冷媒が圧縮機11から吐出される。圧縮機11から吐出されたガス冷媒は、四方弁12を経由して、凝縮器として機能する熱源側熱交換器13に流入する。熱源側熱交換器13に流入した冷媒は、熱源側熱交換器13において空気と熱交換することで凝縮し、低温高圧の液冷媒となって、熱源側熱交換器13から流出する。
【0042】
熱源側熱交換器13から流出した液冷媒は、膨張弁23aによって減圧され、低温低圧の気液二相冷媒になる。そして、気液二相冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器21aに流入する。負荷側熱交換器21aに流入した冷媒は、負荷側熱交換器21aにおいて、空気と熱交換することで蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって負荷側熱交換器21aから流出する。負荷側熱交換器21aにおいて、冷媒が室内の空気から吸熱することで、室内の空気が冷却される。負荷側熱交換器21aから流出した冷媒は、四方弁12を経由して圧縮機11に吸入される。冷房運転の間、圧縮機11から吐出される冷媒が熱源側熱交換器13と、膨張弁23aと、負荷側熱交換器21aとを順に流通した後、圧縮機11に吸引されるまでのサイクルが繰り返される。
【0043】
次に、運転モードが暖房運転の場合について説明する。図1において、暖房運転時に冷媒が流れる方向を実線の矢印で示す。
【0044】
運転モードが暖房運転の場合、制御装置3は、圧縮機11から吐出される冷媒が負荷側熱交換器21aに流入するように、四方弁12の流路を切り替える。低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮されることで、高温高圧のガス冷媒が圧縮機11から吐出される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁12を経由して、凝縮器として機能する負荷側熱交換器21aに流入する。負荷側熱交換器21aに流入した冷媒は、負荷側熱交換器21aにおいて、空気と熱交換することで凝縮され、高温高圧の液冷媒となって負荷側熱交換器21aから流出する。負荷側熱交換器21aにおいて、冷媒が室内の空気に放熱することで、室内の空気が暖められる。
【0045】
負荷側熱交換器21aから流出した高温高圧の液冷媒は、膨張弁23aによって減圧され、低温低圧の気液二相冷媒になる。そして、気液二相冷媒は、蒸発器として機能する熱源側熱交換器13に流入する。熱源側熱交換器13において、冷媒は空気と熱交換することで蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって、熱源側熱交換器13から流出する。熱源側熱交換器13から流出した冷媒は、四方弁12を経由して圧縮機11に吸入される。暖房運転の間、圧縮機11から吐出される冷媒が、負荷側熱交換器21aと、膨張弁23aと、熱源側熱交換器13とを順に流通した後、圧縮機11に吸引されるまでのサイクルが繰り返される。
【0046】
[冷房運転における過熱度制御]
次に、運転モードが冷房運転のときに、図2に示した冷凍サイクル制御手段37が行う過熱度制御について説明する。過熱度制御は、冷媒回路60aおよび冷媒回路60bのどちらの回路においても同様になるので、冷媒回路60aの場合について説明する。
【0047】
図5は、図1に示した空気調和システムにおいて、運転モードが冷房運転のときの過熱度制御を説明するための図である。図5の縦軸は過熱度SHを示し、図5の横軸は膨張弁の開度Pulseを示す。図5の横軸において、Psmaxは膨張弁23aの開度Pulseの最大値であり、Psminは膨張弁23aの開度Pulseの最小値である。
【0048】
冷凍サイクル制御手段37は、負荷側熱交換器21aの過熱度SHが目標過熱度SHmになるように膨張弁23aの開度Pulseを調整する。冷凍サイクル制御手段37は、式(1)を用いて過熱度SHを算出する。
【0049】
SH=TH3−TH2・・・(1)
【0050】
式(1)において、SHは負荷側熱交換器21aの過熱度[℃]である。TH2は第1冷媒温度センサ25aによって検出される冷媒の温度である第1冷媒温度[℃]である。TH3は第2冷媒温度センサ26aによって検出される冷媒の温度である第2冷媒温度[℃]である。
【0051】
冷凍サイクル制御手段37が、過熱度制御により膨張弁23aの開度Pulseを最大開度Psmaxよりも大きくしようとしたとき、膨張弁23aの開度Pulseは最大開度Psmaxよりも大きくならない。この場合、過熱度SHは目標過熱度SHmより大きくなる。図5の横軸において最大開度Psmaxよりも大きい領域では、実際は、開度Pulseは、最大開度Psmaxを維持し、変化していない。
【0052】
一方、冷凍サイクル制御手段37が、過熱度制御により膨張弁23aの開度Pulseを最小開度Psminよりも小さくしようとしたとき、膨張弁23aの開度Pulseは最小開度Psminよりも小さくならない。この場合、過熱度SHは目標過熱度SHmより小さくなる。図5の横軸において最小開度Psminよりも小さい領域では、実際は、開度Pulseは、最小開度Psminを維持し、変化していない。
【0053】
なお、目標過熱度SHmは、予め決められた一定の値の場合に限らず、負荷側ユニット2aの冷凍能力に対応して変更してもよい。例えば、設定温度と室温センサ24aによって検出される室温との乖離度合から目標過熱度SHmを変更する方法がある。また、ユーザの負荷側ユニット2aの使用状況に対応して、目標過熱度SHmを変更してもよく、目標過熱度SHmを一定値に固定してもよい。
【0054】
[暖房運転における過冷却度制御]
次に、運転モードが暖房運転のときに、図2に示した冷凍サイクル制御手段37が行う過冷却度制御について説明する。過冷却度制御は、冷媒回路60aおよび冷媒回路60bのどちらの回路においても同様になるので、冷媒回路60aの場合について説明する。
【0055】
図6は、図1に示した空気調和システムにおいて、運転モードが暖房運転のときの過冷却度制御を説明するための図である。図6の縦軸は過冷却度SCを示し、図6の横軸は膨張弁の開度Pulseを示す。図6の横軸において、Psmaxは膨張弁23aの開度Pulseの最大値であり、Psminは膨張弁23aの開度Pulseの最小値である。
【0056】
冷凍サイクル制御手段37は、負荷側熱交換器21aの過冷却度SCが目標過冷却度SCmになるよう膨張弁23aの開度を調整する。冷凍サイクル制御手段37は、式(2)を用いて過冷却度SCを算出する。
【0057】
SC=Tc−TH2・・・(2)
【0058】
式(2)において、SCは負荷側熱交換器21aの過冷却度[℃]である。Tcは、高圧圧力センサ15の検出値から換算によって求められる凝縮温度[℃]である。例えば、冷凍サイクル制御手段37は、予め決められた換算式を用いて、高圧圧力センサ15の検出値を凝縮温度Tcに換算する。TH2は第1冷媒温度センサ25aによって検出される第1冷媒温度[℃]である。
【0059】
冷凍サイクル制御手段37が、過冷却度制御により膨張弁23aの開度Pulseを最大開度Psmaxよりも大きくしようとしたとき、膨張弁23aの開度Pulseは最大開度Psmaxよりも大きくならない。この場合、過冷却度SCは目標過冷却度SCmより大きくなる。図6の横軸において最大開度Psmaxよりも大きい領域では、実際は、開度Pulseは、最大開度Psmaxを維持し、変化していない。
【0060】
一方、冷凍サイクル制御手段37が、過冷却度制御により膨張弁23aの開度Pulseを最小開度Psminよりも小さくしようとしたとき、膨張弁23aの開度Pulseは最小開度Psminよりも小さくならない。この場合、過冷却度SCは目標過冷却度SCmより小さくなる。図6の横軸において最小開度Psminよりも小さい領域では、実際は、開度Pulseは、最小開度Psminを維持し、変化していない。
【0061】
なお、目標過冷却度SCmについても、目標過熱度SHmと同様に、予め決められた一定の値の場合に限らず、負荷側ユニット2aの暖房能力に対応して変更してもよい。
【0062】
[エアフィルタおよび負荷側熱交換器の目詰まりによる影響]
次に、エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかの目詰まりによる、負荷側熱交換器の熱交換量への影響を説明する。
【0063】
図1に示した構成例において、室内の塵および埃が空気と一緒に負荷側熱交換器21aの放熱フィンの隙間に入り込まないように、エアフィルタ27aが負荷側ユニット2aの空気の吸込み部に設置されている。負荷側ユニット2bについても、負荷側ユニット2aと同様に、エアフィルタ27bが設置されている。負荷側ユニット2aおよび2bが長期間運転を行うと、エアフィルタ27aおよび27bに目詰まりが発生する。また、エアフィルタ27aおよび27bが設けられていても、サイズの小さい塵および埃は、エアフィルタ27aおよび27bの隙間を通過し、負荷側熱交換器21aおよび21bの放熱フィンの隙間に詰まってしまうこともある。
【0064】
例えば、エアフィルタ27aに目詰まりが発生すると、目詰まりが空気抵抗になって、室内ファン22aの性能が十分に発揮されない状態になる。そのため、室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される空気の風量が低下する。その結果、負荷側熱交換器21aにおいて、冷媒と空気との熱交換効率が低下し、熱交換量も小さくなる。この現象は、負荷側ユニット2bにおいても、負荷側ユニット2aと同様に起こり得る。
【0065】
空気調和装置が、負荷側ユニットの運転時間を積算し、運転時間が一定の時間以上に到達したら、エアフィルタの清掃を促すことを表示することが考えられる。しかし、負荷側ユニットの設置環境によって、エアフィルタおよび負荷側熱交換器への塵および埃等の塵埃の付着状況が異なる。例えば、大衆浴場の脱衣所に設置された負荷側ユニットのフィルタは短期間で目詰まりが発生する。ユーザおよびメンテナンス作業者が、空気調和装置を計画的に保守できるようにするには、各負荷側ユニットの設置環境に対応して、エアフィルタおよび負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移を把握できるようにすることが望ましい。
【0066】
[目詰まりが発生したときの膨張弁の開度]
エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかに目詰まりが発生したときの膨張弁の開度の動作を説明する。ここでは、冷媒回路60aの場合について説明する。負荷側熱交換器21aの熱交換量を示すパラメータが膨張弁23aの開度の場合である。
【0067】
図7は、図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが膨張弁の開度である場合の変化の一例を示す図である。図7の縦軸は膨張弁23aの開度Pulseを示し、図7の横軸は室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される風量を示す。図7において、AFLはユーザによって設定された風量の正常値を示し、AFSは正常値の風量AFLよりも低い風量を示す。風量AFLは、例えば、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの両方が目詰まりしていないときの風量である。
【0068】
エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかに目詰まりが発生すると、負荷側熱交換器21aに供給される風量は、風量AFLよりも低い値になる。運転モードが冷房運転のとき、冷凍サイクル制御手段37は過熱度制御を行って、過熱度SHが目標過熱度SHmになるように膨張弁23aの開度Pulseを制御する。運転モードが暖房運転のとき、冷凍サイクル制御手段37は過冷却度制御を行って、過冷却度SCが目標過冷却度SCmになるように膨張弁23aの開度Pulseを制御する。これらの制御により、膨張弁23aの開度Pulseは、負荷側熱交換器21aに供給される風量の低下に伴って、小さくなる。
【0069】
しかし、図5および図6を参照して説明したように、膨張弁23aには最小開度Psminが設定されている。そのため、負荷側熱交換器21aに供給される風量が風量AFSまで低下すると、冷凍サイクル制御手段37は、膨張弁23aの開度Pulseを最小開度Psminよりも小さくすることができない。そのため、冷房運転のとき、冷凍サイクル制御手段37は過熱度制御を行えなくなり、過熱度SHが目標過熱度SHmよりも低い値になる。また、暖房運転のとき、冷凍サイクル制御手段37は過冷却度制御を行えなくなり、過冷却度SCが目標過冷却度SCmよりも低い値になる。
【0070】
[目詰まりが発生したときの冷媒循環量]
エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかに目詰まりが発生したときの冷媒循環量の状態を説明する。冷媒回路60aの場合、負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータは、負荷側熱交換器21aを単位時間あたりに流通する冷媒循環量の場合である。
【0071】
演算手段33は、圧縮機11の排除容積および体積効率等に基づいて冷媒回路60aおよび60bを含む冷媒回路全体の冷媒循環量を算出し、全体の冷媒循環量と膨張弁23aおよび23bの開度比とから負荷側ユニット毎の冷媒循環量を算出する。負荷側ユニット2aおよび2bの各ユニットの冷媒循環量の算出方法は、この算出方法に限らない。流量計などの測定機器を用いて、負荷側ユニット毎の冷媒循環量を求めてもよい。
【0072】
負荷側熱交換器21aの熱交換量が低下したときの冷媒循環量の状態について、図8を参照して説明する。図8は、図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが冷媒循環量である場合の変化の一例を示す図である。ここでは、冷媒回路60aの場合について説明する。図8の縦軸は冷媒循環量Gricを示し、図8の横軸は室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される風量を示す。
【0073】
エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかに目詰まりが発生すると、負荷側熱交換器21aに供給される風量が低下し、膨張弁23aの開度は閉まる方向に制御される。そのため、負荷側熱交換器21aの冷媒循環量Gricは減少する。室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される風量が風量AFSに低下し、膨張弁23aの開度が最小開度Psminに達すると、図8に示すように、負荷側熱交換器21aの冷媒循環量Gricは最小循環量Grminまで低下する。よって、冷媒循環量Gricを監視すれば、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかに生じる目詰まり状態に対応して、負荷側熱交換器21aの熱交換量が低下することを検出できる。
【0074】
[目詰まりが発生したときの負荷側熱交換器の能力]
エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかに目詰まりが発生したときの負荷側熱交換器の能力を説明する。負荷側熱交換器21aおよび21bの熱交換量を示すパラメータが各熱交換器の能力の場合である。
【0075】
式(3)は、冷房運転時における負荷側熱交換器の冷凍能力の算出式の一例である。演算手段33は、式(3)を用いて、各負荷側熱交換器の能力を算出する。上述した冷媒循環量の算出方法と同様に、負荷側熱交換器の能力の算出式は、式(3)に限らない。
【0076】
Qic=Gric×(h1−h2)/3600・・・(3)
【0077】
式(3)において、Qicは負荷側熱交換器の能力[kW]であり、Gricは負荷側熱交換器の冷媒循環量[kg/h]である。h1は、第2冷媒温度センサ26aによって検出される冷媒の温度である第2冷媒温度と低圧圧力センサ17によって検出される吸入圧力とから換算される比エンタルピ[kJ/kg]である。h2は、冷媒温度センサ16によって検出される冷媒の温度と高圧圧力センサ15によって検出される吐出圧力とから換算される比エンタルピ[kJ/kg]である。演算手段37は、比エンタルピを算出する際、予め決められた換算式を用いて、低圧圧力センサ17の検出値から蒸発温度Teを求めてもよく、高圧圧力センサ15の検出値から凝縮温度Tcを算出してもよい。
【0078】
エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかに目詰まりが発生したときの負荷側熱交換器の能力について、図9を参照して説明する。図9は、図1に示した負荷側熱交換器の熱交換量を示すパラメータが負荷側熱交換器の能力の場合の変化の一例を示す図である。ここでは、冷媒回路60aの場合について説明する。図9の縦軸は負荷側熱交換器21aの能力Qicを、図9の横軸は室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される風量を示す。
【0079】
エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかに目詰まりが発生すると、負荷側熱交換器21aに供給される風量が低下し、冷媒循環量Gricも低下する。そのため、負荷側熱交換器21aの能力Qicも低下する。室内ファン22aによって負荷側熱交換器21aに供給される風量が風量AFSに低下し、膨張弁23aの開度が最小開度Psminに達すると、冷媒循環量Gricは最小循環量Grminを維持し、比エンタルピ差(Δh=h1−h2)が小さくなる。その結果、図9に示すように、負荷側熱交換器21aの能力Qicは、風量の低下に伴って、緩やかに低下する。負荷側熱交換器21aの能力Qicを監視すれば、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかに生じる目詰まり状態に対応して、負荷側熱交換器21aの熱交換量が低下することを検出できる。
【0080】
[目詰まり状態の可視化]
図10は、図1に示した表示装置によって、エアフィルタまたは負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移が可視化された画像の一例を示す図である。ここでは、負荷側熱交換器が負荷側熱交換器21aであり、負荷側熱交換器21aの熱交換量を示すパラメータが冷媒循環量Gricの場合で説明する。
【0081】
図10に示す画像において、室内ファン22aの風量段階が強風に設定され、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aに目詰まりが発生してない正常な状態における冷媒循環量Gricを基準冷媒循環量Gr0としている。
【0082】
図10に示すように、表示装置4は、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの一方または両方に生じた目詰まり状態に対応して、負荷側熱交換器21aに供給される風量が低下し、風量の低下に伴って冷媒循環量Gricが低下するグラフを表示する。図10に示すグラフの実線は冷媒循環量Gricの算出値の実際の変化を示し、破線は冷媒循環量の予測値を示す。
【0083】
図10に示すように、表示装置4は、風量に対応して変化する冷媒循環量Gricを示す線に、比較手段34によって算出された低下率Rdの推移を表示する。図10に示す画像においては、表示装置4は、低下率Rdが30%と50%の位置をグラフ上に表示している。図10に示す画像から、現在の低下率Rdが30%と50%の間にあることがわかる。ユーザおよびメンテナンス作業者は、表示装置4の表示を見ることで、正常な状態に対する熱交換量の低下率Rdの推移を把握できるため、エアフィルタ27aまたは負荷側熱交換器21aの清掃など計画的な保守をすることができる。
【0084】
図11は、図1に示した表示装置によって、エアフィルタまたは負荷側熱交換器の目詰まり状態の推移が可視化された画像の別の例を示す図である。図11の横軸は時間を示し、図11の縦軸は図10に示した冷媒循環量Gricの低下率Rdを示す。
【0085】
図11に示すグラフの実線は図10に示した冷媒循環量Gricに基づいて算出された低下率Rdの実際の変化を示し、破線は低下率Rdの予測値を示す。図11に示すように、表示装置4は、30%低下および50%低下など低下率Rdの時系列の変化を表示する。図11に示す画像から、現在の低下率Rdが30%と50%の間にあることがわかる。図11に示す画像の場合においても、ユーザおよびメンテナンス作業者は、正常な状態に対する熱交換量の低下率Rdの推移を把握できるため、エアフィルタ27aまたは負荷側熱交換器21aの清掃など計画的な保守をすることができる。
【0086】
図10および図11に示す画像においては、表示装置4は、低下率Rdが30%および50%の場合をグラフ上に表示しているが、表示する低下率Rdの間隔は20%に限らない。表示する低下率Rdの間隔は10%であってもよい。低下率Rdの間隔を10%および20%などのように等しくすることで、ユーザおよびメンテナンス作業者は、図11に示すグラフから低下率Rdが50%に到達する時期を予測しやすくなる。
【0087】
[空気調和システム10の動作]
次に、本実施の形態1の空気調和システム10の動作を説明する。図12は、図1に示した空気調和システムの動作手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、冷媒回路60aにおいて、負荷側熱交換器21aの熱交換量を示すパラメータが冷媒循環量の場合で説明する。制御装置3は、図12に示すフローを一定の周期で実行する。
【0088】
冷凍サイクル制御手段37は、空気調和システム10に設けられた各種センサの検出値および空気調和システム10に設けられた各機器の運転データを収集する(ステップS01)。冷凍サイクル制御手段37は収集したデータを記憶手段31に記憶させる。
【0089】
抽出手段32は、記憶手段31に収集されたデータが目詰まり発生の判定条件を満たすか否かを確認する(ステップS02)。判定条件は、例えば、室内ファン22aに設定された風量段階に対応して、冷房運転のとき過熱度SHが式(1)を満たしていないことである。過熱度SHが式(1)を満たしている場合、判定条件は満たされず、抽出手段32は、目詰まりが発生していないと判定する。一方、過熱度SHが式(1)を満たしていない場合、判定条件が満たされ、抽出手段32は、目詰まりが発生していると判定する。判定条件は、例えば、室内ファン22aに設定された風量段階に対応して、暖房運転のとき過冷却度SCが式(2)を満たしていないことであってもよい。判定条件には、目詰まり診断の精度向上を目的として、上述した判定条件以外の条件を追加してもよい。
【0090】
演算手段33は、ステップS02において判定条件が満たされる場合、記憶手段31に収集されたデータを用いて負荷側熱交換器21aの冷媒循環量Gricを算出する(ステップS03)。比較手段34は、室内ファン22aに設定された風量段階に対応する正常値を記憶手段31が記憶する複数の正常値から選択する。このときの正常値は基準冷媒循環量Gr0に相当する。エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの一方または両方の目詰まり状態に対応して、冷凍サイクル制御手段37が膨張弁23aを制御することで、負荷側熱交換器21aの冷媒循環量Gricは減少する。比較手段34は、演算手段33によって算出された冷媒循環量Gricが正常値に対して何%低下したかを示す低下率Rdを算出する(ステップS04)。
【0091】
判定手段35は、比較手段34によって算出された低下率Rdと異常閾値THとを比較する(ステップS05)。異常閾値THはユーザまたは作業者によって変更してもよい。ステップS05の判定の結果、低下率Rdが異常閾値TH未満である場合、報知手段36は、記憶手段31が記憶する低下率Rdに現在の低下率Rdを合わせて時系列で表示装置4に表示させる(ステップS06)。表示装置4は、例えば、図10または図11に示した画像を表示する。エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの少なくともいずれかにおける目詰まり状態の推移が可視化される。そのため、ユーザは、エアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの保守を計画的に行うことができる。
【0092】
一方、ステップS05の判定の結果、低下率Rdが異常閾値TH未満である場合、報知手段36は、ユーザに対して異常を発報するために、異常を検知した旨の情報を表示装置4に表示させる(ステップS07)。異常を検知した旨の情報は、異常を知らせるメッセージであってもよく、異常を知らせる予め決められたコードであってもよい。この場合、ユーザはエアフィルタ27aおよび負荷側熱交換器21aの清掃を早急に行った方がよいと判断することができる。さらに、ステップS07において、報知手段36は、ステップS06と同様にして、低下率Rdの時系列変化を表示装置4に表示させてもよい。
【0093】
ステップS06およびS07の後、判定手段35は、冷媒循環量Gric、低下率Rdおよび判定結果と、冷媒循環量Gricの算出に用いられた運転データを含むデータとを記憶手段31に記憶させる(ステップS08)。記憶手段31が記憶する低下率Rdは、繰り返し行われる図12に示すフローにおけるステップS06の処理で用いられる。
【0094】
なお、図10および図11の画像は、表示される低下率Rdの間隔が等しい場合を示していたが、表示装置4は、表示する低下率Rdの間隔を等しくしなくてもよい。例えば、表示装置4は、図12に示すフローのステップS04において算出される低下率Rdを、図12に示すフローが繰り返される度に、表示してもよい。この場合、例えば、低下率Rdとして、5%、12%および20%のように、隣り合う低下率Rdの間隔は等しくならない場合がある。
【0095】
また、本実施の形態1においては、負荷側熱交換器21aおよび21bの熱交換量の低下について説明したが、熱源側熱交換器13についても、目詰まりによって熱交換量が低下する現象が起こり得る。負荷側熱交換器21aおよび21bを熱源側熱交換器13に置き換え、室内ファン22aおよび22bを室外ファン14に置き換えて、熱源側熱交換器13の放熱フィンの隙間に目詰まりが発生する場合に、本実施の形態1を適用してもよい。また、熱源側熱交換器13に図に示さないエアフィルタが設置される場合についても、本実施の形態1を適用することができる。
【0096】
本実施の形態1の空気調和システム10は、冷媒回路60aと、ファンと、制御装置3と、表示装置4とを有する。冷媒回路60aは、圧縮機11、第1熱交換器、膨張弁23aおよび第2熱交換器が冷媒配管61を介して接続されている。ファンは、空気を吸い込んで第1熱交換器に供給する。表示装置4は、第1熱交換器の熱交換量を示すパラメータについて正常値に対する低下率を時系列で表示する。第1熱交換器および第2熱交換器のうち、一方が負荷側熱交換器21aであり、他方が熱源側熱交換器13である。第1熱交換器が負荷側熱交換器21aの場合、ファンは室内ファン22aである。第1熱交換器が熱源側熱交換器13の場合、ファンは室外ファン14である。冷媒回路は、冷媒回路60bであってもよい。
【0097】
本実施の形態1によれば、第1熱交換器が負荷側熱交換器の場合、表示装置4が負荷側熱交換器の熱交換量の低下率Rdの時系列変化を表示するので、エアフィルタおよび負荷側熱交換器の少なくともいずれかにおける目詰まり状態の推移が可視化される。そのため、ユーザおよびメンテナンス作業者は、負荷側熱交換器を含む空気調和システム10の保守を計画的に行うことができる。
【0098】
(変形例1)
本変形例1は、図1に示した表示装置4がリモートコントローラ40以外の場所に設けられている場合の一例である。本変形例1においては、制御装置3が搭載された制御基板に表示装置4が設けられている場合で説明する。
【0099】
図13は、変形例1において、図1に示した制御装置が搭載される制御基板の一構成例を示すブロック図である。図13は、制御装置3が図4に示した構成の場合を示している。図13に示すように、制御基板5に制御装置3が搭載されている。制御基板5に表示装置4aが設けられている。通常、空気調和システム10のユーザは制御基板5に触れることはなく、保守を専門に行う作業者が制御基板5を操作する。そのため、主に、作業者が表示装置4aに表示される内容を見る。なお、図1には示していないが、制御基板5は空気調和システム10に設けられている。
【0100】
図14は、図13に示した表示装置の一構成例を示す図である。図14に示す表示装置4aは、16進数の文字を表示する7セグメント液晶表示装置である。表示装置4aは4つの表示部を有する。4つの表示部のうち、左側から1番目および2番目の表示部をセクション51とし、3番目をセクション52とし、4番目をセクション53としている。セクション51は空気調和システム10に含まれる機器毎に異なる識別子を表示し、セクション52および53はセクション51によって表示される識別子で特定される機器に関する情報を表示する。機器に関する情報とは、例えば、機器に生じた故障原因を示すエラーコードである。
【0101】
図15は、図14に示した表示装置の表示例を示す図である。図15に示すように、表示装置4aは「F124」を表示している。セクション51の「F1」はエアフィルタ27aの識別子である。対象機器がエアフィルタ27bの場合、セクション51はエアフィルタ27bの識別子である「F2」を表示する。セクション52および53は熱交換量の低下率の推移を示す。セクション53は現在の低下率を示し、セクション52は現在から一定期間前の低下率を示す。一定期間は、例えば、3カ月である。セクション52の「1」は現在よりも3カ月前の低下率が10%であることを示し、セクション53の「4」は現在の低下率が40%であることを示す。
【0102】
図15に示す表示装置4aの表示内容から、作業者は、現在から3カ月経過した後、低下率が50%以上になることを予測できる。作業者は、3カ月経過する前に負荷側熱交換器21aおよびエアフィルタ27aを掃除する計画を立てることができる。
【0103】
なお、表示装置4aの4つの表示部による表示方法は本変形例1の場合に限定されない。例えば、表示装置4aの4つの表示部によって、異常などのエラーを示すコードが表示されてもよい。
【0104】
実施の形態2.
本実施の形態2は、図1に示した表示装置4が、熱源側ユニット1、負荷側ユニット2aおよび2bを含む空気調和装置とは、別の場所に設けられているものである。本実施の形態2においては、実施の形態1において説明した構成と同一の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0105】
本実施の形態2の空気調和システムの構成を説明する。図16は、実施の形態2に係る空気調和システムの一構成例を示すブロック図である。
【0106】
空気調和システム10aは、空気調和装置6と、表示装置4bとを有する。空気調和装置6は、実施の形態1において図1を参照して説明した、熱源側ユニット1と、負荷側ユニット2aおよび2bと、制御装置3とを有する。空気調和装置6は図1に示したリモートコントローラを有していてもよい。空気調和装置6に設けられる負荷側ユニットの台数は2台に限らない。
【0107】
表示装置4bは、情報処理装置80に設けられている。表示装置4bは、例えば、液晶ディスプレイである。情報処理装置80は、例えば、空気調和装置6の保守を専門とする業者の建物であるサービスセンタに設置されている。本実施の形態2においては、情報処理装置80は、デスクトップ型およびノート型のパーソナルコンピュータ(PC)の場合を示しているが、スマートフォンを含む携帯型情報処理端末であってもよい。
【0108】
空気調和装置6の制御装置3はネットワーク100および情報処理装置80を介して表示装置4bと接続される。ネットワーク100は、例えば、インターネットである。
【0109】
また、図16に示すように、複数の空気調和装置6−1〜6−n(nは1以上の整数)がネットワーク100および情報処理装置80を介して表示装置4bと接続されてもよい。空気調和装置6−1〜6−nの各空気調和装置は、空気調和装置6と同様な構成である。
【0110】
本実施の形態2によれば、空気調和装置6および6−1〜6−nの各空気調和装置に発生する目詰まり状態の推移がサービスセンタに設置された表示装置4bに表示される。そのため、保守専門の作業者は、各空気調和装置の保守を計画的に行うことができる。ユーザは、急なメンテナンスを行うことが抑制される。
【符号の説明】
【0111】
1 熱源側ユニット、2a、2b 負荷側ユニット、3 制御装置、4、4a、4b 表示装置、5 制御基板、6、6−1〜6−n 空気調和装置、10、10a 空気調和システム、11 圧縮機、12 四方弁、13 熱源側熱交換器、14 室外ファン、15 高圧圧力センサ、16 冷媒温度センサ、17 低圧圧力センサ、21a、21b 負荷側熱交換器、22a、22b 室内ファン、23a、23b 膨張弁、24a、24b 室温センサ、25a、25b 第1冷媒温度センサ、26a、26b 第2冷媒温度センサ、27a、27b エアフィルタ、31 記憶手段、32 抽出手段、33 演算手段、34 比較手段、35 判定手段、36 報知手段、37 冷凍サイクル制御手段、40 リモートコントローラ、51〜53 セクション、60a、60b 冷媒回路、61 冷媒配管、70 処理回路、71 プロセッサ、72 メモリ、80 情報処理装置、100 ネットワーク。
図1
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