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特開2021-107747火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-107747(P2021-107747A)
(43)【公開日】2021年7月29日
(54)【発明の名称】火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/02 20060101AFI20210702BHJP
   F22B 37/10 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   F22B37/02 G
   F22B37/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-238576(P2019-238576)
(22)【出願日】2019年12月27日
(11)【特許番号】特許第6698933号(P6698933)
(45)【特許公報発行日】2020年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松井 正数
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 政司
(72)【発明者】
【氏名】北村 雅樹
(57)【要約】
【課題】補修にかかる時間又はコストを低減可能な火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法を提供する。
【解決手段】火炉壁の補修部の検査方法であって、前記補修部は、前記火炉壁を構成する複数の火炉壁管のうち少なくとも1本の補修対象管の一部を切除して、該補修対象管の切除端に溶接部を介して新管を接続した管補修領域と、前記管補修領域に対応する範囲で前記補修対象管に接続されるフィンが切除されたフィン切除領域と、を含み、前記溶接部における欠陥を検査するための検査装置を、前記フィン切除領域を利用して設置するステップと、前記検査装置により、前記管補修領域の前記溶接部における欠陥の有無を検査するステップと、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炉壁の補修部の検査方法であって、
前記補修部は、
前記火炉壁を構成する複数の火炉壁管のうち少なくとも1本の補修対象管の一部を切除して、該補修対象管の切除端に溶接部を介して新管を接続した管補修領域と、
前記管補修領域に対応する範囲で前記補修対象管に接続されるフィンが切除されたフィン切除領域と、
を含み、
前記溶接部における欠陥を検査するための検査装置を、前記フィン切除領域を利用して設置するステップと、
前記検査装置により、前記管補修領域の前記溶接部における欠陥の有無を検査するステップと、
を備える火炉壁の補修部の検査方法。
【請求項2】
前記設置するステップ及び前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う
請求項1に記載の火炉壁の補修部の検査方法。
【請求項3】
前記検査するステップでは、前記火炉壁の前記フィン切除領域を通過するように、前記検査装置の検知部を動かして、前記補修対象管の全周にわたり前記溶接部の欠陥の有無を検査する
請求項1又は2に記載の火炉壁の補修部の検査方法。
【請求項4】
前記検査するステップでは、超音波探傷検査により、前記溶接部の欠陥の有無を検査する
請求項1乃至3の何れか一項に記載の火炉壁の補修部の検査方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の検査方法により、火炉壁の補修部を検査するステップと、
前記検査するステップの後、前記フィン切除領域を塞ぐステップと、
を備える火炉壁の補修方法。
【請求項6】
前記検査するステップで前記溶接部の欠陥が検知されたとき、前記塞ぐステップの前に、前記溶接部を補修するステップを備える
請求項5に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項7】
前記補修するステップでは、前記フィン切除領域を利用して設置した溶接装置を用いて前記溶接部を補修する
請求項6に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項8】
前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行い、
前記欠陥が前記溶接部のうち前記火炉壁の前記一方側に検知されたとき、前記補修するステップでは、人手により前記溶接部を補修する
請求項6に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項9】
前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行い、
前記欠陥が前記溶接部のうち前記火炉壁の両側のうち他方側に検知されたとき、前記補修対象管から前記新管を取り除き、前記補修対象管に別の新管を溶接して接続するステップを備える
請求項5に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項10】
前記検査するステップの前、前記補修対象管のうち管補修領域内に位置する部分、及び、前記管補修領域に対応する範囲内に位置するフィンを切除するステップと、
前記検査するステップの前、前記補修対象管の切除端と前記新管とを溶接で接続するステップと、
を備える請求項5乃至9の何れか一項に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項11】
前記切除するステップ、前記接続するステップ、前記検査するステップ、及び、前記塞ぐステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う
請求項10に記載の火炉壁の補修方法。
【請求項12】
前記切除するステップの後、かつ、前記接続するステップの前、前記新管の端と前記補修対象管の切除端とが対向するように前記新管を設置し、前記補修対象管の中心軸と前記新管の中心軸とが重なるように位置合わせをするステップを備え、
前記位置合わせをするステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う
請求項10又は11に記載の火炉壁の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラの火炉壁やガス化炉の水冷壁等の火炉壁は、複数の火炉壁管及び火炉壁管同士を連結するフィンによって構成される。設備(ボイラやガス化炉)の運転に伴い、火炉壁管が劣化したり火炉壁管に亀裂等の損傷が生じたりすることがあり、この場合、火炉壁を補修する必要がある。
【0003】
特許文献1にはボイラの火炉壁の補修方法の一例が記載されている。特許文献1に記載の方法では、火炉壁を構成する火炉壁管及びフィンのうち補修対象部分を切除する。そして、補修対象部分が取り除かれた火炉壁管に交換用の新管を溶接で接続し、その後、補修対象部分として取り除かれたフィンに対応する箇所に交換用のフィンを嵌め込んで溶接する。これらの手順は、ボイラの炉外側から行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−158220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、火炉壁管に新管を溶接するときに形成される溶接部の欠陥の有無を検査することがある。ここで、特許文献1に記載された火炉壁管の補修方法に従い交換用の新管及び交換用のフィンを溶接し終えた段階では、炉外側(火炉壁の両側のうち一方側)の空間と炉内側(火炉壁の両側のうち他方側)の空間とが火炉壁で仕切られている。この状態で溶接部の検査を行う場合、溶接部のうち炉外側に位置する部分については炉外側から検査を行うことが可能である一方、溶接部のうち炉内側に位置する部分の検査は炉内で行う必要がある。このため、検査を行う度に火炉壁の両側から補修部にアクセスすることが必要となり、例えばこのために炉内に足場を組む必要がある等、検査に要する時間やコストが大きくなる。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、補修にかかる時間又はコストを低減可能な火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る火炉壁の補修部の検査方法は、
火炉壁の補修部の検査方法であって、
前記補修部は、
前記火炉壁を構成する複数の火炉壁管のうち少なくとも1本の補修対象管の一部を切除して、該補修対象管の切除端に溶接部を介して新管を接続した管補修領域と、
前記管補修領域に対応する範囲で前記補修対象管に接続されるフィンが切除されたフィン切除領域と、
を含み、
前記溶接部における欠陥を検査するための検査装置を、前記フィン切除領域を利用して設置するステップと、
前記検査装置により、前記管補修領域の前記溶接部における欠陥の有無を検査するステップと、
を備える。
【0008】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る火炉壁の補修方法は、
上述の検査方法により、火炉壁の補修部を検査するステップと、
前記検査するステップの後、前記フィン切除領域を塞ぐステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、補修にかかる時間又はコストを低減可能な火炉壁の補修部の検査方法及び火炉壁の補修方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】幾つかの実施形態に係る補修方法が適用される火炉壁の部分的な模式図である。
図2】一実施形態に係る火炉壁の補修方法の概略的なフローチャートである
図3】一実施形態に係る補修方法の過程を示す火炉壁の模式図である。
図4】一実施形態に係る補修方法の過程を示す火炉壁の模式図である。
図5】一実施形態に係る補修方法における補修対象管と新管の位置合わせの手順の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る補修方法における溶接の手順の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係る補修方法における溶接の手順の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係る補修方法における溶接の手順の一例を示す図である。
図9】一実施形態に係る補修方法における検査装置の設置及び溶接部の検査の手順の一例を示す図である。
図10】一実施形態に係る補修方法で使用される検査装置の一例の模式図である。
図11】一実施形態に係る検査装置による検査時の管補修領域の模式的な断面図である。
図12】一実施形態に係る補修方法の過程を示す火炉壁の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0012】
(火炉壁の構成)
以下の説明では、補修対象の火炉壁として、ボイラの火炉壁を一例として採りあげて説明するが、本発明の適用先は、ボイラの火炉壁に限定されず、伝熱管(火炉壁管)と、伝熱管同士を接続するフィンとで構成される火炉壁全般に適用可能である。例えば、幾つかの実施形態では、補修対象の火炉壁は、ボイラの火炉壁、又は、ガス化炉(石炭ガス化炉等)の水冷壁であってもよい。
【0013】
図1は、幾つかの実施形態に係る補修方法が適用されるボイラの火炉壁を、ボイラの炉外側から視た部分的な模式図である。なお、ボイラは、石炭焚きボイラ等の化石燃料焚きボイラであってもよく、他のボイラ(例えばソーダ回収ボイラ)であってもよい。
【0014】
図1に示すように火炉壁1は、互いに間隔をあけて設けられた複数の火炉壁管2(補修対象管2Aを含む)と、隣り合う火炉壁管2同士を連結する板状のフィン4、とを備えている。火炉壁管2には、給水や蒸気等の冷却流体が流通するようになっていてもよい。
【0015】
火炉壁1を構成する火炉壁管2は、ボイラの運転時間の経過に伴い減肉や亀裂等の損傷が生じることがある。この場合、以下で説明するように、損傷が生じた火炉壁管2のうち減肉や亀裂等を含む所定区間を切除し、所定区間が切除された火炉壁管2の部分に新管を溶接で取り付ける補修が行われることがある。
【0016】
(火炉壁の補修方法及び補修部の検査方法)
以下、幾つかの実施形態に係る火炉壁1の補修方法について説明する。図2は、一実施形態に係る火炉壁1の補修方法の概略的なフローチャートである。図3図4及び図12は、それぞれ、一実施形態に係る補修方法の過程を示す、火炉壁1の模式図である。
【0017】
一実施形態に係る火炉壁1の補修方法では、まず、火炉壁1を構成する複数の火炉壁管2の中から、損傷が生じた箇所等に基づいて、補修対象管2A及び該補修対象管2Aの管交換範囲6(図1参照)を決定する(ステップS2)。管交換範囲6は、後述する手順により新管に交換される部位である。一度の作業で補修対象とする補修対象管2Aの本数は限定されない。図示する例においては、複数の火炉壁管2のうち2本を補修対象管2Aとし、これらの補修対象管2Aの各々について管交換範囲6が設定される。
【0018】
次に、ステップS2で決定した補修対象管2Aの管交換範囲6、及び、補修対象管2Aに接続されたフィン4のうち、火炉壁管2の長手方向にて管交換範囲6よりも広範囲に及ぶフィン切除部8を、任意の切断装置を用いて切断し、取り除く(ステップS4)。
【0019】
ステップS4で補修対象管2A及びフィン4から管交換範囲6及びフィン切除部8が切除されると、図3に示すように、火炉壁1には、ボイラの炉外側(火炉壁1の両側のうち一方側)と炉内側(火炉壁1の両側のうち他方側)とを連通する開口穴16が形成される。また、各補修対象管2Aの管交換範囲6の切断箇所に一対の切除端12,12が形成され、各補修対象管2Aと、該補修対象管2Aに隣り合う火炉壁管2(他の補修対象管2Aであってもよい)との間に隙間14が形成される。隙間14は、ステップS4で切除されたフィン切除部8に対応する位置に形成され、火炉壁管2の長手方向において、一対の切除端12,12の間の範囲よりも広範囲にわたり延在する。なお、隙間14は、開口穴16の一部である。
【0020】
なお、図1に示すように、管交換範囲6及びフィン切除部8を切除する前に(即ちステップS4の前に)、切除すべき箇所がわかるように、管交換範囲6及びフィン切除部8を示すマーキング10(図1において破線で示す)を予め付しておいてもよい。そしてステップS4では、マーキング10に沿って、補修対象管2A及びフィン4を切断し、管交換範囲6及びフィン切除部8を切除するようにしてもよい。
【0021】
次に、新管17の両端18,18(図4参照)と、補修対象管2Aの一対の切除端12,12とがそれぞれ対向するように新管17を設置し、補修対象管2Aの中心軸と新管17の中心軸とが重なるように位置合わせをする(ステップS6)。そして、補修対象管2Aの切除端12と新管17とを溶接により接続する(ステップS8)。なお、補修対象管2Aと新管17との位置合わせ(ステップS6)の前に、補修対象管2Aの切除端12及び新管17の端18に溶接のための開先12a,18a(図5参照)を加工してもよい。
【0022】
図4に示すように、ステップS8が終了した状態において、火炉壁1の補修部100は、ステップS8での溶接で形成される溶接部19を介して補修対象管2Aの切除端12に新管17が接続された管補修領域102と、フィン切除部8(図1参照)に対応する位置にてフィン4が切除されたフィン切除領域104と、を含む。すなわち、フィン切除領域104は、ステップS4で形成される隙間14を含む。
【0023】
上述のステップS6では、図5に示すように、位置合わせ器具40を用いて補修対象管2Aと新管17との位置合わせを行ってもよい。ここで、図5は、一実施形態に係る補修方法における補修対象管2Aと新管17の位置合わせの手順の一例を示す図である。
【0024】
位置合わせ器具40は、補修対象管2A(火炉壁管2)及び新管17が嵌入可能な凹溝部42が形成された板状の本体部41と、2つの位置調整部材43,44とを有している。本体部41には、矩形の開口穴45が形成されており、凹溝部42内に補修対象管2A及び新管17が嵌入すると、開口穴45を介して開先12a,18aが見えるようになっている。尚、開口穴45の形状は矩形に限定されないが、後述する仮付け溶接作業の妨げにならない形状であることが好ましい。
【0025】
位置調整部材43及び44はそれぞれ、U型ボルト43a及び44aと、U型ボルト43a及び44aに螺合するナット43b,43c及び44b,44cとを有している。U型ボルト43a及び44aはそれぞれ、それらの湾曲部分で補修対象管2A及び新管17を引っ掛けるとともに、それらの2つの線形部分がフィン切除領域104(隙間14)を通って本体部41を貫通するように延びており、2つの線形部分にナット43b,43c及び44b,44cが螺合して、各ナットが本体部41の表面41aに接している。U型ボルト43a及び44aのそれぞれの一方の線形部分の端部には、円形板状の抜け止め部43d及び44dが設けられている。これにより、U型ボルト43a及び44aの落下を防止することができる。
【0026】
各ナットの締め付けを調整することにより、補修対象管2A及び新管17の互いに対する相対位置が調節することができる。これにより、補修対象管2Aの中心軸と新管17の中心軸とが重なり、開先12aと開先18aとが互いに対向した状態で固定することができる。
【0027】
位置合わせ器具40により、補修対象管2Aと新管17とが軸合わせされて固定された状態で、開口穴45を介して、開先12aと開先18aとの仮付け溶接を行う。この仮付け溶接により、円周方向に目違い及び開先ギャップを低減することができ、目違い及び開先ギャップを後続のステップS8での溶接のための許容値に収めることができる。仮付け溶接後、ナット43b,43c及び44b,44cを緩めて、位置合わせ器具40を補修部100から取り外す。
【0028】
なお、上述の位置合わせ器具40のU型ボルト43a,44aは、フィン切除領域104(隙間14)を通過可能であるから、炉外側での作業により、U型ボルト43a,44aを補修対象管2A及び新管17に引っ掛けたり、補修対象管2A及び新管17から取り外したりすることができる。よって、炉外側での作業により、フィン切除領域104(隙間14)を利用して、位置合わせ器具40を補修対象管2A及び新管17へ取り付けたり、位置合わせ器具40を補修対象管2A及び新管17から取り外したりすることができる。また、本体部41及びナット43b,43c,44b,44cを炉外側に設置することで、炉外側での作業により、ナットの締め付け調整、及び、補修対象管2Aと新管17との位置合わせをすることができる。
【0029】
上述のステップS8では、図6図8に示すように、溶接装置20を用いて溶接を行ってもよい。ここで、図6図8は、それぞれ、一実施形態に係る補修方法における溶接装置を用いた溶接(ステップS8)の手順の一例を示す図である。なお、図7は、火炉壁管2(補修対象管2Aを含む)の中心軸に直交する断面を示し、図8は、補修対象管2A及び新管17の中心軸を含む断面を示す。
【0030】
図6及び図7に示すように、溶接装置20は、溶接ヘッド部24と、溶接ヘッド部24に配線23を介して電気的に接続される操作盤22と、を備えている。溶接ヘッド部24には、電源21からの電力が供給されるようになっている。
【0031】
溶接ヘッド部24は、溶接ヘッド部24の一部がフィン切除領域104(隙間14)内に位置するように、補修対象管2A及び新管17の外周面を囲むように設置される。すなわち、溶接ヘッド部24は、フィン切除領域104(隙間14)を利用して設置される。なお、フィン切除領域104が火炉壁管2の長手方向にて管交換範囲6(新管17の延在範囲)よりも広範囲にわたって延在するため、上述のように、溶接ヘッド部24を、補修対象管2A及び新管17の外周面を囲むように設置することができる。溶接ヘッド部24は、炉外側での作業により、溶接ヘッド部24を補修対象管2A及び新管17に設置可能に構成されている。
【0032】
図7及び図8に示すように、溶接ヘッド部24は、補修対象管2A及び新管17の外周面に沿って、補修対象管2A及び新管17の中心軸周りを円周状に移動可能なトーチ部30を備えている。
【0033】
トーチ部30は、トーチ本体31と、トーチ本体31に設けられたセラミック板32と、セラミック板32から突出するように設けられた電極33とを備えている。トーチ部30は、補修対象管2Aの切除端12と新管17の端18とを突き合せた状態で、補修対象管2A及び新管17の外周面に沿って円周状に溶接(円周溶接)することが可能となっている。
【0034】
この際、トーチ部30は、補修対象管2A及び新管17と隣り合う火炉壁管2との間の隙間14(フィン切除領域104)を通過して、ボイラの炉外側から炉内側へ、又は、炉内側から炉外側へと円周状に移動しながら溶接を行う。このように溶接を行うことで、補修対象管2A及び新管17の外周面に沿って、円周状の溶接部19が形成される。溶接装置20による溶接が完了したら、溶接装置20を補修部100から取り外す。
【0035】
なお、ステップS8では、図8に示すように、補修対象管2Aの切除端12に加工された開先12aと新管17の端18に加工された開先18aとの間に環状のインサートリング50を適用して円周溶接を行ってもよい。インサートリング50を適用して円周溶接を行うことにより、溶接部19の裏波を滑らかで均一なものとしやすくなる。
【0036】
ステップS8での溶接が終了したら、溶接部19における欠陥を検査するための検査装置60(図9及び図10参照)を、フィン切除領域104(隙間14)を利用して設置する(ステップS10)。
【0037】
ここで、検査装置60の構成について概略的に説明する。図9は、一実施形態に係る補修方法における検査装置の設置(ステップS10)及び溶接部の検査(ステップS12)の手順の一例を示す図であり、図10は、一実施形態に係る補修方法で使用される検査装置60の一例の模式図である。なお、図9は、火炉壁管2(補修対象管2Aを含む)の中心軸に直交する断面を示す図であり、図10は、補修対象管2A及び新管17の径方向から、検査装置60を視た図である。なお、図9には、溶接部19に生じた欠陥110が模式的に示されている。
【0038】
図9及び図10に示す検査装置60は、検知部としての探触子62が搭載された本体部60aと、検査対象の溶接部19が設けられた補修対象管2A及び新管17に本体部60aを支持するための支持部60bと、を備える。
【0039】
一実施形態では、上述の探触子62は、電気信号等を受けて発生させた超音波を検査対象に入射させ、その反射波を検知することで検査対象の状態を検査するように構成された超音波探触子であってもよい。この場合、後述するステップS12において、超音波探傷検査により溶接部19の欠陥の有無を検査することができる。また、一実施形態では、上述の探触子62は、放射線(例えばX線等)を検査対象に照射可能な探触子であってもよい。この場合、後述するステップS12において、放射線透過試験により溶接部19の欠陥の有無を検査することができる。
【0040】
支持部60bは、本体部60aの両側に設けられており、検査対象(ここでは溶接部19)が設けられる補修対象管2A及び新管17を把持するように構成されている。支持部60bは本体部60aに対して不図示の付勢部材(バネ等)によって内側に付勢されている。これにより、検査装置60は付勢部材による付勢力によって、補修対象管2A及び新管17に対して安定的に支持される。
【0041】
支持部60bの先端には、補修対象管2A及び新管17の外表面を周方向に沿って回動可能に設けられた車輪64が設けられている。検査装置60は、不図示の駆動機構によって車輪64が駆動されることにより、探触子62が搭載された本体部60aを周方向に沿って回転移動することで、全周検査が可能になっている。
【0042】
なお、図10に示すように、本体部60aと支持部60bとの間には、火炉壁管2の延在方向に沿った隙間66が設けられている。これにより、本体部60a及び支持部60bは、不図示の駆動機構によって、隙間66の分だけ火炉壁管2の長手方向に沿った位置調整もできるように構成されている。
【0043】
ステップS10では、上述したように、フィン切除領域104(隙間14)を利用して検査装置60が設置される。例えば、一実施形態では、図9及び図10に示すように、検査装置60の一部がフィン切除領域104(隙間14)内に位置するように、検査装置60が設置される。また、一実施形態では、炉外側での作業により、フィン切除領域104(隙間14)を介して、炉内側の空間に検査装置の一部(例えば、放射線透過試験におけるフィルム等)が設置される。
【0044】
ステップS10では、フィン切除領域104(隙間14)を利用して、炉外側での作業により、検査装置60を設置するようにしてもよい。
【0045】
なお、フィン切除領域104が火炉壁管2の長手方向にて管交換範囲6(新管17の延在範囲)よりも広範囲にわたって延在するため、探触子62(検知部)を溶接部19に対向させた状態を維持しながら、検査装置60を補修対象管2A及び新管17に適切に支持することができる。
【0046】
次に、ステップS10で設置した検査装置60により、管補修領域102の溶接部19における欠陥の有無を検査する(ステップS12)。
【0047】
一実施形態では、ステップS12において、フィン切除領域104(隙間14)を通過するように、検査装置60の探触子62(検知部)を動かして、補修対象管2Aの全周にわたり溶接部19の欠陥の有無を検査する。図9及び図10に示す検査装置60の場合、検査装置60が補修対象管2A及び新管17に適切に支持された状態で、車輪64を駆動することにより、探触子62が搭載された本体部60aを周方向に沿って回転移動させる。この際、探触子62は、補修対象管2A及び新管17と隣り合う火炉壁管2との間の隙間14(フィン切除領域104)を通過して、ボイラの炉外側から炉内側へ、又は、炉内側から炉外側へと円周状に移動しながら溶接部19の検査を行う。これにより、補修対象管2Aの全周にわたり溶接部19の検査をすることができる。
【0048】
ステップS12では、フィン切除領域104(隙間14)を利用して設置された検査装置60をボイラの炉外で操作することにより、溶接部19の検査を行ってもよい。
【0049】
なお、フィン切除領域104が火炉壁管2の長手方向にて管交換範囲6(新管17の延在範囲)よりも広範囲にわたって延在するため、探触子62(検知部)が搭載された本体部60aを周方向に沿って適切に回転移動させることができる。
【0050】
一実施形態では、ステップS12において、超音波探傷検査により、溶接部19の欠陥の有無を検査する。この場合、探触子62として超音波探触子を含む検査装置60を用いて溶接部19の検査を行う。
【0051】
ここで、図11を参照して、超音波探傷検査による溶接部19の検査方法について説明する。図11は、一実施形態に係る超音波探触子(探触子62)を含む検査装置60による溶接部19の検査時の管補修領域102の模式的な断面図である。なお、図11において、検査装置60については探触子62のみを図示している。
【0052】
図11に示すように、補修対象管2Aの外周面にて、補修対象管2A及び新管17の中心軸方向において溶接部19に隣接する位置に探触子62が配置されるように検査装置60を設置する。そして、超音波を溶接部19に入射させるとともに、溶接部19からの反射波を検知することで、図11に示す領域112Aに含まれる欠陥を検出することができる。この状態で、上述したように、探触子62搭載された本体部60aを周方向に沿って回転移動させることで、周方向の全範囲に亘り、領域112Aに含まれる欠陥を検出することができる。なお、超音波探傷検査では、溶接金属全てを探傷するために、探触子62を操作して直射または底面からの一回反射等を組み合わせても良い。
【0053】
ステップS12において溶接部19の検査をした結果、溶接部19に欠陥がないと判定されたときは(ステップS14のNo)、補修部100から検査装置を取り外し、後述するステップS26にて、フィン切除領域104を塞ぐ。
【0054】
一方、ステップS12において溶接部19に欠陥があると判定されたとき(ステップS14のYes)、補修部100から検査装置60を取り外し、ステップS16〜S24の手順を実行することにより、溶接部19に欠陥がない状態にしてから、後述するステップS26に進んで、フィン切除領域104を塞ぐ。
【0055】
ボイラの炉外側に溶接部19の欠陥が検知されたときは(ステップS16のYes)、人手により溶接部の補修を行う(ステップS18)。例えば、人手により、溶接部19から欠陥を除去して、肉盛り補修をする。その後、再度、検査装置60による溶接部19の検査を行う(ステップS10,S12)。
【0056】
ボイラの炉内側に溶接部19の欠陥が検知され(ステップS16のNo)、かつ、溶接部19の補修が可能であるときは(ステップS20のYes)、上述した溶接装置20を再度設置し、この溶接装置20を用いて、溶接部19を補修する(ステップS22)。その後、再度、検査装置60による溶接部19の検査を行う(ステップS10,S12)。
【0057】
ボイラの炉内側に溶接部19の欠陥が検知され(ステップS16のNo)、かつ、溶接部19の補修ができないときは(ステップS20のNo)、補修対象管2Aから溶接部19及び新管17を切除する(ステップS24)。そして、別の新管を、上述したステップS6,S8の手順に従い、補修対象管2Aの切除端に溶接で接続する。また、この溶接で形成される溶接部について、ステップS10、S12の手順に従い、検査装置60による検査を行う(ステップS10,S12)。
【0058】
ステップS14で溶接部19に欠陥がないと判定されるまで、ステップS16〜ステップS24を繰り返し行う。
【0059】
ステップS26では、例えば、フィン切除部8に対応するフィン部52(図12参照)を、フィン切除領域104に嵌め込んで溶接することにより、フィン切除領域104を塞ぐ。このとき、図12に示すように、管補修領域102にて、フィン部52は、火炉壁管2の長手方向にて隣り合うフィン4に溶接されるとともに、火炉壁管2の配列方向(長手方向と直交する方向)にてフィン部52の両側に位置する火炉壁管2、補修対象管2A、及び、新管17にそれぞれ溶接される。これにより、フィン部52の外縁に沿って溶接部54が形成される。ステップS26でのフィン部52の溶接は、炉外側での作業により行ってもよい。
【0060】
以上説明した火炉壁の補修方法では、上述したステップS10及びS12の手順により、溶接部19の検査を行う。
【0061】
すなわち、上述した火炉壁の補修方法では、補修対象管2Aに隣接するフィン切除領域104を利用して検査装置60を設置するので、炉外側(火炉壁1の両側のうち一方側)からフィン切除領域104を介して、炉内側(火炉壁1の両側のうち他方側)の空間にアクセスしたり、炉内側に空間に検査装置60の少なくとも一部を設置したりすることができる。よって、作業者が炉外にいながら溶接部19の炉外側部分及び炉内側部分の検査を容易に行うことができ、このため、溶接部19の検査に要する時間やコストを低減することができる。
【0062】
また、上述した火炉壁の補修方法では、フィン切除領域104が設けられた状態、すなわち、溶接部19の隣接部位がフィン4に塞がれておらず開放された状態で溶接部19の検査を行うため、従来は主として単管に用いられていた検査方法(例えば超音波探傷検査)を、火炉壁1を構成する火炉壁管2に適用することが可能となる。よって、溶接部19の検査に係る時間やコストを低減することができる。
【0063】
また、上述した火炉壁の補修方法では、フィン切除領域104が設けられた状態で溶接部19の検査を行うため、検査により溶接部19に欠陥があることが判明した場合、補修対象管2Aに隣接するフィン4を改めて切除しなくても、フィン切除領域104を利用して、溶接部19の補修をしたり、補修対象管2Aに接続された新管17を再度交換したりすることができる(ステップS16〜S24等)。よって、火炉壁1の補修に要する時間やコストを低減することができる。
【0064】
以上より、上述した火炉壁の補修方法によれば、火炉壁1の補修にかかる時間やコストを低減することができる。
【0065】
なお、幾つかの実施形態に係る火炉壁1の補修部100の検査方法は、上述したステップS10及びS12の手順を含む。よって、上述したものと同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、上述した火炉壁の補修方法では、管補修領域102内に位置する補修対象管2Aの部分及びフィン4を切除する作業(ステップS4)、補修対象管2Aの切除端12と新管17とを溶接で接続する作業(ステップS8)、溶接部19の検査をする作業(ステップS10〜S12)、及び、フィン切除領域を塞ぐ作業(ステップS26)の全てを炉外で行うことができるため、これらの作業を炉内で行うための足場を設置する必要がない。よって、火炉壁1の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0067】
以上、補修対象の火炉壁がボイラの火炉壁である実施形態について説明したが、幾つかの実施形態では、補修対象の火炉壁はガス化炉の水冷壁であってもよい。ガス化炉の水冷壁(火炉壁)の周囲には、水冷壁を囲むように分厚い圧力容器が設けられる。このため、水冷壁の補修部にて、補修対象の伝熱管(補修対象管)と新管との溶接部の検査を行うときに、仮に水冷壁の両側から補修部にアクセスすることが必要であると、水冷壁の外側に設けられる圧力容器を取り外す必要があるなど、検査に要する時間やコストが大きくなる。
【0068】
この点、幾つかの実施形態に係る検査方法によれば、補修対象管に隣接するフィン切除領域を利用して検査装置を設置するので、炉内側(火炉壁の両側のうち一方側)からフィン切除領域を介して、炉外側(火炉壁の両側のうち他方側)の空間(水冷壁と圧力容器の間の空間)にアクセスしたり、炉外側の空間に検査装置の少なくとも一部を設置したりすることができる。よって、作業者が炉内側の空間にいながら、溶接部のうち炉内側部分及び炉外側部分の検査を容易に行うことができ、このため、圧力容器を取り外す必要がなくなり、溶接部の検査に要する時間やコストを低減することができる。
【0069】
また、幾つかの実施形態では、ガス化炉の水冷管の補修において、補修対象管の部分及びフィンを切除する作業、補修対象管の切除端と新管とを溶接で接続する作業、溶接部の検査をする作業、及び、フィン切除領域を塞ぐ作業を、炉内での操作により行うようにしてもよい。この場合、上述の作業の全てを炉内側(火炉壁の両側のうち一方側)の空間で行うようにしたので、これらの作業を炉外側(火炉壁の両側のうち他方側)の空間でする必要がない。よって、圧力容器を取り外す必要がなくなり、火炉壁の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0070】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0071】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る火炉壁(1)の補修部(100)の検査方法は、
火炉壁の補修部の検査方法であって、
前記補修部は、
前記火炉壁を構成する複数の火炉壁管(2)のうち少なくとも1本の補修対象管(2A)の一部を切除して、該補修対象管の切除端(12)に溶接部(19)を介して新管(17)を接続した管補修領域(102)と、
前記管補修領域に対応する範囲で前記補修対象管に接続されるフィン(4)が切除されたフィン切除領域(104)と、
を含み、
前記溶接部における欠陥を検査するための検査装置(60)を、前記フィン切除領域を利用して設置するステップ(例えば上述のステップS10)と、
前記検査装置により、前記管補修領域の前記溶接部における欠陥の有無を検査するステップ(例えば上述のステップS12)と、
を備える。
【0072】
上記(1)の方法では、補修対象管に隣接するフィン切除領域を利用して検査装置を設置するので、火炉壁の両側のうち一方側からフィン切除領域を介して、他方側の空間にアクセスしたり、該他方側の空間に検査装置の少なくとも一部を設置したりすることができる。よって、作業者が火炉壁の両側のうち一方側の空間にいながら、溶接部のうち火炉壁の一方側に位置する部分及び他方側に位置する部分の検査を容易に行うことができ、このため、溶接部の検査に要する時間やコストを低減することができる。
また、上記(1)の方法では、フィン切除領域が設けられた状態、すなわち、溶接部の隣接部位がフィンに塞がれておらず開放された状態で溶接部の検査を行うため、従来は主として単管に用いられていた検査方法を、火炉壁管に適用することが可能となる。よって、溶接部の検査に係る時間やコストを低減することができる。
また、上記(1)の方法では、フィン切除領域が設けられた状態で溶接部の検査を行うため、検査により溶接部に欠陥があることが判明した場合、補修対象管に隣接するフィンを改めて切除しなくても、フィン切除領域を利用して、溶接部の補修をしたり、補修対象管に接続された新管を再度交換したりすることができる。よって、火炉壁の補修に要する時間やコストを低減することができる。
よって、上記(1)の方法によれば、火炉壁の補修にかかる時間やコストを低減することができる。
【0073】
なお、フィン切除領域を利用して検査装置を設置する、とは、例えば、火炉壁の両側のうち一方側からフィン切除領域を介して他方側の空間にアクセスながら検査装置を設置すること、又は、フィン切除領域や、上述の他方側の空間に検査装置の少なくとも一部を設置することを含む。
【0074】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記設置するステップ及び前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う。
【0075】
上記(2)の方法によれば、火炉壁の両側のうち一方側からの作業によりフィン切除領域を利用して検査装置を設置するとともに、該一方側からの作業により溶接部の検査をする。よって、火炉壁の両側のうち他方側からの作業を要しないので、溶接部の検査に要する時間やコストを低減することができる。よって、火炉壁の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0076】
なお、本明細書における「操作」とは、オペレータ等による作業のことをいう。
【0077】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、
前記検査するステップでは、前記火炉壁の前記フィン切除領域を通過するように、前記検査装置の検知部(例えば上述の探触子62)を動かして、前記補修対象管の全周にわたり前記溶接部の欠陥の有無を検査する。
【0078】
上記(3)の方法によれば、火炉壁のフィン切除領域を通過するように検査装置の検知部を動かして、補修対象管の全周にわたり溶接部の欠陥の有無を検査するようにしたので、例えば、溶接部のうち、火炉壁の一方側に位置する部分の検査と他方側に位置する部分の検査を別々に行う場合に比べて、溶接部の検査に要する時間やコストを低減することができる。よって、火炉壁の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0079】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記検査するステップでは、超音波探傷検査により、前記溶接部の欠陥の有無を検査する。
【0080】
火炉壁を構成する火炉壁管にはフィンが接続されているため、火炉壁管のフィン接続部における溶接部を超音波探傷で検査することは難しく、したがって、従来、火炉壁管の検査手法として超音波探傷検査はあまり採用されてこなかった。この点、上記(4)の方法によれば、フィン切除領域が設けられた状態、すなわち、溶接部の隣接部位がフィンに塞がれていない状態で溶接部の検査を行うため、超音波探傷検査を適用できるようになり、超音波探傷検査により、簡便に、周方向の全範囲にわたり溶接部の検査を適切に行うことができる。
【0081】
(5)本発明の少なくとも一実施形態に係る火炉壁の補修方法は、
上記(1)乃至(4)の何れか一項に記載の検査方法により、火炉壁の補修部を検査するステップ(例えば上述のステップS10〜S12)と、
前記検査するステップの後、前記フィン切除領域を塞ぐステップ(例えば上述のステップS26)と、
を備える。
【0082】
上記(5)の方法によれば、溶接部の検査をした後、フィン切除領域を塞いで火炉壁を補修するようにしたので、(1)で述べたように、火炉壁の補修にかかる時間やコストを低減することができる。
【0083】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の方法は、
前記検査するステップで前記溶接部の欠陥が検知されたとき、前記塞ぐステップの前に、前記溶接部を補修するステップ(例えば上述のステップS18、S22)を備える。
【0084】
上記(6)の方法によれば、溶接部の検査をした結果、溶接部の欠陥が検知されたとき、溶接部を補修してからフィン切除領域を塞ぐようにしたので、火炉壁の補修に要する時間やコストをより効果的に低減することができる。
【0085】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、
前記補修するステップでは、前記フィン切除領域を利用して設置した溶接装置を用いて前記溶接部を補修する。
【0086】
上記(7)の方法によれば、フィン切除領域を利用して設置した溶接装置を用いて溶接部を補修するので、溶接装置を適切に操作することにより、溶接部のうち、火炉壁の一方側に位置する部分及び他方側に位置する部分を補修することができる。
【0087】
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、
前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行い、
前記欠陥が前記溶接部のうち前記火炉壁の前記一方側に検知されたとき、前記補修するステップでは、人手により前記溶接部を補修する。
【0088】
上記(8)の方法によれば、火炉壁の両側のうち、検査するステップの操作を行う側(火炉壁の一方側)に溶接部の欠陥が検知されたとき、人手による作業で溶接部を補修するようにしたので、簡便な作業で溶接部の補修をすることができる。
【0089】
(9)幾つかの実施形態では、上記(5)の方法において、
前記検査するステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行い、
前記欠陥が前記溶接部のうち前記火炉壁の両側のうち他方側に検知されたとき、前記補修対象管から前記新管を取り除き、前記補修対象管に別の新管を溶接して接続するステップ(例えば上述のステップS24,S8)を備える。
【0090】
上記(9)の方法によれば、火炉壁の両側のうち、検査するステップの操作を行う側と反対側(火炉壁の他方側)に溶接部の欠陥が検知されたとき、補修対象管から新管を取り除き、補修対象管に別の新管を溶接して接続するようにしたので、溶接部を適切に補修できない場合であっても、補修対象管を適切に補修することができる。
【0091】
(10)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(9)の何れかの方法は、
前記検査するステップの前、前記補修対象管のうち管補修領域内に位置する部分、及び、前記管補修領域に対応する範囲内に位置するフィンを切除するステップ(例えば上述のステップS4)と、
前記検査するステップの前、前記補修対象管の切除端と前記新管とを溶接で接続するステップ(例えば上述のステップS8)と、
を備える。
【0092】
上記(10)の方法によれば、溶接部の検査をする前、補修領域内に位置する補修対象管の部分及びフィンを切除するとともに、補修対象管の切除端と新管とを溶接で接続する。よって、上述のようにフィンを切除することで設けられるフィン切除領域を利用して検査装置を設置することで、(1)で述べたように、火炉壁の補修にかかる時間やコストを低減することができる。
【0093】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の方法において、
前記切除するステップ、前記接続するステップ、前記検査するステップ、及び、前記塞ぐステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う。
【0094】
上記(11)の方法によれば、補修領域内に位置する補修対象管の部分及びフィンを切除する作業、補修対象管の切除端と新管とを溶接で接続する作業、溶接部の検査をする作業、及び、フィン切除領域を塞ぐ作業の全てを火炉壁の両側のうち一方側の空間で行うようにしたので、これらの作業を火炉壁の両側のうち他方側の空間でする必要がない。よって、火炉壁の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0095】
(12)幾つかの実施形態では、上記(10)又は(11)の方法において、
前記補修方法は、
前記切除するステップの後、かつ、前記接続するステップの前、前記新管の端と前記補修対象管の切除端とが対向するように前記新管を設置し、前記補修対象管の中心軸と前記新管の中心軸とが重なるように位置合わせをするステップ(例えば上述のステップS6)を備え、
前記位置合わせをするステップは、前記火炉壁の両側のうち一方側からの操作により行う。
【0096】
上記(12)の方法によれば、補修対象管の中心軸と新管の中心軸との位置合わせの作業を火炉壁の両側のうち一方側の空間行うようにしたので、このような位置合わせ作業を火炉壁の両側のうち他方側の空間で行うための足場を設置する必要がない。よって、火炉壁の補修にかかる時間やコストを効果的に低減することができる。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0098】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0099】
1 火炉壁
2 火炉壁管
2A 補修対象管
4 フィン
6 管交換範囲
8 フィン切除部
10 マーキング
12 切除端
12a 開先
14 隙間
16 開口穴
17 新管
18 端
18a 開先
19 溶接部
20 溶接装置
21 電源
22 操作盤
23 配線
24 溶接ヘッド部
30 トーチ部
31 トーチ本体
32 セラミック板
33 電極
40 位置合わせ器具
41 本体部
41a 表面
42 凹溝部
43 位置調整部材
43a U型ボルト
43b ナット
43c ナット
43d 抜け止め部
44 位置調整部材
44a U型ボルト
44b ナット
44c ナット
45 開口穴
50 インサートリング
52 フィン部
54 溶接部
60 検査装置
60a 本体部
60b 支持部
62 探触子
64 車輪
66 隙間
100 補修部
102 管補修領域
104 フィン切除領域
110 欠陥
112A 領域
112B 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12