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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-113157(P2021-113157A)
(43)【公開日】2021年8月5日
(54)【発明の名称】アルキル尿素化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 273/18 20060101AFI20210709BHJP
   C07C 275/06 20060101ALI20210709BHJP
   B01J 23/10 20060101ALI20210709BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210709BHJP
【FI】
   C07C273/18
   C07C275/06
   B01J23/10 Z
   C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-5123(P2020-5123)
(22)【出願日】2020年1月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100192603
【弁理士】
【氏名又は名称】網盛 俊
(72)【発明者】
【氏名】冨重 圭一
(72)【発明者】
【氏名】田村 正純
(72)【発明者】
【氏名】迫田 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 学
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169CB25
4G169CB72
4G169DA03
4G169EA01Y
4H006AA02
4H006AC57
4H006BA08
4H006BA30
4H006BB24
4H006BC10
4H006BC11
4H006BE41
4H039CA99
4H039CL25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アルキル尿素化合物の新規な製造方法の提供。
【解決手段】一般式(2)で示されるアルキル尿素化合物を製造する方法であって、金属酸化物触媒存在下、一般式(1)で示されるアルキルアミン化合物と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することを特徴とする、アルキル尿素化合物の製造方法。

(一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(2)で示されるアルキル尿素化合物を製造する製造方法であって、金属酸化物触媒存在下、少なくとも下記一般式(1)で示されるアルキルアミン化合物と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することを特徴とする、アルキル尿素化合物の製造方法。
【化1】

(一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。なお、一般式(1)におけるRと一般式(2)におけるRは同一であり、Rについても同様である。)
【請求項2】
前記金属酸化物触媒が、酸化セリウム(IV)であることを特徴とする、請求項1に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
【請求項3】
前記一般式(1)及び前記一般式(2)において、Rが、水素原子であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
【請求項4】
前記アルキルアミン化合物と前記二酸化炭素とを0.3〜2MPa(ゲージ圧)の加圧状態で混合及び加熱処理することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
【請求項5】
前記アルキルアミン化合物と前記二酸化炭素とを130〜250℃の温度で加熱処理することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキル尿素化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因の一つとして、温室効果ガスの排出が挙げられる。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs等)等が挙げられる。温室効果ガスの中でも、二酸化炭素の影響が最も大きく、二酸化炭素(火力発電所、製鉄所等のプラントから排出される二酸化炭素等)の削減が緊急の課題となっている。
【0003】
前記課題の解決策の一つとして、例えば二酸化炭素とモノアルキルアミン化合物を高温高圧下で反応させて、N,N’−ジアルキル尿素を合成する方法が報告されている(非特許文献1)。非特許文献1で報告されるN,N’−ジアルキル尿素の合成において、プラントから排出される二酸化炭素を原料として使用すれば、二酸化炭素の削減が期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Green Chemistry, 12, 1811−1816(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の非特許文献1のN,N’−ジアルキル尿素の製造方法については、反応条件が10MPaと高圧であったため、工業的な実施は困難であった。
【0006】
本発明は、アルキル尿素化合物の製造方法に係る新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、触媒として金属酸化物を用いることで、アルキルアミン化合物と二酸化炭素から、10MPaのような高圧を要することなく、N,N’−ジアルキル尿素化合物などのアルキル尿素化合物が効率よく得られるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下に示す化合物、及びその製造方法に係る。
[1] 下記一般式(2)で示されるアルキル尿素化合物を製造する製造方法であって、金属酸化物触媒存在下、少なくとも下記一般式(1)で示されるアルキルアミン化合物と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することを特徴とする、アルキル尿素化合物の製造方法。
【化1】

(一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。なお、一般式(1)におけるRと一般式(2)におけるRは同一であり、Rについても同様である。)
[2] 前記金属酸化物触媒が、酸化セリウム(IV)であることを特徴とする、[1]に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
[3] 前記一般式(1)及び前記一般式(2)において、Rが、水素原子であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
[4] 前記アルキルアミン化合物と前記二酸化炭素とを0.3〜2MPa(ゲージ圧)の加圧状態で混合及び加熱処理することを特徴とする、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
[5] 前記アルキルアミン化合物と前記二酸化炭素とを130〜250℃の温度で加熱処理することを特徴とする、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のアルキル尿素化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アルキル尿素化合物の製造方法に係る新規な技術を提供することができる。
【0010】
また、本発明の一実施形態によれば、従来公知の製造方法に比べて、低い圧力でアルキル尿素化合物を製造することができるため、従来公知の製造方法に比べて、低エネルギーでの二酸化炭素の有効利用が可能となり、環境負荷影響を低減することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明は、アルキル尿素化合物の製造方法であり、金属酸化物触媒存在下、少なくともアルキルアミン化合物と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することを特徴とする。
【0013】
本発明のアルキルアミン化合物とアルキル尿素化合物は、それぞれ、下記の一般式(1)及び(2)で示される。以下の説明では、下記一般式(1)で示されるアルキルアミン化合物を「アルキルアミン化合物(1)」とも称し、下記一般式(2)で示されるアルキル尿素化合物を、「アルキル尿素化合物(2)」とも称する。
【0014】
【化2】

(一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。なお、一般式(1)におけるRと一般式(2)におけるRは同一であり、Rについても同様である。)
【0015】
本発明に用いられるアルキルアミン化合物(1)は、市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。
【0016】
炭素数1〜6のアルキル基については、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、又はシクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0017】
アルキルアミン化合物(1)については、反応性の観点から、Rが水素原子であることが好ましい。すなわち、一般式(1)で示されるアルキルアミン化合物がモノアルキルアミンであり、一般式(2)で示されるアルキル尿素化合物がN,N’−ジアルキル尿素であることが好ましい。より好ましくは、Rが、水素原子であって、Rが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、又はn−ブチル基である。なお、Rを水素原子以外の置換基とする場合、反応性を向上させる観点から、Rが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、又はn−ブチル基であって、Rが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、又はn−ブチル基であることが好ましい。
【0018】
本発明のアルキルアミン化合物(1)の純度としては、特に限定はないが、アルキル尿素化合物(2)製造後の精製工程での精製のしやすさを考えると、95%以上が好ましく、98%以上が特に好ましい。
【0019】
本発明の二酸化炭素は、一般公知の方法で入手できるものを用いることができ、特に限定するものではないが、例えば、市販の二酸化炭素ガス、炭化水素の水蒸気改質ガスから分離した二酸化炭素、燃焼排ガスから分離した二酸化炭素、石灰炉で得られる二酸化炭素等を用いることができるが、温室効果ガスの排出削減の点で、特に燃焼排ガスから分離した二酸化炭素を用いることが好ましい。
【0020】
本発明の二酸化炭素の純度としては、特に限定はないが、アルキルアミン化合物(1)との反応のしやすさを考えると、95%以上が好ましく、98%以上が特に好ましい。
【0021】
本発明において、二酸化炭素の使用量は、特に限定するものではないが、反応性を向上させる観点から、アルキルアミン化合物(1) 1molに対し2〜30molであることが好ましく、より好ましくは4〜10molである。
【0022】
本発明に用いられる金属酸化物触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ランタン(III)、酸化チタン(IV)、酸化ジルコニウム(IV)、酸化セリウム(IV)を挙げることができる。中でも反応性の観点から、酸化セリウム(IV)が好ましい。当該酸化セリウム(IV)については、BET表面積60〜90m/gであるものが更に好ましく、特に限定するものではないが、例えば、先行技術文献(Green Chemistry, 15, 1567−1577(2013))に記載の方法により、第一稀元素社製の酸化セリウム(IV)HSグレードを600℃で焼成して得られるものを挙げることができる。
【0023】
本発明において、金属酸化物触媒の使用量は、一般的な範囲であれば特に限定するものではないが、反応速度および経済性の観点で、通常、アルキルアミン化合物(1) 1molに対し0.1〜0.4molであることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.3molである。
【0024】
本発明の製造方法は、金属酸化物触媒の存在下において、少なくともアルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することを含む。金属酸化物触媒の存在下で、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素とを混合し、加熱処理することで、後述する反応が進行し、アルキル尿素化合物(2)が製造される。
【0025】
アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素の混合は、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素が接触するような条件で行われればよく、混合条件については特に限定されない。また、混合されるアルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素の形態(気体、個体、液体)も、特に限定されるものではないが、反応性の観点からは、アルキルアミン化合物(1)を液体で、二酸化炭素を気体の状態で混合し、加熱処理することが好ましい。
【0026】
アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素を金属酸化物触媒の存在下で混合し、加熱処理することによって進行する反応は、前段部分と後段部分に分けられる。すなわち、前段部分は、二酸化炭素がアルキルアミン化合物(1)に付加して下記一般式(3)で示されるカルバミン酸中間体(以下、「カルバミン酸中間体(3)」ともいう)を生成する段階である。なお、前段部分は、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素を金属酸化物触媒の存在下で混合することで進行させることができる。また、後段部分は、カルバミン酸中間体(3)が金属酸化物触媒の作用を受けてアルキルアミン化合物(1)とさらに反応してアルキル尿素化合物(2)を生成する段階である。なお、後段部分は、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素を金属酸化物触媒の存在下で混合して得られた混合物を加熱処理することで進行させることができる。
【0027】
【化3】

(一般式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。なお、一般式(3)におけるRは一般式(1)及び式(2)におけるRと同一であり、Rについても同様である。)
【0028】
本発明の前段部分の反応温度、つまり、前段部分の反応が進行する際の混合条件(温度)は、反応速度およびエネルギーコストの点で、−20〜150℃であることが好ましく、より好ましい反応温度は0℃〜100℃である。
【0029】
本発明の前段部分の反応圧力、つまり、前段部分の反応が進行する際の混合条件(圧力)は、反応速度およびエネルギーコストの点で、0.3〜2MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、より好ましい反応圧力は0.5〜1.5MPa(ゲージ圧)である。なお、ゲージ圧とは、大気圧を0MPaとした圧力である。
【0030】
本発明の前段部分の反応時間、つまり、前段部分の反応が進行する際の混合条件(時間)は、反応収率及び設備運用コストの点で、0.2〜48時間であることが好ましく、より好ましい反応時間は0.5〜24時間である。
【0031】
本発明の後段部分の反応温度、つまり、後段部分の反応が進行する際の加熱処理条件(温度)は、反応速度およびエネルギーコストの点で、130〜250℃であることが好ましく、より好ましい反応温度は140℃〜200℃である。
【0032】
本発明の後段部分の反応圧力、つまり、後段部分の反応が進行する際の加熱処理条件(圧力)は、反応速度およびエネルギーコストの点で、0.3〜2MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、より好ましい反応圧力は0.5〜1.5MPa(ゲージ圧)である。
【0033】
本発明の後段部分の反応時間、つまり、後段部分の反応が進行する際の加熱処理条件(時間)は、反応収率及び設備運用コストの点で、6〜120時間であることが好ましく、より好ましい反応時間は12〜48時間である。
【0034】
上記の前段部分の反応と後段部分の反応については、混合条件(圧力、反応時間)及び加熱処理条件(温度、圧力、反応時間)を反応毎に設定して別々に行われてもよいが、混合条件(圧力、反応時間)及び加熱処理条件(温度、圧力、反応時間)を統一して一機同時的に行うことが好ましい。このような本願発明の製造方法においては、反応速度およびエネルギーコストの点で、0.3〜2MPa(ゲージ圧)の加圧状態で混合及び加熱処理を行うことが好ましく、0.5〜1.5MPa(ゲージ圧)の加圧状態で混合及び加熱処理を行うことがより好ましく、130〜250℃の温度で加熱処理を行うことが好ましく、140〜200℃の温度で加熱処理を行うことがより好ましい。
【0035】
本発明において、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素の混合及び加熱処理については、無溶媒で行うこともできるし、溶媒を用いて行ってもよい。当該溶媒については、反応性の観点から、エーテル、アルコール、アミド等の極性溶媒であることが好ましい。極性溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−プロパノール、メタノール、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を用いることができる。上記の溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の溶媒のうち、特に好ましい溶媒は、2−プロパノール、メタノール、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はN,N−ジメチルアセトアミドであり、更に好ましくはN−メチル−2−ピロリドンである。
【0036】
溶媒の形態(気体、個体、液体)については、特に限定されるものではないが、反応性の観点から、アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素を混合する際には、溶媒を液体の状態で用いることが好ましい。
【0037】
本発明の反応で用いる溶媒は、アルキル尿素化合物(2)の収率に優れる点で、脱水したものが好ましい。脱水方法については、特に限定するものではないが、例えば、脱水剤(モレキュラーシーブ等)を添加する方法、膜分離する方法、蒸留する方法等が挙げられる。
【0038】
本願発明における溶媒使用量については、特に限定するものではないが、アルキルアミン化合物(1) 100重量部に対して、0〜4000重量部であることが好ましく、0〜1000重量部であることがより好ましく、0〜100重量部であることがより好ましく、0〜50重量部であることがより好ましい。なお、溶媒が0質量部であるとは、溶媒を使用しないことを指す。
【0039】
本発明における反応方式としては、流通式(連続的に原料を投入し、連続的に反応を行い、連続的に生成物を回収していく方式)、回分式(原料投入、反応、生成物回収の各工程を順番に行う方式)の何れを採用しても良い。
【0040】
アルキルアミン化合物(1)と二酸化炭素を混合し、加熱処理して上述した反応が完結した後は、蒸留等の精製操作により目的のアルキル尿素化合物(2)を精製することが好ましい。例えば、蒸留精製する際は、蒸留効率の悪化を防止するため、金属酸化物触媒を事前に除去しておくことが好ましい。金属酸化物触媒を事前に除去する方法として、特に限定するものではないが、例えば、反応操作終了後の反応液に対してろ過、遠心分離等の操作によって金属酸化物触媒を除去する第1の方法が挙げられる。また、前記の反応液から未反応のジアミン化合物(1)を留去した後、遠心分離操作によって金属酸化物触媒を除去する第2の方法も挙げられる。第1の方法を用いる場合、アルキル尿素化合物(2)は、金属酸化物触媒を除去した後、溶媒及び未反応のアルキルアミン化合物(1)を留去することによって得られる。
【0041】
アルキル尿素化合物(2)の蒸留条件としては特に限定されないが、通常50℃〜150℃、圧力は5mmHg〜760mmHgの範囲で行われる。なお、蒸留の時に回収した、溶媒及び原料アルキルアミン化合物(1)は、再びアルキル尿素化合物(2)を製造する溶媒及び原料として使用しても差支えない。その際、多少のアルキル尿素化合物(2)を含んでもよい。反応終了後に残存している原料アルキルアミン化合物(1)が少ないほど、また、溶媒が少ないほど、アルキル尿素化合物(2)の精製に掛かるエネルギーコストを低減することができる。
【実施例】
【0042】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
実施例1
n−ブチルアミン(富士フイルム和光純薬社製)0.73g(0.010mol)、酸化セリウム(IV)(第一希元素社製のHSグレードのものを600℃で3時間焼成したもの)0.34g(0.002mol)、及びN−メチル−2−ピロリドン(富士フイルム和光純薬社製)19.8g(0.20mol)を100mLオートクレーブに入れ、二酸化炭素(0.04mol(関西商工社製))でオートクレーブ内を置換(0.3MPaで加圧後脱圧、を3回繰り返す)した後、二酸化炭素の圧力を1.0MPaまで上げ25℃で10時間攪拌(混合)した。攪拌時は、n−ブチルアミンの形態は液体であり、二酸化炭素の形態は気体ないしは液相中に溶解した状態であり、N−メチル−2−ピロリドンの形態は液体であり、酸化セリウム(IV)の形態は固体であった。
【0044】
オートクレーブ内を脱圧した後、再び密閉し、140℃まで加熱して24時間攪拌した。この時のオートクレーブ内の最大圧力は0.8MPaであり、n−ブチルアミンの形態は液体ないしはカルバミン酸としてN−メチル−2−ピロリドンに溶解した状態であり、二酸化炭素の形態はカルバミン酸の一部としてN−メチル−2−ピロリドンに溶解した状態であり、N−メチル−2−ピロリドンの形態は液体であり、酸化セリウム(IV)の形態は固体であった。オートクレーブを室温まで冷却した後、内容物(液相部分)をNMRで分析した。NMRによる分析は、日本電子株式会社製JNM−ECZ400(1H NMR、400MHz)を用いて行った。
【0045】
NMRによる分析の結果、アルキル尿素化合物(2)であるN,N’−ジブチル尿素が0.60g(0.0035mol)生成していることを確認した。下記式(1)から求められるN,N’−ジブチル尿素の収率は、70%であった。
(上記式(1)において、XはN,N’−ジブチル尿素の収率(%)を示し、Yは生成したN,N’−ジブチル尿素のモル数(=0.0035mol)を示し、Zは投入したn−ブチルアミン(=0.010mol)から生成可能なN,N’−ジブチル尿素の最大モル数(=0.0050mol)を示す)。