【解決手段】マルチ動作モード比較器システムは、高帯域幅および低電力な自動試験に役立ち得る。システムは、比較器出力段の高インピーダンス入力を駆動するように構成された利得段を含むことができ、利得段は、調整可能なインピーダンス回路に結合された差動切り替え段を含み、調整可能なインピーダンス回路のインピーダンス大きさ特性は、利得段の帯域幅特性に対応している。比較器出力段は、低インピーダンス比較器出力ノードに結合されたバッファ回路を含み得る。バッファ回路は、より高速なモードでは、切り替え済み出力信号の基準電圧を出力ノードに提供でき、バッファ回路は、より低電力なモードでは、切り替え済み出力信号を出力ノードに提供できる。
前記出力段は、前記比較器システムの2つの異なる動作モードで相互排他的に動作するように構成された第1および第2の差動対を備える、請求項1に記載の比較器システム。
前記利得回路の前記入力切り替え段は、第1および第2のトランジスタを含む第1の差動対、ならびに前記トランジスタのコレクタ端子に結合された調整可能なインピーダンス網を備える、請求項1に記載の比較器システム。
前記比較器システムのより高速な第1のモードでは、前記インピーダンス網は、前記トランジスタの前記コレクタ端子に、より小さな第1のインピーダンスを提供し、前記比較器システムのより低電力な第2のモードでは、前記インピーダンス網は、前記トランジスタの前記コレクタ端子に、より大きな第2のインピーダンスを提供する、請求項7に記載の比較器システム。
前記第1および第2のトランジスタに結合された調整可能なテール電流源をさらに備え、前記調整可能なテール電流源は、前記比較器システムのより高速な第1のモードでは、より大きな大きさの電流信号を提供し、前記調整可能なテール電流源は、前記比較器システムのより低電力な第2のモードでは、より小さな大きさの電流信号を提供する、請求項7に記載の比較器システム。
被試験デバイスからの信号、および基準信号を受信し、それに応じて、前記利得回路の複数の直列結合の場合のうちの第1のものの前記入力切り替え段に、比較出力を提供するように構成された比較段回路をさらに備える、請求項1に記載の比較器システム。
前記比較器出力段は、前記利得段からの駆動信号に応じて、前記より高速なモードおよび前記より低電力なモードで相互排他的に動作するように構成された第1および第2の差動対を備え、前記第1の差動対の出力端子は、前記バッファ回路の入力経路に結合され、前記第2の差動対の出力端子は、前記バッファ回路の出力経路に結合されている、請求項12に記載の比較器システム。
前記調整可能なインピーダンス回路は、前記差動切り替え段の出力端子に結合された抵抗器網と、前記より高速なモードでは、前記抵抗器網内の1つ以上の抵抗器をシャントし、前記より低電力なモードでは、前記1つ以上の抵抗器をシャントしないように構成されたシャント回路と、を備える、請求項12に記載の比較器システム。
前記バッファ入力スイッチおよび前記バッファ出力スイッチは、それぞれの第1および第2の電流源に結合されたそれぞれの差動対回路を備え、前記第1および第2の電流源は、異なる大きさ特性を有する電流信号を提供するように構成されている、請求項17に記載の比較器システム。
前記電力調整可能な利得段は、抵抗網と、前記より高速な第1のモードでは、前記抵抗網内の1つ以上の抵抗器をシャントするように構成されたシャント回路と、を備える、請求項17に記載の比較器システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
試験システムは、指定された時間に被試験デバイス(DUT)に電圧パルス刺激を提供でき、DUTからの応答を任意選択的に測定できる。試験システムは、比較的大きな出力信号の大きさ範囲にわたって高忠実度の出力信号パルスを提供し、異なる種類の被試験デバイスに対応するように構成できる。
【0013】
一例では、試験システムは、高周波電流信号の最小限のオーバーシュート、またはスパイクを有する高忠実度刺激信号を提供でき、かつ高電力または低電力動作レベルにおいてパルスエッジ配置精度および信号帯域幅を向上できるピン駆動器アーキテクチャを含み得る。一例では、試験システムは、様々なパルス信号を提供するように構成できるような、クラスA駆動器段またはクラスAB駆動器段を含み得るような1つ以上の駆動器段を含み得る。システムは、切り替え制御電圧信号および切り替え電流信号を正確に制御し、かつ比較器の動作モード、および監視または測定動作を制御する制御回路を含み得る。
【0014】
一例では、複数の駆動器または駆動器段を使用して、様々な電圧および速度要件を有する様々な半導体デバイスを試験するように構成可能な試験システムを提供できる。その上、複数の駆動器を使用して、物理層試験用の複数の信号レベル試験または「多重化」を向上または有効化できる。物理層試験中、複数の駆動器を同時に切り替えて、様々な異なる刺激または駆動信号をDUTに提供できる。
【0015】
試験システムは、DUTからの高速電圧または電流応答信号を受信するように構成されている比較器回路または比較器段を含み得る。比較器は、一般に、少なくとも2つの入力信号の間の関係についての情報を提供する判定要素である。例えば、比較器は、DUTからの信号と、基準電圧信号などの基準信号との間の関係を示すデジタル出力(例えば、論理高または論理低信号)を提供できる。比較器は、直列に結合できるような、1つ以上の利得段を含み、高利得応答を生成できる。
【0016】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、とりわけ、マルチモードまたはデジタル制御型比較器を提供する。比較器は、高速または低電力動作に構成されて、異なる試験パラメータに対応し、それにより試験コストを削減するのに役立ち得る。すなわち、最小量の電力を消費する比較器システムを提供し、大量の部品試験に関連したコストの削減に役立たせることが望まれ得る。本明細書におけるいくつかの例は、試験システムまたはATEの文脈において様々な比較器または比較器回路を含むか、または示すが、他の使用も想定されている。
【0017】
図1は、概して、複数の駆動器段と、1つの比較器段を含む試験システムトポロジーの第1の例100を示す。第1の例100は、クラスAB駆動器回路を含み得る第1の駆動器AB108、およびクラスA駆動器回路を含み得る第1の駆動器A116を含む。第1の例100は、指定された出力または負荷インピーダンスを提供するように構成できる第1の抵抗器104などの出力要素をさらに含み得る。一例では、第1の例100は、能動負荷または他の負荷デバイスを含み得るような、比較器回路124または第1の負荷回路122を含み得る。一例では、試験システムは、第1の出力電流106のi_OUTをDUTピン102に提供するように構成されている。
【0018】
一例では、第1の駆動器AB108は、各ブリッジが固有の専用DC電圧レベルにより駆動されている並列接続されたダイオードブリッジ間を選択することにより、電圧刺激信号を生成するように構成できる。
図1の第1の例100では、DC電圧Vih110およびVil112は、第1の駆動器AB108内のダイオードブリッジを駆動する。切り替え段に続いて、大電流を生成し、50ΩDUT環境を提供するために使用できるような、電力利得を提供できる電圧バッファリング段があり得る。
【0019】
第1の駆動器AB108とは対照的に、第1の駆動器A116は、DUTピン102に直接結合できる比較的大電流のスイッチ段を使用して、DUTピン102に遷移を生成するように構成できる。第1の駆動器A116内の電流切り替え段は、電圧制御信号であり得るような、制御信号スイング120に応じて、DUTピン102の内外への電流を交互に切り替えできる。例えば、その付随する帯域幅制限および他の性能制限を有するクラスAB電圧バッファリング段により負荷をかけなくてもよいため、第1の駆動器A116は、高速動作を提供できる。
【0020】
一例では、第1の駆動器A116は、比較的低い振幅信号をDUTピン102に提供するように構成できる。例えば、第1の駆動器A116は、約2Vのスイングを有する信号を提供できる。第1の駆動器AB108は、例えば、−1.5〜+7Vの比較的高い振幅信号をDUTピン102に提供するように構成できる。第1の駆動器A116は、概して、第1の駆動器AB108より高い切り替え速度または帯域幅で動作する。一例では、第1の駆動器AB108は、第1の駆動器Aの116からの切り替え電流を吸収するように構成できる。すなわち、第1の駆動器AB108はバッファとして機能でき、第1の駆動器A116は、第1の抵抗器104などを介してそこに電流を供給できる。
【0021】
第1の駆動器AB108および第1の駆動器A116の一方または両方を選択して、別様に、単一の駆動器では満たされない場合がある異種のDUT試験要件を満たすことができる。例えば、両方の駆動器回路がDUT波形を提供できるが、第1の駆動器AB108は、大振幅で低帯域幅の刺激信号を提供するように構成でき、第1の駆動器A116は、低振幅で高帯域幅の刺激信号を提供するように構成できる。
【0022】
一例では、第1の駆動器AB108および第1の駆動器A116は、イネーブルピンを共有しない。代わりに、各駆動器回路は、ピンEnAB114およびEnA118を介した独立したイネーブル制御を含む。独立したイネーブル制御は、第1の駆動器AB108が低速の高圧刺激源として機能し、第1の駆動器A116からの切り替え電流を吸収する静的な非遷移バッファとして機能することを容易にする。
【0023】
図1は、比較器回路124を含む。比較器回路124は、DUTピン102などを介して、DUT126からの信号を受信するように構成されている多段比較器を含み得る。比較器回路124は、受信した信号を比較器基準信号128と比較し、それに応じて、差動比較器出力信号130を提供できる。例えば、比較器回路124は、DUT126からの電圧信号を受信し、電圧信号の振幅を比較器基準信号128の振幅と比較できる。比較器回路124は、振幅関係についての情報を提供できる。例えば、比較器基準信号128が、DUT126から受信した信号と等しいとき、差動比較器出力信号130は実質的に同じ大きさを有する信号を含み得る。
【0024】
一例では、比較器回路124は、異なる比較器モードで動作できる。比較器回路124は、1つ以上の信号を受信するように構成された比較器モード制御ノード132を含み、その利用可能なモードのうちの1つで動作するように比較器回路124を制御または構成できる。例えば、モード制御ノード132における第1の制御信号に応じて、比較器回路124は、第1の動作モードに構成できる。第1の動作モードでは、比較器回路124が最小量の電流を消費するモードとして部分的に特徴付けできるような、比較的低電力な動作に比較器回路124を構成できる。モード制御ノード132における異なる第2の制御信号に応じて、比較器回路124は、第2の動作モードで構成できる。第2の動作モードでは、比較器回路124が、第1の動作モードより比較的多くの電流を消費するモードとして部分的に特徴付けできるような、比較的高速な動作に比較器回路124を構成できる。
【0025】
図2は、概して、比較器回路124を含み得る比較器例200を示す。比較器回路124は、比較器入力ノード204、基準信号入力ノード212、第1の出力ノード208、および第2の出力ノード210を含み得る。比較器回路124は、直列に設けられた複数の異なる回路段を含み得る。例えば、比較器回路124は、比較段202、第1の利得段300から第nの利得段206などの1つ以上の利得段、および出力段500を含み得る。
【0026】
一例では、比較段202は、比較器入力ノード204を使用して、DUT126からの刺激またはDUT信号を受信するように構成できる。比較段202は、基準信号入力ノード212を使用して、電圧基準信号Vthを受信できる。概して、比較段202は、信号比較動作を実行し、比較器入力ノード204および基準信号入力ノード212におけるそれぞれの信号のうちのどれが、特定の時間または指定された時間などに、より大きなまたはより小さな信号振幅特性を有するかを判定するように構成されている。比較段202の比較結果または出力は、第1の利得段300に提供できる。一例では、比較結果は、差動信号または論理信号、すなわち、2つの信号成分を有する信号を含む。
【0027】
一例では、比較段202は、比較器入力ノード204および基準信号入力ノード212において受信される差動電圧を増幅し、かつ共通モード信号成分を抑制する差動増幅器を含む。ここでその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,813,050号、発明の名称「Comparator Circuit with Input Attenuator」において、McQuilkinにより説明される1つ以上の比較器を含むような、様々な他の比較段202回路を使用できる。比較段202の判定回路は、とりわけ、いつDUT信号が基準信号電圧Vthを横切るかを報告する差動対を含み得るが、電力を節約するなど、後続の利得段を接地未満で動作可能にするレベルシフト器としても機能できる。
【0028】
第1の利得段300は、様々な利得または増幅器回路網を含み得る。すなわち、第1の利得段300は、演算増幅器、またはトランジスタもしくは他の回路網の他の配置もしくは構成を含み得るような増幅器回路網を含み、信号増幅またはバッファリングを実行できる。複数の利得段の場合は、各利得段が先行する利得段の出力をさらに増幅またはバッファリングするように直列に提供できる。
図2の例では、第1の利得段300は、第1の利得段出力信号を1つ以上の中間利得段に提供し、さらに、最後のまたは第nの利得段206を使用して利得段出力を提供する。第nの利得段206は、出力段500内の比較的高い入力インピーダンスの受信器に出力信号を提供するように構成できる。それに応じて、出力段500は、出力信号を低インピーダンス環境に提供し、したがって、電力利得を提供できる。第1の利得段300、第nの利得段206、および任意の1つ以上の介在する利得段などの様々な利得段は、同一にまたは異なるように構成できる。
【0029】
一例では、出力段500は、第1の出力ノード208および第2の出力ノード210に、それぞれ第1および第2の信号成分を含む差動比較器出力信号130を提供する。すなわち、比較器段出力信号成分を使用して、比較器入力ノード204および基準信号入力ノード212において受信される入力信号間の大きさ関係を示すデジタル出力信号を提供できる。
【0030】
図3は、概して、第1の利得段300を備え得るような利得段トポロジーの一例を示す。第1の利得段300は、比較段202からの比較結果信号302を受信するように構成できる。一例では、比較結果信号302は差動電圧信号を含む。第1の利得段300は、第1の差動対306のそれぞれ第1および第2のトランジスタを使用して、比較結果信号302の成分を受信できる。
【0031】
図3では、第1の差動対306は第1の電流源312に結合できる。第1の電流源312は、調整可能な電流信号I
tailを提供し、第1の差動対306に電力を供給できる。第1の電流源312により提供される電流信号I
tailの大きさは、比較器回路124の動作モードに依存し得る。例えば、より低い消費電力に対応する第1の動作モードでは、I
tailの大きさは、より高速な動作に対応する第2の動作モードより比較的小さくなり得る。
【0032】
第1の差動対306は、バイアス網310および利得段出力網308に結合でき、さらに、バイアス電流源316の対に結合できる。利得段出力網308は、利得段出力信号304を提供するように構成できる。一例では、第1の利得段300は、入力において受信される信号に、実質的に一定の利得を提供するように構成されている。すなわち、第1の利得段300の利得特性は、比較器回路124の第1および異なる第2の動作モードで実質的に一定であり得る。
【0033】
第1の利得段300の利得特性は、第1の電流源312により提供される電流信号I
tailの大きさにより、および第1の差動対306内のデバイスのコレクタ端子におけるインピーダンスにより部分的に決定できる。第1の利得段300の利得Avは、Av=I
tail×R
collector/Nと表現でき、ここで、I
tailは第1の電流源312により提供される電流であり、Nは第1の差動対306を構成するために使用される要素の種類に関連した定数であり、R
collectorは第1の差動対306内のトランジスタのうちの1つのコレクタにおける抵抗である。したがって、利得は、電流I
tailの大きさを増大させるか、または抵抗R
collectorの大きさを増大させることにより増大できる。
【0034】
一例では、第1の利得段300の帯域幅は、コレクタ端子におけるコレクタ抵抗R
collectorおよび寄生容量により影響され得るか、または決定され得る。一般に、コレクタ抵抗R
collectorを減少させるにつれて、帯域幅を増大できる。したがって、帯域幅と利得との間に設計トレードオフがあり得る。
【0035】
一例では、調整可能なインピーダンス回路314は、第1の差動対306内のデバイスのコレクタ端子におけるインピーダンスを変更するように構成され、それにより、第1の利得段300の利得特性に影響を与えるか、または利得特性を変更する。一例では、第1の電流源312により提供される電流I
tailの大きさは、調整可能なインピーダンス回路314により提供されるインピーダンスの変化に対応して変化するように構成されている。
【0036】
一例では、調整可能なインピーダンス回路314は、第1の差動対306内のそれぞれのデバイスから延在する各信号経路に抵抗器網を含む。すなわち、調整可能なインピーダンス回路314は、第1の差動対306の第1のトランジスタのコレクタに結合された1つ以上の抵抗器を含み得、第1の差動対306の第2のトランジスタのコレクタに結合された1つ以上の抵抗器を含み得る。
図3の例では、一対の直列結合の抵抗器R
C1およびR
C2は、第1の差動対306内のデバイスのそれぞれのコレクタに結合されている。抵抗器R
C1およびR
C2の抵抗値は、同じであっても異なってもよく、この考察のために、抵抗器は、同じ抵抗値を有すると仮定できる。異なる値を使用して、異なる動作モードなどで、異なる利得特性を実現できる。
【0037】
調整可能なインピーダンス回路314は、コレクタ抵抗器R
C2用のそれぞれのシャント経路を制御するスイッチS1およびS2を含み得る。スイッチS1およびS2は、両方のスイッチが同時に開または閉になるように、共にまたは同時に動作するように構成できる。一例では、スイッチS1およびS2は、モード制御ノード132に提示される制御信号に応じて動作可能である。
【0038】
第1の動作モードなどで、スイッチS1およびS2が開のとき、第1の差動対306内の各トランジスタに対する有効コレクタ抵抗は、R
C1+R
C2である。指定された目標利得が第1の動作モードで第1の利得段300を介して達成されることを保証するために、より大きなコレクタ抵抗を補償するなど、テール電流I
tailの大きさを減少できる。一例では、第2の動作モードなどで、スイッチS1およびS2が閉のとき、第1の差動対306内の各トランジスタに対する有効コレクタ抵抗はR
C1である。第1の動作モードと実質的に同じ目標利得を第2の動作モードで第1の利得段300を介して維持するために、テール電流I
tailの大きさを増大できる。
【0039】
したがって、第1の利得段300は、第1の動作モードおよび第2の動作モードで実質的に同じ量の利得を提供するように構成できる。第1の動作モードは、第1の利得段300によるより低い消費電力(例えば、第1の電流源312からのより小さなテール電流I
tail)、および結果として、第2の動作モードに対してより低い帯域幅または比較的遅い性能により部分的に特徴付けできる。第2の動作モードは、第1の利得段300によるより高い帯域幅または比較的速い性能、および結果として、第1の動作モードに対してより高い消費電力(例えば、第1の電流源312からのより多くのテール電流I
tail)により部分的に特徴付けできる。言い換えると、第1の動作モードでは、スイッチS1およびS2を開いて、それにより、第1の差動対306内のデバイスのコレクタに比較的高いインピーダンスを提示でき、所望の利得特性を満たすことを保証するために、テール電流I
tailを低減できる。第2の動作モードでは、スイッチS1およびS2を閉じて、第1の差動対306内のデバイスのコレクタに比較的小さなインピーダンスを提示でき、同じ所望の利得特性を満たすことを保証するために、テール電流I
tailを増大できる。このようにして、同じ第1の利得段300が、低電力用途および高帯域幅用途の両方において有用になり得る。
【0040】
図4は、概して、利得段詳細400の一例を示す。一例では、利得段詳細400は、第1の利得段300または第nの利得段206の一部を備える。すなわち、第1の利得段300、第nの利得段206、または1つ以上の中間の図示されていない利得段のうちの1つ以上が、利得段詳細400に図示されたトポロジーを含み得るか、または使用できる。
【0041】
図4の例では、Q5およびQ6は、それぞれの利得段入力ノードに結合されたベースを有する第1の差動対306のデバイスを備える。一例では、利得段の出力において定電圧スイングを維持するために、Q5およびQ6のコレクタにおける抵抗負荷は、比較器回路124の動作モードに従って変化し得る。例えば、調整可能なインピーダンス回路314は、少なくとも2つの直列負荷または抵抗器、および制御機構またはスイッチを備える様々なセグメントを含み、負荷のどの部分を使用して、Q5またはQ6の切り替えコレクタ電流を導通するかを判定できる。
図4の例では、制御機構は、モード制御信号402により制御されるベース電圧を有するスイッチ、またはトランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4を備える。一例では、モード制御信号402は、相補的な制御信号の対を備え、片側が高いとき他方は低い。一例では、モード制御信号402は、比較器回路124のモード制御ノード132により受信できる。
【0042】
第1の動作モードでは、トランジスタQ2におけるベース電圧は高にでき、トランジスタQ1におけるベース電圧は低にできる。その結果、トランジスタQ1はオフにでき、さらに、トランジスタQ2は、第1の差動対306から総抵抗3Rを介して切り替え電流を導通できる。第2の動作モードでは、トランジスタQ1におけるベース電圧は高にでき、トランジスタQ2におけるベース電圧は低にでき、したがって、トランジスタQ2をオフにし、Q1は総抵抗1Rを介して切り替え電流を導通させたままにできる。すなわち、第2の動作モードでは、調整可能なインピーダンス回路314は、第1の差動対306のコレクタに第1の動作モードより小さな抵抗の負荷をかける。
【0043】
一例では、比較器回路124内の1つ以上の利得段は、パススルーまたはバッファ段として構成できる。例えば、第nの利得段206の出力における切り替え電圧は、コレクタ抵抗の減少にもかかわらず、第1および第2の動作モードで実質的に一定に留まり得るが、それは、例えば、第1の電流源312により提供されるテール電流I
tailの大きさが、各モードに対して調整可能なためである。
【0044】
一例では、第1のまたはより低電力な動作モードでは、トランジスタQ2におけるベース電圧は高にでき、トランジスタQ1におけるベース電圧は低にできる。次いで、トランジスタQ1のエミッタにおける電圧は、トランジスタQ1が逆バイアスされ導通不可能になるように、実質的に十分高い逆バイアス電圧の大きさに維持できる。その上、トランジスタQ1のエミッタにおける寄生容量は、例えば、トランジスタQ1のベースを可能な限り低く駆動することを保証することにより最小化できるが、それは、エミッタ容量が、逆バイアス電圧に反比例するためである。トランジスタQ1のエミッタにおける容量を最小化することが重要になり得るが、それは、そのような容量が、波形の不連続性、忠実度の低下、およびタイミング精度の妥協につながり得る、抵抗器r1にわたる高速な電流のシャントとして機能できるためである。MOSトランジスタまたは伝送ゲートなど、コレクタ負荷抵抗を調整するために使用される代替的な切り替え方法は、より大きな容量を提示する可能性があり、回路性能の低下をもたらす可能性がある。
【0045】
一例では、コレクタ切り替え対、またはバイポーラトランジスタ対(例えば、トランジスタQ1およびQ2、またはトランジスタQ3およびQ4)は、直列抵抗器を結合する接地部とノードとの間に接続されるFETスイッチと実質的に同様の機能性を提供できる。第1の動作モードでは、FETは電流を導通しないように開にでき、第2の動作モードでは、FETは電流を導通するように閉にできる。しかしながら、図示されたバイポーラ切り替え対の方式は、様々な利点を提供する。例えば、バイポーラトランジスタの相互コンダクタンスgmは非常に大きくなり得るため、バイポーラデバイスは、物理的に小さな低容量のデバイスを使用して、抵抗器接合ノードに小さなインピーダンスを生成できる。ノードがコレクタの負荷抵抗器と直列であり、温度およびプロセス全体でのインピーダンスの変化が望ましくない可能性があるため、低インピーダンスが重要になり得る。小さな切り替え抵抗の大きな割合の変化は、全体的なコレクタ負荷抵抗の誤差を小さくし、したがって、電圧誤差を小さくできる。バイポーラトランジスタと同程度に小さなインピーダンスを提供するのに十分大きなFETは、物理的に大きく、抵抗器接合ノードに容量的に負荷をかけるであろう。
【0046】
図5は、概して、出力段500の一例を示す。
図5の例では、出力段500は、第1の出力ノード208および第2の出力ノード210を使用して、伝送線により提供できるような終端デバイスに結合されている。例えば、出力段500は、第1の終端抵抗器524および第2の終端抵抗器526を含む終端デバイスに結合でき、伝送線に整合インピーダンスを提供できる。実際の伝送線は比較的低いインピーダンス特性を有し得るため、実際には、第1の終端抵抗器524および第2の終端抵抗器526は、比較的低い抵抗デバイスであり得る。したがって、出力段500を使用して、利得段または第nの利得段206などの先行段の高インピーダンス環境から、伝送線、第1の終端抵抗器524、または第2の終端抵抗器526を含み得る低インピーダンス環境に電力利得を提供できる。
【0047】
一例では、出力段500は、出力段入力信号502を受信するように構成されている。出力段入力信号502は、第nの利得段206などからの利得段出力信号を含み得る。一例では、出力段500は、並列に結合された第2の差動対504および第3の差動対506を含み、第2の差動対504および第3の差動対506のそれぞれは、同じ出力段入力信号502を受信するように構成できる。
図5の例では、第2の差動対504および第3の差動対506は、相互排他的に動作するように構成できる。例えば、第2の差動対504は、第2の電流源508に結合でき、第3の差動対506は、第3の電流源510に結合できる。それらのそれぞれの電流源に差動対を結合するそれぞれのスイッチは、一方のスイッチが開の間、他方が閉になるように動作するように構成できる。
【0048】
比較器回路124のより高い帯域幅の第2の動作モードより比較的少ない電力を消費するとして部分的に特徴付けできるような、比較器回路124の第1の動作モードでは、第2の差動対504は、出力段入力信号502を受信し、それに応じて、第2の電流源508からの電流I
inを導通するように構成できる。第1の動作モードでは、第3の電流源510は、第3の差動対506から分離でき、それにより、第3の差動対506を実質的にオフまたは無効にし、第3の差動対506内のデバイスの導通を防止する。次いで、出力段入力信号502についての情報は、第2の差動対504を介して、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518の入力端子に提供できる。それに応じて、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518は、出力段500の第1の出力ノード208および第2の出力ノード210に出力信号を提供できる。一例では、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518の出力は、第1の終端抵抗器520および第2の終端抵抗器522にそれぞれ結合され、さらに、第1の出力ノード208および第2の出力ノード210にそれぞれ接続されている。一例では、第1の終端抵抗器520および第2の終端抵抗器522は、比較器回路124と一体化でき、すなわち、比較器回路124と同じATE試験ヘッド上に提供できる。
【0049】
比較器回路124のより低電力な第1の動作モードより高い帯域幅信号に対応するように部分的に特徴付けできるような、比較器回路124の第2の動作モードでは、第3の差動対506は、出力段入力信号502を受信し、それに応じて、第3の電流源510からの電流I
outを導通するように構成できる。第2の動作モードでは、第2の電流源508は、第2の差動対504から分離でき、それにより、第2の差動対504を実質的にオフまたは無効にし、第2の差動対504内のデバイスの導通を防止する。次いで、出力段入力信号502についての情報は、第3の差動対506を介して、出力段500の第1の出力ノード208および第2の出力ノード210に提供できる。第2の差動対504を無効にすると、電圧供給レールVttcに結合されている第1のコレクタ抵抗器512および第2のコレクタ抵抗器514は、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518の入力にそれぞれのバイアス電圧信号を提供する。したがって、第2の差動対504に関連したコレクタ抵抗器は、第1の動作モードでは、利得調整効果を提供でき、第2の動作モードでは、バイアス電圧信号を提供するために使用できる。すなわち、第2の動作モードでは、第3の差動対506は出力ノードにおいて直接出力信号を切り替え、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518は、出力信号の基準電圧を提供する。
【0050】
図6は、概して、比較器回路124の第1の動作モード例600を示す。第1の動作モード例600は、第1の動作モードでの第nの利得段206の一例を含み、ここで、スイッチS1およびS2は開いている。したがって、第1の差動対306内のデバイスのコレクタに提示される抵抗負荷は比較的高く、第1の電流源312からの調整可能なテール電流I
tailの大きさを最小化できる。
図6の例では、第nの利得段206の出力は、出力段500の入力に結合されている。出力段500は、第nの利得段206からの出力を受信し、第2の差動対504を介して、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518に切り替え済み信号を提供する。第1の動作モード例600では、第3の差動対506はオフにできる。それらのそれぞれの入力における入力信号に応じて、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518は、DUTピン102などから受信されるDUT信号と、基準電圧信号Vthまたは比較器基準信号128との間の関係を示す差動切り替え済み出力信号を提供する。
【0051】
図7は、概して、比較器回路124の第2の動作モード例700を示す。第2の動作モード例700は、第2の動作モードでの第nの利得段206の一例を含み、ここで、スイッチS1およびS2は閉じている。したがって、第1の差動対306内のデバイスのコレクタに提示される抵抗負荷は比較的低く、第1および第2の動作モードで一定の利得を維持するなど、第1の動作モードで使用される大きさに対して、第1の電流源312からの調整可能なテール電流I
tailの大きさを増大できる。
【0052】
図7の例では、第nの利得段206の出力は、出力段500の入力に結合されている。出力段500は、第nの利得段206からの出力を受信し、第3の差動対506を介して、切り替え済み信号を出力段500の出力ノードに提供する。第2の動作モード例700では、第2の差動対504はオフにできる。この第2の動作モード例700では、第1のバッファ回路516および第2のバッファ回路518は、出力段500の同じ出力ノードに固定基準電圧信号を提供できる。したがって、出力ノードは、DUTピン102などから受信されるDUT信号と、基準電圧信号Vth、または比較器基準信号128との間の関係を示す差動切り替え済み出力信号を提供できる。
【0053】
本開示の様々な態様は、本明細書で特定された試験システムに関連する問題に対する解決策を提供するのに役立ち得る。
【0054】
一例では、態様1は、自動試験装置で使用するような比較器回路を含み得るか、または使用できる装置、システム、またはデバイスなどの主題を含み得るか、または使用できる。一例では、態様1は、より低電力な第1のモード、またはより高速な第2のモードで動作可能なマルチモード比較器システムを含み得る。態様1では、比較器システムは、調整可能なインピーダンスデバイスに結合された入力切り替え段を含む利得回路を含むことができ、インピーダンスデバイスのインピーダンス大きさは、利得回路の帯域幅特性に影響を与え、利得回路は、利得段出力信号を提供するように構成されている。態様1は、利得段出力信号を受信し、出力ノードに駆動信号を提供するように構成された出力段を含むことができ、出力段は、出力ノードに結合され、かつ比較器システムの動作モードに応じて、固定基準電圧または切り替え信号電圧を提供するように構成されたバッファ回路を含む。
【0055】
態様2は、態様1の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、出力ノードとバッファ回路との間の終端抵抗器を任意選択的に含むか、または使用し、より低電力な第1のモードでは、第1の切り替えデバイスが、より小さな電流を切り替え、切り替え済みバッファ入力信号をバッファ回路に提供するように構成され、それに応じて、バッファ回路は、駆動信号を終端抵抗器に提供するように構成され、より高速な第2のモードでは、バッファ回路は、終端抵抗器の第1の側に固定基準電圧を提供するように構成され、第2の切り替えデバイスが、終端抵抗器の第2の側に第2のより大きな電流を切り替え、駆動信号を出力ノードに提供するように構成されている。
【0056】
態様3は、態様2の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、第1のより小さな電流を提供するように構成された第1の電流源、および第2のより大きな電流を提供するように構成された異なる第2の電流源を任意選択的に含むか、または使用する。
【0057】
態様4は、態様2の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、利得段出力信号を受信するように構成された第1の差動対を含む第1の切り替えデバイス、および同じ利得段出力信号を受信するように構成された第2の差動対を含む第2の切り替えデバイスを任意選択的に含むか、または使用する。
【0058】
態様5は、態様4の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、第1の差動対のそれぞれのコレクタ端子、および電圧供給レールに結合された第1および第2の抵抗器を任意選択的に含むか、または使用する。態様5では、バッファ回路は、一対のバッファ入力チャネルを含むことができ、各バッファ入力チャネルは、第1の差動対のコレクタ端子のそれぞれの端子に結合できる。
【0059】
態様6は、態様1〜5のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、比較器システムの2つの異なる動作モードで相互排他的に動作するように構成された第1および第2の差動対を含む出力段を任意選択的に含むか、または使用する。
【0060】
態様7は、態様1〜6のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、第1および第2のトランジスタを含む第1の差動対、ならびにトランジスタのコレクタ端子に結合された調整可能なインピーダンス網を含む利得回路の入力切り替え段を任意選択的に含むか、または使用する。
【0061】
態様8は、態様7の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、比較器システムのより高速な第1のモードでは、トランジスタのコレクタ端子により小さな第1のインピーダンスを提供するインピーダンス網、および比較器システムのより低電力な第2のモードでは、トランジスタのコレクタ端子により大きな第2のインピーダンスを提供するインピーダンス網を任意選択的に含む。
【0062】
態様9は、態様7の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、第1および第2のトランジスタに結合された調整可能なテール電流源を任意選択的に含むか、または使用し、調整可能なテール電流源は、比較器システムのより高速な第1のモードでは、より大きな大きさの電流信号を提供するように構成され、調整可能なテール電流源は、比較器システムのより低電力な第2のモードでは、より小さな大きさの電流信号を提供するように構成されている。
【0063】
態様10は、態様1〜9のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、被試験デバイスからの信号、および基準信号を受信し、それに応じて、利得回路の複数の直列結合の場合のうちの第1の場合の入力切り替え段に比較出力を提供するように構成された比較段回路を任意選択的に含むか、または使用する。
【0064】
態様11は、態様1〜10のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、比較器システムの選択された動作モードとは独立して、実質的に同じ利得を提供するように構成された利得回路を任意選択的に含むか、または使用する。
【0065】
態様12は、高帯域幅および低帯域幅の自動試験システム用のマルチ動作モード比較器システムを含み得るか、または使用できる装置、システム、またはデバイスなどの主題を含み得るか、または使用できる。態様12は、例えば、比較器出力段の高インピーダンス入力を駆動するように構成された利得段を含むことができ、利得段は、調整可能インピーダンス回路に結合された差動切り替え段を含み、調整可能インピーダンス回路のインピーダンス大きさ特性は、利得段の帯域幅特性に対応する。態様12では、比較器出力段は、低インピーダンス比較器出力ノードに結合されたバッファ回路を含むことができ、バッファ回路は、より高速なモードでは、切り替え済み出力信号の基準電圧を出力ノードに提供するように構成され、バッファ回路は、より低電力なモードでは、切り替え済み出力信号を出力ノードに提供するように構成されている。
【0066】
態様13は、態様12の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、利得段からの駆動信号に応じて、より高速なモードおよびより低電力なモードで、相互排他的に動作するように構成された第1および第2の差動対を含む比較器出力段を任意選択的に含むか、または使用し、第1の差動対の出力端子は、バッファ回路の入力経路に結合され、第2の差動対の出力端子は、バッファ回路の出力経路に結合されている。
【0067】
態様14は、態様13の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、異なる大きさ特性を有する電流信号を提供するそれぞれの電流源に結合された第1および第2の差動対を任意選択的に含むか、または使用する。
【0068】
態様15は、態様13の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、第2の差動対の出力端子とシステム出力ノードとの間の出力経路内の終端抵抗器を任意選択的に含むか、または使用する。
【0069】
態様16は、態様12〜15のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、差動切り替え段の出力端子に結合された抵抗器網を含む調整可能なインピーダンス回路、およびより高速なモードでは、抵抗器網内の1つ以上の抵抗器をシャントし、より低電力なモードでは、1つ以上の抵抗器をシャントしないように構成されたシャント回路を任意選択的に含むか、または使用する。
【0070】
態様17は、高帯域幅および低帯域幅の自動試験システム用のマルチ動作モード比較器システムを含み得るか、または使用できる装置、システム、またはデバイスなどの主題を含み得るか、または使用できる。例えば、態様17は、電力調整可能な利得段および出力段を含むような、より高速な第1のモードおよびより低電力な第2のモードで動作可能な比較器システムを含み得る。態様17では、電力調整可能な利得段は、差動入力信号を受信し、それに応じて、利得段出力信号を提供するように構成でき、利得段の利得特性は、より高速な第1のモードおよびより低電力な第2のモードで実質的に一定である。態様17では、出力段は、バッファ入力スイッチおよびバッファ出力スイッチに結合されたバッファ回路を含むことができ、出力段は、利得段出力信号を受信するように構成された高インピーダンス入力、および切り替え済み出力信号を出力ノードに提供するように構成された低インピーダンス出力を有する。態様17の例では、より高速な第1のモードなどでは、バッファ入力スイッチは開いており、バッファ出力スイッチは閉じており、バッファ出力スイッチは、切り替え済み出力信号を出力ノードに提供する。態様17の例では、より低電力な第2のモードなどでは、バッファ出力スイッチは開いており、バッファ入力スイッチは閉じており、バッファ入力スイッチは、切り替え電圧をバッファ回路の入力に提供し、バッファ回路は、切り替え済み出力信号を出力ノードに提供する。
【0071】
態様18は、態様17の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、より高速な第1のモードでは、出力ノードに固定基準電圧を提供するように構成されたバッファ回路を任意選択的に含む。
【0072】
態様19は、態様17または態様18の主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、それぞれの第1および第2の電流源に結合されたそれぞれの差動対回路を備えるバッファ入力スイッチおよびバッファ出力スイッチを任意選択的に含み、第1および第2の電流源は、異なる大きさ特性を有する電流信号を提供するように構成されている。
【0073】
態様20は、態様17〜19のうちの1つまたは組み合わせの主題を含み得るか、もしくは使用でき、または任意選択的に組み合わせ可能であり、より高速な第1のモードでは、抵抗網と、抵抗網内の1つ以上の抵抗器をシャントするように構成されたシャント回路とを含む電力調整可能な利得段を任意選択的に含む。
【0074】
これらの非限定的な態様のそれぞれは、それ自体で成り立つことができ、または本明細書の他の場所で考察されている他の態様、例、もしくは特徴のうちの1つ以上との様々な順列または組み合わせで組み合わせることができる。
【0075】
この発明を実施するための形態は、添付図面への参照を含み、添付の図面は、発明を実施するための形態の一部を構成する。図面は、例証として、本発明を実践することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれている。そのような例は、図示または説明されたものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示または説明されたそれらの要素のみが提供される例も想定する。本発明者らは、特定の例(またはその1つ以上の態様)、または本明細書で図示もしくは説明された他の例(またはその1つ以上の態様)のいずれかに対して、図示または説明されたそれらの要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組合せまたは順列を使用する例を想定する。
【0076】
この文書では、「ある(aまたはan)」という用語は、特許文書には一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の他の場合または使用法とは独立して、1つまたは1つより多くを含むように使用されている。この文書では、「または」という用語は、特に指示がない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用されている。この文書では、「含んでいる」および「そこで(in which)」という用語は、「備えている」および「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用されている。
【0077】
以降の請求項では、「含んでいる」および「備えている」という用語は非限定型であり、すなわち、請求項でそのような用語の後に列挙されたものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあると考えられる。その上、以降の請求項では、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図しない。
【0078】
本明細書において説明される方法の例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータ実装可能である。いくつかの例は、電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含み、上記の例で説明されたように、方法または回路動作または回路構成命令を実行できる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含み得る。そのようなコードは、様々な方法を実行するコンピュータ可読命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を構成してもよい。さらに、一例では、コードは、実行中または他の時点などで、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に有形に格納できる。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0079】
上記の説明は例示的なものであることを意図し、限定的なものではない。例えば、上記の例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用してもよい。上記の説明を検討する際、当業者などは、他の実施形態を使用することもできる。要約は、読者が技術的開示の本質を迅速に確認できるように提供されている。それは、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されることはないという理解の下で提出されている。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴を共にグループ化して、開示を簡素化している場合もある。これにより、未請求の開示された特徴がいずれかの請求項に必須なものであることを意図すると解釈すべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴にはない場合がある。したがって、以降の請求項は、例または実施形態として発明を実施するための形態にここで組み込まれ、各請求項は別個の実施形態としてそれ自体で成り立ち、かつそのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせ可能であることが想定されている。本発明の範囲は、そのような請求項が権利を与えられる等価物の全ての範囲と共に、添付の請求項を参照しながら決定されるべきである。