特開2021-22440(P2021-22440A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立ハイテクの特許一覧
特開2021-22440電気特性を導出するシステム及び非一時的コンピューター可読媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-22440(P2021-22440A)
(43)【公開日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】電気特性を導出するシステム及び非一時的コンピューター可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/22 20060101AFI20210122BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20210122BHJP
   H01J 37/04 20060101ALI20210122BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20210122BHJP
【FI】
   H01J37/22 502H
   H01J37/22 502J
   H01J37/28 B
   H01J37/04 A
   H01L21/66 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2019-136567(P2019-136567)
(22)【出願日】2019年7月25日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】君塚 平太
(72)【発明者】
【氏名】津野 夏規
【テーマコード(参考)】
4M106
5C030
5C033
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA15
4M106DH07
4M106DH09
4M106DH24
4M106DH33
4M106DJ21
5C030AA10
5C030AB02
5C033UU05
5C033UU08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試料上に形成された素子の電気特性を評価可能なシステムの提供をする。
【解決手段】画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、画像取得ツールから、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り(S1903)、当該情報を、画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報に参照(S1904)することによって、電気特性を導き出す(S1905)システムを提案する。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の画像を取得する画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、前記画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、
前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報を記憶するメモリを備え、
前記プロセッサは、
前記画像取得ツールから、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り、
前記メモリから前記関連情報を受け取り、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、前記電気特性を導き出すシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方であるシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、抵抗値及び静電容量の少なくとも一方であるシステム。
【請求項4】
請求項3において、
前記プロセッサは、前記抵抗値、静電容量、前記2以上の特徴に関する情報、及び前記少なくとも2つの画像取得条件の関係式に、前記抵抗値と前記静電容量のいずれか一方、前記2以上の特徴に関する情報、及び前記少なくとも2つの画像取得条件を入力することにより、前記抵抗値と前記静電容量の他方を演算するシステム。
【請求項5】
請求項4において、
前記プロセッサは、以下の第1の演算式に基づいて、前記抵抗値、或いは前記静電容量を演算するシステム。
【数1】
ΔS:2つの特徴の差分
C:静電容量
R:抵抗
Q:ビーム照射によって蓄積される電荷
Ti1:第1の画像取得条件であるパルスビームの第1のビーム遮断時間
Ti2:第2の画像取得条件であるパルスビームの第2のビーム遮断時間
【請求項6】
請求項5において、
前記プロセッサは、以下の第2の式の演算式に基づいて、抵抗Rを求め、求められた抵抗Rを、前記第1の演算式に代入することによって、静電容量Cを演算するシステム。
【数2】
Vs:帯電が飽和したときの表面電位
S:特徴
【請求項7】
請求項5において、
前記プロセッサは、以下の第3の式の演算式に基づいて、静電容量Cを求め、求められた抵抗Cを、前記第1の演算式に代入することによって、抵抗Rを演算するシステム。
【数3】
Tir:ビームの照射時間
S:特徴
【請求項8】
請求項1において、
前記画像取得ツールは、荷電粒子線装置であるシステム。
【請求項9】
請求項8において、
前記画像取得条件は、前記荷電粒子線装置を用いて、前記試料に対しビームをパルス状に照射するときのビームの遮断時間及び照射時間の少なくとも一方であるシステム。
【請求項10】
請求項8において、
前記メモリには、前記遮断時間及び照射時間の異なる複数のビーム条件の変化と前記特徴の変化の関連情報が記憶されているシステム。
【請求項11】
プロセッサに、
画像取得ツールによって取得された、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴を受け取らせ、
前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報を受け取らせ、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、電気特性を導き出させる、
命令をするように構成されたプログラムを格納する非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項12】
請求項11において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方である非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項13】
請求項11において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、抵抗値及び静電容量の少なくとも一方である非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項14】
画像取得ツールによって得られた画像データから、試料上に形成された素子の電気特性を推定するシステムであって、
前記システムは、コンピューターシステムと、当該コンピューターシステムが実行する演算モジュールを含み、
前記コンピューターシステムは、前記素子の電気特性を学習結果として出力する学習器を備え、
前記学習器は、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2つの特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件と、電気特性を含む教師データを用いてあらかじめ学習を実施しており、
前記演算モジュールは、前記学習器に対して、画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2つの特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件とを入力することによって、前記電気特性を出力するシステム。
【請求項15】
請求項14において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方であるシステム。
【請求項16】
請求項14において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、抵抗値及び静電容量の少なくとも一方であるシステム。
【請求項17】
試料の画像を取得する画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、前記画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、
前記画像取得ツールの複数の画像取得条件によって得られる複数の画像データから抽出される複数の特徴、或いは複数の特徴から生成される情報と、欠陥の種類との関連情報を記憶するメモリを備え、
前記プロセッサは、
前記画像取得ツールから、複数の画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り、
前記メモリから前記関連情報を受け取り、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、欠陥の種類を導き出すシステム。
【請求項18】
請求項17において、
前記メモリには、
前記試料上に形成されたスイッチング素子の開閉を制御する電圧が印加される第1の端子、及び前記スイッチング素子に接続される端子であって、前記第1の端子への電圧の印加によって、流通する電流が制御される第2の端子の前記特徴と、欠陥の種類との、スイッチング素子に関する関連情報が記憶され、
前記プロセッサは、前記画像取得ツールから受け取った前記第1の端子と第2の端子の特徴を、前記関連情報に参照して、前記欠陥の種類を導き出すシステム。
【請求項19】
請求項18において、
前記欠陥の種類は、スイッチング素子と端子が接続されていないオープン欠陥、及びスイッチング素子から電流がリークするリーク欠陥の少なくとも1つであるシステム。
【請求項20】
請求項17において、
前記プロセッサは、複数の画像取得条件の複数の画像から、前記試料上に形成されたスイッチング素子に接続される端子の特徴を抽出し、当該スイッチング素子の入出力特性を評価するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気特性を導出するシステム及び非一時的コンピューター可読媒体に係り、特に、異なる画像取得条件によって得られる複数の特徴から、電気特性を導出するシステム及び非一時的コンピューター可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡を用いた試料解析法の1つに、パルス化した電子ビームを試料に照射することによって得られる二次電子等の検出に基づいて、電位コントラスト像を形成し、当該電位コントラスト像の解析に基づいて、試料上に形成された素子の電気特性を評価する手法が知られている。
【0003】
特許文献1には、複数の断続条件からなる複数のSEM画像を用いて、試料の電気特性を解析する方法が記載されている。特許文献2には、複数の断続条件から得られる二次電子の検出信号を用いて、試料の帯電の緩和の時定数を解析する方法が記載されている。特許文献3には、複数の断続条件で得られる画像の合成画像から、試料の帯電の緩和の時定数を解析する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6379018号(対応米国特許USP9,659,744)
【特許文献2】特許第5744629号(対応米国特許USP8,907,279)
【特許文献3】特許第6121651号(対応米国特許USP9,236,220)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1乃至3には、試料上に形成された素子の電気特性を評価する手法が説明されているが、単に欠陥か否かを判定するのではなく、より具体的な電気特性を評価することができれば、半導体デバイスの製造工程において、高度なプロセス管理が可能となる。以下に、試料上に形成された素子の電気特性を、より適正に評価することを目的とする電気特性を導出するシステム及び非一時的コンピューター可読媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一態様として、試料の画像を取得する画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、前記画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報を記憶するメモリを備え、前記プロセッサは、前記画像取得ツールから、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り、前記メモリから前記関連情報を受け取り、前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、前記電気特性を導き出すシステムを提案する。
【0007】
また、上記処理をコンピューターに実行させるプログラムを格納する非一時的コンピューター可読媒体を提案する。
【0008】
更に、画像取得ツールによって得られた画像データから、試料上に形成された素子の電気特性を推定するシステムであって、前記システムは、コンピューターシステムと、当該コンピューターシステムが実行する演算モジュールを含み、前記コンピューターシステムは、前記素子の電気特性を学習結果として出力する学習器を備え、前記学習器は、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2つの特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件と、電気特性を含む教師データを用いてあらかじめ学習を実施しており、前記演算モジュールは、前記学習器に対して、画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2つの特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件との入力することによって、前記電気特性を出力するシステムを提案する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、試料上に形成された素子の電気特性を適正に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】走査電子顕微鏡の一例を示す図。
図2】実施例1の試料の断面構造を示す図。
図3】検査レシピの設定工程の一例を示すフローチャート。
図4】検査レシピを設定する工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図5】検査の工程の一例を示すフローチャート。
図6】検査の工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図7】実施例2の試料の断面構造を示す図。
図8】検査レシピを設定する工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図9】検査の工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図10】実施例3の試料の断面構造を示す図。
図11】検査レシピの設定工程の一例を示すフローチャート。
図12】リーク電流に対する画像の明度の補正値の算出法の一例を示す図。
図13】検査レシピを設定する工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図14】実施例4の試料の断面構造を示す図。
図15】検査レシピの設定工程の一例を示すフローチャート。
図16】リーク電流と残留帯電に対する画像の明度の補正値の算出法の一例を示す図。
図17】検査レシピを設定する工程の操作インターフェースの一例を示す図。
図18】ビームの遮断時間の変化に対する明度の変化を示すグラフ。
図19】走査電子顕微鏡を用いた電気特性の導出工程を示すフローチャート。
図20】電気特性推定システムの一例を示す図。
図21】半導体ウェハ上に形成されるトランジスタの断面図。
図22】走査電子顕微鏡を用いた電気特性の導出工程を示すフローチャート。
図23】ビーム照射条件(画像取得条件)を変化させたときの明度の変化を説明する図。
図24】ビームの照射条件を変化させたときのパターンの明度の変化を示すグラフ。
図25】電気特性を推定する学習器に入力する入力データを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
荷電粒子線装置、例えば走査電子顕微鏡(SEM)は、集束した電子線(電子ビーム)によってナノメートルオーダの微細パターンの画像形成、測定、検査等を可能とする装置である。SEMの観察法の一つに電位コントラスト法がある。電位コントラストは、電子線照射の帯電に起因する表面電位の差を反映したコントラストであり、主に半導体デバイスの電気特性不良の検査等に利用することができる。電気特性不良を検査するために、SEM画像のパターンの明度の差を用いて不良個所を特定することが考えられる。明度とは荷電粒子線装置で取得した画像又は画素の明るさの程度のことを表すパラメータである。電位コントラストによる欠陥の検出感度向上には、電子線照射による帯電の蓄積と緩和の制御が重要である。
【0012】
以下に説明する実施例では、帯電の高精度制御を目的として、パルス化した電子線を用いたSEM画像の取得を行う例について説明する。ここではパルス化した電子線をパルス電子と呼び、断続条件とは、パルス電子の照射時間、或いはパルス電子の照射距離、或いは照射と照射の間の遮断時間、或いは照射と照射の間の距離間隔である照射点間距離等を表す。
【0013】
一方で、SEMを用いた半導体デバイスの欠陥検査では、明度の差によって欠陥の箇所を特定するだけではなく、電気抵抗Rや静電容量C等のより具体的な電気特性に基づき欠陥を分類、或いは評価することが高精度なプロセス管理につながる。例えば、電気抵抗Rと静電容量Cに基づき欠陥を分類することができれば、正常な半導体デバイスより電気抵抗Rが小さいショート欠陥と、静電容量Cが大きい空乏容量欠陥とを分類でき、プロセスに管理にフィードバックする情報量が増える。すなわち、電気的な欠陥を適正に評価するためには、正常部や欠陥部の電気抵抗Rや静電容量C等の電気的パラメータを独立して解析することが望ましい。
【0014】
以下に説明する実施例では、電気抵抗Rに対応するパラメータ及び静電容量Cに対応するパラメータの少なくとも一方を独立して評価することが可能な荷電粒子線装置について説明する。以下に説明する実施例によれば、電気抵抗Rと静電容量Cの積であるRC時定数だけではなく、電気抵抗Rと静電容量C等の電気的パラメータを独立して特定することができる。
【0015】
帯電の蓄積が定常となる状態では、電位コントラストの画像の明度Sは電気抵抗Rに反比例し、数式1のようにオームの法則に従う。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、Vsは帯電が飽和した時の表面電位であり、長い照射時間を持つ断続条件で得られる帯電状態である。帯電が飽和した時の表面電位はほぼ一定ゆえ、電気抵抗Rが小さければ画像の明度は明るくなり、電気抵抗Rが大きければ画像の明度Sは小さくなる。
【0018】
一方、帯電が過渡状態にある場合、画像の明度Sは静電容量Cに比例し、明度Sは数式2で表される。
【0019】
【数2】
【0020】
ここで、Qは電子線照射によって試料に吸収された電荷であり、Tirは照射時間、Tiは照射と照射の間の遮断時間、RCは時定数である。照射と照射の間の遮断時間TiがRCに対して十分に長い断続条件の場合、数式2は数式3に近似できる。
【0021】
【数3】
【0022】
吸収された電荷は電気特性によらずほぼ一定ゆえ、静電容量Cが大きければ画像の明度は明るくなり、静電容量Cが小さければ画像の明度Sは暗くなる。
【0023】
また、照射と照射の間の遮断時間がTi1(第1の断続条件)のビーム走査によって得られる画像から抽出される明度と、照射と照射の間の遮断時間がTi2(第2の断続条件)のビーム走査によって得られる画像から抽出される明度との差ΔSは数式4で表すことができる。
【0024】
【数4】
【0025】
数式4に示すように、画像明度の差ΔSはRC時定数に依存した明度の変化量を表しており、RC時定数が遮断時間Ti1やTi2と同等の時間オーダの場合に明度の差ΔSは大きくなる。また、RC時定数、電気抵抗R、及び静電容量Cには数式5の関係がある。
【0026】
【数5】
【0027】
本開示は、電子線照射に起因する帯電と、試料上に形成された素子の電気特性との関係に関する新たな知見に基づきなされたものであって、主に以下の方法、システム、及び非一時的コンピューター可読媒体に関する。システムは荷電粒子線装置から出力される画像信号、或いは特徴量に基づいて、演算処理を実行するコンピューターシステムを含んでいる。
【0028】
また、このようなコンピューターシステムを含む荷電粒子線装置についても併せて説明する。
【0029】
例えば、以下の実施例では、荷電粒子源と、前記前記荷電粒子源から放出された荷電粒子線をパルス化する手段と、前記パルス化した前記荷電粒子線を走査しながら試料に集束照射する荷電粒子線光学系と、前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する二次荷電粒子検出系と、前記二次荷電粒子の検出信号の強度に基づき、画像化する手段とを備えた荷電粒子線装置であり、且つ前記パルス化した荷電粒子線の照射時間、及び照射と照射の間の遮断時間等の断続条件を制御する断続照射系と、複数の前記断続条件によって得られる前記画像の明度から、複数の電気特性を独立に特定するプロセッサを備えた画像処理系とを備えたことを特徴とする荷電粒子線装置であって、第一の断続条件での画像明度に基づきRもしくはCのうちいずれか一方を解析し、第一の断続条件と第二の断続条件の画像明度の差でRC時定数を解析し、RもしくはCのうちいずれか一方とRC時定数からRもしくはCのもう一方を解析することで、電気特性を独立に特定する荷電粒子線装置を説明する。
【0030】
上記構成によれば、適切な演算式の適用に基づく電気抵抗値と静電容量値を求めることが可能となる。また、後述する実施例によれば、明度の差によって欠陥の箇所を特定するだけでなく、電気抵抗Rや静電容量Cを含む電気特性を独立して特定することが可能となり、ショート欠陥や空乏容量欠陥など、異なる電気特性を持つ欠陥を分類することができる。
【0031】
以下に、断続的に荷電粒子線を照射することによって得られる画像の明度に基づいて、試料の電気特性である電気抵抗Rと静電容量Cを独立して特定する荷電粒子線装置について、以下、図面を用いて説明する。
【0032】
なお、以下の説明では、荷電粒子線を試料上に照射し、二次荷電粒子を検出して画像を生成する荷電粒子線装置の一例として、電子線を試料上に照射し、二次電子を検出して画像を生成する走査電子顕微鏡を例にとって説明するが、これに限られることはなく、例えばイオンビームを試料上に照射し、二次イオンや二次電子を検出して画像を生成するイオンビーム装置等を画像取得ツールとして用いることもできる。
【実施例1】
【0033】
本実施例では、走査電子顕微鏡の画像を用いて、異なる電気特性を有する試料の欠陥を分類し、検査する欠陥検査装置に関し、複数の断続条件で取得した画像の明度から、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立に解析する機能を備えた走査電子顕微鏡について述べる。
【0034】
図1に本実施例における走査電子顕微鏡の一例を示す。走査電子顕微鏡は断続照射系、電子光学系、二次電子検出系、ステージ機構系、画像処理系、制御系、操作系により構成されている。断続照射系は電子線源1、パルス電子生成器4により構成されている。本発明では、別途パルス電子生成器4を設ける構成としたが、パルス電子を照射可能な電子線源を用いても実施可能である。
【0035】
電子光学系はコンデンサレンズ2、絞り3、偏向器5、対物レンズ6、試料電界制御器7により構成されている。偏向器5は、電子線を試料上で一次元的、或いは二次元的に走査するために設けられており、後述するような制御の対象となる。
【0036】
二次電子検出系は検出器8、出力調整回路9により構成されている。ステージ機構系は試料ステージ10、試料11により構成されている。制御系は加速電圧制御部21、照射電流制御部22、パルス照射制御部23、偏向制御部24、集束制御部25、試料電界制御部26、ステージ位置制御部27、制御伝令部28、により構成されている。制御伝令部28は、操作インターフェース41から入力された入力情報に基づき、各制御部へ制御値を書き込み制御する。
【0037】
ここで、パルス照射制御部23は、電子線を連続して照射する時間である照射時間、或いは電子線を連続して照射する距離である照射距離、或いは電子線の照射と照射の間の時間である遮断時間、或いは電子線の照射と照射の間の距離間隔である照射点間距離を制御する。本実施例では、電子線を連続して照射する時間である照射時間と電子線の照射と照射の間の時間である遮断時間を制御した。
【0038】
なお、パルス照射制御部23は、ビームを試料上で走査する走査偏向器と、ビームの試料への照射を遮断するブランキング偏向器を制御することによって、パルスビームを発生させる。走査偏向器によるビーム走査が行われている間に、ブランキング電極は、設定された照射条件に従って間欠的にビームを遮断することによって、パルスビームを発生させる。
【0039】
画像処理系は、検出信号処理部31、検出信号解析部32、画像または電気特性表示部33、データベース34により構成されている。画像処理系の検出信号処理部31また検出信号解析部32には1つ以上のプロセッサを備え、指定された検査パターンの明度の演算、或いは複数の検査パターン間の明度差の演算、或いは明度、或いは明度差に基づき電気特性を解析する演算や電気特性を分類する演算等を実行する。画像処理系のデータベース34は、電気特性を解析する演算等を実行する際に、校正データを格納する記憶媒体であり、演算時に読み出して利用する。
【0040】
操作系は、操作インターフェース41により構成されている。図2に本実施例で使用した試料の断面図を示す。プラグ51は、シリコン基板53より電気的に浮遊している配線52にコンタクトしている。プラグ54は完全に配線52にコンタクトしていない欠陥プラグである。プラグ55は電気抵抗を有して配線52と結合している欠陥プラグである。本実施例では、前記二種類の欠陥を分類、検査する。
【0041】
上述のような制御や画像処理等は、1以上のプロセッサを備えた1以上のコンピューターシステムで実行される。1以上のコンピューターシステムは、予め所定の記憶媒体に記憶された演算モジュールを実行するように構成されており、後述するような処理を自動的、或いは半自動的に実行する。更に、1以上のコンピューターシステムは、画像取得ツールと通信可能に構成されている。
【0042】
図3に本実施例における、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で解析する検査レシピの設定工程を示すフローチャートを示す。
【0043】
まず、観察場所に移動する(S101)。次に、検査する試料のレイアウトを指定する(S102)。ここでは、半導体ウェーハの繰り返しされるパターン領域のレイアウトである。次に、レイアウト情報を用いてレシピ作成に用いる試し検査領域に移動する(S103)。次に、光学条件を設定する(S104)。
【0044】
ここで、光学条件は、電子線の加速電圧、電子線の照射電流、走査速度を含む。次に観察の視野のサイズや倍率を設定する(S105)。次に、複数の断続条件を設定し、画像を取得する(S106)。S106で設定する複数の断続条件は、照射時間、或いは照射距離、或いは遮断時間、或いは照射点間距離のうち、最低1つの条件が互いに異なる。さらに、S106で設定する複数の断続条件は、最低2つ以上の異なる遮断時間を有する。
【0045】
次に、複数の断続時間に対し、画像の明度が飽和する明度飽和値に基づき、静電容量C、或いは電気抵抗Rを解析する(S107)。本実施例のS107ではまず、断続条件として遮断時間の異なる複数の画像の明度を比較した後、遮断時間の変化に伴う画像の明度の変化量に第一の閾値と第二の閾値を設定し、明度の変化量が第一の閾値以下である遮断時間における画像の明度を明度飽和値とした。また本実施例のS107では数式3に基づき静電容量を解析(演算)した。
【0046】
次に、複数の断続条件を用いて取得した複数の画像の明度の差分値を用いてRC時定数を解析する(S108)。本実施例のS108では数式4に基づきRC時定数を解析する。ここで、ΔSは、明度飽和値と、明度の変化量が最大となる(例えば微分処理によってピーク位置に対応する)明度値との差分とし、遮断時間Ti1、Ti2もそれぞれ明度飽和値となる遮断時間と、明度変化量が最大となる遮断時間を設定することが望ましい。
【0047】
次に、解析した静電容量C、或いは電気抵抗Rと、RC時定数から電気抵抗R、或いは静電容量Cを解析する(S109)。ここでは、S107で演算しなかったパラメータを算出する。
【0048】
本実施例のS109では数式5に基づき電気抵抗Rを解析する。試し検査で取得した断続条件と画像の明度、或いは電気抵抗Rおよび静電容量Cの結果を表示する(S110)。
【0049】
次に、検査で使用する二つ以上の断続条件を設定する(S111)。本実施例では試し検査で使用した断続条件の中から、第一の断続条件として明度の変化量が第一の閾値以下である遮断時間を、第二の断続条件として明度の変化量が第二の閾値以下である遮断時間を、それぞれ装置が自動で抽出した。次に、検査レシピ作成工程を終了する(S112)。
【0050】
以上のように、試料上に形成された素子の第1の特性(例えばR)、第2の特性(例えばC)、ビームの複数の照射条件(例えば断続時間)、及び複数の照射条件でビームを照射したときの特徴量の比較情報(ΔS)の関連情報(例えば数式3)に、前記第1の特性および第2の特性の一方、ビームの複数の照射条件(例えば複数の遮断時間)、及び比較情報(ΔS)を入力することにより、前記第1の特性および第2の特性の他方を算出するように構成されたコンピューターシステム及び演算モジュールによれば、素子に応じた適切な演算式の選択に基づいて、2つの特性を適正に評価することが可能となる。
【0051】
なお、ビームの遮断条件を複数に設定したときの明度の変化の特徴を捉えて、静電容量系の欠陥か、電気抵抗系の欠陥かを判定することも可能である。ここで、静電容量系の欠陥とは、ROI(Region Of Interest)内に含まれる複数パターンの中で、電気抵抗値は同程度だけれども、静電容量が他のパターンと異なるものを意味する。その一方、電気抵抗系の欠陥とは、ROI内に含まれる複数のパターンの中で、静電容量は同程度だけれども、電気抵抗値が他のパターンと異なるものを意味する。
【0052】
図18は、遮断時間(パルスビームの照射していない時間)の変化に対する明度の変化を示すグラフであり、図18(a)は、静電容量系の欠陥の遮断時間の変化に対する明度の変化を示し、図18(b)は、電気抵抗系欠陥の遮断時間の変化に対する明度の変化を示している。図18に例示するように、電気抵抗系欠陥と静電容量系欠陥とでは、遮断時間を変化させたときの明度の変化の特徴に違いがある。よって、このような特徴の違いに基づいて、静電容量系欠陥であるか、電気抵抗系欠陥であるかを判断するようにしても良い。
【0053】
また、静電容量系の欠陥の方が、遮断時間が長くなるにつれて、静電容量ごとの明度の違いが明確になる傾向にある。このような特徴を利用して、例えば、遮断時間が長い領域における明度と、遮断時間が長い領域にて、予め登録しておいた明度の平均値(異なる静電容量欠陥の明度の平均値)との差分から、欠陥種の判定を行うようにしても良い。この場合、例えば、差分が所定の閾値を超えていた場合は、静電容量系欠陥、所定の閾値以下の場合は、電気抵抗系欠陥と判定することが考えられる。
更に、電気抵抗系の欠陥の方が、遮断時間が短くなるにつれて、電気抵抗ごとの明度の違いが明確になる傾向にある。このような特徴を利用して、例えば、遮断時間が短い領域における明度と、遮断時間が短い領域にて、予め登録しておいた明度の平均値(異なる静電容量欠陥の明度の平均値)との差分から、欠陥種の判定を行うようにしても良い。この場合、例えば、差分が所定の閾値を超えていた場合は、電気抵抗系欠陥、所定の閾値以下の場合は、静電容量系欠陥と判定することが考えられる。
【0054】
また、予め欠陥種毎に記憶しておいた遮断時間の変化と、明度の変化の関係を示す曲線に、得られた曲線をフィッティングさせ、その一致度に応じて、欠陥種を分類するようにしても良い。更に、複数の静電容量に対応した複数の曲線、及び複数の電気抵抗値に対応した複数の曲線を予め用意(記憶)しておき、一致度に応じて、静電容量、或いは電気抵抗値を推定することも考えられる。
【0055】
上述のようにして静電容量系の欠陥と判定されたときには、S107にて数式3を用いてCを求め、電気抵抗系の欠陥の判定されたときには、数式1を用いてRを求めるようにしても良い。
【0056】
図19は、電気特性の種類、或いは特徴量を判定するための工程を示すフローチャートである。図3のステップ106のように、複数の遮断時間のそれぞれで、画像生成を行い(ステップ1901、1902)、設定された数の画像(遮断条件)を取得後、遮断時間の変化と画像から抽出される特徴量(明度)の変化を示すカーブ(関数)を生成(ステップ1903)し、それを欠陥種や欠陥の特徴量(静電容量、電気抵抗値)と関連付けて記憶された参照データと比較(ステップ1904)して、欠陥種及び欠陥の特徴量の少なくとも一方を特定する(ステップ1905)。上記カーブは、照射条件の異なる複数の画像取得条件によって得られた2以上の画像データから抽出される2以上の特徴から生成される情報である。後述する実施例では、このカーブをSカーブと称することもある。
【0057】
この情報を、2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴から生成される情報と、試料上に形成された素子の欠陥の種類及び当該欠陥の特徴の少なくとも一方(電気特性)との関連情報に参照することによって、欠陥の種類や特徴を導き出すことが可能となる。
【0058】
図19に例示するような処理を実行可能なコンピューターシステムによれば、欠陥の存否だけではなく、欠陥の種類や特徴量の特定が可能となる。
【0059】
図4に、本実施例で用いた検査レシピを設定する工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、SEM画像を表示し、試し検査画像から電気特性を解析する検査パターンを指定するための、検査パターン設定部61を有している。本実施例では、パターンaとパターンbを選択している。また、光学条件及び走査条件及び視野設定部62を有しており、加速電圧設定部63、照射電流設定部64、視野サイズ設定部65、走査速度設定部66を有している。本実施例では加速電圧500V、照射電流100pA、視野サイズ3μm、走査速度 TVレートとした。
【0060】
また、複数の断続条件を設定し、検査パターン設定部61で選択したパターンの明度の断続条件依存性を解析する断続条件抽出部67は、照射時間或いは照射距離を設定する照射設定部68と、照射点間の遮断時間或いは照射点間の距離を設定する照射点間設定部69と、パターンの明度の断続条件依存性を表示する明度解析結果表示部70を有している。本実施例では照射設定部68として照射時間を設定する構成であり、照射点間設定部69として遮断時間を設定する構成とした。
【0061】
また本実施例では複数の断続条件として6条件設定できる構成とし、複数の断続条件の中には、通常の走査である通常条件を含む構成とした。複数の断続条件として、照射時間を0.3μsとし、遮断時間はそれぞれ、0.1、0.2、0.7、1.2、1.7μsとした。
【0062】
また、検査で使用する複数の断続条件を設定し、試し検査によって電気抵抗Rと静電容量Cを解析した結果を表示する検査条件設定部71は、検査で使用する照射時間或いは照射距離を設定する照射設定部72と、検査で使用する照射点間の遮断時間或いは照射点間の距離を設定する照射点間設定部73と、試し検査を実行する試し検査実行部74と、試し検査による電気抵抗Rと静電容量Cの試し検査結果表示部75を有する。
【0063】
本実施例では、検査に使用する断続条件として、照射時間0.3μs、遮断時間1.7μsの第一の断続条件と、照射時間0.3μs、遮断時間0.1μsの第二の断続条件を抽出し、第一の断続条件で得られた画像の明度により、数式3に基づき静電容量Cを解析する。また、本実施例では、図1記載のデータベース34に予め保存した校正データである明度と静電容量Cの関係を用いて、静電容量Cを解析する。
【0064】
また、本実施例では、第一の断続条件で得られた画像と、第二の断続条件で得られた画像との明度差により、数式4に基づきRC時定数を解析する。
【0065】
図5に、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で解析し欠陥を分類する検査の工程のフローチャートを示す。まず、図3のフローチャートで作成した検査レシピを読み込む(S121)。次に、検査する領域を指定する(S122)。次に、検査レシピより読み込んだ光学条件を制御伝令部28から設定する(S123)。次に、複数の断続条件を設定する(S124)。次に、検査場所に移動する(S125)。次に複数の断続条件で画像を取得する(S126)。
【0066】
本実施例では検査レシピで設定した第一の断続条件と第二の断続条件で画像を取得する。次に、単数の断続条件による画像の明度を解析する(S127)。本実施例では第一の断続条件による画像の明度を解析する。次に、単数の断続条件で取得した画像明度に基づき、静電容量C或いは電気抵抗Rを解析する(S128)。本実施例では第一の断続条件による画像の明度を用い、数式3に基づき静電容量Cを解析した。
【0067】
次に、複数の断続条件で取得した画像の明度差を解析する(S129)。本実施例では第一の断続条件と第二の断続条件で取得した画像の明度差を解析する。次に、パターン明度の差分値に基づきRC時定数を解析する(S130)。本実施例では数式4式に基づきRC時定数を解析する。
【0068】
次に、S128で求めた静電容量C或いは電気抵抗Rと、S130で求めたRC時定数を用いて異なる電気特性値(先に求めた電気特性とは異なる電気特性の値)を解析する(S130)。本実施例ではS128で静電容量Cを予め求めているため、当該静電容量Cと、S130で求めたRC時定数から、数式5を用いて電気抵抗Rを解析する。指定した検査領域において、S125からS131のステップを繰り返す。次に、電気抵抗と静電容量の結果を表示する(S132)。次に、電気抵抗と静電容量の結果から欠陥の種類を分類する(S133)。次に分類した結果のウェーハ面内での発生状態を表示する(S134)。本実施例では平均欠陥密度等も検査結果として表示している。次に検査工程を終了する(S135)。
【0069】
図6に、本実施例で用いた欠陥検査工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、検査領域を設定する検査領域設定部81を有しており、図3のフローチャートで作成した検査レシピを読み込み、検査を実行する検査実行部82を有している。また、電気抵抗Rと静電容量Cの検査結果を表示し、検査結果に基づき欠陥を分類する欠陥分類設定部83を有している。本実施例では、電気抵抗Rが高く静電容量Cが低い欠陥a群と、電気抵抗Rが低く静電容量Cが大きい欠陥b群に分類した。欠陥a群は図2のプラグ54の欠陥プラグに相当し、欠陥b群は図2のプラグ55の欠陥プラグに相当する。
【0070】
また、分類した欠陥a群のウェーハ面内での発生分布や平均欠陥密度を表示する欠陥a群発生分布表示部84と欠陥b群のウェーハ面内での発生分布や平均欠陥密度を表示する欠陥b群発生分布表示部85を有している。
【0071】
上述のような実施例によれば、複数の断続条件によって電気抵抗Rと静電容量Cを独立して解析でき、本解析による電気抵抗Rと静電容量Cに基づき欠陥を分類し、分類した欠陥の発生状況を提供できる。
【実施例2】
【0072】
本実施例では、走査電子顕微鏡の画像を用いて、異なる電気特性を有する試料の欠陥を分類し、検査する欠陥検査装置に関し、複数の断続条件で取得した画像の明度から、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立に解析する機能を備えた走査電子顕微鏡について述べる。
【0073】
本実施例では、図1記載の走査電子顕微鏡を用いた。図7に本実施例で使用した試料の断面図を示す。プラグ91は、シリコン基板92の一部に形成された不純物拡散層93にコンタクトしている正常プラグである。シリコン基板92と不純物拡散層93はPN接合であり、ダイオード特性を示す。プラグ94は電気抵抗を有して不純物拡散層にコンタクトしている欠陥プラグである。プラグ95は完全に不純物拡散層にコンタクトしていない欠陥プラグである。プラグ96は不純物拡散層を破壊してコンタクトしている欠陥プラグである。
【0074】
本実施例では、3種類の欠陥プラグを分類、検査する。本実施例では、図3記載の検査レシピの設定工程のフローチャートを用いた。本実施例では、図3記載のS107において、数式1に基づき電気抵抗Rを解析する。また、本実施例では、図3記載のS109では数式5に基づき静電容量Cを解析する。
【0075】
図8に、本実施例で用いた検査レシピを設定する工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、図4記載と同様のSEM画像を表示し、試し検査画像から電気特性を解析する検査パターンを指定するための、検査パターン設定部61を有している。本実施例では、パターンa、パターンb、及びパターンcを検査対象として選択した。また、図4記載と同様の光学条件及び走査条件及び視野設定部62を有しており、図4記載と同様の加速電圧設定部63、照射電流設定部64、視野サイズ設定部65、走査速度設定部66を有している。本実施例では加速電圧1000V、照射電流500pA、視野サイズ3μm、走査速度をTVレートとした。
【0076】
また、図4記載と同様に、複数の断続条件を設定し、検査パターン設定部61で選択したパターンの明度の断続条件依存性を解析する断続条件抽出部67を有している。本実施例では照射設定部68として照射時間を設定する構成であり、照射点間設定部69として遮断時間を設定する構成とした。また本実施例では複数の断続条件として6条件設定できる構成とし、複数の断続条件の中には、通常の走査である通常条件を含む構成とした。複数の断続条件として、照射時間を0.1μsとし、遮断時間はそれぞれ、0.1、0.5、1.0、3.0、5.0μsとした。
【0077】
また、図4記載と同様に、検査で使用する複数の断続条件を設定し、試し検査によって電気抵抗Rと静電容量Cを解析した結果を表示する、検査条件設定部71を有している。
【0078】
本実施例では、検査に使用する断続条件として、通常条件である第一の断続条件と、照射時間0.1μs、遮断時間0.1μsの第二の断続条件と、照射時間0.1μs、遮断時間1.0μsの第三の断続条件を抽出し、第一の断続条件で得られた画像の明度により、数式1に基づき電気抵抗Rを解析する。
【0079】
また、本実施例では、電気抵抗Rの程度のみ解析することとし、絶対値は校正しない。
【0080】
また、本実施例では、第一の断続条件で得られた画像と第二の断続条件で得られた画像との明度差により、数式4に基づき第一のRC時定数を解析し、第二の断続条件で得られた画像と第三の断続条件で得られた画像との明度差により、数式4に基づき第二のRC時定数を解析する。
【0081】
同一の欠陥プラグにおいて複数のRC時定数を持つ場合、電気抵抗Rと、第一のRC時定数と第二のRC時定数から、第一の静電容量Cと第二の静電容量Cが解析できる。本実施例では、パターンcのみ第一と第二の電気抵抗Rと静電容量Cを検査結果として出力した。本実施例では、前記図5に示す欠陥を分類する検査の工程のフローチャートを用いた。
【0082】
図9に、本実施例で用いた欠陥検査工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、検査領域を設定する検査領域設定部81を有しており、図3のフローチャートで作成した検査レシピを読み込み、検査を実行する検査実行部82を有している。また、電気抵抗Rと静電容量Cの検査結果を表示し、検査結果に基づき欠陥を分類する欠陥分類設定部83を有している。
【0083】
本実施例では、電気抵抗Rと静電容量Cが中程度の欠陥a群と、電気抵抗Rが高く静電容量Cが低い欠陥b群と、第一と第二の電気抵抗Rと静電容量Cを持つ欠陥c群に分類した。欠陥a群は図7のプラグ94の欠陥プラグに相当し、欠陥b群は図7のプラグ95の欠陥プラグに相当し、欠陥c群は図7のプラグ96の欠陥プラグに相当する。また、分類した欠陥群のウェーハ面内での発生分布を表示する欠陥群発生分布表示部86を有している。
【0084】
上述のような実施例によれば、複数の断続条件によって電気抵抗Rと静電容量Cを独立して解析でき、本解析による電気抵抗Rと静電容量Cに基づき欠陥を分類し、分類した欠陥の発生状況を提供できる。
【実施例3】
【0085】
本実施例では、走査電子顕微鏡の画像を用いて、異なる電気特性を有する試料の欠陥を分類し、検査する欠陥検査装置に関し、複数の断続条件で取得した画像の明度から、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で高精度に解析する機能を備えた走査電子顕微鏡について述べる。
本実施例では、図1記載の走査電子顕微鏡を用いた。
【0086】
図10に本実施例で使用した試料の断面図を示す。プラグ101は、シリコン基板106より電気的に浮遊している配線104にコンタクトしている。プラグ102は配線104にコンタクトしていない欠陥プラグである。プラグ103は配線104を貫通し、配線104の下層にある電気的に浮遊している配線105ともコンタクトしている欠陥プラグである。本実施例では、前記正常プラグと前記二種類の欠陥プラグを分類、検査する。
【0087】
図11に、本実施例における、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で高精度に解析する検査レシピの設定工程を示すフローチャートを示す。
【0088】
まず、観察場所に移動する(S141)。次に、検査する試料のレイアウトを指定する(S142)。ここでは、半導体ウェーハの繰り返しされるパターン領域のレイアウトである。次に、レイアウト情報を用いてレシピ作成に用いる試し検査領域に移動する(S143)。次に、光学条件を設定する(S144)。ここで、光学条件は、電子線の加速電圧、電子線の照射電流、走査速度を含む。次に観察の視野のサイズや倍率を設定する(S145)。次に、複数の断続条件を設定し、画像を取得する(S146)。S146で設定する複数の断続条件は、照射時間、或いは照射距離、或いは遮断時間、或いは照射点間距離のうち、最低1つの条件が互いに異なる。さらに、S146で設定する複数の断続条件は、少なくとも2つの異なる照射時間を有する。
【0089】
次に、複数の断続条件で取得した画像の明度を解析する(S147)。次に、複数の照射時間に対し、画像の明度が飽和する明度飽和値に基づき、電気抵抗Rを解析する(S148)。本実施例のS148ではまず、照射時間の異なる複数の画像の明度を比較した後、照射時間の変化に伴う画像の明度の変化量に閾値を設定し、明度の変化量が閾値以下である照射時間における画像の明度を明度飽和値とした。また本実施例のS107では数式1に基づき電気抵抗を解析した。次に、複数の照射時間に対し、明度飽和値に基づき、リーク電流に対する画像の明度の補正値を算出する(S149)。次に、複数の断続条件で得られた画像の明度から補正値を除した補正明度の差分値を用いてRC時定数を解析する(S150)。
【0090】
次に、電気抵抗RとRC時定数から容量Cを解析する(S151)。次に、試し検査で取得した断続条件と画像の明度、或いは電気抵抗Rおよび静電容量Cの結果を表示する(S152)。次に、検査で使用する二つ以上の断続条件を設定する(S153)。本実施例ではユーザが自分で設定したが、使用した断続条件の中から、装置が自動で判断し設定しても構わない。次に、検査レシピ作成工程を終了する(S154)。
【0091】
図12に、本実施例におけるS149のリーク電流に対する画像の明度の補正値の算出法について示す。第一の照射時間で取得した明度の時間変化111、第二の照射時間で取得した明度の時間変化112、第三の照射時間で取得した明度の時間変化113から、照射時間が長くなるに従い、電子線照射の帯電によって明度が低下することがわかる。また、第三の照射時間では明度の低下が飽和している。第三の照射時間の明度は、帯電による試料の内部電界によって流れるリーク電流を反映している。第一から第三の照射時間で取得した明度の時間変化114に示すように、本実施例では、本リーク電流による明度の変化を線形で補正した。補正明度Scを数式6に示す。
【0092】
【数6】
【0093】
ここで、Sは明度、Tirは照射時間、Sは第三の照射時間で得られる飽和時の明度であり、Tは明度の低下が飽和するときの照射時間であり第三の照射時間に相当する。ここでSは数式1で求めたSに相当する。数式6を用いて補正した補正明度の時間変化115は、リーク電流の依存性が補正されている。また、S149では数式4のΔSを求めるための明度の補正値を算出する。図12に例示するように、照射時間と検出タイミング(時間)を変化させて得られるカーブから、予め明度の飽和時の照射時間Tを求めておくことによって、数式6を用いた補正を行うことが可能となる。
【0094】
図13に、本実施例で用いた検査レシピを設定する工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、図4記載と同様の構成を有している。本実施例では、検査パターン設定部61でパターンa、パターンb、及びパターンcを検査対象として選択した。また、加速電圧設定部63、照射電流設定部64、視野サイズ設定部65、走査速度設定部66で、加速電圧300V、照射電流1000pA、視野サイズ1μm、走査速度をTVレートの2倍の速度に設定している。
【0095】
本実施例では、照射設定部68、照射点間設定部69で、5つの断続条件を設定し、本断続条件として、照射時間を0.1、0.2、0.3、0.4、0.5μs、遮断時間はすべて5.0μsとした。明度の低下が飽和するときの照射時間Tは0.5μsであり、飽和時の明度Sは、明度解析結果表示部70から、パターンa、パターンb、及びパターンcのそれぞれから抽出することができる。でそれぞれ抽出できる。
【0096】
本実施例では、検査条件設定部71で、検査に使用する第一の断続条件を照射時間0.1μs、遮断時間5.0μsとし、第二の断続条件を照射時間0.3μs、遮断時間5.0μsとし、第三の断続条件を照射時間0.5μs、遮断時間5.0μsと設定した。
【0097】
第三の断続条件で取得した明度から数式1に基づき電気抵抗Rを解析する。本実施例では、数式6の補正式で補正明度を算出し、第一の断続条件で得られた画像と第二の断続条件で得られた画像との補正明度差により、数式4に基づき第一のRC時定数を解析する。電気抵抗RとRC時定数から数式5を用いて静電容量Cを解析することができる。
【0098】
本実施例では、前記図5に示す欠陥を分類する検査の工程のフローチャートを用いた。本実施例では、前記図9に示す欠陥検査工程の操作インターフェースを用いた。検査レシピ設定工程で設定した検査条件によって、正常プラグであるプラグ101、欠陥プラグではあるプラグ102、プラグ103を分類、検査できる。
【0099】
上述のような実施例によれば、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを高精度に解析できるため、欠陥分類の精度が向上する。
【実施例4】
【0100】
本実施例では、走査電子顕微鏡の画像を用いて、異なる電気特性を有する試料の欠陥を分類し、検査する欠陥検査装置に関し、複数の断続条件で取得した画像の明度から、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で高精度に解析する機能を備えた走査電子顕微鏡について述べる。
【0101】
本実施例では、図1記載の走査電子顕微鏡を用いた。図14に本実施例で使用した試料の断面図を示す。プラグ121は、素子分離されたシリコン基板125の一部にある不純物拡散層124にコンタクトしている。プラグ122は不純物拡散層124にコンタクトしていない欠陥プラグである。プラグ123は、隣り合う2つのプラグが導通している欠陥プラグである。本実施例では、前記正常プラグと前記二種類の欠陥プラグを分類、検査する。
【0102】
図15に、本実施例における、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを独立で高精度に解析する検査レシピの設定工程を示すフローチャートを示す。
【0103】
まず、観察場所に移動する(S161)。次に、検査する試料のレイアウトを指定する(S162)。ここでは、半導体ウェーハの繰り返しされるパターン領域のレイアウトである。次に、レイアウト情報を用いてレシピ作成に用いる試し検査領域に移動する(S163)。次に、光学条件を設定する(S164)。ここで、光学条件は、電子線の加速電圧、電子線の照射電流、走査速度を含む。次に観察の視野のサイズや倍率を設定する(S165)。次に、複数の断続条件を設定し、画像を取得する(S166)。S166で設定する複数の断続条件は、照射時間、或いは照射距離、或いは遮断時間、或いは照射点間距離のうち、最低1つの条件が互いに異なる。さらに、S166で設定する複数の断続条件は、少なくとも2つの異なる照射時間と遮断時間を含んでいる。
【0104】
次に、複数の断続条件で取得した画像の明度を解析する(S167)。次に、複数の照射時間に対し、画像の明度が飽和する明度飽和値に基づき、電気抵抗Rを解析する(S168)。次に、複数の照射時間に対し、明度飽和値に基づき、残留帯電に対する画像の明度の補正値を算出する(S169)。次に、残留帯電に対する補正値を用いて補正した補正明度から容量Cを解析する(S170)。次に、試し検査で取得した断続条件と画像の明度、或いは電気抵抗Rおよび静電容量Cの結果を表示する(S171)。次に、検査で使用する二つ以上の断続条件を設定する(S172)。本実施例ではユーザが自分で設定したが、使用した断続条件の中から、装置が自動で判断し設定しても構わない。次に、検査レシピ作成工程を終了する(S173)。
【0105】
図16に、本実施例におけるS169の残留帯電に対する画像の明度の補正結果について示す。本実施例における試料は、0.1μsの電子線照射時間で帯電が飽和する。また本実施例では帯電による試料の内部電界によって流れるリーク電流は考えないものとする。明度Sの時間変化は、電子線照射による帯電の蓄積特性を表しており、数式7で表すことができる。
【0106】
【数7】
【0107】
ここで、Sは照射時間Tir=0における明度、Tirは照射時間、τは帯電の蓄積の時定数であり、Sを遮断時間Tiの線形で近似すると数式7で表すことができる。
【0108】
【数8】
【0109】
ここで、TS2は遮断時間を増加させた際に明度の増大が飽和するときの遮断時間に相当し、Smaxは遮断時間TS2におけるSである。残留帯電に対する補正明度Sは、残留電荷のない場合の明度の時間変化を表す数式9によって求めることができる。
【0110】
【数9】
【0111】
さらに、数式7、数式8、及び数式9に基づいて、補正明度Sは数式10によって求めることができる。
【0112】
【数10】
【0113】
数式10を用いた演算によって、残留帯電の影響に基づく変動値が補正される。第一の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度131と、第二の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度132に示すように、遮断時間に依存する残留帯電が補正され、第一の遮断時間と第二の遮断時間で補正明が等しくなっている。
【0114】
図17に、本実施例で用いた検査レシピを設定する工程の操作インターフェースを示す。操作インターフェースは、図4記載と同様の構成を有している。本実施例では、検査パターン設定部61でパターンa、パターンb、及びパターンcを検査対象として選択した。また、加速電圧設定部63、照射電流設定部64、視野サイズ設定部65、走査速度設定部66で、加速電圧300V、照射電流1000pA、視野サイズ1μm、TVレートの2倍の走査速度を設定している。
【0115】
本実施例では、複数の断続条件の設定部として、照射時間の可変範囲と可変ステップを入力する照射時間設定部141と、遮断時間の可変範囲と可変ステップを入力する遮断時間設定部141を持つ構成である。
明度の増大が飽和するときの遮断時間TS2は3.0μsであり、残留帯電による補正量は、遮断時間の明度解析結果表示部144からパターンa、パターンb、及びパターンcでそれぞれ抽出できる。数式10より求められる補正明度と数式3から、静電容量Cを解析できる。
【0116】
本実施例では、前記図5に示す欠陥を分類する検査の工程のフローチャートを用いた。本実施例では、前記図9に示す欠陥検査工程の操作インターフェースを用いた。検査レシピ設定工程で設定した検査条件によって、正常プラグであるプラグ121、欠陥プラグではあるプラグ122、プラグ123を分類、検査できる。
【0117】
上述のような実施例によれば、電気特性に応じた明度の補正を行い、欠陥の電気抵抗Rと静電容量Cを高精度に解析できるため、欠陥分類の精度が向上する。
【実施例5】
【0118】
上述のようにビームの照射条件の変化に応じた、明度(例えば特定個所の信号量)の変化は、欠陥種に対応する電気特性に応じて異なる。即ち、複数のビーム照射条件でビームを照射したときに得られる明度の変化は、欠陥種や欠陥の特徴量などの電気特性に応じて変化するものであり、例えば照射条件と複数画像から得られる特徴量(或いは画像データそのもの)の組み合わせと、電気特性との間には、相関関係があると言える。
【0119】
そこで、本実施例では、複数照射条件と当該照射条件のビーム照射によって得られた画像データ、画像データから抽出される特徴量、或いは特徴量から生成されるSカーブのような情報を入力、電気特性を出力とする教師データによって予め学習された学習器に、複数照射条件と、当該照射条件のビーム照射によって得られた画像データ、当該画像データから抽出される特徴量、及びSカーブのような情報の少なくとも一つ方を入力することにより、電気特性を出力するシステムについて説明する。
【0120】
図20は、電気特性推定システムの一例を示す図である。図20は機能ブロック図で表現されている。図20に例示するコンピューターシステム2001は、機械学習システムであり、1以上のプロセッサを含み、所定の記憶媒体に記憶された1以上の演算モジュールを実行するように構成されている。また、後述するような推定処理を、AIアクセラレータを用いて行うようにしても良い。図20に例示するコンピューターシステム2001には、学習に供される教師データや推定処理に必要なデータが記憶媒体2002や入力装置2003から入力される入力部2004が備えられている。
【0121】
コンピューターシステム2001に内蔵される学習部2005は、入力部2004から入力される画像データ、及び図示しない画像処理装置等で抽出された画像の特徴の少なくとも一方、荷電粒子線装置のビームの照射条件、試料上に形成された素子の電気特性情報の組を教師データとして受け付ける。画像の特徴とは、例えば、特定パターンの明度やコントラスト等であり、パターンマッチング等で特定されたパターンや、セマンティックセグメンテーション等でセグメント化された特定パターンの明度情報を抽出することによって取得することができる。学習器としては、例えば、ニューラルネットワーク、回帰木、ベイズ識別器等を用いることができる。
【0122】
また、ビームの照射条件とは、先の実施例で説明したようなパルスビームの遮断時間や照射時間等であり、学習部2005は、荷電粒子線装置の検査レシピからの読み出し、或いは入力装置2006からの入力等によって、これらのデータを教師データの一部として受け付ける。電気特性情報は、シミュレーションやEBテスタ等を用いた実測値、実デバイスの断面加工観察に基づいて得られた画像から求められた値、或いはオペレータの経験に基づく欠陥の種類や欠陥種に応じた値等であり、学習部2005はこれら情報の少なくとも1つをラベルとして受け付ける。
【0123】
学習部2005は、受け付けた教師データを用いて機械学習を実行する。学習モデル記憶部2007は、学習部2005が構築した学習モデルを記憶する。学習部2005で構築された学習モデルは、電気特定推定部2008に送信され、電気特性推定に用いられる。
【0124】
電気特性推定部2008では、学習部2005で構築された学習モデルに基づいて、ビーム照射条件と、画像データ及び画像データから抽出される特徴の少なくとも1つから、電気特性を推定する。先の実施例にて説明したように、ビームの照射条件を変化させたときの画像上で認識できる特徴の変動は、電気特性の種類や電気特性のパラメータに応じて変化するため、予め電気特性情報と、画像データ等及びビーム照射条件のデータセットを用いて、学習器を学習させておくことによって、学習器を用いた電気特性の推定を行うことが可能となる。
【0125】
推定結果は、推定結果記憶部2009に記憶させたり、入力装置に備えられた表示装置に表示させることができる。
【0126】
なお、教師データには、電気抵抗及び静電容量の少なくとも一方を含めることができる。更に、電気抵抗や静電容量の比較情報(例えば基準値に対する大小情報)等を教師データに含めることも考えられる。
【0127】
図25に本実施例における入力データを示す。Bが基準となる電気抵抗及び静電容量をもつパターン、A、C、D、EがBと異なる電気特性をもつパターンで、A、C、D、Eの4つのパターンの中に、静電容量系と電気抵抗系の2つの欠陥種が混在する。本実施例ではA、C、D、EにBを加えた5つのパターンに関して、複数の遮断時間(パルスビームの照射していない時間)における明度を入力し、静電容量系と電気抵抗系の2つの欠陥種を分類した。入力した明度はパターンマッチング等で特定された画像領域の平均明度であり、学習器では数式1と数式3と数式4をモデル式とした回帰分析と、回帰分析結果を重みづけするニューラルネットワークを併用して機械学習を行った。機械学習を行った結果、A、Cのパターンは静電容量系の欠陥、D、Eは電気抵抗系の欠陥と出力された。出力された結果は、実デバイスの断面加工観察に基づいて得られた画像を用いた分類結果と一致した。
【0128】
上述のような実施例によれば、複数照射条件と、当該照射条件のビーム照射によって得られた画像データ及び当該画像データから抽出される特徴量の少なくとも一方を入力することにより、電気特性を出力するシステムを提供でき、欠陥種が分類できる。
【実施例6】
【0129】
図21(a)は、荷電粒子線装置等の評価対象となるトランジスタの簡単な構成を示す断面図である。ウェル2101上には、拡散層2102、2103が積層され、更にその上方にはゲート酸化膜2104を介して、ゲート電極2105が形成されている。また、ゲート電極2105の側壁には、サイドウォール2106が形成されている。更に、層間酸化膜2107を介在させつつ、拡散層2102、ゲート電極2105、拡散層2103のそれぞれにコンタクトする電極(ソースコンタクト2108(第1の端子)、ゲートコンタクト2109(第2の端子)、ドレインコンタクト2110(第2の端子))が形成されている。
【0130】
図21(b)〜(d)は、図21(a)に例示したトランジスタの欠陥の種類を説明する図である。図21(b)は、本来接続されているべきゲート電極2105とゲートコンタクト2109が、接続されていない状態(オープン欠陥)を示す図である。図21(c)は、ゲート電極2105から電流がリークした状態(ゲートリーク欠陥)を示す図である。図21(d)は、拡散層から電流がリークした状態(ジャンクションリーク欠陥)を示す図である。
【0131】
このような半導体素子の欠陥を特定するためのシステム等について、以下に説明する。図22は検査工程を示すフローチャートである。本実施例では、図1に例示するような走査電子顕微鏡を用いた画像取得に基づいて、検査を行う例について説明する。なお、本実施例においては、欠陥種を特定するために、複数のパターン(本実施例では、ソースコンタクト2108、ゲートコンタクト2109、及びドレインコンタクト2110(以下、プラグと称する場合あり))を含む領域へのビーム照射に基づいて、画像を生成する。
【0132】
図3のステップ106のように、複数の遮断時間のビームの照射によって、画像生成を行い(ステップ2201、2202)、設定された数の画像(遮断条件)を取得後、得られた複数の画像から特徴を抽出する(ステップ2203)。ここで特徴とは、プラグの明度や基準明度に対するコントラスト等である。
【0133】
図23(a)左は、欠陥がない場合の複数プラグの画像の一例を示す図である。3つ並んだパターンは、左からソースコンタクト、ゲートコンタクト、ドレインコンタクトを示している。ビーム照射条件A(後述するビーム照射条件Bより相対的に電荷が蓄積しやすい照射条件、例えばビーム照射条件Bより相対的にパルスビームの遮断時間が短いビーム)でビームを照射すると、中央のゲートコンタクトは帯電が蓄積し、明度が低くなる。なお、斜線で示されたパターンは、白色で示されたパターンに対し、相対的に明度が低い状態を示している。一方、ゲートコンタクトに電荷が蓄積すると、ゲートが開いた状態となるため、ソースコンタクトとドレインコンタクト間が導通し、左右のプラグは明度が高くとなる。
【0134】
一方、欠陥がないトランジスタに、ビーム照射条件B(ビーム照射条件Aより相対的に電荷が蓄積しにくい照射条件)のビームを照射すると、図23(a)右のような画像が得られる。電荷が蓄積しにくいビームのため、ゲートコンタクトが高い明度となる一方、ゲートは閉じた状態であるため、ソースコンタクトとドレインコンタクトに電荷が蓄積し、明度が低くなる。
【0135】
図23(b)左は、オープン欠陥のプラグを含む複数パターンに、ビーム照射条件Aのビームを照射したときに得られる画像例を示す図である。オープン欠陥の場合、ゲートコンタクトにビームを照射しても、ゲートは開かず、ゲートコンタクトも絶縁されているので、全てのパターンの明度が低い。一方、図23(b)右は、オープン欠陥のプラグを含む複数パターンに、ビーム照射条件Bのビームを照射したときに画像例を示している。電荷が蓄積しにくいビーム照射条件のため、ゲートコンタクトが高い明度となる一方、ゲートは閉じた状態であるため、ソースコンタクトとドレインコンタクトには電荷が充分に蓄積し、明度が低い。
【0136】
図23(c)左は、ゲートリーク欠陥を含む複数のパターンに、ビーム照射条件Aのビームを照射したときに得られる画像例を示す図である。ゲートから電流がリークするため、ゲートコンタクトに電荷が蓄積せず、ゲートコンタクトは明度が高くなる。ゲートが開かないので、ソースコンタクトとドレインコンタクトには電荷が蓄積し、ゲートコンタクトに対して明度が低くなる。一方、図23(c)右は、ゲートリーク欠陥を含む複数パターンに、ビーム照射条件Bのビームを照射したときに画像例を示している。ゲートコンタクトは、図23(c)左同様、電荷が蓄積しないので、明度が高い一方、ゲートは閉じた状態であるため、ソースコンタクトとドレインコンタクトには電荷が充分に蓄積し、明度が低い。
【0137】
図23(d)左は、ジャンクションリーク欠陥を含む複数パターンに、ビーム照射条件Aのビームを照射したときに得られる画像例を示す図である。ジャンクションリーク欠陥の場合、ソースコンタクトとドレインコンタクトにビームを照射しても、電荷が蓄積されないため、これらのパターンは明るくなる。また、ゲートコンタクトは正常であるため、図23(a)と同様、電荷が蓄積し、パターンは暗くなる。一方、図23(d)右は、ジャンクションリーク欠陥を含む複数パターンに、ビーム照射条件Bのビームを照射したときに画像例を示している。ソースコンタクトとドレインコンタクトは、図23(d)左同様、電荷が蓄積しないので、明るくなり、ゲートコンタクトは電荷の蓄積が小さい分、図23(d)左と比較して、相対的に明るくなる。
【0138】
以上のように、ビーム条件を変化させて得られた複数の画像から抽出される、半導体素子(本例ではトランジスタ)を構成する複数のパターンの複数の特徴は、欠陥種に応じた組み合わせとなる。よって、例えば、コンピューターシステム2001の記憶媒体に、特徴の組み合わせ情報と、欠陥種情報を関連付けて記憶しておき、当該関連情報(参照情報)と、取得された複数の画像から抽出された複数の特徴とを比較(ステップ2204)することによって、欠陥種を特定する(ステップ2205)ことが可能となる。関連情報は例えば欠陥種と特徴の組み合わせを規定したテーブルであり、当該テーブルに複数の特徴を参照し、特徴が一致、或いは最も近似する欠陥種を選択するようにしても良い。
【0139】
また、輝度の絶対値ではなく、複数のパターンの輝度の関係と欠陥種との関係をライブラリとして記憶しておき、当該ライブラリを参照して欠陥種を特定するようにしても良い。
【0140】
なお、上記欠陥種や特徴の説明は、いくつかの例を紹介したに過ぎず、欠陥種と、帯電条件の異なる複数のビームから得られる複数パターンの特徴の関連情報を用いて、欠陥種を特定する手法は、他の欠陥種特定等への適用も可能である。
【0141】
なお、本実施例にて説明したような欠陥種を、図20に例示したような学習器を用いて推定することも可能である。例えば、教師データを複数のビーム照射条件、複数のビーム条件で得られた複数の画像データ、或いはパターンから抽出される特徴の組み合わせ、及び欠陥種を教師データとして予め学習された学習モデルを用意し、当該学習モデルに、ビーム照射条件と、複数の画像データ、或いは特徴量の組み合わせ情報を入力することにより、欠陥種を推定することが考えられる。
【実施例7】
【0142】
図21に例示するようなトランジスタは、ゲートに電圧を印加することによって、ソースとドレイン間に流れる電流を調整する素子である。半導体デバイスのプロセス管理の一つの方法として、素子への印可電圧を入力、素子を流れる電流を出力としたときに、入力と出力の関係である入出力特性を管理する方法がある。本実施例では、半導体素子の入出力特性の検査を行うコンピューターシステム等について説明する。
【0143】
図24は、複数のビーム条件でビームを照射したときに得られる画像から、プラグの明度を特定し、それをプロットしたグラフである。本実施例ではパルスビームの遮断時間を変化させることによって、電荷の蓄積状態を調整した。図24(a)はゲートコンタクトの明度の推移、図24(b)はソースコンタクト、或いはドレインコンタクトの明度の推移を示している。図24(a)の明度はゲートに印加可される電圧に反比例し、図24(b)の明度はソースとドレイン間に流れる電流に比例するため、図24(a)と図24(b)の組み合わせは入出力特性を表す一態様である。
【0144】
図24(a)では電荷の蓄積量が大きくなるにつれて、明度が低下した一方、図24(b)ではある電荷の蓄積量を境に明度が急激に増大した。図24(b)の明度の急激な増大は、ゲートが閉じた状態から開いた状態に変化したことを示している。コンピューターシステムに含まれるプロセッサは、画像取得条件の変化に対する明度の変化を示すカーブ(複数の特徴から生成される情報)を生成し、この明度の急激な変化点を特定することによって、入出力特性を特徴付ける一つの指標である、ゲートしきい値電圧を特定することが可能となる。
【0145】
コンピューターシステムでは、例えば波形の微分処理等に基づいて、変位点を特定し、予め登録しておいて良品或いは不良品の参照情報と比較して、ゲート閾値が適切なものであるか否か、判定する。具体的には例えば良品となり得る閾値範囲(ビーム照射条件の範囲)を、予め所定の記憶媒体に記憶しておき、その範囲に変位点が含まれるか否かによって、良品判定を行う。また、良品、不良品のSカーブ(図24(b)に例示する曲線)を参照データとして予め登録しておき、検査結果を参照データとフィッティングして、良品、不良品判定を行うようにしても良い。また、予めビーム条件とゲート閾値電圧との関係を示す関連情報を予め記憶しておき、当該関連情報に変位点を参照することによって、ゲート閾値を算出するようにしても良い。
【0146】
本実施例によれば、半導体デバイス上に形成される素子の入出力特性の評価を行うことが可能となる。
【0147】
なお、本実施例では、MOSFETのようなトランジスタを例にとって説明したが、STT−MRAMのようなメモリ(他のスイッチング素子)の動作試験にも上述のような手法の適用が可能である。具体的には、STT−MRAMの磁気トンネル接合素子に、複数の照射条件でビームを照射したときに得られるコンタクトプラグの明度の推移から、STT−MRAMのスイッチング速度、ドライブ電流量、或いは書き込み消去閾値等の入出力特性を求めるようにしても良い。
【0148】
また、図20に例示したような学習器を用いて、入出力特性を推定することも可能である。例えば、教師データを複数のビーム照射条件、複数のビーム条件で得られた複数の画像データ、或いはパターンから抽出される特徴の組み合わせ(Sカーブ)、及び入出力特性情報を教師データとして予め学習された学習モデルを用意し、当該学習モデルに、ビーム照射条件と、複数の画像データ、或いはSカーブ等を入力することにより、入出力特性を推定することが考えられる。
【符号の説明】
【0149】
1…電子線源、2…コンデンサレンズ、3…絞り、4…パルス電子生成器、5…偏向器、6…対物レンズ、7…試料電界制御器、8…検出器、9…出力調整回路、10…試料ステージ、11…試料、21…加速電圧制御部、22…照射電流制御部、23…パルス照射制御部、24…偏向制御部、25…集束制御部、26…試料電界制御部、27…ステージ位置制御部、28…制御伝令部、29…ステージ位置制御部、30…制御伝令部、31…検出信号処理部、32…検出信号解析部、33…画像または電気特性表示部、34…データベース、41…操作インターフェース、51…プラグ、52…プラグ、53…シリコン基板、54…プラグ、55…プラグ、61…検査パターン設定部、62…光学条件及び走査条件及び視野設定部、63…加速電圧設定部、64…照射電流設定部、65…視野サイズ設定部、66…走査速度設定部、67…断続条件抽出部、68…照射設定部、69…照射点間設定部、70…明度解析結果表示部、71…検査条件設定部、72…検査で使用する照射設定部、73…検査で使用する照射点間設定部、74…試し検査実行部、75…試し検査結果表示部、81…検査領域設定部、82…検査実行部、83…欠陥分類設定部、84…欠陥a群発生分布表示部、85…欠陥b群発生分布表示部、86…欠陥群発生分布表示部、91…プラグ、92…シリコン基板、93…不純物拡散層、94…プラグ、95…プラグ、96…プラグ、101…プラグ、102…プラグ、103…プラグ、104…配線、105…配線、106…シリコン基板、111…第一の照射時間で取得した明度の時間変化、112…第二の照射時間で取得した明度の時間変化、113…第三の照射時間で取得した明度の時間変化、114…第一から第三の照射時間で取得した明度の時間変化、115…補正明度の時間変化、121…プラグ、122…プラグ、123…プラグ、1124…不純物拡散層、125…シリコン基板、131…第一の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度、132…第二の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度、141…照射時間設定部、142…遮断時間設定部、143…照射時間の明度解析結果表示部、144…明度解析結果表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2020年4月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の画像を取得する画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、前記画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、
前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報を記憶するメモリを備え、
前記プロセッサは、
前記画像取得ツールから、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り、
前記メモリから前記関連情報を受け取り、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、前記電気特性を導き出すシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、電気抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方であるシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、電気抵抗及び静電容量の少なくとも一方であるシステム。
【請求項4】
請求項3において、
前記プロセッサは、前記電気抵抗、静電容量、前記2以上の特徴に関する情報、及び前記少なくとも2つの画像取得条件の関係式に、前記電気抵抗と前記静電容量のいずれか一方、前記2以上の特徴に関する情報、及び前記少なくとも2つの画像取得条件を入力することにより、前記電気抵抗と前記静電容量の他方を演算するシステム。
【請求項5】
請求項4において、
前記プロセッサは、以下の第1の演算式に基づいて、前記電気抵抗、或いは前記静電容量を演算するシステム。
【数1】
ΔS:2つの特徴の差分
C:静電容量
R:電気抵抗
Q:ビーム照射によって蓄積される電荷
Ti1:第1の画像取得条件であるパルスビームの第1のビーム遮断時間
Ti2:第2の画像取得条件であるパルスビームの第2のビーム遮断時間
【請求項6】
請求項5において、
前記プロセッサは、以下の第2の式の演算式に基づいて、電気抵抗Rを求め、求められた電気抵抗Rを、前記第1の演算式に代入することによって、静電容量Cを演算するシステム。
【数2】
Vs:帯電が飽和したときの表面電位
S:特徴
【請求項7】
請求項5において、
前記プロセッサは、以下の第3の式の演算式に基づいて、静電容量Cを求め、求められた静電容量Cを、前記第1の演算式に代入することによって、電気抵抗Rを演算するシステム。
【数3】
Tir:ビームの照射時間
S:特徴
【請求項8】
請求項1において、
前記画像取得ツールは、荷電粒子線装置であるシステム。
【請求項9】
請求項8において、
前記画像取得条件は、前記荷電粒子線装置を用いて、前記試料に対しビームをパルス状に照射するときのビームの遮断時間及び照射時間の少なくとも一方であるシステム。
【請求項10】
請求項8において、
前記メモリには、前記遮断時間及び照射時間の異なる複数のビーム条件の変化と前記特徴の変化の関連情報が記憶されているシステム。
【請求項11】
プロセッサに、
画像取得ツールによって取得された、少なくとも2つの異なる画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴を受け取らせ、
前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴に関する情報と、試料上に形成された素子の電気特性との関連情報を受け取らせ、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、電気特性を導き出させる、
命令をするように構成されたプログラムを格納する非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項12】
請求項11において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、電気抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方である非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項13】
請求項11において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、電気抵抗及び静電容量の少なくとも一方である非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項14】
画像取得ツールによって得られた画像データから、試料上に形成された素子の電気特性を推定するシステムであって、
前記システムは、コンピューターシステムと、当該コンピューターシステムが実行する演算モジュールを含み、
前記コンピューターシステムは、前記素子の電気特性を学習結果として出力する学習器を備え、
前記学習器は、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2以上の特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件と、電気特性を含む教師データを用いてあらかじめ学習を実施しており、
前記演算モジュールは、前記学習器に対して、画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2以上の特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件とを入力することによって、前記電気特性を出力するシステム。
【請求項15】
請求項14において、
前記電気特性は、欠陥の種類であり、電気抵抗系の欠陥及び静電容量系の欠陥の少なくとも一方であるシステム。
【請求項16】
請求項14において、
前記電気特性は、欠陥の特徴であり、電気抵抗及び静電容量の少なくとも一方であるシステム。
【請求項17】
試料の画像を取得する画像取得ツールと、1以上のプロセッサを有し、前記画像取得ツールと通信可能に構成されたコンピューターシステムを含むシステムであって、
前記画像取得ツールの複数の画像取得条件によって得られる複数の画像データから抽出される複数の特徴、或いは複数の特徴から生成される情報と、欠陥の種類との関連情報を記憶するメモリを備え、
前記プロセッサは、
前記画像取得ツールから、複数の画像取得条件によって取得された複数の画像に含まれる特定パターンの2以上の特徴に関する情報を受け取り、
前記メモリから前記関連情報を受け取り、
前記関連情報に、前記特徴に関する情報を参照することによって、欠陥の種類を導き出すシステム。
【請求項18】
請求項17において、
前記メモリには、
前記試料上に形成されたスイッチング素子の開閉を制御する電圧が印加される第1の端子、及び前記スイッチング素子に接続される端子であって、前記第1の端子への電圧の印加によって、流通する電流が制御される第2の端子の前記特徴と、欠陥の種類との、スイッチング素子に関する関連情報が記憶され、
前記プロセッサは、前記画像取得ツールから受け取った前記第1の端子と第2の端子の特徴を、前記関連情報に参照して、前記欠陥の種類を導き出すシステム。
【請求項19】
請求項18において、
前記欠陥の種類は、スイッチング素子と端子が接続されていないオープン欠陥、及びスイッチング素子から電流がリークするリーク欠陥の少なくとも1つであるシステム。
【請求項20】
請求項17において、
前記プロセッサは、複数の画像取得条件の複数の画像から、前記試料上に形成されたスイッチング素子に接続される端子の特徴を抽出し、当該スイッチング素子の入出力特性を評価するシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
更に、画像取得ツールによって得られた画像データから、試料上に形成された素子の電気特性を推定するシステムであって、前記システムは、コンピューターシステムと、当該コンピューターシステムが実行する演算モジュールを含み、前記コンピューターシステムは、前記素子の電気特性を学習結果として出力する学習器を備え、前記学習器は、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2以上の特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件と、電気特性を含む教師データを用いてあらかじめ学習を実施しており、前記演算モジュールは、前記学習器に対して、画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件によって得られる少なくとも2以上の画像データ、当該2以上の画像データから抽出される2以上の特徴、及び当該2以上の特徴から生成される情報の少なくとも1つと、前記画像取得ツールの少なくとも2つの画像取得条件との入力することによって、前記電気特性を出力するシステムを提案する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
一方で、SEMを用いた半導体デバイスの欠陥検査では、明度の差によって欠陥の箇所を特定するだけではなく、電気抵抗Rや静電容量C等のより具体的な電気特性に基づき欠陥を分類、或いは評価することが高精度なプロセス管理につながる。例えば、電気抵抗Rと静電容量Cに基づき欠陥を分類することができれば、正常な半導体デバイスより電気抵抗Rが小さいショート欠陥と、静電容量Cが大きい空乏静電容量欠陥とを分類でき、プロセスに管理にフィードバックする情報量が増える。すなわち、電気的な欠陥を適正に評価するためには、正常部や欠陥部の電気抵抗Rや静電容量C等の電気的パラメータを独立して解析することが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
ここで、Vsは帯電が飽和した時の表面電位であり、長い照射時間を持つ断続条件で得られる帯電状態である。帯電が飽和した時の表面電位はほぼ一定ゆえ、電気抵抗Rが小さければ画像の明度は明るくなり、電気抵抗Rが大きければ画像の明度Sは小さくなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
吸収された電荷は電気特性によらずほぼ一定ゆえ、静電容量Cが大きければ画像の明度は明るくなり、静電容量Cが小さければ画像の明度Sは暗くなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
例えば、以下の実施例では、荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子線をパルス化する手段と、前記パルス化した前記荷電粒子線を走査しながら試料に集束照射する荷電粒子線光学系と、前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する二次荷電粒子検出系と、前記二次荷電粒子の検出信号の強度に基づき、画像化する手段とを備えた荷電粒子線装置であり、且つ前記パルス化した荷電粒子線の照射時間、及び照射と照射の間の遮断時間等の断続条件を制御する断続照射系と、複数の前記断続条件によって得られる前記画像の明度から、複数の電気特性を独立に特定するプロセッサを備えた画像処理系とを備えたことを特徴とする荷電粒子線装置であって、第一の断続条件での画像明度に基づきRもしくはCのうちいずれか一方を解析し、第一の断続条件と第二の断続条件の画像明度の差でRC時定数を解析し、RもしくはCのうちいずれか一方とRC時定数からRもしくはCのもう一方を解析することで、電気特性を独立に特定する荷電粒子線装置を説明する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
上記構成によれば、適切な演算式の適用に基づく電気抵抗と静電容量を求めることが可能となる。また、後述する実施例によれば、明度の差によって欠陥の箇所を特定するだけでなく、電気抵抗Rや静電容量Cを含む電気特性を独立して特定することが可能となり、ショート欠陥や空乏静電容量欠陥など、異なる電気特性を持つ欠陥を分類することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
なお、ビームの遮断条件を複数に設定したときの明度の変化の特徴を捉えて、静電容量系の欠陥か、電気抵抗系の欠陥かを判定することも可能である。ここで、静電容量系の欠陥とは、ROI(Region Of Interest)内に含まれる複数パターンの中で、電気抵抗は同程度だけれども、静電容量が他のパターンと異なるものを意味する。その一方、電気抵抗系の欠陥とは、ROI内に含まれる複数のパターンの中で、静電容量は同程度だけれども、電気抵抗が他のパターンと異なるものを意味する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
また、静電容量系の欠陥の方が、遮断時間が長くなるにつれて、静電容量ごとの明度の違いが明確になる傾向にある。このような特徴を利用して、例えば、遮断時間が長い領域における明度と、遮断時間が長い領域にて、予め登録しておいた明度の平均値(異なる静電容量欠陥の明度の平均値)との差分から、欠陥種の判定を行うようにしても良い。この場合、例えば、差分が所定の閾値を超えていた場合は、静電容量系欠陥、所定の閾値以下の場合は、電気抵抗系欠陥と判定することが考えられる。
更に、電気抵抗系の欠陥の方が、遮断時間が短くなるにつれて、電気抵抗ごとの明度の違いが明確になる傾向にある。このような特徴を利用して、例えば、遮断時間が短い領域における明度と、遮断時間が短い領域にて、予め登録しておいた明度の平均値(異なる電気抵抗欠陥の明度の平均値)との差分から、欠陥種の判定を行うようにしても良い。この場合、例えば、差分が所定の閾値を超えていた場合は、電気抵抗系欠陥、所定の閾値以下の場合は、静電容量系欠陥と判定することが考えられる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
また、予め欠陥種毎に記憶しておいた遮断時間の変化と、明度の変化の関係を示す曲線に、得られた曲線をフィッティングさせ、その一致度に応じて、欠陥種を分類するようにしても良い。更に、複数の静電容量に対応した複数の曲線、及び複数の電気抵抗に対応した複数の曲線を予め用意(記憶)しておき、一致度に応じて、静電容量、或いは電気抵抗を推定することも考えられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
図19は、電気特性の種類、或いは特徴量を判定するための工程を示すフローチャートである。図3のステップ106のように、複数の遮断時間のそれぞれで、画像生成を行い(ステップ1901、1902)、設定された数の画像(遮断条件)を取得後、遮断時間の変化と画像から抽出される特徴量(明度)の変化を示すカーブ(関数)を生成(ステップ1903)し、それを欠陥種や欠陥の特徴量(静電容量、電気抵抗)と関連付けて記憶された参照データと比較(ステップ1904)して、欠陥種及び欠陥の特徴量の少なくとも一方を特定する(ステップ1905)。上記カーブは、照射条件の異なる複数の画像取得条件によって得られた2以上の画像データから抽出される2以上の特徴から生成される情報である。後述する実施例では、このカーブをSカーブと称することもある。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
この情報を、2以上の画像取得条件によって得られた少なくとも2以上の画像データから抽出される2以上の特徴から生成される情報と、試料上に形成された素子の欠陥の種類及び当該欠陥の特徴の少なくとも一方(電気特性)との関連情報に参照することによって、欠陥の種類や特徴を導き出すことが可能となる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
また、検査で使用する複数の断続条件を設定し、試し検査によって電気抵抗Rと静電容量Cを解析した結果を表示する検査条件設定部71は、検査で使用する照射時間或いは照射距離を設定する照射設定部72と、検査で使用する照射点間の遮断時間或いは照射点間の距離を設定する照射点間設定部73と、試し検査を実行する試し検査実行部74と、試し検査による電気抵抗Rと静電容量Cを表示する試し検査結果表示部75を有する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
次に、S128で求めた静電容量C或いは電気抵抗Rと、S130で求めたRC時定数を用いて異なる電気特性値(先に求めた電気特性とは異なる電気特性の値)を解析する(S131)。本実施例ではS128で静電容量Cを予め求めているため、当該静電容量Cと、S130で求めたRC時定数から、数式5を用いて電気抵抗Rを解析する。指定した検査領域において、S125からS131のステップを繰り返す。次に、電気抵抗と静電容量の結果を表示する(S132)。次に、電気抵抗と静電容量の結果から欠陥の種類を分類する(S133)。次に分類した結果のウェーハ面内での発生状態を表示する(S134)。本実施例では平均欠陥密度等も検査結果として表示している。次に検査工程を終了する(S135)。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
次に、電気抵抗RとRC時定数から静電容量Cを解析する(S151)。次に、試し検査で取得した断続条件と画像の明度、或いは電気抵抗Rおよび静電容量Cの結果を表示する(S152)。次に、検査で使用する二つ以上の断続条件を設定する(S153)。本実施例ではユーザが自分で設定したが、使用した断続条件の中から、装置が自動で判断し設定しても構わない。次に、検査レシピ作成工程を終了する(S154)。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
本実施例では、照射設定部68、照射点間設定部69で、5つの断続条件を設定し、本断続条件として、照射時間を0.1、0.2、0.3、0.4、0.5μs、遮断時間はすべて5.0μsとした。明度の低下が飽和するときの照射時間TSは0.5μsであり、飽和時の明度Sは、明度解析結果表示部70から、パターンa、パターンb、及びパターンcのそれぞれから抽出することができる
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
次に、複数の断続条件で取得した画像の明度を解析する(S167)。次に、複数の照射時間に対し、画像の明度が飽和する明度飽和値に基づき、電気抵抗Rを解析する(S168)。次に、複数の照射時間に対し、明度飽和値に基づき、残留帯電に対する画像の明度の補正値を算出する(S169)。次に、残留帯電に対する補正値を用いて補正した補正明度から静電容量Cを解析する(S170)。次に、試し検査で取得した断続条件と画像の明度、或いは電気抵抗Rおよび静電容量Cの結果を表示する(S171)。次に、検査で使用する二つ以上の断続条件を設定する(S172)。本実施例ではユーザが自分で設定したが、使用した断続条件の中から、装置が自動で判断し設定しても構わない。次に、検査レシピ作成工程を終了する(S173)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
数式10を用いた演算によって、残留帯電の影響に基づく変動値が補正される。第一の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度131と、第二の遮断時間で取得した明度の時間変化と補正明度132に示すように、遮断時間に依存する残留帯電が補正され、第一の遮断時間と第二の遮断時間で補正明が等しくなっている。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
そこで、本実施例では、複数照射条件と当該照射条件のビーム照射によって得られた画像データ、画像データから抽出される特徴量、或いは特徴量から生成されるSカーブのような情報を入力、電気特性を出力とする教師データによって予め学習された学習器に、複数照射条件と、当該照射条件のビーム照射によって得られた画像データ、当該画像データから抽出される特徴量、及びSカーブのような情報の少なくとも一つを入力することにより、電気特性を出力するシステムについて説明する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
学習部2005は、受け付けた教師データを用いて機械学習を実行する。学習モデル記憶部2007は、学習部2005が構築した学習モデルを記憶する。学習部2005で構築された学習モデルは、電気特性推定部2008に送信され、電気特性推定に用いられる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
一方、欠陥がないトランジスタに、ビーム照射条件B(ビーム照射条件Aより相対的に電荷が蓄積しにくい照射条件)のビームを照射すると、図23(a)右のような画像が得られる。電荷が蓄積しにくいビーム照射条件のため、ゲートコンタクトが高い明度となる一方、ゲートは閉じた状態であるため、ソースコンタクトとドレインコンタクトに電荷が蓄積し、明度が低くなる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
コンピューターシステムでは、例えば波形の微分処理等に基づいて、変位点を特定し、予め登録しておいて良品或いは不良品の参照情報と比較して、ゲート閾値が適切なものであるか否か、判定する。具体的には例えば良品となり得る閾値範囲(ビーム照射条件の範囲)を、予め所定の記憶媒体に記憶しておき、その範囲に変位点が含まれるか否かによって、良品判定を行う。また、良品、不良品のSカーブ(図24(b)に例示する曲線)を参照データとして予め登録しておき、検査結果を参照データとフィッティングして、良品、不良品判定を行うようにしても良い。また、ビーム条件とゲート閾値電圧との関係を示す関連情報を予め記憶しておき、当該関連情報に変位点を参照することによって、ゲート閾値を算出するようにしても良い。
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
図17