特開2021-32422(P2021-32422A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-32422配管内部の清掃方法、配管構造およびボイラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-32422(P2021-32422A)
(43)【公開日】2021年3月1日
(54)【発明の名称】配管内部の清掃方法、配管構造およびボイラ
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/48 20060101AFI20210201BHJP
   F28G 1/02 20060101ALI20210201BHJP
   F28G 1/12 20060101ALI20210201BHJP
【FI】
   F22B37/48 Z
   F28G1/02
   F28G1/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2019-149232(P2019-149232)
(22)【出願日】2019年8月16日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】上野 大輝
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 敬之
(57)【要約】
【課題】配管の内部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる配管内部の清掃方法、配管構造およびボイラを提供する。
【解決手段】ボイラ内の熱交換器を流れる流体が流通する配管内部の清掃方法であって、配管に清掃器具を挿入する貫通孔を形成するステップと、貫通孔に清掃器具を挿入し、清掃器具により配管の内部に付着するスケールを除去するステップと、を備える配管内部の清掃方法。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ内の熱交換器を流れる流体が流通する配管内部の清掃方法であって、
前記配管に清掃器具を挿入する貫通孔を形成するステップと、
前記貫通孔に前記清掃器具を挿入し、前記清掃器具により前記配管の内部に付着するスケールを除去するステップと、を備える
配管内部の清掃方法。
【請求項2】
前記貫通孔にプラグを挿入して前記貫通孔を閉塞するステップと、
前記配管の前記貫通孔の周縁部と前記プラグとをシール溶接により接合するステップと、をさらに備える
請求項1に記載の配管内部の清掃方法。
【請求項3】
前記配管は、前記配管の他の部分よりも前記流体が流通する流路断面積が小さく構成されている狭隘部を有し、
前記貫通孔は、前記流体の流れ方向に対して前記狭隘部の上流側に設けられる
請求項1又は2に記載の配管内部の清掃方法。
【請求項4】
前記狭隘部は、オリフィス、バルブ、又は前記スケールが堆積したスケール堆積部の少なくとも一つを含む
請求項3に記載の配管内部の清掃方法。
【請求項5】
前記配管に液体を供給し、前記配管の水位を前記スケールが付着する部分よりも鉛直上方へ上げる給水ステップと、
前記給水ステップにより前記配管の内部に貯留された前記液体を排出するステップと、をさらに備える
請求項1乃至4の何れか1項に記載の配管内部の清掃方法。
【請求項6】
ボイラ内の熱交換器を流れる流体が流通する配管の配管構造であって、
前記配管の内部に付着するスケールを除去するための清掃器具が挿入する貫通孔が形成された貫通孔形成部と、オリフィス、バルブ又は前記スケールが堆積したスケール堆積部の少なくとも一つを含む前記配管の狭隘部であって、前記配管の他の部分よりも前記流体が流通する流路断面積が小さく構成されている前記配管の狭隘部と、を含む前記配管と、
前記貫通孔に挿入されて前記貫通孔を閉塞させる先端部と、前記貫通孔に挿入されない基端部と、を含むプラグと、
前記配管の前記貫通孔の周縁部と前記プラグの前記基端部とをシール溶接により接合する溶接部と、を備え、
前記配管の軸方向において、前記配管の前記狭隘部を含む領域と、前記配管の前記貫通孔形成部を含む領域と、が隣接している
配管構造。
【請求項7】
前記配管の前記溶接部に接合される前記周縁部は、前記配管の径方向外側に向かうにつれて前記貫通孔の中心軸からの距離が大きくなるように構成された傾斜面を含む
請求項6に記載の配管構造。
【請求項8】
前記プラグの前記基端部は、前記貫通孔よりも外径が大きい大径部を含む
請求項6に記載の配管構造。
【請求項9】
前記配管の外壁面と前記大径部との間に挟まれるシム部材をさらに備える
請求項8に記載の配管構造。
【請求項10】
前記プラグの前記先端部は、外周面の少なくとも一部に前記貫通孔に設けられた雌ネジ部と螺合するように構成された雄ネジ部を含む
請求項6乃至9の何れか1項に記載の配管構造。
【請求項11】
前記プラグの前記先端部は、前記配管の前記軸方向に直交する断面において、端面が凹み形状を有する
請求項6乃至10の何れか1項に記載の配管構造。
【請求項12】
前記プラグの前記基端部は、外周面又は端面の少なくとも一方に、前記貫通孔の中心軸に対する取付角度を示すマークが設けられた
請求項10又は11に記載の配管構造。
【請求項13】
前記プラグの前記先端部は、前記配管の内壁面と面一、又は前記内壁面よりも突出するように構成された
請求項6乃至12の何れか1項に記載の配管構造。
【請求項14】
前記プラグの前記先端部は、前記内壁面よりも突出するように構成され、前記先端部の外周縁部の少なくとも一部に面取り形状を有する
請求項13に記載の配管構造。
【請求項15】
前記配管の前記狭隘部は、前記オリフィスを含み、
前記オリフィスは、前記配管の前記軸方向に交差する方向に沿って延在するオリフィスプレートを含み、
前記配管構造は、
前記オリフィスプレートの外周面と前記配管とが前記配管の周方向に沿って溶接された部分であるオリフィス溶接部をさらに備え、
前記配管の前記軸方向において、前記オリフィス溶接部と前記溶接部との間に間隙が形成されるように構成された
請求項6乃至14の何れか1項に記載の配管構造。
【請求項16】
請求項6乃至15の何れか1項に記載の配管構造を備えるボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ内の熱交換器(例えば、伝熱管)を流れる流体が流通する配管内部の清掃方法、配管構造および該配管構造を備えるボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが火炉の周方向に沿って配設されている。また、石炭焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気(酸化性ガス)との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
【0003】
ボイラを搭載するボイラプラントを構成する機器に含まれる鉄成分は、ボイラプラントの運転に伴い、ボイラプラントの各機器の配管内を流れる流体(水、蒸気)内に溶出することがある。鉄成分(主にマグネタイト(Fe))は、150℃までは流体温度が上がるにつれて溶解度(濃度)が上昇する傾向があるが、150℃を境に溶解度が低下する傾向がある。例えば、300℃付近は、150℃付近よりも溶解度が低くなる。なお、鉄成分の溶解度は配管内を流れる流体のpHによっても変化し、pHが高い程、溶解度は低下する傾向がある。
【0004】
各機器の配管内を流れる流体の温度は、例えば、ボイラへの給水加熱器付近では150℃付近、節炭器出口や火炉入口付近において300℃付近となり、火炉壁管内を流通する間に350℃付近まで上昇する。このため、節炭器出口や火炉入口付近などの熱交換器において、鉄成分の溶解度が低下し、熱交換器の配管内を流れる流体(給水、蒸気)中の鉄成分が過飽和状態となるため、流体中に溶出や溶融していた鉄成分が飽和量以上にある、粒子状に析出する場合がある。上記粒子状の鉄成分は、配管の内部に付着してスケール(堆積物)となる。スケールの堆積が顕著になると、配管内の流路の減縮を生じて圧力損失の増加や配管内を流れる流量の減少を招く虞がある。
【0005】
従来、化学洗浄や配管の抜管洗浄によりボイラ内の熱交換器の配管内のスケールの除去が行われることがあった。上記配管の抜管洗浄では、配管における局所的にスケールが付着し、堆積する部分を切断して配管の他の部分から抜管し、抜管した配管の内部のスケールを除去した後に、抜管した配管を抜管された位置に戻し、配管の他の部分と溶接することが行われる場合がある。
【0006】
特許文献1には、化学洗浄を用いて、キレート化剤と所定のモル濃度の還元性二価金属の有機酸塩を共存させ、pHを4.0〜5.0の範囲に保持した処理液で、例えば高圧ボイラの循環水ラインまたはドラム内表面に形成する酸化物スケール(マグネタイト)を溶解除去する洗浄方法が開示されている。なお、特許文献2は、配管の内部のスケールの除去に関しては何ら開示するものではないが、高温(最高約600℃)且つ高圧の流体が流れる配管の溶接部の周囲に貫通孔を形成すること、および上記貫通孔にプラグを取り付けて塞ぐことが開示されている。上記貫通孔は、クリープ損傷を生じ易い溶接部の配管の内面側の状態を把握するために設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−65204号公報
【特許文献2】特許第6037621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した化学洗浄や配管の抜管洗浄には、少なくとも一か月以上の工期が必要となり、ボイラプラントを長期間停止させなければならないという問題があった。特許文献1にかかる発明についても化学洗浄であるため、少なくない工期がかかり、ボイラプラントを長期間停止させなければならない虞がある。
【0009】
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、配管の内部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる配管内部の清掃方法、配管構造およびボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示にかかる配管内部の清掃方法は、
ボイラ内の熱交換器を流れる流体(給水、蒸気)が流通する配管内部の清掃方法であって、
上記配管に清掃器具を挿入する貫通孔を形成するステップと、
上記貫通孔に上記清掃器具を挿入し、上記清掃器具により上記配管の内部に付着するスケールを除去するステップと、を備える。
【0011】
本開示にかかる配管構造は、
ボイラ内の熱交換器を流れる流体(給水、蒸気)が流通する配管の配管構造であって、
上記配管の内部に付着するスケールを除去するための清掃器具が挿入する貫通孔が形成された貫通孔形成部と、オリフィス、バルブ又は上記スケールが堆積したスケール堆積部の少なくとも一つを含む上記配管の狭隘部であって、上記配管の他の部分よりも上記流体が流通する流路断面積が小さく構成されている上記配管の狭隘部と、を含む上記配管と、
上記貫通孔に挿入されて上記貫通孔を閉塞させる先端部と、上記貫通孔に挿入されない基端部と、を含むプラグと、
上記配管の上記貫通孔の周縁部と上記プラグの上記基端部とをシール溶接により接合する溶接部と、を備え、
上記配管の軸方向において、上記配管の上記狭隘部を含む領域と、上記配管の上記貫通孔形成部を含む領域と、が隣接している。
【0012】
本開示にかかるボイラは、上述した配管構造を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、配管の内部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる配管内部の清掃方法、配管構造およびボイラが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態におけるボイラを表す概略構成図である。
図2】一実施形態におけるボイラの炉底部の近傍を表す概略構成図である。
図3】一実施形態におけるボイラの管寄せ部の近傍を表す概略構成図である。
図4】一実施形態におけるボイラ内の熱交換器の配管として、例えば火炉壁管への連結管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。
図5】一実施形態にかかる配管内部の清掃方法の一例を示すフロー図である。
図6】一実施形態における連結管の概略断面図であって、スケールの除去を説明するための概略断面図である。
図7】一実施形態における連結管の概略断面図であって、貫通孔の封止を説明するための概略断面図である。
図8】狭隘部の一例を説明するための配管の概略断面図である。
図9】狭隘部の一例を説明するための配管の概略断面図である。
図10】第1の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
図11】第2の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
図12】第3の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
図13】第4の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
図14】第5の変形例にかかる配管構造の配管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。
図15】第5の変形例にかかる配管構造の配管の軸方向に直交する断面を概略的に表す概略断面図である。
図16】第5の変形例にかかる配管構造をプラグの軸方向に沿って視認した平面視図である。
図17】第6の変形例にかかる配管構造を配管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。
図18】プラグの先端部と配管の内壁面との位置関係による配管の流れの変化を説明するための説明図である。
図19】プラグの先端部と配管の内壁面との位置関係による配管の流れの変化を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0016】
本開示の幾つかの実施形態にかかる配管内部の清掃方法は、ボイラ内に設けられる熱交換器の配管(伝熱管など)を流れる流体(水、蒸気)が流通する配管を清掃対象とするものである。まず、熱交換器が搭載されるボイラの構成について説明する。
【0017】
(石炭焚きボイラ)
図1は、一実施形態におけるボイラを表す概略構成図である。
本実施形態の石炭焚きボイラ(ボイラ)10は、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(炭素含有固体燃料)として用い、この微粉燃料を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものである。
【0018】
本実施形態において、図1に示すように、石炭焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとで構成され、微粉燃料の燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
【0019】
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば14A,14B,14C,14D,14E)を有している。例えば燃焼バーナ14A〜14Eは、火炉11の周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
【0020】
各燃焼バーナ14A,14B,14C,14D,14Eは、微粉炭供給管15A,15B,15C,15D,15Eを介して複数の粉砕機(ミル)16A,16B,16C,16D,16Eに連結されている。この粉砕機16A〜16Eは、図示しないが、例えばハウジング内に回転テーブルが駆動回転可能に支持され、この回転テーブルの上方に複数のローラが回転テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。石炭が複数のローラと回転テーブルとの間に投入されると、ここで所定の微粉炭の大きさに粉砕され、搬送用ガス(一次空気、酸化性ガス)により図示しない分級機に搬送されて所定サイズ内に分級された微粉燃料を微粉炭供給管15A〜15Eから燃焼バーナ14A〜14Eに供給することができる。
【0021】
また、火炉11は、各燃焼バーナ14A〜14Eの装着位置に風箱17が設けられており、この風箱17に空気ダクト18の一端部が連結されている。空気ダクト18は、他端部に押込通風機(FDF:Feed Draft Fan)19が設けられている。
【0022】
煙道13は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。煙道13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器20A,20B,20C、再熱器21A,21B、節炭器22(22A,22B)が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
【0023】
煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト23が連結されている。ガスダクト23は、空気ダクト18との間にエアヒータ(空気予熱器)24が設けられ、空気ダクト18を流れる空気と、ガスダクト23を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ14A〜14Eに供給する燃焼用空気を昇温することができる。
【0024】
また、煙道13は、エアヒータ24より上流側の位置に脱硝装置25が設けられている。脱硝装置25は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道13内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガスを窒素酸化物と還元剤との反応を促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。そして、煙道13に連結されるガスダクト23は、エアヒータ24より下流側の位置に煤塵処理装置(電気集塵機、脱硫装置)26、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)27などが設けられ、下流端部に煙突28が設けられている。
【0025】
一方、複数の粉砕機16A〜16Eが駆動すると、生成された微粉燃料が搬送用ガスと共に微粉炭供給管15A〜15Eを通して燃焼バーナ14A〜14Eに供給される。また、石炭焚きボイラ10から排出された排ガスとエアヒータ24で熱交換することで、加熱された燃焼用空気(酸化性ガス)が空気ダクト18から風箱17を介して各燃焼バーナ14A〜14Eに供給される。すると、燃焼バーナ14A〜14Eは、微粉燃料と搬送用ガス(一次空気、酸化性ガス)とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。なお、酸化性ガスとして、本実施形態では空気を用いる。空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、燃料流量との適正化を図ることで使用可能になる。
【0026】
その後、燃焼ガスは、煙道13に配置される過熱器20A,20B,20C、再熱器21A,21B、節炭器22(22A,22B)で熱交換した後、脱硝装置25により窒素酸化物が還元除去され、煤塵処理装置26で粒子状物質が除去されると共に硫黄分が除去された後、煙突28から大気中に排出される。
【0027】
(炉底部、管寄せ部)
図2は、一実施形態におけるボイラの炉底部の近傍を表す概略構成図である。図3は、一実施形態におけるボイラの管寄せ部の近傍を表す概略構成図である。図2に示されるように、火炉11は、その下部に炉底部30を有している。炉底部30は、燃焼装置12(図1参照)よりも下方に設けられており、その内部に下方に向かうにつれて炉内断面積が徐々に小さくなるように構成されて最下端には底部開口部31が形成されている。底部開口部31の下方には、クリンカホッパ32が設けられる。石炭焚きボイラ10では、微粉燃料の燃焼によって生成される灰が塊状となったクリンカが火炉11の内壁面などで付着して成長するものがある。成長したクリンカは火炉11内の温度変化や熱膨張差などにより内壁面より脱落して炉底部30へと落下する場合があり、クリンカホッパ32は、炉底部30から排出した落下したクリンカを水冷して貯留するように構成されている。
【0028】
図2、3に示されるように、石炭焚きボイラ10の管寄せ部33(入口管寄せ)は、炉底部30よりも下方、且つ、火炉11の外部に配置されている。管寄せ部33に接続された少なくとも一つの連結管34は、上方に向かって延びるように設けられ、上述した炉底部30を構成する火炉壁管35(蒸発管)に接続されている。つまり、連結管34は、管寄せ部33と火炉壁管35との間に設けられ、これらを接続するように構成されている。
【0029】
図3に示されるように、火炉壁管35に復水器36から蒸気を生成するための水(ボイラ給水)が給水されるように構成されている。復水器36は、石炭焚きボイラ10で生成した蒸気により運転されるように構成された不図示の蒸気タービンを回転駆動して排出された蒸気が導入されるように構成されている。復水器36に導入された蒸気は、復水器36において冷却水(例えば、海水)により冷却されて復水となる。
【0030】
復水器36は、第1給水ライン37を介して終端は上述した節炭器22に連結されている。節炭器22は、第2給水ライン38を介してドラム39に連結されている。ドラム39は、第3給水ライン40を介して管寄せ部33に連結されている。第1給水ライン37には、給水ポンプ41が設けられている。給水ポンプ41を駆動させて昇圧することにより、復水器36の水は、第1給水ライン37、第2給水ライン38、第3給水ライン40および連結管34をこの順に通過して、火炉壁管35に送られる。
【0031】
図3に示されるように、第1給水ライン37の、給水ポンプ41よりも水の流れ方向における上流側(復水器36側)には、低圧給水ヒータ42および脱気器43が設けられる。脱気器43は、低圧給水ヒータ42と給水ポンプ41との間に設けられる。第1給水ライン37の、給水ポンプ41よりも水の流れ方向における下流側(節炭器22側)には、高圧給水ヒータ44が設けられる。節炭器22は、高圧給水ヒータ44とドラム39との間に設けられる。火炉壁管35に供給される水は、節炭器22により蒸気化しない所定温度まで予熱され、連結管34や火炉壁管35を通過する際に加熱されて飽和蒸気となった後に、ドラム39に戻される。
【0032】
(オリフィス)
図4は、一実施形態におけるボイラ内の熱交換器の配管として、例えば火炉壁管への連結管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。
図4に示されるように、連結管34の内部には、火炉壁管35(図3参照)を流れる流体の流量に圧力損失を付加して、各火炉壁管35を流れる流体間の流量が略同じ流量になるよう調整するためのオリフィス45(絞り部)が設けられる。図示される実施形態では、連結管34は、筒状の下側連結管46と、下側連結管46よりも鉛直上方側に、下側連結管46に対して鉛直下側から鉛直上側方向に沿って直列に並ぶように配置される筒状の上側連結管47と、を含んでいる。下側連結管46や上側連結管47は、連結管34の軸方向(連結管34の軸線LAが延在する方向)に沿って延在し、且つ、鉛直下側から鉛直上側方向に沿って延在している。オリフィス45は、下側連結管46の上端部461と上側連結管47の下端部471との間に、中央に厚さ方向に沿って貫通する貫通孔481(オリフィス孔)を有する円板状のオリフィスプレート48である。オリフィスプレート48は、外周縁部482を挟み込んで、オリフィスプレート48を下側連結管46および上側連結管47に例えば溶接により接合することで形成されている。上記溶接では、オリフィスプレート48の外周面483と、二本の連結管34(下側連結管46、上側連結管47)とが、連結管34の周方向に沿って溶接される。上記溶接が施された部分であり、熱影響部がある領域をオリフィス溶接部49とする。
【0033】
図4に示されるように、下側連結管46の内壁面462により画定される内部空間463は、オリフィスプレート48の貫通孔481を介して、上側連結管47の内壁面472により画定される内部空間473に連通している。貫通孔481の孔径(最小径)は、下側連結管46や上側連結管47の内径(最小内径)よりも小さく構成されている。図示される実施形態では、連結管34を流れる流体は、鉛直下側から鉛直上側の方向における下方側から上方側に向かって流れる。すなわち、連結管34を流れる流体は、下側連結管46を上方側に向かって流れて、貫通孔481を通過した後に、上側連結管47を上方側に向かって流れる。
【0034】
上述したように、節炭器22出口や火炉11入口付近などにおいて、配管5を構成する部材の鉄成分の溶解度が低下し、配管5内を流れる流体(水、蒸気)中の鉄成分が過飽和状態となる場合があるため、流体中に溶出や溶融していた鉄成分が飽和量以上になると粒子状に析出する場合がある。上記粒子状の鉄成分は、例えば図4に示されるように、連結管34(配管5)の内部に付着してスケールSC(堆積物)となるものがある。以下、配管5として主に連結管34を例に説明するが、配管5は、石炭焚きボイラ10の火炉壁管35の伝熱管51を流れる上記流体を流通させる配管であり、その内部に上記流体を流すための流路が形成されていれば連結管34以外の配管であってもよい。配管5は、図3に示されるように、例えば火炉壁管35などの連結管34以外の伝熱管51や、第1給水ライン37を構成する配管である第1給水管371、第2給水ライン38を構成する配管である第2給水管381、第3給水ライン40を構成する配管である第3給水管401などの伝熱管51以外の配管を含んでもよい。
【0035】
配管5には、図4に示されるように、その内部にスケールSCが局所的に付着した場合を示していて、スケールSCが堆積する部分であるスケール付着部52(スケールが付着する部分)が存在している状態を示している。スケール付着部52としては、例えば配管5の狭隘部53が挙げられる。狭隘部53は、配管5の他の部分よりも流路断面積が小さく構成されている。このため、配管5を流れる流体は、狭隘部53を通過する際に縮流し、その流速が速くなるため、流体の流れ方向において狭隘部53の上流側の部分に流体中に含まれる析出し易いマグネタイトなどの鉄成分がスケールSCとなって付着し始めて上流側へと成長し易い。図示される実施形態では、例えば図4に示されるように、狭隘部53は、上述したオリフィス45を含んでいる。この場合には、スケールSCは、オリフィスプレート48の上流側の面484であって、下側連結管46の内部空間463に面する面484の内周縁部485に付着し易い。図4に示されるように、オリフィス45(狭隘部53)にスケールSCが付着、堆積すると、オリフィス45の貫通孔481の孔径よりもさらに流路断面積が小さくなる。なお、狭隘部53のオリフィス45以外の例については、後述する。
【0036】
(配管内部の清掃方法)
図5は、一実施形態にかかる配管内部の清掃方法の一例を示すフロー図である。図6は、一実施形態における連結管の概略断面図であって、スケールの除去を説明するための概略断面図である。配管内部の清掃方法1は、例えば石炭焚きボイラ10の火炉壁管35の伝熱管51を流れる流体(水、蒸気)が流通する上述した配管5の清掃方法である。
【0037】
幾つかの実施形態にかかる配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、配管5に清掃器具6を挿入する貫通孔54(横孔)を形成する貫通孔形成ステップS1と、清掃器具6により配管5の内部に付着するスケールSCを除去するスケール除去ステップS2と、を少なくとも備えている。また、図示される実施形態では、配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、貫通孔54にプラグ7を挿入して貫通孔54を閉塞するプラグ挿入ステップS3と、プラグ7の先端部71の位置を調整する位置調整ステップS7と、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合する溶接ステップS4と、配管5に液体を供給し、配管5の水位をスケール付着部52(スケールが付着する部分)よりも上昇させる給水ステップS5と、給水ステップS5により配管5の内部に貯留された液体を排出する排水ステップS6と、をさらに備えている。
【0038】
以下、配管5として連結管34を例に挙げて狭隘部53であるオリフィス45に付着したスケールSCの除去について説明する。図2、3に示されるように、オリフィス45は、火炉11の外側、具体的には火炉11の炉底部30より鉛直方向の下方側に設けられるため、スケールSCの除去作業は、架台(足場)などを用いて火炉11の外側で行われる。なお、配管内部の清掃方法1は、連結管34以外の配管5にも適用可能である。
図6に示されるように、貫通孔形成ステップS1では、配管5の側壁56に内外を連通する貫通孔54が配管5の外部から形成される。図示される実施形態では、貫通孔54は、下側連結管46(配管5)の軸方向に交差する方向に沿って延在している。「或る方向に交差する方向」は、或る方向に直交する方向を含むものであり、且つ、上記直交する方向に対して傾斜する方向をも含むものである。
【0039】
図6に示されるように、スケール除去ステップS2では、清掃器具6を配管5の外部から貫通孔54に挿入した後に、清掃器具6を配管5の外部から操作してスケール付着部52(図6では、オリフィスプレート48の上流側の面484)に付着したスケールSCを除去することが行われる。清掃器具6には、例えばL字状の折り曲げた針金60や、上記針金60の先端部61にブラシやヘラ等を付けたものなどが含まれる。針金60の先端部61やブラシやヘラ等により、スケール付着部52に付着したスケールSCをこすり落とすことにより、スケールSCが除去される。貫通孔54は、スケールSCにアクセスして、清掃器具6の挿入やスケールSCを除去するための操作が可能な大きさに形成されている。
【0040】
図6に示されるように、配管5の軸方向において、配管5の狭隘部53(スケール付着部52)を含む2点鎖線で囲んだ領域AR1と、配管5の貫通孔54が形成された貫通孔形成部541を含む2点鎖線で囲んだ領域AR2と、が隣接している。
【0041】
清掃器具6によりスケールSCを除去した後に、図6に示されるような、例えばファイバースコープなどの点検器具63を配管5の外部から貫通孔54に挿入し、スケール付着部52に付着したスケールSCが除去されたことを確認してもよい。
【0042】
幾つかの実施形態にかかる配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、上述した貫通孔形成ステップS1と、上述したスケール除去ステップS2と、を備えている。この場合には、配管5に清掃器具6を挿入する貫通孔54を設けることで、配管5の外部から配管5内のスケール付着部52への清掃器具6のアクセスが容易となる。このため、清掃器具6を貫通孔54に挿入し、清掃器具6によりスケール付着部52のスケールSCを除去する作業を容易に行うことができる。また、貫通孔54を形成する作業も容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管5の内部に付着するスケールSCの除去作業にかかる時間を短縮することができる。例えば、一つのボイラプラントに存在する複数箇所のスケール付着部52の全てのスケール除去作業を数日で終わらすことができる。
【0043】
図5に示されるように、スケール除去ステップS2の後には、貫通孔54をプラグ7により封止するために、プラグ挿入ステップS3と、溶接ステップS4とをこの順に行うようにしてもよい。
【0044】
図7は、一実施形態における連結管の概略断面図であって、貫通孔の封止を説明するための概略断面図である。
図7に示されるように、プラグ挿入ステップS3では、貫通孔54にプラグ7を挿入して貫通孔54を閉塞することが行われる。プラグ7は、プラグ7の軸線LBの軸方向に沿って延びる中実の棒状部分が貫通孔54を通過する部分に含むように形成されている。プラグ挿入ステップS3では、プラグ7の軸方向における一方側が配管5の外部から貫通孔54に挿入される。このため、プラグ7は、貫通孔54に挿入される先端部71と、貫通孔54に挿入されないで配管5の外部に露出する基端部72と、を含んでいる。図7に示される実施形態では、先端部71の端面711は、プラグ7の軸線LBに対して交差する方向に沿って延在している。プラグ7の軸線LBは、貫通孔54に挿入された際に、貫通孔54の中心軸CAに沿って延在するようになっている。
【0045】
図7に示されるように、溶接ステップS4では、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合することが行われる。上記シール溶接では、プラグ7の基端部72の先端部71側の外周面73と、配管5の周縁部55とが、プラグ7の周方向に沿って隅肉溶接により溶接される。上記シール溶接が施された部分であり、熱影響部がある領域を溶接部8とする。
【0046】
貫通孔54をプラグ7を用いずに肉盛溶接により閉塞することも可能であるが、肉盛溶接は溶接施工時の配管5への入熱量が多いため、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、伝熱管51(ボイラ10内の熱交換器の配管)を流通する流体の循環路上に銅を含む合金材料により形成される機器が存在する場合には、機器から流体に銅成分が溶出した際に、配管5の貫通孔54が形成された貫通孔形成部541を含む領域AR2まで移動して上記領域AR2における配管5の内壁面57に付着している可能性がある。この場合には、貫通孔54を肉盛溶接により閉塞すると、溶接施工時の配管5への入熱により内壁面57に付着した銅成分から銅が混入して溶融温度が低下し易くなり、母材の結晶粒界に沿って溶融材が浸透して割れを発生させるはんだ脆性を発生する虞がある。また、貫通孔54を肉盛溶接により閉塞する場合には、配管5の内壁面57に裏波が発生し、上記裏波により配管5内を流れる流体の流れが乱れる虞がある。
【0047】
幾つかの実施形態では、上述した配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、上述した貫通孔形成ステップS1と、上述したスケール除去ステップS2と、上述したプラグ挿入ステップS3と、上述した溶接ステップS4と、を備えている。この場合には、貫通孔54をプラグ7により閉塞し、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合することで、配管5の内部の流体が貫通孔54から漏洩することを防止することができる。また、上記の方法によれば、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔54を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、溶接施工時の配管5への入熱量を低減することができる。溶接施工時の配管5への入熱量を低減することで、はんだ脆性の発生を抑制し、配管5やプラグ7の溶接熱影響部、および溶接部8での強度低下を抑制することができる。
【0048】
また、上記の方法によれば、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔54を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、配管5の内壁面57に裏波(ビードが反対側に溶出する)が発生することを抑制することができる。裏波の発生を抑制することで、裏波により配管5内を流れる流体の流れが乱れることを抑制することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、上述した配管内部の清掃方法1における配管5は、例えば図6に示されるように、配管5の他の部分よりも流体が流通する流路断面積が小さく構成されている上述した狭隘部53を有している。上述した貫通孔54は、狭隘部53に対して流体の流れ方向における上流側に設けられる。図6に示される実施形態では、貫通孔54は、下側連結管46に形成される。つまり、本実施形態では貫通孔54は、オリフィス45(狭隘部53)よりも鉛直方向下側の配管5に設けられる。この場合には、貫通孔54は、配管5の他の部分よりも流路断面積が小さく構成されている狭隘部53の上流側に設けられる。配管5を流れる流体は、狭隘部53を通過する際に縮流し、その流速が速くなるため、狭隘部53の上流側の部分に流体中に含まれて析出し易いマグネタイトなどの鉄成分がスケールSCとなって付着して成長し易い。貫通孔54を狭隘部53の上流側に設けることで、配管5の外部から狭隘部53のスケールSCが付着した部分への清掃器具6のアクセスが容易となり、清掃器具6により狭隘部53の上流側の部分に付着したスケールSCの除去作業を容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、スケールSCが付着しやすい狭隘部53に付着したスケールSCを除去できるため、スケールSCの除去作業を効果的に行うことができる。
【0050】
なお、他の幾つかの実施形態では、上述した貫通孔54を狭隘部53よりも鉛直上側方向(例えば図6の上側連結管47)に形成してもよい。すなわち、貫通孔54を狭隘部53に対して流体の流れ方向における下流側に設けて、清掃器具6の先端形状を工夫することにより、貫通孔54から狭隘部53を通して、狭隘部53の鉛直下側方向に成長したスケールSC落とすように除去もよい。
【0051】
図8、9の夫々は、狭隘部の一例を説明するための配管の概略断面図である。
幾つかの実施形態では、上述した配管内部の清掃方法1における狭隘部53は、図6、8、9に示されるような、上述したオリフィス45、バルブ(例えばバタフライ弁型のバルブなど)531、又はスケールSCが堆積したスケール堆積部532の少なくとも一つを含んでいる。オリフィス45、バルブ531およびスケール堆積部532の夫々は、配管5において局所的にスケールSCが堆積する部分である。
【0052】
図6に示される実施形態では、狭隘部53は、上述したオリフィス45を含んでいる。スケールSCは、オリフィスプレート48の上流側に位置し、且つ、下側連結管46の内部空間463に面する面484の内周縁部485に付着し易い。
【0053】
図8に示される実施形態では、狭隘部53は、配管5に設けられるバルブ531を含んでいる。スケールSCは、配管5を流れる流体の流れを調整するバルブ531のバタフライ弁体周囲などの開閉機構部533に付着し易い。なお、バルブ531は、図8に示される構造以外の構造であってもよい。
【0054】
図9に示される実施形態では、狭隘部53は、配管5の内部にスケールSCが堆積したスケール堆積部532を含んでいる。スケール堆積部532は、図9に示されるように、配管5の内壁面57にスケールSCが付着することで生じ、流路断面積を減少させる。流路断面積が減少するにつれて、スケール堆積部532にスケールSCが付着し易くなる。
【0055】
上記の方法によれば、狭隘部53は、オリフィス45、バルブ531、又はスケール堆積部532の少なくとも一つを含むので、清掃器具6によりオリフィス45、バルブ531、又はスケール堆積部532に付着したスケールSCを除去する作業を容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、スケールSCが付着しやすいオリフィス45やバルブ531、スケール堆積部532に付着したスケールを除去できるため、スケールの除去作業を効果的に行うことができる。
【0056】
(缶水ブロー)
図5に示されるように、溶接ステップS4の後に、給水ステップS5と、排水ステップS6と、をこの順に行うようにしてもよい。なお、給水ステップS5と排水ステップS6を一回ずつ行うようにしてもよいし、給水ステップS5と排水ステップS6を一セットとして、複数セット行うようにしてもよい。また、給水ステップS5および排水ステップS6を、スケール除去ステップS2よりも後であって、プラグ挿入ステップS3又は溶接ステップS4よりも前に行うようにしてもよい。この際には、仮設でもよいが貫通孔54から液体が漏れないように貫通孔54を封止することが好ましい。
【0057】
給水ステップS5では、配管5に液体を供給し、配管5の水位WLをスケール付着部52(スケールが付着する部分)よりも上げることが行われる。図3に示される実施形態では、給水ステップS5において、給水ポンプ41を駆動させ、復水器36の水をスケール付着部52であるオリフィス45が設けられた連結管34(配管5)に送り込む。給水ポンプ41により送り込まれる水により、配管5の水位WLを、連結管34のオリフィス45(スケール付着部52)よりも上方に位置する、図中2点鎖線で示す水位WL1まで上昇させる。給水ポンプ41から送り込まれる水の水流により、スケールSCがこすり落とされる際に、粉砕された後にスケール付着部52付近に再付着しているスケールSCや、スケール付着部52からスケールSCが粉砕されて多くが剥離しながらも一部が付着しているスケールSCを剥がして水中へ落とすことができる。なお、他の幾つかの実施形態では、給水ステップS5において、復水器36の水以外の液体を配管5に供給してもよい。
【0058】
排水ステップS6では、給水ステップS5により配管5の内部に貯留された液体を排出することが行われる。図3に示される実施形態では、排水ステップS6において、管寄せ部33に設けられたブローバルブ331を開放する。これにより、給水ステップS5により管寄せ部33や連結管34に貯留された水が、管寄せ部33の底部から噴出して、管寄せ部33や連結管34から排出される。
【0059】
幾つかの実施形態では、例えば図6に示されるように、上述した連結管34(配管5)は、鉛直下側から鉛直上側方向に沿って延在し、且つ、流体が鉛直方向における下方側から上方側に向かって流れるように構成されている。この場合には、スケールSCは、オリフィス45(狭隘部53)の鉛直方向の下側の部分(例えば、オリフィスプレート48の上流側の面484)に付着し、堆積する。上記の構成によれば、スケール除去ステップS2において、清掃器具6によりこすり落とされたスケールSCは、重力方向に沿って鉛直下方側に落下する。そして、排水ステップS6において、清掃器具6によりこすり落とされて重力方向に沿って落下したスケールSCを排水とともに系外に排出して効果的に回収除去することができる。このため、オリフィス45の周囲に除去したスケールSCが残留することを抑制することができるので、スケールSCを効果的に除去することができる。
また、上記の構成によれば、連結管34(例えば、下側連結管46)に貫通孔54をドリルなどで形成する際に発生する配管材の切粉も、スケールSCと同様に重力方向に沿って下方に落下するため、排水ステップS6において、重力方向に沿って落下した切粉を排水とともに系外に排出して効果的に回収除去することができる。
【0060】
幾つかの実施形態では、上述した配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、上述した給水ステップS5と、上述した排水ステップS6と、をさらに備えている。この場合には、配管5に液体(給水)を供給し、配管5の水位WLをスケール付着部52よりも鉛直上方へ上げた後に、配管5の内部に貯留された液体を排出することで、スケールSCがこすり落とされる際に、粉砕された後にスケール付着部52付近に再付着しているスケールSCや、スケール付着部52からスケールSCが粉砕さて多くが剥離しながらも一部がスケール付着部52に付着しているスケールSCを流して液体中へ落とすことができる。また、配管5の内部に貯留された液体を排水とともに系外に排出する際に、清掃器具6によりスケール付着部52から取り除かれたスケールSCや、貫通孔54を形成する際に発生する切粉も排水とともに系外に排出することができる。
【0061】
配管の清掃の後に、配管5の内壁面57とプラグ7の先端部71との位置関係により、配管5を流れる流体の流れに影響を与える虞がある。例えば、プラグ7の先端部71が配管5の内壁面57よりも過度に突出していると、配管5を流れる流体がプラグ7の先端部71に衝突して剥離流れが発生したり、プラグ7より後流側では剥離流れが発生する場合があり、上記流体の流れに大きな乱れが生じる虞がある。また、プラグ7の先端部71が配管5の内壁面57よりも過度に凹んでいると、配管5を流れる流体が貫通孔54に入り込んで逆流を生じさせて、上記流体の流れに渦流れを発生させる場合があるため、上記流体の流れに大きな乱れが生じる虞がある。このため、上述した配管内部の清掃方法1は、図5に示されるように、プラグ挿入ステップS3と溶接ステップS4との間に、プラグ7の貫通孔54への挿入量を調整することにより、プラグ7の先端部71の位置を調整するステップ(位置調整ステップS7)を行うようにしてもよい。位置調整ステップS7では、プラグ7の先端部71の端面711が配管5の内壁面57に対して、過度に突出したり凹んだりしないように、プラグ7の先端部71の端面711の位置を配管5の内壁面57に揃えることが行われる。この場合には、位置調整ステップS7により、プラグ7の先端部71の位置を調整することで、プラグ7の先端部71の周囲を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができ、ひいては配管5を流れる流体の流量の低下を抑制することができる。
【0062】
(配管構造)
幾つかの実施形態にかかる配管構造2は、図7に示されるように、上述した配管5と、上述したプラグ7と、上述した溶接部8と、を備えている。配管5は、上述した貫通孔54が形成された貫通孔形成部541と、オリフィス45、バルブ531又はスケール堆積部532の少なくとも一つを含む上述した狭隘部53と、を含んでいる。プラグ7は、貫通孔54に挿入されて貫通孔54を閉塞させる上述した先端部71と、貫通孔54に挿入されない上述した基端部72と、を含んでいる。溶接部8は、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7の基端部72とをシール溶接により接合している。配管5の軸線LAに沿う軸方向において、配管5の狭隘部53(スケール付着部52)を含む領域AR1と、配管5の貫通孔形成部541を含む領域AR2と、が隣接している。
【0063】
図示される実施形態では、図7に示されるように、領域AR1における配管5の内壁面57の内径をD1とし、貫通孔54の中心軸CAと狭隘部53(スケール付着部52)との間の配管5の軸線LAに沿う軸方向における距離をD2としたときに、D1>D2の条件を満たす。
【0064】
上記の構成によれば、配管5は、清掃器具6が挿入する貫通孔54が形成された貫通孔形成部541と、配管5の他の部分よりも流路断面積が小さく構成されている配管5の狭隘部53とを含んでいる。配管5の狭隘部53は、オリフィス45、バルブ531又はスケール堆積部532の少なくとも一つを含んでいる。配管5を流れる流体は、狭隘部53を通過する際に縮流し、その流速が速くなるため、狭隘部53(オリフィス45、バルブ531、スケール堆積部532)に、流体中に含まれて析出し易いマグネタイトなどの鉄成分がスケールとなって付着し成長し易い。配管5の軸線LAに沿う軸方向において、配管5の狭隘部53を含む領域AR1と配管5の貫通孔形成部541を含む領域AR2とが隣接しているので、配管5の外部から貫通孔54により狭隘部53のスケールが付着した部分への清掃器具6のアクセスが容易となる。このため、清掃器具6を貫通孔54に挿入し、清掃器具6により狭隘部53に付着したスケールSCを除去する作業を容易に行うことができる。よって、上記の構成によれば、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管5の狭隘部53に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる。
【0065】
また、上記の構成によれば、配管構造2は、配管5の他に、貫通孔54に挿入されて貫通孔54を閉塞させる先端部71および貫通孔54に挿入されない基端部72を含むプラグ7と、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7の基端部72とをシール溶接により接合する溶接部8と、を備えている。このような配管構造2は、貫通孔54をプラグ7により閉塞し、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合することで、配管5の内部の流体が貫通孔54から漏洩することを防止することができる。また、上記の構成によれば、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔54を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、溶接施工時の配管5への入熱量を低減することができる。溶接施工時の配管5への入熱量を低減することで、はんだ脆性の発生を抑制し、配管5やプラグ7の溶接熱影響部、および溶接部8での強度低下を抑制することができる。
【0066】
また、上記の構成によれば、配管5の貫通孔54の周縁部55とプラグ7とをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔54を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、配管5の内壁面57に裏波(ビードが反対側に溶出する)が発生することを抑制することができる。裏波の発生を抑制することで、裏波により配管5内を流れる流体の流れが乱れることを抑制することができる。
【0067】
図10は、第1の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図10に示されるように、上述した配管5の溶接部8に接合される周縁部55は、配管5の径方向外側に向かうにつれて貫通孔54の中心軸CAからの距離が大きくなるように構成された傾斜面551を含む。図示される実施形態では、傾斜面551は、配管5の周方向の全周に亘り設けられており、シール溶接をする前には、プラグ7の径方向において、傾斜面551とプラグ7との間に隙間が形成されるようになっている。この場合には、配管5の溶接部8に接合される周縁部55が傾斜面551を含むことにより、傾斜面551に溶接材の溶け込み領域をより広く形成できるようになり、傾斜面551とプラグ7との間まで溶接部8を拡げることができるため、溶接部8の溶接脚長LLを長いものとすることができる。図7に示される周縁部55は、貫通孔54の中心軸CAに沿う軸方向に直交する方向に沿って延在しているため、図7に示される溶接部8の溶接脚長LL1は、図10に示される溶接部8の溶接脚長LLよりも短い。上記の構成によれば、溶接部8の溶接脚長LLを長いものとすることで、配管5の内圧が高圧(例えば10MPa以上、更には50MPa以上の超高圧)となる場合であっても、溶接部8およびプラグ7により貫通孔54を好適に封止することができる。
【0068】
(プラグの先端部の位置調整)
図11は、第2の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
上述したように、配管5の内壁面57とプラグ7の先端部71との位置関係により、配管5を流れる流体の流れに影響を与える虞があるため、先端部71の位置管理が重要となる。幾つかの実施形態では、図11に示されるように、上述したプラグ7の基端部72は、貫通孔54よりも外径が大きい大径部721を含む。
【0069】
図示される実施形態では、配管5の貫通孔54の周縁部55は、貫通孔54の中心軸CAに交差する方向に沿って延在している。プラグ7の大径部721の先端側の面722は、プラグ7の軸方向に交差する方向に沿って延在している。プラグ7を貫通孔54に挿入した際に、プラグ7の面722が配管5の周縁部55の内周側部分552に当接する。このため、配管5の貫通孔形成部541の厚さや、プラグ7の先端部71の端面711から上記面722までの軸方向LBに沿う長さにより、プラグ7を貫通孔54に挿入した際における、配管5の内壁面57とプラグ7の先端部71との位置関係が一意に決まるようになっている。周縁部55の内周側部分552よりも外周側の部分553は、プラグ7の上記外周面73とプラグ7の周方向に沿って隅肉溶接によるシール溶接より溶接される。シール溶接は、図10で示したように、配管5の溶接部8に接合される周縁部55に傾斜面551を設けることで、傾斜面551に溶接材の溶け込み領域をより広く形成して、傾斜面551とプラグ7との間まで溶接部8を拡げ、溶接脚長を長くしてもよい。
【0070】
上記の構成によれば、プラグ7の基端部72は、貫通孔54よりも外径が大きい大径部721を含む。この場合には、プラグ7を貫通孔54に挿入した際に、大径部721の先端側の面722が配管5の貫通孔54の周縁部55と係止することで、貫通孔54へのプラグ7の挿入量が制限されるため、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57に対する位置を容易に適正なものとすることができる。
【0071】
図12は、第3の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図12に示されるように、上述した配管5の外壁面58と上述したプラグ7の大径部721との間に挟まれるシム部材9をさらに備える。
図示される実施形態では、シム部材9は、環状又は円弧状に形成された金属製の板状部材である。シム部材9は、プラグ7を貫通孔54に挿入した際に、配管5の外壁面58と大径部721の面722との間に挟み込まれる。プラグ7は、配管5との間にシム部材9を挟み込んだ状態で、外周面73が周縁部55の外周側の部分553とプラグ7の周方向に沿って隅肉溶接によりシール溶接される。なお、シム部材9は、溶接の際に溶けて配管5やプラグ7と混合してもよい。
【0072】
上記の構成によれば、配管5の外壁面58と大径部721との間に挟まれるシム部材9の厚さを調整することで、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57に対する位置を容易に調整することができるため、プラグ7の先端部71の位置精度の向上を図ることができる。また、プラグ7の先端部71の長さの異なるものを複数種類保有するのではなく、シム部材9の厚さの異なるものを複数種類保有することで、配管5の肉厚に合わせた調整が可能となるので、部品管理が容易になる。
【0073】
図13は、第4の変形例にかかる配管構造の概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図13に示されるように、上述したプラグ7の先端部71は、外周面712の少なくとも一部に貫通孔54に設けられた雌ネジ部542と螺合するように構成された雄ネジ部713を含んでいる。この場合には、プラグ7の先端部71は、外周面712の少なくとも一部に貫通孔54に設けられた雌ネジ部542と螺合するように構成された雄ネジ部713を含むので、プラグ7を1回転させると貫通孔54の中心軸CAに沿うプラグ7の軸方向にリード分だけ移動するようになっている。このため、プラグ7を回転させることで、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57に対する位置を容易に調整することができるため、プラグ7の先端部71の位置精度の向上を図ることができる。
【0074】
図14は、第5の変形例にかかる配管構造の配管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。図15は、第5の変形例にかかる配管構造の配管の軸方向に直交する断面を概略的に表す概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図15に示されるように、上述したプラグ7の先端部71は、配管5の軸方向に直交する断面において、端面711が配管5の内壁面57に沿う凹み形状を有する。
【0075】
図示される実施形態では、プラグ7の端面711は、図15に示されるような、配管5の軸線LA方向に直交する断面(図15参照)における曲率半径R1が配管5の内壁面57の曲率半径R2とほぼ同一になるように構成され、図14に示されるような、配管5の軸線LAを含む軸方向(長手方向)に沿った断面における凹凸がほぼ無くなるように構成されている。図14、15に示される実施形態では、端面711は、配管5の内壁面57の周方向の一部を構成するような、内壁面57に沿った湾曲形状を有している。端面711は、配管5の軸線LAを含む軸方向(長手方向)に沿った断面形状が直線状に形成され、配管5の軸方向に直交する断面形状が配管の径方向外側に向かって凹む円弧状に形成されている。また、プラグ7の端面711は、配管5の内壁面57とほぼ面一となるように構成されている。或る実施形態では、図15に示されるような配管5の軸方向に直交する断面において、端面711の曲率半径R1と、配管5の内壁面57の曲率半径R2との差が±10%以内となるように構成されている。
【0076】
上記の構成によれば、プラグ7の先端部71は、配管5の軸方向に直交する断面において、端面711が配管5の内壁面57に沿った湾曲形状にほぼ面一となる凹み形状を有するので、配管5の内壁面57に対して過度に突出する部分や過度に凹む部分が生じることを抑制し、配管5の内壁面57に対する位置の分布を均等なものにすることができる。このため、先端部71の周囲を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。流体の流れに乱れが生じることを抑制することで、配管5を流れる流体の流量の低下を抑制することができる。
【0077】
図16は、第5の変形例にかかる配管構造をプラグの軸方向に沿って視認した平面視図である。
幾つかの実施形態では、上述したプラグ7の基端部72は、図16に示されるように、外周面723又は端面724の少なくとも一方に、上述した貫通孔54の中心軸CAに対する取付角度を示すマーク74が設けられている。
【0078】
図示される実施形態では、配管5の周縁部55(外壁面58)にもマーク59が設けられている。そして、上述したプラグ7のマーク74および配管5のマーク59の夫々は、例えば鉛直上側または下側方向に沿って延在する線を含んでいる。なお、他の幾つかの実施形態では、マーク74やマーク59の夫々は、例えば水平方向に沿って延在する線を含んでいてもよい。作業者は、マーク74とマーク59とを視認して、プラグ7を回転させてマーク74の周方向位置をマーク59の周方向位置に揃えることで、プラグ7の貫通孔54の中心軸CAに対する取付角度を容易に適切な角度に調整することができる。
【0079】
例えば図14、15に示されるような、先端部71が配管5の軸方向に直交する断面において、先端部71の端面711が凹み形状を有するプラグ7にマーク74を設け、マーク74とマーク59の周方向位置を揃えることで、貫通孔54に対してプラグ7の周方向位置を迅速に合わせることができ、且つ、配管5の内壁面57に対してプラグ7の端面711の凹み形状が周方向にずれることを抑制することができる。
【0080】
なお、マーク74やマーク59は、同じ周方向位置を示すようになっていればよく、水平方向に沿って延在してもよい。また、マーク59は、例えばレーザーマーカーなどの不図示の表示装置により一時的に表示されるものであってもよい。また、作業者は、プラグ7に設けられたマーク74と例えば角度計などの角度を測定する機器を用いて、プラグ7の貫通孔54の中心軸CAに対する取付角度を調整してもよい。
【0081】
上記の構成によれば、プラグ7の基端部72の外周面723又は端面724の少なくとも一方に、貫通孔54の中心軸CAに対する取付角度を示すマーク74が設けられているので、作業者は、マーク74を視認することにより、プラグ7の貫通孔54の中心軸CAに対する取付角度を容易に把握することができる。例えば、図13に示されるような、先端部71の外周面712の少なくとも一部に雄ネジ部713が設けられたプラグ7にマーク74を設けて、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57に対する適切な位置になる位置にマーク59を設けておくことで、プラグ7の回転量や回転量に対応する軸方向への送り量を適正に調整することができるため、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57に対する位置の調整を迅速に行うことができる。また、図14、15に示されるような、先端部71が配管5の軸方向に直交する断面において、先端部71の端面711が凹み形状を有するプラグ7にマーク74を設けてあるので、貫通孔54に対してプラグ7の周方向位置を迅速に合わせることができる。
【0082】
図17は、第6の変形例にかかる配管構造を配管の軸線を含む軸方向に沿った断面を概略的に表す概略断面図である。図18、19の夫々は、プラグの先端部と配管の内壁面との位置関係による配管の流れの変化を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、上述したプラグ7の先端部71は、例えば図14、17に示されるように、上述した配管5の内壁面57と面一、もしくは内壁面57よりも僅かに突出するように構成されている。図14に示される実施形態では、プラグ7の先端部71は、上述した配管5の内壁面57と面一となるように構成されている。図17に示される実施形態では、プラグ7の先端部71は、上述した配管5の内壁面57よりも配管5の径方向内側に向かって僅かに突出するように構成されている。或る実施形態では、図17に示されるように、僅かに突出する構成とは、プラグ7の先端部71の配管5の内壁面57からの突出長さをD3としたときに、D3<5%D1の条件を満たす。上記条件を満たす場合には、配管5の内壁面57よりも僅かに突出していると言える。
【0083】
図18においては、上述したプラグ7の先端部71が、配管5の内壁面57よりも配管5の径方向外側に向かって過度に凹むように構成されている状態を示している。そして、配管5の流体が流れる内部空間50には、先端部71の端面711と貫通孔54の内周面543とにより画定された凹み空間501が含まれる。この場合には、凹み空間501に入り込んだ流体が逆流となる渦流を形成し、上記渦流により、配管5を流れる流体の流れに乱れを生じさせる虞がある。特に、貫通孔54がオリフィス45の上流側に設けられている場合には、オリフィス45を設ける目的である縮流の形成にあたって、渦流が大きくなると縮流の形成を阻害してオリフィス45の性能に支障をきたす虞がある。
【0084】
図19においては、上述したプラグ7の先端部71は、配管5の内壁面57よりも配管5の径方向内側に向かって過度に突出するように構成されている。そして、先端部71は、端面711と外周面712とがなす角部715を有している。この場合には、図19に示されるように、配管5の内壁面57に沿って流れる流体が、角部715により流れが衝突して上記内壁面57よりも下流側に位置する端面711から剥離して渦流を形成し、先端部71に面する空間502を流れる流体の流れに乱れを生じさせる虞がある。また、端面711に沿って流れる流体が、角部715により上記端面711よりもプラグ7より後流側では剥離流れが発生して下流側の内壁面57に沿って流れることを阻害されて渦流を形成することによっても、先端部71に面する空間502を流れる流体の流れに乱れを生じさせる虞がある。特に、貫通孔54がオリフィス45の上流側に設けられている場合には、オリフィス45のように縮流の形成を目的している場合には渦流が大きくなると縮流の形成を阻害して、オリフィス45の性能に支障をきたす虞がある。また、プラグ7の先端部71が、配管5の内壁面57よりも配管5の径方向内側に向かって突出するように構成されている方が、径方向外側に向かって凹むように構成されている方よりも、渦流れの発生が小さくなるので、先端部71に面する空間502を流れる流体の流れに乱れを生じさせる影響は小さくなる。
【0085】
上記の構成によれば、プラグ7の先端部71は、配管5の内壁面57と面一、又は内壁面57よりも僅かに突出するように構成されているので、仮にプラグ7の先端部71が配管5の内壁面57よりも僅かに凹んでいる場合に比べて、先端部71に面する空間に渦流が生じることをより抑制することができ、ひいては配管5を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。なお、上記構成は、上記渦流の形成が流体の流れへ与える影響が大きい場合により好適であり、上記渦流の形成が流体の流れへ与える影響があまり大きくない場合や、例えばオリフィス45のように縮流の形成を目的しているものとは異なる場合には、プラグ7の先端部71が、配管5の内壁面57よりも配管5の径方向外側に向かって僅かに凹むように構成されていてもよい。
【0086】
幾つかの実施形態では、上述したプラグ7の先端部71は、図17に示されるように、配管5の内壁面57よりも突出するように構成され、且つ、先端部71の外周縁部714の少なくとも一部に面取り形状を有している。
【0087】
図示される実施形態では、プラグ7は、図17に示されるように、先端部71の外周縁部714の全周に亘りC面取りが施され、端面711と外周面712との間に面取り部716が形成されている。面取り部716は、端面711や外周面712に対して交差する方向に延在している。他の幾つかの実施形態では、面取り部716は、R面取りが施されて凸曲面状に形成されていてもよいが、C面取りの方が好ましい。この場合には、図17に示されるように、配管5の内壁面57に沿って流れる流体を、内壁面57よりも下流側に位置する端面711に沿って流すことができる。また、端面711に沿って流れる流体を、端面711よりも下流側に位置する内壁面57に沿って流すことができる。つまり、配管5を流れる流体が内壁面57や端面711から剥離して渦流を形成することを抑制することができる。
【0088】
上記の構成によれば、先端部71の外周縁部714の少なくとも一部に面取り形状を有しているので、内壁面57に沿って流れる流体が、外周縁部714により内壁面57から剥離して渦流を形成することを抑制することができるため、先端部71に面する空間502を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。なお、上記構成は、上記渦流の形成が流体の流れへ与える影響が大きい場合に好適であり、上記渦流の形成が流体の流れへ与える影響があまり大きくない場合には、プラグ7の先端部71が、端面711と外周面712とがなす角部715を有していてもよい。
【0089】
幾つかの実施形態では、例えば図7に示されるように、上述した配管5の狭隘部53は、上述したオリフィス45を含み、オリフィス45は、配管5の軸方向に交差する方向に沿って延在する上述したオリフィスプレート48を含んでいる。上述した配管構造2は、図7に示されるように、上述した配管5と、上述したプラグ7と、上述した溶接部8と、オリフィスプレート48の外周面483と配管5とが配管5の周方向に沿って溶接された部分である上述したオリフィス溶接部49と、を備え、配管5の軸線LA方向に沿う方向において、オリフィス溶接部49と溶接部8との間に間隙Gが形成されるように構成されている。
【0090】
上記の構成によれば、配管構造2は、オリフィス45の外周面483と配管5とが配管5の周方向に沿って溶接された部分であり、溶接による熱影響部があるオリフィス溶接部49を備えるとともに、配管5の軸線LA方向において、オリフィス溶接部49と、プラグ7との溶接による熱影響部がある溶接部8との間に間隙Gが形成されるように構成されている。この場合には、配管5の軸線LA方向において、オリフィス45と貫通孔54との間に適度な間隔が設けられるため、貫通孔54に挿入する清掃器具6を用いた、オリフィス45に付着したスケールSCの除去作業を容易に行うことが可能となる。また、仮に配管5の軸線LA方向において、オリフィス溶接部49と溶接部8とが重なりあう場合には、溶接の熱影響部が重なるために、溶接の収縮ひずみにより溶接割れなどを生じる場合があり、配管5内部の流体の圧力が高い場合など外力が負荷された際に溶接割れを起点として脆性破壊する可能性が高くなる。よって、上記の構成によれば、配管5の軸線LA方向において、オリフィス溶接部49と溶接部8とが重らないようにすることで、溶接割れの発生を抑制し、且つ、脆性破壊を抑制することができる。
【0091】
幾つかの実施形態にかかる石炭焚きボイラ(ボイラ)10は、例えば図7に示されるような、上述した配管構造2を備える。この場合には、石炭焚きボイラ(ボイラ)10は、配管構造2を備えることにより、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管5(例えば、伝熱管51)の狭隘部53に付着するスケールSCの除去作業にかかる時間を短縮することができる。
【0092】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0093】
上述した実施形態では、本発明のボイラを石炭焚きボイラとしたが、固体燃料としては、バイオマスや石油コークス、石油残渣などを使用するボイラであってもよい。また、燃料として固体燃料に限らず、重質油などの油焚きボイラにも使用することができ、更には、燃料としてガス(副生ガス)も使用することができる。そして、これら燃料の混焼焚きにも適用することができる。
【0094】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0095】
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる配管内部の清掃方法(1)は、
ボイラ内の熱交換器(例えば伝熱管51)を流れる流体が流通する配管(5)内部の清掃方法であって、
上記配管(5)に清掃器具(6)を挿入する貫通孔(54)を形成するステップ(貫通孔形成ステップS1)と、
上記貫通孔(54)に上記清掃器具(6)を挿入し、上記清掃器具(6)により上記配管(5)の内部に付着するスケール(SC)を除去するステップ(スケール除去ステップS2)と、を備える。
【0096】
上記1)の方法によれば、配管に清掃器具を挿入する貫通孔を設けることで、配管の外部から配管内のスケールが付着した部分(スケール付着部52)への清掃器具のアクセスが容易となる。このため、清掃器具を貫通孔に挿入し、清掃器具によりスケールが付着した部分のスケールを除去する作業を容易に行うことができる。また、貫通孔を形成する作業も容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管の内部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる。
【0097】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の配管内部の清掃方法(1)は、
上記貫通孔(54)にプラグ(7)を挿入して上記貫通孔(54)を閉塞するステップ(プラグ挿入ステップS3)と、
上記配管(5)の上記貫通孔(54)の周縁部(55)と上記プラグ(7)とをシール溶接により接合するステップ(溶接ステップS4)と、をさらに備える。
【0098】
上記2)の方法によれば、貫通孔をプラグにより閉塞し、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合することで、配管の内部の流体が貫通孔から漏洩することを防止することができる。また、上記の方法によれば、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、溶接施工時の配管への入熱量を低減することができる。溶接施工時の配管への入熱量を低減することで、はんだ脆性の発生を抑制し、配管やプラグの溶接熱影響部、および溶接部(8)での強度低下を抑制することができる。
【0099】
また、上記の方法によれば、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、配管の内壁面(57)に裏波(ビードが反対側に溶出する)が発生することを抑制することができる。裏波の発生を抑制することで、裏波により配管内を流れる流体の流れが乱れることを抑制することができる。
【0100】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の配管内部の清掃方法(1)であって、
上記配管(5)は、上記配管(5)の他の部分(例えば側壁56)よりも上記流体が流通する流路断面積が小さく構成されている狭隘部(53)を有し、
上記貫通孔(54)は、上記流体の流れ方向に対して上記狭隘部(53)の上流側に設けられる。
【0101】
上記3)の方法によれば、貫通孔は、配管の他の部分よりも流路断面積が小さく構成されている狭隘部の上流側に設けられる。配管を流れる流体は、狭隘部を通過する際に縮流し、その流速が速くなるため、狭隘部の上流側の部分に流体中に含まれて析出し易いマグネタイトなどの鉄成分がスケールとなって付着し成長し易い。貫通孔を狭隘部の上流側に設けることで、配管の外部から狭隘部のスケールが付着した部分への清掃器具(6)のアクセスが容易となり、清掃器具により狭隘部の上流側の部分に付着したスケールの除去作業を容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、スケールが付着しやすい狭隘部に付着したスケールを除去できるため、スケールの除去作業を効果的に行うことができる。
【0102】
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の配管内部の清掃方法(1)であって、
上記狭隘部(53)は、オリフィス(45)、バルブ(531)、又は上記スケールが堆積したスケール堆積部(532)の少なくとも一つを含む。
【0103】
上記4)の方法によれば、狭隘部は、オリフィス、バルブ、又はスケール堆積部の少なくとも一つを含むので、清掃器具(6)によりオリフィスやバルブ、スケール堆積部に付着したスケールを除去する作業を容易に行うことができる。よって、上記の方法によれば、スケールが付着しやすいオリフィスやバルブ、スケール堆積部に付着したスケールを除去できるため、スケールの除去作業を効果的に行うことができる。
【0104】
5)幾つかの実施形態では、上記1)〜4)の何れかに記載の配管内部の清掃方法(1)は、
上記配管(5)に液体を供給し、上記配管(5)の水位(WL)を上記スケールが付着する部分(スケール付着部52)よりも鉛直上方へ上げる給水ステップ(S5)と、
上記給水ステップ(S5)により上記配管(5)の内部に貯留された上記液体を排出するステップ(排水ステップS6)と、をさらに備える。
【0105】
上記5)の方法によれば、配管に液体を供給し、配管の水位をスケールが付着する部分よりも鉛直上方へ上げた後に、配管の内部に貯留された液体を排出することで、スケールがこすり落とされる際に、粉砕された後にスケール付着する部分付近に再付着しているスケールや、スケールが付着している部分からスケールが粉砕されて多くが剥離しながらも一部がスケールが付着する部分に付着しているスケールを流して液体中へ落とすことができる。また、配管の内部に貯留された液体を排出する際に、清掃器具(6)によりスケールが付着する部分から取り除かれたスケールや、ドリルなどで貫通孔を形成する際に発生する切粉も液体の排出とともに系外に排出することができる。
【0106】
6)本開示の少なくとも一実施形態にかかる配管構造(2)は、
ボイラ内の熱交換器(例えば伝熱管51)を流れる流体が流通する配管(5)の配管構造であって、
上記配管(5)の内部に付着するスケールを除去するための清掃器具(6)が挿入する貫通孔(54)が形成された貫通孔形成部(541)と、オリフィス(45)、バルブ(531)又は上記スケールが堆積したスケール堆積部(532)の少なくとも一つを含む上記配管(5)の狭隘部(53)であって、上記配管(5)の他の部分よりも上記流体が流通する流路断面積が小さく構成されている上記配管(5)の狭隘部(53)と、を含む上記配管(5)と、
上記貫通孔(54)に挿入されて上記貫通孔(54)を閉塞させる先端部(71)と、上記貫通孔(54)に挿入されない基端部(72)と、を含むプラグ(7)と、
上記配管(5)の上記貫通孔(54)の周縁部(55)と上記プラグ(7)の上記基端部(72)とをシール溶接により接合する溶接部(8)と、を備え、
上記配管(5)の軸方向において、上記配管(5)の上記狭隘部(53)を含む領域(AR1)と、上記配管(5)の上記貫通孔形成部(541)を含む領域(AR2)と、が隣接している。
【0107】
上記6)の構成によれば、配管は、清掃器具が挿入する貫通孔が形成された貫通孔形成部と、配管の他の部分よりも流路断面積が小さく構成されている配管の狭隘部とを含んでいる。配管の狭隘部は、オリフィス、バルブ又はスケール堆積部の少なくとも一つを含んでいる。配管を流れる流体は、狭隘部を通過する際に縮流し、その流速が速くなるため、狭隘部(オリフィス、バルブ、スケール堆積部)に、流体中に含まれて析出し易いマグネタイトなどの鉄成分がスケールとなって付着し成長し易い。配管の軸方向において、配管の上記狭隘部を含む領域と配管の貫通孔形成部を含む領域とが隣接しているので、配管の外部から貫通孔により狭隘部のスケールが付着した部分への清掃器具のアクセスが容易となる。このため、清掃器具を貫通孔に挿入し、清掃器具により狭隘部に付着したスケールを除去する作業を容易に行うことができる。よって、上記の構成によれば、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管の狭隘部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる。
【0108】
また、上記の構成によれば、配管構造は、上記配管の他に、貫通孔に挿入されて貫通孔を閉塞させる先端部および貫通孔に挿入されない基端部を含むプラグと、配管の貫通孔の周縁部とプラグの基端部とをシール溶接により接合する溶接部と、を備えている。このような配管構造は、貫通孔をプラグにより閉塞し、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合することで、配管の内部の流体が貫通孔から漏洩することを防止することができる。また、上記の構成によれば、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、溶接施工時の配管への入熱量を低減することができる。溶接施工時の配管への入熱量を低減することで、はんだ脆性の発生を抑制し、配管やプラグの溶接熱影響部、および溶接部での強度低下を抑制することができる。
【0109】
また、上記の構成によれば、配管の貫通孔の周縁部とプラグとをシール溶接により接合するため、仮に貫通孔を肉盛溶接により閉塞する場合に比べて、配管の内壁面(57)に裏波(ビードが反対側に溶出する)が発生することを抑制することができる。裏波の発生を抑制することで、裏波により配管内を流れる流体の流れが乱れることを抑制することができる。
【0110】
7)幾つかの実施形態では、上記6)に記載の配管構造(2)であって、
上記配管(5)の上記溶接部(8)に接合される上記周縁部(55)は、上記配管(5)の径方向外側に向かうにつれて上記貫通孔(54)の中心軸(CA)からの距離が大きくなるように構成された傾斜面(551)を含む。
【0111】
上記7)の構成によれば、配管の溶接部に接合される周縁部が上記傾斜面を含むことにより、傾斜面に溶接材の溶け込み領域をより広く形成できるようになり、傾斜面とプラグ(7)との間まで溶接部を拡げることができるため、溶接部の溶接脚長(LL)を長いものとすることができる。溶接部の溶接脚長を長いものとすることで、配管の内圧が高圧(例えば10MPa以上、更には50MPa以上の超高圧)となる場合であっても、溶接部およびプラグにより貫通孔を好適に封止することができる。
【0112】
8)幾つかの実施形態では、上記6)に記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記基端部(72)は、上記貫通孔(54)よりも外径が大きい大径部(721)を含む。
【0113】
上記の構成によれば、プラグの基端部は、配管(5)の貫通孔よりも外径が大きい大径部を含む。この場合には、プラグを貫通孔に挿入した際に、大径部の先端側の面(722)が配管の貫通孔の周縁部(55)と係止することで、貫通孔へのプラグの挿入量が制限されるため、プラグの先端部(71)の配管の内壁面(57)に対する位置を容易に適正なものとすることができる。
【0114】
9)幾つかの実施形態では、上記8)に記載の配管構造(2)は、
上記配管(5)の外壁面(58)と上記大径部(721)との間に挟まれるシム部材(9)をさらに備える。
【0115】
上記9)の構成によれば、配管の外壁面と大径部との間に挟まれるシム部材の厚さを調整することで、プラグ(7)の先端部(71)の配管の内壁面(57)に対する位置を容易に調整することができるため、プラグの先端部の位置精度の向上を図ることができる。また、プラグの先端部の長さの異なるものを複数種類保有するのではなく、シム部材の厚さの異なるものを複数種類保有することで、配管の肉厚に合わせた調整が可能となるので、部品管理が容易になる。
【0116】
10)幾つかの実施形態では、上記6)〜9)の何れかに記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記先端部(71)は、外周面(712)の少なくとも一部に上記貫通孔(54)に設けられた雌ネジ部(542)と螺合するように構成された雄ネジ部(713)を含む。
【0117】
上記10)の構成によれば、プラグの先端部は、外周面の少なくとも一部に貫通孔に設けられた雌ネジ部と螺合するように構成された雄ネジ部を含むので、プラグを1回転させるとプラグの軸方向にリード分だけ移動するようになっている。このため、プラグを回転させることで、プラグの先端部の配管の内壁面に対する位置を容易に調整することができるため、プラグの先端部の位置精度の向上を図ることができる。
【0118】
11)幾つかの実施形態では、上記6)〜10)の何れかに記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記先端部(71)は、上記配管(5)の上記軸方向に直交する断面において、端面(711)が凹み形状を有する。
【0119】
上記11)の構成によれば、プラグの先端部は、配管の軸方向に直交する断面において、端面が配管の内壁面に沿った湾曲形状にほぼ面一となる凹み形状を有するので、配管の内壁面(57)に対して過度に突出する部分や過度に凹む部分が生じることを抑制し、配管の内壁面に対する位置の分布を均等なものにすることができる。このため、先端部の周囲を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。流体の流れに乱れが生じることを抑制することで、配管を流れる流体の流量の低下を抑制することができる。
【0120】
12)幾つかの実施形態では、上記10)〜11)の何れかに記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記基端部(72)は、外周面(723)又は端面(724)の少なくとも一方に、上記貫通孔(54)の中心軸(CA)に対する取付角度を示すマーク(74)が設けられた。
【0121】
上記12)の構成によれば、プラグの基端部の外周面又は端面の少なくとも一方に、貫通孔の中心軸に対する取付角度を示すマークが設けられているので、作業者は、マークを視認することにより、プラグの貫通孔の中心軸に対する取付角度を容易に把握することができる。例えば、先端部(71)の外周面(712)の少なくとも一部に雄ネジ部(713)が設けられたプラグにマークを設けて、プラグの先端部の配管の内壁面に対する適切な位置になる位置にマークを設けておくことで、プラグの回転量や回転量に対応する軸方向への送り量を適正に調整することができるため、プラグの先端部の配管(5)の内壁面(57)に対する位置の調整を迅速に行うことができる。また、先端部が配管の軸方向に直交する断面において、先端部の端面(711)が凹み形状を有するプラグにマークを設けることで、貫通孔に対してプラグの周方向位置を迅速に合わせることができる。
【0122】
13)幾つかの実施形態では、上記6)〜12)の何れかに記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記先端部(71)は、上記配管(5)の内壁面(57)と面一、又は上記内壁面(57)よりも突出するように構成された。
【0123】
上記13)の構成によれば、プラグの先端部は、配管の内壁面と面一、もしくは内壁面よりも僅かに突出するように構成されているので、仮にプラグの先端部が配管の内壁面よりも凹んでいる場合に比べて、先端部に面する空間(502)に渦流が生じることを抑制することができ、ひいては配管を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。
【0124】
14)幾つかの実施形態では、上記13)に記載の配管構造(2)であって、
上記プラグ(7)の上記先端部(71)は、上記内壁面(57)よりも突出するように構成され、上記先端部の外周縁部(714)の少なくとも一部に面取り形状を有する。
【0125】
上記14)の構成によれば、先端部の外周縁部の少なくとも一部に面取り形状を有しているので、内壁面に沿って流れる流体が、外周縁部により内壁面から剥離して渦流を形成することを抑制することができるため、先端部に面する空間(502)を流れる流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。
【0126】
15)幾つかの実施形態では、上記6)〜14)の何れかに記載の配管構造(2)であって、
上記配管(5)の上記狭隘部(53)は、上記オリフィス(45)を含み、
上記オリフィス(45)は、上記配管(5)の上記軸方向に交差する方向に沿って延在するオリフィスプレート(48)を含み、
上記配管構造(2)は、
上記オリフィスプレート(48)の外周面(483)と上記配管(5)とが上記配管(5)の周方向に沿って溶接された部分であるオリフィス溶接部(49)をさらに備え、
上記配管(5)の上記軸方向において、上記オリフィス溶接部(49)と上記溶接部(8)との間に間隙(G)が形成されるように構成された。
【0127】
上記15)の構成によれば、配管構造は、オリフィスの外周面と配管とが配管の周方向に沿って溶接された部分であるオリフィス溶接部を備えるとともに、配管の軸方向において、オリフィス溶接部と溶接部との間に間隙が形成されるように構成されている。この場合には、配管の軸方向において、オリフィスと貫通孔(54)との間に適度な間隔が設けられるため、貫通孔に挿入する清掃器具(6)を用いた、オリフィスに付着したスケールの除去作業を容易に行うことが可能となる。また、仮に配管の軸方向において、オリフィス溶接部と溶接部とが重なりあう場合には、溶接の熱影響部が重なるために、溶接の収縮ひずみにより溶接割れなどを生じる場合があり、配管内部の流体の圧力が高い場合など外力が負荷された際に溶接割れを起点として脆性破壊する可能性が高くなる。よって、上記の構成によれば、配管の軸方向において、オリフィス溶接部と溶接部とが重ならないようにすることで、溶接割れの発生を抑制し、且つ、脆性破壊を抑制することができる。
【0128】
16)本開示の少なくとも一実施形態にかかるボイラ(10)は、
上記6)〜15)の何れかに記載の配管構造(2)を備える。
【0129】
上記16)の構成によれば、ボイラは、上記配管構造を備えることにより、化学洗浄などの他の方法に比べて、配管の狭隘部に付着するスケールの除去作業にかかる時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 配管内部の清掃方法
2 配管構造
5 配管
6 清掃器具
7 プラグ
8 溶接部
9 シム部材
10 石炭焚きボイラ(ボイラ)
11 火炉
12 燃焼装置
13 煙道
14A〜14E 燃焼バーナ
15A〜15E 微粉炭供給管
16A〜16E 粉砕機
17 風箱
18 空気ダクト
19 押込通風機(FDF)
20A〜20C 過熱器
21A,21B 再熱器
22,22A,22B 節炭器
23 ガスダクト
24 エアヒータ
25 脱硝装置
26 煤塵処理装置
27 誘引通風機(IDF)
28 煙突
30 炉底部
31 底部開口部
32 クリンカホッパ
33 管寄せ部
331 ブローバルブ
34 連結管
35 火炉壁管
36 復水器
37 第1給水ライン
38 第2給水ライン
39 ドラム
40 第3給水ライン
41 給水ポンプ
42 低圧給水ヒータ
43 脱気器
44 高圧給水ヒータ
45 オリフィス
46 下側連結管
47 上側連結管
48 オリフィスプレート
483 外周面
49 オリフィス溶接部
50 内部空間
51 伝熱管
52 スケール付着部
53 狭隘部
531 バルブ
532 スケール堆積部
533 開閉機構部
54 貫通孔
541 貫通孔形成部
542 雌ネジ部
543 内周面
55 周縁部
551 傾斜面
552 内周側部分
553 部分
56 側壁
57 内壁面
58 外壁面
59 マーク
60 針金
61 先端部
63 点検器具
71 挿入部
711 端面
712 外周面
713 雄ネジ部
714 外周縁部
715 角部
716 面取り部
72 基端部
721 大径部
722 面
723 外周面
73 外周面
74 マーク
AR1,AR2 領域
CA 中心軸
G 間隙
LA 軸線
LL,LL1 溶接脚長
R1,R2 曲率半径
SC スケール
WL,WL1 水位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19