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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-49822(P2021-49822A)
(43)【公開日】2021年4月1日
(54)【発明の名称】車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/12 20060101AFI20210305BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20210305BHJP
   F21V 14/04 20060101ALI20210305BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20210305BHJP
【FI】
   B60Q1/12 100
   F21V7/00 590
   F21V14/04
   F21V9/40 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-172747(P2019-172747)
(22)【出願日】2019年9月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】神原 健
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA22
3K339BA25
3K339CA01
3K339GB01
3K339HA01
3K339HA03
3K339HA12
3K339JA21
3K339KA06
3K339KA07
3K339KA27
3K339KA39
3K339LA03
3K339LA06
3K339LA17
3K339MA01
3K339MA10
3K339MC23
3K339MC27
3K339MC43
3K339MC48
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】走行状態にかかわらず、運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システムを提供する。
【解決手段】複数のスイブル角算出手段42、43と、自車の走行状態を判定する走行状態判定手段44と、前記複数のスイブル角算出手段それぞれが算出したスイブル角のうち前記走行状態判定手段が判定した自車の走行状態に応じたスイブル角を選択するスイブル角選択手段45と、車両用灯具ユニット20と、前記スイブル角選択手段が選択したスイブル角に基づいて、前記車両用灯具ユニットの光照射方向を制御する制御手段46と、を備える車両用灯具システム10であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイブル角算出手段と、
自車の走行状態を判定する走行状態判定手段と、
前記複数のスイブル角算出手段それぞれが算出したスイブル角のうち前記走行状態判定手段が判定した自車の走行状態に応じたスイブル角を選択するスイブル角選択手段と、
車両用灯具ユニットと、
前記スイブル角選択手段が選択したスイブル角に基づいて、前記車両用灯具ユニットの光照射方向を制御する制御手段と、を備える車両用灯具システム。
【請求項2】
前記複数のスイブル角算出手段は、自車の舵角に基づき第1スイブル角を算出する第1スイブル角算出手段と、自車走行予定経路のカーブ曲率に基づき第2スイブル角を算出する第2スイブル角算出手段と、を含む請求項1に記載の車両用灯具システム。
【請求項3】
自車に搭載された撮像装置によって撮像された自車前方画像に基づき前記自車走行予定経路のカーブ曲率を算出するカーブ曲率算出手段と、
前記自車の舵角を検出する舵角センサと、をさらに備える請求項2に記載の車両用灯具システム。
【請求項4】
前記走行状態判定手段による判定結果が直進状態、カーブ入口状態、又は、カーブ出口状態の場合、前記スイブル角選択手段は、前記第2スイブル角算出手段が算出した第2スイブル角を選択する請求項2又は3に記載の車両用灯具システム。
【請求項5】
前記走行状態判定手段による判定結果がカーブ一定状態の場合、前記スイブル角選択手段は、前記第1スイブル角算出手段が算出した第1スイブル角を選択する請求項2から4のいずれか1項に記載の車両用灯具システム。
【請求項6】
前記走行状態判定手段は、少なくとも自車の舵角としきい値との比較結果に基づき自車の走行状態を判定する請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具システムに関し、特に、走行状態にかかわらず、運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、舵角及び車速に基づいてスイブル角(車両用灯具ユニットの光軸を水平方向に制御するための角度)を算出し、当該算出されたスイブル角方向へ車両用灯具ユニット20の光軸(光照射方向)を制御する車両用灯具システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、車両前方を撮像した画像に基づいて走行経路のカーブ曲率を算出し、当該カーブ曲率に基づいてスイブル角を算出し、当該算出されたスイブル角方向へ車両用灯具ユニットの光軸を制御する車両用灯具システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2633169号公報
【特許文献2】特許第3690099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具システムにおいては、走行状態によっては、運転者の視線方向を照射することができないという課題がある。例えば、自車がカーブに進入する場合又は自車がカーブから脱出する場合、操舵前又は操舵がスイブル角に反映される前に運転者の視線がその先の進行方向へ移動する。つまり、車両用灯具ユニットの光軸移動が運転者の視線移動に対して追従せずに遅れる。その結果、運転者の視線方向を照射することができない。
【0005】
また、特許文献2に記載の車両用灯具システムにおいて、走行状態によっては、車両用灯具ユニットの光軸方向(光照射方向)が安定しないという課題がある。例えば、半径が一定の曲線路を走行している場合、カーブ形状によっては(例えば、急カーブ)、走行経路の一部が検知範囲外(撮影範囲外)となる等の理由によりスイブル角を正しく算出できない(誤検知や検知ロスト)。その結果、車両用灯具ユニットの光軸方向(光照射方向)が安定しない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、走行状態にかかわらず、運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、複数のスイブル角算出手段と、自車の走行状態を判定する走行状態判定手段と、前記複数のスイブル角算出手段それぞれが算出したスイブル角のうち前記走行状態判定手段が判定した自車の走行状態に応じたスイブル角を選択するスイブル角選択手段と、車両用灯具ユニットと、前記スイブル角選択手段が選択したスイブル角に基づいて、前記車両用灯具ユニットの光照射方向を制御する制御手段と、を備える車両用灯具システムであることを特徴とする。
【0008】
この側面によれば、走行状態にかかわらず、運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システムを提供することができる。
【0009】
これは、第1スイブル角(例えば、舵角スイブル角)及び第2スイブル角(例えば、白線検知スイブル角)の一方に基づいて車両用灯具ユニットの光軸(光照射方向)を制御するのではなく、第1スイブル角及び第2スイブル角のうち走行状態判定手段が判定した自車の走行状態に応じたスイブル角を選択し、当該選択されたスイブル角に基づいて車両用灯具ユニットの光軸(光照射方向)を制御することによるものである。
【0010】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記複数のスイブル角算出手段は、自車の舵角に基づき第1スイブル角を算出する第1スイブル角算出手段と、自車走行予定経路のカーブ曲率に基づき第2スイブル角を算出する第2スイブル角算出手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記発明において、好ましい態様は、自車に搭載された撮像装置によって撮像された自車前方画像に基づき前記自車走行予定経路のカーブ曲率を算出するカーブ曲率算出手段と、前記自車の舵角を検出する舵角センサと、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記走行状態判定手段による判定結果が直進状態、カーブ入口状態、又は、カーブ出口状態の場合、前記スイブル角選択手段は、前記第2スイブル角算出手段が算出した第2スイブル角を選択することを特徴とする。
【0013】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記走行状態判定手段による判定結果がカーブ一定状態の場合、前記スイブル角選択手段は、前記第1スイブル角算出手段が算出した第1スイブル角を選択することを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記走行状態判定手段は、少なくとも自車の舵角としきい値との比較結果に基づき自車の走行状態を判定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両用灯具システム10の概略構成図である。
図2】(a)舵角スイブル角算出部42の動作例を説明するためのフローチャート、(b)白線検知スイブル角算出部43の動作例を説明するためのフローチャートである。
図3】自車Vの各走行状態で算出される舵角スイブル角θ1、白線検知スイブル角θ2の一例である。
図4】自車Vの走行状態が「直進状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
図5】自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
図6】自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合の検知範囲(撮像装置32の撮影範囲)の例である。
図7】自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
図8】車両用灯具システム10の動作例の概要を説明するためのフローチャートである。
図9】車両用灯具システム10の動作例の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具システム10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0017】
図1は、車両用灯具システム10の概略構成図である。
【0018】
図1に示すように、車両用灯具システム10は、車両用灯具ユニット20、舵角センサ30、車速センサ31、撮像装置32、制御部40等を備えている。車両用灯具システム10は、自動車等の車両に搭載される。以下、車両用灯具システム10が搭載された車両のことを自車Vという。
【0019】
車両用灯具ユニット20、舵角センサ30、車速センサ31及び撮像装置32は、制御部40に接続されている。
【0020】
車両用灯具ユニット20は、ヘッドランプ用配光パターンを形成可能な配光可変型の車両用前照灯であり、自車Vの前端部の左側及び右側に搭載される。ヘッドランプ用配光パターンは、例えば、ロービーム用配光パターン、ハイビーム用配光パターン又はADB(Adaptive Driving Beam)用配光パターンである。
【0021】
舵角センサ30は、自車Vの舵角を検出するセンサで、自車Vの所定箇所に設けられている。車速センサ31は、自車Vの車速を検出するセンサで、自車Vの所定箇所に設けられている。
【0022】
撮像装置32は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含み、例えば、自車Vの前方の走行経路(例えば、道路上に描かれた白線)を含む画像を撮像する。撮像装置32は、例えば、自車Vの車室内に設けられ、フロントガラス越しに自車前方を撮像する。
【0023】
制御部40は、例えば、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備えるECU(Electronic Control Unit)である。制御部40は、CPUがROMからRAMに読み込まれた所定プログラムを実行することで、白線検知部41、舵角スイブル角算出部42、白線検知スイブル角算出部43、走行状態判定部44、スイブル角選択部45、車両用灯具ユニット制御部46として機能する。
【0024】
制御部40は、しきい値記憶部47、前回操舵量記憶部48、前回走行状態記憶部49を備える。
【0025】
走行状態判定部44は、しきい値記憶部47に予め記憶されたしきい値(例えば、第1しきい値A、第2しきい値B、第3しきい値C、第4しきい値D)、前回操舵量記憶部48に記憶された操舵量(舵角)、前回走行状態記憶部49に記憶された走行状態等に基づいて、自車Vの現在の走行状態を判定する。走行状態判定部44の具体的な動作例については後述する。
【0026】
白線検知部41は、撮像装置32によって撮像された画像に基づき所定処理を実行することで、自車Vの前方の走行経路(走行予定経路)のカーブ曲率として自車Vの前方の道路上に描かれた白線のカーブ曲率を検出する。白線検知部41が本発明のカーブ曲率算出手段の一例である。なお、白線検知部41は、制御部40以外(例えば、撮像装置32)に設けてもよい。
【0027】
舵角スイブル角算出部42は、舵角センサ30によって検出された舵角(及び車速センサ31によって検出された車速)等に基づき所定処理を実行することで、スイブル角を算出する。例えば、舵角スイブル角算出部42は、所定時間経過後(例えば、数秒後)の自車Vの位置を照射するスイブル角を算出する。以下、舵角スイブル角算出部42が算出するスイブル角のことを舵角スイブル角θ1という。舵角スイブル角算出部42が本発明の第1スイブル角算出手段の一例で、舵角スイブル角θ1が本発明の第1スイブル角の一例である。
【0028】
図2(a)は、舵角スイブル角算出部42の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0029】
図2(a)に示すフローチャートは、例えば、ヘッドランプスイッチ(図示せず)をオンにした場合に開始し、ヘッドランプスイッチをオフにした場合に終了する。
【0030】
ヘッドランプスイッチをオンにすると、舵角スイブル角算出部42は、舵角センサ30によって検出された舵角及び車速センサ31によって検出された車速に基づき所定処理を実行することで、舵角スイブル角θ1を算出する(ステップS10)。図3には、自車Vの各走行状態で算出される舵角スイブル角θ1の一例が示されている。
【0031】
例えば、舵角スイブル角算出部42は、制御部40等の記憶部に予め記憶されたマップを参照することで、舵角センサ30によって検出された舵角に対応する舵角スイブル角θ1を算出する。このマップには、舵角が大きいほど舵角スイブル角θ1が大きくなるように舵角とスイブル角とが対応づけて記憶されている。
【0032】
白線検知スイブル角算出部43は、白線検知部41によって検出されたカーブ曲率に基づき所定処理を実行することで、スイブル角を算出する。例えば、白線検知スイブル角算出部43は、所定時間経過後(例えば、数秒後)の自車Vの位置を照射するスイブル角を算出する。以下、白線検知スイブル角算出部43が算出するスイブル角のことを白線検知スイブル角θ2という。白線検知スイブル角算出部43が本発明の第2スイブル角算出手段の一例で、白線検知スイブル角θ2が本発明の第2スイブル角の一例である。
【0033】
図2(b)は、白線検知スイブル角算出部43の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0034】
図2(b)に示すフローチャートは、例えば、ヘッドランプスイッチをオンにした場合に開始し、ヘッドランプスイッチをオフにした場合に終了する。
【0035】
ヘッドランプスイッチをオンにし、白線検知部41によって白線が検知された場合(ステップS20:Yes)、すなわち、白線検知部41によって自車Vの前方の道路上に描かれた白線のカーブ曲率が検出された場合、白線検知スイブル角算出部43は、白線検知部41によって検出されたカーブ曲率に基づき所定処理を実行することで、白線検知スイブル角θ2を算出する(ステップS21)。図3には、自車Vの各走行状態で算出される白線検知スイブル角θ2の一例が示されている。
【0036】
例えば、白線検知スイブル角算出部43は、制御部40等の記憶部に予め記憶されたマップを参照することで、白線検知部41によって検出された白線のカーブ曲率に対応する白線検知スイブル角θ2を算出する。このマップには、カーブ曲率が大きいほど白線検知スイブル角θ2が大きくなるようにカーブ曲率とスイブル角とが対応づけて記憶されている。
【0037】
なお、白線検知部41によって白線が検知されない場合(ステップS20:No)、白線検知スイブル角算出部43は、白線検知スイブル角θ2を算出しない。
【0038】
走行状態判定部44は、自車Vの走行状態を判定する。例えば、走行状態判定部44は、舵角センサ30によって検出された舵角等に基づいて自車Vの走行状態を判定する。走行状態判定部44が本発明の走行状態判定手段の一例である。走行状態判定部44の具体的な動作例については後述する。
【0039】
走行状態判定部44が判定する自車Vの走行状態としては、図3に示すように、直進状態、カーブ入口状態、カーブ一定状態、カーブ出口状態がある。
【0040】
直進状態とは、自車Vが直線路を走行している状態のことである。カーブ入口状態とは、自車Vが緩和曲線路(入口側の直線路と半径が一定の曲線路との間の緩和曲線路)を半径が一定の曲線路に向かって走行している状態のことである。カーブ一定状態とは、自車Vが半径が一定の曲線路を走行している状態のことである。カーブ出口状態とは、自車Vが緩和曲線路(半径が一定の曲線路と出口側の直線路との間の緩和曲線路)を出口側の直線路に向かって走行している状態のことである。
【0041】
スイブル角選択部45は、舵角スイブル角算出部42が算出した舵角スイブル角θ1及び白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2のうち走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態に応じたスイブル角を選択する。スイブル角選択部45が本発明のスイブル角選択手段の一例である。
【0042】
例えば、走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態が「直進状態」の場合、スイブル角選択部45は、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択する。この利点は、次のとおりである。
【0043】
図4は、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
【0044】
仮に、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合、例えば、図4(a)に示すように、自車Vが曲線路手前の直線路を走行している場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として舵角スイブル角θ1を選択すると、運転者の視線方向Dを照射することができないという問題がある。これは、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合、操舵前又は操舵が舵角スイブル角θ1に反映される前に運転者の視線Dがその先の進行方向(曲線路方向)へ移動すること、つまり、車両用灯具ユニット20の光軸移動が運転者の視線移動に対して追従せずに遅れることによるものである。
【0045】
これに対して、白線検知スイブル角θ2は操舵状態と無関係に算出されるため、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる(図4(b)参照)。すなわち、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、車両用灯具ユニット20の光軸移動の応答性が向上する。
【0046】
また例えば、走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合、スイブル角選択部45は、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択する。この利点は、次のとおりである。
【0047】
図5は、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
【0048】
仮に、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合、すなわち、図5(a)に示すように、自車Vがカーブ半径が徐々に小さくなる緩和曲線路を走行している場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として舵角スイブル角θ1を選択すると、運転者の視線方向Dを照射することができないという問題がある。これは、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合、操舵前又は操舵が舵角スイブル角θ1に反映される前に運転者の視線Dがその先の方向へ移動すること、つまり、車両用灯具ユニット20の光軸移動が運転者の視線移動に対して追従せずに遅れることによるものである。
【0049】
これに対して、白線検知スイブル角θ2は操舵状態と無関係に算出されるため、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる(図5(b)参照)。すなわち、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、車両用灯具ユニット20の光軸移動の応答性が向上する。
【0050】
また例えば、走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合、スイブル角選択部45は、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として舵角スイブル角θ1を選択する。この利点は、次のとおりである。
【0051】
図6は、自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合の検知範囲(撮像装置32の撮影範囲)の例である。
【0052】
仮に、自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合、すなわち、図6に示すように、自車Vが半径が一定の曲線路を走行している場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択すると、車両用灯具ユニット20の光軸方向(光照射方向)が安定しないという問題がある。これは、自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合、白線検知スイブル角θ2を正しく算出できない場合があることによるものである。
【0053】
例えば、図6に示すように、カーブ形状によっては(例えば、急カーブ)、走行経路の一部が検知範囲外(撮像装置32の撮影範囲外)となるため、白線検知スイブル角θ2を正しく算出できない場合がある。図6中のハッチング領域は検知範囲内(撮像装置32の撮影範囲内)であることを表し、それ以外は検知範囲外(撮像装置32の撮影範囲外)であることを表す。また、カーブ形状によっては(例えば、急カーブ)、自車Vの前方の道路上の白線が白線検知部41の検知範囲(撮像装置32の撮影範囲)内を急速に移動するため、白線検知スイブル角θ2を正しく算出できない場合もある。
【0054】
これに対して、舵角スイブル角θ1は検知範囲(撮像装置32の撮影範囲)と無関係に、かつ、操舵が舵角スイブル角θ1に反映された状態で算出されるため、自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合、舵角スイブル角θ1を選択することで、カーブ形状にかかわらず、運転者の視線方向Dを安定して照射することができる。
【0055】
また例えば、走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合、スイブル角選択部45は、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択する。この利点は、次のとおりである。
【0056】
図7は、自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合の車両用灯具ユニット20の光照射方向の制御例である。
【0057】
仮に、自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合、すなわち、図7(a)に示すように、自車Vがカーブ半径が徐々に大きくなる緩和曲線路を走行している場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として舵角スイブル角θ1を選択すると、運転者の視線方向Dを照射することができないという問題がある。これは、自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合、操舵前又は操舵が舵角スイブル角θ1に反映される前に運転者の視線Dがその先の方向へ移動すること、つまり、車両用灯具ユニット20の光軸移動が運転者の視線移動に対して追従せずに遅れることによるものである。
【0058】
これに対して、白線検知スイブル角θ2は操舵状態と無関係に算出されるため、自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる(図7(b)参照)。すなわち、自車Vの走行状態が「カーブ出口状態」の場合、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、車両用灯具ユニット20の光軸移動の応答性が向上する。
【0059】
車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択したスイブル角に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。例えば、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向の光度が最大となるヘッドランプ用配光パターンを形成するように車両用灯具ユニット20を制御する。車両用灯具ユニット制御部46が本発明の制御手段の一例である。
【0060】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向を照射する(例えば、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向の光度が最大となる)ヘッドランプ用配光パターンを形成する。
【0061】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向を照射するヘッドランプ用配光パターンを形成可能な車両用灯具ユニットであればよく、その構成は、どのようなものであってもよい。
【0062】
例えば、図示しないが、車両用灯具ユニット20として、水平方向又はマトリックス状に配置された複数光源により描画される像を投影レンズで投影することでヘッドランプ用配光パターンを形成する車両用灯具ユニットを用いることができる。また、車両用灯具ユニット20として、光偏向器(MEMSミラー等)で走査されるレーザー光により描画される像を投影レンズで投影することでヘッドランプ用配光パターンを形成する車両用灯具ユニットを用いることもできる。また、車両用灯具ユニット20として、DMD(Digital Mirror Device)を構成するマイクロミラー群のうちオン位置のマイクロミラーにより描画される像を投影レンズで投影することでヘッドランプ用配光パターンを形成する車両用灯具ユニットを用いることができる。また、車両用灯具ユニット20として、LCD(liquid crystal display)により描画される像を投影レンズで投影することでヘッドランプ用配光パターンを形成する車両用灯具ユニットを用いることができる。
【0063】
次に、上記構成の車両用灯具システム10の動作例の概要について説明する。
【0064】
図8は、車両用灯具システム10の動作例の概要を説明するためのフローチャートである。
【0065】
図8に示すフローチャートは、例えば、ヘッドランプスイッチをオンにした場合に開始し、ヘッドランプスイッチをオフにした場合に終了する。
【0066】
以下の説明においては、舵角スイブル角算出部42が周期的に舵角スイブル角θ1を算出し、かつ、白線検知スイブル角算出部43が周期的に白線検知スイブル角θ2を算出しているものとする。
【0067】
ヘッドランプスイッチをオンにすると、走行状態判定部44が自車Vの現在の走行状態を判定する(ステップS30)。
【0068】
次に、スイブル角選択部45が、舵角スイブル角算出部42が算出した舵角スイブル角θ1及び白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2のうち走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態に応じたスイブル角を選択する(ステップS31)。
【0069】
次に、車両用灯具ユニット制御部46が、スイブル角選択部45が選択したスイブル角に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する(ステップS32)。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択したスイブル角方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。
【0070】
次に、上記構成の車両用灯具システム10の動作例の詳細について説明する。
【0071】
図9は、車両用灯具システム10の動作例の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0072】
図9に示すフローチャートは、例えば、ヘッドランプスイッチをオンにした場合に開始し、ヘッドランプスイッチをオフにした場合に終了する。図9に示す処理は、制御部40(CPU)がROMからRAMに読み込まれた所定プログラムを実行することで実現される。
【0073】
以下の説明においては、舵角スイブル角算出部42が周期的に舵角スイブル角θ1を算出し、かつ、白線検知スイブル角算出部43が周期的に白線検知スイブル角θ2を算出しているものとする。
【0074】
ヘッドランプスイッチをオンにすると、制御部40は、舵角センサ30からの信号に基づいて現在の操舵量(舵角)を算出し(ステップS301)、前回操舵量記憶部48から前回の操舵量(舵角)を読み出す(ステップS302)。
【0075】
次に、制御部40は、ステップS301で算出した現在の操舵量からステップS302で読み出した前回の操舵量を減じることで操舵変化量を算出する(ステップS303)。
【0076】
次に、走行状態判定部44が自車Vの走行状態を判定する(ステップS304〜S313)。
【0077】
例えば、前回走行状態記憶部49に「直進状態」が記憶されている場合(ステップS304:直進状態)、走行状態判定部44は、カーブ入口判定を行う(ステップS305)。
【0078】
カーブ入口判定は、直進状態からカーブ入口状態へ変化したか否かの判定である。具体的には、操舵変化量>第1しきい値A、かつ、操舵が中心から外への変化の条件を満たすか否かを判定する。ここで、操舵変化量としては、ステップS303で算出したものを用いる。第1しきい値Aとしては、しきい値記憶部47に記憶されているものを用いる。操舵が中心から外への変化か否かは、例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量と前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量に基づき判定する。例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量が前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量より大きい場合、操舵が中心から外への変化であると判定する。
【0079】
ステップS305の判定結果がYesの場合(ステップS305:Yes)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ入口状態」と判定し、前回操舵量記憶部48の記憶内容を更新する(ステップS306)。具体的には、前回操舵量記憶部48に現在の走行状態「カーブ入口状態」を記憶する(例えば、上書きする)。
【0080】
一方、ステップS305の判定結果がNoの場合(ステップS305:No)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「直進状態」と判定する。この場合、既に「直進状態」が記憶されているため、前回操舵量記憶部48の記憶内容は更新しない。
【0081】
また例えば、前回走行状態記憶部49に「カーブ入口状態」が記憶されている場合(ステップS304:カーブ入口状態)、走行状態判定部44は、カーブ一定判定を行う(ステップS307)。
【0082】
カーブ一定判定は、進入したカーブの半径が一定になったか否かの判定である。具体的には、操舵変化量<第2しきい値Bの条件を満たすか否かを判定する。ここで、操舵変化量としては、ステップS303で算出したものを用いる。第2しきい値Bとしては、しきい値記憶部47に記憶されているものを用いる。なお、この条件に代えて、舵角スイブル角θ1>白線検知スイブル角θ2の条件を用いてもよい。
【0083】
ステップS307の判定結果がYesの場合(ステップS307:Yes)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ一定状態」と判定し、前回操舵量記憶部48の記憶内容を更新する(ステップS308)。具体的には、前回操舵量記憶部48に現在の走行状態「カーブ一定状態」を記憶する(例えば、上書きする)。
【0084】
一方、ステップS307の判定結果がNoの場合(ステップS307:No)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ入口状態」と判定する。この場合、既に「カーブ入口状態」が記憶されているため、前回操舵量記憶部48の記憶内容は更新しない。
【0085】
また例えば、前回走行状態記憶部49に「カーブ一定状態」が記憶されている場合(ステップS304:カーブ一定状態)、走行状態判定部44は、カーブ出口判定を行う(ステップS309)。
【0086】
カーブ出口判定は、カーブが直線に戻り始めたか否かの判定である。具体的には、操舵変化量>第3しきい値C、かつ、操舵が中心へ戻る変化の条件を満たすか否かを判定する。ここで、操舵変化量としては、ステップS303で算出したものを用いる。第3しきい値Cとしては、しきい値記憶部47に記憶されているものを用いる。操舵が中心へ戻る変化か否かは、例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量と前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量に基づき判定する。例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量が前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量より小さい場合、操舵が中心へ戻る変化であると判定する。
【0087】
ステップS309の判定結果がYesの場合(ステップS309:Yes)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ出口状態」と判定し、前回操舵量記憶部48の記憶内容を更新する(ステップS310)。具体的には、前回操舵量記憶部48に現在の走行状態「カーブ出口状態」を記憶する(例えば、上書きする)。
【0088】
一方、ステップS309の判定結果がNoの場合(ステップS309:No)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ一定状態」と判定する。この場合、既に「カーブ一定状態」が記憶されているため、前回操舵量記憶部48の記憶内容は更新しない。
【0089】
また例えば、前回走行状態記憶部49に「カーブ出口状態」が記憶されている場合(ステップS304:カーブ出口状態)、走行状態判定部44は、直進判定を行う(ステップS311)。
【0090】
直進判定は、カーブが終わり直線路へ戻ったか否かの判定である。具体的には、操舵変化量<第4しきい値D、又は、操舵角度が直進相当の条件を満たすか否かを判定する。ここで、操舵変化量としては、ステップS303で算出したものを用いる。第4しきい値Dとしては、しきい値記憶部47に記憶されているものを用いる。操舵角度が直進相当か否かは、例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量と前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量に基づき判定する。例えば、ステップS301で算出した現在の操舵量が前回操舵量記憶部48に記憶されている操舵量との差が予め定められたしきい値より小さい場合、操舵角度が直進相当であると判定する。
【0091】
ステップS311の判定結果がYesの場合(ステップS311:Yes)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「直進状態」と判定し、前回操舵量記憶部48の記憶内容を更新する(ステップS312)。具体的には、前回操舵量記憶部48に現在の走行状態「直進状態」を記憶する(例えば、上書きする)。
【0092】
一方、ステップS311の判定結果がNoの場合(ステップS311:No)、走行状態判定部44は、現在の走行状態が「カーブ出口状態」と判定する。この場合、既に「カーブ出口状態」が記憶されているため、前回操舵量記憶部48の記憶内容は更新しない。
【0093】
次に、以上のようにして自車Vの走行状態が判定された後、制御部40は、前回操舵量記憶部48の記憶内容を更新する(ステップS313)。具体的には、前回操舵量記憶部48にステップS301で算出した操舵量(舵角)を記憶する(例えば、上書きする)。
【0094】
次に、スイブル角選択部45が、舵角スイブル角算出部42が算出した舵角スイブル角θ1及び白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2のうち、走行状態判定部44が上記のように判定した自車Vの走行状態に応じたスイブル角を選択する(ステップS314〜S318)。
【0095】
例えば、自車Vの走行状態の判定結果が「直進状態」の場合(ステップS314:直進状態)、すなわち、走行状態判定部44に「直進状態」が記憶されている場合、スイブル角選択部45は、白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2を選択する(ステップS315)。
【0096】
以後、図示しないが、車両用灯具ユニット制御部46が、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。
【0097】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射する(例えば、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向の光度が最大となる)ヘッドランプ用配光パターンを形成する。
【0098】
以上のように、自車Vの走行状態が「直進状態」の場合(ステップS314:直進状態)、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、図4(b)に示すように、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる。
【0099】
また例えば、自車Vの走行状態の判定結果が「カーブ入口状態」の場合(ステップS314:カーブ入口状態)、すなわち、走行状態判定部44に「カーブ入口状態」が記憶されている場合、スイブル角選択部45は、白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2を選択する(ステップS316)。
【0100】
以後、図示しないが、車両用灯具ユニット制御部46が、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。
【0101】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射する(例えば、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向の光度が最大となる)ヘッドランプ用配光パターンを形成する。
【0102】
以上のように、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合(ステップS314:カーブ入口状態)、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、図5(b)に示すように、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる。
【0103】
また例えば、自車Vの走行状態の判定結果が「カーブ一定状態」の場合(ステップS314:カーブ一定状態)、すなわち、走行状態判定部44に「カーブ一定状態」が記憶されている場合、スイブル角選択部45は、舵角スイブル角算出部42が算出した舵角スイブル角θ1を選択する(ステップS317)。
【0104】
以後、図示しないが、車両用灯具ユニット制御部46が、スイブル角選択部45が選択した舵角スイブル角θ1に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択した舵角スイブル角θ1方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。
【0105】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択した舵角スイブル角θ1方向を照射する(例えば、スイブル角選択部45が選択した舵角スイブル角θ1方向の光度が最大となる)ヘッドランプ用配光パターンを形成する。
【0106】
以上のように、自車Vの走行状態が「カーブ一定状態」の場合(ステップS314:カーブ一定状態)、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として舵角スイブル角θ1を選択することで、カーブ形状にかかわらず、運転者の視線方向Dを安定して照射することができる。
【0107】
また例えば、自車Vの走行状態の判定結果が「カーブ出口状態」の場合(ステップS314:カーブ出口状態)、すなわち、走行状態判定部44に「カーブ出口状態」が記憶されている場合、スイブル角選択部45は、白線検知スイブル角算出部43が算出した白線検知スイブル角θ2を選択する(ステップS318)。
【0108】
以後、図示しないが、車両用灯具ユニット制御部46が、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2に基づいて、車両用灯具ユニット20を制御する。具体的には、車両用灯具ユニット制御部46は、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射するように車両用灯具ユニット20を制御する。
【0109】
車両用灯具ユニット20は、制御部40(車両用灯具ユニット制御部46)からの制御に従って、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向を照射する(例えば、スイブル角選択部45が選択した白線検知スイブル角θ2方向の光度が最大となる)ヘッドランプ用配光パターンを形成する。
【0110】
以上のように、自車Vの走行状態が「カーブ入口状態」の場合(ステップS314:カーブ出口状態)、自車Vの走行状態に応じたスイブル角として白線検知スイブル角θ2を選択することで、図7(b)に示すように、操舵状態にかかわらず、運転者の視線方向Dを照射することができる。
【0111】
以上説明したように、本実施形態によれば、走行状態にかかわらず、運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システム10を提供することができる。別言すると、カーブ進入時(直進状態、カーブ入口状態)及びカーブ脱出時(カーブ出口状態)の際に車両用灯具ユニット20の光軸移動の応答性が良好で(つまり、操舵がスイブル角に反映される前に運転者の視線方向を照射することができ)、なおかつ、カーブ一定状態の際に運転者の視線方向を安定して照射することができる車両用灯具システム10を提供することができる。
【0112】
これは、舵角スイブル角θ1及び白線検知スイブル角θ2の一方に基づいて車両用灯具ユニット20の光軸(光照射方向)を制御するのではなく、舵角スイブル角θ1及び白線検知スイブル角θ2のうち走行状態判定部44が判定した自車Vの走行状態に応じたスイブル角を選択し、当該選択されたスイブル角に基づいて車両用灯具ユニット20の光軸(光照射方向)を制御することによるものである。
【0113】
次に、変形例について説明する。
【0114】
上記実施形態では、スイブル角算出手段として、舵角スイブル角算出部42及び白線検知スイブル角算出部43を用いた例について説明したがこれに限らない。スイブル角算出手段として、舵角スイブル角算出部42及び白線検知スイブル角算出部43以外のスイブル角算出部を用いてもよい。また、スイブル角算出手段として、3つ以上のスイブル角算出部を用いてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、走行状態判定手段として、走行状態判定部44(ステップS304〜S312)を用いた例について説明したがこれに限らない。走行状態判定手段は、自車Vの走行状態を判定することができれば、その構成はどのようなものであってもよい。例えば、走行状態判定手段として、自車前方の走行経路(走行予定経路)を判定可能なカーナビゲーション装置やその他の装置を用いてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、自車Vの走行経路のカーブ曲率を算出するカーブ曲率算出手段として、白線検知部41を用いた例について説明したがこれに限らない。カーブ曲率算出手段は、自車Vの走行経路のカーブ曲率を算出することができれば、その構成はどのようなものであってもよい。例えば、カーブ曲率算出手段として、自車Vの前方の走行経路のカーブ曲率を算出可能なカーナビゲーション装置やその他の装置を用いてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、車両用灯具ユニット20の光軸(光照射方向)を電子的に制御する例(電子スイブル)について説明したが、これに限らない。例えば、制御部40によって制御されるスイブル機構(アクチュエータ等)により、車両用灯具ユニット(車両用灯具ユニット20以外の一般的な車両用灯具ユニットでもよい)を左右方向に旋回させることで、車両用灯具ユニット20の光軸(光照射方向)を機械的に制御してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、舵角(ハンドル操作)情報の変化に基づいて走行状態を判定する例(ステップS305、S307、S309、S311)について説明したがこれに限らない。例えば、ステップS305において、カーブ入り口判定として、さらに、白線検知部41によって検知された白線の曲率が直線相当からカーブに変化したか否かを判定してもよい。例えば、白線検知部41によって検知された白線の曲率が予め定められたしきい値より小さい場合、直線相当と判定し、白線検知部41によって検知された白線の曲率が予め定められたしきい値より大きい場合、カーブに変化したと判定する。
【0119】
この条件を追加することで、より精度よく走行状態を判定することができる。ステップS307、S309、S311においても、同様に、追加の判定を行うことで、より精度よく走行状態を判定することができる。
【0120】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0121】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0122】
10…車両用灯具システム、20…車両用灯具ユニット、30…舵角センサ、31…車速センサ、32…撮像装置、40…制御部、41…白線検知部、42…舵角スイブル角算出部、43…白線検知スイブル角算出部、44…走行状態判定部、45…スイブル角選択部、46…車両用灯具ユニット制御部、47…しきい値記憶部、48…操舵量記憶部、49…走行状態記憶部、D…視線方向(視線)、V…自車、θ1…舵角スイブル角、θ2…白線検知スイブル角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9