特開2021-53215(P2021-53215A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2021053215-吸収性物品 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53215(P2021-53215A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20210312BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20210312BHJP
   A61F 13/476 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   A61F13/56 110
   A61F13/15 220
   A61F13/15 210
   A61F13/476
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-180262(P2019-180262)
(22)【出願日】2019年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】小澤特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】古屋 光大
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BB09
3B200CA11
3B200CA13
3B200DA27
3B200DD02
3B200DE03
3B200DE13
3B200DE14
3B200DF08
3B200DF09
3B200EA18
(57)【要約】
【課題】着用物品に係止するフック部の破断を抑制し、着用物品に対する係止状態を維持し易い吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品(1)は、前後方向(L)及び幅方向(W)と、着用物品に当接する液不透過性の裏面シート(20)と、裏面シート(20)よりも肌面側(T1)に配置された吸収コア(30)と、吸収コアよりも肌面側に配置された表面シート(10)と、を備える。裏面シートは、前後方向及び幅方向を含む平面方向に延びるベース部(21)と、ベース部から非肌面側(T2)に突出し、着用物品に係止するフック部(22)と、を有する。フック部は、ベース部と同一部材であって、ベース部と連続して形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向及び幅方向と、
着用物品に当接する液不透過性の裏面シートと、
前記裏面シートよりも肌面側に配置された吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記肌面側に配置された表面シートと、を備え、
前記裏面シートは、前記前後方向及び前記幅方向を含む平面方向に延びるベース部と、前記ベース部から非肌面側に突出し、前記着用物品に係止するフック部と、を有する吸収性物品であって、
前記フック部は、前記ベース部と同一部材であって、前記ベース部と連続して形成されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記フック部は、前記前後方向及び前記幅方向に間隔を空けて複数配置されており、
複数の前記フック部の高さは、一定である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品は、複数の折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で包装シートによって個別に包装されており、
前記折り畳み状態において、前記裏面シートの少なくとも一部は、前記包装シートによって覆われ、前記フック部は、前記包装シートと係合している、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記複数の折り目を基点に折り畳まれていない展開状態において、前記裏面シートは、全面に亘って前記包装シートによって覆われている、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記裏面シートは、前記複数の折り目を基点に折り畳まれていない展開状態において前記包装シートによって覆われていない非被覆領域を有しており、
前記折り畳み状態において、前記非被覆領域の前記フック部は、前記表面シートに係合する、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記フック部は、前記吸収コアと厚み方向に重なるコア配置領域の全面に亘って配置されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記コア配置領域よりも前記幅方向の外側に配置され、前記幅方向の外側に膨らむフラップ部を有し、
前記フック部は、前記フラップ部に配置されている、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記フック部は、前記裏面シートの全面に亘って配置されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記ベース部の厚みは、前記フック部の高さよりも厚い、前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用物品に係止される吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着用物品としての下着に係止されて使用される吸収性物品が開示されている。特許文献1の吸収性物品の液体不透過性衣類側シート(裏面シート)は、複数のメカニカルファニング要素(フック部)を有する。当該メカニカルファスナ要素が着用物品に引っかかることで、吸収性物品が着用物品に係止した状態を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−183379号公報
【発明の概要】
【0004】
吸収性物品が着用された状態では、脚の動き等によって吸収性物品には様々な力がかかる。別体からなるメカニカルファニング要素と裏面シートが一体化された構成にあっては、メカニカルファニング要素と裏面シートの連結部分の剛性が低くなり易い。すなわち、メカニカルファニング要素と裏面シートを含めた裏面部材全体において、剛性が低い部分が局所的に形成される。そのため、吸収性物品に様々な力がかかった際に、局所的に剛性が低い部分が破断し、着用物品への係止状態を維持できないおそれがある。
【0005】
よって、着用物品に係止するフック部の破断を抑制し、着用物品に対する係止状態を維持し易い吸収性物品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向及び幅方向と、着用物品に当接する液不透過性の裏面シートと、前記裏面シートよりも肌面側に配置された吸収コアと、前記吸収コアよりも前記肌面側に配置された表面シートと、を備える。前記裏面シートは、前記前後方向及び前記幅方向を含む平面方向に延びるベース部と、前記ベース部から非肌面側に突出し、前記着用物品に係止するフック部と、を有する。前記フック部は、前記ベース部と同一部材であって、前記ベース部と連続して形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、肌対向面側から見た実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
図2図2は、非肌対向面側から見た実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
図3図3は、図1に示すA−A線に沿った断面図である。
図4図4は、図3に示すB部分の拡大図である。
図5図5は、折り畳み状態の吸収性物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、前後方向及び幅方向と、着用物品に当接する液不透過性の裏面シートと、前記裏面シートよりも肌面側に配置された吸収コアと、前記吸収コアよりも前記肌面側に配置された表面シートと、を備える。前記裏面シートは、前記前後方向及び前記幅方向を含む平面方向に延びるベース部と、前記ベース部から非肌面側に突出し、前記着用物品に係止するフック部と、を有する。前記フック部は、前記ベース部と同一部材であって、前記ベース部と連続して形成されている。本態様によれば、ベース部の非肌面側に突出したフック部を介して、吸収性物品を着用物品に係止させることができる。吸収性物品が着用された状態では、脚の動き等によって吸収性物品には様々な力がかかる。このとき、フック部がベース部と同一部材であって、フック部がベース部と連続して形成されているため、フック部とベース部の連結部分等の局所的に剛性が低い部分ができ難い。そのため、吸収性物品に様々な力がかかった際に、裏面シート全体において力を受けて、局所的なフック部の破断を抑制できる。フック部の破断を抑制することで、着用物品に対する係止状態を維持し易くなる。
【0009】
好ましい一態様によれば、前記フック部は、前記前後方向及び前記幅方向に間隔を空けて複数配置されており、前記複数のフック部の高さは、一定であってよい。高さが異なるフック部を有する構成にあっては、高さの違いによってフック部にかかる力にバラツキが生じ、一部のフック部に局所的に力がかかり、当該一部のフック部が破断するおそれがある。しかし、本態様によれば、複数のフック部の高さであることにより、高さの違いによる力のバラツキを抑制し、裏面シート全体において力を受けて、フック部の局所的な破断を抑制できる。
【0010】
好ましい一態様によれば、複前記吸収性物品は、複数の折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で包装シートによって個別に包装されており、前記折り畳み状態において、前記裏面シートの少なくとも一部は、前記包装シートによって覆われ、前記フック部は、前記包装シートと係合してよい。本態様によれば、包装シートによって、使用前のフック部を覆い、フック部を保護することができる。吸収性物品の使用前にフック部が意図せずにシート等に係止する不具合を抑制できる。
【0011】
好ましい一態様によれば、前記複数の折り目を基点に折り畳まれていない展開状態において、前記裏面シートは、全面に亘って前記包装シートによって覆われてよい。本態様によれば、包装シートによって、使用前のフック部の全体を覆うことができ、フック部を保護することができる。吸収性物品の使用前に意図せずにフック部が表面シート等に係止する不具合を抑制できる。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記裏面シートは、前記複数の折り目を基点に折り畳まれていない展開状態において前記包装シートによって覆われていない非被覆領域を有しており、前記折り畳み状態において、前記非被覆領域のフック部は、前記表面シートに係合してよい。本態様によれば、折り畳み状態において、非被覆領域のフック部を表面シートによって覆うことができ、非被覆領域以外のフック部を裏面シートによって覆うことができる。吸収性物品の使用前に意図せずにフック部が表面シート等に係止する不具合を抑制できる。
【0013】
好ましい一態様によれば、前記フック部は、前記吸収コアと厚み方向に重なるコア配置領域の全面に亘って配置されてよい。本態様によれば、コア配置領域の全面に亘ってフック部を介して着用物品に吸収性物品を係止できる。体液を吸収する吸収コアが配置された領域全体が着用物品から浮き上がりにくくなり、体液が意図せずに身体に付着したり、体液が漏れたりする不具合を抑制できる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記コア配置領域よりも前記幅方向の外側に配置され、前記幅方向の外側に膨らむフラップ部を有し、前記フック部は、前記フラップ部に配置されてよい。フラップ部は、吸収コアが配置されてなく、コア配置領域と比較して剛性が低く、着用時によれるおそれがある。しかし、本態様よれば、フック部がフラップ部に配置されているため、フック部を介してフラップ部も着用物品に係止でき、着用時にフラップ部がよれることを抑制できる。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記フック部は、前記裏面シートの全面に亘って配置されてよい。本態様によれば、裏面シートが吸収性物品の全面に配置され、当該裏面シートの全面に亘ってフック部が配置されているため、フック部を介して吸収性物品の全面を着用物品に係止できる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記ベース部の厚みは、前記フック部の高さよりも厚くてよい。ベース部の厚みがフック部と比べて厚いため、裏面シートの剛性に寄与する割合がフック部よりもベース部が高くなり易い。ベース部は、裏面シートの全体に亘って平面方向に延びている。これに対して、フック部は、平面方向において間隔を空けて配置されており、裏面シートには、フック部の有無による剛性差が生じる。しかし、裏面シートの剛性に寄与する割合がフック部よりもベース部が高いことにより、フック部の有無による剛性差が裏面シート全体の剛性に寄与しにくくなり、裏面シートの剛性のバラツキを抑制できる。よって、裏面シートの剛性のバラツキを抑制することで、局所的なフック部の破断を抑制でき、着用物品に対する係止状態を維持し易くなる。
【0017】
(2)実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、母乳パッド、大人用失禁パッド、糞便パッド又は汗取りシートのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、使用者の下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0018】
図1は、肌面側から見た実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図2は、非肌面側から見た実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図3は、図1に示すA−A線に沿った断面図である。図4は、図3に示すB部分の拡大図である。図1及び図2は、後述する折り目によって折り畳まれていない展開状態の平面図である。なお、説明の便宜上、図2においては、フック部を省略して示している。吸収性物品1は、前後方向L、幅方向W及び厚み方向Tを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。厚み方向Tは、肌面側T1及び非肌面側T2に延びる方向である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0019】
吸収性物品1は、股下域S2、前側域S1及び後側域S3を有する。股下域S2は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向して配置される領域である。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、股下域S2は着用物品の股下に配置され、着用者の両脚の間に配置される領域である。前側域S1は、股下域S2よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、股下域S2よりも後方に位置する。後側域S3の後端縁は、吸収性物品1の後端縁を規定する。
【0020】
股下域S2には、ウイング部25が設けられてよい。ウイング部25は、吸収コア30よりも幅方向Wの外側に延出し、使用時に着用物品の非肌面側T2に折り畳まれる。ウイング部25は、表面シート10と裏面シート20を有してよい。ウイング部25の前端縁は、ウイング部25の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング部25の前端縁は、股下域S2と前側域S1との境界を規定してもよい。ウイング部25の後端縁は、ウイング部25の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング部25の後端縁は、股下域S2と後側域S3との境界を規定してもよい。また、ウイング部25を有しない吸収性物品にあっては、吸収性物品1の前後方向Lの長さが最も長い位置において、吸収性物品1を前後方向Lに3等分した領域のそれぞれが、前側域S1、股下域S2及び後側域S3を構成してもよい。
【0021】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向に沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向に沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0022】
吸収性物品1は、表面シート10と、吸収コア30と、裏面シート20を少なくとも有する。表面シート10は、着用者の肌に面するシートである。表面シート10は、使用中に着用者の肌の方に向いて配置される。表面シート10は、繊維を有する不織布又は織布によって構成されてよい。表面シート10は、液透過性シートから構成されていてよい。表面シート10は、1枚のシートによって構成されていてもよいし、吸収コア30の幅方向Wの中央を覆うセンターシート及びセンターシートの外側部に重なるサイドシートによって構成されていてもよい。吸収コア30は、吸収性物品1の前後方向Lに沿って延びている。吸収コア30は、水分を吸収可能な吸収材料を有する。吸収材料は、パルプ及び高吸収性ポリマー(SAP)を例示できる。吸収コア30は、ティッシュ等によって構成されたコアラップによって覆われていてよい。吸収コア30は、少なくとも股下域S2及び後側域S3に配置されてよく、前側域S1、股下域S2及び後側域S3に配置されてよい。裏面シート20は、使用中に着用者の肌とは反対側に向けられ、着用物品に当接する。裏面シート20は、液不透過性のシートであり、吸収性物品の最も非肌面側に位置する部材である。表面シート10及び裏面シート20は、吸収性物品1の平面全体に配置されている。裏面シート20については、後述にて詳細に説明する。
【0023】
吸収性物品1は、使用前に包装シート40によって個別に包装されてよい。より詳細には、包装シート40上に吸収性物品1が載置された状態(図1及び図2に示す状態)で包装シート40及び吸収性物品1が共に折り畳まれることによって、包装シート40によって吸収性物品1が内包されてよい。包装シートは、フィルム、不織布、織布等の既知の材料によって構成されてよい。図5は、複数の折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態の吸収性物品1を示す。図5(a)は、折り畳み状態の平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すC−C線に沿った断面図である。包装シート40は、展開状態及び折り畳み状態において、裏面シート20の非肌面側T2を覆ってよい。複数の折り目は、吸収性物品1の肌面側T1が向き合うように折り畳むための折り目であってよく、前後方向Lに沿っていてもよいし、幅方向Wに沿っていてもよい。本実施の形態の吸収性物品1は、幅方向Wに沿った第1折り目FW1及び第2折り目FW2を基点に折り畳まれている。第1折り目FW1は、第2折り目FW2よりも後側に設けられている。
【0024】
次いで、裏面シート20について詳細に説明する。図4に示すように、裏面シート20は、前後方向L及び幅方向Wを含む平面方向に延びるベース部21と、ベース部21から非肌面側T2に突出し、着用物品に係止するフック部22と、を有する。フック部22は、ベース部21と同一素材及び同一部材であって、ベース部21と連続して形成されている。ベース部21は、所定の厚みを有する層であり、その厚みは一定であってよい。ベース部21は、吸収コア30の非肌面側T2又はコアラップの非肌面側T2を覆っている。フック部22は、ベース部21から厚み方向Tに延びる軸部221と、軸部221よりも平面方向に広がる傘部222と、を有してよい。傘部222は、軸部221よりも平面方向に広がり、着用物品や表面シートに引っ掛かるように構成されている。裏面シート20の全体厚みは、30μm〜100μmであってよく、フック部22の高さは、10μm〜30μmであってよい。
【0025】
このような構成によれば、ベース部21の非肌面側T2に突出したフック部22を介して、吸収性物品1を着用物品に係止させることができる。吸収性物品1が着用された状態では、脚の動き等によって吸収性物品1には様々な力がかかる。このとき、フック部22がベース部21と同一部材であって、フック部22がベース部21と連続して形成されているため、フック部22とベース部21の連結部分等の局所的に剛性が低い部分ができ難い。そのため、吸収性物品1に様々な力がかかった際に、裏面シート20全体において力を受けて、局所的なフック部22の破断を抑制できる。フック部22の破断を抑制することで、着用物品に対する係止状態を維持し易くなる。また、吸収性物品1を使用した後に廃棄する際には、排泄物が付着した肌面側T1が内側になるように吸収性物品1を丸めることが一般的である。吸収性物品1の肌面側T1を内側にして丸めた状態では、裏面シート20の非肌面側T2を覆うように表面シート10が配置される。裏面シート20が非肌面側T2に突出するフック部22を有するため、フック部22が表面シート10に係止し、吸収性物品1が丸められた状態を維持できる。廃棄時に吸収性物品1を丸めた状態を維持し、フック部22によって清潔に吸収性物品1を廃棄できる。吸収性物品1は、使用中に着用物品に係止し続け、使用後に着用物品から剥離される必要がある。そのため、フック部は、着用物品に係止し続けるための係合強度と、容易に剥離するための剥離強度と、を兼ね備えることが好ましい。
【0026】
フック部22は、前後方向Lに間隔を空けて複数配置されていると共に、幅方向Wに間隔を空けて複数配置されている。複数のフック部22の高さH22は、一定であってよい。ここでフック部22の高さH22が一定とは、任意のフック部の高さに対する±15μm以内のものを含む概念である。すなわち、複数のフック部22の高さが僅かに異なる場合、最も高いフック部22の高さと、最も高さの低いフック部22の高さと、の差が30μmであれば、複数のフック部22は一定のものとする。また、フック部22の高さH22は、図4に示すように、ベース部21に対する高さである。高さが異なるフック部22を有する構成にあっては、高さの違いによってフック部22にかかる力にバラツキが生じ、一部のフック部22に局所的に力がかかり、当該一部のフック部22が破断するおそれがある。しかし、複数のフック部22の高さであることにより、高さの違いによる力のバラツキを抑制し、裏面シート20全体において力を受けて、フック部22の局所的な破断を抑制できる。
【0027】
フック部22は、吸収コア30と厚み方向Tに重なるコア配置領域R30の全面に亘って配置されてよい。コア配置領域R30は、図1等に示す平面視にて吸収コア30が配置された領域であり、図1において斜線を付した領域である。なお、ベース部21は、裏面シート20の全面に設けられており、フック部22は、間隔を空けて配置されている。そのため、フック部22がコア配置領域R30の全体に亘って配置された構成とは、コア配置領域R30の全面を埋め尽くすようにフック部22が配置された構成に限られず、本実施の形態のように一定の間隔を空けた状態でコア配置領域R30の全体に亘ってフック部22が配置された構成を含むものである。このような構成によれば、コア配置領域R30の全面に亘ってフック部22を介して着用物品に吸収性物品1を係止できる。体液を吸収する吸収コア30が配置された領域R30の全体が着用物品から浮き上がりにくくなり、体液が意図せずに身体に付着したり、体液が漏れたりする不具合を抑制できる。
【0028】
フック部22は、フラップ部に配置されてよい。フラップ部は、コア配置領域R30よりも幅方向Wの外側に配置され、幅方向Wの外側に膨らむ部分である。本実施の形態のウイング部25は、フラップ部を構成する。なお、フラップ部は、後側域S3において幅方向の外側に膨らむヒップフラップ部を含んでもよい。フラップ部は、吸収コア30が配置されてなく、コア配置領域R30と比較して剛性が低く、着用時によれるおそれがある。しかし、フック部22がフラップ部に配置されているため、フック部を介してフラップ部も着用物品に係止でき、着用時にフラップ部がよれることを抑制できる。
【0029】
フック部22は、裏面シート20の全面に亘って配置されてよい。ここで、フック部22が裏面シート20の全面に亘って配置された構成とは、裏面シート20の全面を埋め尽くすようにフック部22が配置された構成に限られず、本実施の形態のように一定の間隔を空けた状態で裏面シート20の全体に亘ってフック部22が配置された構成を含むものである。このような構成によれば、裏面シート20が吸収性物品1の全面に配置され、当該裏面シート20の全面に亘ってフック部22が配置されているため、フック部22を介して吸収性物品1の全面を着用物品に係止できる。
【0030】
ベース部21の厚みT21は、フック部22の高さH22よりも厚くてよい。ベース部21の厚みT21がフック部22と比べて厚いため、裏面シート20の剛性に寄与する割合がフック部22よりもベース部21が高くなり易い。ベース部21は、裏面シート20の全体に亘って平面方向に延びている。これに対して、フック部22は、平面方向において間隔を空けて配置されている。そのため、裏面シート20には、フック部22の有無による剛性差が生じる。しかし、裏面シート20の剛性に寄与する割合がフック部22よりもベース部21が高いことにより、フック部22の有無による剛性差が裏面シート20全体の剛性に寄与し難くなり、裏面シート20の剛性のバラツキを抑制できる。よって、裏面シート20の剛性のバラツキを抑制することで、局所的なフック部22の破断を抑制でき、着用物品に対する係止状態を維持し易くなる。
【0031】
裏面シート20の少なくとも一部は、図5に示す折り畳み状態において、包装シート40によって覆われてよい。フック部22は、包装シート40と係合してよい。包装シート40によって、使用前のフック部22を覆い、フック部22を保護することができる。吸収性物品1の使用前に意図せずにフック部22が表面シート10等に係止する不具合を抑制できる。また、従来の粘着剤によって吸収性物品1を着用物品に係止する構成と比較して、粘着剤及び粘着剤を保護する剥離シートが不要となり、部品点数を減少できる。
【0032】
展開状態において、裏面シート20は、展開状態において包装シート40によって覆われていない非被覆領域NRを有してよい。非被覆領域NRは、裏面シート20の一部の領域であって、図2に示す展開状態において包装シート40によって覆われていない領域である。図2において非被覆領域NRに斜線を付している。展開状態において、裏面シート20の一部は、包装シート40によって覆われ、裏面シート20の他の部分(非被覆領域NR)は、裏面シート20によって覆われていない。なお、展開状態は、折り目を基点に吸収性物品1が折り畳まれていない状態であり、複数の折り目を有する形態にあっては、いずれの折り目を基点にも折り畳まれていない状態である。図5(b)に示すように、折り畳み状態において、非被覆領域NRのフック部22は、表面シート10に対向して配置されてよく、表面シート10に係合してもよい。折り畳み状態において、非被覆領域NRのフック部22を表面シート10によって覆うことができ、非被覆領域NR以外のフック部22を裏面シート20によって覆うことができる。吸収性物品1の使用前にフック部22が意図せずにシート等に係止する不具合を抑制できる。また、本実施の形態では、折り畳み状態において包装シート40の端部を止める封止テープ45によって、折り畳み状態を維持するように構成されている。しかし、折り畳み状態において裏面シート20のフック部22が表面シート10に係止することによって、包装シート40同士を接合する封止テープ45を用いることなく、折り畳み状態を維持することも可能となる。
【0033】
また、変形例において、展開状態において、裏面シート20は、全面に亘って包装シート40によって覆われてよい。裏面シート20の全面が包装シート40によって覆われていることにより、包装シート40によって使用前のフック部22の全体を覆うことができ、フック部22を保護することができる。吸収性物品1の使用前に意図せずにフック部22が表面シート10等に係止する不具合を抑制できる。
【0034】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本態様によれば、着用物品に係止するフック部の破断を抑制し、着用物品に対する係止状態を維持し易い吸収性物品を提供できる。
【符号の説明】
【0036】
1:吸収性物品、10:表面シート、20:裏面シート、21:ベース部、22:フック部、221:軸部、222:傘部、25:ウイング部(フラップ部)、30:吸収コア、40:包装シート、FW1:第1折り目(折り目)、FW2:第2折り目(折り目)、NR:非被覆領域、R30:コア配置領域、L:前後方向、T:厚み方向、T1:肌面側、T2:非肌面側、W:幅方向
図1
図2
図3
図4
図5