特開2021-55644(P2021-55644A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-55644(P2021-55644A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼器及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/26 20060101AFI20210312BHJP
   F02C 9/34 20060101ALI20210312BHJP
   F02C 9/40 20060101ALI20210312BHJP
   F23R 3/00 20060101ALI20210312BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20210312BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20210312BHJP
   F23R 3/36 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   F02C7/26 A
   F02C9/34
   F02C9/40 A
   F23R3/00 D
   F23R3/28 A
   F02C7/22 A
   F23R3/28 D
   F23R3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-181129(P2019-181129)
(22)【出願日】2019年10月1日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 智広
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正平
(72)【発明者】
【氏名】平田 義隆
(72)【発明者】
【氏名】林 明典
(72)【発明者】
【氏名】穐山 恭大
(72)【発明者】
【氏名】松原 慶典
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水素を含まないガス燃料を利用して水素含有燃料を安定に着火できるようにし、かつ水素含有燃料の分散性を高める。
【解決手段】起動用燃料f1が流通する起動用燃料配管57と、主燃料f2が流通する第1主燃料配管59と、主燃料が流通する第2主燃料配管60と、前記起動用燃料配管及び前記第1主燃料配管が接続する燃料混合器61と、前記燃料混合器が接続する内周燃料ノズル21と、前記第2主燃料配管が接続する複数の外周燃料ノズル22,23と、前記起動用燃料配管に設けた起動用燃料制御弁64と、前記第1主燃料配管に設けた第1燃料制御弁65と、前記第2主燃料配管に設けた第2燃料制御弁66とを含んで構成されたバーナ8をガスタービン燃焼器3に備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動用燃料が流通する起動用燃料配管と、
主燃料が流通する第1主燃料配管と、
主燃料が流通する第2主燃料配管と、
前記起動用燃料配管及び前記第1主燃料配管が接続する燃料混合器と、
前記燃料混合器が接続する内周燃料ノズルと、
前記第2主燃料配管が接続する複数の外周燃料ノズルと、
前記起動用燃料配管に設けた起動用燃料制御弁と、
前記第1主燃料配管に設けた第1燃料制御弁と、
前記第2主燃料配管に設けた第2燃料制御弁と
を含んで構成されたバーナを備えているガスタービン燃焼器。
【請求項2】
請求項1のガスタービン燃焼器において、
前記起動用燃料制御弁、前記第1燃料制御弁及び前記第2燃料制御弁を制御するコントローラを備え、
前記コントローラが以下の手順を実行するガスタービン燃焼器。
(1)前記起動用燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料を供給する手順
(2)ガスタービンの負荷が第1設定値まで上昇したら、前記第2燃料制御弁の開度を上げて前記複数の外周燃料ノズルに前記主燃料を供給する手順
(3)前記ガスタービンの負荷が第2設定値まで更に上昇したら、前記第1燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料と前記主燃料との混合ガス燃料を供給する手順
【請求項3】
請求項2のガスタービン燃焼器において、前記コントローラが以下の手順を実行するガスタービン燃焼器。
(4)前記第2燃料制御弁の開度を下げて前記ガスタービンの負荷が第3設定値まで下降したら、前記第1燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記主燃料の供給を停止すると共に、前記第2燃料制御弁の開度を下げる手順
(5)前記ガスタービンの負荷が第4設定値まで更に下降したら、前記第2燃料制御弁を閉じて起動用燃料の専焼状態に移行し、その後前記起動用燃料制御弁の開度をゼロまで下げて消火する手順
【請求項4】
請求項2のガスタービン燃焼器において、前記コントローラが以下の手順を実行するガスタービン燃焼器。
(4)前記ガスタービンの負荷が第3設定値まで更に上昇したら、前記起動用燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記起動用燃料の供給を停止し、前記複数の外周燃料ノズル及び前記内周燃料ノズルの全てから前記主燃料のみが噴出する主燃料の専焼状態に移行する手順
【請求項5】
請求項4のガスタービン燃焼器において、前記コントローラが以下の手順を実行するガスタービン燃焼器。
(5)前記第2燃料制御弁の開度を下げる手順
(6)前記ガスタービンの負荷が第4設定値まで下降したら、前記起動用燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料と前記主燃料との混合ガス燃料を供給する手順
(7)前記ガスタービンの負荷が第5設定値まで更に下降したら、前記第1燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記主燃料の供給を停止すると共に、前記第2燃料制御弁の開度を下げる手順
(8)前記ガスタービンの負荷が第6設定値まで更に下降したら、前記第2燃料制御弁を閉じて起動用燃料の専焼状態に移行し、その後前記起動用燃料制御弁の開度をゼロまで下げて消火する手順
【請求項6】
請求項1のガスタービン燃焼器において、前記複数の外周燃料ノズルが複数のノズル群に分割されており、前記第2主燃料配管が複数に分岐して対応するノズル群に接続しているガスタービン燃焼器。
【請求項7】
請求項1のガスタービン燃焼器において、前記バーナを複数備えているガスタービン燃焼器。
【請求項8】
請求項1のガスタービン燃焼器において、
燃焼室を形成する筒状のライナと、
前記ライナの入口に配置され、前記燃焼室に圧縮空気を導く複数の空気孔を備えた空気孔プレートとを備え、
前記内周燃料ノズル及び前記複数の外周燃料ノズルが、それぞれ対応する空気孔に噴射口を向け、前記空気孔プレートを挟んで前記燃焼室と反対側に配置されており、
前記内周燃料ノズルと前記複数の外周燃料ノズルが同心円状に配置されているガスタービン燃焼器。
【請求項9】
請求項1のガスタービン燃焼器において、
燃焼室を形成する筒状のライナと、
前記ライナの入口に配置され、前記燃焼室に圧縮空気を導く複数の空気孔を備えた空気孔プレートとを備え、
前記内周燃料ノズル及び前記外周燃料ノズルの噴射口が前記空気孔の内壁面に開口しているガスタービン燃焼器。
【請求項10】
請求項1のガスタービン燃焼器において、前記起動用燃料が天然ガス又は石油ガスであり、前記主燃料が水素含有燃料であるガスタービン燃焼器。
【請求項11】
請求項1のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン燃焼器の運転方法において、
前記起動用燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料を供給し、
ガスタービンの負荷が第1設定値まで上昇したら、前記第2燃料制御弁の開度を上げて前記複数の外周燃料ノズルに前記主燃料を供給し、
前記ガスタービンの負荷が第2設定値まで更に上昇したら、前記第1燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料と前記主燃料との混合ガス燃料を供給するガスタービン燃料器の運転方法。
【請求項12】
請求項11のガスタービン燃焼器の運転方法において、
前記第2燃料制御弁の開度を下げて前記ガスタービンの負荷が第3設定値まで下降したら、前記第1燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記主燃料の供給を停止すると共に、前記第2燃料制御弁の開度を下げ、
前記ガスタービンの負荷が第4設定値まで更に下降したら、前記第2燃料制御弁を閉じて起動用燃料の専焼状態に移行し、その後前記起動用燃料制御弁の開度をゼロまで下げて消火するガスタービン燃料器の運転方法。
【請求項13】
請求項11のガスタービン燃焼器の運転方法において、前記ガスタービンの負荷が第3設定値まで更に上昇したら、前記起動用燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記起動用燃料の供給を停止し、前記複数の外周燃料ノズル及び前記内周燃料ノズルの全てから前記主燃料のみが噴出する主燃料の専焼状態に移行するガスタービン燃料器の運転方法。
【請求項14】
請求項13のガスタービン燃焼器の運転方法において、
前記第2燃料制御弁の開度を下げ、
前記ガスタービンの負荷が第4設定値まで下降したら、前記起動用燃料制御弁の開度を上げて前記内周燃料ノズルに前記起動用燃料と前記主燃料との混合ガス燃料を供給し、
前記ガスタービンの負荷が第5設定値まで更に下降したら、前記第1燃料制御弁を閉じて前記内周燃料ノズルに対する前記主燃料の供給を停止すると共に、前記第2燃料制御弁の開度を下げ、
前記ガスタービンの負荷が第6設定値まで更に下降したら、前記第2燃料制御弁を閉じて起動用燃料の専焼状態に移行し、その後前記起動用燃料制御弁の開度をゼロまで下げて消火するガスタービン燃料器の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン燃焼器及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化抑止、資源有効利用、発電コスト低減の観点から、製鉄所で副生するコークス炉ガスや製油所で副生するオフガス等の副生ガスを発電用燃料として有効利用することが求められている。また、豊富な資源である石炭をガス化して発電する石炭ガス化複合発電(Integrated coal Gasification Combined Cycle:IGCC)にも注目が集まっている。石炭ガス化複合発電では、ガスタービンに供給されるガス燃料中の炭素分を回収し貯留するシステム(Carbon Capture and Storage:CCS)によって二酸化炭素(CO)排出量を削減する方策が検討されている。ガス燃料は水素(H)を主成分とするため、ガスタービンで一般に使用される天然ガス(主成分はメタン)に比べてCO排出量を削減でき、地球温暖化抑止に貢献し得る。更に、将来の水素社会の実現に向けて純水素燃料による発電も検討されている。純水素を燃料として発電できればCOを全く排出しないゼロエミッション発電が実現できる。このように水素含有燃料は地球温暖化抑止、資源有効利用、発電コスト低減の観点から有望視されている。
【0003】
但し、水素を燃焼させると、天然ガスを燃焼させた場合に比べて燃焼領域の最高断熱火炎温度が局所的に高くなるため、燃焼ガス中の環境汚染物質である窒素酸化物(NOx)の排出量の増加が懸念される。また、水素は天然ガスに比べて燃焼速度が速いため、燃焼器上流のバーナ部まで火炎が逆流する可能性があり燃焼器の信頼性の低下が懸念される。そこで、燃料の分散性を高めて局所的な高温火炎の形成を防止することで、NOx排出量の低減と火炎の逆流の防止を図った希薄燃焼方式の燃焼器が知られている(特許文献1等)。同方式の燃焼器では、例えば複数の空気孔を持つ空気孔プレートと複数の燃料ノズルとを備え、各燃料ノズルから対応する空気孔に向かって燃料を噴射し、燃料流とこれを包囲する空気流とからなる同軸噴流を燃焼室に供給する。
【0004】
ガスタービンの燃料に水素含有燃料を使用する場合、燃焼器内で着火に失敗すると未燃焼の水素含有燃料が燃焼器から排出されてタービンに滞留し、タービンで燃料が燃焼する懸念がある。その対策として、水素を含まない起動用燃料で着火してから水素含有燃料を供給する運転方法がある。その一種として、油燃料で着火して燃料を水素含有燃料に切り換える例が知られている(特許文献2,3)。また、中央に配置したパイロットバーナを天然ガスで着火した後、複数のメインバーナの一部を天然ガス、残りを水素含有燃料で運用する混焼の例も知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−148734号公報
【特許文献2】特開2014−105601号公報
【特許文献3】特開2018−71354号公報
【特許文献4】特開2016−75448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2−4において起動用燃料の噴射に使用する燃料ノズルは、水素含有燃料を噴射することができない。そのため、仮に水素含有燃料の専焼運転に移行した場合、起動用燃料の燃料ノズルの燃料噴射領域に燃料が供給できなくなり、ガス燃料の分散性が低下してNOx排出量の低減の観点で不利になる。
【0007】
本発明の目的は、水素を含まないガス燃料を利用して水素含有燃料を安定に着火することができ、かつ水素含有燃料の分散性を高めることができるガスタービン燃焼器とその運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、起動用燃料が流通する起動用燃料配管と、主燃料が流通する第1主燃料配管と、主燃料が流通する第2主燃料配管と、前記起動用燃料配管及び前記第1主燃料配管が接続する燃料混合器と、前記燃料混合器が接続する内周燃料ノズルと、前記第2主燃料配管が接続する複数の外周燃料ノズルと、前記起動用燃料配管に設けた起動用燃料制御弁と、前記第1主燃料配管に設けた第1燃料制御弁と、前記第2主燃料配管に設けた第2燃料制御弁とを含んで構成されたバーナを備えているガスタービン燃焼器を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水素を含まないガス燃料を利用して水素含有燃料を安定に着火することができ、かつ水素含有燃料の分散性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図
図2】本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図
図3】本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(起動時)の説明図
図4】本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(停止時)の説明図
図5】本発明の効果の説明図
図6】本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図
図7】本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図
図8】本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図
図9】本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(起動時)の説明図
図10】本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(停止時)の説明図
図11】本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図
図12】本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図
図13】本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(起動時)の説明図
図14】本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器の運転方法(停止時)の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
−ガスタービンプラント−
図1は本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。図2は本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図である。
【0013】
ガスタービンプラント1は、空気圧縮機2、ガスタービン燃焼器(以下、燃焼器と略称する)3、タービン4、発電機6を含んで構成されている。空気圧縮機2は空気a1を吸入して圧縮し、圧縮空気a2を燃焼器3に供給する。燃焼器3は圧縮空気a2とガス燃料(起動用燃料f1、主燃料f2)を混合し燃焼させて燃焼ガスg1を生成する。タービン4は燃焼器3で発生した燃焼ガスg1により駆動され、タービン4を駆動した燃焼ガスg1は排気ガスg2として放出される。発電機6はタービン4の回転動力により駆動されて発電する。なお、ガスタービンは起動開始時のみ起動用モータ7により駆動される。
【0014】
−ガスタービン燃焼器−
燃焼器3は、ガスタービンのケーシング(不図示)に取り付けられており、ライナ(内筒)12、フロースリーブ(外筒)10、バーナ8及び燃料系統200を含んで構成されている。ライナ12は円筒状の部材であり、内部に燃焼室5を形成する。フロースリーブ10はライナ12よりも内径が大きくライナ12の外周を包囲する円筒状の部材であり、ライナ12との間に円筒状の空気流路9を形成する。フロースリーブ10におけるタービン4と反対側(図1中の左側)の端部はエンドカバー13で塞がれている。フロースリーブ10によってライナ12の外周に形成された空気流路9をタービン4から離れる方向に空気圧縮機2からの圧縮空気a2が流通し、空気流路9を流れる圧縮空気a2によってライナ12の外周面が対流冷却される。加えて、ライナ12の壁面には多数の孔が形成されており、空気流路9を流れる圧縮空気a2の一部a3がそれら孔を通って燃焼室5に流入し、ライナ12の内周面をフィルム冷却する。そして、空気流路9を通過してバーナ8に到達した圧縮空気a2が、燃料系統200からバーナ8に供給されるガス燃料と共に燃焼室5に噴出して燃焼する。燃焼室5では圧縮空気a2とガス燃料との混合ガス燃料が燃焼して燃焼ガスg1が生成され、燃焼器尾筒(不図示)を介してタービン4に供給される。
【0015】
図1に示すように、バーナ8はライナ12の入口(タービン4と反対側の端部開口)に1つだけ配置されており、空気孔プレート20、燃料ノズル21−23及び燃料分配器(燃料ヘッダ)24を備えている。
【0016】
空気孔プレート20はライナ12と同軸の円形のプレートであり、ライナ12の入口(タービン4と反対側の端部開口)に配置されている。この空気孔プレート20には燃焼室5に圧縮空気a2を導く複数の空気孔51−53が備っている。複数の空気孔51−53はライナ12の中心軸Oを中心とする同心円状の複数の環状列を構成している。1列目(最内周)の環状列に属するのが空気孔51、2列目の環状列に属するのが空気孔52、3列目(最外周)の環状列に属するのが空気孔53である。空気孔51が内周空気孔を構成し、空気孔52,53が外周空気孔を構成する。本実施形態では空気孔51−53に旋回角が付けられており、各孔の出口が入口に対して周方向の一方側にずれている。
【0017】
燃料ノズル21−23は燃料分配器24に支持されて、空気孔プレート20を挟んで燃焼室5と反対側に配置されている。燃料ノズル21−23は空気孔51−53に数や位置が対応しており(1つの空気孔に1つの燃料ノズルが対応しており)、空気孔51−53と共にライナ12の中心軸Oを中心とする同心円状の複数の環状列を構成している。1列目(最内周)の環状列に属するのが燃料ノズル21、2列目の環状列に属するのが燃料ノズル22、3列目(最外周)の環状列に属するのが燃料ノズル23である。燃料ノズル21が内周燃料ノズルを構成し、燃料ノズル22,23が外周燃料ノズルを構成する。燃料ノズル21−23は対応する空気孔の入口に噴射口を向けており、それぞれ対応する空気孔に向かってガス燃料を噴射する。このように多数の燃料ノズルから対応する空気孔に向けて燃料を噴射することで、燃料流の周囲が空気流で覆われた燃料と空気の同軸噴流が各空気孔から燃焼室5に分散して噴射される。
【0018】
なお、環状列の円周の違いから、外側の環状列ほど燃料ノズル及び空気孔の数が多い。つまり、1列目(最内周)の燃料ノズル21及び空気孔51の数(図2の例では各6個)は、2列目の燃料ノズル22及び空気孔52の数(図2の例では各12個)よりも少ない。2列目の燃料ノズル22及び空気孔52の数は3列目(最外周)の燃料ノズル23及び空気孔53の数(図2の例では各18個)よりも少ない。
【0019】
燃料分配器24は燃料ノズル21−23に燃料を分配して供給する部材であり、複数の燃料キャビティ25,26を内部に含んで構成されている。燃料キャビティ25,26は、対応する環状列に属する複数の燃料ノズルにガス燃料を分配して供給する役割を果たす空間である。燃料キャビティ25はライナ12の中心軸O上に円柱状に形成され、燃料キャビティ26は燃料キャビティ25の外周を囲うようにして円筒状に形成されている。本実施形態では各燃料ノズル21が燃料キャビティ25に接続し、各燃料ノズル22,23が燃料キャビティ26に接続している。燃料キャビティ25にガス燃料が供給されると、最内周の環状列に配置された各燃料ノズル21にガス燃料が分配されて噴出し、各空気孔51から燃焼室5に圧縮空気a2と共にガス燃料が噴出する。燃料キャビティ26にガス燃料が供給されると、2列目及び3列目の環状列に配置された各燃料ノズル22,23にガス燃料が分配されて噴出し、空気孔52,53から燃焼室5に圧縮空気a2と共にガス燃料が噴出する。
【0020】
燃料系統200は、燃料供給源55,56、起動用燃料配管57、主流配管58、主燃料配管59,60、燃料混合器61、燃料遮断弁62,63、燃料制御弁64−66を含んで構成されている。
【0021】
燃料供給源55は起動用燃料f1の供給源である。起動用燃料f1には、炭化水素系燃料等の水素を含まない燃料、又は水素含有率が数%(例えば5%)以下のガス燃料が用いられる。炭化水素系燃料の代表例は、例えばメタンを主成分とする天然ガス、プロパンやブタンを主成分とする石油ガスである。燃料供給源56は主燃料f2の供給源である。主燃料f2には、副生ガス等の水素含有率が数%(例えば5%)から数十%以上の水素含有燃料が用いられる。純水素(水素含有率100%)も水素含有燃料の一種である。
【0022】
燃料供給源55からは起動用燃料配管57が延び、起動用燃料配管57を起動用燃料f1が流通する。燃料供給源56から延びる主流配管58は第1の主燃料配管59と第2の主燃料配管60に分岐し、これら主燃料配管59,60を主燃料f2が流通する。起動用燃料配管57と第1の主燃料配管59は燃料混合器61に接続して合流する。燃料混合器61は連絡管68を介して燃料キャビティ25に接続し、燃料キャビティ25を介して内周の各燃料ノズル21に接続している。第2の主燃料配管60は燃料キャビティ26に接続し、燃料キャビティ26を介して外周の各燃料ノズル22,23に接続している。起動用燃料配管57には燃料遮断弁62と燃料制御弁(起動用燃料制御弁)64が設けられている。また、第1の主燃料配管59には燃料制御弁65(第1燃料制御弁)が、第2の主燃料配管60には燃料制御弁66(第2燃料制御弁)が、それぞれ設けられている。主燃料配管59,60の互いの分岐部と燃料供給源56の間(つまり主流配管58)には燃料遮断弁63が設けられている。
【0023】
燃料遮断弁62を開けることで起動用燃料配管57に起動用燃料f1が供給され、燃料遮断弁62を閉じることで起動用燃料配管57への起動用燃料f1の供給が遮断される。燃料遮断弁63を開けることで主燃料配管59,60に主燃料f2が供給され、燃料遮断弁63を閉じることで主燃料配管59,60への主燃料f2の供給が遮断される。燃料制御弁64−66は開度に応じて燃料流量を調整する役割を果たし、全閉状態とすることで燃料の流れを遮断することもできる。
【0024】
例えば燃料遮断弁62を開放して燃料遮断弁63を閉じ、燃料制御弁64の開度を全閉から上げていくことで燃料キャビティ25への起動用燃料f1の供給流量が増加し、燃料ノズル21から起動用燃料f1のみが噴出する。反対に、燃料遮断弁63を開放して燃料遮断弁62を閉じ、燃料制御弁65の開度を全閉から上げていくことで燃料キャビティ25への主燃料f2の供給流量が増加し、燃料ノズル21から主燃料f2のみが噴出する。更には、燃料遮断弁62,63を共に開放し、燃料制御弁64,65の開度を全閉から上げていくと、燃料混合器61で起動用燃料f1と主燃料f2が混ざり合い、燃料キャビティ25を介して両燃料の混合ガス燃料が燃料ノズル21から噴出する。また、燃料遮断弁63を開放した状態で燃料制御弁66の開度を全閉から上げていくと、燃料キャビティ26への主燃料f2の供給流量が増加し、燃料ノズル22,23から主燃料f2のみが噴出する。
【0025】
なお、本実施形態では空気孔の環状列が3列の場合を例示したが、2列又は4列以上であっても良い。列数を増やすことで、大容量のガスタービンにも対応でき、運転制御性も向上する。
【0026】
また、燃焼器3には、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66を制御するコントローラ70が備わっている。コントローラ70は、センサ71で検出されたガスタービンの負荷に基づいて燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66を制御する。本実施形態ではガスタービンの負荷として発電機6の出力やタービン4の回転数が計測され、センサ71として電力計や回転センサを用いることができる。また、ガスタービンの負荷と燃料流量は比例関係にあるため、燃料の供給流量を計測する流量計や燃料制御弁64−66の開度計をセンサ71として用いることもできる。
【0027】
コントローラ70はコンピュータであり、入力インターフェース、ROM(例えばEPROM)、RAM、CPU、タイマー及び出力インターフェース等を含んで構成されている。入力インターフェースには、センサ71から出力される検出信号やオペレータの操作に応じて入力装置(不図示)から出力される操作信号が入力される。ROMは、燃焼器3を含めてガスタービンプラントの運転に必要な演算式やプログラム、データを格納している。RAMは、例えば演算途中の数値や入力装置から入力したデータ等を記憶する。出力インターフェースは、CPUの指令に応じて燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66や、ガスタービンプラントに備わったその他の作動装置(例えばIGV)への指令信号を出力する。
【0028】
CPUは、ROMからロードしたプログラムに従って、入力インターフェースを介して入力されたデータに基づいて燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66等の制御を実行する。
【0029】
−動作−
以下、本実施形態における燃焼器3の運転方法について説明する。以下に説明する運転方法は、センサ71により検出されるガスタービンの負荷に応じてコントローラ70により自動的に実行されるが、ガスタービンの負荷をモニタしながらオペレータが適宜手動操作で行うこともできる。起動用燃料f1と主燃料f2の流量は発電出力等のガスタービンの負荷に基づいて決まり、ガスタービンの負荷に応じた燃料流量が供給されるように燃料制御弁64,65,66の開度が制御される。
【0030】
図3は第1実施形態の燃焼器の運転方法(起動時)の説明図である。起動用燃料f1の着火から主燃料f2の専焼状態に移行するまでの起動時の運転方法の一例を図3で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど高負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段は内周の燃料ノズル21、外周の燃料ノズル22,23に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。バーナ模式図に示した内周バーナF1は燃料ノズル21を含んで構成された内周側の円形のバーナ、外周バーナF2は燃料ノズル22,23を含んで構成された外周側のドーナツ状のバーナである。
【0031】
本実施形態では、以下の4つの手順(1)−(4)をコントローラ70又はオペレータが順番に実行し、着火から定格負荷までの運転を行う。
(1)燃料ノズル22,23(外周バーナF2)に燃料を供給しない状態で燃料ノズル21(内周バーナF1)に起動用燃料f1供給する。
(2)燃料ノズル21(内周バーナF1)への起動用燃料f1の供給を継続した状態で、燃料ノズル22,23(外周バーナF2)に主燃料f2を供給する。
(3)燃料ノズル22,23(外周バーナF2)に主燃料f2を継続して供給しつつ、燃料ノズル21(内周バーナF1)に主燃料f2を供給し始め、燃料ノズル21に供給する燃料を起動用燃料f1から起動用燃料f1及び主燃料f2の混合ガス燃料に切り換える。
(4)燃料ノズル21(内周バーナF1)への起動用燃料f1の供給を停止し、燃料ノズル21−23の全て(内周バーナF1及び外周バーナF2の双方)に主燃料f2のみを供給する。
【0032】
上記手順(1)−(4)における燃料供給状態は図3下段に表した同番号のバーナ模式図(1)−(4)に対応している。手順(1)−(4)の弁の動作についてそれぞれ説明する。
【0033】
手順(1)
起動用モータ7でガスタービンのロータを回し始め、ガスタービンの負荷(例えばタービン4の回転数又は発電機6の発電出力)が着火可能条件を満たす設定値L0まで上昇したら、コントローラ70は、手順(1)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62及び燃料制御弁64への信号S2,S4(図1)を出力し、燃料遮断弁62を開放すると共に、燃料制御弁64を開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより起動用燃料f1が内周バーナF1の燃料ノズル21から噴出して着火し、起動用燃料f1が所定の増加率で増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66は閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0034】
手順(2)
ガスタービンの負荷が第1設定値L1(>L0)まで上昇したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66に信号S2,S3,S4,S6(図1)を出力して手順(2)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放し、燃料制御弁64の開度を維持しつつ、燃料制御弁66を開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより内周バーナF1の燃料ノズル21からの起動用燃料f1の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2の燃料ノズル22,23から主燃料f2が噴出し始め、起動用燃料f1により形成された火炎を火種として主燃料f2が着火する。更に所定の増加率で主燃料f2が増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料制御弁65は閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0035】
手順(3)
ガスタービンの負荷が第2設定値L2(>L1)まで上昇したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66に信号S2−S6(図1)を出力して手順(3)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁65を開き、燃料制御弁65,66の開度を例えば規定増加率で上げていく一方で燃料制御弁64の開度をゼロまで下げていく。これにより内周バーナF1の燃料ノズル21から起動用燃料f1と主燃料f2の混合ガス燃料が噴出し始め、混合ガス燃料の主燃料濃度が増加すると共に、外周バーナF2の燃料ノズル22,23からの主燃料f2の噴射量も増加していく。燃料ノズル21から噴出し始める主燃料f2も起動用燃料f1と共に安定に燃焼する。この間、起動用燃料f1の流量が減少するが、主燃料f2の増加によりガスタービンの負荷は更に上昇していく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0036】
手順(4)
主燃料f2の供給量が増加すると共に燃料制御弁64の開度が0まで下がって起動用燃料f1の供給が停止する頃には、ガスタービンの負荷が第3設定値L3(>L2)に到達するように設計されている。つまりガスタービンの負荷が第3設定値L3まで上昇したら、コントローラ70は燃料遮断弁62及び燃料制御弁64を閉じて内周の燃料ノズル21に対する起動用燃料f1の供給を停止する。これにより、内外周の燃料ノズル21−23の全てから主燃料f2のみが噴出する主燃料f2の専焼状態に移行する。その後、コントローラ70は燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66に信号S3,S5,S6(図1)を出力し、燃料遮断弁63を開放した状態で燃料制御弁65,66の開度(例えば合計開口面積)を例えば規定増加率で上げる。こうしてガスタービンの負荷が定格値LRまで上昇し、起動運転が完了する。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0037】
この起動方法によれば、起動用燃料f1に着火して形成した火炎を利用して着実に主燃料f2に着火し、起動用燃料f1と主燃料f2の混焼から主燃料f2の専焼に安定かつ円滑に切り換えることができる。但し、本実施形態では主燃料f2の専焼状態で定格負荷に移行する場合を例に挙げて説明したが、起動用燃料f1と主燃料f2の混焼状態で定格負荷に移行するプラントもある。その場合、上記手順(2)又は(3)で定格負荷に移行する構成とすることもできる。この場合、手順(3)及び(4)、又は手順(4)を省略することができる。
【0038】
図4は第1実施形態の燃焼器の運転方法(停止時)の説明図である。主燃料f2の専焼状態から消火までの停止時の運転方法の一例を図4で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど低負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段は内周の燃料ノズル21、外周の燃料ノズル22,23に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。
【0039】
本実施形態では、以下の4つの手順(5)−(8)をコントローラ70又はオペレータが順番に実行し、定格負荷から消火までの運転を行う。
(5)燃料ノズル21−23の全て(内周バーナF1及び外周バーナF2の双方)に主燃料f2のみを供給した状態で燃料ノズル22,23(外周バーナF2)への主燃料f2の供給量を下げる。
(6)燃料ノズル22,23(外周バーナF2)に継続して主燃料f2を供給しつつ、燃料ノズル21(内周バーナF1)に起動用燃料f1を供給し始め、燃料ノズル21に供給する燃料を主燃料f2から起動用燃料f1及び主燃料f2の混合ガス燃料に切り換える。
(7)燃料ノズル21(内周バーナF1)への主燃料f2の供給を停止し、燃料ノズル21(内周バーナF1)に起動用燃料f1のみを供給した状態で燃料ノズル22,23(外周バーナF2)への主燃料f2の供給量を減らしていく。
(8)燃料ノズル22,23(外周バーナF2)への主燃料f2の供給を停止し、燃料ノズル21(内周バーナF1)のみに燃料を供給しつつ燃料ノズル21(内周バーナF1)への起動用燃料f1の供給流量を減らして消火する。
【0040】
上記手順(5)−(8)における燃料供給状態は図4下段に表した同番号のバーナ模式図(5)−(8)に対応している。手順(5)−(8)の弁の動作についてそれぞれ説明する。
【0041】
手順(5)
操作装置(不図示)から停止信号を入力したら、コントローラ70は、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66に信号S3,S5,S6(図1)を出力して手順(5)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁63を開放した状態で、燃料制御弁65の開度を上げつつ燃料制御弁66の開度を下げ、例えば規定増加率で主燃料f2の合計供給流量を下げていく。この間、燃料遮断弁62及び燃料制御弁64は閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0042】
手順(6)
ガスタービンの負荷が定格値LRから第4設定値L4(<LR)まで下降したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66に信号S2−S6(図1)を出力して手順(6)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁66の開度を下げつつ燃料制御弁64を開き、燃料制御弁64の開度を例えば規定増加率で上げていく一方で燃料制御弁65の開度をゼロまで下げていく。これにより内周バーナF1の燃料ノズル21から起動用燃料f1と主燃料f2の混合ガス燃料が噴出し始め、混合ガス燃料の起動用燃料濃度が増加すると共に外周バーナF2の燃料ノズル22,23からの主燃料f2の噴射量が減少し、負荷が下降していく。燃料ノズル21から起動用燃料f1が噴出し始めることで燃焼速度が低下していく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0043】
手順(7)
ガスタービンの負荷が第5設定値L5(<L4)まで更に下降したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66に信号S2,S3,S4,S6(図1)を出力して手順(7)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁64の開度を維持しつつ、燃料制御弁66の開度を例えば規定増加率で下げていく。これにより内周バーナF1の燃料ノズル21からの起動用燃料f1の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2の燃料ノズル22,23からの主燃料f2の噴射量が減少し、ガスタービンの負荷が下降していく。この間、燃料制御弁65は閉じて内周バーナF1の燃料ノズル21に対する主燃料f2の供給は停止しており、主燃料f2の供給量の減少に伴って起動用燃料f1の専焼状態に近づいていく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0044】
手順(8)
主燃料f2の供給量が0になる頃には、ガスタービンの負荷が第6設定値L6(<L5)に到達するように設計されている。つまりガスタービンの負荷が第6設定値L6まで下降したら、コントローラ70は燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66を閉じて燃料ノズル21−23に対する主燃料f2の供給を停止する。これにより、内周の燃料ノズル21から起動用燃料f1のみが噴出する起動用燃料f1の専焼状態に移行する。その後、コントローラ70は燃料遮断弁62及び燃料制御弁64に信号S2,S4(図1)を出力し、燃料遮断弁62を開放した状態で燃料制御弁64の開度を例えば規定増加率でゼロまで下げる。この過程でバーナ8が消化されて停止運転が完了する。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0045】
この起動方法によれば、消火前に起動用燃料f1の専焼状態となるため、主燃料f2が未燃焼のまま下流のタービン内に滞留することが避けられる。
【0046】
−効果−
図5は本発明の効果の説明図である。本実施形態においては、天然ガス等の起動用燃料f1で着火してから水素含有燃料である主燃料f2を供給することで、主燃料f2を確実に着火させて未燃焼のまま燃焼器から排出されることを防止できる。その理由を図5で説明する。同図にはバーナ下流に形成される火炎の概形を表している。始めに起動用燃料f1を内周の燃料ノズル21に供給し、内周の空気孔51の下流のバーナ中央部に起動用燃料f1の中央火炎121を形成する。次に、主燃料f2を外周の燃料ノズル22,23に供給し、外周の空気孔52,53から燃焼室に主燃料f2と圧縮空気a2との混合ガス燃料を噴出させる。外周の空気孔52,53から燃焼室に噴出する主燃料f2を含む混合ガス燃料は、先に形成された中央火炎121の熱で確実に着火し、中央火炎121の周囲に主燃料f2による周囲火炎122を形成する。このように起動用燃料f1で先に形成した中央火炎121を利用して主燃料f2を確実に着火させることができ、未燃焼のまま主燃料f2が燃焼器3から排出されて下流のタービン4の内部に滞留することが避けられる。
【0047】
このとき、内周の燃料ノズル21には、起動用燃料f1と主燃料f2の一方及び双方が供給され得る燃料混合器61を接続したことで、起動用燃料f1、主燃料f2及びこれらの混合ガス燃料を同一の燃料ノズル21(同一の噴射口)から噴射することができる。これにより起動用燃料f1を噴射して着火した後、主燃料f2の専焼運転に移行する場合に起動用燃料f1の噴射に用いた燃料ノズル21(噴射口)からも主燃料f2を噴射することができる。起動用燃料f1による中央火炎121の形成領域にも主燃料f2を供給し、主燃料f2の専焼状態に移行した後もガス燃料の分散性を好適に保つことができる。
【0048】
以上の通り、本実施形態によれば、水素を含まないガス燃料を利用して水素含有燃料を安定に着火することができ、かつ水素含有燃料の分散性を高めることができる。ガスタービン発電プラントを水素含有燃料で安定に運用できるので、地球温暖化抑止に貢献できる。また、製鉄所や製油所で生成される副生ガスを主燃料f2に利用して燃焼安定性を確保できるので、資源有効利用、発電コスト低減にも貢献できる。
【0049】
また、消火前に主燃料f2の供給を停止して起動用燃料f1の専焼状態に移行するので、停止運転においても、主燃料f2の供給停止前に失火することを防止し、主燃料f2が未燃焼のまま下流のタービン4の内部に滞留することが避けられる。
【0050】
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。同図は第1実施形態の図1に対応している。図6において第1実施形態と同様の要素については図1と同符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、内周の燃料ノズル21A及び外周の燃料ノズル22Aの噴射口が空気孔プレート20の空気孔の内壁面に開口している点である。
【0051】
本実施形態では、空気孔51の内壁に燃料ノズル21Aの噴射口701が開口しており、空気孔52,53の内壁に燃料ノズル21Bの噴射口702,703が開口している。燃料ノズル21Aに連絡管68が、燃料ノズル22Aに主燃料配管60が接続している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0052】
このような希薄燃焼方式のバーナ構成であっても、第1実施形態と同様に燃料を制御することで同様の効果が得られる。
【0053】
(第3実施形態)
−構成−
図7は本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。図8は本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図である。これらの図は第1実施形態の図1及び図2に対応している。図7及び図8において第1実施形態と同様の要素については図1及び図2と同符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、外周燃料ノズル22,23が複数(本例では3つ)のノズル群に分割されており、主燃料配管60が複数(本例では3本)に分岐して対応するノズル群に接続している点である。
【0054】
本実施形態では、外周の燃料ノズル22,23及び空気孔52,53が周方向に複数の領域X1−X3に区分されており、第1ノズル群が領域X1、第2ノズル群が領域X2、第3ノズル群が領域X3に属している。また、本実施形態では外周の燃料ノズル22,23に主燃料f2を分配する燃料キャビティも複数(本例では3つ)の燃料キャビティ26a−26cに分割されている。第1ノズル群を構成する燃料ノズル22,23には燃料キャビティ26aが接続している。第2ノズル群を構成する燃料ノズル22,23には燃料キャビティ26bが接続している。第3ノズル群を構成する燃料ノズル22,23には燃料キャビティ26cが接続している。
【0055】
また、本実施形態では、主燃料配管60は複数(本例では3本)の分岐管60a−60cに分岐している。分岐管60aは燃料キャビティ26aに、分岐管60bは燃料キャビティ26bに、分岐管60cは燃料キャビティ26cに接続している。主燃料配管60(分岐管60a−60cに分岐する前の部分)に燃料制御弁は備わっておらず、本実施形態では、分岐管60aに燃料制御弁66aが、分岐管60bに燃料制御弁66bが、分岐管60cに燃料制御弁66cが、それぞれ設けられている。燃料制御弁66a−66cは第1実施形態の燃料制御弁66と同じものである。
【0056】
その他の点について、本実施形態は第1実施形態と同様である。なお、本実施形態においても、第2実施形態のように空気孔の内壁面に燃料ノズルの噴射口が開口する構成のバーナを適用することができる。ノズル群の数は3つに限らず、複数であれば良く、4つ以上または2つでも良い。ノズル群の数を増やすことで大容量のガスタービンに対応でき、運転制御性の柔軟性が向上する。また、燃料ノズル22,23のノズル群は周方向ではなく、径方向に(つまり環状列で)分割することもできる。
【0057】
−動作−
図9は第3実施形態の燃焼器の運転方法(起動時)の説明図である。同図は第1実施形態の図3に対応している。起動用燃料f1の着火から主燃料f2の専焼状態に移行するまでの起動時の運転方法の一例を図9で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど高負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段は内周の燃料ノズル21、外周の燃料ノズル22,23の各ノズル群に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。バーナ模式図に示した内周バーナF1は燃料ノズル21を含んで構成された内周側の円形のバーナである。外周バーナF2aは第1ノズル群の燃料ノズル22,23を含んで構成された扇形のバーナである。外周バーナF2bは第2ノズル群の燃料ノズル22,23を含んで構成された扇形のバーナ、外周バーナF2cは第3ノズル群の燃料ノズル22,23を含んで構成された扇形のバーナである。
【0058】
本実施形態の起動手順は、第1実施形態で説明した4つの手順(1)−(4)における手順(2)を3段階の手順(2a)−(2c)に分けた点を除き、第1実施形態と同様である。本実施形態においても手順(1),(3),(4)については第1実施形態と同様であるため説明を省略し、手順(2a)−(2c)について以下に説明する。手順(1)が完了したら、以下の手順(2a)−(2c)を順番に実行し、手順(2c)が完了したら手順(3)及び(4)を第1実施形態と同様に実行する。なお、本実施形態では外周バーナ用に3つの燃料制御弁66a−66cが備わっているが、手順(3),(4)において燃料制御弁66a−66cは同様に制御する。
【0059】
手順(2a)
手順(1)の実行後、ガスタービンの負荷が第1設定値L1a(>L0)まで上昇したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66aに信号S2,S3,S4,S6a(図7)を出力して手順(2a)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放し、燃料制御弁64の開度を維持しつつ、燃料制御弁66aを開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより内周バーナF1の燃料ノズル21からの起動用燃料f1の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2aの燃料ノズル22,23から主燃料f2が噴出し始め、起動用燃料f1により形成された火炎を火種として主燃料f2が着火する。更に、所定の増加率で主燃料f2が増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料制御弁65,66b,66cは閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,66a−66cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0060】
手順(2b)
ガスタービンの負荷が設定値L1b(>L1a)まで上昇したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66a,66bに信号S2,S3,S4,S6a,S6b(図7)を出力して手順(2b)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放し、燃料制御弁64及び燃料制御弁66aの開度を維持しつつ、新たに燃料制御弁66bを開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより外周バーナF2bの燃料ノズル22,23から噴出し始めた主燃料f2にも円滑に着火し、主燃料f2の供給領域が拡大すると共に主燃料f2の供給量も更に増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料制御弁65,66cは閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,66a−66cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0061】
手順(2c)
ガスタービンの負荷が設定値L1c(L1b<L1c<L2)まで上昇したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66a−66cに信号S2,S3,S4,S6a−S6c(図7)を出力して手順(2c)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放し、燃料制御弁64及び燃料制御弁66a,66bの開度を維持しつつ、新たに燃料制御弁66cを開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより外周バーナF2cの燃料ノズル22,23から噴出し始めた主燃料f2にも円滑に着火し、主燃料f2の供給領域が拡大すると共に主燃料f2の供給量も更に増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料制御弁65は閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,66a−66cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0062】
図10は第3実施形態の燃焼器の運転方法(停止時)の説明図である。同図は第1実施形態の図4に対応している。主燃料f2の専焼状態から消火までの停止時の運転方法の一例を図10で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど低負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段は内周の燃料ノズル21、外周の燃料ノズル22,23の各ノズル群に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。
【0063】
本実施形態の起動手順は、第1実施形態で説明した4つの手順(5)−(8)における手順(7)を3段階の手順(7c),(7b),(7a)に分けた点を除き、第1実施形態と同様である。本実施形態においても手順(5),(6),(8)については第1実施形態と同様であるため説明を省略し、手順(7c),(7b),(7a)について以下に説明する。手順(5)及び(6)が完了したら、以下の手順(7c),(7b),(7a)を順番に実行し、手順(7a)が完了したら手順(8)を第1実施形態と同様に実行する。なお、本実施形態では外周バーナ用に3つの燃料制御弁66a−66cが備わっているが、手順(5),(6)において燃料制御弁66a−66cは同様に制御する。
【0064】
手順(7c)
手順(6)の実行後、ガスタービンの負荷が第5設定値L5c(<L4)まで下降したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66a−66cに信号S2,S3,S4,S6a−S6c(図7)を出力して手順(7c)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁64,66a,66bの開度を維持しつつ、燃料制御弁66cの開度を例えば規定増加率でゼロまで下げていく。これにより内周バーナF1からの起動用燃料f1と外周バーナF2a,F2bからの主燃料f2の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2cからの主燃料f2の噴射量が減少し、ガスタービンの負荷が下降していく。この間、燃料制御弁65は閉じて内周バーナF1の燃料ノズル21に対する主燃料f2の供給は停止している。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0065】
手順(7b)
ガスタービンの負荷が設定値L5b(<L5c)まで下降したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66a,66bに信号S2,S3,S4,S6a,S6b(図7)を出力して手順(7b)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁64,66aの開度を維持しつつ、燃料制御弁66bの開度を例えば規定増加率でゼロまで下げていく。これにより内周バーナF1からの起動用燃料f1と外周バーナF2aからの主燃料f2の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2bからの主燃料f2の噴射量が減少し、ガスタービンの負荷が更に下降していく。この間、燃料制御弁65,66cは閉じている。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0066】
手順(7a)
ガスタービンの負荷が設定値L5a(L6<L5a<L5b)まで下降したら、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,66aに信号S2,S3,S4,S6a(図7)を出力して手順(7a)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62,63を開放した状態で、燃料制御弁64の開度を維持しつつ、燃料制御弁66aの開度を例えば規定増加率でゼロまで下げていく。これにより内周バーナF1からの起動用燃料f1の噴射量が維持された状態で、外周バーナF2aからの主燃料f2の噴射量が減少し、ガスタービンの負荷が更に下降していく。この間、燃料制御弁65,66b,66cは閉じている。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64−66の開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0067】
−効果−
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外側の燃料ノズル22,23を複数のノズル群に分け、主燃料f2の供給開始や停止をノズル群毎に実行し主燃料f2の着火等を段階的に行うことで、未燃焼の主燃料f2の排出をより確実に抑制できる。
【0068】
(第4実施形態)
−構成−
図11は本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。図12は本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器に備えられたバーナを燃焼室から見た図である。これらの図は第1実施形態の図1及び図2に対応している。図11及び図12において第1実施形態と同様の要素については図1及び図2と同符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、燃焼器3がバーナを複数含んで構成されたマルチバーナを備えている点である。
【0069】
本実施形態の燃焼器3は、パイロットバーナ31と複数(本例では6つ)のメインバーナ32を備えており、中央に配置した1つのパイロットバーナ31の周囲を複数のメインバーナ32が囲うようにして配置されている。本実施形態ではパイロットバーナ31及び各メインバーナ32に第1実施形態のバーナ構造を適用した場合を例示している。但し、パイロットバーナ31及び個々のメインバーナ32には、第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態のバーナ8を適宜適用することができる。例えばパイロットバーナ31及びメインバーナ32の全てを第1−第3実施形態のいずれかのバーナ8で統一することもできるし、第1−第3実施形態のバーナ8を適宜混在させることもできる。空気孔プレート20についてはパイロットバーナ31と複数のメインバーナ32とで共用する(1枚の空気孔プレート20に各バーナの空気孔51−53を形成する)ことができる。
【0070】
燃料系統200については、連絡管68が複数(本例では3本)の分岐管68A−68Cに分岐している。分岐管68Aはパイロットバーナ31の内周の燃料ノズル21(燃料キャビティ25)に接続している。分岐管68Bは半数のメインバーナ32の内周の燃料ノズル21(燃料キャビティ25)に、分岐管68Cは残りのメインバーナ32の内周の燃料ノズル21(燃料キャビティ25)に接続している。また、分岐管68Aに燃料制御弁65Aが、分岐管68Bに燃料制御弁65Bが、分岐管68Cに燃料制御弁65Cが、それぞれ設けられている。燃料制御弁65A−65Cは例えば燃料制御弁65と同じものである。
【0071】
また、本実施形態において、主燃料配管60は複数(本例では3本)の分岐管60A−60Cに分岐している。分岐管60Aはパイロットバーナ31の外周の燃料ノズル22,23(燃料キャビティ26)に接続している。分岐管60Bは半数のメインバーナ32の外周の燃料ノズル22,23(燃料キャビティ26)に、分岐管60Cは残りのメインバーナ32の外周の燃料ノズル22,23(燃料キャビティ26)に接続している。主燃料配管60(分岐管60A−60Cに分岐する前の部分)に燃料制御弁は備わっておらず、本実施形態では、分岐管60Aに燃料制御弁66Aが、分岐管60Bに燃料制御弁66Bが、分岐管60Cに燃料制御弁66Cが、それぞれ設けられている。燃料制御弁66A−66Cは第1実施形態の燃料制御弁66と同じものである。
【0072】
その他の点について、本実施形態は第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態と同様である。
【0073】
−動作−
図13は第4実施形態の燃焼器の運転方法(起動時)の説明図である。同図は第1実施形態の図3に対応している。起動用燃料f1の着火から主燃料f2の専焼状態に移行するまでの起動時の運転方法の一例を図13で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど高負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段はパイロットバーナ31及びメインバーナ32の内周の燃料ノズル21及び外周の燃料ノズル22,23に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。バーナ模式図に示した内周バーナF11はパイロットバーナ31の内周バーナ(燃料ノズル21に対応)、外周バーナF12はパイロットバーナ31の外周バーナ(燃料ノズル22,23に対応)である。また、メインバーナ32については、周方向に1つ置きの3つを第1群、残りの3つを第2群とする。内周バーナF21は第1群のメインバーナ32の内周バーナ(燃料ノズル21に対応)、外周バーナF22は第1群のメインバーナ32の外周バーナ(燃料ノズル22,23に対応)である。内周バーナF31は第2群のメインバーナ32の内周バーナ(燃料ノズル21に対応)、外周バーナF32は第2群のメインバーナ32の外周バーナ(燃料ノズル22,23に対応)である。
【0074】
本実施形態の起動手順は、第1実施形態で説明した4つの手順(1)−(4)における手順(1)を2段階の手順(1A),(1B)に分けた点を除き、第1実施形態と同様である。手順(1A),(1B)について以下に説明する。以下の手順(1A),(1B)が完了したら、手順(2)−(4)を1実施形態と同様に実行する。なお、本実施形態では起動用燃料用に3つの燃料制御弁65A−65Cが備わっているが、手順(2)−(4)において、燃料制御弁65A−65Cは同様に制御する。同じく主燃料用に3つの燃料制御弁66A−66Cが備わっているが、手順(2)−(4)において、燃料制御弁66A−66Cは同様に制御する。
【0075】
手順(1A)
起動用モータ7でガスタービンのロータを回し始め、ガスタービンの負荷が着火可能条件を満たす設定値L0Aまで上昇したら、コントローラ70は、手順(1A)を実行する。同手順においてコントローラ70は、燃料遮断弁62及び燃料制御弁64,65A,65Bへの信号S2,S4,S5A,S5B(図11)を出力し、燃料遮断弁62を開放すると共に燃料制御弁64,65A,65Bを開いて例えば規定増加率で開度を上げていく。これにより起動用燃料f1が内周バーナF11,F21から噴出して着火し、起動用燃料f1が所定の増加率で増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,65C,66A−66Cは閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,65A−65C,66A−66Cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0076】
手順(1B)
ガスタービンの負荷が設定値L0B(L0A<LOB<L1)まで上昇したら、コントローラ70は、手順(1B)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62及び燃料制御弁64,65A−65Cへの信号S2,S4,S5A−S5C(図11)を出力し、新たに燃料制御弁65Cを開き、燃料制御弁64,65A−65Cの開度を例えば規定増加率で上げていく。これにより起動用燃料f1が内周バーナF11−F31から噴出し、所定の増加率で増加してガスタービンの負荷が上昇していく。この間、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66A−66Cは閉じておく。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,65A−65C,66A−66Cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0077】
図14は第4実施形態の燃焼器の運転方法(停止時)の説明図である。同図は第1実施形態の図4に対応している。定格負荷から消化までの起動時の運転方法の一例を図14で説明する。同図の横軸はガスタービンの負荷であり、右側ほど低負荷である。また、同図上段は起動用燃料f1と主燃料f2の流量変化、下段はパイロットバーナ31及びメインバーナ32の内周の燃料ノズル21及び外周の燃料ノズル22,23に供給するガス燃料の流量変化をバーナ模式図と共に示している。
【0078】
本実施形態の起動手順は、第1実施形態で説明した4つの手順(5)−(8)における手順(8)を2段階の手順(8A),(8B)に分けた点を除き、第1実施形態と同様である。手順(8A),(8B)について以下に説明する。第1実施形態と同様にして手順(5)−(7)を実行したら、以下の手順(8A),(8B)を実行する。なお、本実施形態では起動用燃料用に3つの燃料制御弁65A−65Cが備わっているが、手順(5)−(7)において燃料制御弁65A−65Cは同様に制御する。同じく主燃料用に3つの燃料制御弁66A−66Cが備わっているが、手順(5)−(7)において燃料制御弁66A−66Cは同様に制御する。
【0079】
手順(8A)
手順(7)が完了してガスタービンの負荷が第6設定値L6A(<L5)まで下降したら、コントローラ70は燃料遮断弁62及び燃料制御弁64,65A−65Cに信号S2,S4,S5A−S5C(図11)を出力して手順(8A)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62を開放した状態で燃料制御弁64,65A−65Cの開度を例えば規定増加率で下げていく。この間、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,66A−66Cは閉じており起動用燃料f1の専焼状態になっている。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,65A−65C,66A−66Cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0080】
手順(8B)
ガスタービンの負荷が設定値L6B(<L6A)まで更に下降したら、コントローラ70は燃料遮断弁62及び燃料制御弁64,65A,65Bに信号S2,S4,S5A,S5B(図11)を出力して手順(8B)を実行する。同手順において、コントローラ70は、燃料遮断弁62を開放した状態で燃料制御弁64,65A,65Bの開度を例えば規定増加率でゼロまで下げていき、その過程で燃焼器3が消化され、停止運転が完了する。この間、燃料遮断弁63及び燃料制御弁65,65C,66A−66Cは閉じ、起動用燃料f1の噴射バーナは内周バーナF11,F21の2つに減じられている。オペレータが燃料流量を調整する場合、燃料遮断弁62,63及び燃料制御弁64,65,65A−65C,66A−66Cの開度を上記の通りに操作装置(不図示)で手動操作する。
【0081】
−効果−
第1−第3実施形態のバーナ構成をパイロットバーナ31及びメインバーナ32に適宜適用してマルチバーナを構成することにより、大容量のガスタービンを対象としても各実施形態と同様の効果又はこれら実施形態を組み合わせた効果が得られる。
【符号の説明】
【0082】
3…ガスタービン燃焼器、5…燃焼室、8…バーナ、12…ライナ、20…空気孔プレート、21…燃料ノズル(内周燃料ノズル)、22,23…燃料ノズル(外周燃料ノズル)、31…パイロットバーナ(バーナ)、32…メインバーナ(バーナ)、51−53…空気孔、57…起動用燃料配管、59…主燃料配管(第1主燃料配管)、60…主燃料配管(第2主燃料配管)、60a−60c,60A−60C…分岐管(第2主燃料配管)、61…燃料混合器、64…燃料制御弁(起動用燃料制御弁)、65…燃料制御弁(第1燃料制御弁)、66,66a−66c,66A−66C…燃料制御弁(第2燃料制御弁)、70…コントローラ、701−703…噴射口、f1…起動用燃料、f2…主燃料、F2a−F2c…外周バーナ(ノズル群)、L1,L1a…第1設定値、L2…第2設定値、L3…第3設定値、L4…第4設定値、L5,L5c…第5設定値、L6,L6A…第6設定値
図1
図2
図3
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図11
図12
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