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特開2021-59288車両用灯具の点灯制御装置及び点灯制御方法、車両用灯具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-59288(P2021-59288A)
(43)【公開日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】車両用灯具の点灯制御装置及び点灯制御方法、車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20210319BHJP
   B60Q 1/38 20060101ALI20210319BHJP
【FI】
   B60Q1/34 A
   B60Q1/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-186105(P2019-186105)
(22)【出願日】2019年10月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 暁久
(72)【発明者】
【氏名】喜多 靖
(72)【発明者】
【氏名】木村 能子
(72)【発明者】
【氏名】中島 航
(72)【発明者】
【氏名】大山 修斗
(72)【発明者】
【氏名】工藤 功基
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英隆
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339EA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シーケンシャルウインカーを行う際における光の移動による方向指示の印象をより強める。
【解決手段】車両用灯具システムにおいて、車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、複数の発光部22を消灯から点灯にして当該点灯を維持した後に、当該各発光部22のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とし、その後に前記複数の発光部22を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として、当該点灯周期を繰り返す制御を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、
複数の発光部を消灯から点灯にして当該点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項2】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、
複数の発光部を消灯から点灯にする第1期間と、当該点灯を維持する第2期間と、前記複数の発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とする第3期間と、前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持する第4期間とを含んで1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項3】
点灯した状態の前記発光部の輝度を被除数、減光した状態の前記発光部の輝度を除数として除算して得られる値を1.15以上に設定する、
請求項1又は2に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つ以上の発光部の各々を減光する際にその点灯率を徐々に減少させる、
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つ以上の発光部の各々を減光する際にその点灯率を2段階又はそれ以上に段階的に減少させる、
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項6】
前記複数の発光部を消灯から点灯にするタイミングを実質的に同時とする、
請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項7】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、
複数の発光部を消灯から第1輝度の点灯にして当該第1輝度の点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次当該第1輝度より高い第2輝度の点灯にし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項8】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、
複数の発光部を消灯から点灯にして当該点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御方法。
【請求項9】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、
複数の発光部を消灯から点灯にする第1期間と、当該点灯を維持する第2期間と、前記複数の発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とする第3期間と、前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持する第4期間とを含んで1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御方法。
【請求項10】
車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、
複数の発光部を消灯から第1輝度の点灯にして当該第1輝度の点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次当該第1輝度より高い第2輝度の点灯にし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、
車両用灯具の点灯制御方法。
【請求項11】
請求項1〜7の何れか1項に記載の点灯制御装置と、
前記点灯制御装置によって制御される車両用灯具と、
を含む、車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばターンランプ(方向指示ランプ)として用いられる車両用灯具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に用いられるターンランプの一種として、複数の発光部が時間差で順次点灯ないし消灯するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような点灯方法をここではシーケンシャルウインカーという。特許文献1に記載の車両用表示灯では、一旦全ての領域を点灯領域とした後、車両の内側から外側へ向かって消灯領域が広がっていくように制御されることで、点灯領域と消灯領域の境界線が移動するように見えるよう方向指示を行っている。
【0003】
ところで、上記のような消灯領域を徐々に広げていく制御を用いる場合に、当該消灯領域の広がる速さや点灯制御の繰り返し周期などの制御条件によっては、光の移動による方向指示の印象が乏しくなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−335002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、シーケンシャルウインカーを行う際における光の移動による方向指示の印象をより強めることが可能な技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御装置は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、(b)複数の発光部を消灯から点灯にして当該点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御装置である。
[2]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御装置は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、(b)複数の発光部を消灯から点灯にする第1期間と、当該点灯を維持する第2期間と、前記複数の発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とする第3期間と、前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持する第4期間とを含んで1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御装置である。
[3]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御装置は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御装置であって、(b)複数の発光部を消灯から第1輝度の点灯にして当該第1輝度の点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次当該第1輝度より高い第2輝度の点灯にし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御装置である。
[4]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御方法は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、(b)複数の発光部を消灯から点灯にして当該点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御方法である。
[5]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御方法は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、(b)複数の発光部を消灯から点灯にする第1期間と、当該点灯を維持する第2期間と、前記複数の発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次減光した状態とする第3期間と、前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持する第4期間とを含んで1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御方法である。
[6]本発明に係る一態様の車両用灯具の点灯制御方法は、(a)車両用灯具の点灯制御を行うための制御方法であって、(b)複数の発光部を消灯から第1輝度の点灯にして当該第1輝度の点灯を維持した後に当該各発光部のうち少なくとも2つ以上を時間差で所定方向へ順次当該第1輝度より高い第2輝度の点灯にし、その後に前記複数の発光部を消灯して当該消灯を維持することを1つの点灯周期として当該点灯周期を繰り返す制御を行う、車両用灯具の点灯制御方法である。
[7]本発明に係る一態様の車両用灯具システムは、上記の点灯制御装置と、この点灯制御装置によって制御される車両用灯具と、を含む、車両用灯具システムである。
【0007】
上記構成によれば、シーケンシャルウインカーを行う際における光の移動による方向指示の印象をより強めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、ランプユニットの外観上の構成を示す平面図である。
図3図3は、第1実施形態の車両用灯具システムの動作状態を説明するための図である。
図4図4(A)〜図4(E)は、第1実施形態のランプユニットの各発光部における点灯率の時間変化を示すタイミングチャートである。
図5図5(A)、図5(B)は、各発光部における点灯率の時間変化の変形例を説明するための波形図である。
図6図6は、第2実施形態の車両用灯具システムの動作状態を説明するための図である。
図7図7(A)〜図7(E)は、第2実施形態のランプユニットの各発光部における点灯率の時間変化を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。図示の車両用灯具システムは、例えば方向指示ランプ(ターンランプ)として用いられるものであり、制御装置1と、この制御装置1によって動作を制御される一対のランプユニット(車両用灯具)2L、2Rを含んで構成されている。
【0010】
制御装置1は、車両から方向指示器が操作されたことを示すターン信号が入力されると、そのターン信号に応じてランプユニット2L、2Rの何れかの点灯状態を制御して、車両の進行方向を示すための光を照射させる。
【0011】
一対のランプユニット2L、2Rは、それぞれ駆動回路20、LEDアレイ21を含んで構成されている。ランプユニット2Lは、車両前部の左側に設置される。ランプユニット2Rは、車両前部の右側に設置される。なお、同様にして一対のランプユニットが車両後部の左右それぞれに設置されてもよい。説明を簡単にするため、本実施形態では車両前部に設置される一対のランプユニット2L、2Rのみを考える。
【0012】
駆動回路20は、LEDアレイ21に含まれる各LED(発光素子)に駆動電力を供給して、各LEDを点消灯させる。
【0013】
LEDアレイ21は、複数のLEDを有しており、駆動回路20から与えられる駆動電力によって各LEDを発光させる。
【0014】
図2は、ランプユニットの外観上の構成を示す平面図である。ここではランプユニット2Rについて示しているが、ランプユニット2Lについても左右対称で同様の構成を有している。図示のようにランプユニット2Rは、車両内側(中心側)から車両外側にかけて配列された複数(図示の例では5個)の発光部22を備えている。各発光部22は、それぞれLEDアレイ21に含まれる1ないし複数のLEDが対応付けられており、駆動回路20の制御によりそれぞれ個別に点消灯させることができるとともにその明るさ(輝度)を自在に設定することができる。なお、以下では説明の便宜上、各発光部22に対して1つずつのLEDが対応付けられているものとする。
【0015】
図3は、第1実施形態の車両用灯具システムの動作状態を説明するための図である。ここではランプユニット2Rについて説明するがランプユニット2Lについても左右対称で同様に動作する。また図3では光の輝度をハッチングの密度により表現しており、ハッチングの密度が高いほど輝度が高い状態を示すものとする。
【0016】
時刻t0にターン信号が入力されると、制御装置1の制御により、それまで消灯していた各発光部22に駆動電流が供給され、時刻t1において各発光部22が点灯する。ここでは各発光部22の点灯率が予め設定された最大値(一例として点灯率100%)になるように制御される。
【0017】
各発光部22の点灯率を最大値とした状態が一定期間維持された後、時刻t2において車両内側から1つ目の発光部22の点灯率が最大値と最小値の間の中間値(図示の例では約50%)となるように制御され、この状態が維持される。同様に、時刻t3において車両内側から2つ目の発光部22の点灯率が中間値とされ、時刻t4において車両内側から3つ目の発光部22の点灯率が中間値とされ、時刻t5において車両内側から4つ目の発光部22の点灯率が中間値とされる。その後、時刻t6において全ての発光部22が消灯する。時刻t6以降、所定長さの消灯区間が設けられ、消灯区間が経過した後、次の点灯周期が開始し、時刻t0以降の動作が繰り返される。なお、ここでは車両外側の1つの発光部22については点灯率を中間値とすることなく点灯から消灯に制御されていたが、中間値に減光する期間を設けてもよい。
【0018】
以上の一連の点消灯制御により、ランプユニット2Rの全ての発光部22に対応する領域が消灯から点灯に切り替わった状態からスタートして、車両外側から車両内側へ向かって時間差で点灯率が最大値よりも相対的に低い中間値とされた減光領域が順次増えていき、車両外側の1つを除く全ての発光部22に対応する領域を減光させた状態が一定期間維持され、その後全ての発光部22が消灯するという流れを1つの点灯周期として、この点灯周期を繰り返すという方向指示表示が実現される。すなわち、ランプユニット2Rは、全体としては一定期間ごとに点滅(点灯と消灯)を繰り返しつつ、その点灯する期間内において減光領域が車両内側から車両外側へ順次増加するように動作する。これにより、従前からの単純な点滅による方向指示に対し、減光領域を順次増加させて移動させることによる新しい態様のシーケンシャルウインカーが重畳された方向指示の表示を実現することができる。
【0019】
図4(A)〜図4(E)は、ランプユニットの各発光部における点灯率の時間変化を示すタイミングチャートである。ここでもランプユニット2Rについて説明するがランプユニット2Lでも同様である。図4(A)は、最も外側の発光部22に対応する点灯率波形であり、図4(B)は、外側から2番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図4(C)は、外側から3番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図4(D)は、外側から4番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図4(E)は、最も内側の発光部22に対応する点灯率波形である。なお、以下に説明するような各発光部22における輝度は、制御装置1の制御に応じて駆動回路20から各発光部22のLEDに対して与える駆動電流の大きさによって制御できる。また、点灯率は、各発光部22から放出される光の輝度と対応する。
【0020】
各図に示すように、第1区間Aにおいて、実質的に同時に全ての発光部22が予め設定された点灯率の最小値(一例として点灯率0%)から最大値(一例として100%)とされ、その点灯の状態が維持されるように制御される。次の第2区間Bにおいて、まず最も内側の発光部22の点灯率が中間値(一例として50%)へ減少するよう制御され(図4(E))、次いで内側から2番目の発光部22の発光部22の点灯率が中間値(50%)へ減少するよう制御され(図4(D))、次いで内側から3番目の発光部22の発光部22の点灯率が中間値(50%)へ減少するよう制御され(図4(C))、次いで内側から4番目の発光部22の発光部22の点灯率が中間値(50%)へ減少するよう制御される(図4(B))。その後、最も外側の発光部22の発光部22の点灯率が最小値(0%)へ減少するよう制御されるとともに(図4(A))、他の全ての発光部22の点灯率も最小値に減少するように制御される(図4(B)〜図4(E))。その後の第3区間Cにおいてはその消灯状態が維持される。その後、これら第1区間A、第2区間B、第3区間Cからなる点灯周期が繰り返される。
【0021】
なお、消灯状態に対応する第3区間Cの長さについては、例えば第1区間Aと第2区間Bの合計と同じ長さにすることができる。また、各発光部22の点灯率の中間値について、一例として50%としていたが中間値はこれに限定されない。例えば、点灯率の最大値に対応する輝度を被序数、点灯率の中間値に対応する輝度を除数として除算して得られる値(最大値/中間値)が1.15以上となるように設定することで光の移動をより分かりやすくすることができる(後述する第2実施形態においても同様)。
【0022】
また、上記した第1実施形態では、第2区間Bにおいて各発光部22を順次減光する際に、矩形波状に速やかに輝度を低下させていたが、輝度低下の態様はこれに限定されない。例えば、図5(A)に例示するような曲線的な変化であってもよい。この場合、例えば指数関数やシグモイド関数のような曲線的な変化とすることができる。また、図5(B)に例示すように、輝度の中間値として異なる値を2つ以上設けて段階的に輝度を低下させてもよい。さらに、輝度の曲線的な変化と段階的な変化を組み合わせてもよい。また、上記した実施形態では減光領域を車両内側から車両外側へ向かう方向に移動させていたがこの方向を逆に設定してもよい。
【0023】
実施例として、第1区間Aを133m秒間、第2区間Bを200m秒間、第3区間を333m秒間とした車両用灯具システムを用いてその効果を検証した。比較例として、各区間の長さを同じ設定とし、中間値を設けずに各発光部22を時間差で順次消灯するようにした車両用灯具システムを用いた。実施例と比較例の各車両用灯具システムの動作について被験者10人による評価を行ったところ、実施例の車両用灯具システムのほうが光による方向指示の印象をより強く感得することができるという結果が得られた。
【0024】
(第2実施形態)
上記した第1実施形態では、全ての発光部22を点灯した後に減光領域を順次増加させて移動させることによって方向指示表示を行っていたが、全ての発光部22を減光状態とした後に点灯領域を順次増加させて移動させることによって方向指示表示を行うこともできる。以下、その実施形態について説明する。なお、車両用灯具システムの構成は第1実施形態と同様であるので(図1図2参照)、ここでは説明を省略する。
【0025】
図6は、第2実施形態の車両用灯具システムの動作状態を説明するための図である。ここではランプユニット2Rについて説明するがランプユニット2Lについても左右対称で同様に動作する。また図6では光の輝度をハッチングの密度により表現しており、ハッチングの密度が高いほど輝度が高い状態を示すものとする。
【0026】
時刻t0にターン信号が入力されると、制御装置1の制御により、それまで消灯していた各発光部22に駆動電流が供給され、時刻t1において各発光部22が点灯する。ここでは各発光部22の点灯率が予め設定された中間値(一例として点灯率50%)になるように制御される。すなわち、各発光部22は、減光状態に制御される。なお、中間値での減光状態が「第1輝度の点灯」に対応し、最大値で点灯された状態が「第2輝度の点灯」に対応する。
【0027】
各発光部22の点灯率を中間値とした状態が一定期間維持された後、時刻t2において車両内側から1つ目の発光部22の点灯率が最大値(図示の例では100%)となるように制御され、この状態が維持される。同様に、時刻t3において車両内側から2つ目の発光部22の点灯率が最大値とされ、時刻t4において車両内側から3つ目の発光部22の点灯率が最大値とされ、時刻t5において車両内側から4つ目の発光部22の点灯率が最大値とされ、時刻t6において車両外側の発光部22の点灯率が最大値とされる。その後、時刻t7において全ての発光部22が消灯する。時刻t7以降、所定長さの消灯区間が設けられ、消灯区間が経過した後、次の点灯周期が開始し、時刻t0以降の動作が繰り返される。なお、ここでは車両内側の1つの発光部22については点灯率を中間値としてから最大値に制御されていたが、中間値に減光する期間を省いてもよい。その場合、図6に示す時刻t0の次に時刻t2の状態となるようにすればよい。
【0028】
以上の一連の点消灯制御により、ランプユニット2Rの全ての発光部22に対応する領域が消灯から減光状態に切り替わった状態からスタートして、車両内側から車両外側へ向かって時間差で点灯率が最大値とされた点灯領域が順次増えていき、全ての発光部22に対応する領域を点灯した状態が一定期間維持され、その後全ての発光部22が消灯するという流れを1つの点灯周期として、この点灯周期を繰り返すという方向指示表示が実現される。すなわち、ランプユニット2Rは、全体としては一定期間ごとに点滅(減光状態による点灯と消灯)を繰り返しつつ、その減光状態による点灯の期間内において点灯領域が車両内側から車両外側へ順次増加するように動作する。これにより、従前からの単純な点滅による方向指示に対し、点灯領域を順次増加させて移動させることによる新しい態様のシーケンシャルウインカーが重畳された方向指示の表示を実現することができる。
【0029】
図7(A)〜図7(E)は、ランプユニットの各発光部における点灯率の時間変化を示すタイミングチャートである。ここでもランプユニット2Rについて説明するがランプユニット2Lでも同様である。図7(A)は、最も内側の発光部22に対応する点灯率波形であり、図7(B)は、内側から2番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図7(C)は、内側から3番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図7(D)は、内側から4番目の発光部22に対応する点灯率波形であり、図7(E)は、最も外側の発光部22に対応する点灯率波形である。なお、以下に説明するような各発光部22における輝度は、制御装置1の制御に応じて駆動回路20から各発光部22のLEDに対して与える駆動電流の大きさによって制御できる。また、点灯率は、各発光部22から放出される光の輝度と対応する。
【0030】
各図に示すように、第1区間Aにおいて、実質的に同時に全ての発光部22が予め設定された点灯率の最小値(一例として点灯率0%)から中間値(一例として50%)とされ、その減光状態が維持されるように制御される。次に、最も内側の発光部22の点灯率が最大値(一例として100%)へ増加するよう制御され(図7(A))、次いで内側から2番目の発光部22の発光部22の点灯率が最大値(100%)へ増加するよう制御され(図7(B))、次いで内側から3番目の発光部22の発光部22の点灯率が最大値(100%)へ増加するよう制御され(図7(C))、次いで内側から4番目の発光部22の発光部22の点灯率が最大値(100%)へ増加するよう制御され(図4(B))、次いで外側の発光部22の発光部22の点灯率が最大値(100%)へ増加するよう制御される(図4(E))。その後、第2区間Bにおいて、全ての発光部22の点灯率が最大値で一定期間維持された後、最小値に減少するように制御される(図7(B)〜図7(E))。その後の第3区間Cにおいてはその消灯状態が維持される。その後、これら第1区間A、第2区間B、第3区間Cからなる点灯周期が繰り返される。
【0031】
なお、消灯状態に対応する第3区間Cの長さについては、例えば第1区間Aと第2区間Bの合計と同じ長さにすることができる。また、各発光部22の点灯率の中間値について、一例として50%としていたが中間値はこれに限定されない。例えば、点灯率の最大値に対応する輝度を被序数、点灯率の中間値に対応する輝度を除数として除算して得られる値(最大値/中間値)が1.15以上となるように設定することで光の移動をより分かりやすくすることができる。
【0032】
また、上記した第2実施形態と同様に、各発光部22の点灯率を順次中間値から最大値へ増加させる際の変化については、指数関数やシグモイド関数のような曲線的な変化としてもよいし、輝度の中間値として異なる値を2つ以上設けて段階的に輝度を低下させてもよい。さらに、輝度の曲線的な変化と段階的な変化を組み合わせてもよい。また、上記した第2実施形態では減光領域を車両内側から車両外側へ向かう方向に移動させていたがこの方向を逆に設定してもよい。
【0033】
以上のような各実施形態によれば、全体としては従前からの単純な点滅による方向指示が保たれつつ、減光領域を順次増加させて移動させること、あるいは点灯領域を順次増加させて移動させることによる新しい態様のシーケンシャルウインカーが重畳された方向指示表示を実現することができる。それにより、シーケンシャルウインカーを行う際における光の移動による方向指示の印象をより強めることが可能となる。
【0034】
また、減光領域の移動はいわゆる仮現運動となるので、それほど大きく輝度を下げなくても方向指示表示に対する気づきや目立ちをより高めることができる。さらに、減光領域等が移動することで全ての視認角度からの瞬間的な気づきを高め、印象の良い新規見栄えを実現できる。
【0035】
また、従前のシーケンシャルウインカーに比べて配光範囲の全ての視認角度で瞬時に点灯を確認することができる。このため、例えばランプユニットの一部が遮蔽物(例えば二輪車)によって遮蔽されていたとしてもターンランプを容易に確認することができる。
【0036】
また、全体としてはまとまって点滅するので、各発光部を含む全体が1つのグループとして認識される。これはゲシュタルト心理学でいうところの共通運命の法則によるものである。このグループとして認識される領域中で減光領域等の移動(仮現運動)を行わせるので、減光領域等の動きがグループ全体の点滅の認識を妨げることがない。
【0037】
なお、本発明は上記した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した各実施形態ではターンランプとして用いられる車両用灯具システムに本発明を適用した場合を例示していたが本発明の適用範囲はこれに限定されず、車両に搭載されてその周辺へ光照射を行う種々の車両用灯具システムに対して本発明を適用することが可能である。例えば、上記した実施形態ではターン信号に応じてランプユニット2L、2Rを選択的に動作させる場合を説明していたが、ハザード信号が与えられた場合にはランプユニット2L、2Rを上記の制御方法によって同時に動作させればよい。
【符号の説明】
【0038】
1:制御装置、2L、2R:ランプユニット(車両用灯具)、20:駆動回路、21:LEDアレイ、22:発光部
図1
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図3
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図7