特開2021-60130(P2021-60130A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-60130(P2021-60130A)
(43)【公開日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】熱交換器及び、熱交換器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20210319BHJP
   F24F 1/18 20110101ALI20210319BHJP
   F28F 1/32 20060101ALI20210319BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20210319BHJP
   F28D 3/04 20060101ALI20210319BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20210319BHJP
   B21D 53/08 20060101ALI20210319BHJP
【FI】
   F28F9/02 301Z
   F24F1/18
   F28F1/32 A
   F28D1/053 A
   F28D3/04
   F25B39/00 E
   B21D53/08 C
   B21D53/08 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-182727(P2019-182727)
(22)【出願日】2019年10月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】浅井 里美
【テーマコード(参考)】
3L054
3L103
【Fターム(参考)】
3L054BA05
3L103AA35
3L103BB42
3L103CC17
3L103CC22
3L103DD32
3L103DD42
(57)【要約】
【課題】筐体の隣接する2つの側面部に沿って配置することができ、熱交換効率が高い熱交換器及び、熱交換器の製造方法を提供する。
【解決手段】熱交換器1Aは、複数の伝熱管20と、伝熱管20が配列された第一直線部11、第二直線部13及び、第一直線部11、第二直線部13と一体的に形成され、伝熱管20が配列された屈曲部12を有し、伝熱管20それぞれに冷媒を分配又は、伝熱管20それぞれから冷媒を集約する分配器10U、10Lと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝熱管と、
前記伝熱管が配列された直線部及び、該直線部と一体的に形成され、前記伝熱管が配列された屈曲部を有し、前記伝熱管それぞれに冷媒を分配又は、前記伝熱管それぞれから前記冷媒を集約する分配器と、
を備える熱交換器。
【請求項2】
前記直線部では、前記伝熱管が第一ピッチで配列され、
前記屈曲部では、前記伝熱管が前記第一ピッチよりも大きい第二ピッチで配列されている、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記屈曲部に配列された前記伝熱管は、前記直線部に配列された前記伝熱管よりも屈曲中心側にある端面の側に偏って配置されて前記屈曲部に固定されている、
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記屈曲部に配列された前記伝熱管に接続され、前記屈曲部の屈曲半径方向と前記屈曲部の屈曲方向とに垂直な方向へうねる板の形状に形成されたフィンを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記フィンは、前記垂直な方向にある板面の側へ折れ曲がった後、該板面の側へ折り返された蛇腹の形状を有する、
請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記フィンは、前記垂直な方向にある板面の側へ折れ曲がった後、該板面に平行に延在し、さらに該板面の側へ折り返された矩形の形状を有する、
請求項4に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記直線部に配列された前記伝熱管だけを接続するフィンを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記屈曲部に配列された前記伝熱管それぞれに設けられ、隣り合う前記伝熱管との間に隙間を有する複数のフィンを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
直線部及び、該直線部と一体的に形成された別の直線部を有する分配器の、前記直線部と前記別の直線部に、複数の伝熱管を接続する接続工程と、
前記別の直線部を屈曲させる屈曲工程と、
を備える熱交換器の製造方法。
【請求項10】
前記接続工程では、前記直線部に、複数の伝熱管を第一ピッチで配列して接続し、前記別の直線部に、複数の伝熱管を前記第一ピッチよりも大きい第二ピッチで配列して接続する、
請求項9に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項11】
前記屈曲工程は、前記接続工程で前記複数の伝熱管が接続された後に行われる、
請求項9又は10に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項12】
前記接続工程では、前記直線部の側方端面から前記直線部に配列された前記複数の伝熱管までの距離よりも、前記複数の伝熱管を前記別の直線部の側方端面の側に偏らせて前記別の直線部に配列して接続し、
前記屈曲工程では、前記側方端面の側を圧縮すると共に、その反対側の端面側を引っ張ることにより、前記別の直線部を屈曲させる、
請求項11に記載の熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器及び、熱交換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器には、冷媒が流れやすくするため、伝熱管を鉛直方向に向けられたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の伝熱管が鉛直方向に向けられた、又は、鉛直方向から傾けられた熱交換器が開示されている。この熱交換器では、冷媒の分配又は集約をするため、伝熱管の上端と下端に、水平方向に直線的に延在する円筒状の分配器が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−57502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような分配器は、例えば、空気調和機の室外機が備える筐体に収容されて使用される。
【0006】
しかし、筐体が有する4つの側面部のうち、隣接する2つ以上の側面部に通気口が設けられることがあり、その場合、特許文献1に記載の熱交換器は、分配器が水平方向に直線的に延在することから、筐体の1つの側面部に沿って配置させることしかできない。その場合、熱交換効率が低くなってしまう。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、筐体の隣接する2つの側面部に沿って配置することができ、熱交換効率が高い熱交換器及び、熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係る熱交換器は、複数の伝熱管と、伝熱管が配列された直線部及び、直線部と一体的に形成され、伝熱管が配列された屈曲部を有する分配器と、を備える。分配器は、伝熱管それぞれに冷媒を分配又は、伝熱管それぞれから冷媒を集約する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成によれば、分配器が屈曲部を有するので、筐体の隣接する2つの側面部に沿って配置することができる。また、屈曲部に伝熱管が配列しているので、熱交換効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の斜視図
図2】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が収容される室外機の筐体の一部の拡大断面図
図3】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備える分配器の上面図
図4】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備えるフィンの上面図
図5】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備える分配器の屈曲部の拡大上面図
図6】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備えるフィンのフィン屈曲部の拡大上面図
図7】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備えるフィンのフィン屈曲部に形成された蛇腹部の拡大斜視図
図8】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の製造方法が備える接続工程の概念図
図9】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の製造方法が備える接続工程で使用する直線状フィンの斜視図
図10】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の製造方法が備える屈曲工程の概念図
図11】本発明の実施の形態2に係る熱交換器が備える分配器の屈曲部の拡大上面図
図12】本発明の実施の形態3に係る熱交換器が備えるフィンのフィン屈曲部に形成された板バネ部の拡大斜視図
図13】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の変形例の拡大斜視図
図14】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の他の変形例の拡大斜視図
図15】本発明の実施の形態1に係る熱交換器が備えるフィンのフィン屈曲部の変形例の拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る熱交換器及び、熱交換器の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、熱交換器が備える分配器に形成された直線部に対して曲線部を右に配置したときの、その左右方向がX軸、上下方向がZ軸、X軸とZ軸とに直交する方向がY軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る熱交換器は、分配器が屈曲部を有する熱交換器である。この熱交換器では、熱交換効率を高めるため、分配器の屈曲部にも伝熱管とフィンが設けられている。まず、図1図4を参照して、熱交換器の構成について説明し、続いて、図5図7を参照して、分配器の屈曲部の構成について説明する。次に、図8図10を参照して、熱交換器の製造方法について説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1に係る熱交換器1Aの斜視図である。図2は、熱交換器1Aが収容される室外機の筐体100の一部の拡大断面図である。図3は、熱交換器1Aが備える分配器10Uの上面図である。図4は、熱交換器1Aが備えるフィン30の上面図である。なお、図1では、理解を容易にするため、フィン30それぞれの形状を示さず、熱交換器1Aが備えるフィン30全体の外形だけを示している。また、図3では、分配器10Uに形成された貫通孔14の形状、大きさを強調している。
【0014】
熱交換器1Aは、図1に示すように、冷媒が流入、流出する分配器10U、10Lと、分配器10U、10Lに接続され、冷媒が流通する複数の伝熱管20と、伝熱管20と空気を熱交換させる複数のフィン30と、を備えている。
【0015】
分配器10U、10Lは、四角筒状に形成されている。そして、分配器10U、10Lは、折れ曲がっている。詳細には、分配器10U、10Lは、左右方向、すなわちX軸方向に延在する第一直線部11と、第一直線部11からY方向に屈曲する屈曲部12と、屈曲部12からY方向へ延在する第二直線部13と、を有する。
【0016】
分配器10U、10Lは、図2に示す室外機の筐体100の通気口Vに隣接して配置するため、上記の形状に形成されている。詳細には、室外機の筐体100は、隣り合う側面部S1、S2にわたって通気口Vが形成されている。分配器10U、10Lは、この通気口Vがある側面部S1、S2に沿って配置するため、第一直線部11、屈曲部12及び第二直線部13を有している。なお、室外機とは、空気調和機が備える室外に設置される機械のことである。
【0017】
第一直線部11は、筐体100内壁の図2の左右方向、すなわちX方向の長さよりも短く、第二直線部13は、筐体100内壁のY方向の長さよりも短い。そして、屈曲部12は、筐体100の側面部S1とS2のコーナー部Cの角度だけ、すなわち、側面部S1とS2が形成する角度だけ屈曲している。その角度は90°である。これにより、分配器10U、10Lは、第一直線部11、第二直線部13が筐体100の側面部S1、S2に沿って配置され、かつ第一直線部11、屈曲部12及び第二直線部13が水平に向けられた状態で、筐体100に収容することを可能にしている。なお、第一直線部11と第二直線部13は、本明細書でいうところの直線部の一例である。
【0018】
また、分配器10U、10Lの内部には、図示しないが、冷媒を流すための流路が形成されている。そして、分配器10U、10Lには、図示しない継手が設けられ、その継手によって外部機器の冷媒管に接続されている。これにより、分配器10U、10Lは、外部機器から冷媒の供給を受け、内部の流路に冷媒を流す。或いは、分配器10U、10Lは、流路に流れた冷媒を外部機器に排出する。
【0019】
分配器10U、10Lは、図1に示すように、上面と下面を水平に向けている。これにより、分配器10U、10Lは、内部の流路で冷媒が偏りにくくしている。従来、分配器の筒軸を鉛直方向に向けた熱交換器があるところ、そのような熱交換器では、分配器内の流路で重力により冷媒が偏在してしまうことがある。分配器10U、10Lは、上面と下面を水平に配置することにより、流路で冷媒が偏在することを防いでいる。その結果、後述する冷媒の分配、集約の偏りを防止する。
【0020】
また、分配器10Uと10Lは、上下方向に互いに離れている。分配器10Uの下面には、図3には示すように、分配器10Uと10Lの間で冷媒を流通させるため、伝熱管20が挿入される貫通孔14が形成されている。また、図示しないが、分配器10Lの上面にも、同じ形状、大きさの貫通孔14が形成されている。
【0021】
各貫通孔14は、伝熱管20を挿入するため、伝熱管20の管断面と同形状に形成されている。また、各貫通孔14は、分配器10U、10Lの内部の流路まで貫通する。それら貫通孔14の数は、分配器10U、10Lそれぞれで、伝熱管20の数と同数である。そして、貫通孔14は、分配器10U、10Lの筒軸Aが延在する方向に配列されている。分配器10Uに形成された各貫通孔14は、図示しないが、分配器10Lに形成された各貫通孔14の真上、すなわち図1に示す+Z方向に配置されている。
【0022】
分配器10U側の各貫通孔14には、図示しないが、各伝熱管20の上端が差し込まれている。また、分配器10L側の各貫通孔14には、各伝熱管20の下端が差し込まれている。そして、各貫通孔14の内壁と各伝熱管20は、ロウ材によって接合されている。これにより、分配器10Uと10Lが、複数の伝熱管20によって接続されている。その結果、冷媒が分配器10U、10Lの間で流通する。
【0023】
なお、分配器10U、10Lは、上述したように、冷媒を分配又は集約する部品である。しかし、本明細書では、冷媒を分配する機能に着目して、単に分配器と称するものとする。また、分配器10U、10Lは、上下対称であることを除いて同じ構成を備える。このため、以下、分配器10U、10Lの位置関係を説明する場合だけ、符号10U、10Lを用い、その他の場合は、符号10を用いる。
【0024】
伝熱管20は、伝熱性を高めるため、平板状、換言すると扁平状に形成されている。その内部には、図示しないが、管軸方向に連続する流路が形成されている。そして、伝熱管20は、上述したように、分配器10と接続されている。これにより、伝熱管20には、分配器10内の冷媒が流れ、その冷媒の熱が伝わる。伝熱管20には、伝わった熱を空気中に放出するため、又は空気の熱を吸収するため、図1に示すように、複数のフィン30が取り付けられている。
【0025】
なお、伝熱管20は、鉛直方向に管軸を向けている。その結果、伝熱管20は、異物が付着しても落下しやすく除去しやすい。これにより、伝熱管20のメンテナンス性が高められている。
【0026】
フィン30は、図示しないが、細長い板の形状に形成されている。そして、フィン30は、図4に示すように、分配器10と同様の形状に折れ曲がっている。詳細には、フィン30は、左から右へ延在した後、背面側に向かって90°屈曲し、さらに、背面側へ延在している。これにより、フィン30は、フィン屈曲部32を有している。
【0027】
また、フィン30は、その延在方向Dに向かって、伝熱管20が嵌め込み可能な切り欠き31が配列している。その切り欠き31の数は、伝熱管20と同数である。また、切り欠き31の配列のピッチは、伝熱管20のピッチと同じである。フィン30は、図示しないが、板面を水平に向け、切り欠き31が伝熱管20に嵌め合わさる。これにより、フィン30は、伝熱管20に組み付けられている。また、フィン30は、ロウ材によって伝熱管20に接合されている。その結果、フィン30に伝熱管20の熱が伝わる。
【0028】
また、フィン30は、図示しないが、上下方向に一定のピッチで配列されている。これにより、フィン30の間に空隙が設けられている。フィン30は、その空隙の空気と熱交換する。
【0029】
上述したように、分配器10は、屈曲部12を有している。また、フィン30も、フィン屈曲部32を有している。熱交換器1Aを製造するときに、直線的に延在する分配器と直線的に延在するフィンを折れ曲げると、伝熱管20がロウ付けされているため、屈曲部12とフィン30が破損してしまうおそれがある。また、伝熱管20も破損してしまうおそれがある。
【0030】
そこで、屈曲部12では、第一直線部11、第二直線部13と貫通孔14の配置が異なっている。また、フィン屈曲部32には、蛇腹部33が設けられている。次に、図5図7を参照して、分配器10が備える屈曲部12とフィン30が備えるフィン屈曲部32について説明する。
【0031】
図5は、分配器10の屈曲部12の拡大上面図である。図6は、フィン屈曲部32の拡大上面図である。図7は、フィン屈曲部32に形成された蛇腹部33の拡大斜視図である。
【0032】
屈曲部12では、図5に示すように、貫通孔14が、第一直線部11及び、第二直線部13の貫通孔14のピッチP1よりも大きいピッチP2で配列している。そして、これらの貫通孔14には、伝熱管20が差し込まれ、接続される。これにより、第一直線部11及び、第二直線部13では、伝熱管20がピッチP1で配列し、屈曲部12では、伝熱管20がピッチP2で配列する。
【0033】
また、屈曲部12は、第一直線部11及び、第二直線部13のピッチP1よりも大きいピッチP2で貫通孔14が配列することにより、熱交換器1Aの製造での屈曲工程で、引っ張り力によって貫通孔14及び伝熱管20が破損することを防止している。詳細には、屈曲工程で直線状に延在する分配器10を屈曲させるときに、屈曲部12に圧縮力と引っ張り力が加わるところ、屈曲部12は、貫通孔14のピッチP2を大きくすることにより、引っ張り力によって貫通孔14に亀裂が発生したり、貫通孔14と伝熱管20の間に隙間が発生したりすることを防いでいる。
【0034】
なお、屈曲部12でのピッチP2とは、貫通孔14が扁平状であり、その長手方向を屈曲部12の屈曲中心BCに向けているところ、その屈曲中心BC側の端部から隣り合う貫通孔14の屈曲中心BC側の端部までの距離のことである。また、ピッチP1は、本明細書でいうところの第一ピッチの一例である。また、ピッチP2は、本明細書でいうところの第二ピッチの一例である。
【0035】
これに対して、フィン屈曲部32には、図6及び図7に示すように、蛇腹部33が設けられている。
【0036】
蛇腹部33では、図7に示すように、板が上に折れ曲がった後、下へ折り返された山折り部34が複数個、連続する。これにより、山折り部34と山折り部34の間には、下に延在する板が上に折れ曲がる谷折り部35が形成されている。なお、上又は下は、本明細書でいうところの、屈曲半径方向D1と屈曲方向D2に垂直な方向の一例である。
【0037】
蛇腹部33は、山折り部34と谷折り部35を有することにより、屈曲工程でフィン30それ自体が破損することを防止している。詳細には、蛇腹部33は、屈曲工程で直線状に延在するフィンを屈曲させるときに、山折り部34と谷折り部35の折れ曲がり角度が変形することにより、圧縮力と引っ張り力でフィン30が破損したり伝熱管20からフィン30が脱落したりすることを防いでいる。
【0038】
次に、図8及び図9を参照して、熱交換器1Aの製造方法について説明する。
【0039】
図8は、熱交換器1Aの製造方法が備える接続工程の概念図である。図9は、接続工程で使用する直線状フィン36の斜視図である。図10は、同製造方法が備える屈曲工程の概念図である。なお、図8では、理解を容易にするため、直線状フィン36それぞれの形状を示さず、直線状フィン36全体の外形だけを示している。
【0040】
まず、図8に示す、直線的に延在する形状を有する直線状分配器16、伝熱管20及び、図9に示す、直線的に延在する形状を有する直線状フィン36を用意する。
【0041】
詳細には、上述した第一直線部11、第二直線部13及び屈曲部12をあわせた全体の筒軸長さと同じ長さの直線状分配器16を2つ用意する。一方の直線状分配器16には、第一直線部11、第二直線部13となる領域A1、A3の下面に、上述したピッチP1で貫通孔14を配列し、また、屈曲部12となる領域A2の下面にピッチP2で貫通孔14を配列しておく。さらに、他方の直線状分配器16には、同様のピッチの貫通孔14を上面に配列しておく。そして、配列させた貫通孔14と同数の伝熱管20を用意する。
【0042】
また、上述したフィン30の長手方向と同じ長さを有し、直線状に延在する直線状フィン36を複数個、用意する。ここで、直線状フィン36は、図9に示すように、フィン屈曲部32となる領域A2に蛇腹部33が設けられている。
【0043】
次に、図示しないが、用意した複数の伝熱管20のうち、直線状分配器16の領域A1に形成した貫通孔14と同数の伝熱管20をピッチP1で配列する。領域A2に形成した貫通孔14と同数の伝熱管20をピッチP2で配列する。さらに、領域A3に形成した貫通孔14と同数の伝熱管20をピッチP1で配列する。そして、それら伝熱管20に、直線状フィン36を取り付ける。続いて、伝熱管20と直線状フィン36をロウ付けして接合する。
【0044】
伝熱管20と直線状フィン36を接合した後、図8に示すように、直線状フィン36がロウ付けされた伝熱管20それぞれを、直線状分配器16の貫通孔14に差し込んで、伝熱管20を直線状分配器16に取り付ける。続いて、伝熱管20と直線状フィン36をロウ付けして接合する。なお、この工程は、本明細書でいうところの接続工程の一例である。
【0045】
次に、図10に示すように、直線状分配器16の屈曲部12となる領域A2の、筒軸Aの延在方向の中央にパンチ200を押し付ける。パンチ200は、屈曲半径Rと同じ半径の半円柱部210を備えている。この押し付けでは、この半円柱部210の円柱軸を筒軸Aに垂直に向け、半円柱部210を直線状分配器16の領域A2の背面側から押し付けて、さらに半円柱部210で領域A2を押圧する。そして、その半円柱部210に直線状分配器16を沿わせる。これにより、直線状分配器16が屈曲して、屈曲部12が形成される。その結果、上述した形状の分配器10が形成される。また、蛇腹部33が変形して、フィン屈曲部32が形成される。その結果、上述した形状のフィン30が形成される。
【0046】
このとき、分配器10の屈曲部12では、第一直線部11及び第二直線部13よりも貫通孔14のピッチが大きいので、パンチ200の押し付けによる圧縮力、引っ張り力が貫通孔14に集中しにくい。これにより、引っ張り力によって貫通孔14に亀裂が発生することがない。また、貫通孔14と伝熱管20の間に隙間が発生することがない。その結果、分配器10と伝熱管20の破損が防止される。
【0047】
また、フィン屈曲部32では、蛇腹部33が、上記の圧縮力、引っ張り力に応じて伸縮し変形する。これにより、圧縮力及び引っ張り力によってフィン30に亀裂が発生することがなく、フィン30と伝熱管20の接合が破損してフィン30が伝熱管20から脱落することがない。その結果、フィン30の破損が防止される。
【0048】
なお、このパンチ200を用いて直線状分配器16を屈曲させる工程は、本明細書でいうところの屈曲工程の一例である。また、直線状分配器16の領域A2の部分は、本明細書でいうところの別の直線部の一例である。
【0049】
パンチ200を用いて、パンチ200側の分配器10とフィン30が上述した形状になることにより、熱交換器1Aが完成する。
【0050】
以上のように、実施の形態1に係る熱交換器1Aは、分配器10が屈曲部12を有するので、筐体100の隣接する2つの側面部S1、S2に沿って配置することができる。
【0051】
また、屈曲部12に伝熱管20が配列するので、熱交換効率が高い。
【0052】
屈曲部12では、第一直線部11、第二直線部13の貫通孔14のピッチP1よりも大きいピッチP2で貫通孔14が配列する。このため、屈曲部12を形成するときに、屈曲部12が破損しにくい。その結果、修繕する必要がなく、熱交換器1Aの製造が容易である。
【0053】
また、貫通孔14に伝熱管20が差し込まれ、その伝熱管20が貫通孔14の内壁に接合された後で、屈曲部12を形成する場合に、屈曲部12だけでなく、伝熱管20も破損しにくい。
【0054】
熱交換器1Aは、屈曲部12に伝熱管20が接合されているので、屈曲部12でも熱交換することができる。従来、屈曲部12に伝熱管20を接合することが難しく、屈曲部12に伝熱管20がない熱交換器があったが、そのような熱交換器と比較して、熱交換効率が高い。
【0055】
また、熱交換器1Aは、蛇腹部33が設けられたフィン30を備えるので、熱交換器1Aの製造時にフィン30が破損しにくい。フィン30を修繕する必要がないので、製造効率が高い。また、屈曲部12にフィン30が存在するため、熱交換効率が高い。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る熱交換器1Aでは、分配器10が備える屈曲部12の貫通孔14のピッチP2が、第一直線部11と第二直線部13の貫通孔14のピッチP1よりも大きい。しかし、屈曲部12の形態は、これに限定されない。屈曲部12は、屈曲させるときに、貫通孔14に加わる引っ張り力が小さい形態であれば良い。実施の形態2に係る熱交換器1Aでは、屈曲時の引っ張り力を小さくするため、屈曲部12に形成された貫通孔14の位置が、第一直線部11と第二直線部13に形成された貫通孔14の位置よりも、屈曲側にずれている。
【0057】
以下、図11を参照して、実施の形態2に係る熱交換器1Aについて説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。
【0058】
図11は、実施の形態2に係る熱交換器1Aが備える分配器40の屈曲部42の拡大上面図である。なお、図11に示す分配器40は、実施の形態1で説明した分配器10Uと同様に、上側に位置する分配器である。
【0059】
図11に示すように、屈曲部42では、第一直線部41と第二直線部43で貫通孔14が配列するピッチP1と同じピッチで配列された貫通孔44を有する。
なお、屈曲部42での貫通孔44のピッチは、実施の形態1と同様に、第一直線部41と第二直線部43での貫通孔14のピッチP1よりも大きいことが望ましい。
【0060】
貫通孔44は、第一直線部41と第二直線部43に形成された貫通孔14よりも屈曲中心BC側に偏って配置されている。換言すると、貫通孔44は、背面側の端面側に偏って配置されている。なお、背面側の端面は、本明細書でいうところの屈曲中心BC側にある端面と側方端面の一例である。
【0061】
実施の形態1で説明したように、屈曲工程で貫通孔44に引っ張り力が加えられる。その引っ張り力は、背面側ではなく、正面側に加えられる。そして、正面側に向かう程、その引っ張り力が強く働く。
【0062】
上述したように、貫通孔44は、第一直線部41と第二直線部43の貫通孔14よりも、背面側の端面側に偏っているので、屈曲工程で加えられる引っ張り力がかかりにくい。或いは、引っ張り力がかからない。その結果、引っ張り力によって貫通孔44に亀裂が発生することがなく、また、貫通孔44と伝熱管20の間に隙間が発生することがない。その結果、貫通孔44の破損が防止される。
【0063】
なお、実施の形態2に係る熱交換器1Aの製造方法は、屈曲部42の貫通孔44を第一直線部41と第二直線部43の貫通孔14よりも背面側に偏らせて形成することを除いて同じである。このため、実施の形態2では、熱交換器1Aの製造方法の説明を省略する。
【0064】
以上のように、実施の形態2に係る熱交換器1Aは、貫通孔44が第一直線部41と第二直線部43の貫通孔14よりも屈曲中心BC側に偏った屈曲部42を有する分配器40を備えるので、屈曲部42を形成するときに、屈曲部42が破損しにくい。また、屈曲部42が破損しにくいので、屈曲部42に接合された伝熱管20も破損しにくい。
【0065】
(実施の形態3)
実施の形態1に係る熱交換器1Aでは、フィン30が蛇腹部33を有している。しかし、フィン30の形態はこれに限定されない。フィン30は、屈曲部12を屈曲させるときに、変形可能な形態であれば良い。実施の形態3に係る熱交換器1Aでは、フィン50が、板バネ部53を有する。
【0066】
以下、図12を参照して、実施の形態3に係る熱交換器1Aについて説明する。実施の形態3では、実施の形態1及び2と異なる構成について説明する。
【0067】
図12は、実施の形態3に係る熱交換器1Aが備えるフィン50のフィン屈曲部52に形成された板バネ部53の拡大斜視図である。
【0068】
図12に示すように、板バネ部53は、水平方向に延在する板が、上へ折れ曲がった後、再度水平に延在し、その後、下へ折れ曲がっている。その後、板バネ部53は、水平方向に延在している。上へ折れ曲がった部分54と下へ折れ曲がった部分55は、屈曲工程でフィン屈曲部52に荷重がかかったときに、その折れ曲がり角度が変化する。すなわち、板バネ部53は、板バネ部品として機能する。これにより、板バネ部53が変形して、フィン50の破損が防止される。
【0069】
なお、実施の形態3に係る熱交換器1Aの製造方法は、フィン屈曲部52に上述した形状の板バネ部53を形成することを除いて同じである。このため、実施の形態3では、熱交換器1Aの製造方法の説明を省略する。
【0070】
以上のように、実施の形態3に係る熱交換器1Aは、フィン屈曲部52に板バネ部53が形成されているので、フィン屈曲部52を形成するときに、板バネ部53が変形してフィン50の破損が防止される。
【0071】
以上、本発明の実施の形態に係る熱交換器1A及び熱交換器1Aの製造方法について説明したが、熱交換器1A及び熱交換器1Aの製造方法はこれに限定されない。例えば、実施の形態1−3では、分配器10の屈曲部12、42に設けられた伝熱管20にフィン30、50が接続されている。しかし、熱交換器1Aでは、フィン30、50は任意の部材である。例えば、熱交換効率を高めるため、フィン30、50が伝熱管20に接続されていることが望ましいが、フィン30、50がフィン屈曲部32、52を有さなくても良い。
【0072】
図13は、実施の形態1に係る熱交換器1Bの変形例の拡大斜視図である。なお、図13では、理解を容易にするため、図1と同様に、フィン60それぞれの形状を示さず、熱交換器1Bが備えるフィン60全体の外形だけを示している。
【0073】
図13に示すように、フィン60が、フィン屈曲部32、52を有さず、直線的に延在するフィン61、62を有するだけでも良い。すなわち、分配器10の屈曲部12に設けられた伝熱管20にフィン60が接続されておらず、分配器10の第一直線部11、第二直線部13に設けられた伝熱管20にだけフィン61、62が設けられても良い。このような形態でも、分配器10の屈曲部12に伝熱管20が設けられているので、屈曲部12で熱交換をすることができる。このため、屈曲部12に伝熱管20が設けられていない熱交換器と比較して、熱交換効率を高めることができる。
【0074】
また、実施の形態1−3では、フィン30、50が分配器10に設けられた全ての伝熱管20に接続されているが、屈曲部12、42に設けられた伝熱管20だけ、別のフィン63が接続されていても良い。
【0075】
図14は、実施の形態1に係る熱交換器1Cの他の変形例の拡大斜視図である。なお、図14では、理解を容易にするため、図13と同様に、フィン63全体の外形だけを示している。
【0076】
図14に示すように、屈曲部12にある伝熱管20それぞれにフィン63が設けられても良い。その場合、実施の形態1で説明した屈曲工程で破損することを防ぐため、フィン63それぞれは、伝熱管20が配列する方向の伝熱管20同士の隙間G1よりも短く、隣り合うフィン63との間に隙間G2を有すると良い。
【0077】
実施の形態1−3では、フィン30、50が、フィン屈曲部32、52に設けられた蛇腹部33、板バネ部53を有しているが、フィン30、50はこれに限定されない。フィン30、50は、屈曲部12に配列された伝熱管20に接続され、屈曲部12の屈曲半径方向と屈曲部12の屈曲方向とに垂直な方向へうねる板の形状に形成されても良い。
【0078】
図15は、実施の形態1に係る熱交換器1Aが備えるフィン30のフィン屈曲部32の変形例の拡大斜視図である。
【0079】
図15に示すように、フィンは、波型のフィン屈曲部72を有しても良い。図15では、フィン屈曲部72は、上に突出する波型部分73とその間の下に凹む波型部分74とを有するが、上に突出する波型部分73だけであっても良いし、下に凹む波型部分74だけであっても良い。このような形態でも、実施の形態1で説明した屈曲工程で変形して、フィンの破損を防ぐことが出来る。その結果、熱交換器1Aの製造が容易である。
【0080】
なお、上に突出する波型部分73と下に凹む波型部分74は、屈曲工程で変形しやすくするため、これら以外のフィン部分の板厚よりも薄くても良い。これは、実施の形態1で説明した山折り部34、谷折り部35の板厚、実施の形態3で説明した上へ折れ曲がった部分54、下に折れ曲がった部分55の板厚についても同様である。すなわち、山折り部34、谷折り部35の板厚と上へ折れ曲がった部分54、下に折れ曲がった部分55の板厚は、これら以外のフィン部分の板厚よりも薄くても良い。
【0081】
実施の形態1では、空気調和機が備える室外機の筐体100に熱交換器1Aが収容されると説明しているが、熱交換器1A−1Cはこれに限定されない。熱交換器1A−1Cは、室内機、給湯暖房システム等の他の機器に使用されても良い。
【符号の説明】
【0082】
1A−1C 熱交換器、10,10U,10L 分配器、11 第一直線部、12 屈曲部、13 第二直線部、14 貫通孔、16 直線状分配器、20 伝熱管、30 フィン、31 切り欠き、32 フィン屈曲部、33 蛇腹部、34 山折り部、35 谷折り部、36 直線状フィン、40 分配器、41 第一直線部、42 屈曲部、43 第二直線部、44 貫通孔、50 フィン、52 フィン屈曲部、53 板バネ部、54 上へ折れ曲がった部分、55 下へ折れ曲がった部分、60−63 フィン、72 フィン屈曲部、73,74 波型部分、100 筐体、200 パンチ、210 半円柱部、A 筒軸、A1−A3 領域、BC 屈曲中心、C コーナー部、D 延在方向、D1 屈曲半径方向、D2 屈曲方向、G1,G2 隙間、P1,P2 ピッチ、R 屈曲半径、S1、S2 側面部、V 通気口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15