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特開2021-60653パターン推定装置、パターン推定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-60653(P2021-60653A)
(43)【公開日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】パターン推定装置、パターン推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/75 20180101AFI20210319BHJP
【FI】
   G06F8/75
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-182872(P2019-182872)
(22)【出願日】2019年10月3日
(11)【特許番号】特許第6835179号(P6835179)
(45)【特許公報発行日】2021年2月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】野村 芳明
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC38
5B376DA22
(57)【要約】
【課題】対象とするプログラムを、プログラムの構造に基づく区分パターンへ分類する方法を提供する。
【解決手段】パターン推定装置は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定するルートパターン推定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、
対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定するルートパターン推定部と、
を備えるパターン推定装置。
【請求項2】
前記パターン別アクセス定義情報は、前記ファイルへのアクセスパターンとして、トランザクションファイルへの参照の有無および更新の有無、マスタファイルへの更新の有無を示す情報を、前記区分パターン別に保持する、
請求項1に記載のパターン推定装置。
【請求項3】
前記処理フローに含まれる前記ファイルへのアクセスパターンを解析するアクセスパターン解析部、
をさらに備える請求項1または請求項2に記載のパターン推定装置。
【請求項4】
前記対象プログラムに含まれる処理フローを抽出するフロー抽出部、をさらに備え、
前記アクセスパターン解析部は、前記処理フローごとに前記ファイルへのアクセスパターンを解析する、
請求項3に記載のパターン推定装置。
【請求項5】
前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のパターン推定装置。
【請求項6】
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定する、
パターン推定方法。
【請求項7】
コンピュータに、
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定する処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム構造のパターンを推定するパターン推定装置、パターン推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド技術の浸透により、アプリケーションの開発から提供までが迅速になってきている。これに伴い、需要の変化に柔軟かつ高速に対応できるアーキテクチャとして、疎結合なサービスの集合体で実現するマイクロサービスが注目されており、モノリシックな既存プログラムをマイクロサービス化する動きが活発化している。
【0003】
RSU(Route、Stage、Unit)は、金融機関における大規模開発で適用されている開発方法論であり、基幹系システムの開発手法として確立されている(例えば、特許文献1)。RSUでは、プログラムをルート(処理工程)、ステージ(処理手順)、ユニット(処理ロジック)に階層化して開発する。RSUを用いると、業務の熟知が必要な階層と実装の熟知が必要な階層を分離することができ、保守性の高いプログラムの大量開発が可能になる。さらに、RSUを採用して、レガシーシステムを再構築することにより、マイクロサービス化が可能になる。
【0004】
特許文献1には、業務処理を行うプログラムを処理種別という単位で大きく切り分け、業務処理手順の構造を明確にすることにより、保守作業の影響範囲の予測を容易し、保守性および業務処理の迅速処理を可能とする技術が開示されている。
特許文献2には、事務処理用のソフトウェアの内容の理解を助けることを目的として、ファイルへの入出力命令を検出することにより、プログラムの処理パターンを推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4487891号公報
【特許文献2】特開平2−112024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
RSUの階層構造に則っていない既存のプログラムをRSU化するためには、既存プログラムに含まれる複数の処理を、プログラムの構造に基づくルートパターンと呼ばれる分類に当てはめて区分する必要がある。既存プログラムをルートパターンに区分するためには、そのプログラムの処理を詳細に理解していなければならず、この分類作業は、処理に精通した者が手作業で行うことが一般的であるが、既存プログラムをRSUで定義されたルートパターンに効率よく区分する方法が求められている。
【0007】
この発明は、上述の課題を解決するパターン推定装置、パターン推定方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、パターン推定装置は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定するルートパターン推定部と、を備える。
【0009】
また、本発明の他の一態様は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定する、パターン推定処理である。
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定する処理、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、既存プログラムについて、そのプログラムの構造に基づく区分パターンを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】RSUの階層構造の一例を示す図である。
図2】ルートパターンの一例を示す図である。
図3】ルートパターン別に定義されたアクセスパターンの一例を示す図である。
図4】アクセスパターンに対応するルートパターンの一例を示す図である。
図5】パターン推定装置の機能ブロック図である。
図6】パターン推定装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】プログラムの呼び出し関係の一例を示す図である。
図8図7のプログラムの呼び出し関係に基づく処理フローの一例を示す図である。
図9図8に示す処理フローごとのアクセスパターンおよびルートパターンの一例を示す図である。
図10】処理フローの抽出処理の一例を示すフローチャートである。
図11】アクセスパターンの解析処理の一例を示すフローチャートである。
図12】ルートパターンの推定処理の一例を示すフローチャートである。
図13】パターン推定装置の最小構成を示す図である。
図14】パターン推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、一実施形態に係るパターン推定装置について図1図14を参照して説明する。
RSUでは、プログラムの構造をルート(Route)、ステージ(Stage)、ユニット(Unit)に階層化する。ルートは最上位の階層、ステージはルートの下の階層、ユニットは最下位の階層である。ルートは、業務の処理目的や処理種別の観点から定義される単位である。1つのルートは、1つの処理工程を示し、そのルート配下のステージ及びステージの実行順などが定義される。ステージは、ルートが目的とする業務処理を実現するための1つ又は複数の処理手順のことである。1つのステージは、1つの処理手順を示し、そのステージ配下のユニット及びユニットの実行順などが定義される。また、ステージは、ルートとユニットを分離する役割を果たす。ユニットは、ルートやステージに依存しない独立した処理単位であり、汎用的な処理ロジックが記述される。
【0014】
図1に、RSUの階層構造の一例を示す。図1の例では、「買付注文」の処理工程(ルート)が、「パラメータチェック処理」、「取込処理」、「マスタリード処理」、「業務チェック処理」、「更新処理」、「画面項目編集処理」の各処理手順(ステージ)によって構成されることを示している。また、各ステージの処理が1つ又は複数の処理ロジック(ユニット)の組合せによって構成されることを示している。例えば、「パラメータチェック処理」は、「単項目チェック処理」、「項目相関チェック処理」の2つのユニットから構成される。
このように階層化して、ユニット、ステージ、ルートの各階層に相当するプログラムを開発することで、保守性の高いプログラムが短期間で開発できることが知られている。
【0015】
さらにRSUでは、業務処理は、その業務処理に割り当てられるルートおよびステージが示すプログラムの構造に基づいて、予め定義した区分パターンに集約される。この区分パターンを、ルートパターンと呼ぶ。図2にルートパターンの例を示す。図2の例では、ルートおよびステージを、「登録」、「取消/訂正」、「一覧照会」、「単票照会」、「初期表示」、「ダウンロード」、「内部プロセス」の7つのルートパターンに集約し、プログラムを構築する。例えば、図1の「買付注文処理」は、「取消/訂正」のルートパターンに集約される。
【0016】
RSUの階層構造に則っていない既存のプログラムをRSU化するためには、プログラムに含まれる複数の業務処理を、ルートパターンに分類する必要がある。RSUでは、ルートパターンごとに、ファイルへのアクセス方法が定義されている。ここで、ファイルには、トランザクションファイル又はトランザクションDB(DBはデータベース)(以下、総称してトランザクションファイルと呼ぶ。)、マスタファイル又はマスタDB(以下、総称してマスタファイルと呼ぶ。)が存在する。アクセス方法には、参照と更新が存在する。ルートパターンごとに、アクセス先ファイルとアクセス方法の組合せが定義されている。アクセス先ファイルとアクセス方法の組合せをアクセスパターンと呼ぶ。図3に、ルートパターンごとに定義されたアクセスパターンの一例を示す。例えば、「買付注文処理」のルートパターン「取消/訂正」について定義されたアクセスパターンでは、トランザクションファイルへの更新が必須、トランザクションファイルへの参照とマスタファイルの更新が許可される。例えば、ルートパターン「一覧照会」について定義されたアクセスパターンでは、トランザクションファイルへの更新とマスタファイルの更新は許可されず、トランザクションファイルへの参照が必須とされる。本実施形態では、RSU化するプログラムのアクセスパターンを解析し、アクセスパターンから、そのプログラムのルートパターンを推定する。
【0017】
次に図4を参照する。図4は、アクセスパターンに対応するルートパターンの一例を示す図である。図4の表は、図3の表に基づいて、アクセスパターンからルートパターンを逆引きできるようにしたものである。例えば、図3の「ダウンロード」について、アクセスパターンは、トランザクションファイルへの更新と参照を許可せず、マスタファイルの更新を許可する内容となっている。その為、図4の逆引き表では、トランザクションファイルへの更新と参照が無く、マスタファイルの更新が有る場合および無い場合に対して、ルートパターン「ダウンロード」が対応付けられている。例えば、図3の「登録」のアクセスパターンは、トランザクションファイルへの更新が必須、トランザクションファイルへの参照は許可せず、マスタファイルの更新を許可する内容となっている。その為、図4の逆引き表では、トランザクションファイルへの更新が有り、トランザクションファイルへの参照が無く、マスタファイルの更新が有る場合および無い場合に対して、ルートパターン「登録」が対応付けられている。図4に例示する表をパターン別アクセス定義情報と呼ぶ。
【0018】
図4の表を用いると、例えば、RSU化するプログラムのアクセスパターンが、トランザクションファイルへの更新無し、トランザクションファイルへの参照無し、マスタファイルへの更新有りの場合、ルートパターンは「ダウンロード」であると推定される。
また、RSU化するプログラムのアクセスパターンが、トランザクションファイルへの更新有り、トランザクションファイルへの参照無し、マスタファイルへの更新有りの場合、開発対象プログラムのルートパターンは「登録」、又は「取消/訂正」、又は「内部プロセス」と推定される。
【0019】
(パターン推定装置10の構成)
次に本実施形態に係るパターン推定装置10について説明する。
図5は、パターン推定装置10の機能ブロック図である。パターン推定装置10は、処理対象のプログラムαを取得して、プログラムαのルートパターンを推定し、推定したルートパターンの候補の一覧を出力する。図示するようにパターン推定装置10は、フロー抽出部11と、アクセスパターン解析部12と、ルートパターン推定部13とを備える。
フロー抽出部11は、プログラムαに含まれる処理フローを抽出する。
アクセスパターン解析部12は、フロー抽出部11が抽出した処理フローごとにファイルへのアクセスパターンを解析する。
ルートパターン推定部13は、図4に例示するパターン別アクセス定義情報を備えている。ルートパターン推定部13は、アクセスパターン解析部12が解析したプログラムαのアクセスパターンと、パターン別アクセス定義情報(図4)とに基づいて、プログラムαのルートパターンを推定する。
【0020】
(パターン推定装置10の動作)
次に図6図9を参照して、パターン推定装置10の動作について説明する。
図6は、パターン推定装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、パターン推定装置10は、RSU化する対象プログラムαを取得する(ステップS1)。図7にプログラムαの一例を示す。プログラムαは、プログラムA〜Dのサブプログラムによって構成されている。
次にフロー抽出部11は、プログラムαに含まれる処理フローを抽出する(ステップS2)。例えば、フロー抽出部11は、プログラムA〜Dのコードを解析して、サブプログラム間の呼び出し処理や、DBへのアクセス処理を抽出する。例えば、プログラムAからプログラムCを呼び出していて、プログラムCがDBへアクセスしていれば、フロー抽出部11は、プログラムA→プログラムC→DBという処理の流れを抽出する。
【0021】
図8に、フロー抽出部11が抽出した処理フローを示す。処理フロー1は、プログラムAがプログラムCを呼び出し、プログラムCがDBへアクセスする処理の流れである。処理フロー2は、プログラムAがプログラムCを呼び出し、プログラムCがプログラムDを呼び出し、プログラムDがDBへアクセスする処理の流れである。同様に、処理フロー3は、プログラムB→プログラムC→DBという処理の流れを示し、処理フロー4は、プログラムB→プログラムC→プログラムD→DBという処理の流れを示し、処理フロー5は、プログラムB→プログラムD→DBという処理の流れを示す。フロー抽出部11は抽出した処理フロー1〜5を、アクセスパターン解析部12へ渡す。
【0022】
次にアクセスパターン解析部12が、抽出された処理フロー1〜5のそれぞれについて、アクセスパターンを解析する(ステップS3)。例えば、アクセスパターン解析部12は、処理フロー1におけるプログラムCのDBへのアクセス処理のコードを解析して、トランザクションファイルに対する更新および参照、マスタファイルに対する更新の何れが含まれるかを特定する。DB内のファイルの一覧、ファイルの種別(トランザクションファイルか、マスタファイルか)については既知であるとする。例えば、アクセスパターン解析部12は、処理フロー1では、トランザクションファイルへの参照のみを行い、処理フロー2では、トランザクションファイルへの更新および参照のみを行い、処理フロー3では、マスタファイルへの更新のみを行い、処理フロー4〜5では、トランザクションファイルへの更新およびマスタファイルへの更新のみを行っていることを解析する。図9の表の左4列に、処理フロー1〜5のアクセスパターンの一例を示す。アクセスパターン解析部12は、処理フロー1〜5ごとのアクセスパターンの情報を、ルートパターン推定部13へ渡す。
【0023】
次にルートパターン推定部13が、処理フローごとにルートパターンを推定する(ステップS4)。例えば、ルートパターン推定部13は、トランザクションファイルへの参照のみを行う処理フロー1について、図4で例示したパターン別アクセス定義情報を参照して、「一覧照会」、「単票照会」、「初期表示」をルートパターンの推定候補として選択する。同様にルートパターン推定部13は、処理フロー2について「取消/訂正」を選択し、処理フロー3について「ダウンロード」を選択し、処理フロー4〜5について「登録」、「取消/訂正」、「内部プロセス」を選択する。図9にルートパターン推定部13によるルートパターン候補の推定結果を示す。
【0024】
最後にパターン推定装置10は、処理フローごとに、ルートパターンの候補を出力する。例えば、パターン推定装置10は、図9に例示するような表を表示装置に表示してもよいし、処理フロー1〜5とそれぞれのルートパターンの候補を対応付けてパターン推定装置10の記憶部に記録してもよい。
パターン推定装置10がプログラムαに含まれる処理フローごとにルートパターンの候補を推定すると、その後は、例えば、業務やRSUのルートパターンに精通した者が、処理フロー1〜5のそれぞれに対して、推定された候補の中から適切なルートパターンを決定する。ルートパターンが決定すれば、その後は、RSUの開発手法に則って、マイクロサービスに適したプログラム開発を行うことができる。
【0025】
次に図6のステップS2〜4の処理についてさらに詳しく説明する。
図10は、処理フローの抽出処理(ステップS2)の一例を示すフローチャートである。
フロー抽出部11は、対象プログラムαを取得し、起点となるサブプログラムを抽出する。フロー抽出部11は、起点となるサブプログラムを設定する(ステップS11)。図7の例では、フロー抽出部11は、プログラムA〜Bを設定する。次にフロー抽出部11は、起点となるサブプログラム毎に以下の処理を行う。まず、呼び出し先のサブプログラムの有無を判定する(ステップS12)。呼び出し先がある場合(ステップS12;Yes)、フロー抽出部11は、起点となるサブプログラム(例えば、プログラムA)の呼び出し先のサブプログラム(例えば、プログラムC)を起点に設定して、再帰的にステップS11〜ステップS15の処理(図10の処理の呼び出し)を繰り返し行う(ステップS14)。
例えば、図8の処理フロー1の例では、起点をプログラムA、呼び出し先をプログラムCとしてステップS15の処理を行う。すると、プログラムCを起点として、図10の処理が行われるが、呼び出し先が無いため(ステップS12;No)、フロー抽出部11は、プログラムの呼び出し関係を、呼び出し経路のプログラム(A→C)を記憶しながら再帰的に辿り、処理フロー1を抽出する(ステップS13)。次にフロー抽出部11は、起点をプログラムAとする処理に戻り、呼び出し先があるかどうかを判定(ステップS12)し、処理フロー2の抽出を行う。同様にプログラムCを起点として、図10の処理を再帰的に行い、その処理の中でプログラムDを起点する処理に移る。プログラムDでは、呼び出しが無いため(ステップS12;No)、プログラムDを起点とするステップS15の再帰処理を終了し、プログラムCを起点とする処理に戻る。同様にプログラムCを起点とするステップS15の再帰処理を終了し、プログラムAを起点とする処理に戻る。そして、プログラムAを起点とするステップS14のループ処理を終了する。プログラムAを起点とするこれ以上の呼び出しが無いため、呼び出し経路のサブプログラムをプログラムA、C、Dの順に記憶し、これを処理フロー2としてメモリ等に記録する(ステップS13)。フロー抽出部11は、プログラムBを起点とする処理フローについても同様にして抽出する。
【0026】
図11は、アクセスパターンの解析処理(ステップS3)の一例を示すフローチャートである。
アクセスパターン解析部12は、処理フロー1に含まれるプログラムごとに以下の処理を繰り返し行う(ステップS21)。アクセスパターン解析部12は、プログラムからDBへのアクセス先(トランザクションファイルかマスタファイルか)、アクセス方法(参照か更新か)を解析する。アクセスパターン解析部12は、解析結果を処理フローと対応付けられたアクセスパターンに追加する(ステップS22)。アクセスパターン解析部12は、処理フロー2〜5についても同様の処理を行う。これにより、図9に例示する処理フロー別のアクセスパターンの一覧が得られる。
【0027】
図12は、ルートパターンの推定処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。
ルートパターン推定部13は、図11の処理によって作成された処理フロー別のアクセスパターンの一覧と、図4に例示するパターン別アクセス定義情報と、を読み出して、パターン別アクセス定義情報のルートパターンごとに以下の処理を繰り返す(ステップS31)。ルートパターン推定部13は、対象ルートパターンについて定義されたアクセスパターンと、処理フロー1〜5のアクセスパターンとを照合して、一致するものがあるかどうかを判定する(ステップS32)。アクセスパターンが一致する処理フローが無ければ(ステップS32;No)、次のルートパターンの判定へ移る。アクセスパターンが一致する処理フローがあれば(ステップS32;Yes)、ルートパターン推定部13は、そのルートパターンを、アクセスパターンが一致する処理フローの推定候補に追加する(ステップS33)。
【0028】
本実施形態によれば、RSU化を目的として、対象プログラムαの処理フローを全て抽出し、処理フローごとにファイル、DBへのアクセスパターンを解析する。そして解析されたアクセスパターンと、予めルートパターンごとに定義されたアクセスパターン(パターン別アクセス定義情報)とに基づいて、各処理フローのルートパターンを推定する。これにより、既存プログラムαのルートパターンを区分する処理を半自動化し、効率化することができる。また、RSU化によって保守性の高いプログラムの大量開発が可能になり、モノリシックなプログラムをルートパターン単位に区分することで、マイクロサービス化が可能となる。
【0029】
図13は、パターン推定装置の最小構成を示す図である。
パターン推定装置100は、少なくとも、パターン別アクセス定義情報101と、ルートパターン推定部102と、を備える。
パターン別アクセス定義情報101は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義した情報である。
ルートパターン推定部102は、対象プログラムに含まれる処理フローにおけるファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報101とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定する。
【0030】
図14は、パターン推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。上述のパターン推定装置10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能部の動作は、プログラムの方式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0031】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、入出力インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0032】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
10・・・パターン推定装置
11・・・フロー抽出部
12・・・アクセスパターン解析部
13・・・ルートパターン推定部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2020年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、
対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定するルートパターン推定部と、
を備え、
前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである、
パターン推定装置。
【請求項2】
前記パターン別アクセス定義情報は、前記ファイルへのアクセスパターンとして、トランザクションファイルへの参照の有無および更新の有無、マスタファイルへの更新の有無を示す情報を、前記区分パターン別に保持する、
請求項1に記載のパターン推定装置。
【請求項3】
前記処理フローに含まれる前記ファイルへのアクセスパターンを解析するアクセスパターン解析部、
をさらに備える請求項1または請求項2に記載のパターン推定装置。
【請求項4】
前記対象プログラムに含まれる処理フローを抽出するフロー抽出部、をさらに備え、
前記アクセスパターン解析部は、前記処理フローごとに前記ファイルへのアクセスパターンを解析する、
請求項3に記載のパターン推定装置。
【請求項5】
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定し、
前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである、
パターン推定方法。
【請求項6】
コンピュータに、
プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定し、
前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである処理、
を実行させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様によれば、パターン推定装置は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンと、前記パターン別アクセス定義情報とに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定するルートパターン推定部と、を備え、前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明の他の一態様は、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フロー区分される前記区分パターンを推定し、前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンであるパターン推定処理である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、プログラムの構造に基づく所定の区分パターンごとにファイルへのアクセスパターンを定義したパターン別アクセス定義情報と、対象プログラムに含まれる処理フローにおける前記ファイルへのアクセスパターンとに基づいて、前記処理フローが区分される前記区分パターンを推定し、前記区分パターンは、業務処理に係るプログラムを、処理種別を示すルート、処理手順を示すステージ、処理単位を示すユニットに階層化して開発するRSU開発手法において、前記業務処理に係るプログラムを、その構造に基づいて区分するためのルートパターンである処理、を実行させる。