特開2021-6364(P2021-6364A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000003
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000004
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000005
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000006
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000007
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000008
  • 特開2021006364-記録装置及び記録方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6364(P2021-6364A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】記録装置及び記録方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20201218BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20201218BHJP
   G01N 21/47 20060101ALI20201218BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J2/01 451
   B41J2/01 303
   B41J2/01 401
   G01N21/47 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-120448(P2019-120448)
(22)【出願日】2019年6月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】多田 周平
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 勇樹
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2G059
【Fターム(参考)】
2C056EA23
2C056EB13
2C056EB45
2C056EC13
2C056EC28
2C056FA10
2C056HA36
2C056HA58
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS06
2C061HK07
2C061HK23
2C061HN04
2C061HN15
2C061HN21
2G059AA05
2G059AA10
2G059BB10
2G059CC20
2G059EE02
2G059KK01
2G059MM05
2G059MM09
2G059MM10
(57)【要約】
【課題】 装置の大型化を抑制しつつ、高い精度で使用する記録媒体の種類についての情報を得ることを目的とする。
【解決手段】 記録ヘッドによる記録媒体への所定回数の記録の前に測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる第1の測定値、記録ヘッドによる記録媒体への所定回数の記録の後に測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる第2の測定値との差分に基づいて、予め記憶された基準となる記録媒体の特性値、或いは第2の測定値を得るための測定よりも後に測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる測定値を補正する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
記録媒体の特性を測定する測定手段と、
前記測定手段が記録媒体の特性を測定した測定値と、予め記憶された基準となる記録媒体の特性値と、に基づいて記録装置で使用されると決定された記録媒体の種類に対応する情報を入力するための入力手段と、
を備える記録装置であって、
前記記録ヘッドによる記録媒体への所定回数の記録の前に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる第1の測定値、前記記録ヘッドによる記録媒体への前記所定回数の記録の後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定して得られる第2の測定値との差分に基づいて、前記予め記憶された基準となる記録媒体の特性値、或いは前記第2の測定値を得るための測定よりも後に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる測定値を補正する補正手段を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の測定値は、前記入力手段によって前記情報を入力するために前記記録媒体の種類を決定する際に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる測定値であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第2の測定値は、前記記録媒体に記録が行われた後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定した測定値であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記第1の測定値は、前回、前記記録媒体に記録が行われた後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定した測定値であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
ロール状の記録媒体を前記記録装置で使用する際に装着する装着部を有し、
前記第2の測定値は、前記装着部から前記ロール状の記録媒体を取り外すことを示す情報がユーザーから入力された際に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定した測定値であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記測定手段が測定した前記記録媒体の測定値と、予め記憶された基準となる記録媒体の特性値と、に基づいて測定された記録媒体の種類の候補を抽出し、通知手段に前記候補の記録媒体の種類を示す情報を通知させる通知制御手段をさらに有し、
前記入力手段は、ユーザーによって決定された前記記録装置で使用されると決定された記録媒体の種類に対応する情報を入力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記予め記憶された基準となる前記記録媒体の種類の特性値に対する前記第1の測定値と前記第2の測定値の差分値の比率を算出し、算出した前記比率を前回までに算出した比率の和に積算した積算値を算出する算出手段を有し、
前記補正手段は、算出手段が算出した積算値が所定の閾値を超えた場合に補正を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記予め記憶された基準となる記録媒体の特性値を補正する場合には、前記予め記憶された基準となる記録媒体の特性値に、前記積算値を1から減算した値を乗算した値を新たな予め記憶された基準となる記録媒体の特性値とすることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記測定手段が測定した測定値に前記積算値を1から減算した値を乗算することで当該測定値の補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項10】
前記算出手段が算出した積算値が所定の値を超えた場合には、通知手段に前記測定手段を交換することを促すことを通知させる通知制御手段をさらに有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項11】
記録ヘッドによって記録を行う記録媒体の特性を測定する測定手段によって測定された前記記録媒体の特性の測定値と、予め記憶された基準となる記録媒体の特性値と、に基づいて記録装置で使用されると決定された記録媒体の種類に対応する情報を入力する記録方法であって、
前記記録ヘッドによる記録媒体への所定回数の記録の前に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる第1の測定値、前記記録ヘッドによる記録媒体への前記所定回数の記録の後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定して得られる第2の測定値との差分に基づいて、前記予め記憶された基準となる記録媒体の特性値、或いは、前記測定値を補正することを特徴とする記録方法。
【請求項12】
前記第1の測定値は、前記情報を入力するために前記記録媒体の種類を決定する際に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる測定値であることを特徴とする請求項11に記載の記録方法。
【請求項13】
前記第2の測定値は、前記記録媒体に記録が行われた後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定した測定値であることを特徴とする請求項11または12に記載の記録方法。
【請求項14】
前記第1の測定値は、前回、前記記録媒体に記録が行われた後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定した測定値であることを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
【請求項15】
ロール状の記録媒体を前記記録装置で使用する際に装着する装着部を有し、
前記第2の測定値は、前記装着部から前記ロール状の記録媒体を取り外すことを示す情報がユーザーから入力された際に前記測定手段が測定した前記記録媒体の特性値に基づく測定値であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶媒体の種類に応じた制御パラメータを使用して記録媒体に記録を行う記録装置が知られている。特許文献1には、制御パラメータを決定するために記録前にセンサを用いて記録媒体の複数の特性値を測定し、基準となる値と比較することで記録媒体の種類を判別することが開示されている。一方、センサの汚れや経年的な劣化は誤検知の要因となる。特許文献2には、2つの光源によって白色基準板を測定した測定結果の比に基づいてセンサへのインクミストの付着やセンサの経年的な劣化を検知し、記録媒体の特性値の測定結果を補正することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−215591号公報
【特許文献2】特開2015−96826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2の方法では白色基準板や複数の光源が必要となり、装置が大型化する虞がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を抑制しつつ、高い精度で使用する記録媒体の種類についての情報を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、記録媒体の特性を測定する測定手段と、前記測定手段が記録媒体の特性を測定した測定値と、予め記憶された基準となる記録媒体の特性値と、に基づいて前記記録装置で使用されると決定された記録媒体の種類に対応する情報を入力するための入力手段と、
を備える記録装置であって、前記記録ヘッドによる記録媒体への所定回数の記録の前に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる第1の測定値、前記記録ヘッドによる記録媒体への前記所定回数の記録の後に前記測定手段が前記記録媒体の特性を測定して得られる第2の測定値との差分に基づいて、前記予め記憶された基準となる記録媒体の特性値、或いは前記第2の測定値を得るための測定よりも後に前記測定手段が記録媒体の特性を測定して得られる測定値を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、同じ記録媒体の特性を測定して得られる測定値の変化を利用することで、装置の大型化やコストの増大化を抑制しつつ、高い精度で記録媒体の種類についての情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る記録装置の構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係るキャリッジの構成を示す図である。
図3】実施形態における光学センサの構成を示す図である。
図4】実施形態における記録装置の制御系のブロック構成を示す図である。
図5】実施形態における補正処理を示すフローチャートである。
図6】実施形態における入出力部の表示形態を示す図である。
図7】実施形態においてEEPROMに記憶されている特性値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
図1は、記録装置100の構成を示す斜視図であり、キャスターおよび排紙のためのバスケットが取り付けられている。図1(a)は全体の外観を示し、図1(b)は上部カバーを開けて内部構造が見える状態を示す。本実施形態における記録装置100は、インクジェット記録方式により、記録媒体上に記録材としてインク滴を付与することにより記録を行う。記録媒体はY方向を搬送方向として搬送される。そして、記録ヘッド102を搭載したキャリッジ101はY方向と交差するX方向に往復移動して記録を行う、いわゆるシリアル型記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置について説明する。しかしながら、ノズル列が記録媒体の搬送の記録幅に亘って構成された、いわゆるライン型記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置が用いられても良い。また、記録機能だけでなく、スキャン機能やFAX機能、送信機能等が一体化された多機能型周辺装置(MFP)でもよい。また、記録材として粉末トナーを用いる電子写真方式の記録装置でもよい。本実施形態では、後述する使用する記録媒体の決定処理を行うための情報処理装置の機能は記録装置100に搭載されている。
【0011】
記録装置100の上部に入出力部406を備える。入出力部406は操作パネルであり、ディスプレイにインク残量や記録媒体の種類の候補を表示し、ユーザーはキーを操作することにより記録媒体の種類を選択したり記録の設定を行ったりすることができる。
【0012】
キャリッジ101は、光学センサ201(図2)と、インクを吐出する吐出口が設けられた吐出口面が形成された記録ヘッド102とを有する。キャリッジ101は、キャリッジモータ415(図4)の駆動により、キャリッジベルト103を介してシャフト104に沿ってX方向(キャリッジの移動方向)に往復移動可能に構成されている。本実施形態において、記録装置100は、光学センサ201により、記録媒体105の表面上の乱反射特性値や正反射特性値を取得したり、キャリッジ101と記録媒体105との間の距離を測定したりすることが可能である。
【0013】
ロール紙等の記録媒体105は、不図示の搬送ローラによりプラテン106上をY方向に搬送される。搬送ローラによりプラテン106上に搬送された記録媒体105上をキャリッジ101がX方向に移動しながら、記録ヘッド102からインク滴を吐出することで記録動作が行われる。キャリッジ101が記録媒体105上の記録領域の端まで移動すると、搬送ローラは記録媒体105を一定量搬送し、次の記録走査を行う領域を記録ヘッド102が記録可能な位置に移動させる。以上の動作の繰り返しにより画像の記録が行われる。記録媒体105がロール状であるロール紙の場合には、ロール紙を記録装置100にセットするための装着部(不図示)を有する。
【0014】
<キャリッジ構成>
図2は、キャリッジ101の構成を示す図である。キャリッジ101は、トランスレータ202とヘッドホルダ203とを備えて構成されている。ヘッドホルダ203は、記録ヘッド102と反射型センサである光学センサ201を含む。図2に示すように、光学センサ201は、底面が記録ヘッド102の底面と同位置若しくはそれよりも高くなるように、構成されている。
【0015】
<光学センサ構成>
図3は、光学センサ201の構成を示す断面模式図である。光学センサ201は、光学素子として第1のLED301、第2のLED302、第3のLED303、第1のフォトダイオード304、第2のフォトダイオード305、第3のフォトダイオード306を含む。第1のLED301は、記録媒体105の表面(測定面)に対して法線(90°)の照射角を有する光源である。第1のフォトダイオード304は、第1のLED301から照射され記録媒体105からの反射光をZ方向45°の角度で受光する。つまり、記録媒体105からの反射光のいわゆる乱反射成分を検出する光学系を形成する。
【0016】
第2のLED302は、記録媒体105の表面(測定面)に対してZ方向60°の照射角を有する光源である。第1のフォトダイオード304は、第2のLED302から照射され記録媒体105からの反射光をZ方向60°の角度で受光する。つまり、発光と受光の角度が等しくなり、記録媒体105からの反射光のいわゆる正反射成分を検出する光学系を形成する。
【0017】
第3のLED303は、記録媒体105の表面(測定面)に対して法線(90°)の照射角を有する光源である。第2のフォトダイオード305と第3のフォトダイオード306は、第3のLED303から照射され記録媒体105からの反射光を受光する。第2のフォトダイオード305と第3のフォトダイオード306は、それぞれの受光量が光学センサ201と記録媒体105との距離に応じて変化することで、光学センサ201と記録媒体105との距離を測定する。
【0018】
本実施形態では光学センサはキャリッジに設置されているが、他の形態でもよい。例えば、記録装置に固定して設置されていてもよいし、あるいは記録装置とは別体の記録媒体の乱反射や正反射等の特性値を測定するための測定機器であって、測定機器によって測定した特性値を記録装置に送信する形態でもよい。
【0019】
<ブロック図>
図4は、記録装置100の制御系のブロック構成を示す図である。ROM402は、不揮発性メモリであり、例えば、記録装置100を制御するための制御プログラムや、本実施形態の動作を実現させるためのプログラムが記憶されている。本実施形態の動作は、例えば、CPU401がROM402に記憶されたプログラムをRAM403に読み出して実行することにより実現される。RAM403は、CPU401のワーキングメモリとしても用いられる。EEPROM404は、記録装置100の電源がオフとされても保持しておくべきデータを記憶する。少なくとも、CPU401とROM402が、後述する記録媒体決定処理をするための情報処理装置の機能を実現する。また、EEPROM404は、予め定められた基準として利用する各記録媒体の特性値や、各記録媒体のカテゴリを記憶する。カテゴリとは記録媒体の種類を大きく分類したものであり、本実施形態においては、光沢紙、普通紙、コート紙、フィルム用紙、スペシャル、の5つが設定されている。例えば記録媒体がスタンダード光沢紙であるならば光沢紙のカテゴリ、プレミアム普通紙ならば普通紙のカテゴリに分類されている。記録媒体は紙媒体ではない媒体も含むが、本実施形態においてはユーザーに対して「用紙」という文言を用いて通知を行う。履歴情報や各記録媒体の特性値は記録装置内の記憶媒体ではなく、ホストコンピュータのROMやサーバーなどの外部メモリに記憶してもよい。
【0020】
インタフェース(I/F)回路410は、記録装置100と外部のLAN等のネットワークとを接続する。記録装置100は、I/F回路410により、外部のホストコンピュータ等の装置との間で各種ジョブやデータ等の送受信を行う。
【0021】
入出力部406は、入力部と出力部を含む。入力部はユーザーからの電源投入の指示や、記録実行の指示、各種機能の設定の指示を受け付ける。出力部は省電力モード等の各種装置情報や、記録装置100が実行可能な各種機能の設定画面を表示する。本実施形態では入出力部406は記録装置100に備えられた操作パネルであり、入出力部406は、入出力制御回路405を介してシステムバス416とデータの送受信が可能なように接続されている。本実施形態ではCPU401が出力部の情報の通知制御を行う。
【0022】
他にも、入力部は外部のホストコンピュータのキーボードでもよく、外部のホストコンピュータからユーザーの指示を受付可能としてもよい。出力部は、LEDディスプレイやLCDディスプレイ、ホスト装置と接続されているディスプレイでもよい。また、入出力部がタッチパネルである場合には、ソフトウェアキーによりユーザーからの指示を受付可能である。また、入出力部406はスピーカーとマイクであって、ユーザーからの入力を音声入力、ユーザーへの通知を音声出力としてもよい。
【0023】
CPU401とROM402と同様の機能を持つCPUとROMを備え、記録装置100と外部接続される情報処理装置が、後述する記録媒体決定処理を行い、記録装置100で使用する記録媒体を決定してもよい。
【0024】
光学センサ201による測定を実施する場合には、CPU401によりLED制御回路407が駆動され、光学センサ201内の所定のLEDが点灯するように制御される。光学センサ201の各フォトダイオードは受光した光に応じた信号を出力し、A/D変換回路408によりデジタル信号に変換され、RAM403に一旦保存される。記録装置100の電源オフ時にも保存されるべきデータは、EEPROM404に記憶される。
【0025】
記録ヘッド制御回路411は、記録ヘッド102に搭載されセレクタやスイッチを含むノズル駆動回路に対して、記録データに応じた駆動信号を供給し、ノズルの駆動順序等、記録ヘッド102の記録動作の制御を行う。例えば、外部からI/F回路410に記録対象データが送信されてきた場合、記録対象データは、RAM403に一旦保存される。そして、記録ヘッド制御回路411は、記録対象データから、記録のための記録データに変換された記録データに基づいて、記録ヘッド102を駆動する。その際、LF(ラインフィード)モータ駆動回路412は、記録データのバンド幅等に基づいてLFモータ413を駆動し、LFモータ413と接続されている搬送ローラが回転することにより記録媒体を搬送する。CR(キャリッジ)モータ駆動回路414は、CR(キャリッジ)モータ415を駆動することによりキャリッジベルト103を介してキャリッジ101を走査させる。
【0026】
I/F回路410から送られてくるデータには、記録対象データのみでなく、プリンタドライバで設定された内容のデータも含まれる。また、記録対象データは、例えば、I/F回路410を介して外部から受信して記憶部に格納されたり、ハードディスク等の記憶部に予め格納されたりしている場合もある。CPU401は、画像データを記憶部から読み出して画像処理回路409を制御して、記録ヘッド102を用いるための記録データへの変換(二値化処理)を実行する。画像処理回路409は、二値化処理の他、色空間変換、HV変換、ガンマ補正、画像の回転等、種々の画像処理を実行する。
【0027】
<全体フロー>
図5は、記録対象の記録媒体105の特性を、画像を記録する前と後とで測定し、測定した特性値の差分に基づいて、EEPROM404に記憶している、基準となる値である、特性値の基準値を補正する補正処理を示すフローチャートである。記録媒体105に画像を記録する前と後に記録媒体105の特性を測定し、その差分を算出する。差分が所定値以上になると、光学センサ201が測定する検出値がずれたと判定し、ずれを補正するためにEEPROM404に記憶している特性の基準値を変更する。本実施形態において記録媒体105はロール紙であるとする。
【0028】
図5のステップS1〜S16までの各ステップの処理は、例えば、図4で示すCPU401がROM402に記憶されたプログラムをRAM403に読み出して実行することで実現される。また、記録媒体決定処理はホスト装置のソフトウェアによって実行されてもよい。本実施形態において入出力部406は記録装置に備えられた操作パネルであるので記録媒体の候補の通知は操作パネルに記録媒体の名称を表示することによって行われる。入出力部406はホスト装置に接続されたディスプレイとホスト装置であってもよい。また、入出力部406が音声の入出力が可能なマイク機能のあるスピーカーである場合には記録媒体の候補の通知はスピーカーによって行われ、マイクにユーザーが記録媒体の名称、或いは対応する符号を音声入力することにより記録媒体の選択を行うことができる。
【0029】
CPU401は、装着部にロール紙が装着されたことを検知し、入出力部406である操作パネルからユーザーによる給紙開始の指示を受け付けると記録媒体105の給紙処理を実施する。図6(a)は給紙処理開始の指示の入力を受け付ける操作パネルの表示例である。操作パネルはユーザーによるタッチ入力可能なタッチパネルである。「はい」の項目をタッチすると給紙が開始される。非接触でも近接すれば入力とみなす方式のものでもよい。
【0030】
図6(a)で「はい」の項目が選択され、給紙が開始されると、記録媒体105は搬送ローラによりプラテン106上の光学センサ201が検知可能な位置まで搬送される。記録媒体105が搬送されると、記録媒体105上をキャリッジ101がX方向に移動し、光学センサ201によって記録媒体105の乱反射値、正反射値、記録媒体の厚さの値(以下、紙厚)を取得する(ステップS1)。乱反射値は記録媒体の白色度と対応し、正反射値は記録媒体の光沢度と対応する。記録媒体の特性として、記録媒体のX方向の幅を使用して記録媒体決定処理を行ってもよい。記録媒体の特性の測定を行う位置は1箇所でもよいし、複数箇所の測定結果の平均を取ってもよい。また、特性の測定は光学センサ201が停止した状態で行ってもよいし、移動しながら行ってもよい。測定値は一旦RAM403などのメモリに記憶される。
【0031】
次いで、CPU401は取得した測定値をメモリから読み出し、予め定められてEEPROM404に記憶されている各種記録媒体の特性値と比較する(ステップS2)。これにより、測定値が示す特性に該当する度合が所定の度合より高い記録媒体の種類を抽出する。詳しくは以下の通りである。図7(a)はEEPROM404に記憶されている記録媒体の種類毎の特性値を示す。この特性値は現段階が初期値であれば特性値=Tである。この値を基準値として測定値との比較により、記録媒体の種類を判別する。この基準値の範囲を検出範囲とする。この検出範囲は、ユーザーに通知する記録媒体の候補を抽出するための抽出範囲である。以降は、この検出範囲を抽出範囲と称する。乱反射値、正反射値は、光学センサ201が光を受光して出力する出力電圧を10bitでA/D変換した値である。抽出範囲は、記録媒体の各特性値のmiddle値を中心とするmin値からmax値までの範囲である。紙厚は中心値から±50μmの範囲を抽出範囲とする。乱反射値は中心値から±5の範囲を抽出範囲とする。正反射値は中心値から±5の範囲を抽出範囲とする。紙厚、乱反射値、正反射値の抽出範囲に全て入る特性値を持つ記録媒体の種類が抽出される(ステップS3)。
【0032】
ステップS4では、ステップS3で抽出された記録媒体の種類があるか否かを判断する。S3で抽出した記録媒体の種類がある場合にはステップS5に進み、抽出した記録媒体の種類の名称を、図6(d)に示すように操作パネルに表示する。表示の仕方は、抽出した記録媒体の種類の中で、測定値に特性値が近い記録媒体を上位に記録するようにしてもよいし、最近使用した記録媒体を上位に記録するようにしてもよく、また他の方法でもよい。
【0033】
抽出された記録媒体の種類が無い場合には、図6(b)のように操作パネルに全てのカテゴリを表示する(ステップS16)。カテゴリは予め定められた順番に並べられて表示される。カテゴリの表示を行った場合には、ユーザーが選択したカテゴリの入力を受け付けると図6(c)のようにカテゴリ内の記録媒体の種類を表示する。そして、表示した記録媒体の種類のうち選択された記録媒体の種類についての入力を受ける。入力は記録媒体の名称が表示されている項目をタッチすることによって行われる。図6(b)では、記録媒体のカテゴリとは別に、「すべて」という項目を一番下に表示している。この「すべて」が選択されると全ての記録媒体が予め定められた順番で表示される。最近、即ち一番最後に使用された記録媒体から近い順番に表示するようにしてもよい。
【0034】
ステップS6にて、ユーザーが入出力部406から記録媒体の種類を選択すると、装着部に装着された記録媒体の種類が決定される。
【0035】
記録媒体の種類が決定されると、次にステップS7でRAM403にホスト装置から画像データを含む印刷ジョブが保存されているかを判定する。印刷ジョブがないと判定した場合には処理を終了する。
【0036】
印刷ジョブがあると判定した場合には、記録を行う印刷ジョブの画像データは画像処理回路409によって所定の画像処理を施されて記録ヘッド102がインクを吐出するための記録データに変換される。変換された記録データに従って記録媒体105に記録を行う(ステップS8)。
【0037】
ステップ8で1ページ分の記録動作が終了するとステップS9で印刷ジョブの記録が終了したかを判定する。終了していない場合にはステップS8に戻って次のページの画像の記録を行う。終了した場合にはステップS10に進む。
【0038】
ステップS10では、記録媒体105の乱反射値、正反射値、紙厚の測定を行う。
【0039】
次に、ステップS11では、EEPROM404に記憶されている特性の基準値に対する前回取得された測定値とステップS10で取得された測定値との差分値の比率を算出する。ここでは前回取得された測定値はステップS1で取得された測定値である。
【0040】
EEPROM404には、前回までに算出した差分値の比率が積算された積算値が記憶されている。ステップS12では、ステップS11で算出した差分と、EEPROM404に記憶されている値とを積算した積算値を記憶する。
【0041】
ステップS13はステップS12で記憶した値が、閾値を超えているかを判定する。超えている場合は、ステップS14で積算値に基づいて、予め定められた各記録媒体の特性値を補正する。特性値の補正を行うと、EEPROM404に記憶した積算値をリセットし、ステップS15に進む。超えていない場合にはステップS15に進む。
【0042】
ステップS15でRAM403に保存されている印刷ジョブがあるかを判定する。印刷ジョブがない場合には処理を終了する。印刷ジョブがある場合にはステップS8に戻って処理を行う。ステップS8に戻って処理を行う場合には、ステップS11で使用する前回取得した測定値は前回の補正処理のステップS10で取得した測定値である。
【0043】
また、処理が終了した後に印刷ジョブが送られてきた場合にはステップS8から処理を行う。
【0044】
ここで、ステップS11、S12、S14について詳細を説明する。
【0045】
記録前(ステップS1または前回の処理のステップS10)の測定値をA、記録後(本処理におけるステップS10)の測定値をB、EEPROM404に記憶された、予め定められた各記録媒体の特性値をCとする。ステップS11で算出する差分値の比率は、(A−B)/Cである。これより前に差分値の比率が記憶されていない場合には、ステップS12ではEEPROM404に(A−B)/Cを記憶する。
【0046】
再度同じ記録媒体で記録した場合の記録前の測定値をA’、記録後の測定値をB’とする。この時ステップS10で算出する差分値の比率は(A’−B’)/Cである。EEPROM404には前回の差分値の比率として、(A−B)/Cが記憶されているので、ステップS11ではEEPROM404に、(A−B)/Cに(A’−B’)/Cを加算した、(A−B)/C+(A’−B’)/Cを記憶する。
【0047】
次に別の記録媒体をセットして記録した場合の、記録前の測定値をD、記録後の測定値をE、EEPROM404に記憶された、予め定められた各記録媒体の特性値をFとする。ステップS10で算出する差分値の比率は(D−E)/Fである。ステップS12では、前回までの差分値比率の累積結果にステップS10の算出結果を加算し、(A−B)/C+(A’−B’)/C+(D−E)/Fを記憶する。
【0048】
ステップS12の値が閾値を超えている場合には、ステップS14において特性値の基準値を補正する。
【0049】
ステップS14における特性値の基準値の変更方法を以下に示す。補正対象の特性値の基準値をG、補正係数をKとすると、補正後の特性値の基準値は、補正前の基準値Gに補正係数Kを乗算したものである。補正係数Kは、ステップS12で記憶した値を1から減算したものである。
補正後の特性値の基準値=G×K
K=[1−{(A−B)/C+(A’−B’)/C+(D−E)/F}]
【0050】
次に、ステップS8〜ステップS14の処理を、具体例を挙げて説明する。
【0051】
図7(a)は予め定められ、EEPROM404に記憶されている記録媒体の種類毎の特性値を示す。図7(b)は5回の記録動作を行った場合の記録動作の前後のステップS1またはステップS10で測定した測定値のうちの正反射値と、それに基づいてステップS11〜S12で求められる値を示す表である。1回目、2回目、3回目の記録はスタンダード普通紙を使用して行う。ここで、1つの印刷ジョブの記録を完了する動作を1回の記録動作であるものとする。その後セットするロール紙をスタンダード光沢紙に交換し、4回目の記録を行う。その後セットするロール紙を厚口光沢紙に交換し、5回目の記録を行う。2回目、3回目は前回の記録と同じ記録媒体の種類を使用して記録を行うため、記録動作前の測定値は前回の記録動作後のステップS10で測定された測定値である。一方、1回目、4回目、5回目は記録媒体の種類をセットして初めて記録を行う記録動作のため、記録動作前の測定値はステップS1で測定される測定値である。
【0052】
1回目の記録動作の前後で測定値を取得すると、ステップS11にて測定値の差分値の比率を算出する。差分値の比率は、(A−B)/C=(90−89)/90=1/90となる。この記録動作の前に行われた記録はないため、ステップS12で記憶する差分値の比率の積算値は1/90である。ステップS13にて積算値と閾値の比較を行う。ここで閾値は記録に使用している特性値の基準値の5%とすると、1/90<5/100となるため、積算値は閾値よりも小さい。そのためステップS14には進まずステップS15に進む。
【0053】
5回目の記録動作におけるステップS12で算出した積算値は53/900となる。ステップS13で閾値と比較すると、53/900>5/100となり、閾値を超える。そのためステップS14に進み、特性値の補正を行う。例えばスタンダード光沢紙の正反射値は100×(1−53/900)=94.111となる。補正した後の特性値の基準値図7(c)に示す。図7(c)では正反射値の測定結果をもとに乱反射値、紙厚の特性値の基準値についても補正している。図5の処理のように乱反射値、紙厚を測定する場合にはそれぞれの測定値に基づいて補正を行うことが好ましい。それぞれの特性の測定値に従って補正を行うことで、正反射、乱反射、紙厚の特性の変化の仕方が異なる場合にも、それぞれの変化具合に対応して補正を行うことができる。積算値に従って特性値の補正を行うと、EEPROM404に記憶している積算値をリセットする。
【0054】
図7(a)において、5回目の厚口光沢紙の正反射値の測定値は96と94である。一方、基準値は100である。抽出範囲は基準値の±5の範囲すなわち、95−105であるため、測定値が94である場合には厚口光沢紙が抽出されない。補正処理を行った後は厚口光沢紙の正反射値の基準値が94.111であるため、測定値が96、94どちらの場合にも厚口光沢紙が抽出され、正しい記録媒体の種類を抽出することができるようになる。正しい記録媒体の種類が抽出されるとユーザーに候補として通知されることになり、ユーザーの利便性が向上する。
【0055】
図5の補正処理では、ステップS13で特性値の基準値を補正するための条件として、ステップS13で閾値を設けて積算値が閾値よりも大きい場合のみ補正を行っているが、測定値を測る毎に特性値の基準値を補正してもよい。ただ、より好ましくは図5のように条件を設けた方がよい。これは、1回毎の差分値を反映する場合、測定のばらつき範囲内の変動についても補正をかけてしまう可能性があるためであり、測定のばらつき範囲を超えた閾値を設けることで、補正に反映されるばらつきの値を小さくすることができる。
【0056】
また、図5の処理において最後に記録媒体105の特性の測定を行うのは、最後に画像が記録された後のステップS10であるが、例えば、装着部から記録媒体105を取り外す前に測定を行うようにしてもよい。装着部から記録媒体105を取り外す際にユーザーは記録媒体を取り外すように入出力部406に取り外し指示を入力する。CPU401は取り外し指示を受け付けると、記録媒体105は搬送ローラによりプラテン106上の光学センサ201が検知可能な位置まで搬送され、特性値が測定される。測定されると搬送ローラは記録媒体105が装着部から取り外すことのできる位置まで記録媒体105を搬送する。CPU401は取り外す前に取得した測定値と、前回の記録動作の後に取得された測定値とに従って差分値の比率を算出し、積算値を記憶する。積算値が閾値を超える場合には補正を行う。
【0057】
測定値を取得するタイミングは、印刷ジョブの記録動作を所定回数行う毎に1度のタイミングで測定値を取得することができる。上述の例では所定回数は1回であり、印刷ジョブ毎の記録動作の前後に測定値を取得するようにしたが、所定回数を複数回としてもよい。また、画像を所定枚数記録する毎に1度のタイミングでもよいし、所定時間毎のタイミングでもよく、給紙のタイミングと、装着部から取り外すタイミングのみで行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、光学センサ201のデバイス特性の劣化が進み、積算値が所定の値を超えて記録媒体の種類を判別できないレベルまで劣化した場合には、センサの交換を促すエラーを表示するようにしてもよい。センサ交換後は、EEPROM404に記憶されている各記録媒体の特性値の基準値を補正前の初期値に戻す。
【0059】
また、以上では予め定められて記憶されている記録媒体の特性値を補正する形態について説明したが補正するのは記憶されている特性値ではなく、光学センサ201により得られた測定値を補正する形態でもよい。光学センサ201により得られた測定値をX、補正係数をKとする。ステップS2において、X*Kを記録媒体の特性値との比較に使用し、記録媒体の種類の抽出を行う。補正Kの算出方法は上述した方法と同様の方法で算出することができる。ステップS12において積算値が閾値を超えている場合にはステップS14にて光学センサ201の補正係数Kを補正する。
【0060】
以上説明したような補正を行うことにより、測定結果の変化を検出するための新たな構成なしに記録媒体の種類を特定するためのセンサを用いて測定結果の補正を行うことができ、高い精度で記録媒体の種類を判別することができる。
【符号の説明】
【0061】
101 記録装置
105 記録媒体
201 光学センサ
401 CPU
404 EEPROM
406 操作パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7