【実施例】
【0098】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特に断りのない限り質量基準である。
【0099】
(実施例1)式(UVA−6)で表される化合物の合成
【化44】
ジムロート冷却管及び温度計を設置した500mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、ジメドン20部、ピロリジン11.2部及びトルエン200部を仕込み、5時間還流撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し精製を行い、式(M−3)で表される化合物27.4部得た。
【0100】
【化45】
窒素雰囲気下で、得られた式(M−3)で表される化合物1.0部、パラトルエンスルホニルシアニド2.8部及びアセトニトリル10部を混合した。得られた混合物を0〜5℃で5時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−4)で表される化合物0.6部を得た。
【0101】
【化46】
窒素雰囲気下で、式(M−4)で表される化合物4.8部、メチルトリフラート4.6部及びアセトニトリル24部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物にマロノニトリル1.9部、トリエチルアミン3部及びアセトニトリル24部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−6)で表される化合物2.9部を得た。
【0102】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−6)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(CDCl
3)δ:0.99(s、6H)、1.90−1.96(m、4H)、2.48−2.51(m、4H)、3.70−3.88(dt、4H)
LC−MS;[M+H]
+=284.5
【0103】
<極大吸収波長及びグラム吸光係数ε測定>
得られた式(UVA−6)で表される化合物の2−ブタノン溶液(0.006g/L)を1cmの石英セルに入れ、石英セルを分光光度計UV−2450(株式会社島津製作所製)にセットし、ダブルビーム法により1nmステップ毎に300〜800nmの波長範囲の吸光度を測定した。得られた吸光度の値と、溶液中の式(UVA−6)で表される化合物の濃度、石英セルの光路長から、波長ごとのグラム吸光係数を算出した。
ε(λ)=A(λ)/CL
〔式中、ε(λ)は波長λnmにおける式(UVA−6)で表される化合物のグラム吸光係数(L/(g・cm))を表し、A(λ)は波長λnmにおける吸光度を表し、Cは濃度(g/L)を表し、Lは石英セルの光路長(cm)を表す。〕
得られた式(UVA−6)で表される化合物の極大吸収波長は380nmであった。得られた式(UVA−6)で表される化合物のε(λmax)は1.75L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.032L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は54.53であった。
【0104】
(実施例2)式(UVA−7)で表される化合物の合成
【化47】
窒素雰囲気下で、式(M−4)で表される化合物1部、メチルトリフラート0.6部、及びアセトニトリル10部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、エチルシアノアセテート5.2部、トリエチルアミン4.6部及びアセトニトリル10部を加えて、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−7)で表される化合物0.5部を得た。
【0105】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−7)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.960−0.994(d、6H)、1.20−1.26(m、3H)、1.93(m、4H)、2.53−2.91(m、4H)、3.77−3.81(m、4H)、4.10−4.19(m、2H)
LC−MS;[M+H]
+=314.5(+H)
【0106】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−7)で表される化合物の極大吸収波長は382.7nmであった。得られた式(UVA−7)で表される化合物のε(λmax)は1.08L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.153L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は7.04であった。
【0107】
(実施例3)式(UVA−8)で表される化合物の合成
【化48】
窒素雰囲気下で、式(M−4)で表される化合物0.5部、ジメチル硫酸0.5部及びアセトニトリル5部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌反応させた。さらにピバロイルアセトニトリル0.4部、トリエチルアミン0.5部、アセトニトリル5.0部を加えて20〜30℃で3時間撹拌反応させた。反応終了後に溶媒を留去し精製を行い、式(UVA−8)で表される化合物0.07部を得た。
【0108】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−8)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.92(s、6H)、1.26(s、9H)、1.90(s、4H)、2.55(m、4H)、3.64−3.71(m、4H)
LC−MS;[M+H]
+=326.5
【0109】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−8)で表される化合物の極大吸収波長は377.4nmであった。得られた式(UVA−8)で表される化合物のε(λmax)は0.66L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.395L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は1.68であった。
【0110】
(実施例4)式(UVA−9)で表される化合物の合成
【化49】
ジムロート冷却管及び温度計を設置した300mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、ジメドン 70.0部、マロノニトリル10.4部、ジイソプロピルエチルアミン40.6部、エタノール100.0部を仕込み、3時間加熱還流撹拌させた。反応終了後に溶媒を留去し精製を行い、式(M−5)で表される化合物15.1部を得た。
【0111】
【化50】
窒素雰囲気下で、式(M−5)で表される化合物5部、パラトルエンスルホニルシアニド5.8部及びカリウムtert−ブトキシド3部及びエタノール50部を混合した。得られた混合物を0〜5℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−6)で表される化合物3.3部を得た。
【0112】
【化51】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物1部、メチルトリフラート1部、ジイソプロピルエチルアミン0.8部及びアセトニトリル20部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ピペリジン1.4部及びアセトニトリル20部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−9)で表される化合物0.5部を得た。
【0113】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−9)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.99(s、6H)、1.60(m、6H)、2.71(s、2H)、3.80(m、4H)
LC−MS;[M+H]
+=281.5
【0114】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−9)で表される化合物の極大吸収波長は385.6nmであった。得られた式(UVA−9)で表される化合物のε(λmax)は1.65L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.088L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は18
.8であった。
【0115】
(合成例1)式(UVA−A1)で表される化合物の合成
【化52】
ジムロート冷却管、温度計を設置した200mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、特開2014−194508号公報を参考に合成した式(M−7)で表される化合物10部、無水酢酸3.6部、(2−ブチルオクチル)シアノアセテート6.9部及びアセトニトリル60部を仕込み、20〜30℃で撹拌させた。得られた混合物に、ジイソプロピルエチルアミン4.5部を1時間かけて滴下し、2時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を留去し精製して、式(UVA−A1)で表される化合物4.6部を得た。
【0116】
(合成例2)式(UVA−A2)で表される化合物の合成
【化53】
ジムロート冷却管及び温度計を設置した100mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、式(M−8)で表される化合物6部、ジブチルアミン14.2部及びイソプロパノール31.3部を混合し、加熱還流した後、3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し精製して、式(UVA−A2)で表される化合物4.6部を得た。
【0117】
(合成例3)式(UVA−A3)で表される化合物の合成
【化54】
ジムロート冷却管及び温度計を設置した300mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩30部、メルドラム酸18.4部、トリエチルアミン12.9部、メタノール90部仕込み、20〜30℃で3時間撹拌反応させた。反応終了後に溶媒を留去し精製を行い、式(M−8)で表される化合物24.4部を得た。
【0118】
【化55】
式(M−8)で表される化合物6部、ジベンジルアミン21.7部、イソプロパノール31.3部を混合し、加熱還流した後、3時間撹拌反応させた。得られた混合物から溶媒を留去し精製して、式(UVA−A3)で表される化合物3.5部を得た。
【0119】
(合成例4)式(UVA−A4)で表される化合物の合成
【化56】
ジムロート冷却管、温度計を設置した100mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、2−フェニル−1−メチルインドール−3−カルボキシアルデヒド5部、ピペリジン1.8部、マロノニトリル1.5部及びエタノール20部を混合し、加熱還流した後18時間撹拌させた。得られた混合物を80℃まで加熱し、80℃で18時間保温した。得られた混合物から溶媒を留去し精製を行い、式(UVA−A4)で表される化合物4.9部を得た。
【0120】
(実施例5)光選択吸収組成物(1)の調製
各成分を以下の割合で混合して、光選択吸収組成物(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)(1)を調製した。
多官能アクリレート(「A−DPH−12E」:新中村化学工業株式会社製) 70部
ウレタンアクリレート(「UV−7650B」:日本化学工業株式会社製) 30部
重合開始剤(「NCI−730」:株式会社ADEKA製) 3部
実施例1で合成した式(UVA−6)で表される化合物 2部
メチルエチルケトン 34部
【0121】
(実施例6)光選択吸収組成物(2)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−7)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(2)を調製した。
【0122】
(実施例7)光選択吸収組成物(3)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−8)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(3)を調製した。
【0123】
(実施例8)光選択吸収組成物(4)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−9)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(4)を調製した。
【0124】
(調製例1)光選択吸収組成物(A1)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A1)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(A1)を調製した。
【0125】
(調製例2)光選択吸収組成物(A2)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A2)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(A2)を調製した。
【0126】
(調製例3)光選択吸収組成物(A3)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A4)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(A3)を調製した。
【0127】
(実施例9)硬化層付きフィルム(1)の作製
厚み23μmの環状ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルム〔商品名「ZEONOR」、日本ゼオン(株)製〕の表面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に、光選択吸収組成物(1)をバーコーターを用いて塗工した。塗工したフィルムを乾燥オーブンに投入し100℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗工フィルムを、窒素置換ボックスに入れてボックス内に窒素を1分間封入したのち、塗工面側から紫外線照射することで硬化層付きフィルム(1)を得た。なお、硬化層の膜厚は約6.0μmであった。
紫外線照射装置としては、ベルトコンベア付き紫外線照射装置〔ランプはフュージョンUVシステムズ社製の「Hバルブ」使用〕を用い、積算光量が400mJ/cm
2(UVB)となるように紫外線を照射した。
【0128】
(比較例1)硬化層付きフィルム(A1)の作製
光選択吸収組成物(1)を光選択吸収組成物(A1)に代えた以外は実施例9と同様にして、硬化層付きフィルム(A1)を得た。
【0129】
(比較例2)硬化層付きフィルム(A2)の作製
光選択吸収組成物(1)を光選択吸収組成物(A2)に代えた以外は実施例9と同様にして、硬化層付きフィルム(A2)を得た。
【0130】
(比較例3)硬化層付きフィルム(A3)の作製
光選択吸収組成物(1)を光選択吸収組成物(A3)に代えた以外は実施例9と同様にして、硬化層付きフィルム(A3)を得た。
【0131】
<硬化層付きフィルムの吸光度測定>
実施例9で得られた硬化層付きフィルム(1)を30mm×30mmの大きさに裁断し、サンプル(1)とした。得られたサンプル(1)と無アルカリガラス〔コーニング社製の商品名“EAGLE XG”〕とをアクリル系粘着剤を介して貼合し、サンプル(2)とした。作成したサンプル(2)の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定した波長395nm及び波長430nmにおける吸光度を、硬化層付きフィルム(1)の波長395nm及び波長430nmの吸光度とした。その結果を表1に示す。なお、無アルカリガラスの波長395nm及び波長430nmにおける吸光度はほぼ0であり、環状ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムの波長395nm及び波長430nmにおける吸光度はほぼ0であり、アクリル系粘着剤の波長395nm及び波長430nmにおける吸光度はほぼ0である。
【0132】
<硬化層付きフィルムの吸光度保持率の測定>
吸光度測定後のサンプル(2)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に48時間投入し、耐候性試験を実施した。耐候性試験後のサンプル(2)の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、波長395nmにおけるサンプル(2)の吸光度保持率を求めた。結果を表1に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。A(395)は波長395nmにおける吸光度を示す。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(395)/耐久試験前のA(395))×100
【0133】
硬化層付フィルム(1)の代わりに、硬化層付きフィルム(A1)、硬化層付きフィルム(A2)、及び硬化層付きフィルム(A3)をそれぞれ用いて、硬化層付きフィルム(1)と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0134】
【表1】
【0135】
(実施例10)光学フィルム(1)の作製
ポリメタクリル酸メチル樹脂(住友化学社製:スミペックスMH)70部、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)/ポリアクリル酸ブチル樹脂(PBA)のコアシェル構造からなる粒子径250nmのゴム粒子30部と、式(UVA−6)で表される化合物2部、及び2−ブタノンとからなる樹脂溶液(固形分濃度:25質量%)をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解した。
得られた溶解物を、アプリケーターを用い、ガラス支持体に均一に流延し、40℃のオーブンで10分間乾燥させたあと、さらに80℃のオーブンで10分乾燥させた。乾燥後、ガラス支持体から光学フィルム(1)を剥離させ、光選択吸収能を有する光学フィルム(1)を得た。乾燥後の光学フィルム(1)の膜厚は30μmであった。
【0136】
(実施例11)光学フィルム(2)の作製
セルローストリアセテート(アセチル置換度:2.87)100部、式(UVA−6)で表される化合物2部及びクロロホルムとエタノールとの混合溶液(質量比、クロロホルム:エタノール=90:10)とからなる樹脂溶液(固形分濃度:7質量%)をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解した。
得られた溶解物を、アプリケーターを用い、ガラス支持体に均一に流延し、40℃のオーブンで10分間乾燥させたあと、さらに80℃のオーブンで10分乾燥させた。乾燥後、ガラス支持体から光学フィルム(2)を剥離させ、光選択吸収能を有する光学フィルム(2)を得た。乾燥後の光学フィルム(2)の膜厚は30μmであった。
【0137】
(実施例12)光学フィルム(3)の作製
シクロオレフィンポリマー樹脂(JSR製:ARTON F4520)100部、式(UVA−6)で表される化合物2部及びジクロロメタンとトルエンとの混合溶液(質量比、ジクロロメタン:トルエン=50:50)とからなる樹脂溶液(固形分濃度:20質量%)をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解した。
得られた溶解物を、アプリケーターを用い、ガラス支持体に均一に流延し、40℃のオーブンで10分間乾燥させたあと、さらに80℃のオーブンで10分乾燥させた。乾燥後、ガラス支持体から光学フィルム(3)を剥離させ、光選択吸収能を有する光学フィルム(3)を得た。乾燥後の光学フィルム(3)の膜厚は30μmであった。
【0138】
(比較例4)光学フィルム(4)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A1)で表される化合物に変更した以外は、実施例10と同様にして光学フィルム(4)を作製した。
【0139】
(比較例5)光学フィルム(5)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A1)で表される化合物に変更した以外は、実施例11と同様にして光学フィルム(5)を作製した。
【0140】
(比較例6)光学フィルム(6)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A4)で表される化合物に変更した以外は、実施例10と同様にして光学フィルム(6)を作製した。
【0141】
(比較例7)光学フィルム(7)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A4)で表される化合物に変更した以外は、実施例11と同様にして光学フィルム(7)を作製した。
【0142】
<光学フィルムの吸光度測定>
実施例10で得た光学フィルム(1)の片面にコロナ放電処理を施した後、アクリル系粘着剤をラミネーターにより貼り合わせ、温度23℃、相対湿度65%RHの条件で7日間養生し、粘着剤付き光学フィルム(1)を得た。次いで、粘着剤付き付光学フィルム(1)を30mm×30mmの大きさに裁断し、無アルカリガラス〔コーニング社製の商品名“EAGLE XG”〕に貼合し、サンプル(3)を作製した。作成したサンプル(3)の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定した波長395nm及び波長430nmにおける吸光度を光学フィルム(1)の波長395nm及び波長430nmの吸光度とした。その結果を表2に示す。なお、無アルカリガラスの波長395nm及び波長430nmにおける吸光度はほぼ0であり、アクリル系粘着剤の波長395nm及び波長430nmにおける吸光度はほぼ0である。
【0143】
吸光度測定後のサンプル(3)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に投入し、200時間の耐候性試験を実施した。耐候性試験後のサンプル(3)の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、波長395nmにおけるサンプル(3)の吸光度保持率を求めた。結果を表2に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(395)/耐久試験前のA(395))×100
【0144】
光学フィルム(1)の代わりに、光学フィルム(2)〜光学フィルム(7)をそれぞれ用いて、光学フィルム(1)と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0145】
【表2】
【0146】
(実施例13)粘着剤組成物(1)の作製
<アクリル樹脂(A)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル70.4部、アクリル酸メチル20.0部、およびアクリル酸2−フェノキシエチル8.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、アクリル酸0.6部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが142万、Mw/Mnが5.2であった。これをアクリル樹脂(A)とする。
【0147】
<粘着剤組成物(1)の調製>
上記で合成したアクリル樹脂(A)の酢酸エチル溶液(1)(樹脂濃度:20%)の固形分100部に対して、架橋剤(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)0.5部、シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.5部、式(UVA−6)で表される化合物2.0部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物(1)を得た。なお、上記架橋剤の配合量は、有効成分としての質量部数である。
【0148】
(実施例14)粘着剤組成物(2)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−7)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(2)を得た。
【0149】
(実施例15)粘着剤組成物(3)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−8)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(3)を得た。
【0150】
(実施例16)粘着剤組成物(4)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−9)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(4)を得た。
【0151】
(比較例8)粘着剤組成物(5)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A1)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(5)を得た。
【0152】
(実施例17)粘着剤層(1)及び粘着剤シート(1)の作製
得られた粘着剤組成物(1)を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔リンテック株式会社から入手した商品名「PLR−382190」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層(1)を作製した。得られた粘着剤層の厚みは15μmであった。
【0153】
得られた粘着剤層(1)をラミネーターにより、23μmのシクロオレフィンフィルムに貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度65%RHの条件で7日間養生し、粘着剤シート(1)を得た。
【0154】
(実施例18)粘着剤層(2)及び粘着剤シート(2)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(2)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(2)及び粘着剤シート(2)を作製した。
【0155】
(比較例9)粘着剤層(3)及び粘着剤シート(3)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(5)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(3)及び粘着剤シート(3)を作製した。
【0156】
<粘着剤シートの吸光度測定>
得られた粘着剤シート(1)を30mm×30mmの大きさに裁断し、セパレートフィルムを剥離して、粘着剤層(1)と無アルカリガラス〔コーニング社製の商品名“EAGLE XG”〕とを貼合し、これをサンプル(4)とした。作成したサンプル(4)の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定した波長395nm及び波長430nmにおける吸光度を、粘着剤シート(1)の波長395nm及び波長430nmの吸光度とした。その結果を表3に示す。なお、シクロオレフィンフィルム単体及び無アルカリガラス単体のいずれも、波長390nmの吸光度は0である。
【0157】
<粘着剤シートの吸光度保持率の測定>
吸光度測定後のサンプル(4)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に200時間投入し、耐候性試験を実施した。取り出したサンプル(4)の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、395nmにおけるサンプル(4)の吸光度保持率を求めた。結果を表3に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(395)/耐久試験前のA(395))×100
【0158】
粘着剤シート(1)の代わりに、粘着剤シート(2)及び粘着剤シート(3)をそれぞれ用いて、粘着剤シート(1)と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
【0159】
【表3】
【0160】
(実施例19)式(UVA−10)で表される化合物の合成
【化57】
窒素雰囲気下で、式(M−9)で表される化合物2.5部、ベンゾイル(フェニルヨードニオ)(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド15.1部及び塩化銅(I)0.4部及びジオキサン100部を混合した。得られた混合物を30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−10)で表される化合物1.7部を得た。
【0161】
【化58】
窒素雰囲気下で、式(M−10)で表される化合物1.5部、メチルトリフラート1.4部及びアセトニトリル10部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジイソプロピルエチルアミン1.3部、マロノニトリル0.7部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−10)で表される化合物1.0部を得た。
【0162】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−10)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.00(s、3H)、1.15(s、3H)、1.86(m、2H)、2.18(m、2H)、2.32〜2.91(m、4H)、3.50〜4.20(m、4H)
LC−MS;[M+H]
+=343.5
【0163】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−10)で表される化合物の極大吸収波長は384.2nmであった。得られた式(UVA−10)で表される化合物のε(λmax)は1.29L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.075L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は17.2であった。
【0164】
(実施例20)式(UVA−11)で表される化合物の合成
【化59】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物5部、メチルトリフラート4.9部、ジイソプロピルエチルアミン3.8部及びアセトニトリル10部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジメチルアミン5部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−11)で表される化合物3.1部を得た。
【0165】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−11)で表される化合物が生成したことが確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.08(s、6H)、2.42(s、2H)、2.55(s、2H)、3.40(m、6H)
LC−MS;[M+H]
+=241.5
【0166】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−11)で表される化合物の極大吸収波長は379.4nmであった。得られた式(UVA−11)で表される化合物のε(λmax)は1.93L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.063L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は30.6であった。
【0167】
(実施例21)式(UVA−12)で表される化合物の合成
【化60】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物5部、メチルトリフラート4.9部、ジイソプロピルエチルアミン3.8部及びアセトニトリル10部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジエチルアミン8.4部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−12)で表される化合物2.9部を得た。
【0168】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−12)で表される化合物が生成したことが確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.08(s、6H)、1.39(t、6H)、2.44(s、2H)、2.58(s、2H)、3.74(m、4H)
LC−MS;[M+H]
+=269.5
【0169】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−12)で表される化合物の極大吸収波長は380.5nmであった。得られた式(UVA−12)で表される化合物のε(λmax)は1.75L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.098L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は17.6であった。
【0170】
(実施例22)式(UVA−13)で表される化合物の合成
【化61】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物5部、メチルトリフラート4.9部、ジイソプロピルエチルアミン3.8部及びアセトニトリル10部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジブチルアミン14.8部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−13)で表される化合物2.5部を得た。
【0171】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−13)で表される化合物が生成したことが確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.99(t、6H)、1.07(s、6H)、1.32〜1.46(m、4H)、1.70(m、4H)、2.40(s、2H)、2.57(s、2H)、3.32〜3.85(m、4H)。
LC−MS;[M+H]
+=325.5
【0172】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−13)で表される化合物の極大吸収波長は382.8nmであった。得られた式(UVA−13)で表される化合物のε(λmax)は1.42L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.095L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は
14.9であった。
【0173】
(実施例23)式(UVA−14)で表される化合物の合成
【化62】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物5部、炭酸カリウム3.6部、メチルトリフラート7.7部及びメチルエチルケトン40部を混合し、0〜5℃で4時間撹拌させた。得られた混合物に、アゼチジン2部を加えて0〜5℃で10分間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−14)で表される化合物2.6部を得た。
【0174】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−14)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.05(s、6H)、2.14(s、2H)、2.45〜2.53(m、4H)、4.36(t、2H)、4.91(t、2H)LC−MS;[M+H]
+=253.3
【0175】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−14)で表される化合物の極大吸収波長は377.2nmであった。得られた式(UVA−14)で表される化合物のε(λmax)は1.93L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.028L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は68.9であった。
【0176】
(実施例24)式(UVA−15)で表される化合物の合成
【化63】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物4.0部、メチルトリフラート3.7部及びアセトニトリル40部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジイソプロピルエチルアミン2.9部、メチルアミンをテトラヒドロフランに溶解させた溶液40部(メチルアミンの濃度;7質量%)を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−15)で表される化合物1.9部を得た。
【0177】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−15)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.98(s、6H)、2.48〜2.58(m、4H)、3.03(s、3H)、9.15(s、1H)
LC−MS;[M+H]
+=226.5
【0178】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−15)で表される化合物の極大吸収波長は364.8nmであった。得られた式(UVA−15)で表される化合物のε(λmax)は1.86L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.066L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は28.2であった。
【0179】
(実施例25)式(UVA−16)で表される化合物の合成
【化64】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物4.0部、メチルトリフラート3.7部及びアセトニトリル40部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジイソプロピルエチルアミン2.9部、エチルアミンをテトラヒドロフランに溶解させた溶液40部(エチルアミンの濃度;10質量%)を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−16)で表される化合物1.5部を得た。
【0180】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−16)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.98(s、6H)、2.48〜2.58(m、4H)、3.03(t、3H)、4.21(m、2H)、9.15(s、1H)
LC−MS;[M+H]
+=240.5
【0181】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−16)で表される化合物の極大吸収波長は364.8nmであった。得られた式(UVA−16)で表される化合物のε(λmax)は1.80L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.074L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は24.4であった。
【0182】
(実施例26)式(UVA−17)で表される化合物の合成
【化65】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物1.7部、メチルトリフラート1.6部及びアセトニトリル17部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、ジイソプロピルエチルアミン1.2部、アンモニアをテトラヒドロフランに溶解させた溶液100部(アンモニアのモル濃度;0.4モル%)を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−17)で表される化合物0.7部を得た。
【0183】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−17)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.98(s、6H)、2.48〜2.58(m、4H)、9.15(m、2H)
LC−MS;[M+H]
+=213.5
【0184】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−17)で表される化合物の極大吸収波長は352.6nmであった。得られた式(UVA−17)で表される化合物のε(λmax)は1.75L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.11L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は15.9であった。
【0185】
(実施例27)光選択吸収組成物(5)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−10)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(5)を調製した。
【0186】
(実施例28)光選択吸収組成物(6)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−11)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(6)を調製した。
【0187】
(実施例29)光選択吸収組成物(7)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−12)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(7)を調製した。
【0188】
(実施例30)光選択吸収組成物(8)の調製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−13)で表される化合物とした以外は、実施例5と同様にして光選択吸収組成物(7)を調製した。
【0189】
(実施例31)硬化層付きフィルム(2)の作製
光選択吸収組成物(1)を光選択吸収組成物(6)に代えた以外は実施例9と同様にして、硬化層付きフィルム(2)を得た。
【0190】
(実施例32)硬化層付きフィルム(3)の作製
光選択吸収組成物(1)を光選択吸収組成物(7)に代えた以外は実施例9と同様にして、硬化層付きフィルム(3)を得た。
【0191】
<硬化層付きフィルムの吸光度測定及び吸光度保持率の測定>
硬化層付きフィルム(1)の代わりに、硬化層付きフィルム(2)及び硬化層付きフィルム(3)を用いたこと以外は、上記した<硬化層付きフィルムの吸光度測定>と同様にして吸光度を測定した。
また、サンシャインウェザーメーターへの投入時間を75時間としたこと以外は、上記した<硬化層付きフィルムの吸光度保持率の測定>と同様にして、実施例9で得られた硬化層付きフィルム(1)及び比較例3で得られた硬化層付きフィルム(A3)の吸光度保持率を測定した。
さらに、硬化層付きフィルム(1)の代わりに、硬化層付きフィルム(2)及び硬化層付きフィルム(3)を用い、サンシャインウェザーメーターへの投入時間を75時間としたこと以外は、上記した<硬化層付きフィルムの吸光度保持率の測定>と同様にして吸光度保持率を測定した。
これらの結果を表4に示す。表4には、実施例9で得られた硬化層付きフィルム(1)及び比較例3で得られた硬化層付きフィルム(A3)の吸光度の値も示している。
【0192】
【表4】
【0193】
(実施例33)粘着剤組成物(6)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−10)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(6)を得た。
【0194】
(実施例34)粘着剤組成物(7)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−11)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(7)を得た。
【0195】
(実施例35)粘着剤組成物(8)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−12)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(8)を得た。
【0196】
(実施例36)粘着剤組成物(9)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−13)で表される化合物に変更した以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(9)を得た。
【0197】
(実施例37)粘着剤層(4)及び粘着剤シート(4)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(4)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(4)及び粘着剤シート(4)を作製した。
【0198】
(実施例38)粘着剤層(5)及び粘着剤シート(5)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(6)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(5)及び粘着剤シート(5)を作製した。
【0199】
(実施例39)粘着剤層(6)及び粘着剤シート(6)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(7)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(6)及び粘着剤シート(6)を作製した。
【0200】
(実施例40)粘着剤層(7)及び粘着剤シート(7)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(8)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(7)及び粘着剤シート(7)を作製した。
【0201】
(実施例41)粘着剤層(8)及び粘着剤シート(8)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(9)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(8)及び粘着剤シート(8)を作製した。
【0202】
<粘着剤シートの吸光度測定及び吸光度保持率の測定>
粘着剤シート(1)の代わりに、粘着剤シート(4)〜粘着剤シート(8)を用いたこと以外は、上記した<粘着剤シートの吸光度測定>及び<粘着剤シートの吸光度保持率の測定>と同様にして吸光度及び吸光度保持率を測定した。その結果を表5に示す。
【0203】
【表5】
【0204】
(実施例42)式(UVA−20)で表される化合物の合成
【化66】
窒素雰囲気下で、式(M−3)で表される化合物17部、炭酸カリウム12.2部、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2.]オクタン ビス(テトラフルオロボラード)(セレクトフルオロ、Air Products and Chemicalsの登録商標)15.9部及びメチルエチルケトン85部を混合し、氷浴中で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−11)で表される化合物3.7部を得た。
【0205】
【化67】
窒素雰囲気下で、式(M−11)で表される化合物18部、メチルトリフラート28部及びメチルエチルケトン90部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物に、炭酸カリウム13.0部、マロノニトリル8.4部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−20)で表される化合物5.8部を得た。
【0206】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−20)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.08(s、6H)、1.97(m、4H)、2.40(d、2H)、2.50(d、2H)、3.53(m、2H)、3.86(m、2H)
LC−MS;[M+H]
+=260.5
【0207】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−20)で表される化合物の極大吸収波長は407.5nmであった。得られた式(UVA−20)で表される化合物のε(λmax)は2.30L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.041L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は56.0であった。
【0208】
(実施例43)式(UVA−21)で表される化合物の合成
【化68】
窒素雰囲気下で3−ヒドロキシピペリジン5部、ターシャリーブチルジフェニルシリルクロリド13.6部、イミダゾール6.7部及びジクロロメタン40部を混合し、20〜30℃で4時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−12)で表される化合物10.5部を得た。
【0209】
【化69】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物4.0部、ジイソプロピルエチルアミン3.2部、メチルトリフラート4.0部及びアセトニトリル80部を混合し、20〜30℃で4時間撹拌させた。得られた混合物に式(M−12)で表される化合物8.3部を加えて20〜30℃で3時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−21)で表される化合物6.5部を得た。
【0210】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−21)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ::0.97(s、6H)、1.04(s、9H)、1.70(m、2H)、1.85(m、2H)、2.48(s、2H)、2.65(s、2H)、3.72(m、2H)、3.94(m、2H)、4.13(m、1H)、7.42〜7.52(m、6H)、7.61〜7.64(m、4H)
LC−MS;[M+H]
+=535.9
【0211】
(実施例44)式(UVA−22)で表される化合物の合成
【化70】
窒素雰囲気下で、式(UVA−21)で表される化合物4.2部及びテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン1M溶液50部を混合し、20〜30℃で40時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−22)で表される化合物1.8部を得た。
【0212】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−22)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:0.98(s、6H)、1.59(m、2H)、1.92(m、2H)、2.67(s、2H)、3.68〜3.95(m、4H)、4.97(m、1H)
LC−MS;[M+H]
+=297.5
【0213】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−22)で表される化合物の極大吸収波長は384.6nmであった。得られた式(UVA−22)で表される化合物のε(λmax)は1.43L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.085L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は16.8であった。
【0214】
(実施例45)式(UVA−23)で表される化合物の合成
【化71】
窒素雰囲気下で、式(M−6)で表される化合物5.0部、炭酸カリウム3.6部、メチルトリフラート7.7部、アセトニトリル40部を混合し、20〜30℃で4時間撹拌させた。得られた混合物にアゼチジン2.0部を加えて20〜30℃で4時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−23)で表される化合物2.3部を得た。
【0215】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−23)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.05(s、6H)、2.14(s、2H)、2.44〜2.53(m、4H)、4.36(t、2H)、4.91(t、2H)
LC−MS;[M+H]
+=253.5
【0216】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−23)で表される化合物の極大吸収波長は377.2nmであった。得られた式(UVA−23)で表される化合物のε(λmax)は1.93L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.028L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は68.9であった。
【0217】
(実施例46)式(UVA−26)で表される化合物の合成
【化72】
ジムロート冷却管及び温度計を設置した500mL−四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩40部、ジイソプロピルアミン22部、アセトニトリル200部、マロノニトリル11部を仕込み、氷浴中で5時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し精製を行い、式(M−15)で表される化合物を29部得た。
【0218】
【化73】
窒素雰囲気下で、得られた式(M−15)で表される化合物7部、ジイソプロピルエチルアミン5部、アセトニトリル56部、パラトルエンスルホニルシアニド7部を混合し、80℃で3時間還流撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−26)で表される化合物0.1部を得た。
【0219】
LC−MS測定を行い、式(UVA−26)で表される化合物が生成したことを確認した。
LC−MS;[M+H]
+=221.5
【0220】
(合成例5)式(UVA−A5)で表される化合物の合成
【化74】
窒素雰囲気下で、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩40部、マロノニトリル10.7部、アセトニトリル200部を混合し、氷浴中で撹拌しながらジイソプロピルエチアミン22部を滴下し、4時間撹拌させた。得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(M−90)で表される化合物28部を得た。
【0221】
【化75】
窒素雰囲気下で、式(M−90)で表される化合物5.0部、無水酢酸2.9部、ジイソプロピルエチルアミン6.6部、アセトニトリル40部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌した。得られた混合物にピロリジン2.7部を加えてさらに1時間撹拌し、得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA−A5)で表される化合物2.6部を得た。
【0222】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−A5)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.83〜2.00(m、4H)、3.37〜3.40(m、2H)、3.61〜3.65(t、2H)、5.39〜5.45(t、1H)、7.55〜7.58(d、1H)、7.84〜7.87(d、1H)
LC−MS;[M+H]
+=174.5
【0223】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−A5)で表される化合物の極大吸収波長は379.3nmであった。得られた式(UVA−A5)で表される化合物のε(λmax)は3.41L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.10L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は33.5であった。
【0224】
(合成例6)式(UVA−A6)で表される化合物の合成
【化76】
窒素雰囲気下で、式(M−90)で表される化合物5.0部、無水酢酸2.9部、ジイソプロピルエチルアミン6.6部、アセトニトリル40部を混合し、20〜30℃で3時間撹拌した。得られた混合物にピペリジン3.0部を加えてさらに1時間撹拌し、得られた混合物から溶媒を留去し、精製して、式(UVA-A6)で表される化合物2.7部を得た。
【0225】
LC−MS測定及び
1H−NMR解析を行い、式(UVA−A6)で表される化合物が生成したことを確認した。
1H−NMR(重DMSO)δ:1.72(m、6H)、3.40〜3.44(m、4H)、5.44〜5.70(m、1H)6.98〜7.00(d、1H)、7.19〜7.25(m、1H)
LC−MS;[M+H]
+=188.5
【0226】
また、上記と同様にして、極大吸収波長及びグラム吸光係数を測定した。得られた式(UVA−A6)で表される化合物の極大吸収波長は374.7nmであった。得られた式(UVA−A6)で表される化合物のε(λmax)は2.89L/(g・cm)、ε(λmax+30nm)は0.14L/(g・cm)、ε(λmax)/ε(λmax+30nm)は20.6であった。
【0227】
(実施例47)粘着剤組成物(10)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−23)で表される化合物に変更し、その含有量をアクリル樹脂(A)100部に対して0.5部とした以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(10)を得た。
【0228】
(比較例10)粘着剤組成物(11)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A5)で表される化合物に変更し、その含有量をアクリル樹脂(A)100部に対して1.5部とした以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(11)を得た。
【0229】
(比較例11)粘着剤組成物(12)の作製
式(UVA−6)で表される化合物を式(UVA−A6)で表される化合物に変更し、その含有量をアクリル樹脂(A)100部に対して1.5部とした以外は実施例13と同様にして、粘着剤組成物(12)を得た。
【0230】
(実施例48)粘着剤層(9)及び粘着剤シート(9)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(10)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(9)及び粘着剤シート(9)を作製した。
【0231】
(比較例12)粘着剤層(10)及び粘着剤シート(10)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(11)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(10)及び粘着剤シート(10)を作製した。
【0232】
(比較例13)粘着剤層(11)及び粘着剤シート(11)の作製
粘着剤組成物(1)を粘着剤組成物(12)に変更した以外は、実施例17と同様にして粘着剤層(11)及び粘着剤シート(11)を作製した。
【0233】
<粘着剤シートの吸光度測定及び吸光度保持率の測定>
粘着剤シート(1)の代わりに、粘着剤シート(9)〜粘着剤シート(11)を用いたこと以外は、上記した<粘着剤シートの吸光度測定>及び<粘着剤シートの吸光度保持率の測定>と同様にして吸光度及び吸光度保持率を測定した。その結果を表6に示す。
【0234】
【表6】
【0235】
(実施例49)粘着剤組成物(13)の作製
<アクリル樹脂(A−2)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル96部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部、アクリル酸1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが140万であった。Mw/Mnは4.8であった。これをアクリル樹脂(A−2)とする。
【0236】
<粘着剤組成物(13)の調製>
上記で合成したアクリル樹脂(A−2)の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)の固形分100部に対して、架橋剤(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)0.5部、シラン化合物(1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、信越化学工業株式会社製、商品名「KBM3066」)0.3部、式(UVA−6)で表される化合物3部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物(13)を得た。なお、上記架橋剤の配合量は、有効成分としての質量部数である。
【0237】
(実施例50)粘着剤組成物(14)の作製
<アクリル樹脂(A−3)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸メチル60部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル20部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが92万であった。Mw/Mn=7.8であった。これをアクリル樹脂(A−3)とする。
【0238】
<粘着剤組成物(14)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−3)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(14)を得た。
【0239】
(実施例51)粘着剤組成物(15)の作製
<アクリル樹脂(A−4)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル10部、アクリル酸メチル60部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル10部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが94万であった。Mw/Mn=8.5であった。これをアクリル樹脂(A−4)とする。
【0240】
<粘着剤組成物(15)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−4)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(15)を得た。
【0241】
(実施例52)粘着剤組成物(16)の作製
<アクリル樹脂(A−5)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル20部、アクリル酸メチル50部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル10部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが91万であった。これをアクリル樹脂(A−5)とする。
【0242】
<粘着剤組成物(16)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−5)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(16)を得た。
【0243】
(実施例53)粘着剤組成物(17)の作製
<アクリル樹脂(A−6)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル50部、アクリル酸メチル10部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル20部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが120万であった。これをアクリル樹脂(A−6)とする。
【0244】
<粘着剤組成物(17)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−6)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(17)を得た。
【0245】
(実施例54)粘着剤組成物(18)の作製
<アクリル樹脂(A−7)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル60部、アクリル酸メチル10部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル10部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが118万であった。これをアクリル樹脂(A−7)とする。
【0246】
<粘着剤組成物(18)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−7)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(18)を得た。
【0247】
(実施例55)粘着剤組成物(19)の作製
<アクリル樹脂(A−8)の調製>
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル70部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、アクリル酸10部及びアクリル酸2−フェノキシエチル10部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加した後1時間この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが110万であった。これをアクリル樹脂(A−8)とする。
【0248】
<粘着剤組成物(19)の調製>
アクリル樹脂(A−2)に代えて、上記で合成したアクリル樹脂(A−8)を用いた以外は実施例49と同様にして粘着剤組成物(19)を得た。
【0249】
<粘着剤層の結晶析出(耐ブリード性)評価>
粘着剤組成物(13)を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔リンテック株式会社から入手した商品名「PLR−382190」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層を作製した。この粘着剤層のもう一方の面にさらにセパレートフィルムを積層させて両面セパレートフィルム付き粘着剤層を得た。得られた粘着剤層の厚みは15μmであった。
【0250】
得られた両面セパレートフィルム付き粘着剤層を温度23℃、相対湿度65%の条件で7日間養生した。養生後の両面セパレートフィルム付き粘着剤層を顕微鏡を用いて面内の化合物の結晶析出の有無を確認した。結晶析出がない場合をaと評価し、結晶析出がある場合をbと評価した。評価結果を表7の「養生後」の欄に示す。
また、得られた両面セパレートフィルム付き粘着剤層を温度40℃の空気下で1ヶ月保管した。保管後の両面セパレートフィルム付き粘着剤層を顕微鏡を用いて面内の化合物の結晶析出の有無を確認した。結晶析出がない場合をaと評価し、結晶析出がある場合をbと評価した。評価結果を表7の「40℃ 1M」の欄に示す。
【0251】
粘着剤組成物(13)を、粘着剤組成物(14)〜粘着剤組成物(19)に代えた以外は同様にして、結晶析出の有無を確認した。結果を表7に示す。
【0252】
【表7】
(実施例56)粘着剤層(12)及び粘着剤シート(12)の作製
得られた粘着剤組成物(13)を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔リンテック株式会社から入手した商品名「PLR−382190」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層(12)を作製した。得られた粘着剤層の厚みは15μmであった。
【0253】
得られた粘着剤層(12)をラミネータにより、23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムに貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度65%の条件で7日間養生し、粘着剤シート(12)を得た。
【0254】
(実施例57)粘着剤層(13)及び粘着剤シート(13)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(14)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(13)及び粘着剤シート(13)を作製した。
【0255】
(実施例58)粘着剤層(14)及び粘着剤シート(14)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(15)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(14)及び粘着剤シート(14)を作製した。
【0256】
(実施例59)粘着剤層(15)及び粘着剤シート(15)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(16)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(15)及び粘着剤シート(15)を作製した。
【0257】
(実施例60)粘着剤層(16)及び粘着剤シート(16)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(17)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(16)及び粘着剤シート(16)を作製した。
【0258】
(実施例61)粘着剤層(17)及び粘着剤シート(17)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(18)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(17)及び粘着剤シート(17)を作製した。
【0259】
(実施例62)粘着剤層(18)及び粘着剤シート(18)の作製
粘着剤組成物(13)を粘着剤組成物(19)に変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤層(18)及び粘着剤シート(18)を作製した。
【0260】
<粘着剤シートの吸光度保持率の測定>
得られた粘着剤シート(12)を30mm×30mmの大きさに裁断し、セパレートフィルムを剥離して、粘着剤層(12)と無アルカリガラス[コーニング社製の商品名“EAGLE XG”]とを貼合し、これをサンプル(5)とした。作成したサンプル(5)の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定した波長400nmにおける吸光度を、粘着剤シート(12)の波長400nmの吸光度とした。その結果を表8に示す。なお、シクロオレフィンフィルム単体及び無アルカリガラス単体のいずれも、波長400nmの吸光度は0である。
【0261】
吸光度測定後のサンプル(5)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に150時間投入し、耐候性試験を実施した。取り出したサンプル(5)の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、波長400nmにおけるサンプルの吸光度保持率を求めた。結果を表8に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。
また、サンプル(5)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に225時間投入した場合の吸光度保持率も求めた。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(400)/耐久試験前のA(400))×100
【0262】
粘着剤シート(12)を、粘着剤シート(13)〜粘着剤シート(18)に代えた以外は同様にして吸光度保持率を測定した。結果を表8に示す。
【0263】
【表8】
【0264】
(実施例63)粘着剤シート(19)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例56と同様にして粘着剤シート(19)を作製した。
【0265】
(実施例64)粘着剤シート(20)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例57と同様にして粘着剤シート(20)を作製した。
【0266】
(実施例65)粘着剤シート(21)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例58と同様にして粘着剤シート(21)を作製した。
【0267】
(実施例66)粘着剤シート(22)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例59と同様にして粘着剤シート(22)を作製した。
【0268】
(実施例67)粘着剤シート(23)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例60と同様にして粘着剤シート(23)を作製した。
【0269】
(実施例68)粘着剤シート(24)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例61と同様にして粘着剤シート(24)を作製した。
【0270】
(実施例69)粘着剤シート(25)の作製
23μmの紫外線吸収剤を含まないシクロオレフィンフィルムを、23μmの紫外線吸収剤含有シクロオレフィンフィルムに変更した以外は、実施例62と同様にして粘着剤シート(25)を作製した。
【0271】
<粘着剤シートの吸光度保持率の測定>
得られた粘着剤シート(19)を30mm×30mmの大きさに裁断し、セパレートフィルムを剥離して、粘着剤層(19)と無アルカリガラス[コーニング社製の商品名“EAGLE XG”]とを貼合し、これをサンプル(6)とした。作成したサンプル(5)の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定した波長405nmにおける吸光度を、粘着剤シート(19)の波長405nmの吸光度とした。その結果を表9に示す。なお、無アルカリガラス単体及びの波長405nmの吸光度は0である。
【0272】
吸光度測定後のサンプル(6)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に150時間投入し、耐候性試験を実施した。取り出したサンプル(5)の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、波長405nmにおけるサンプルの吸光度保持率を求めた。結果を表9に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。
また、サンプル(6)を、温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に225時間投入した場合の吸光度保持率も求めた。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(405)/耐久試験前のA(405))×100
【0273】
粘着剤シート(19)を、粘着剤シート(20)〜粘着剤シート(25)に代えた以外は同様にして吸光度保持率を測定した。結果を表9に示す。
【0274】
【表9】
(実施例70)
<眼鏡レンズ用樹脂組成物の調製>
キシリレンジイソシアネート40部、トリメチロールプロパントリス(チオグリコラート)60部、式(UVA−6)で表される化合物1.6部、離型剤(商品名:ZELEC−UN、Sigme−Aldrich社より入手)0.2部、ジブチルジクロロスズ0.03部を混合撹拌した。得られた混合物を真空乾燥機内で1時間静置し、脱気した。得られた混合物をガラスモールドに注入し、120℃1時間加熱した。樹脂板のみを剥離し、厚さ2mm、3cm×3cmの樹脂板を作製した。
【0275】
<樹脂板の吸光度保持率の測定>
上記で得られた樹脂板の波長300〜800nm範囲の吸光度を1nmステップ毎に、分光光度計(UV−2450:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
測定後の樹脂板を温度63℃、相対湿度50%RHの条件でサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に75時間投入し、耐候性試験を実施した。取り出した樹脂板の吸光度を上記と同様の方法で測定した。測定した吸光度から、下記式に基づき、波長420nmにおけるサンプルの吸光度保持率を求めた。結果を表10に示す。吸光度保持率が100に近い値ほど、光選択吸収機能の劣化がなく良好な耐候性を有することを示す。
なお、眼鏡レンズとしては、健康に悪影響を及ぼしやすいブルーライトの光を効率よくカットするために波長420nmでの吸光度保持率が良好であることが求められる。また、A(420)/A(480)の値が大きいほど、より少ない着色でブルーライトをカットすることができる。
吸光度保持率(%)
=(耐久試験後のA(420)/耐久試験前のA(420))×100
【0276】
【表10】
【0277】
本発明の化合物は、波長380〜400nmの短波長の可視光に対する高い吸収選択性を有する。また、本発明の化合物は耐候性試験後も高い吸光度保持率を有し、良好な耐候性を有する。