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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6769(P2021-6769A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】回転角度検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20201218BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20201218BHJP
【FI】
   G01D5/244 B
   G01D5/245 110L
   G01D5/245 M
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-120680(P2019-120680)
(22)【出願日】2019年6月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】西島 良雅
(72)【発明者】
【氏名】林 健祐
(72)【発明者】
【氏名】原田 信吾
(72)【発明者】
【氏名】重松 良輔
(72)【発明者】
【氏名】正田 智久
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA16
2F077AA20
2F077CC02
2F077NN04
2F077NN21
2F077PP14
2F077TT84
2F077UU20
2F077UU22
(57)【要約】
【課題】回転角度検出部の取付位置の変化、温度変化、経年劣化等の要因により検出信号の特性が変化した場合でも、正確に回転角度を検出することができる回転角度検出装置を得る。
【解決手段】回転検出部3a、3b、3cの検出信号のオフセットを補正してオフセット補正後多相信号を出力する多相オフセット補正部41と、オフセット補正後多相信号を補正してゲイン補正後多相信号を出力する多相ゲイン補正部42と、ゲイン補正後多相信号を変換して二相信号を出力する多相二相変換部43と、二相信号を補正してゲイン補正後二相信号を出力する二相ゲイン補正部44と、ゲイン補正後二相信号を加減算して和差信号を出力する二相加減算部45と、和差信号を補正してゲイン補正後和差信号を出力する和差信号ゲイン補正部46と、ゲイン補正後和差信号に基づいて角度信号を出力する角度演算部47を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の回転角度に応じて複数の検出信号を出力する回転検出部と、前記複数の検出信号のオフセットを補正してオフセット補正後多相信号を出力する多相オフセット補正部と、前記オフセット補正後多相信号の振幅を補正してゲイン補正後多相信号を出力する多相ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後多相信号を変換して二相信号を出力する多相二相変換部と、前記二相信号の振幅を補正してゲイン補正後二相信号を出力する二相ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後二相信号を相互に加減算して和差信号を出力する二相加減算部と、前記和差信号の振幅を補正してゲイン補正後和差信号を出力する和差信号ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後和差信号に基づいて角度を演算し角度信号を出力する角度算出部と、を備えたことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
前記多相オフセット補正部は、前記複数の検出信号の1周期以上のデータに基づいて多相オフセット補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
【請求項3】
前記多相ゲイン補正部は、前記オフセット補正後多相信号の1周期以上のデータに基づいて多相ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置。
【請求項4】
前記二相ゲイン補正部は、前記二相信号の1周期以上のデータに基づいて二相ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記和差信号ゲイン補正部は、前記和差信号の1周期以上のデータに基づいて和差信号ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、補正後の信号が予め決められた値であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、1周期以上のデータかつ前記回転体の回転周期における機械角の整数倍となるデータ区間から算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項8】
前記多相オフセット補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの積算値と積算回数に基づいて、前記積算値と前記積算回数との比として算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項9】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、「1/(絶対値の積算値/積算回数×π/2)」で算出されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項10】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、1/(二乗平均平方根×√2)の式で算出されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項11】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、前記回転体の回転周期が予め決められた周期以上で且つ予め決められた周期以下の範囲内である際に補正値の算出処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項12】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、前記回転体の回転周期の変化率が予め決められた値以下である際に、補正値の算出処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項13】
前記複数の検出信号に対して特性の補償を行った後に、前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値の補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回転体の回転角度を検出するための回転角度検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の環境負荷低減のため、車両の駆動に電動モータを用いた車両の電動化が進められている。このような電動車両では、電動モータの回転角度を正確に検出し、車両の駆動性能を確保する必要がある。回転角度検出装置には、組み付けにばらつきがあった場合でも高い回転角度精度を維持することが求められる。
回転角度検出装置の組み付け後の出力信号の校正処理を行うことなく、安価かつ正確に電動モータの回転軸の回転角度を検出する回転角度検出装置として、例えば、特許文献1では、回転体の回転角度に応じて出力が変化するとともに、それぞれ位相の異なる検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段の出力する複数の検出信号の振幅値を合わせる補正を行って補正信号として出力する振幅調整手段と、複数の補正信号のうち、2つを相互に加減算して、相互に直交する2つのベクトル成分信号を生成するベクトル生成手段と、2つのベクトル成分信号の振幅を合わせる補正を行って補正後ベクトル成分信号として出力する振幅補正手段と、2つの補正後ベクトル成分信号によって表されるベクトルに基づいて、回転体の回転角度を探索して検出角度を出力する回転角度探索手段と、を備えた回転角度検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−228413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の回転角検出装置をそのまま電動車両に適用した場合には、車両内部の電動モータ、電動モータを駆動するインバータ等の電気部品等による電磁気ノイズが前記検出信号に重畳するため、振幅値を合わせるための補正値、補正後ベクトル成分信号に電磁気ノイズによる誤差の影響が残り、正確な回転角度が得られないという課題があった。
また、電動車両の電気部品等による電磁気ノイズが回転角度検出装置の検出信号に重畳しても、正確に回転角度を検出できるように回転角度検出装置を構成することも考えられる。しかしながら、このような回転角度検出装置では、補正を一度行った後に振動による取付位置の変化、温度変化、経年劣化等の種々の要因により検出信号の特性が変化した場合に再度補正処理を実施すると電気角オフセットが変化し、指令トルクに対する実トルクの精度が低下することが考えられる。
【0005】
本願は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、回転角度検出装置の取付位置の変化、温度変化、経年劣化等の要因により検出信号の特性が変化した場合でも、正確に回転角度を検出でき、さらに電気角オフセットに影響を与えることなく補正を行うことができる回転角度検出装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される回転角度検出装置は、回転体の回転角度に応じて複数の検出信号を出力する回転検出部と、複数の検出信号のオフセットを補正してオフセット補正後多相信号として出力する多相オフセット補正部と、オフセット補正後多相信号の振幅を補正してゲイン補正後多相信号として出力する多相ゲイン補正部と、ゲイン補正後多相信号を変換して二相信号として出力する多相二相変換部と、二相信号の振幅を補正してゲイン補正後二相信号として出力する二相ゲイン補正部と、ゲイン補正後二相信号を相互に加減算して和差信号として出力する二相加減算部と、和差信号の振幅を補正してゲイン補正後和差信号として出力する和差信号ゲイン補正部と、ゲイン補正後和差信号に基づいて角度を演算し角度信号を出力する角度算出部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される回転角度検出装置によれば、補正を一度行った後に検出信号の特性が変化した場合でも、電気角オフセットに影響を与えることなく補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る回転角度検出装置を示す概略図である。
図2】実施の形態1に係る回転角度検出装置における理想的な検出信号の一例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る回転角度検出装置における検出信号の特性が変化した場合の検出信号の一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る回転角度検出装置における信号処理部の一例を示すブロック図である。
図5】実施の形態1に係る回転角度検出装置におけるオフセット算出について表した図である。
図6】実施の形態1に係る回転角度検出装置における多相オフセット補正処理について表した図である。
図7】実施の形態1に係る回転角度検出装置におけるゲイン算出について表した図である。
図8】実施の形態1に係る回転角度検出装置における多相ゲイン補正処理について表した図である。
図9】実施の形態1に係る回転角度検出装置における信号処理を表した図である。
図10】実施の形態1に係る回転角度検出装置における二相ゲイン補正処理について表した図である。
図11】実施の形態1に係る回転角度検出装置における二相加減算処理について表した図である。
図12】実施の形態1に係る回転角度検出装置における和差信号ゲイン補正処理について表した図である。
図13】実施の形態1に係る回転角度検出装置における補正値算出区間決定方法について表した図である。
図14】実施の形態1に係る回転角度検出装置における補正値学習を実行するフローチャートの一例を示す図である。
図15】実施の形態1に係る回転角度検出装置における多相補正値学習を実行するフローチャートの一例を示す図である。
図16】実施の形態1に係る回転角度検出装置における多相補正値学習を実行する処理部の一例を示すブロック図である。
図17】実施の形態1に係る回転角度検出装置における二相補正値学習を実行するフローチャートの一例を示す図である。
図18】実施の形態1に係る回転角度検出装置における二相補正値学習を実行する処理部の一例を示すブロック図である。
図19】実施の形態1に係る回転角度検出装置における信号処理部のハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、回転角度検出装置の実施の形態について図に基づいて説明する。各図において、同一または相当部分については、同一符号を付して説明している。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における回転角度検出装置1の構成を示す概略図である。電動機7は軸受(図示省略)を有するハウジング8により支持されつつ回転する回転体9を有する。回転体9上には回転子2が設けられている。回転子2の外周には、磁気検出素子を用いた回転検出部3a、3b、3c(これらを総称して回転検出部ともいう)の検出信号が回転体9の回転角度に応じて正弦波となるように、曲線的に変化する形状を有する凹凸部2aが設けられている。図1では、凹凸部2aが12個(x=12)であることから回転子2が機械角で360度すなわち1回転すると、回転検出部3a、3b、3cからはそれぞれ12周期分の波形が得られる。図1では、凹凸部2aの1周期当り、例えば3個の回転検出部3a、3b、3cが保持部4を介して固定子5に設けられている。また、凹凸部2aの1周期に対して、3個(b=3)の回転検出部3a、3b、3cがおおよそ同じまたは同じ間隔で配置されていることから、凹凸部2aの1周期を360度とすると120度の位相差の信号が3個の回転検出部3a、3b、3cから出力される。なお、凹凸部2aは機械角360度に対してx周期分あればよく、xは1以上の整数である。また、回転検出部3a、3b、3cは凹凸部2aの1周期に対してb個設ければよく、bは3以上の整数である。各回転検出部3a、3b、3cはそれぞれ、固定子5側に図示省略するバイアス磁界発生部を設けている。バイアス磁界発生部は、本実施の形態1では、永久磁石を用いている。
回転検出部3a、3b、3cからの検出信号A、B、Cは信号処理部6に入力され、信号処理部6で検出信号A、B、Cが処理されて、信号処理部6から図示省略した電動機駆動装置に角度信号θが出力される。
【0011】
永久磁石であるバイアス磁界発生部の着磁ばらつきがなく、回転検出部3a、3b、3cの感度にばらつきがなく、さらに回転検出部3a、3b、3cの取り付け誤差等の誤差要因がない理想的な場合には、図2、および、式(1)に示すような理想の検出信号が回転検出部3a、3b、3cから出力される。即ち、検出信号A、B、Cは、図2に示すように、歪みのない理想的な三相波形となる。
【0012】
【数1】
【0013】
ここで、Kは永久磁石であるバイアス磁界発生部の着磁ばらつきがなく、回転検出部3a、3b、3cの感度にばらつきがなく、さらに回転検出部3a、3b、3cの取り付け誤差等の誤差要因がない理想的な場合の検出信号A、B、Cの理想振幅、θrは回転体9の角度、dは永久磁石であるバイアス磁界発生部の着磁ばらつきがなく、回転検出部3a、3b、3cの感度にばらつきがなく、さらに回転検出部3a、3b、3cの取り付け誤差等の誤差要因がない理想的な場合の検出信号A、B、Cの理想DCオフセット値である。
なお、図3は、回転角度検出装置の検出信号A、B、Cの特性が変化した場合の三相分の波形イメージを示している。
【0014】
図4は本実施の形態1における回転角度検出装置1の信号処理部6の概略ブロック図である。
以下では、回転検出部が3個で、凹凸部2aの1周期に対して、回転検出部3a、3b、3cが120度の位相差の信号を出力する場合について、より具体的には、式(2)に示す実際の検出信号A0、B0、C0が出力される場合について説明する。
【0015】
【数2】
【0016】
ここでKa、Kb、Kcは検出信号A0、B0、C0の各振幅、△θaは検出信号A0の位相の誤差、△θbは検出信号B0の120度の位相差からの誤差、△θcは検出信号C0の240度の位相差からの誤差、da、db、dcは検出信号A0、B0、C0の各DCオフセットである。
理想的な検出信号は式(1)のように表されるが、実際には着磁、感度のばらつき、取付誤差等の要因により検出信号にはばらつきが発生するので式(2)のようになる。
また、この時の波形イメージは図3の通りである。
【0017】
<多相オフセット補正>
多相オフセット補正部41は、回転検出部3a、3b、3cからの検出信号A0、B0、C0を入力として式(3)により演算処理することでオフセット補正後多相信号A1、B1、C1を算出し、出力する。
【0018】
【数3】
式(3)において、多相信号のオフセット補正値Oa、Ob、Ocは、例えば、式(4)により算出したものである。多相オフセット補正部41に入力される多相オフセットに相当する。
【0019】
【数4】
【0020】
ここで、kはk番目のデータ、△tはサンプリング周期(本実施の形態では任意の固定した周期)であり、k・△tはデータ取得開始からの時間、nは算出に用いたデータの総数を表す。
オフセット補正値の演算処理イメージは図5の通りである。即ち、オフセット補正値は、積算値と積算回数との比(積算値/積算回数)として算出し、検出信号の予め決められた区間の平均値となる。
また、多相オフセット補正により波形は図6のように変化する。図6(a)は、オフセット補正前とオフセット補正後の波形イメージを表している。図6(b)は、オフセット補正前とオフセット補正後の検出信号の座標系イメージ(三相座標系)を表している。
【0021】
<多相ゲイン補正>
多相ゲイン補正部42は、オフセット補正後多相信号A1、B1、C1を入力として式(5)により演算処理することでゲイン補正後多相信号A2、B2、C2を算出し、出力する。
【0022】
【数5】
【0023】
式(5)において、オフセット補正後多相信号A1、B1、C1のゲイン補正係数Ga、Gb、Gcは、例えば、式(6)により算出するようにしたものである。多相ゲイン補正部42に入力される多相ゲインに相当する。
【0024】
【数6】
【0025】
なお、式(6)では、オフセット補正後多相信号A1、B1、C1の振幅Amp_a、 Amp_b、 Amp_cを絶対値の加算平均にπ/2を乗じて求めているが、式(7)のように二乗平均平方根で求めても良い。
【0026】
【数7】
【0027】
ゲイン補正値の演算処理イメージは図7の通りである。即ち、信号の予め決められた区間の絶対値の平均値を演算し、その値にπ/2を掛けて振幅を算出する。算出した振幅の逆数をゲイン補正値とする。
また、多相ゲイン補正により波形は図8のように変化する。図8(a)は、補正前と補正後の波形イメージを表している。図6(b)は、補正前と補正後の検出信号の座標系イメージ(三相座標系)を表している。
【0028】
<多相二相変換>
多相二相変換部43は、ゲイン補正後多相信号A2、B2、C2を入力として、式(8)により演算処理することで二相信号α1、β1を算出し、出力する。
【0029】
【数8】
【0030】
なお、式(8)の演算処理は、図9(a)に示す120[deg]の等間隔に軸を取った三相座標系A2、B2、C2を、図9(b)に示す直交座標軸系α1、β1に変換することを意味している。
【0031】
<二相ゲイン補正>
二相ゲイン補正部44は、多相二相変換後信号α1、β1を入力として式(9)により演算処理することでゲイン補正後二相信号α2、β2を算出し、出力する。
【0032】
【数9】
【0033】
式(9)において、多相二相変換後信号α1、β1のゲイン補正係数Gα、Gβは、例えば、式(10)により算出するようにしたものである。二相ゲイン補正部44に入力される二相ゲインに相当する。
【0034】
【数10】
【0035】
なお、式(10)では、多相二相変換後信号α1、β1の振幅Amp_α、Amp_βを絶対値の加算平均にπ/2を乗じて求めているが、式(11)のように二乗平均平方根で求めても良い。
【0036】
【数11】
【0037】
ゲイン補正値の演算処理イメージは図7の通りである。
また、二相ゲイン補正により波形は図10のように変化する。図10(a)は、二相ゲイン補正前と二相ゲイン補正後の波形イメージを表している。図10(b)は、二相ゲイン補正前と二相ゲイン補正後の直交座標軸系のイメージを表している。
【0038】
<二相加減算>
二相加減算部45は、ゲイン補正後二相信号α2、β2を入力として、式(12)により演算処理することで和差信号X1、Y1を算出し、出力する。
【0039】
【数12】
【0040】
また、二相加減算により波形は図11のように変化する。図11(a)は、二相加減算前後の波形イメージを表しており、図11(b)は、二相加減算前後の座標系イメージを表している。
【0041】
<和差信号ゲイン補正>
和差信号ゲイン補正部46は和差信号X1、Y1を入力として、式(13)により演算処理することでゲイン補正後和差信号X2、Y2を算出し、出力する。
【0042】
【数13】
【0043】
式(13)において、多相二相変換後信号α1、β1のゲイン補正係数Gx、Gyは、例えば、式(14)により算出するようにしたものである。和差信号ゲイン補正部46に入力される和差信号ゲインに相当する。
【0044】
【数14】
【0045】
なお、式(14)では、多相二相変換後信号α1、β1の振幅Amp_X、Amp_Yを絶対値の加算平均にπ/2を乗じて求めているが、式(15)のように二乗平均平方根で求めても良い。
【0046】
【数15】
【0047】
ゲイン補正値の演算処理イメージは図7の通りである。
また、和差信号ゲイン補正により波形は図12のように変化する。図12(a)は、和差信号ゲイン補正前後の波形イメージを表しており、図12(b)は、和差信号ゲイン補正前後の座標系イメージを表している。
【0048】
<補正値演算区間>
なお、各補正値を演算するデータの処理区間は図13に示すように、機械角の整数倍となるようにすることで、機械的な偏芯等による影響を抑えより精度よく補正値を算出することが出来る。図13は電気角m周期=機械角1周期とした場合の図である。
また、電気角1周期の判定は例えば角度変化のエッジを検出することで判定する。
【0049】
<角度算出>
角度算出部47は、ゲイン補正後和差信号X2、Y2を入力として、式(16)により角度信号θ0を算出し、出力する。
【0050】
【数16】
【0051】
ここで、検出信号が式(2)のような場合に、多相オフセット補正、多相ゲイン補正、多相二相変換、二相ゲイン補正、二相位相シフト、和差信号ゲイン補正、角度算出までを順に行った場合の演算処理結果を以下に示す。
式(2)の検出信号に対して、多相オフセット補正部41において多相オフセット補正を行うと式(17)の通りとなる。
【0052】
【数17】
【0053】
次に、式(17)の多相オフセット補正後信号に対して、多相ゲイン補正部42において多相ゲイン補正を行うと式(18)の通りとなる。
【0054】
【数18】
【0055】
次に、式(18)のゲイン補正後多相信号に対して、多相二相変換部43において多相二相変換を行うと式(19)の通りとなる。
【0056】
【数19】
【0057】
次に、式(19)の二相信号に対して、二相ゲイン補正部44において二相ゲイン補正を行うと式(20)の通りとなる。
【0058】
【数20】
【0059】
次に、式(20)のゲイン補正後二相信号に対して、二相加減算部45において二相加減算を行うと式(21)、(22)の通りとなる。
【0060】
【数21】
【0061】
【数22】
【0062】
次に、式(21)、(22)の和差信号に対して、和差信号ゲイン補正部46において和差信号ゲイン補正を行うと式(23)の通りとなる。
【0063】
【数23】
【0064】
次に、角度算出部47において、式(23)のゲイン補正後和差信号に基づいて、式(16)の角度算出を行うと式(24)の通りとなる。
【0065】
【数24】
【0066】
<フィルタ処理>
フィルタ処理部48はθ0を入力としてローパスフィルタ演算処理をしてフィルタ後角度信号θ1を出力する。
実際の検出信号には電気信号のAD変換時の量子化誤差、電気回路の接地(GND)に流れる高調波ノイズ成分等、回転体の角度に依存しない高調波ノイズ領域の周波数を含むようなノイズ成分が含まれる。このため、フィルタが無い場合にはノイズによる角度誤差が大きくなるが、フィルタ処理をすることで角度精度を向上させることができる。
また、フィルタ処理部48は、後述する電気角オフセット補正部49の前に設けているが、電気角オフセット補正部49の後でも良い。
【0067】
<電気角オフセット補正>
電気角オフセット補正部49では角度信号θ1とθoffsetを入力として式(25)によりオフセット補正後角度信号θ2を算出する。
【0068】
【数25】
【0069】
式(24)に示した通り、角度信号θ0は回転体9の角度θrと略一定のオフセットをもって変化する。
電気角オフセット補正部49ではこのオフセット量を補正し回転体角度θrと一致させる処理を行うと式(26)の通りとなる。
【0070】
【数26】
【0071】
次に、多相オフセット補正値、多相ゲイン補正値、二相ゲイン補正値、和差信号ゲイン補正値を算出するフローチャートの一例を図14図15図17に示す。
【0072】
まず図14のフローチャートについて説明する。図14(a)は初回学習時、図14(b)は初回学習完了後(学習2回目以降)を表している。
<ステップS1401>
多相補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1402へ進む。
<ステップS1402>
多相補正値(多相オフセット補正値、多相ゲイン補正値)の学習を行う。
ステップS1401、S1402のより詳細な動作については図15のフローチャートを用いて後述する。
<ステップS1403>
多相補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1404へ進む。
<ステップS1404>
二相補正値(二相ゲイン補正値、和差信号ゲイン補正値)の学習を行う。
ステップS1403、S1404のより詳細な動作については図17のフローチャートを用いて後述する。
<ステップS1405>
電気角オフセット補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1406へ進む。
<ステップS1406>
電気角オフセット補正値学習の処理を実行する。電気角オフセット補正値の算出は、例えば、永久磁石式回転電機(モータ)の回転子が回転している状態でdqベクトル制御におけるd軸電流指令値およびq軸電流指令値の両者を略零に保持しつつ、dqベクトル制御の処理を実行し、実行時に求めたd軸電圧とq軸電圧とから、予め決められた演算式に基づき算出する。
【0073】
ステップS1401、S1403、S1405において、学習要求がない場合は、いずれも作業を終了する。
【0074】
<ステップS1407〜S1408>
ステップS1401〜S1406の処理が完了した後は、多相補正値学習のみ(ステップS1407、S1408)を実施する。
【0075】
ステップS1401、S1402について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
<ステップS1501:多相補正値学習リセット要求>
ステップS1501では、多相補正値学習が完了しているか、及び二相補正値学習が完了しているかを判定し、いずれとも完了しておれば多相補正値学習リセット要求を行う。
【0077】
<ステップS1502:多相補正値学習リセット処理>
ステップS1502では、多相補正値学習リセット要求がある場合に、多相補正値学習ステータスを「未完了」にする。
多相補正値学習リセット要求が無い場合には何もしない。
【0078】
<ステップS1503:多相補正値学習要求>
ステップS1503では、多相補正値学習ステータスが「未完了」であるかを判定し、多相補正値学習ステータスが「未完了」かつ、回転数が所定範囲内かつ、回転数の変化率が所定範囲内である場合には多相補正値学習要求を行う。
【0079】
<ステップS1504:多相補正値学習中断処理>
ステップS1504では、多相補正値学習要求が無い場合、あるいは無くなった場合に、演算処理を中断する。
【0080】
<ステップS1505:多相オフセット補正値学習要求>
ステップS1505では、多相補正値学習ステータスが「未完了」である場合に多相オフセット補正値学習要求を行う。
【0081】
<ステップS1506:多相オフセット補正値演算処理>
ステップS1506では、多相オフセット補正値学習要求があり、電気角エッジが予め決められた範囲内にある期間、検出信号A0、B0、C0を積算と、積算回数のカウントを行う。
【0082】
<ステップS1507:多相オフセット補正値演算完了処理>
ステップS1507では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、式(27)に基づき検出信号A0、B0、C0の積算値を積算回数で除算し、多相オフセット補正値を算出する。
【0083】
【数27】
【0084】
<ステップS1508:多相オフセット補正値OOR判定>
ステップS1508では、算出した多相オフセット演算値が予め決められた範囲内に収まっているか判定する。
【0085】
<ステップS1509:多相オフセット補正値切替処理>
ステップS1509では、算出した多相オフセット演算値が予め決められた範囲内に収まっている場合に、多相オフセット演算値を多相オフセット補正値として選択して代入し、多相補正値学習ステータスを「多相オフセット補正値学習完了」とする。
【0086】
<ステップS1510:多相ゲイン補正値学習要求>
ステップS1510では、多相補正値学習要求があり、多相補正値学習ステータスが「多相オフセット補正値学習完了」である場合に多相ゲイン補正値学習要求を行う。
【0087】
<ステップS1511:多相ゲイン学習値演算処理>
ステップS1511では、多相ゲイン補正値学習要求があり、電気角エッジが所定範囲内にある期間、オフセット補正後多相信号A1、B1、C1の絶対値の積算と、積算回数のカウントを行う。
【0088】
<ステップS1512:多相ゲイン学習値演算完了処理>
ステップS1512では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、オフセット補正後多相信号A1、B1、C1、の絶対値の積算値と積算回数に基づいて振幅を算出する。
【0089】
【数28】
【0090】
なお、本実施例では多相信号が正弦波であるとして式(28)により振幅を算出している。
そして算出した振幅の逆数を取り、式(29)に基づき多相ゲイン補正値を算出する。
【0091】
【数29】
【0092】
<ステップS1513:多相ゲイン学習値OOR判定>
ステップS1513では、算出した多相ゲイン演算値が予め決められた範囲内に収まっているか判定する。
【0093】
<ステップS1514:多相ゲイン補正値切替処理>
ステップS1514では、算出した多相ゲイン演算値が予め決められた範囲内に収まっている場合に、多相ゲイン演算値を多相ゲイン補正値として選択して代入し、多相補正値学習ステータスを「多相ゲイン補正値学習完了」とする。
【0094】
なお、図16は本処理をブロック図で示したものである。
多相補正値学習要求部50には、回転体9を有するモータの回転数、多相補正値学習ステータス、二相補正値学習ステータスが入力され、ステップS1503における処理が実行される。多相補正値学習中断処理部51ではステップS1504の処理が実行される。学習値演算処理部52では、多相補正値学習中断処理部51での処理結果、A相電圧、B相電圧、C相電圧並びに角度信号θ1に基づきステップS1505〜S1508の処理が実行される。補正値切替処理部53では、ステップS1509の処理が実行され、多相オフセット、多相ゲイン、多相補正値学習ステータスが出力される。多相オフセットは、多相オフセット補正部41に与えられ、多相ゲインは多相ゲイン補正部42に与えられる。多相オフセット補正部41では、ステップS1505〜S1509の処理が実行され、多相ゲイン補正部42では、ステップS1510〜S1514の処理が実行され、多相二相変換部43では、ステップS1404の処理が実行される。
【0095】
ステップS1403、S1404について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0096】
<ステップS1701:二相補正値学習要求>
ステップS1701では、二相補正値学習ステータスが「未完了」であるかを判定し、二相補正値学習ステータスが「未完了」かつ、回転数が予め決められた範囲内かつ、回転数の変化率が予め決められた範囲内である場合には二相補正値学習要求を行う。
【0097】
<ステップS1702:二相補正値学習中断処理>
ステップS1702では、二相補正値学習要求が無い場合、あるいは無くなった場合に、演算処理を中断する。
【0098】
<ステップS1703:二相ゲイン補正値学習要求>
ステップS1703では、二相補正値学習ステータスが「未完了」である場合に二相ゲイン補正値学習要求を行う。
【0099】
<ステップS1704:二相ゲイン補正値演算処理>
ステップS1704では、二相ゲイン補正値学習要求があり、電気角エッジが予め決められた範囲内にある期間、二相信号α1、β1の絶対値の積算と、積算回数のカウントを行う。
【0100】
<ステップS1707:二相ゲイン補正値演算完了処理>
ステップS1705では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、二相信号α1、β1の絶対値の積算値と積算回数に基づいて振幅を算出する。振幅の算出方法は式(28)と同様である。そして算出した振幅の逆数を取り、二相ゲイン演算値を算出する。二相ゲイン演算値の算出方法は式(29)と同様である。
【0101】
<ステップS1706:二相ゲイン補正値OOR判定>
ステップS1706では、算出した二相ゲイン演算値が予め決められた範囲内に収まっているか判定する。
【0102】
<ステップS1707:二相ゲイン補正値切替処理>
ステップS1707では、算出した二相ゲイン演算値が予め決められた範囲内に収まっている場合に、二相ゲイン演算値を二相ゲイン補正値として選択して代入し、二相補正値学習ステータスを「二相ゲイン補正値学習完了」とする。
【0103】
<ステップS1708:和差信号ゲイン補正値学習要求>
ステップS1708では、二相補正値学習要求があり、二相補正値学習ステータスが「二相ゲイン補正値学習完了」である場合に和差信号ゲイン補正値学習要求を行う。
【0104】
<ステップS1709:和差信号ゲイン補正値演算処理>
ステップS1709では、和差信号ゲイン補正値学習要求があり、電気角エッジが予め決められた範囲内にある期間、和差信号X1、Y1の絶対値の積算と、積算回数のカウントを行う。
【0105】
<ステップS1710:和差信号ゲイン補正値演算完了処理>
ステップS1710では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、和差信号X1、Y1の絶対値の積算値と積算回数に基づいて振幅を算出する。振幅の算出方法は式(28)と同様である。そして算出した振幅の逆数を取り、二相ゲイン補正値を算出する。和差信号ゲイン補正値の算出方法は式(29)と同様である。
【0106】
<ステップS1711:和差信号ゲイン補正値OOR判定>
ステップS1711では、算出した和差信号ゲイン補正値が予め決められた範囲内に収まっているか判定する。
【0107】
<ステップS1712:和差信号ゲイン補正値切替処理>
ステップS1712では、算出した和差信号ゲイン補正値が予め決められた範囲内に収まっている場合に、当該和差信号ゲイン補正値を和差信号ゲイン補正値として選択して代入し、二相補正値学習ステータスを「和差信号ゲイン補正値学習完了」とする。
【0108】
なお、図18は本処理をブロック図で示したものである。
二相補正値学習要求部50aには、回転体9を有するモータの回転数、多相補正値学習ステータス、二相補正値学習ステータスが入力され、ステップS1701における処理が実行される。二相補正値学習中断処理部51aではステップS1702の処理が実行される。学習値演算処理部52では、二相補正値学習中断処理部51aでの処理結果、多相二相変換後信号α1、β1並びに角度信号θ1に基づきステップS1703〜S1706の処理が実行される。補正値切替処理部53では、ステップS1707の処理が実行され、二相ゲイン、和差信号ゲイン、二相補正値学習ステータスが出力される。二相ゲインは、二相ゲイン補正部44に与えられ、和差信号ゲインは和差信号ゲイン補正部46に与えられる。二相ゲイン補正部44では、ステップS1703〜S1707の処理が実行され、和差信号ゲイン補正部46では、ステップS1708〜S1712の処理が実行される。
なお、二相加減算部45a、和差信号ゲイン補正部46は、図4に示した二相加減算部45、和差信号ゲイン補正部46と同様の信号を算出し、出力する。
【0109】
このように、本実施の形態における回転角度検出装置においては、多相オフセット補正部41は、複数の検出信号の1周期以上のデータに基づいて多相オフセット補正値を算出している。
多相ゲイン補正部42は、オフセット補正後多相信号の1周期以上のデータに基づいて多相ゲイン補正値を算出している。
二相ゲイン補正部44は、二相信号の1周期以上のデータに基づいて二相ゲイン補正値を算出している。
和差信号ゲイン補正部46は、和差信号の1周期以上のデータに基づいて和差信号ゲイン補正値を算出している。
多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、補正後の信号が予め決められた値である。
多相オフセット補正部41、多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、1周期以上のデータかつ前記回転体の回転周期における機械角の整数倍となるデータ区間から算出される。
多相オフセット補正部41における補正値は、予め決められた区間のデータの積算値と積算回数に基づいて、前記積算値と前記積算回数との比として算出している。
多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、1/(絶対値の積算値/積算回数×π/2)の式で算出される。
多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、1/(二乗平均平方根×√2)の式で算出される。
多相オフセット補正部41、多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、回転体9の回転周期が予め決められた周期以上で且つ予め決められた周期以下の範囲内である際に補正値の算出処理を行う。
多相オフセット補正部41、多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値は、回転体9の回転周期の変化率が予め決められた値以下である際に、補正値の算出処理を行う。
複数の検出信号に対してセンサ特性の補償を行った後に、多相オフセット補正部41、多相ゲイン補正部42、二相ゲイン補正部44、和差信号ゲイン補正部46における補正値の補正を行う。
【0110】
なお、信号処理部6は、ハードウエアの一例を図19に示すように、プロセッサ100と記憶装置101から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ100は、記憶装置101から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ100にプログラムが入力される。また、プロセッサ100は、演算結果等のデータを記憶装置101の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
【0111】
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0112】
1 回転角度検出装置、3a,3b,3c 回転検出部、6 信号処理部、41 多相オフセット補正部、42 多相ゲイン補正部、43 多相二相変換部、44 二相ゲイン補正部、45 二相加減算部、46 和差信号ゲイン補正部、47 角度算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2020年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の回転角度に応じて複数の検出信号を出力する回転検出部と、前記複数の検出信号のオフセットをそれぞれ補正してオフセット補正後多相信号を出力する多相オフセット補正部と、前記オフセット補正後多相信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後多相信号を出力する多相ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後多相信号を変換して二相信号を出力する多相二相変換部と、前記二相信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後二相信号を出力する二相ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後二相信号を相互に加減算して和差信号を出力する二相加減算部と、前記和差信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後和差信号を出力する和差信号ゲイン補正部と、前記ゲイン補正後和差信号に基づいて角度を演算し角度信号を出力する角度算出部と、を備えたことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
前記多相オフセット補正部は、前記複数の検出信号の1周期以上のデータに基づいて多相オフセット補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
【請求項3】
前記多相ゲイン補正部は、前記オフセット補正後多相信号の1周期以上のデータに基づいて多相ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置。
【請求項4】
前記二相ゲイン補正部は、前記二相信号の1周期以上のデータに基づいて二相ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記和差信号ゲイン補正部は、前記和差信号の1周期以上のデータに基づいて和差信号ゲイン補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部は、補正後の信号の振幅幅が予め決められた値となる補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、1周期以上のデータかつ前記回転体の回転周期における機械角の整数倍となるデータ区間から算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項8】
前記多相オフセット補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの積算値と積算回数に基づいて、前記積算値と前記積算回数との比として算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項9】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、「1/(絶対値の積算値/積算回数×π/2)」で算出されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項10】
前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、予め決められた区間のデータの絶対値の積算値と積算回数に基づいて、1/(二乗平均平方根×√2)の式で算出されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項11】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、前記回転体の回転周期が予め決められた周期以上で且つ予め決められた周期以下の範囲内である際に補正値の算出処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項12】
前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値は、前記回転体の回転周期の変化率が予め決められた値以下である際に、補正値の算出処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【請求項13】
前記複数の検出信号に対して特性の補償を行った後に、前記多相オフセット補正部、前記多相ゲイン補正部、前記二相ゲイン補正部、前記和差信号ゲイン補正部における補正値の補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本願に開示される回転角度検出装置は、回転体の回転角度に応じて複数の検出信号を出力する回転検出部と、複数の検出信号のオフセットをそれぞれ補正してオフセット補正後多相信号として出力する多相オフセット補正部と、オフセット補正後多相信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後多相信号として出力する多相ゲイン補正部と、ゲイン補正後多相信号を変換して二相信号として出力する多相二相変換部と、二相信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後二相信号として出力する二相ゲイン補正部と、ゲイン補正後二相信号を相互に加減算して和差信号として出力する二相加減算部と、和差信号の振幅をそれぞれ補正してゲイン補正後和差信号として出力する和差信号ゲイン補正部と、ゲイン補正後和差信号に基づいて角度を演算し角度信号を出力する角度算出部と、を備えたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
まず図14のフローチャートについて説明する。図14(a)は初回学習時、図14(b)は初回学習完了後(学習2回目以降)を表している。
<ステップS1401>
多相補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1402へ進む。
<ステップS1402>
多相補正値(多相オフセット補正値、多相ゲイン補正値)の学習を行う。
ステップS1401、S1402のより詳細な動作については図15のフローチャートを用いて後述する。
<ステップS1403>
二相補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1404へ進む。
<ステップS1404>
二相補正値(二相ゲイン補正値、和差信号ゲイン補正値)の学習を行う。
ステップS1403、S1404のより詳細な動作については図17のフローチャートを用いて後述する。
<ステップS1405>
電気角オフセット補正値学習要求の判定を行い、要求がある場合はステップS1406へ進む。
<ステップS1406>
電気角オフセット補正値学習の処理を実行する。電気角オフセット補正値の算出は、例えば、永久磁石式回転電機(モータ)の回転子が回転している状態でdqベクトル制御におけるd軸電流指令値およびq軸電流指令値の両者を略零に保持しつつ、dqベクトル制御の処理を実行し、実行時に求めたd軸電圧とq軸電圧とから、予め決められた演算式に基づき算出する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
<ステップS170:二相ゲイン補正値演算完了処理>
ステップS1705では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、二相信号α1、β1の絶対値の積算値と積算回数に基づいて振幅を算出する。振幅の算出方法は式(28)と同様である。そして算出した振幅の逆数を取り、二相ゲイン演算値を算出する。二相ゲイン演算値の算出方法は式(29)と同様である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
<ステップS1710:和差信号ゲイン補正値演算完了処理>
ステップS1710では、電気角エッジのカウント数が予め決められた値に達すれば、和差信号X1、Y1の絶対値の積算値と積算回数に基づいて振幅を算出する。振幅の算出方法は式(28)と同様である。そして算出した振幅の逆数を取り、和差信号ゲイン補正値を算出する。和差信号ゲイン補正値の算出方法は式(29)と同様である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
図14