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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6843(P2021-6843A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】光源装置及び画像投射装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20201218BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20201218BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20201218BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20201218BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20201218BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20201218BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20201218BHJP
   F21V 9/45 20180101ALI20201218BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20201218BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20201218BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 D
   G09G3/34 J
   G09G3/20 631V
   G09G3/20 641S
   G09G3/20 670N
   G09G3/36
   G09G3/20 680C
   G09G3/20 612A
   G09G3/34 D
   H04N5/74 Z
   F21V9/40 200
   F21V9/45
   F21V23/00 140
   F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-120579(P2019-120579)
(22)【出願日】2019年6月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】石井 敦史
【テーマコード(参考)】
2K203
3K014
5C006
5C058
5C080
【Fターム(参考)】
2K203FA44
2K203FA45
2K203GA09
2K203GA15
2K203GA16
2K203HA30
2K203KA14
2K203KA38
2K203KA46
2K203MA14
3K014AA01
5C006AA11
5C006AA21
5C006AF46
5C006AF65
5C006AF68
5C006AF85
5C006BB11
5C006BF15
5C006BF36
5C006BF38
5C006BF39
5C006BF41
5C006EA01
5C006EC11
5C058BA29
5C058EA02
5C058EA26
5C058EA51
5C080AA10
5C080AA17
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD14
5C080DD16
5C080DD17
5C080DD20
5C080EE17
5C080EE25
5C080EE28
5C080EE29
5C080EE30
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080JJ07
(57)【要約】
【課題】 装置が異常となる前に光源を制御し、装置の損傷を防ぐことが可能な光源装置を提供する。
【解決手段】 励起光を発光する光源と、前記励起光が照射されることにより蛍光光を発光する蛍光体層を有する蛍光基板と、前記蛍光基板を回転させるモータと、前記蛍光基板の回転数を取得する取得手段と、前記モータの駆動電圧と前記取得手段により取得した前記回転数とに基づいて、前記光源の供給電力を制御する制御手段、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を発光する光源と、
前記励起光が照射されることにより蛍光光を発光する蛍光体層を有する蛍光基板と、
前記蛍光基板を回転させるモータと、
前記蛍光基板の単位時間あたりの回転数を取得する取得手段と、
前記モータの駆動電圧と前記取得手段により取得した前記回転数とに基づいて、前記光源の供給電力を制御する制御手段、を有することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記モータのモータ駆動電圧と前記蛍光基板の基板回転数の相関を示す情報から前記取得手段により取得した前記回転数に対応する第1の駆動電圧範囲を導出し、該第1の駆動電圧範囲と前記駆動電圧に基づいて、前記光源の供給電力を制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記制御手段は前記光源に、前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれる場合、第1の電力を供給し、前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれない場合、前記第1の電力より小さい第2の電力を供給することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した結果を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、所定時間毎に前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれるか否かを判定し、
前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した結果を前記記憶手段に記憶させ、
前記結果の累積回数が、第1の閾値未満のとき前記光源に第1の電力を供給し、
前記第1の閾値以上のとき前記光源に前記第1の電力より小さい第2の電力を供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記結果の累積回数が前記第1の閾値以上かつ第2の閾値未満のとき、
前記光源に前記第2の電力より大きくかつ前記第1の電力より小さい第3の電力を供給することを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した結果を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、所定時間毎に前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれるか否かを判定し、
前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した結果を前記記憶手段に記憶させ、
前記結果が連続した回数が、所定の閾値未満のとき前記光源に第1の電力を供給し、
前記所定の閾値以上のとき、前記光源に前記第1の電力より小さい第2の電力を供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記結果が連続した回数が前記第1の閾値以上かつ第2の閾値未満のとき、前記光源に前記第2の電力より大きくかつ前記第1の電力より小さい第3の電力を供給することを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記相関を示す情報から前記取得手段により取得した前記回転数に対応する前記第1の駆動電圧範囲より狭い範囲である第2の駆動電圧範囲を導出し、前記第1および第2の駆動電圧範囲と前記駆動電圧に基づいて、前記光源の供給電力を制御することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項9】
前記制御手段は前記光源に、前記駆動電圧が前記第2の駆動電圧範囲に含まれる場合、第1の電力を供給し、
前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれない場合、前記第1の電力より小さい第2の電力を供給し、
前記駆動電圧が前記第2の駆動電圧範囲に含まれずかつ前記第1の駆動電圧範囲に含まれる場合、前記第2の電力より大きくかつ前記第1の電力より小さい第3の電力を供給する
ことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した第1の結果および前記第2の駆動電圧範囲に含まれずかつ前記第1の駆動電圧範囲に含まれると判定した第2の結果を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、所定時間毎に前記判定を行い、前記第1の結果および前記第2の結果を前記記憶手段に記憶させ、
前記第1および第2の結果の累積回数が所定の閾値未満のとき、前記光源に第1の電力を供給し、
前記第1の結果の累積回数が前記所定の閾値以上のとき、前記光源に前記第1の電力より小さい第2の電力を供給し、
前記第1の結果の累積回数が前記所定の閾値未満かつ前記第2の結果の累積回数が前記所定の閾値以上のとき、前記光源に前記第2の電力より大きくかつ前記第1の電力より小さい第3の電力を供給する
ことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項11】
前記駆動電圧が前記第1の駆動電圧範囲に含まれないと判定した第1の結果および前記第2の駆動電圧範囲に含まれずかつ前記第1の駆動電圧範囲に含まれると判定した第2の結果を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、所定時間毎に前記判定を行い、前記第1の結果および前記第2の結果を前記記憶手段に記憶させ、
前記第1の結果が連続した回数および前記第2の結果が連続した回数が所定の閾値未満のとき、前記光源に第1の電力を供給し、
前記第1の結果が連続した回数が前記所定の閾値以上のとき、前記光源に前記第1の電力より小さい第2の電力を供給し、
前記第1の結果が連続した回数が前記所定の閾値未満かつ前記第2の結果が連続した回数が前記所定の閾値以上のとき、前記光源に前記第2の電力より大きくかつ前記第1の電力より小さい第3の電力を供給する
ことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記モータのモータ駆動電圧と前記蛍光基板の基板回転数の相関を示す情報から前記駆動電圧に対応する第1の回転数範囲を導出し、該第1の回転数範囲と前記取得手段により取得した前記回転数に基づいて、前記光源の供給電力を制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項13】
前記制御手段は前記光源に、前記回転数が前記第1の回転数範囲に含まれる場合、第1の電力を供給し、前記回転数が前記第1の回転数範囲に含まれない場合、前記第1の電力より小さい第2の電力を供給することを特徴とする請求項12に記載の光源装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記相関を示す情報から前記駆動電圧に対応する前記第1の回転数範囲より狭い範囲である第2の回転数範囲を導出し、前記第1および第2の回転数範囲と前記回転数に基づいて、前記光源の供給電力を制御することを特徴とする請求項12に記載の光源装置。
【請求項15】
光変調素子と、
前記光変調素子を照明する光を発する、請求項1乃至14の何れか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光を前記光変調素子に導く照明光学系と、
前記光変調素子により変調された光を投射する投射光学系と
を有することを特徴とする画像投射装置。
【請求項16】
励起光を発光する光源と、前記励起光が照射されることにより蛍光光を発光する蛍光体層を有する蛍光基板と、前記蛍光基板を回転させるモータと、前記モータの駆動電圧と前記蛍光基板の回転数を取得する取得手段とを有する光源装置のコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記取得手段により取得した前記駆動電圧と前記回転数とに基づいて、前記光源の供給電力を制御させることを特徴とする光源制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光源を有する光源装置及び画像投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像投射装置は、液晶パネル等の光変調素子によって変調された光を、投射光学系によりスクリーン等の被投射面に投射することで投射画像を表示する。画像投射装置の光源には、超高圧水銀ランプやキセノンランプの他、LEDやレーザーを用いる場合がある。特許文献1は、ホイール上に形成した蛍光層にレーザー光を照射し、投射光として照射する可視光を得る構成において、ホイールの回転が停止した場合にレーザー光による影響を防止する投影装置を開示している。
【0003】
特許文献1は、蛍光体層下に被覆された所定のマークの現出を検知し、検知回数が所定の回数を越えた場合に蛍光体層が剥離したと判断し、レーザー光の発生を停止させることで、レーザー光による装置の被害の拡大や装置外部への影響を防ぐことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−117989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、蛍光体が剥離した(装置状態が異常になった)後でしかレーザー光の発生を停止させることができないため、装置自体の損傷を未然に防止することは難しい。特に、レーザー光による損傷は瞬時に拡大する可能性が高く、状態が異常になったことを検知した後でレーザー光の発生を停止しようとしても、その遅れにより装置が損傷してしまう場合がある。
【0006】
そこで本発明は、装置が異常となる前に光源を制御し、装置の損傷を防ぐことが可能な光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の光源装置は、励起光を発光する光源と、前記励起光が照射されることにより蛍光光を発光する蛍光体層を有する蛍光基板と、前記蛍光基板を回転させるモータと、前記蛍光基板の回転数を取得する取得手段と、前記モータの駆動電圧と前記取得手段により取得した前記回転数とに基づいて、前記光源の供給電力を制御する制御手段、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置が異常となる前に光源を制御し、装置の損傷を防ぐことが可能な光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態であるプロジェクタの構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施形態における光源装置の一例を示すブロック図。
図3】本発明の実施形態における光源装置の他の例を示すブロック図。
図4】本発明の第1の実施例における処理のフローチャート。
図5】本発明の第2の実施例における処理のフローチャート。
図6】本発明の第3の実施例における処理のフローチャート。
図7】モータ駆動電圧と蛍光基板の基板回転数の相関を示す情報の一例を示す図。
図8】モータ駆動電圧と蛍光基板の基板回転数の相関を示す情報の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1を参照して、本発明の実施形態の光源装置62を含むプロジェクタ100(画像投射装置)について説明する。
【0011】
映像処理部10には、コンポジット端子やHDMI(登録商標)端子等の映像信号を入力するための端子と、それらの端子を通じて入力された映像信号を受信するためのレシーバIC等が設けられている。映像処理部10は、入力した映像信号に対して、ブライトネス補正やコントラスト補正、ガンマ変換、色変換、解像度変換、鮮鋭処理、IP変換等の画像処理を施した映像信号を生成する。
【0012】
OSD重畳部20は、映像処理部10から出力される映像信号に対して、OSD画像の重畳を行う。OSD画像は、予め用意されたビットマップ等の画像データだけでなく、直線や矩形、或いは画素単位の描画指示に基づいて生成することもできる。
【0013】
幾何歪み補正部40は、OSD重畳部20から出力される映像信号に対して、投射画像に生じた幾何学的な歪みを補正するような変形処理を行い、例えばあおり投射等によって生じた投射画像の歪みを抑制することができる。
【0014】
パネル駆動部50は、幾何歪み補正部40と接続され、幾何歪み補正部40により補正された画像信号を、光学系60の表示素子66(光変調素子)を駆動する駆動信号に変換し、表示素子66を駆動する。表示素子66は、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル、DMD(Digital Mirror Device)などを用いることができる。
【0015】
光学系60は、光源装置62、照明光学系64、表示素子66、投射光学系68を有する。光源装置62から出射した光は、照明光学系64を通り、表示素子66を照明する。表示素子66は、パネル駆動部50からの駆動信号に基づいて入射光を変調し、変調された光は、投射光学系68を通して投射画像としてスクリーンに投射される。
【0016】
また、投射光学系68は、レンズやユニットをモータなどによりその位置を移動可能であり、光学ズーム(投射画像の拡大及び縮小)や、光学シフト(投射位置の移動)を行うことができる。
【0017】
操作部70は、ユーザーが操作を入力するための釦や、リモコンからの赤外線を受信するための赤外線受光部を備え、入力された操作を電気信号に変換する。操作の種類には、決定やキャンセル、各種設定を行うためのメニューの呼び出し、上下左右の方向指示、電源制御等がある。
【0018】
CPU30は、映像処理部10とOSD重畳部20、幾何歪み補正部40、操作部70、投射光学系68に加え、温度センサーやファンなどを含む不図示の多数のデバイスに接続されている。CPU30は、プロジェクタ100の各部の電源や状態の制御を行うマイクロコンピュータである。例えば、操作部70からユーザーの操作入力を受け付けて、OSD重畳部20を制御してメニュー画面を表示し、映像処理部10や幾何歪み補正部40、投射光学系68の制御することで、その操作に従った制御等を行う。また、各部の状態や機能の制御、状態の取得等を行い、例えば、内部状態の異常を検知した場合には、電源の遮断、冷却の制御、ユーザーへの警告などの処理を行う。
【0019】
図2は、光源装置62の一例を示すブロック図である。
【0020】
レーザーダイオード120(光源)は、励起光を発光することができ、蛍光基板140に向けて照射するよう設置されている。蛍光基板140は、基板上に蛍光体層141が設けられ、モータ130により回転するよう設置されている。この蛍光基板140は、レーザーダイオード120から励起光が照射されると反対面側に蛍光光を発し、その蛍光光は照明光学系64に向けて出射される。
【0021】
図3は、光源装置62の他の例を示すブロック図である。
【0022】
レーザーダイオード120(光源)は、発生させた励起光を蛍光基板140に向けて照射するよう設置されており、蛍光基板140は、基板上に蛍光体層141、不図示の反射層が設けられ、モータ130により回転するよう設置されている。この蛍光基板140は、レーザーダイオード120から励起光が照射されると同一面側に蛍光光を発し、その蛍光光は励起光を透過し蛍光光を反射するダイクロイックミラー180により反射され照明光学系64に向けて出射される。
【0023】
後述の各実施例において、光源装置62は、図2又は図3の何れの光源装置も用いることができる。
【0024】
光源装置62にはCPU110(制御部)が内蔵されている。CPU110は、レーザーダイオード120を制御し、供給電力を、通常使用する電力(第1の電力)、消灯する電力(第2の電力)、減光する電力(第3の電力)など設定することにより、励起光の出力を制御できる。また、モータ130(駆動源)を制御し、蛍光基板140の回転速度を制御することができる。
【0025】
さらに、CPU110は、蛍光基板140の回転数を検出するためのセンサーであるフォトインタラプタ160(取得手段)、CPU30、不図示の多数のデバイスに接続されており、各部の制御を行うと共に、内部状態の異常を検知した場合の処理も行う。また、回転数の検出結果に基づいてモータ130の駆動電圧を制御することで、蛍光基板140の定回転数制御も行う。なお、CPU30とCPU110を統合し、1つのCPUで制御してもよい。
【0026】
メモリ(記憶部)170は、CPU110の制御プログラムや図7図8に示すようなモータ130のモータ駆動電圧と蛍光基板140の基板回転数の相関を示す情報や時間的変化の統計情報などを記憶する。
【0027】
蛍光基板140には回転検出マーカー150が設けられ、フォトインタラプタ160から出力された光が回転検出マーカー150で反射される。すなわち、フォトインタラプタ160で反射光の強さを検出し、その検出回数から単位時間あたりの蛍光基板140の回転数を検出することができる。
【0028】
蛍光基板140の回転数の検出は、本実施例の他に様々な方法を用いることができる。例えば、モータ130の回転軸にスリット円板を設け、それをフォトインタラプタに通すことによりモータが所定の角度回転する毎に回転パルス信号を発生(パルス発生手段)する。単位時間当たりのパルス信号の間隔を検出することでモータ130の回転数を算出し、算出された回転数を蛍光基板140の回転数として検出してもよい。また、蛍光光の強度を測定するセンサーを設け、所定の回転数で蛍光基板が回転しているときの単位時間あたりの蛍光光の強度分布と、現在の単位時間あたりの蛍光光の強度分布から、蛍光基板140の回転数を検出してもよい。
【実施例1】
【0029】
図4は、第1の実施形態における光源装置62におけるレーザーダイオード120の制御動作を説明するためのフローチャートを示している。この処理は、CPU110がコンピュータプログラム(光源制御プログラム)に従って実行する。ここで、図4に示すフローは、光源を点灯した後、所定時間毎(例えば1ミリ秒毎)に実行されるものとする。
【0030】
処理が開始されると、ステップS10において、CPU110は、フォトインタラプタ160で検出された蛍光基板140の回転数を取得する。取得した回転数が停止閾値(第2の閾値)未満であるか否かを判定する。停止閾値は、蛍光基板140の回転数が低くなることで、レーザーダイオード120からの励起光が蛍光基板140の同一の領域に照射される時間が長くなり、例えば蛍光基板140が高温となり損傷する可能性が高くなる回転数を設定する。
【0031】
取得した回転数が、停止閾値以下と判定された場合はステップS30に進み、停止閾値より大きいと判定された場合はステップS20に進む。
【0032】
ステップS20において、CPU110は、モータ130を駆動している駆動電圧を取得する。そして、メモリ170に記憶されているモータ130のモータ駆動電圧と蛍光基板140の基板回転数の相関を示す情報と、ステップ10で取得した蛍光基板140の回転数およびモータ130の駆動電圧から、蛍光基板140の状態(回転状態)を判定する。
【0033】
判定は、駆動電圧を基準とした判定と回転数を基準とした判定を用いることができる。ステップS20においては、駆動電圧を基準とした判定と回転数を基準とした判定の何れかの処理を行う。
【0034】
駆動電圧を基準とした判定の場合、モータ130の現在の駆動電圧がA(V)の場合、図7に示す相関を示す情報(実線で示す基準関係を基準に点線で示す所定の範囲を示す情報)から、駆動電圧Aに対応する回転数範囲を導出する。そして、導出した回転数範囲に取得した蛍光基板140の回転数が含まれるか否かを確認する。回転数範囲に含まれる場合、現在の蛍光基板140は正常であると判定し、本フローを終了する。回転数範囲に含まれない場合、現在の蛍光基板140の回転は異常が発生する可能性が高いと判定し、ステップS40に進む。
【0035】
回転数を基準とした判定の場合、蛍光基板140の現在の回転数がB(rpm)の場合、図7に示す相関を示す情報から、回転数Bに対応する駆動電圧範囲を導出し、その駆動電圧範囲にモータ130の駆動電圧が含まれるか否かを確認する。駆動電圧範囲に含まれる場合、現在の蛍光基板140は正常であると判定し、本フローを終了する。駆動電圧範囲に含まれない場合、現在の蛍光基板140は異常が発生する可能性が高いと判定し、ステップS40に進む。
【0036】
ステップS30において、CPU110は、レーザーダイオード120に第2の電力を供給し、励起光の出力を停止させ、本フローを終了する。ステップS30では、上述のように損傷が生じ始めている可能性があるため、最優先で励起光の出力を停止させる。
【0037】
ステップS40において、CPU110は、ステップ30と同様に第2の電力を供給し、レーザーダイオード120の励起光の出力を停止させ、本フローを終了する。ステップS40は、回転数は損傷する可能性が高くなる回転数を上回っているが、それに対する駆動電圧が駆動電圧範囲外にある、または、現在の駆動電圧における回転数が回転数範囲外にあり、モータ130の回転や蛍光基板140に異常が発生した兆候がみられる状況である。従って、損傷を未然に防止するために、ステップ30と同様に励起光の出力を停止させる。
【0038】
以上のように、本実施例のプロジェクタは、蛍光基板の回転数を検出し、回転数に異常があれば直ちに励起光の出力を停止する。また、蛍光基板の回転数とモータの駆動電圧の関係に基づいて励起光の出力を停止することで、装置の損傷を防ぐことができる。
【実施例2】
【0039】
図5は、第2の実施形態における光源装置62におけるレーザーダイオード120の制御動作を説明するためのフローチャートを示している。この処理は、CPU110がコンピュータプログラム(制御プログラム)に従って実行する。ここで、図5に示すフローは、光源を点灯した後、所定時間毎(例えば1ミリ秒毎)に実行されるものとする。第1の実施例との相違点は、ステップ20がステップ120に置換され、ステップ50が付加された点である。また、第1の実施例と同じ符号の説明は省略する。
【0040】
ステップS120において、CPU110は、第1の実施形態と同様にメモリ170に記憶されているモータ駆動電圧と基板回転数の相関を示す情報と、蛍光基板140の回転数およびモータ130の駆動電圧から、蛍光基板の状態を判定する。
【0041】
判定は、第1の実施例と同様に駆動電圧を基準とした判定と回転数を基準とした判定を用いることができる。ステップS120においては、駆動電圧を基準とした判定と回転数を基準とした判定の何れかの処理を行う。
【0042】
駆動電圧を基準とした判定の場合、モータ130の現在の駆動電圧がA(V)の場合、図8に示す相関を示す情報から、駆動電圧Aに対応する第2の回転数範囲、および第1の回転数範囲を導出する。その導出した第1および第2の回転数範囲に蛍光基板140の回転数が含まれるか否かを確認する。第2の回転数範囲に含まれずかつ第1の回転数範囲に含まれるとき、基準関係からの乖離が第2の回転数範囲に含まれる場合と比較して大きくなってきているため、現在の蛍光基板140の回転は異常が発生する兆候がみられる状況と判定し、ステップS50に進む。また、第1の回転数範囲に含まれない場合、現在の蛍光基板140の回転は異常が発生する可能性が高いと判定し、ステップS40に進む。さらに、第2の回転数範囲に含まれる場合、現在の蛍光基板140の回転は正常であると判定し、本フローを終了する。
【0043】
回転数を基準とした判定の場合、蛍光基板140の現在の回転数がB(rpm)の場合、図8に示す相関を示す情報から、回転数Bに対応する第2の駆動電圧範囲、および第1の駆動電圧範囲を導出する。その導出した第1および第2の駆動電圧範囲にモータ130の駆動電圧が含まれるか否かを確認する。第2の駆動電圧に含まれずかつ第1の駆動電圧範囲に含まれるとき、基準関係からの乖離が第2の駆動電圧範囲に含まれる場合と比較し大きくなっているため、現在の蛍光基板140の回転は異常が発生する兆候がみられる状況と判定し、ステップS50に進む。また、第1の駆動電圧範囲に含まれない場合、現在の蛍光基板140の回転は異常が発生する可能性が高いと判定し、ステップS40に進む。さらに、第2の駆動電圧範囲に含まれる場合、現在の蛍光基板140の回転は正常であると判定し、本フローを終了する。
【0044】
ステップS50において、CPU110は、レーザーダイオード120に第3の電力を供給し、励起光の出力を弱めるよう設定を行い、本フローを終了する。ステップS50では、異常な状態に変化する兆候がみられる状況である。従って、直ちに励起光の出力を停止するのではなく、異常な状態に変化した場合の対処への猶予を確保するために、励起光の出力を弱める。
【0045】
以上のように、本実施例のプロジェクタは、蛍光基板の回転数を検出し、回転数に異常があれば直ちに励起光の出力を停止する。また、回転数とモータの駆動電圧の関係に基づいて励起光の出力を停止させたり弱めたりすることで、損傷を防止することができる。
【実施例3】
【0046】
図6は、第3の実施形態における光源装置62におけるレーザーダイオード120の制御動作を説明するためのフローチャートを示している。この処理は、CPU110がコンピュータプログラム(制御プログラム)に従って実行する。ここで、図6に示すフローは、光源を点灯した後、所定時間毎(例えば1ミリ秒毎)に開始されるものとする。第1の実施例との相違点は、ステップ120がステップ220に置換され、ステップ50が付加された点である。また、第1の実施例と同じ符号の説明は省略する。
【0047】
本実施形態においては、蛍光基板140の回転数とモータ130の駆動電圧の時間的変化に基づいて、蛍光基板140の回転状態を判定する。
【0048】
ステップS220において、CPU110は、実施例1のステップ20と同様に蛍光基板の状態を判定する。異常が発生する可能性が高いと判定した場合、その結果を、メモリ170に記憶されている異常が発生する可能性が高いと判定した累積回数を読み出し、インクリメントし、メモリ170に記憶させる。なお、累積回数はプロジェクタの電源ON(投射を開始したこと)をトリガに0にリセットされるものとする。メモリ170に記憶させた累積回数が第2の閾値以上の場合、ステップS40に進む。また、該累積回数が第2の閾値未満でかつ第1の閾値以上の場合、ステップS50に進む。さらに、該累積回数が第1の閾値未満の場合、本フローを終了する。
【0049】
本実施形態においては、累積回数により蛍光基板の状態を判定したが、判定結果を「0:正常」、「1:異常が発生する可能性が高い」としてメモリ170に記憶させ、「1」が連続した回数と第1の閾値、第2の閾値を用いて蛍光基板の状態を判定してもよい。つまり、異常が発生する可能性が高い状態が所定の時間継続している場合、異常が発生する可能性が高いとして、光源を減光、消灯させてもよい。
【0050】
本実施形態では2つの閾値を用いたが、1つの閾値を用い累積回数或いは連続した回数がその閾値未満の場合、本フローを終了し、閾値以上の場合、ステップS40に進むようにしてもよい。
【0051】
また、所定時間において取得した回転数と駆動電圧をメモリに記憶し、回転数と駆動電圧の時間変化が正常か異常かを示す統計情報から、例えば、最小二乗法等の演算により現在情報と統計情報を比較し、類似度に基づいて蛍光基板の状態を判定してもよい。
【0052】
以上のように、本実施例のプロジェクタは、蛍光基板の回転数を検出し、回転数に異常があれば直ちに励起光の出力を停止する。また、回転数と駆動電圧の時間的変化から励起光の出力を停止させたり弱めたりすることで、損傷を予防することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0054】
上記実施形態では、予め定められた条件に基づいて励起光の出力を制御する場合について説明した。しかし、ユーザーが制御条件を選べるようにしても良く、例えば減光量を任意に設定できるようにしたりしてもよい。また、駆動電圧として電圧値そのものを扱う場合について説明したが、所謂PWM駆動におけるデューティ比や単位時間当たりの積算値と回転数の関係から制御を行うようにしてもよい。
【0055】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0056】
62 光源装置
110 CPU(制御手段)
120 レーザーダイオード(光源)
130 モータ(駆動源)
140 蛍光基板
160 フォトダイオード(取得手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8