【解決手段】制御部は、残量検知手段の検知結果に基づいてイエローの装着部に装着されたイエローのトナー容器を交換すべく前カバーを開状態とした際に、イエローの小扉の開放動作を実行するように開放機構を制御する(ステップS4)。制御部は、イエローの小扉の閉状態の検知から所定時間経過しても小扉開閉センサによりイエローの小扉の開状態を検知しない場合には、イエローの小扉の開放動作を実行しないように開放機構を制御する第2モード(ステップS5)を実行可能である。制御部は、第2モードの実行時において、イエローを含む画像情報が入力された場合であっても、ブラックの装着部に装着されたブラックのトナー容器を用いて、ブラックのモノクロ画像として画像形成するモノクロモードを実行する(ステップS7)。
前記残量検知手段の検知結果に基づいて前記第1の装着部に装着された前記第1の現像剤収容容器を交換すべく前記外カバーを開状態とした際に、前記内カバー開閉検知手段により前記第1の内カバーの開状態を検知しない場合に、前記第1の内カバーが開状態となっていない旨の異常を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、前記第1の現像剤収容容器が前記未装着状態である場合において、前記第1の内カバーの閉状態の検知から所定時間経過しても前記内カバー開閉検知手段により前記第1の内カバーの開状態を検知しない場合には、前記異常を報知しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記第1の現像剤収容容器が前記未装着状態の場合であって、前記外カバーが閉状態から開状態に開放されてから再び閉状態になる前に前記第1の内カバーが閉状態から開状態に開放された開放回数が所定回数に達している場合は、前記第1の内カバーの閉状態の検知からの経過時間に拘らず、前記第1の内カバーの開放動作を実行しないように前記開放手段を制御し、前記モノクロモードを実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記モノクロモードの実行中において、前記外カバーが開放された場合には前記モノクロモードを解除し、前記第1の内カバーの開放動作を実行するように前記開放手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記モノクロモードの実行中において、前記外カバーが開放された場合には前記モノクロモードを解除し、前記第1の内カバーの開放動作を実行するように前記開放手段を制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
前記残量検知手段の検知結果に基づいて前記第1の装着部に装着された前記第1の現像剤収容容器を交換すべく前記外カバーを開状態とした際に、前記内カバー開閉検知手段により前記第1の内カバーの開状態を検知しない場合に、前記第1の内カバーが開状態となっていない旨の異常を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、前記第1の現像剤収容容器が前記未装着状態である場合において、前記開放回数が前記所定回数に達している場合には、前記異常を報知しない、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記モノクロモードの実行中において、前記外カバーが開放された場合には前記モノクロモードを解除し、前記第1の内カバーの開放動作を実行するように前記開放手段を制御する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記モノクロモードの実行中において、前記外カバーが開放された場合には前記モノクロモードを解除し、前記第1の内カバーの開放動作を実行するように前記開放手段を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、
図1〜
図12を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態では、画像形成装置の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよい。
【0014】
[画像形成装置の全体構成]
図2に示すように、画像形成装置1は、装置本体10と、画像読取部20と、シート給送部30と、画像形成部40と、制御部70と、を備えている。
図1及び
図2に示すように、装置本体10の前側上部には、操作部11が設けられている。操作部11には、操作ボタンの他、画像形成装置1の状態を表示可能、かつ、タッチ操作可能なタッチパネルからなる操作パネル(報知手段)11aが設けられている。操作パネル11aは制御部70に接続され、制御部70からの情報を出力可能であると共に、ユーザのタッチ操作により制御部70に情報を入力可能である。尚、本明細書では、画像形成装置1の手前側を前方向F、奥側を後方向Rとして示す。
【0015】
図2に示すように、画像読取部20は、装置本体10の上部に設けられている。画像読取部20は、原稿載置台としての不図示のプラテンガラスと、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射する不図示の光源と、反射光をデジタル信号に変換する不図示のイメージセンサ等を備えている。シート給送部30は、装置本体10の下部に配置されており、シートSを積載して収容するシートカセット31、給送ローラ32などを備えている。シート給送部30は、後述する中間転写ベルト44b上に転写されたトナー画像にタイミングを合わせて、収容されたシートSを画像形成部40に給送する。なお、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
【0016】
画像形成部40は、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kと、レーザスキャナ43と、中間転写ユニット44と、二次転写部45と、定着装置46とを備えている。画像形成部40は、画像情報に基づいてシートSに画像を形成可能である。本実施の形態の画像形成装置1は、フルカラーに対応するものであり、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kは、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。
【0017】
本実施形態の場合、装置本体10には、各画像形成ユニット80y,80m,80c,80kの現像装置83に補給する現像剤を収容したトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されている。トナー容器42y,42m,42c,42kは、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kと同様に、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。トナー容器42y,42m,42c,42kは、現像剤を収容可能であり、画像形成ユニット80yの上方に配置されている。トナー容器42y,42m,42c,42kは、装置本体10に設けられた穴形状の装着部12y,12m,12c,12k(
図1参照)に対して着脱可能に装着されている。装着部12y,12m,12c,12kは、各色のトナー容器42y,42m,42c,42kに対応して複数設けられている。尚、本実施形態では、イエロー(第1の色)のトナー容器42yが第1の現像剤収容容器、ブラック(第2の色)のトナー容器42kが第2の現像剤収容容器にそれぞれ相当する。
【0018】
なお、画像形成装置1が備える4つの画像形成ユニット80y,80m,80c,80kは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、以下、代表して画像形成ユニット80yについて説明し、他の画像形成ユニットの説明を省略する。
【0019】
トナー容器42yは、例えば一端にトナー排出口を有する円筒形状のボトルであり、内周面に螺旋状の凸部を有し、回転により凸部がトナーをトナー容器42yの後方向R側のトナー排出口に搬送する。装着部12yの後方向R側には不図示の補給機構が設けられており、装着部12yに装着されたトナー容器42yの後方向R側の端部は、補給機構に接続される。補給機構にはトナー容器駆動モータ47(
図3参照)が設けられており、トナー容器駆動モータ47の駆動によりトナー容器42yが回転してトナーを補給機構に搬送する。そして、補給機構が備えるポンプがトナー容器42yの回転により動作することで、補給機構に搬送されたトナーを排出し、現像装置83に補給する。本実施の形態では、トナーとして、ポリエステルを主体とした樹脂バインダに顔料を混練したものを粉砕及び分級して得られた平均粒径が約6μmのトナーを用いている。
【0020】
図1に示すように、装置本体10の前部に、装着部12y,12m,12c,12kに対応して、複数の小扉13y,13m,13c,13kが、それぞれ開閉可能に設けられている。例えば、小扉13yが開放されている際には、トナー容器42yは装置本体10に対して前面から着脱可能になる。同様に、小扉13m,13c,13kが各々開放されている際には、それぞれのトナー容器が装置本体10に対して前面から着脱可能になる。即ち、小扉13yは、装着部12yにトナー容器42yを着脱可能にする開状態と、装着部12yにトナー容器42yを着脱不能にする閉状態と、に開閉可能である。尚、本実施形態では、イエローの装着部12yが第1の装着部、ブラックの装着部12kが第2の装着部にそれぞれ相当する。また、イエローの小扉13yが第1の内カバー、ブラックの小扉13kが第2の内カバーにそれぞれ相当する。小扉13yの詳細な構成については、後述する。
【0021】
装置本体10の前部には、前方向Fに回動することにより開閉可能な前カバー(外カバー)14が設けられている。前カバー14は、小扉13yを開閉可能に露出する開状態と、小扉13yを遮蔽する閉状態と、に開閉可能である。即ち、前カバー14は、開状態において複数の小扉13y,13m,13c,13kを開閉可能に露出し、閉状態において複数の小扉13y,13m,13c,13kを遮蔽する。本実施形態では、1つの前カバー14で全ての小扉13y,13m,13c,13kを覆うようにしているが、複数(例えば2つ)の前カバーを有し、それぞれの前カバーが複数又は1つの小扉を覆うようにする構成であっても良い。
図1及び
図2に示すように、前カバー14は、小扉13y,13m,13c,13kに加えて、開閉により、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kと中間転写ユニット44とを露出及び遮蔽可能としている。そして、前カバー14は、開放により、これらの何れかのユニットなどの交換や点検を可能としている。また、装置本体10には、前カバー14の開閉状態を検知可能なカバー開閉センサ(外カバー開閉検知手段)15が設けられている(
図4参照)。
【0022】
図2に示すように、画像形成ユニット80yは、トナー画像を形成する感光ドラム81と、帯電ローラ82と、現像装置83と、クリーニング装置84と、を備えている。本実施の形態では、画像形成ユニット80yは、装置本体10に対して着脱可能である。例えば、画像形成ユニット80yは、これら全ての構成を含むプロセスカートリッジとして装置本体10に対して着脱可能としても良い。あるいは、現像装置83を現像カートリッジとして装置本体10に対して着脱可能とし、感光ドラム81、帯電ローラ82、クリーニング装置84を一体に構成したドラムカートリッジを現像カートリッジとは別に着脱可能としても良い。
【0023】
感光ドラム81は、不図示のドラムモータによって回転され、画像形成する際には、帯電ローラ82により表面が帯電される。帯電された感光ドラム81の表面に、レーザスキャナ43により画像情報に基づいてレーザ光が発光され、感光ドラム81の表面上に静電潜像が形成される。現像装置83は、現像容器に回転可能に設けられた現像スリーブ87を有し、感光ドラム81に形成された静電潜像をトナーにより現像して可視化する。現像装置83には、非磁性のトナーと磁性キャリアとの混合物である二成分現像剤が収容されており、トナーが充填されたトナー容器42yからトナーが供給される。
【0024】
現像装置83の底部の一部には、トナー濃度センサ(残量検知手段)85(
図3参照)が設けられている。トナー濃度センサ85は、例えばインダクタンスセンサからなり、現像装置83の内部のトナー濃度を検知可能であり、検知結果を制御部70に送信する。トナー濃度センサ85は、トナー容器42y内の現像剤の残量に関する情報を検知可能である。トナー濃度センサ85によりトナー容器42y内の現像剤の残量を検知する手法については、後述する。制御部70は、トナー濃度センサ85により検知されたトナー濃度が目標トナー濃度よりも低下した場合に、トナー容器駆動モータ47(
図3参照)を駆動してトナー容器42yから現像装置83にトナーを補給する。
【0025】
中間転写ユニット44は、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kの上方に配置されている。中間転写ユニット44は、駆動ローラ44aや不図示の従動ローラ、一次転写ローラ48等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト44bとを備えている。一次転写ローラ48は、感光ドラム81に対向して配置され、中間転写ベルト44bに当接する。
【0026】
中間転写ベルト44bは、駆動していない時も一定以上の張力が掛かっており、感光ドラム81に対して接離可能に設けられている。中間転写ベルト44bに一次転写ローラ48によって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光ドラム81上のそれぞれの負極性を持つトナー像が中間転写ベルト44bに順次多重転写される。これにより、中間転写ベルト44bは、感光ドラム81の表面で静電潜像を現像して得られたフルカラーのトナー像を転写して移動する。
【0027】
二次転写部45は、二次転写内ローラ45aと、二次転写外ローラ45bとを備えている。二次転写外ローラ45bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写する。なお、二次転写内ローラ45aは中間転写ベルト44bの内側で該中間転写ベルト44bを張架しており、二次転写外ローラ45bは中間転写ベルト44bを挟んで二次転写内ローラ45aと対向する位置に設けられている。
【0028】
定着装置46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えている。定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱及び加圧されてシートSに定着される。シート給送部30から給送されたシートSは、二次転写部45及び定着装置46を経て、排出トレイ50に搬送される。排出トレイ50は、フェイスダウントレイであり、排出口10aから矢印X方向に排出されたシートSを積載する。
【0029】
図3に示すように、制御部70は、CPU71と、各部を制御するプログラムを記憶するROM72と、データを一時的に記憶するRAM73と、外部と信号を入出力する入出力回路(I/O)74と、を備えている。また、制御部70は、PWM部(PWM)75と、A/D変換部(A/D)76と、モータ駆動制御を行うモータ駆動部(ドライバ)77と、制御タイミングを生成するタイマ78と、を備えている。入出力回路74は、各色のカバー開閉センサ15と、小扉開閉センサ(内カバー開閉検知手段)24と、装着検知センサ(装着検知手段)25とに接続されている。PWM部75は、各色のソレノイド21に接続され、小扉13y(
図1参照)の閉状態のロックを解除する制御を実行可能である。A/D変換部76は、各色のトナー濃度センサ85の検知結果であるアナログ信号をデジタル信号に変換する。モータ駆動部77は、各色のトナー容器駆動モータ47と、各色の現像スクリュ駆動モータ86とに接続されている。また、制御部70は、操作部11と、不図示の上位コンピュータとに接続されている。制御部70は、操作部11の操作や、不図示の上位コンピュータからの指令等により、プリンタの設定変更や画像形成ジョブの開始を行うことができる。
【0030】
CPU71は画像形成ジョブが投入されると、各色の現像スクリュ駆動モータ86を駆動させる。CPU71は、各色のトナー濃度センサ85の検知結果などに基づき、トナー容器駆動モータ47を駆動して現像装置83にトナーを補給する。例えば、トナー無し閾値回数をX回とすると、制御部70は、X回連続でトナー容器駆動モータ47を回転駆動させても、トナー濃度センサ85の検知結果が濃度下限値Yより少ない場合は、トナー容器42y(
図1参照)はトナー無しであると判断する。制御部70は、このようにトナー濃度センサ85の検知結果とトナー容器駆動モータ47の駆動回数とから、トナー容器42y内のトナーが無いと判断した場合には、例えば、トナー容器42yを交換するように操作パネル11aに表示する。あるいは、このような場合には、制御部70は、画像形成装置1に接続された外部装置であるコンピュータに情報を出力し、コンピュータのモニタにトナー容器42yを交換するよう表示する。即ち、制御部70は、トナー濃度センサ85の検知結果に基づいて、ユーザにトナー容器42yの交換を促す。制御部70は、この場合に、カバー開閉センサ15により前カバー14の開状態を検知した場合は、後述する開放機構27(
図4参照)により小扉13yを開放する。
【0031】
また、制御部70は、装着検知センサ25がオフ状態の場合は、トナー容器42yが装着されていないと判断する。即ち、装着検知センサ25は、トナー容器42yの装着部12yへの装着又は未装着を検知可能である。本実施の形態では、制御部70は、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー容器42y,42m,42c(
図2参照)のいずれかがトナー無しであると判断した場合は、ブラック単色での作像のみを許可するモノクロモードに移行する。即ち、制御部70は、モノクロモード実行時には、例えばイエローを含む画像情報が入力された場合であっても、装着部12kに装着されたトナー容器42kを用いて、ブラックのモノクロ画像として画像形成する。一方、ブラックのトナー容器42k(
図2参照)がトナー無しであると判断した場合は、画像形成の許可を行わないトナー無し状態に移行する。尚、モノクロモードとしては、フルカラーモードの入力画像をモノクロで画像形成する処理方法には限られず、例えば、フルカラーモードの入力画像を受け付けないようにしてもよい。
【0032】
制御部70は、後述するように、小扉開閉センサ24により小扉13yの開状態を検知することができる。制御部70は、トナー濃度センサ85の検知結果に基づいて装着部12yに装着されたトナー容器42yを交換すべく前カバー14を開状態とした際に、小扉13yの開状態を検知しない場合に、以下のように動作する。この場合、制御部70は、小扉13yが開状態となっていない旨の異常を、例えば操作パネル11aにエラーとして報知する。あるいは、この場合、制御部70は、画像形成装置1に接続された外部装置であるコンピュータに情報を出力し、コンピュータのモニタに小扉13yが開状態となっていない旨の異常をエラーとして表示する。
【0033】
[小扉及び前カバー]
次に、小扉13y及び前カバー14の構成について、
図4〜
図7を用いて詳細に説明する。
図4に示すように、前カバー14が閉状態にあるとき(図中、想像線(二点鎖線))に、前カバー14の上部に設けられた遮蔽部14aは、カバー開閉センサ15により検知される。カバー開閉センサ15は、例えば発光部及び受光部を有する透過型フォトセンサからなり、発光部から受光部への光線が前カバー14の遮蔽部14aにより遮られているか否かで、前カバー14が閉状態であるか否かを検知することができる。
【0034】
小扉13yは、閉状態に変位することで、トナー容器42yの装着部12yに対する挿抜を規制する。小扉13yの内側には、上方に突出した爪部13aと、遮蔽部13bとが設けられている。爪部13aは、
図4に示す小扉13yの閉位置において、前方向F側の面を直立面とし、後方向R側の面を斜面として形成されている。小扉13yは、下部に設けられた軸部材13dを中心に回動可能であり、捩りコイルばねからなる付勢ばね(付勢手段)19によって、常時、回転方向R1、即ち開放方向に付勢されている。
【0035】
図4に示すように、小扉13yが閉状態にあるときに、小扉13yの遮蔽部13bは、小扉開閉センサ24により検知される。小扉開閉センサ24は、例えば発光部及び受光部を有する透過型フォトセンサからなり、発光部から受光部への光線が小扉13yの遮蔽部13bにより遮られているか否かにより、小扉13yの開閉状態を検知可能である。
【0036】
図4に示す閉状態にある小扉13yの爪部13aの近傍の装置本体10の内部には、ラッチ(ロック手段)16が設けられている。ラッチ16は、閉状態にある小扉13yの爪部13aが係止可能な係止部16aと、係止部16aと共に回動可能でソレノイド21に連結されたリンク22と係合する係合部16bと、を有している。ラッチ16は、装置本体10に設けられた軸部材17を中心に、回転自在に設けられている。ラッチ16は捩りコイルばねからなる付勢ばね18によって、常時、回転方向R2(係止部16aが爪部13aに係止される方向)に付勢されている。これにより、ラッチ16は、小扉13yを閉状態にロック可能である。装置本体10には、ソレノイド21と、該ソレノイド21に連結されたリンク22とが設けられている。リンク22は、前後方向に移動可能に設けられており、圧縮コイルばねからなる戻しばね23により前方向Fに付勢されている。また、リンク22は、ラッチ16の係合部16bの前側部分に係合可能に設けられている。
【0037】
本実施形態の場合、小扉13yを閉状態にしている際は、ソレノイド21はオフ状態(非通電状態)であり、リンク22は戻しばね23により前方向Fに押圧されて前側に位置している。このとき、ラッチ16は、付勢ばね18により回転方向R2に付勢されており、係止部16aが爪部13aに係止して小扉13yが付勢ばね19により回転方向R1に開放しないように閉状態にロックしている。ここで、爪部13aの前側の直立面が係止部16aに係止することで、小扉13yが付勢ばね19の付勢力により不用意に開放されることを抑制している。
【0038】
図6に示すように、ソレノイド21をオン状態(通電状態)にすると、リンク22が戻しばね23の付勢力に抗して後方向Rに移動する。すると、リンク22と係合する係合部16bに後方向R側に回動する力が加わり、ラッチ16が付勢ばね18の付勢力に抗して回転方向R2の反対方向に回動する。これにより、係止部16aが爪部13aから外れて、小扉13yが捩り付勢ばね19により回転方向R1に自動的に開放される(開状態となる)。即ち、制御部70は、ソレノイド21をオン状態にすることにより、ラッチ16のロックを解除することで、小扉13yの開放動作を実行する。
【0039】
本実施の形態では、ソレノイド21、付勢ばね19及びラッチ16は、開放機構(開放手段)27を構成している。即ち、開放機構27は、小扉13yを閉状態から開状態に自動的に開放させるための開放動作を実行可能であり、制御部70は、小扉13yを開放する場合に、ラッチ16による小扉13yの閉状態のロックを解除する。
【0040】
尚、本実施の形態では、ソレノイド21を、通電によりリンク22と連結されるロッドが後方向R側に移動し、非通電時には戻しばね23の付勢力により反対方向に移動して元の位置に戻る構成としている。但し、ソレノイド21は、リンク22と係合部16bとの係合関係によっては、通電によりロッドが前方向F側に移動し、非通電時に戻しばねにより戻る構成であっても良い。また、本実施の形態では、小扉13yを開放する付勢力を得るために付勢ばね19を用いているが、これには限られない。例えば、モータやソレノイドを利用してもよく、あるいは小扉13yの重心を揺動中心線よりも装着部12yの反対側に配置することで自重により開放するようにしてもよい。
【0041】
上述のようにソレノイド21をオン状態にして小扉13yを開状態とした後、ソレノイド21をオフ状態にして、開状態の小扉13yをユーザが回転方向R1と反対方向に移動させると、小扉13yは閉じられる。このとき、小扉13yの回動に伴い、小扉13yの爪部13aは、ラッチ16の係止部16aを付勢ばね18の付勢力に抗して回動するように押し上げる。ここで、爪部13aの後側の斜面が係止部16aと係合することで、係止部16aを付勢ばね18の付勢力に抗して容易に押し上げて、爪部13aと係止部16aとを係止状態とすることができる。爪部13aが、係止部16aに係止される位置まで押し込まれると、係止部16aが付勢ばね18により
図4に示す位置で爪部13aに係止される。尚、小扉13yを開閉する構成や、閉状態にロックする構成については、上述した構成には限られず、従来から知られている他の構成を適用できることは勿論である。
【0042】
図5及び
図7に示すように、装着部12yの後方向R側の箇所には、装着検知センサ25と装着検知フラグ26とが設けられている。装着検知センサ25は、例えば発光部及び受光部を有する透過型フォトセンサからなる。装着検知フラグ26は、前後方向を回転軸とする軸部26aを中心に回転可能に設けられ、
図5に示す装着検知センサ25を遮る状態と、
図7に示す装着検知センサ25から外れる状態とに回転移動可能である。
図5に示すように、トナー容器42yが装着状態にあるときに、トナー容器42yの後方向R側の端部が装着検知フラグ26に当接して押し上げ、装着検知フラグ26が装着検知センサ25により検知される。また、
図7に示すように、トナー容器42yが装着状態から外れたときに、装着検知フラグ26がトナー容器42yの後方向R側の端部から解放されて自重で下側に回転移動し、装着検知フラグ26が装着検知センサ25により検知されなくなる。従って、装着検知センサ25は、発光部から受光部への光線が装着検知フラグ26により遮られているか否かで、トナー容器42yが装着状態であるか否か、即ち未装着状態であるかを検知することができる。
【0043】
次に、上述した画像形成装置1において、前カバー14が開放された際の処理手順について、
図8に示すフローチャートに沿って説明する。CPU71は、カバー開閉センサ15の検知結果に基づいて、前カバー14が開状態であるか否かを判断する(ステップS1)。CPU71は、前カバー14が開状態でないと判断した場合は(ステップS1のNO)、処理を終了する。CPU71は、前カバー14が開状態であると判断した場合は(ステップS1のYES)、モノクロモードを解除するか否かを判定するモノクロモード解除判定処理を実行する(ステップS2)。モノクロモード解除判定処理については、後述する。
【0044】
CPU71は、モノクロモード解除判定処理の終了後、各色のトナー容器42y,42m,42c,42kについて、装着されているがトナー無しの状態又は未装着であるか否かを判断する(ステップS3)。ここでは、CPU71は、X回連続でトナー容器駆動モータ47を回転駆動させても、トナー濃度センサ85の検知結果が濃度下限値Yを上回らない場合に、その色のトナー容器42y,42m,42c,42kは装着されているがトナー無しであると判断する。また、CPU71は、装着検知センサ25により、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であるか否かを判断する。CPU71は、全てのトナー容器42y,42m,42c,42kがトナー無しの状態又は未装着ではないと判断した場合は(ステップS3のNO)、処理を終了する。
【0045】
CPU71は、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kがトナー無しの状態又は未装着であると判断した場合は(ステップS3のYES)、その色のトナー容器42y,42m,42c,42kを補填するために各種の処理を実行する。まず、CPU71は、その色のトナー容器42y,42m,42c,42kに対応する小扉13y,13m,13c,13kを開放するために、小扉自動開放処理を実行する(ステップS4)。小扉自動開放処理については、後述する。次いで、CPU71は、開放した小扉13y,13m,13c,13kが閉じられた場合の処理である小扉閉塞時処理を実行する(ステップS5)。小扉閉塞時処理については、後述する。
【0046】
CPU71は、カバー開閉センサ15により前カバー14が開状態から閉状態になったか否かを判断する(ステップS6)。CPU71は、前カバー14が閉状態になっていないと判断した場合は(ステップS6のNO)、再び判断を実行する(ステップS6)。CPU71は、前カバー14が閉状態になったと判断した場合は(ステップS6のYES)、モノクロモードを実行するか否かを判定するモノクロモード実行判定処理を実行し(ステップS7)、処理を終了する。
【0047】
次に、上述した
図8に示すステップS2のモノクロモード解除判定処理について、
図9に示すフローチャートに沿って説明する。CPU71は、装着検知センサ25により、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であるか否かを判断する(ステップS8)。CPU71は、全てのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着でない、即ち装着されていると判断した場合は(ステップS8のNO)、処理を終了して、メインルーチンに戻る。CPU71は、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であると判断した場合は(ステップS8のYES)、モノクロモードの実行を解除する(ステップS9)。その後、処理を終了し、メインルーチンに戻る。このように、前カバー14が開いたタイミングで、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であるならば、モノクロモードを解除し、対応する小扉13y,13m,13c,13kを再び開放する。即ち、CPU71は、モノクロモードの実行中において、前カバー14が開放された場合にはモノクロモードを解除し、対応する小扉13y,13m,13c,13kの開放動作を実行するように開放機構27を制御する。これにより、ユーザの手を煩わせることなく、装着が必要なトナー容器42y,42m,42c,42kを明示することができる。
【0048】
次に、上述した
図8に示すステップS4の小扉自動開放処理について、
図10に示すフローチャートに沿って説明する。CPU71は、
図8に示すステップS3において、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kがトナー無しの状態又は未装着であると判断している。まず、CPU71は、装着検知センサ25により、全てのトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されているか否かを判断する(ステップS11)。CPU71は、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されていないと判断した場合は(ステップS11のNO)、後述するステップS22を実行する。
【0049】
CPU71は、全てのトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されていると判断した場合は(ステップS11のYES)、トナー無しの状態と判断されたトナー容器42y,42m,42c,42kに対応するソレノイド21をオン状態にする。ここでは、一例としてトナー容器42yがトナー無しであった場合について説明する。CPU71は、その色に対応する小扉13yの閉状態のロックを解除する(ステップS12)。即ち、CPU71は、トナー濃度センサ85の検知結果に基づいて装着部12yに装着されたトナー容器42yを交換すべく前カバー14を開状態とした際に、小扉13yの開放動作を実行するように開放機構27を制御する。また、CPU71は、ソレノイド21をオン状態に切り換えるときに、タイマ78をスタートさせる。
【0050】
CPU71は、小扉開閉センサ24により小扉13yが開状態であるか否かを判断する(ステップS13)。CPU71は、小扉13yが開状態であると判断した場合は(ステップS13のYES)、ソレノイド21をオフ状態にする(ステップS14)。これにより、無駄な通電を抑制することができる。このとき、前カバー14と、交換すべきトナー容器42yに対応する小扉13yとの両方が開状態であるので、ユーザはトナー容器42yを取り外し、新しいトナー容器42yを装着することができる。
【0051】
CPU71は、小扉13yが開状態でないと判断した場合は(ステップS13のNO)、タイマ78を参照して、ソレノイド21をオン状態にしてから時間T1が経過したか否かを判断する(ステップS15)。ここでの時間T1は、例えば5秒、あるいは10秒程度に設定する。CPU71は、時間T1が経過していないと判断した場合は(ステップS15のNO)、ソレノイド21のオン状態を継続する(ステップS12)。CPU71は、時間T1が経過したと判断した場合は(ステップS15のYES)、小扉13yの開放機構27にエラーが発生したものと判断して、操作パネル11aに、小扉13yの開放機構27に異常が発生している旨を表示する(ステップS16)。これにより、CPU71は、エラーを出力して、ユーザに報知し、メインルーチンに戻る。即ち、CPU71は、前カバー14の開状態の検知後、小扉開閉センサ24により小扉13yの開状態を検知しない場合は、操作パネル11aにより小扉13yが開放されないことに関する情報を出力する。
【0052】
ここで、使用中のトナー容器42yのトナーが無くなった場合のように、前カバー14が開放することに対応して小扉13yが開放動作する場合には、ユーザの動作に起因して小扉13yが開放できなくなる可能性は低い。このため、本実施形態では、このような場合に小扉13yが正常に開かない場合は、小扉13yの開放機構27が故障したと判断し、エラー表示と共に、画像形成装置1の動作を停止する。
【0053】
次に、上述した
図8に示すステップS5の小扉閉塞時処理について、
図11に示すフローチャートに沿って説明する。CPU71は、小扉開閉センサ24により小扉13yが開状態から閉状態になったか否かを判断する(ステップS20)。CPU71は、小扉13yが閉状態になっていないと判断した場合は(ステップS20のNO)、再び小扉13yが開状態から閉状態になったか否かを判断する(ステップS20)。CPU71は、小扉13yが閉状態になったと判断した場合は(ステップS20のYES)、装着検知センサ25により、その色のトナー容器42yが未装着であるか否かを判断する(ステップS21)。CPU71は、トナー容器42yが未装着でない、即ち装着されていると判断した場合は(ステップS21のNO)、処理を終了する。
【0054】
CPU71は、トナー容器42yが未装着であると判断した場合は(ステップS21のYES)、その色のトナー容器42yに対応するソレノイド21をオン状態にして、その色に対応する小扉13yの閉状態のロックを解除する(ステップS22)。また、CPU71は、
図10に示すステップS11において、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されていないと判断した場合も(ステップS11のNO)、ステップS22を実行する。
【0055】
CPU71は、ソレノイド21をオン状態にするときに、タイマ78をスタートさせる。即ち、CPU71は、小扉開閉センサ24により小扉13yの閉状態を検知した際に、装着検知センサ25によりトナー容器42yの装着部12yへの未装着を検知している場合において、所定の制御を実行する。ここでの所定の制御として、CPU71は、小扉13yの閉状態の検知から時間(所定時間)T2の経過前(所定時間経過前)は、小扉13yの開放動作を実行するように開放機構27を制御する(第1モード)。また、CPU71は、開放動作を実行する際には、ソレノイド21をオン状態にすることにより、ラッチ16による小扉13yの閉状態のロックを解除して、小扉13yを付勢ばね19により開放可能にする。
【0056】
CPU71は、小扉開閉センサ24により小扉13yが開状態であるか否かを判断する(ステップS23)。CPU71は、小扉13yが開状態であると判断した場合は(ステップS23のYES)、ソレノイド21をオフ状態にする(ステップS24)。これにより、無駄な通電を抑制することができる。このとき、前カバー14と、交換すべきトナー容器42yに対応する小扉13yとの両方が開状態であるので、ユーザは新しいトナー容器42yを装着することができる。
【0057】
CPU71は、小扉13yが開状態でないと判断した場合は(ステップS23のNO)、タイマ78を参照して、ソレノイド21をオン状態にしてから時間T2が経過したか否かを判断する(ステップS25)。ここでの時間T2は、例えば5秒、あるいは10秒程度で、時間T1と同じに設定する。尚、時間T2と時間T1とは異なっていてもよい。CPU71は、時間T2が経過していないと判断した場合は(ステップS25のNO)、ソレノイド21のオン状態を継続する(ステップS22)。CPU71は、時間T2が経過したと判断した場合は(ステップS25のYES)、ソレノイド21をオフ状態にして、小扉13yの閉状態のロックの解除を停止する(ステップS26)。即ち、CPU71は、小扉13yの閉状態の検知から時間T2が経過しても小扉開閉センサ24により小扉13yの開状態を検知しない場合には、小扉13yの開放動作を実行しないように開放機構27を制御する(第2モード)。また、CPU71は、開放動作を実行しない際には、ソレノイド21をオフ状態にすることにより、ラッチ16により小扉13yを閉状態にロックし、小扉13yの閉状態を許容し、メインルーチンに戻る。
【0058】
ここで、制御部70は、時間T2以内に小扉13yが開かなければ、エラーと判断せずに小扉13yの開放動作を実行しないように開放機構27を制御する。これにより、ユーザがトナー容器42yを未装着のまま、小扉13yを閉め、かつ開かないように小扉13yを押さえた時に、エラーにはならずに、かつユーザが意図した通りに小扉13yが開かなくなるので、画像形成装置1の使い勝手を向上できる。
【0059】
次に、上述した
図8に示すステップS7のモノクロモード実行判定処理について、
図12に示すフローチャートに沿って説明する。CPU71は、装着検知センサ25により、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であるか否かを判断する(ステップS30)。CPU71は、全てのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着でない、即ち装着されていると判断した場合は(ステップS30のNO)、処理を終了し、メインルーチンに戻る。CPU71は、いずれかのトナー容器42y,42m,42c,42kが未装着であると判断した場合は(ステップS30のYES)、モノクロモードを実行する(ステップS31)。即ち、CPU71は、第2モードの実行時において、イエローを含む画像情報が入力された場合であっても、装着部12kに装着されたトナー容器42kを用いて、ブラックのモノクロ画像として画像形成するモノクロモードを実行する。このように、前カバー14を閉じたタイミングでトナー容器42y,42m,42c,42kが装着されているか否かを判定することで、モノクロモードを自動的に実行することができ、画像形成を続行することができるので、ユーザの使い勝手を向上できる。その後、処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0060】
本実施形態では、CPU71は、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー容器42y,42m,42cのいずれかが未装着であり、ブラックのトナー容器42kが装着状態であれば、モノクロモードとして黒単色のみでの画像形成を許可する。尚、CPU71は、モノクロモードであっても、ブラックのトナー容器42kが未装着状態であれば、画像形成の許可を行わないトナー無し状態に移行する。トナー無し状態では、フルカラーモード及びモノクロモードのいずれのモードにおいても画像形成ができないため、作像許可を受け付けない停止状態で待機する。
【0061】
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部70は以下のように制御を実行する。制御部70は、小扉13yの閉状態を検知し、トナー容器42yの装着部12yへの未装着を検知している場合には、小扉13yの閉状態の検知から時間T2の経過前は、小扉13yの開放動作を実行するように開放機構27を制御する第2モードを実行する。制御部70は、この第2モードの実行時において、イエローを含む画像情報が入力された場合であっても、装着部12kに装着されたトナー容器42kを用いて、ブラックのモノクロ画像として画像形成するモノクロモードを実行する。これにより、ブラック以外のトナー容器42y,42m,42cのいずれかが未装着のまま、対応する小扉13y,13m,13cが閉められても、自動的にモノクロモードが実行されて画像形成を継続できるので、画像形成装置1の使い勝手を向上できる。また、ユーザの手によって再び前カバー14が開けられた際は、モノクロモードを解除し、未装着の色の小扉13y,13m,13cが開放され、挿入を促すことでユーザの意図に反しない使い勝手の良い画像形成装置1を得ることができる。
【0062】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図13を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、前カバー14が開放している間に、小扉13yが開閉された回数に応じて処理を変更する点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0063】
本実施形態の画像形成装置1における上述した
図8に示すステップS5の小扉閉塞時処理について、
図13に示すフローチャートに沿って説明する。ここでは、
図11に示すフローチャートに対して、同じ処理については参照符号を同じくして、詳細な説明を省略する。
【0064】
例えば、ユーザがトナー容器42yの未装着状態で、小扉13yを閉じたまま画像形成を実行したい場合には、小扉13yを閉めて、自動で開き、再び閉めるというような動作を取る可能性がある。このため、本実施形態では、小扉13yの開放回数が所定回数に達した場合には、小扉13yの閉状態の検知からの経過時間に拘らず、小扉13yの開放動作を実行しないように開放機構27を制御するようにしている。一方、開放回数が所定回数に達していない場合には、第1の実施形態と同様にする。即ち、制御部70は、小扉13yの閉状態の検知から時間T2の経過前は小扉13yの開放動作を実行するように開放機構27を制御し、時間T2を経過しても小扉13yの開状態を検知しない場合には、小扉13yの開放動作を実行しないように制御する。
【0065】
CPU71は、小扉13yが閉状態になったと判断した場合は(ステップS20のYES)、装着検知センサ25により、トナー容器42yが未装着であるか否かを判断する(ステップS21)。CPU71は、トナー容器42yが未装着であると判断した場合は(ステップS21のYES)、小扉13yが開放された開放回数が所定回数に達したか否かを判断する(ステップS30)。ここでの小扉13yの開放回数は、前カバー14が閉状態から開状態に開放されてから再び閉状態になる前に、小扉13yが閉状態から開状態に開放された回数としている。所定回数は例えば1回としている。
【0066】
CPU71は、小扉13yの開放回数が所定回数に達したと判断した場合は(ステップS30のYES)、小扉13yの開放動作を行うことなく、小扉13yの閉状態を許容したまま処理を終了し、前カバー14を閉じてから画像形成を実行可能にする。尚、CPU71は、開放回数をリセットする。CPU71は、小扉13yの開放回数が所定回数に達していないと判断した場合は(ステップS30のNO)、その色のトナー容器42yに対応するソレノイド21をオン状態にし、その色に対応する小扉13yの閉状態のロックを解除する(ステップS22)。また、CPU71は、タイマ78をスタートさせると共に、開放機構27により小扉13yの開放動作を実行する。また、CPU71は、小扉13yが開状態であると判断した場合は(ステップS23のYES)、ソレノイド21をオフ状態にする(ステップS24)。このとき、開放回数をプラス1する(ステップS31)。
【0067】
本実施形態では、所定回数を1回としているので、最初に開放回数が0で小扉13yが閉じた状態で処理が開始されるが(ステップS20のYES)、開放回数が所定回数に達していない(ステップS30のNO)。このため、小扉13yが自動的に開放され(ステップS22)、開放回数がプラス1されて(ステップS31)、一旦処理が終了する。そして、ユーザにより小扉13yが閉じられて、再び処理が開始され(ステップS20のYES)、今度は開放回数が所定回数に達しているので(ステップS30のYES)、小扉13yは閉状態を許容され、開放回数を0にして処理を終了する。本実施形態では、所定回数を1回としているが、これには限られず、0回、あるいは2回以上に設定してもよい。
【0068】
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部70は、小扉13yの開放回数が所定回数に達しない場合は、小扉13yの開放動作を実行し、開放回数が所定回数に達した場合は、開放動作を実行せず小扉13yの閉状態を許容する。このように、トナー容器42yが未装着のままユーザの手によって小扉13yを閉じられた際は、ユーザが意図して未装着のまま小扉13yを閉じているとして、ユーザの望まない小扉13yの開放を防ぐことができる。これにより、ユーザがトナー容器42yを未装着のまま、小扉13yを閉め、かつ開かないように小扉13yを押さえた時に、エラーにはならずに、かつユーザが意図した通りに小扉13yが開かなくなるので、画像形成装置1の使い勝手を向上できる。また、本実施形態によっても、ブラック以外のトナー容器42y,42m,42cのいずれかが未装着のまま、対応する小扉13y,13m,13cが閉められても、自動的にモノクロモードが実行されて画像形成を継続できる。このため、画像形成装置1の使い勝手を向上できる。
【0069】
<他の実施形態>
上述した各実施形態の画像形成装置1では、モノクロモードで使用される第2の色を黒色とした場合について説明したが、これには限られず、モノクロモードで黒色以外の色を使用してもよい。
【0070】
また、上述した第2の実施形態の画像形成装置1では、小扉13yの開放動作を実行するか否かの判断において、開放回数の判断と時間T2の経過の判断との両方を採用しているが、これには限られず、開放回数の判断のみであってもよい。
【0071】
また、上述した各実施形態の画像形成装置1では、ソレノイド21として、非通電時に戻しばねにより戻る構成を適用しているが、ソレノイドの構成はこれには限られない。例えば、ソレノイド21としては、通電により変位した位置が非通電時に原位置に戻らずに保持される自己保持型ソレノイドを適用してもよい。これにより、例えば、通電により小扉13yのロックを解除したまま電源オフされても、ロックの解除状態を維持することができる。この場合、小扉13yのロックを解除した状態で、ユーザが小扉13yを閉じて小扉開閉センサ24により小扉13yの閉状態が検知されると、制御部70は装着検知センサ25を参照する。制御部70は、装着検知センサ25によりトナー容器42yが未装着であると検知された場合は、ソレノイドに通電せずに、小扉13yのロックを解除したままにする。また、制御部70は、装着検知センサ25によりトナー容器42yが装着されていると検知された場合は、ソレノイドに通電して、小扉13yを閉状態にロックする。
【0072】
また、上述した各実施形態の画像形成装置1では、トナー容器42yのトナーの残量をトナー濃度センサ85の検知結果に基づいて検知した場合について説明したが、これには限られない。例えば、トナーホッパにトナー容器42yから排出されたトナーを収容する貯蔵容器を設け、貯蔵容器の側壁に残量検知センサ(残量検知手段)を設けるようにしてもよい。この残量検知センサは、例えばピエゾ式センサであり、センサ面の近傍のトナーの有無によって出力電圧が変化することを利用してトナー粉面の高さを検出することで、トナー容器42y内の現像剤の残量に関する情報を検知可能である。