特開2021-6929(P2021-6929A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-6929偏光板用保護フィルム及びそれを用いた偏光板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6929(P2021-6929A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】偏光板用保護フィルム及びそれを用いた偏光板
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20201218BHJP
【FI】
   G02B5/30
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2020-169127(P2020-169127)
(22)【出願日】2020年10月6日
(62)【分割の表示】特願2019-148998(P2019-148998)の分割
【原出願日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】特願2013-271343(P2013-271343)
(32)【優先日】2013年12月27日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 貴志
(72)【発明者】
【氏名】住田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知大
【テーマコード(参考)】
2H149
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AB16
2H149BA02
2H149CA02
2H149CB13
2H149FA03W
2H149FA08X
2H149FC01
2H149FD05
2H149FD06
2H149FD25
2H149FD33
2H149FD47
(57)【要約】
【課題】表面処理層や偏光フィルムに対する密着性に優れる延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる偏光板用保護フィルム、及びこれを用いた偏光板を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が2.5×10-4以下である単層の延伸フィルムを含む偏光板用保護フィルム、及び偏光フィルムと、その少なくとも一方の面に接着剤層を介して積層される上記偏光板用保護フィルムとを含む偏光板である。延伸フィルムは、例えば二軸延伸フィルムであることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光フィルムに、活性エネルギー線硬化性接着剤層を介して積層される偏光板用保護フィルムであって、
メタクリル酸エステル由来の構成単位とアクリル酸エステル由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が1.5×10-4以上1.7×10-4以下である延伸フィルムを含み、
前記延伸フィルムは、ゴム粒子を含む偏光板用保護フィルム。
【請求項2】
前記ゴム粒子は、前記(メタ)アクリル系樹脂との合計量を基準に30重量%以下である請求項1に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項3】
前記偏光フィルムに対する密着性が、温度23℃、相対湿度55%RHの条件下で5.01N/25mm以上である請求項1又は2に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項4】
前記延伸フィルムは、二軸延伸フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項5】
前記延伸フィルムは、その厚みが10〜150μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項6】
前記延伸フィルム上に積層される表面処理層をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項7】
前記延伸フィルムの厚み方向の位相差値(Rth)が−35nm〜35nmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項8】
前記延伸フィルムの面内の位相差値(R0)が0nm〜15nmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項9】
偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記接着剤層を介して積層される請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルムと、
を含む、偏光板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル系樹脂からなる偏光板用保護フィルム及びそれを用いた偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等に使用されている偏光板は通常、偏光フィルムの両面又は片面に透明な保護フィルムが接着剤層を介して積層された構造を有する。かかる偏光板用保護フィルムには従来、トリアセチルセルロースが広く用いられてきたが、偏光板の耐湿熱性等を改善すべく、近年では保護フィルムに透湿度の低い延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いることが提案されている。
【0003】
しかし、延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、その表面に形成され得る各種の表面処理層に対する密着性や、接着剤層を介した偏光フィルムに対する密着性が比較的低いため、表面処理層や偏光フィルムが剥離しやすいという問題があった。
【0004】
上記問題を解決し得る方法として、特開2009−205135号公報(特許文献1)には、延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける偏光フィルムとの接着面に水性(メタ)アクリル系樹脂分散体を用いて易接着層を形成することが記載されている。また、特開2008−058768号公報(特許文献2)には、上記接着面に(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含む塗布層を形成することが記載されている。
【0005】
特開2012−159665号公報(特許文献3)には、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート又はトリアセチルセルロースからなる位相差フィルム表面の面配向係数を0.8×10-3以下とすることにより、位相差フィルムと偏光フィルムとの接着性を改善できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−205135号公報
【特許文献2】特開2008−058768号公報
【特許文献3】特開2012−159665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記易接着層や塗布層のような別途の層を設けずとも、表面処理層や偏光フィルムに対する密着性に優れる延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる偏光板用保護フィルム、及びこれを用いた偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に示す偏光板用保護フィルム及び偏光板を提供する。
[1] (メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が2.5×10-4以下である延伸フィルムを含む偏光板用保護フィルム。
【0009】
[2] 前記延伸フィルムは、ゴム粒子を含む[1]に記載の偏光板用保護フィルム。
[3] 前記延伸フィルムは、二軸延伸フィルムである[1]又は[2]に記載の偏光板用保護フィルム。
【0010】
[4] 前記延伸フィルムは、その厚みが10〜150μmである[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
【0011】
[5] 前記延伸フィルム上に積層される表面処理層をさらに含む[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
【0012】
[6] 前記延伸フィルムの厚み方向の位相差値(Rth)が−35nm〜35nmである[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
【0013】
[7] 前記延伸フィルムの面内の位相差値(R0)が0nm〜15nmである[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
【0014】
[8] 偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に接着剤層を介して積層される[1]〜[7]のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムと、
を含む、偏光板。
【0015】
[9] 前記接着剤層が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及び(メタ)アクリル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一つの成分の硬化物を含む[8]に記載の偏光板。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表面処理層や偏光フィルムに対する密着性に優れる偏光板用保護フィルムを提供することができる。当該偏光板用保護フィルムを用いた本発明の偏光板は、延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光フィルム及び表面処理層との密着性に優れており、高い耐久性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<偏光板用保護フィルム>
本発明の偏光板用保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」ともいう。)は、(メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が2.5×10-4以下である延伸フィルムを含む。本発明において「偏光板用保護フィルム」とは、偏光フィルム上に積層される偏光フィルムを保護するためのフィルムであり、偏光板の構成要素の1つとなるフィルムである。また、「(メタ)アクリル」とは、メタクリル及び/又はアクリルを意味する。
【0018】
(1)延伸フィルムの面配向係数ΔP
本発明の保護フィルムが備える延伸フィルム(延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルム)は、面配向係数ΔPの絶対値が2.5×10-4以下とされる。本発明の保護フィルムによれば、延伸フィルムの表面に形成される各種の表面処理層や、延伸フィルムの表面に接着剤層を介して貼合される偏光フィルムとの密着性を向上させることができる。
【0019】
面配向係数ΔPは、フィルムを構成する高分子の分子鎖の配向状態に関する指標となる物性値であり、フィルムの面内遅相軸方向(面内で屈折率が最大になる方向)の屈折率をnx、面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとするとき、下記式:
面配向係数ΔP=(nx+ny)/2−nz
で定義される。例えばMD(Machine Direction)及びTD(Transverse Direction)に二軸延伸したフィルムの場合、面配向係数ΔPの絶対値が大きいほど、高分子の分子鎖がフィルムの厚み方向に対してより垂直に配向していることを意味する。一般に、延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムの面配向係数ΔPは、負の値をとる。
【0020】
表面処理層や偏光フィルムとの密着性を高める観点から、面配向係数ΔPの絶対値は、2.0×10-4以下であることが好ましい。また、面配向係数ΔPの絶対値は、好ましくは0.3×10-4以上であり、より好ましくは0.9×10-4以上である。
【0021】
面内位相差値R0及び厚み方向位相差値Rthは、フィルムの面内遅相軸方向(面内で屈折率が最大になる方向)の屈折率をnx、面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnz、延伸フィルムの厚みをdするとき、下記式:
面内位相差値R0=(nx−ny)×d
厚み方向位相差値Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
で定義される。前記延伸フィルムの面内位相差値R0は、好ましくは0nm〜15nmであり、より好ましくは0nm〜5nmである。前記延伸フィルムの厚み方向位相差値Rthは、好ましくは−35nm〜35nmであり、より好ましくは−10nm〜10nmである。
【0022】
(2)延伸フィルムの軸配向性
延伸フィルムは、一軸延伸フィルムであってもよいが、通常は二軸延伸フィルムであり、表面処理層や偏光フィルムとの密着性により優れることから、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
【0023】
延伸フィルムが二軸性を有しているか否かは、Nz係数を測定することにより評価できる。Nz係数は、下記式:
z係数=(nx−nz)/(nx+ny
で定義される。一般に、二軸性を有するフィルムは、Nz係数が1から外れた値をとる。これに対して、一軸性を有するフィルムは、一般に、Nz係数が1又はその近傍となる。
【0024】
(3)延伸フィルムの厚み及び材質等
延伸フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂からなり、その厚みは10〜150μm程度であることができ、好ましくは20〜100μm程度であり、より好ましくは25〜80μm程度である。延伸フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂からなる単層フィルムを延伸したものであってもよいし、(メタ)アクリル系樹脂からなる多層フィルムを延伸したものであってもよい。延伸フィルムが多層フィルムである場合、各層は同じ組成の(メタ)アクリル系樹脂組成物から形成されていてもよいし、異なる組成の(メタ)アクリル系樹脂組成物から形成されていてもよい。例えば、紫外線吸収剤を含有する層と紫外線吸収剤を含有しない層との積層構造のように、層ごとに添加剤の配合組成を変えることもできる。
【0025】
延伸フィルムを構成する(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を含む重合体である。該重合体は、典型的にはメタクリル酸エステルを含む重合体であり、好ましくはメタクリル酸エステルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準に、メタクリル酸エステル由来の構成単位を50重量%以上含む重合体であり、より好ましくはメタクリル酸エステル由来の構成単位を80重量%以上含む重合体である。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、全モノマー量を基準に、メタクリル酸エステル由来の構成単位を50重量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50重量%以下含む共重合体であってもよい。
【0026】
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得る上記メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルを用いることができ、その具体例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるメタクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、メタクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
中でも、耐久性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチル由来の構成単位を含むことが好ましく、この構成単位を全モノマー量を基準に50重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことがさらに好ましい。
【0028】
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得る上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステルや、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーを挙げることができる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、その具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、アクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーとしては、例えば、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する単官能モノマーや、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する多官能モノマーを挙げることができるが、単官能モノマーが好ましく用いられる。単官能モノマーの具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのようなシアン化アルケニル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のような不飽和酸;N−置換マレイミドを含む。
【0030】
また、多官能モノマーの具体例は、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンのような芳香族ポリアルケニル化合物を含む。メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
(メタ)アクリル系樹脂の好ましいモノマー組成は、全モノマー量を基準に、メタクリル酸アルキルエステルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルエステルが0〜50重量%、これら以外の重合性モノマーが0〜50重量%であり、より好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、アクリル酸アルキルエステルが0.1〜50重量%、これら以外の重合性モノマーが0〜49.9重量%であり、さらに好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル80〜99.9重量%、アクリル酸アルキルエステルが0.1〜20重量%、これら以外の重合性モノマーが0〜19.9重量%である。
【0032】
上記のようなモノマーを含むモノマー組成物をラジカル重合させることにより、(メタ)アクリル系樹脂を調製することができる。モノマー組成物は、必要に応じて溶剤や重合開始剤を含むことができる。
【0033】
延伸フィルムは、必要に応じて、ゴム粒子、滑剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤を1種又は2種以上含有してもよい。
【0034】
延伸フィルムにゴム粒子を配合することは、表面処理層や偏光フィルムとの密着性をさらに向上させるうえで有利である。また、ゴム粒子を配合することにより、(メタ)アクリル系樹脂の製膜性や、延伸フィルム表面の滑り性等を改善することもできる。
【0035】
ここでいうゴム粒子とは、ゴム弾性を示す層を含むゴム弾性体粒子である。ゴム粒子は、ゴム弾性を示す層のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性を示す層とともに他の層を有する多層構造の粒子であってもよい。ゴム弾性体としては、例えば、オレフィン系弾性重合体、ジエン系弾性重合体、スチレン−ジエン系弾性共重合体、アクリル系弾性重合体などが挙げられる。中でも、延伸フィルムの耐光性、及び透明性の観点から、アクリル系弾性重合体が好ましく用いられる。
【0036】
アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準にアクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上含む重合体であることができる。アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50重量%以下含む共重合体であってもよい。
【0037】
アクリル系弾性重合体を構成するアクリル酸アルキルとしては通常、そのアルキル基の炭素数が4〜8のものが用いられる。上記他の重合性モノマーの例を挙げれば、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルのようなメタクリル酸アルキル;スチレン、アルキルスチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのような不飽和ニトリル等の単官能モノマー、さらには、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル;アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等の多官能モノマーである。
【0038】
アクリル系弾性重合体を含むゴム粒子は、アクリル系弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であることが好ましい。具体的には、アクリル系弾性重合体の層の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する2層構造のものや、さらにアクリル系弾性重合体の層の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する3層構造のものが挙げられる。
【0039】
アクリル系弾性重合体の層の外側又は内側に形成される硬質の重合体層を構成するメタクリル酸アルキルを主体とする重合体におけるモノマー組成の例は、(メタ)アクリル系樹脂の例として挙げたメタクリル酸アルキルを主体とする重合体のモノマー組成の例と同様であり、特にメタクリル酸メチルを主体とするモノマー組成が好ましく用いられる。このような多層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子は、例えば特公昭55−27576号公報に記載の方法によって製造することができる。
【0040】
ゴム粒子は、その中に含まれるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径が10〜350nmの範囲にあることが好ましい。かかる範囲の平均粒径は、表面処理層や偏光フィルムとの密着性を向上させるうえで有利である。また、フィルム表面にわずかな凹凸が形成されるため、延伸フィルムの滑り性を高めることができる。当該平均粒径は、より好ましくは30nm以上、さらには50nm以上であり、またより好ましくは300nm以下、さらには280nm以下である。
【0041】
ゴム粒子におけるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径は、次のようにして測定される。すなわち、このようなゴム粒子を(メタ)アクリル系樹脂に混合してフィルム化し、その断面を酸化ルテニウムの水溶液で染色すると、ゴム弾性体層だけが着色してほぼ円形状に観察され、母層の(メタ)アクリル系樹脂は染色されない。そこで、このようにして染色されたフィルム断面から、ミクロトーム等を用いて薄片を調製し、これを電子顕微鏡で観察する。そして、無作為に100個の染色されたゴム粒子を抽出し、各々の粒子径(ゴム弾性体層までの径)を算出した後、その数平均値を上記平均粒径とする。このような方法で測定するため、得られる上記平均粒径は、数平均粒径となる。
【0042】
最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、その中にゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)が包み込まれているゴム粒子である場合、それを母体の(メタ)アクリル系樹脂に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体の(メタ)アクリル系樹脂と混和する。そのため、その断面を酸化ルテニウムで染色し、電子顕微鏡で観察すると、ゴム粒子は、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がアクリル系弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である2層構造のゴム粒子である場合には、内層のアクリル系弾性重合体部分が染色されて単層構造の粒子として観察される。また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、中間層がアクリル系弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である3層構造のゴム粒子の場合には、最内層の粒子中心部分が染色されず、中間層のアクリル系弾性重合体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。
【0043】
表面処理層や偏光フィルムとの密着性、(メタ)アクリル系樹脂の製膜性、延伸フィルム表面の滑り性等の観点から、ゴム粒子は、上述の延伸フィルムを構成する(メタ)アクリル系樹脂との合計量を基準に、45重量%以下の割合で配合されることが好ましく、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
【0044】
延伸フィルムがゴム粒子を含む場合において、延伸フィルムの作製に用いられるゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物は、(メタ)アクリル系樹脂とゴム粒子とを溶融混練等により混合することによって得ることができるほか、まずゴム粒子を作製し、その存在下に(メタ)アクリル系樹脂の原料となるモノマー組成物を重合させる方法によっても得ることができる。
【0045】
また、延伸フィルムに滑剤を含有させると、延伸フィルムをロール状に巻いたときの巻き締まりを防ぐことができ、それにより、巻いた状態での荷姿が改善される。滑剤は、延伸フィルム表面の滑り性を向上させる機能を有するものであればよく、例えば、ステアリン酸系化合物、(メタ)アクリル系化合物、エステル系化合物等がある。中でも、ステアリン酸系化合物が、滑剤として好ましく用いられる。
【0046】
滑剤であるステアリン酸系化合物の例は、ステアリン酸自体のほか、ステアリン酸メチルやステアリン酸エチル、ステアリン酸モノグリセライドのようなステアリン酸エステル;ステアリン酸アミド;ステアリン酸ナトリウムやステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムのような12−ヒドロキシステアリン酸及びその金属塩を含む。中でも、ステアリン酸が好ましく用いられる。
【0047】
滑剤の配合量は、(メタ)アクリル系樹脂及びゴム粒子の合計100重量部に対して、通常0.15重量部以下、好ましくは0.1重量部以下、より好ましくは0.07重量部以下の範囲である。滑剤の配合量が多すぎると、滑剤が延伸フィルムからブリードアウトしたり、フィルムの透明性を低下させたりするおそれがある。
【0048】
紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物である。延伸フィルムに紫外線吸収剤を配合することで、偏光フィルムにこの延伸フィルムを含む保護フィルムが貼合された偏光板の耐久性(耐光性)を向上させることができる。すなわち、延伸フィルムに紫外線吸収剤を含有させることで、そのフィルムを保護フィルムとする偏光板の色調を悪化させることなく紫外線を効率的に遮断することができ、偏光板の長期使用時の偏光度低下を抑制することができる。
【0049】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤のような公知の紫外線吸収剤を使用することができる。
【0050】
紫外線吸収剤の具体例は、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含む。これらの中でも、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕は、好ましい紫外線吸収剤の一つである。
【0051】
紫外線吸収剤の配合量は、延伸フィルムの波長370nm以下における光線透過率が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下となる範囲で選択することができる。また、延伸フィルムの波長380nmにおける透過率が、25%以下、さらには15%以下、とりわけ7%以下となるように、紫外線吸収剤を配合することも好ましい。紫外線吸収剤の具体的な配合量は、上記光線透過率を満たすように決定すればよい。
【0052】
赤外線吸収剤は、波長800nm以上の赤外線を吸収する化合物であり、例えば、ニトロソ化合物又はその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリールメタン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、カーボンブラック、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期律表の4A族、5A族若しくは6A族に属する金属の酸化物、炭化物又はホウ化物等を挙げることができる。これらの赤外線吸収剤は、赤外線(波長約800〜1100nmの範囲の光)全体を吸収できるように選択することが好ましく、2種類以上を併用してもよい。赤外線吸収剤の配合量は、延伸フィルムの波長800nm以上における光線透過率が10%以下となるように選択されることが好ましい。
【0053】
延伸フィルムの少なくとも一方の面の中心線平均粗さは、上述のゴム粒子の数平均粒径の1/3以下であることが好ましく、また、0.01〜0.05μm程度であることが好ましく、両者を満足することがより好ましい。また、このように調整された面を偏光フィルムとの貼合面とすることが好ましい。中心線平均粗さは、JIS B 0601に規定される方法に従って測定される値である。
【0054】
延伸フィルムの表面の中心線平均粗さを0.01μm以上とすることにより、フィルム自身を巻き形状としたときのフィルム同士のブロッキングを抑制することができる。また、中心線平均粗さを0.05μm以下とすることにより、接着剤層を介した偏光フィルムとの密着性を高めることができるとともに、延伸フィルム表面の粗度による画面の白化やコントラストの低下のような液晶表示装置の表示品位の劣化を抑制することができる。
【0055】
延伸フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂に残留していた溶剤や、(メタ)アクリル系樹脂組成物に必要に応じて添加される溶剤等に由来する溶剤を含有し得るが、延伸フィルムに含まれる残留溶剤量は、該フィルムの重量を基準に0.01重量%以下であることが好ましい。残留溶剤量は、延伸フィルムを200℃で30分間加熱した際の重量減少値として、又はその加熱によって発生するガス量のガスクロマトグラフィー定量値として求めることができる。
【0056】
残留溶剤量が0.01重量%以下であることにより、例えば、偏光板が高温・高湿度環境下に曝される場合においても、保護フィルムの変形を防止できるとともに、保護フィルム及び偏光板の光学性能の劣化を防止することができる。
【0057】
(4)表面処理層
本発明の保護フィルムは、上記延伸フィルム上に積層される表面処理層を備えることができる。表面処理層とは、延伸フィルム表面に形成される層であり、延伸フィルムに表面処理層を付与することで、表面処理層の種類に応じた特定の機能を保護フィルムに付与することができる。表面処理層の例を挙げれば、例えば
〔a〕表面の擦り傷防止のためのハードコート層、
〔b〕帯電防止層、
〔c〕反射防止層、
〔d〕防汚層、
〔e〕視認性向上、外光の映り込み防止、プリズムシートとカラーフィルターの干渉によるモアレ低減等を担う防眩層、
である。
【0058】
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、延伸フィルムの表面硬度を高める機能を有し、表面の擦り傷防止等の目的で設けられる。ハードコート層は、JIS K 5600−5−4:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に規定される鉛筆硬度試験(ハードコート層を有する光学フィルムをガラス板の上に置いて測定する)でH又はそれより硬い値を示すことが好ましい。
【0059】
ハードコート層を形成する材料は、一般に、熱や光によって硬化するものである。例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、(メタ)アクリル系、ウレタン(メタ)アクリレート系のような有機ハードコート材料、二酸化ケイ素のような無機ハードコート材料を挙げることができる。これらの中でも、延伸フィルムに対する密着性が良好であり、生産性に優れることから、ウレタン(メタ)アクリレート系又は多官能(メタ)アクリレート系ハードコート材料が好ましく用いられる。
【0060】
ハードコート層は、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、さらには耐熱性、帯電防止性、防眩性等の向上を図る目的で、各種フィラーを含有することができる。またハードコート層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤のような添加剤を含有することもできる。
【0061】
〔帯電防止層〕
帯電防止層は、延伸フィルムの表面に導電性を付与し、静電気による影響を抑制する等の目的で設けられる。帯電防止層の形成には、例えば、導電性物質(帯電防止剤)を含有する樹脂組成物を延伸フィルム上に塗布する方法が採用できる。例えば、上述したハードコート層の形成に用いるハードコート材料に帯電防止剤を共存させておくことにより、帯電防止性のハードコート層を形成することができる。
【0062】
〔反射防止層〕
反射防止層は、外光の反射を防止するための層であり、延伸フィルムの表面に直接、又はハードコート層等の他の層を介して設けられる。反射防止層を有する延伸フィルムは、波長430〜700nmの光に対する入射角5°での反射率が2%以下であることが好ましく、波長550nmの光に対する同じ入射角での反射率が1%以下であることがより好ましい。
【0063】
反射防止層の厚みは、0.01〜1μm程度とすることができるが、好ましくは0.02〜0.5μmである。反射防止層は、それが設けられる層〔延伸フィルムやハードコート層等〕の屈折率よりも小さい屈折率、具体的には1.30〜1.45の屈折率を有する低屈折率層からなるもの、無機化合物からなる薄膜の低屈折率層と無機化合物からなる薄膜の高屈折率層とを交互に複数積層したもの等であることができる。
【0064】
上記の低屈折率層を形成する材料は、屈折率の小さいものであれば特に制限されない。例えば、紫外線硬化性(メタ)アクリル樹脂のような樹脂材料;樹脂中にコロイダルシリカのような無機微粒子を分散させたハイブリッド材料;アルコキシシランを含むゾル−ゲル材料等を挙げることができる。このような低屈折率層は、重合済みのポリマーを塗布することによって形成してもよいし、前駆体であるモノマー又はオリゴマーの状態で塗布し、その後重合硬化させることによって形成してもよい。また、それぞれの材料は、防汚性を付与するために、分子内にフッ素原子を有する化合物を含むことが好ましい。
【0065】
低屈折率層を形成するためのゾル−ゲル材料としては、分子内にフッ素原子を有するものが好適に用いられる。分子内にフッ素原子を有するゾル−ゲル材料の典型的な例を挙げると、ポリフルオロアルキルアルコキシシランがある。ポリフルオロアルキルアルコキシシランは、例えば、下記式:
CF3(CF2nCH2CH2Si(OR)3
で示される化合物であることができ、ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜12の整数を表す。中でも、上記式中のnが2〜6である化合物が好ましい。
【0066】
ポリフルオロアルキルアルコキシシランの具体例として、次のような化合物を挙げることができる。
【0067】
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等。
【0068】
低屈折率層は、熱硬化性含フッ素化合物又は活性エネルギー線硬化性含フッ素化合物の硬化物で構成することもできる。この硬化物は、その動摩擦係数が0.03〜0.15の範囲内にあることが好ましく、水に対する接触角が90〜120°の範囲内にあることが好ましい。硬化性含フッ素化合物として、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、上記した3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等)のほか、架橋性官能基を有する含フッ素重合体を挙げることができる。
【0069】
架橋性官能基を有する含フッ素重合体は、1)フッ素含有モノマーと架橋性官能基を有するモノマーとを共重合させる方法、又は、2)フッ素含有モノマーと官能基を有するモノマーとを共重合させ、次いで重合体中の上記官能基に架橋性官能基を有する化合物を付加させる方法、によって製造することができる。
【0070】
上記フッ素含有モノマーとしては、例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールのようなフルオロオレフィン類;(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類;(メタ)アクリル酸の完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類が挙げられる。
【0071】
上記架橋性官能基を有するモノマー又は架橋性官能基を有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのようなグリシジル基を有するモノマー;アクリル酸やメタクリル酸のようなカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシアルキルアクリレートやヒドロキシアルキルメタクリレートのような水酸基を有するモノマー;アリルアクリレートやアリルメタクリレートのようなアルケニル基を有するモノマー;アミノ基を有するモノマー;スルホン酸基を有するモノマーを挙げることができる。
【0072】
低屈折率層を形成するための材料は、耐擦傷性を向上させ得ることから、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の無機化合物微粒子がアルコール溶媒に分散しているゾルが含まれるもので構成することもできる。このために用いる無機化合物微粒子は、反射防止性の観点から屈折率の小さいものほど好ましい。この無機化合物微粒子は、空隙を有するものであってもよく、特にシリカの中空微粒子が好ましい。中空微粒子の平均粒径は、5〜2000nmの範囲内にあることが好ましく、とりわけ20〜100nmの範囲内にあることがより好ましい。ここでいう平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって求められる数平均粒径である。
【0073】
〔防汚層〕
防汚層は、撥水性、撥油性、耐汗性、防汚性等を付与するために設けられる。防汚層を形成するための好適な材料は、フッ素含有有機化合物である。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、これらの高分子化合物等を挙げることができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、蒸着やスパッタリングを代表例とする物理的気相成長法、化学的気相成長法、湿式コーティング法等を用いることができる。防汚層の平均厚みは、通常1〜50nm程度、好ましくは3〜35nmである。
【0074】
〔防眩層〕
防眩層は、表面に微細な凹凸形状を有する層であり、好ましくは、上述したハードコート材料を用いて形成される。
【0075】
表面に微細な凹凸形状を有する防眩層は、1)延伸フィルム上に微粒子を含有する塗膜を形成し、その微粒子に基づく凹凸を設ける方法、2)微粒子を含有するか、又は含有しない塗膜を延伸フィルム上に形成した後、表面に凹凸形状が付与された金型(ロール等)に押し当てて凹凸形状を転写する方法(エンボス法とも呼ばれる)、等によって形成することができる。
【0076】
上記1)の方法においては、硬化性透明樹脂と微粒子とを含む硬化性樹脂組成物を延伸フィルム上に塗布し、紫外線等の光照射又は加熱によって塗布層を硬化させることにより防眩層を形成することができる。硬化性透明樹脂は、高硬度(ハードコート)となる材料から選定されることが好ましい。かかる硬化性透明樹脂としては、紫外線硬化性樹脂のような光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができるが、生産性や得られる防眩層の硬度等の観点から、光硬化性樹脂が好ましく使用され、より好ましくは紫外線硬化性樹脂である。光硬化性樹脂を使用する場合、硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤をさらに含む。
【0077】
光硬化性樹脂としては、一般に多官能(メタ)アクリレートが用いられる。その具体例は、トリメチロールプロパンのジ−又はトリ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールのトリ−又はテトラ−(メタ)アクリレート;分子内に水酸基を少なくとも1個有する(メタ)アクリレートとジイソシアネートとの反応生成物である多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含む。これらの多官能(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で、又は必要に応じて2種以上組み合わせて用いることができる。
【0078】
また、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、及び水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーの混合物を光硬化性樹脂とすることもできる。この光硬化性樹脂を構成する多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、並びにジイソシアネートを用いて製造される。具体的には、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルとポリオールから、分子内に水酸基を少なくとも1個有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを調製し、これをジイソシアネートと反応させることにより、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。このようにして製造される多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、先に掲げた光硬化性樹脂自体ともなるものである。その製造にあたっては、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ポリオール及びジイソシアネートも同様に、それぞれ1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0079】
多官能ウレタン(メタ)アクリレートの一つの原料となる(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸の鎖状又は環状アルキルエステルであることができる。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート、及び、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのようなシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0080】
多官能ウレタン(メタ)アクリレートのもう一つの原料となるポリオールは、分子内に水酸基を少なくとも2個有する化合物である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸のネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類等を挙げることができる。
【0081】
多官能ウレタン(メタ)アクリレートのさらにもう一つの原料となるジイソシアネートは、分子内に2個のイソシアナト基(−NCO)を有する化合物であり、芳香族、脂肪族又は脂環式の各種ジイソシアネートを用いることができる。具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらのうち芳香環を有するジイソシアネートの核水添物等を挙げることができる。
【0082】
多官能ウレタン(メタ)アクリレートとともに上記した光硬化性樹脂を構成するポリオール(メタ)アクリレートは、分子内に少なくとも2個の水酸基を有する化合物(すなわち、ポリオール)の(メタ)アクリレートである。その具体例としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ポリオール(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリオール(メタ)アクリレートは、好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート及び/又はペンタエリスリトールテトラアクリレートを含む。
【0083】
さらに、これらの多官能ウレタン(メタ)アクリレート及びポリオール(メタ)アクリレートとともに光硬化性樹脂を構成する、水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーは、一つの構成単位中に水酸基を2個以上含むアルキル基を有するものである。例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーや、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとともに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマー等が挙げられる。
【0084】
以上、例示したような(メタ)アクリル系の光硬化性樹脂を用いることは、延伸フィルムとの密着性の観点から有利であるとともに、機械的強度が向上するので、表面の傷付きを効果的に防止できる防眩フィルム(防眩層付保護フィルム)を得るうえでも有利である。
【0085】
上記微粒子としては、平均粒径が0.5〜5μmで、硬化後の硬化性透明樹脂との屈折率差が0.02〜0.2であるものを用いることが好ましい。平均粒径及び屈折率差がこの範囲内にある微粒子を用いることにより、効果的にヘイズを発現させることができる。この微粒子の平均粒径は、動的光散乱法等によって求めることができる。この場合の平均粒径は、重量平均粒径となる。
【0086】
微粒子は有機微粒子又は無機微粒子であることができる。有機微粒子としては、一般に樹脂粒子が用いられ、例えば、架橋ポリ(メタ)アクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子等が挙げられる。また、無機微粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等を用いることができる。
【0087】
上記光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ベンゾインエーテル系、アミン系、ホスフィンオキサイド系等、各種のものを用いることができる。アセトフェノン系光重合開始剤に分類される化合物の例は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(別名ベンジルジメチルケタール)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンを含む。ベンゾフェノン系光重合開始剤に分類される化合物の例は、ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノンを含む。ベンゾインエーテル系光重合開始剤に分類される化合物の例は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルを含む。アミン系光重合開始剤に分類される化合物の例は、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(別名ミヒラーズケトン)を含む。ホスフィンオキサイド系光重合開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドを含む。ほかに、キサントン系化合物やチオキサント系化合物等も、光重合開始剤として用いることができる。
【0088】
これらの光重合開始剤は市販されている。代表的な市販品の例を商品名で挙げると、ドイツのBASF社から販売されている「イルガキュア 907」、「イルガキュア 184」、「ルシリン TPO」等がある。
【0089】
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を含むことができる。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルのような、硬化性樹脂組成物を構成する各成分を溶解し得る任意の有機溶剤を用いることができる。2種以上の有機溶剤を混合して用いることもできる。
【0090】
また硬化性樹脂組成物は、レベリング剤を含有してもよく、例えば、フッ素系又はシリコーン系のレベリング剤を用いることができる。シリコーン系のレベリング剤には、反応性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等がある。シリコーン系レベリング剤の中でも好ましいものは、反応性シリコーン及びシロキサン系のレベリング剤である。反応性シリコーンからなるレベリング剤を用いれば、防眩層表面に滑り性が付与され、優れた耐擦傷性を長期間持続させることができる。また、シロキサン系のレベリング剤を用いれば、膜成形性を向上させることができる。
【0091】
一方、上記2)の方法(エンボス法)により微細表面凹凸形状を有する防眩層を形成する場合には、微細凹凸形状が形成された金型を用いて、金型の形状を延伸フィルム上に形成された樹脂層に転写すればよい。エンボス法により微細表面凹凸形状を形成する場合、凹凸形状が転写される樹脂層は、微粒子を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。上記樹脂層を構成する樹脂は、好ましくは、上記1)の方法において例示したような光硬化性樹脂であり、より好ましくは紫外線硬化性樹脂である。ただし、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光重合開始剤を適宜選択することにより、紫外線より波長の長い可視光で硬化が可能な可視光硬化性樹脂を用いることもできる。
【0092】
エンボス法では、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物を延伸フィルム上に塗布し、その塗布層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が塗布層に転写される。より具体的には、硬化性樹脂組成物を延伸フィルム上に塗布し、塗布層を金型の凹凸面に密着させた状態で、延伸フィルム側から紫外線等の光を照射して塗布層を硬化させ、次に、硬化後の塗布層(防眩層)を有する延伸フィルムを金型から剥離することにより、金型の凹凸形状を防眩層に転写する。
【0093】
防眩層の厚みは特に限定されないが、一般には2〜30μmであり、好ましくは3μm以上、また好ましくは20μm以下である。防眩層が薄すぎると、十分な硬度が得られず、表面が傷付きやすくなる傾向にあり、一方で厚すぎると、割れやすくなったり、防眩層の硬化収縮によりフィルムがカールして生産性が低下したりする傾向にある。
【0094】
防眩層を有する延伸フィルムのヘイズ値は、5〜50%の範囲にあることが好ましい。ヘイズ値が小さすぎると、十分な防眩性能が得られず、防眩層付延伸フィルムを備える偏光板を画像表示装置に適用したときに画面に外光の映り込みが生じやすくなる。一方、そのヘイズ値が大きすぎると、外光の映り込みは低減できるものの、黒表示の画面のしまりが低下してしまう。ヘイズ値は、全光線透過率に対する拡散透過率の割合であり、JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準じて測定される。
【0095】
<延伸フィルムの製造方法>
(メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が2.5×10-4以下である本発明に係る延伸フィルムは、上述の(メタ)アクリル系樹脂を含む(メタ)アクリル系樹脂組成物を一般的な製膜方法で製膜した後、延伸することによって得ることができる。
【0096】
製膜方法としては、溶融押出製膜法が好ましく採用される。溶融押出製膜法とは、通常、熱可塑性樹脂を押出機へ投入して溶融させ、Tダイからフィルム状の溶融樹脂を押し出し、そのまま冷却ロール上へ引き取り冷却固化させて連続的に長尺フィルムを得る方法をいう。Tダイのリップ間隔等を適切に制御することにより、フィルムの厚みを決めることができる。この際、用いる冷却ロールの表面粗さの調整によって未延伸(メタ)アクリル系樹脂、ひいては延伸フィルムの表面の中心線平均粗さを所望の範囲に制御することが可能である。また、例えば、押出機の適宜な部分にベント孔を設け、その孔から押出機内部を減圧にすることによって、未延伸(メタ)アクリル系樹脂、ひいては延伸フィルムの残留溶剤量を所望の程度にまで低減することが可能である。
【0097】
上述のように、延伸フィルムは多層フィルムであることもできるが、この場合、多層構造の未延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得るには、通常、溶融押出製膜法において押出機を複数台設置し、それぞれの押出機を通過した溶融樹脂がTダイの中で多層になるように押し出す共押出法が採用される。また、多層フィルムを形成するための他の方法として、複数の押出機及びTダイを連続して配置し、押し出されたフィルム状の溶融樹脂を重ねて多層フィルムとする方法、製膜された単層フィルムに、フィルム状の溶融樹脂を重ねて多層フィルムとする方法、製膜された複数の単層フィルムを圧着して多層フィルムとする方法等が挙げられる。
【0098】
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの延伸処理としては、一軸延伸や二軸延伸が挙げられる。延伸方向としては、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの機械流れ方向(MD)〔縦延伸〕、これに直交する方向(TD)〔横延伸〕、機械流れ方向(MD)に斜交する方向等が挙げられる。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。中でも、表面処理層や偏光フィルムとの密着性により優れることから、二軸延伸処理を行うことが好ましく、縦延伸処理を行った後、横延伸処理を行う逐次二軸延伸がより好ましい。
【0099】
延伸処理は、例えば出口側の周速を大きくした2対以上のニップロールを用いて、長手方向(機械流れ方向:MD)に延伸したり、フィルムの両側端をチャックで把持して機械流れ方向に直交する方向(TD)に広げたりすることで行うことができる。
【0100】
延伸処理による延伸倍率(複数段の延伸処理を行う場合にはそれらの累積の総延伸倍率)は、10倍以下であることが好ましく、9倍以下であることがより好ましい。延伸倍率が10倍を上回ると、膜厚が薄くなりすぎて破断しやすくなったり、ハンドリング性が低下したりする傾向にある。なお、延伸処理による延伸倍率は、1.1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。
【0101】
延伸温度は、(メタ)アクリル系樹脂フィルム全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂フィルムを構成する(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度の−40℃から+40℃の範囲内であり、より好ましくは−30℃から+30℃の範囲内である。
【0102】
延伸処理に先立ち、未延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムを予熱する予熱処理を行ってもよい。予熱処理の温度は、(延伸温度−50)℃〜延伸温度の範囲であることが好ましく、(延伸温度の−40)℃〜延伸温度の範囲であることがより好ましい。
【0103】
また、延伸処理の後に、熱固定処理を行うことが好ましい。熱固定処理は、延伸フィルムの端部をクリップにより把持した状態で緊張状態を維持しながら、所定の温度以上で熱処理を行う処理である。熱固定処理の温度は一般に、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度〜(ガラス転移温度+40)℃の範囲であることが好ましく、(ガラス転移温度+10)℃〜(ガラス転移温度+35)℃の範囲であることがより好ましい。
【0104】
以上のような(メタ)アクリル系樹脂からなる延伸フィルムの製造方法において、面配向係数ΔPの絶対値を2.5×10-4以下に調整する方法は特に制限されないが、延伸フィルムが一軸延伸フィルムである場合、二軸延伸フィルムである場合のいずれにおいても、例えば、延伸処理の後に熱固定処理を設け(好ましくは、予熱処理、延伸処理、熱固定処理を順に行い)、その熱固定処理の温度を適切に調整することにより、効果的に面配向係数ΔPの絶対値を上記範囲に制御することができる。
【0105】
具体的には、((メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度+20)℃〜(ガラス転移温度+30)℃の温度で熱固定処理を実施すると、面配向係数ΔPの絶対値が上記範囲に制御された延伸フィルムが得られやすい。延伸フィルムが逐次二軸延伸によって製造される場合、面配向係数ΔPの絶対値は、とりわけ、後で行う延伸(例えば、縦延伸を行った後に横延伸を行う場合における横延伸)における熱固定処理の温度に依存する。従って、逐次二軸延伸によって延伸フィルムを製造する場合には、少なくとも、後で行う延伸における熱固定処理の温度を上記範囲に調整することが好ましい。
【0106】
熱固定処理の温度の調整によって面配向係数ΔPの絶対値を制御する場合、通常、得られる延伸フィルムは、その全体の面配向係数ΔPの絶対値が上記範囲に制御される。
【0107】
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光フィルムと、該偏光フィルムの少なくとも一方の面に積層される上記本発明の保護フィルムとを含むものである。本発明の偏光板においては、偏光フィルムの両面に本発明に係る保護フィルムが積層されていてもよいし、偏光フィルムの一方の面に本発明に係る保護フィルムが積層され、他方の面に他の保護フィルム又は位相差フィルムである他の透明樹脂フィルムが積層されていてもよい。これらの保護フィルム、透明樹脂フィルムと偏光フィルムとは、接着剤を用いて貼合することができる。
【0108】
上記偏光板においては本発明に係る保護フィルムを用いているので、保護フィルムと偏光フィルムとの接着剤層を介した密着性を向上させることができる。
【0109】
(1)偏光フィルム
偏光フィルムは、公知の方法に従って、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することによりその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものであることができる。こうして得られる偏光フィルムは、上記の一軸延伸された方向に吸収軸を有するものとなる。
【0110】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
【0111】
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等を用いることもできる。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000程度であり、好ましくは1500〜5000程度である。
【0112】
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は特に制限されないが、例えば、10〜150μm程度である。
【0113】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色前、染色と同時、又は染色の後で行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合において、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行うこともできる。
【0114】
一軸延伸は、周速度の異なる離間したロール間を通すことにより行ってもよいし、熱ロールで挟むことにより行ってもよい。また、この一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、水や有機溶剤等の溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
【0115】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法によって行うことができる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
【0116】
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.01〜1重量部程度である。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1800秒程度である。
【0117】
一方、二色性色素として二色性有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-4〜10重量部程度であり、好ましくは1×10-3〜1重量部程度である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有してもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1800秒程度である。
【0118】
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法により行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常60〜1200秒程度であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
【0119】
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行われる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度である。また浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。
【0120】
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒である。
【0121】
乾燥処理により、偏光フィルムの水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、偏光フィルムの可撓性が失われ、偏光フィルムがその乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。一方、水分率が20重量%を超えると、偏光フィルムの熱安定性が不足する傾向にある。
【0122】
こうして得られる二色性色素が吸着配向している偏光フィルムの厚みは、通常5〜40μm程度とすることができる。
【0123】
(2)透明樹脂フィルム
上述のとおり、偏光フィルムにおける本発明に係る保護フィルムが貼合される面と反対側の面には、他の透明樹脂フィルムを貼合することができる。透明樹脂フィルムは、偏光板の保護フィルム又は位相差フィルムであることができる。
【0124】
透明樹脂フィルムは、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂層とポリカーボネート系樹脂層との積層フィルム、オレフィン系樹脂フィルム等であることができる。中でも、オレフィン系樹脂フィルムが好ましく用いられる。
【0125】
オレフィン系樹脂とは、例えば、エチレンやプロピレンのような鎖状オレフィンモノマー、又はノルボルネンや他のシクロペンタジエン誘導体のような環状オレフィンモノマーを、重合用触媒を用いて重合して得られる樹脂である。
【0126】
鎖状オレフィンモノマーから得られるオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が挙げられる。中でも、プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを、通常1〜20重量%の割合で、好ましくは3〜10重量%の割合で共重合させたポリプロピレン系共重合樹脂も好ましい。
【0127】
プロピレンと共重合可能なコモノマーとしては、エチレン、1−ブテン又は1−ヘキセンが好ましい。中でも、透明性や延伸加工性に比較的優れることから、エチレンが好ましく用いられ、エチレンを1〜20重量%、とりわけ3〜10重量%の割合で共重合させたポリプロピレン系共重合樹脂は、好ましいものの一つである。エチレンの共重合割合を1重量%以上とすることで、透明性や延伸加工性を上げる効果が現れる。一方、その割合が20重量%を超えると、樹脂の融点が下がり、保護フィルム又は位相差フィルムに要求される耐熱性が損なわれることがある。
【0128】
ポリプロピレン系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、株式会社プライムポリマーから販売されている「プライムポリプロ」、日本ポリプロ株式会社から販売されている「ノバテック」及び「ウィンテック」、住友化学株式会社から販売されている「住友ノーブレン」、サンアロマー株式会社から販売されている「サンアロマー」等が挙げられる。
【0129】
環状オレフィンモノマーを重合させてなるオレフィン系樹脂は、一般に、環状オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、又はノルボルネン系樹脂とも称される。ここでは環状オレフィン系樹脂と称する。
【0130】
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンとオレフィン類とからディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンと、オレフィン類又は(メタ)アクリル酸エステル類とからディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体類、又はその他の環状オレフィンモノマーを2種以上用いて同様に開環メタセシス共重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;上記ノルボルネン、テトラシクロドデセン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンと、ビニル基を有する脂肪族又は芳香族化合物とを付加共重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
【0131】
環状オレフィン系樹脂も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHにて生産され、日本ではポリプラスチックス株式会社から販売されている「TOPAS」(トーパス)、JSR株式会社から製造・販売されている「アートン」、日本ゼオン株式会社から製造・販売されている「ゼオノア」及び「ゼオネックス」、三井化学株式会社から製造・販売されている「アペル」等が挙げられる。
【0132】
上記の鎖状オレフィン系樹脂又は環状オレフィン系樹脂を製膜してフィルム化することにより、偏光フィルムの一方の面に貼合される透明樹脂フィルムとすることができる。フィルム化の方法は特に限定されないが、溶融押出製膜法が好ましく採用される。
【0133】
オレフィン系樹脂フィルムも、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、ポリプロピレン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、FILMAX社から販売されている「FILMAX CPP フィルム」、サン・トックス株式会社から販売されている「サントックス」、東セロ株式会社から販売されている「トーセロ」、東洋紡績株式会社から販売されている「東洋紡パイレンフィルム」、東レフィルム加工株式会社から販売されている「トレファン」、日本ポリエース株式会社から販売されている「ニホンポリエース」、フタムラ化学株式会社から販売されている「太閤FC」等が挙げられる。また、環状オレフィン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、日本ゼオン株式会社から販売されている「ゼオノアフィルム」、JSR株式会社から販売されている「アートンフィルム」等が挙げられる。
【0134】
透明樹脂フィルムには、その表面に光学機能性フィルムを積層したり、光学機能層をコーティングしたりすることもできる。このような光学機能性フィルム及び光学機能層としては、例えば、易接着層、導電層、ハードコート層等が挙げられる。
【0135】
以上説明したオレフィン系樹脂フィルムを延伸し、フィルムに屈折率異方性を持たせることにより、位相差フィルムの機能を付与することができる。延伸方法は、必要とされる屈折率異方性に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、縦一軸延伸、横一軸延伸又は縦横逐次二軸延伸が採用される。
【0136】
オレフィン系樹脂は、正の屈折率異方性を有し、応力が加えられた方向で最も屈折率が大きくなるので、それが一軸延伸されたフィルムは、通常nx>ny≒nzの屈折率異方性を与える(nx、ny、nzの意味は上述のとおりである。)。オレフィン系樹脂が逐次二軸延伸されたフィルムは、通常nx>ny>nzの屈折率異方性を与える。
【0137】
また、所望の屈折率特性を付与するために、熱収縮性フィルムを目的とするフィルムに貼合し、延伸加工に代えて、又は延伸加工とともにフィルムを収縮させる方法により位相差フィルムを製造することもできる。この操作は通常、屈折率異方性がnx>nz>ny又はnz>nx≧nyとなる位相差フィルムを得るために行われる。
【0138】
オレフィン系樹脂からなる位相差フィルムも、市販品を容易に入手することが可能である。例えば、環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルムなら、それぞれ商品名で、日本ゼオン株式会社から販売されている「ゼオノアフィルム」、JSR株式会社から販売されている「アートンフィルム」、積水化学工業株式会社から販売されている「エスシーナ位相差フィルム」等が挙げられる。
【0139】
(3)接着剤
本発明に係る保護フィルムと偏光フィルムとの貼合、偏光フィルムと透明樹脂フィルムとの貼合には、上述のとおり接着剤が用いられる。貼合に先立って、本発明に係る保護フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面及び偏光フィルムにおける本発明に係る保護フィルムとの貼合面のうち少なくとも一方、並びに、偏光フィルムにおける透明樹脂フィルムとの貼合面及び透明樹脂フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面のうち少なくとも一方には、コロナ放電処理、プラズマ照射処理、電子線照射処理、その他の表面活性化処理を施しておくことが好ましい。
【0140】
貼合に用いられる接着剤は、貼合するフィルムに対して接着力を発現するものの中から、任意に選択して用いることができる。典型的には、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解又は接着剤成分を水に分散させたものや、活性エネルギー線の照射により硬化する成分を含む活性エネルギー線硬化性接着剤を挙げることができる。生産性の観点からは、活性エネルギー線硬化性接着剤が好ましく用いられる。
【0141】
まず水系接着剤について説明すると、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂を用いた組成物が、好ましい接着剤として挙げられる。
【0142】
水系接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、そのポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、その接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製されることが多い。接着剤水溶液におけるポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部である。
【0143】
ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水系接着剤には、接着性を向上させるために、グリオキザールや水溶性エポキシ樹脂のような硬化性成分又は架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を挙げることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、田岡化学工業(株)から販売されている「スミレーズレジン 650」及び「スミレーズレジン 675」、日本PMC株式会社から販売されている「WS−525」等があり、これらを好適に用いることができる。これら硬化性成分又は架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。その添加量が少ないと、接着性向上効果が小さくなり、一方でその添加量が多いと、接着剤層が脆くなる傾向にある。
【0144】
水系接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合は、適当な接着剤組成物の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。アイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を偏光フィルムと保護フィルムとの接着に用いることは、例えば、特開2005−70139号公報、特開2005−70140号公報、特開2005−181817号公報に記載されている。
【0145】
一方、活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、それを構成する活性エネルギー線の照射により硬化する成分(以下、単に「硬化性成分」と呼ぶことがある)は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、(メタ)アクリル系化合物等であり得る。エポキシ化合物やオキセタン化合物のようなカチオン重合性の化合物を用いる場合には、カチオン重合開始剤が配合される。また、(メタ)アクリル系化合物のようなラジカル重合性化合物を用いる場合にはラジカル重合開始剤が配合される。中でも、エポキシ化合物を硬化性成分の一つとする接着剤が好ましく、とりわけ、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物を硬化性成分の一つとする接着剤が好ましい。また、それにオキセタン化合物を併用することも有効である。
【0146】
エポキシ化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、ジャパンエポキシレジン株式会社から販売されている「エピコート」シリーズ、DIC株式会社から販売されている「エピクロン」シリーズ、東都化成株式会社から販売されている「エポトート」シリーズ、株式会社ADEKAから販売されている「アデカレジン」シリーズ、ナガセケムテックス株式会社から販売されている「デナコール」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「ダウエポキシ」シリーズ、日産化学工業株式会社から販売されている「テピック」等がある。
【0147】
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、ダイセル化学工業株式会社から販売されている「セロキサイド」シリーズ及び「サイクロマー」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「サイラキュア」シリーズ等がある。
【0148】
オキセタン化合物も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、東亞合成株式会社から販売されている「アロンオキセタン」シリーズ、宇部興産株式会社から販売されている「ETERNACOLL」シリーズ等がある。
【0149】
カチオン重合開始剤も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、日本化薬株式会社から販売されている「カヤラッド」シリーズ、ユニオンカーバイド社から販売されている「サイラキュア」シリーズ、サンアプロ株式会社から販売されている光酸発生剤「CPI」シリーズ、ミドリ化学株式会社から販売されている光酸発生剤「TAZ」、「BBI」及び「DTS」、株式会社ADEKAから販売されている「アデカオプトマー」シリーズ、ローディア社から販売されている「RHODORSIL」シリーズ等がある。
【0150】
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて光増感剤を含有することができる。光増感剤を用いることで、反応性が向上し、接着剤層の機械強度や接着強度をさらに向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、アントラセン系化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
【0151】
また、活性エネルギー線硬化性接着剤には、その接着性を損なわない範囲で各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。さらに、その接着性を損なわない範囲で、カチオン重合とは別の反応機構で硬化する硬化性成分を配合することもできる。
【0152】
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いてフィルムの貼合を行う場合、その接着剤からなる層を介してフィルムを貼合した後、活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させる。偏光フィルムの一方の面に用いる活性エネルギー線硬化性接着剤と、他方の面に用いる活性エネルギー線硬化性接着剤とは、同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよいが、両者を硬化させるための活性エネルギー線の照射は、同時に行うことが好ましい。
【0153】
活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化に用いられる活性エネルギー線は、例えば、波長が1〜10nmのX線、波長が10〜400nmの紫外線、波長が400〜800nmの可視光線等であり得る。中でも、利用の容易さ、並びに活性エネルギー線硬化性接着剤の調製の容易さ、安定性及び硬化性能の点で、紫外線が好ましく用いられる。紫外線の光源には、例えば、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
【0154】
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて得られる接着剤層の厚さは、通常1〜50μm程度であるが、特に1〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0155】
本発明の偏光板は、偏光フィルムに貼合される保護フィルムとして本発明の保護フィルムを適用したものであるため、当該保護フィルムと偏光フィルムとの密着性に優れており、高い耐久性を有する。
【0156】
本発明の偏光板は、液晶表示装置に用いられる液晶パネルを構成する偏光板として好適に用いることができ、とりわけ、液晶セルの視認側に配置される偏光板として好適である。本発明の偏光板が液晶セルの視認側に配置される場合において、液晶セルの背面側に配置される偏光板は、本発明に係る偏光板であってもよいし、他の偏光板であってもよい。液晶パネルを構成する液晶セルは、この分野で使用されている各種のものであることができる。
【0157】
偏光板の液晶セルへの貼合は、予め偏光板の表面に形成した粘着剤層を介して行うことができる。この粘着剤層は、偏光板が有する一方の保護フィルム(又は位相差フィルム)上に積層させることができ、例えば、偏光フィルムの一方の面に本発明の保護フィルムが貼合され、他方の面に上述のような他の透明樹脂フィルムが貼合された偏光板においては、透明樹脂フィルムの外面に粘着剤層を設けることができる。この偏光板を視認側偏光板として、粘着剤層を介して液晶セルに貼合すると、本発明の保護フィルムが視認側に配置された液晶パネルとなる。
【0158】
粘着剤層は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、官能基含有(メタ)アクリル系単量体が共重合された(メタ)アクリル系樹脂を粘着剤成分とする(メタ)アクリル系粘着剤によって形成するのが一般的である。
【実施例】
【0159】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量又は使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
【0160】
<実施例1>
(メタ)アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチルの重量比が96/4であるペレット状の共重合体樹脂を用意した。この共重合体樹脂のガラス転移温度は108℃であった。ここでいうガラス転移温度Tgは、DSC装置[セイコーインスツル株式会社製の「DSC7020」]を用いて、JIS K7121:1987に基づく示差走査熱量分析法に従い、窒素流量100ml/分において、ペレット状の共重合体樹脂を、昇温速度20℃/分で150℃まで昇温し、5分間保持した後、降温速度10℃/分で−50℃まで降温し、1分間保持し、次いで、昇温速度10℃/分で、−50℃から210℃まで昇温して測定される中間点ガラス転移温度である。
【0161】
またゴム粒子として、最内層/中間層/最外層からなる3層構造のゴム弾性体粒子を用意した。このゴム弾性体粒子は、最内層がメタクリル酸メチルと少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された硬質の重合体からなり、中間層がアクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性体(アクリル系弾性重合体)からなり、最外層がメタクリル酸メチルと少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質の重合体からなり、上述の酸化ルテニウムを用いた方法によって測定される平均粒径が240nmである。
【0162】
上記ペレット状の共重合体樹脂とゴム粒子とを、表1に示されるようなゴム粒子添加量(30%)となるような比率で押出機に投入し、加熱により溶融混練して液状の溶融混練物を得た。この溶融混練物をTダイからフィルム状に連続的に押し出しながら、冷却ロールを用いて固化させることにより、厚み120μmの長尺の未延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。表1に示されるゴム粒子添加量(%)は、(メタ)アクリル系樹脂及びゴム粒子の合計量を基準とした重量%である。
【0163】
次いで、得られた未延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムに対して、次の手順で縦−横逐次二軸延伸処理を施した。まず、(Tg+30)℃で予熱する予熱処理を行った後、ロール間延伸により、(Tg+30)℃で縦延伸を行い(延伸倍率2.0倍)、その後、(Tg+30)℃で縦延伸後のフィルムを熱処理する熱固定処理を行った。Tgとは、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(108℃)を意味する(以下同じ)。
【0164】
続いて、縦延伸フィルムに対して、(Tg+30)℃で予熱する予熱処理を行った後、ロール間延伸により、(Tg+30)℃で横延伸を行い(延伸倍率2.0倍)、その後、(Tg+30)℃で横延伸後のフィルムを熱処理する熱固定処理を行って、二軸延伸フィルムである偏光板用保護フィルムを得た。
【0165】
予熱処理の温度、延伸温度及び熱固定処理の温度(縦延伸における予熱処理の温度、延伸温度及び熱固定処理の温度と、横延伸における予熱処理の温度、延伸温度及び熱固定処理の温度とは同じである。実施例2〜5、比較例1〜4についても同じ。)、縦延伸及び横延伸における延伸倍率、並びに得られた二軸延伸フィルムの厚みを表1にまとめた。縦延伸における延伸倍率は、未延伸(メタ)アクリル系樹脂フィルムを基準とする延伸倍率であり、横延伸における延伸倍率は、縦延伸フィルムを基準とする延伸倍率である。
【0166】
<実施例2〜5、比較例1〜4>
ゴム粒子添加量(%)、縦延伸及び横延伸における延伸温度、熱固定処理の温度、並びに延伸倍率を表1に示されるとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸フィルムである偏光板用保護フィルムを作製した。
【0167】
【表1】
【0168】
各実施例及び比較例で得られた保護フィルムについて、下記の物性を測定するとともに、下記の密着性評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0169】
(1)面内位相差値R0及び厚み方向位相差値Rth
王子計測機器株式会社製の位相差測定装置「KOBRA−WR」を用いて、波長590nmにおける面内位相差値R0及び傾斜位相差値(40°傾斜)を測定し(平均屈折率は1.49とした。)、これらの測定値から波長590nmにおける3次元屈折率nx、ny、nzを算出し(nx、ny、nzの意味は上述のとおりである。)、下記式:
th=[(nx+ny)/2−nz]×d
(dは、二軸延伸フィルムの厚みである。)
に基づいて、厚み方向位相差値Rthを求めた。なお、面内位相差値R0は、下記式:
0=(nx−ny)×d
で定義される。
【0170】
(2)面配向係数ΔP及びNz係数
上述の「KOBRA−WR」を用いた測定により得られた3次元屈折率から、前述の定義式に従って、面配向係数ΔP及びNz係数を算出した。なお、いずれの実施例及び比較例においても、ΔPは負の値であったが、表2にはその絶対値を示している。
【0171】
(3)偏光フィルムとの密着性評価試験
ヨウ素が吸着配向された一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムである偏光フィルム(厚み23μm)の一方の面に得られた保護フィルムを、活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて貼合するとともに、他方の面には、環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社から販売されている「ゼオノアフィルム」、厚み50μm)を、同じ活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて貼合した。なお、保護フィルム及び環状オレフィン系樹脂フィルムの貼合面にはそれぞれ、貼合に先立ちコロナ処理を施した。コロナ処理は、コロナ処理装置(高周波電源:春日電機社製「CT−0212」、発信機本体:春日電機社製「CT−0212」、高圧トランス:春日電機社製「CT−T022」)を用い、保護フィルム表面及び環状オレフィン系樹脂フィルム表面とコロナ処理装置の電極との距離が3mmとなるように調整し、出力280W、ラインスピード1.0m/分、周囲温度23℃、周囲相対湿度55%RHの条件で、連続して3回を行った。
【0172】
活性エネルギー線硬化性接着剤には、硬化性成分としてのエポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含むものを用いた。
【0173】
次に、貼合後の積層フィルムを、日本電池(株)製の紫外線照射装置(紫外線ランプは「HAL400NL」を80Wで使用し、照射距離は50cmとした。)の中にライン速度1.0m/分で1回通過させることにより活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させて、偏光板を得た。
【0174】
得られた偏光板を、偏光フィルムの吸収軸が長辺と平行になるように長さ200mm×幅25mmのサイズに切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、(メタ)アクリル系樹脂フィルム側でアクリル系粘着剤を介してガラス板に貼合し、温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。その後、偏光フィルムと(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの界面で180°方向に、剥離速度300mm/分で剥離する剥離試験を行った。このときの剥離強度(密着力)〔N/25mm〕を、(株)島津製作所製の「オートグラフ AGS−50NX」を用いて測定した。
【0175】
(4)表面処理層との密着性評価試験
得られた二軸延伸フィルムの一方の面に、次の手順で表面処理層を形成した。ペンタエリスリトールトリアクリレートと多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応生成物)を60/40の重量比で含有し、両者の合計濃度が60重量%となるように酢酸エチルに溶解され、さらにレベリング剤が配合されている光硬化性樹脂組成物を用意した。この光硬化性樹脂組成物を構成する上記ペンタエリスリトールトリアクリレート及び多官能ウレタン化アクリレートをまとめて、「硬化性アクリレート」と呼ぶ。この光硬化性樹脂組成物の硬化性アクリレート100重量部に対し、BASF社製の光重合開始剤「イルガキュア 184」を1重量部加えて、表面処理層形成用塗布液を調製した。
【0176】
二軸延伸フィルムの一方の面に、上記表面処理層形成用塗布液を乾燥後の塗膜厚みが6μmとなるように塗布し、80℃に設定した乾燥機中で1分間保持してその塗膜を乾燥させた。乾燥後、フィルムの塗膜側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で400mJ/cm2となるように照射し、光硬化性樹脂組成物の塗膜層を硬化させて、表面処理層が形成された表面処理層付保護フィルムを作製した。
【0177】
JIS K 5600−5−6に準拠したクロスハッチテストにより、表面処理層と二軸延伸フィルムとの密着性を評価した。数値が高いほど密着性に優れる。
【0178】
【表2】
【手続補正書】
【提出日】2020年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光フィルムに、活性エネルギー線硬化性接着剤層を介して積層される偏光板用保護フィルムであって、
メタクリル酸エステル由来の構成単位とアクリル酸エステル由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル系樹脂からなり、面配向係数ΔPの絶対値が1.5×10-4以上1.7×10-4以下である延伸フィルムを含み、
前記延伸フィルムは、ゴム粒子を含み、
前記延伸フィルムは、表面処理層形成用塗布液により形成される表面処理層をさらに含む偏光板用保護フィルム。
【請求項2】
前記ゴム粒子は、前記(メタ)アクリル系樹脂との合計量を基準に30重量%以下である請求項1に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項3】
前記偏光フィルムに対する、活性エネルギー線硬化性接着剤層を介しての密着性が、温度23℃、相対湿度55%RHの条件下で5.01N/25mm以上である請求項1又は2に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項4】
前記延伸フィルムは、二軸延伸フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項5】
前記延伸フィルムは、その厚みが10〜150μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項6】
前記延伸フィルムの厚み方向の位相差値(Rth)が−35nm〜35nmである請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項7】
前記延伸フィルムの面内の位相差値(R0)が0nm〜15nmである請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルム。
【請求項8】
偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記接着剤層を介して積層される請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光板用保護フィルムと、を含む、偏光板。