特開2021-7182(P2021-7182A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-7182(P2021-7182A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/288 20060101AFI20201218BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 21/283 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20201218BHJP
【FI】
   H01L21/288 E
   H01L21/28 E
   H01L21/28 301B
   H01L21/28 301R
   H01L21/283 C
   H01L29/50 M
   H01L29/44 L
   H01L29/78 652Q
   H01L29/78 652T
   H01L29/78 655F
   H01L29/78 658F
   H01L29/78 658J
   H01L29/78 652P
   H01L29/06 301G
   H01L29/06 301V
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-175416(P2020-175416)
(22)【出願日】2020年10月19日
(62)【分割の表示】特願2018-561757(P2018-561757)の分割
【原出願日】2017年1月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】中田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 真哉
(72)【発明者】
【氏名】原田 健司
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA03
4M104AA04
4M104AA10
4M104BB02
4M104CC01
4M104DD37
4M104DD52
4M104DD53
4M104DD68
4M104EE06
4M104EE17
4M104EE18
4M104FF02
4M104FF13
4M104FF34
4M104GG06
4M104GG09
4M104GG18
4M104HH20
(57)【要約】
【課題】組み立て時の歩留まりと組み立て後の熱抵抗の均一性を改善することができる半導体装置及びその製造方法を得る。
【解決手段】半導体基板(1)は互いに対向する表面及び裏面を持つ。ゲート配線(2)及び第1及び第2の表面電極(3,4)が半導体基板(1)の表面に形成されている。第1及び第2の表面電極(3,4)はゲート配線(2)により互いに分割されている。絶縁膜(7)がゲート配線(2)を覆っている。配線により分割されていない電極層(8)がゲート配線(2)を跨いで絶縁膜(7)及び第1及び第2の表面電極(3,4)の上に形成されている。裏面電極(9)が半導体基板(1)の裏面に形成されている。配線により分割されていない第1のめっき電極(10)が電極層(8)の上に形成されている。第2のめっき電極(11)が裏面電極(9)の上に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する表面及び裏面を持つ半導体基板と、
前記半導体基板の前記表面に形成されたゲート配線と、
前記半導体基板の前記表面に形成され、前記ゲート配線により互いに分割された第1及び第2の表面電極と、
前記ゲート配線を覆う絶縁膜と、
前記ゲート配線を跨いで前記絶縁膜及び前記第1及び第2の表面電極の上に形成され、配線により分割されていない電極層と、
前記半導体基板の前記裏面に形成された裏面電極と、
前記電極層の上に形成され、配線により分割されていない第1のめっき電極と、
前記裏面電極の上に形成された第2のめっき電極とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のめっき電極の厚みと材質は互いに同じであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のめっき電極の厚みは1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記絶縁膜は前記第1及び第2の表面電極と前記電極層との間にも設けられ、
前記絶縁膜には複数の貫通孔が設けられ、
前記複数の貫通孔を通じて前記第1及び第2の表面電極と前記電極層とが機械的及び電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁膜は、終端領域を保護する保護膜が動作セル領域まで延展したものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
終端領域において前記半導体基板の前記表面に形成され、前記第1及び第2の表面電極と同じ厚みを持つ終端構造配線を備え、
前記電極層は前記終端領域に形成されていないことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の表面電極及び前記終端構造配線の厚みは前記電極層の厚みより薄いことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1のめっき電極に第1の接合材により接合されたリードフレームと、
前記第2のめっき電極に第2の接合材により接合された導体基板と、
前記半導体基板、前記リードフレーム及び前記導体基板の少なくとも一部を被覆する封止材とを備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の接合材は前記ゲート配線を避けた領域に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の接合材はスズを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1のめっき電極のはんだ接合領域の外周を被覆する被覆膜を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記被覆膜はポリイミドを含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記絶縁膜の上に形成された有機膜を更に備えることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記有機膜はポリイミドを含むことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1及び第2の表面電極及び前記裏面電極はアルミを含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記電極層はアルミを含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記絶縁膜は窒化ケイ素を含むことを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1及び第2のめっき電極はニッケル又は銅を含むことを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1及び第2のめっき電極の最表面に金を含む材料が形成されていることを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記半導体基板はワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項21】
半導体基板の表面に、ゲート配線と、前記ゲート配線により互いに分割された第1及び第2の表面電極とを形成する工程と、
前記ゲート配線を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート配線を跨いで前記絶縁膜及び前記第1及び第2の表面電極の上に配線により分割されていない電極層を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に裏面電極を形成する工程と、
前記電極層の上に配線により分割されていない第1のめっき電極、前記裏面電極の上に第2のめっき電極をそれぞれめっき法により同時に形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記電極層をリフトオフ法によりパターニングすることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
電極層形成領域に開口を有するマスク越しに前記電極層を堆積することで前記電極層をパターニングすることを特徴とすることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
導体基板を前記第2のめっき電極にAgを主たる材料で構成される微粒子を焼結して接合することを特徴とする請求項21〜23の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
ポリイミド前駆体溶液を前記第1のめっき電極の上に吐出描画することでパターンを形成し、キュアすることで、前記第1のめっき電極のはんだ接合領域の外周を被覆する被覆膜を形成することを特徴とする請求項21〜24の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板の両面にめっき法で同時に電極を形成する半導体装置の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、均一な動作を実現するため、半導体基板の表面の電極は、ゲート配線によって櫛歯上に分断される(例えば、特許文献2参照)。一方、半導体基板の裏面の電極は、半導体基板と同形状のものが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−5368号公報
【特許文献2】特開2003−92406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半導体装置は、半導体基板の表面と裏面とで電極の形状が異なる。このため、湿式めっき法で半導体基板の両面に同質のめっき電極を形成すると、表面と裏面でめっき電極の膜応力に差異が発生する。この結果、半導体基板が表面側に凸に反り、半導体装置の組み立て時の歩留まりを下げ、組み立て後の熱抵抗が不均一になるなどの問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は組み立て時の歩留まりと組み立て後の熱抵抗の均一性を改善することができる半導体装置及びその製造方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る半導体装置は、互いに対向する表面及び裏面を持つ半導体基板と、前記半導体基板の前記表面に形成されたゲート配線と、前記半導体基板の前記表面に形成され、前記ゲート配線により互いに分割された第1及び第2の表面電極と、前記ゲート配線を覆う絶縁膜と、前記ゲート配線を跨いで前記絶縁膜及び前記第1及び第2の表面電極の上に形成され、配線により分割されていない電極層と、前記半導体基板の前記裏面に形成された裏面電極と、前記電極層の上に形成され、配線により分割されていない第1のめっき電極と、前記裏面電極の上に形成された第2のめっき電極とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ゲート配線により互いに分割された第1及び第2の表面電極の上に電極層が形成され、電極層と裏面電極の上にそれぞれ第1及び第2のめっき電極が形成されている。これにより、半導体基板の両面の電極形状が近付くため、両面の電極の膜応力差が低減され、半導体基板の反りが低減される。これにより、半導体装置の組み立て時の歩留まりと組み立て後の熱抵抗の均一性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す平面図である。
図2図1のI−IIに沿った断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を用いた半導体パッケージを示す平面図である。
図4図3のI−IIに沿った断面図である。
図5】比較例に係る半導体装置を示す平面図である。
図6図5のI−IIに沿った断面図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す平面図である。図2図1のI−IIに沿った断面図である。この半導体装置は、IGBT又はMOSFETなどの電力用半導体装置である。
【0011】
半導体基板1は互いに対向する表面及び裏面を持つ。ゲート配線2及び表面電極3,4が半導体基板1の表面に形成されている。半導体装置を均一に動作させるために、表面電極3,4はゲート配線2により互いに分割され、部分的に接続されている。ゲート配線2は、制御用ワイヤを打つパッド5を有する。
【0012】
半導体装置の耐圧保持のために、半導体基板1の終端領域に複数の終端構造配線6が形成されている。終端構造配線6は、例えば、ガードリングなどの耐圧保持構造であり、複数本の配線からなる。ゲート配線2、表面電極3,4、終端構造配線6は、例えば、アルミを主たる材料でスパッタ法などの気相堆積法で一様に成膜され、写真製版工程とエッチング工程によりそれぞれ分断され所望の形状にパターニングされる。
【0013】
絶縁膜7がゲート配線2を覆っている。絶縁膜7は、例えばシリコン窒化膜を主たる材料として形成することができる。絶縁膜7は、例えば、シリコン窒化膜を堆積後に、写真製版工程とエッチング工程を経ることで、所望の形状にパターニングされる。電極層8がゲート配線2を跨いで絶縁膜7及び表面電極3,4の上に形成されている。
【0014】
裏面電極9が半導体基板1の裏面に形成されている。裏面電極9は半導体基板1の外形と同寸である。めっき電極10が電極層8の上に形成され、めっき電極11が裏面電極9の上に形成されている。めっき電極10,11の厚みと材質は互いに同じである。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置を用いた半導体パッケージを示す平面図である。図4は、図3のI−IIに沿った断面図である。リードフレーム12がめっき電極10に接合材13により接合され、電気的・機械的に接続されている。導体基板14がめっき電極11に接合材15により接合され、電気的・機械的に接続されている。接合材13,15は例えばスズを主たる材料としたはんだであり、これにより容易に接合することができる。パッド5と外部信号端子が例えばアルミを主たる材料としたワイヤにより接続されている。
【0016】
接合材13はゲート配線2を避けた領域に形成されている。このため、冷熱サイクル時に接合材13からの応力がゲート配線2に加わり、ゲート配線2が損傷を受けて周辺電極とショートするのを防止することができる。一方、半導体基板1の裏面の接合材15は極力大きくするため、半導体基板1と同等の形状で形成されている。これにより、半導体装置からの発熱を効率的に導体基板14に放熱することができる。
【0017】
被覆膜16がめっき電極10のはんだ接合領域の外周を被覆している。このため、めっき電極10の上面において想定以上にはんだが濡れ広がるのを抑制することができる。この結果、他の部材とのショートを防止し、歩留まりと信頼性を向上することができる。被覆膜16はポリイミドを含む材料であれば、はんだ濡れを確実に阻害することができる。被覆膜16はめっき電極10上にポリイミド前駆体溶液を所望の形状に描画塗布後にキュアすることで形成することができる。
【0018】
封止材17が半導体基板1、接合材13,15、リードフレーム12及び導体基板14等の少なくとも一部を被覆する。これにより、電気的損失を低減し、信頼性の高い半導体装置を実現できる。封止材17は、例えばポッティングレジン又はトランスファーモールド樹脂である。
【0019】
続いて、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。半導体基板1の表面に、ゲート配線2と、ゲート配線2により互いに分割された表面電極3,4とを形成する。ゲート配線2を覆う絶縁膜7を形成する。ゲート配線2を跨いで絶縁膜7及び表面電極3,4の上に電極層8を形成する。半導体基板1の裏面に裏面電極9を形成する。
【0020】
電極層8の上にめっき電極10、ゲート配線2の開口された部分にパッド5を、裏面電極9にめっき電極11をそれぞれ湿式めっき法により形成する。これらを同時に形成することで、めっき工程のプロセスコストを抑えることができる。また、同時に形成するため、めっき電極10,11とパッド5の厚みと材質は互いに同じである。
【0021】
めっき電極10,11とパッド5は、例えばニッケルを主たる材料からなり、ジンケート処理を用いたプロセスで形成することができる。はんだ接合後においてもめっき電極10,11が残存していることが望ましいため、めっき電極10,11の厚みは1μm以上であることが望ましい。めっき工程のプロセスコスト増を抑え、かつダイシング工程の歩留まりを確保するため、めっき電極10,11の厚みは10μm以下であることが望ましい。
【0022】
電極層8は例えばアルミを主たる材料で形成することができる。ゲート配線2と電極層8をアルミなど同一の材料で形成する場合、ゲート配線2のパッド5がエッチングされることを防止するために、アルミをエッチングするプロセス以外で電極層8をパターニングすることが望ましい。例えば、電極層形成領域に開口を有する有機レジスト膜越しにスパッタ法などで電極層8を気相的に堆積した後、有機レジストを溶解する剥離液を吹き付けることで、有機レジスト上の電極層8のみを選択的に除去するリフトオフ法により電極層8をパターニングする。または、電極層形成領域に開口を有するマスク越しに電極層8をスパッタ法などで気相的に堆積することで電極層8をパターニングしてもよい。これにより、容易にパターニングでき、表面電極3,4へのダメージを低減することができる。
【0023】
また、ポリイミド前駆体溶液をめっき電極10の上に吐出描画することでパターンを形成し、キュアすることで被覆膜16を形成する。これにより、写真製版なしで被覆膜16を容易にパターニングすることができる。
【0024】
続いて、本実施の形態の効果を比較例と比較して説明する。図5は、比較例に係る半導体装置を示す平面図である。図6図5のI−IIに沿った断面図である。比較例は、半導体基板1の表面のめっき電極10a,10bと裏面のめっき電極11の形状が異なる。このため、半導体基板1が表面側に凸に反り、半導体装置の組み立て時の歩留まりを下げ、組み立て後の熱抵抗が不均一になるなどの問題がある。
【0025】
一方、本実施の形態では、ゲート配線2により互いに分割された表面電極3,4の上に電極層8が形成され、電極層8と裏面電極9の上にそれぞれめっき電極10,11が形成されている。これにより、半導体基板1の両面の電極形状が近付くため、両面の電極の膜応力差が低減され、半導体基板の反りが低減される。これにより、半導体装置の組み立て時の歩留まりと組み立て後の熱抵抗の均一性を改善することができる。
【0026】
終端構造配線6は、表面電極3,4と同一プロセスで形成され、エッチング等の加工プロセスでパターニングされるため、表面電極3,4と同じ厚みを持つ。従って、表面電極3,4を厚膜化すると終端構造配線6も厚膜化される。終端構造配線6が厚くなると、封止材等から受ける応力が大きくなるため、信頼性が低下する。そこで、電極層8を終端領域に形成しないことで、終端構造配線6が必要以上に厚膜化されることを回避することができる。
【0027】
また、終端構造配線6は電界分担を担い大電流を通電しないため厚膜化して抵抗値を下げる必要がない。一方、表面電極3,4は大電流の通電に対応し、はんだの膨張収縮により発生する応力を緩和するため、できるだけ厚膜化することが望ましい。本実施の形態により終端構造配線6の厚みを抑えつつ、電極の厚みを厚くできるので、より信頼性の高い半導体装置を形成することができる。例えば表面電極3,4と終端構造配線6の厚みが1.5μm以下で、表面電極3,4と電極層8の合計厚みが3μm以上となるように設計する。
【0028】
絶縁膜7は表面電極3,4と電極層8との間にも設けられている。このため、半導体装置が外部から応力を受けた場合でも配線クラック等の損傷が表面電極3,4まで到達するのを防止することができる。
【0029】
絶縁膜7には複数の貫通孔が設けられ、複数の貫通孔を通じて表面電極3,4と電極層8とが機械的及び電気的に接続されている。一方、ゲート配線2のパッド5上において絶縁膜7に開口が設けられている。ゲート配線2の他の部分は絶縁膜7で被覆され、ゲート配線2と表面電極3,4との絶縁性が確保されている。
【0030】
絶縁膜7は複数の終端構造配線6を覆って、複数の終端構造配線6間の電界分布を均等にしている。即ち、絶縁膜7は、終端領域を保護する保護膜が動作セル領域まで延展したものである。このように絶縁膜7と保護膜を共通化することで、追加の加工プロセスなく、絶縁膜7を形成することができる。
【0031】
表面電極3,4及び終端構造配線6の厚みは電極層8の厚みより薄い。これにより、終端構造の信頼性を確保しながら、はんだ接合性及びワイヤボンディング性に寄与する動作セル上の電極厚みを確保することができ、信頼性及び生産性を向上することができる。
【0032】
表面電極3,4及び裏面電極9はアルミを含む材料で形成されている。このため、半導体装置の電極として容易に形成・加工でき、通電時の電気的抵抗も低く、機械的に安定な接合界面を形成することができる。
【0033】
電極層8はアルミを含む材料で形成されている。このため、めっき電極10を容易に形成でき、通電時の電気的抵抗も低く、アルミを含む材料で形成された表面電極3,4と機械的に安定な接合界面を得ることができる。また、裏面電極9と同質の材料となるため湿式めっき法で容易にめっき電極10,11を形成することができる。また、絶縁膜7は窒化ケイ素を含む。窒化ケイ素は保護膜として機能し、かつ表面電極3,4のアルミとも相性がよいので、電気的及び機械的に安定な構造を得ることができる。
【0034】
めっき電極10,11はニッケル又は銅を含むため、はんだと容易に接合し、電気的・機械的に安定な接合界面を形成することができる。また、めっき電極10,11の最表面に金を含む材料が形成されていることが望ましい。これにより、はんだと接合するまでに、下地のはんだ接合用電極が酸化されてはんだ濡れ性が低下するのを防止することができる。
【0035】
また、導体基板14をめっき電極11に、Agを主たる材料とした微粒子を焼結して接合してもよい。ただし、Agを主たる材料で構成する微粒子を焼結して接合する場合、半導体基板1を加圧して接合することが一般的である。しかし、半導体基板1が外圧で曲げられたときに発生する応力又は外部治具との摩擦で半導体基板1に損傷が発生する場合がある。これに対して、本実施の形態では、半導体基板1が反るのを解消できるので、加圧時の半導体基板1に発生する損傷を低減することができる。
【0036】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。絶縁膜7の上に有機膜18が形成されている。これにより、冷熱サイクル時の応力によってゲート配線2が表面電極3,4又は電極層8とショートするのを防止できる。
【0037】
有機膜18は絶縁膜7と同等の形状で、かつ絶縁膜7をオーバーラップすることが望ましい。写真製版時のハレーションと重ね合わせ精度を考慮して、オーバーラップ量は10μm以上確保することが望ましい。そして、有機膜18がポリイミドを含むものであれば、半導体装置の絶縁膜として容易に形成・加工できる。
【0038】
なお、半導体基板1は、珪素によって形成されたものに限らず、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものでもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドである。このようなワイドバンドギャップ半導体基板によって形成された半導体装置は、耐電圧性と許容電流密度が高いため、小型化できる。この小型化された素子を用いることで、この装置を組み込んだ半導体モジュールも小型化できる。また、装置の耐熱性が高いため、ヒートシンクの放熱フィンを小型化できるので、半導体モジュールを更に小型化できる。また、素子の電力損失が低く高効率であるため、半導体モジュールを高効率化できる。
【符号の説明】
【0039】
1 半導体基板、2 ゲート配線、3,4 表面電極、5 パッド、6 終端構造配線、7 絶縁膜、8 電極層、9 裏面電極、10,11 めっき電極、12 リードフレーム、13,15 接合材、14 導体基板、16 被覆膜、17 封止材、18 有機膜
図1
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図5
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図7