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特開2021-73388繊維機械の物理パラメータを監視するシステムと予測メンテナンスの方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-73388(P2021-73388A)
(43)【公開日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】繊維機械の物理パラメータを監視するシステムと予測メンテナンスの方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 13/32 20060101AFI20210416BHJP
   D01H 13/14 20060101ALI20210416BHJP
   B65H 63/00 20060101ALI20210416BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20210416BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20210416BHJP
   G16Y 40/40 20200101ALI20210416BHJP
【FI】
   D01H13/32
   D01H13/14
   B65H63/00 Z
   G05B19/418 Z
   G16Y40/10
   G16Y40/40
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2021-3192(P2021-3192)
(22)【出願日】2021年1月13日
(62)【分割の表示】特願2017-502715(P2017-502715)の分割
【原出願日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】BS2014A000138
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】IT
(71)【出願人】
【識別番号】517010242
【氏名又は名称】カモッツィ・デジタル・エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】CAMOZZI DIGITAL S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・ロカテッリ
【テーマコード(参考)】
3C100
3F115
4L056
【Fターム(参考)】
3C100AA56
3C100AA62
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB27
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC03
3C100EE16
3F115AA01
3F115CA53
3F115CD08
3F115CF41
4L056EA25
4L056EA41
4L056EA49
4L056EB26
4L056EB27
4L056ED01
4L056ED03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼できる予測メンテナンスシステムの実装のために、紡績ラインにおける繊維機械の動作を監視するためのシステムを提供する。
【解決手段】紡績ライン1の監視システムは、予測メンテナンスを実現するために、繊維機械に関係付けられている検出デバイスと、紡績ラインに対して遠隔の制御室に置かれている主記憶手段60と、大量のデータ(ビッグデータ)を処理するための、主記憶手段と動作可能に接続された遠隔処理手段80とを備え、大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、繊維機械の収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させること、とのステップを備えた繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法において、
紡績ライン(1)中に、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)と、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)とを提供することと、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)を提供することと、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)を提供することと、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続された遠隔処理手段(80)を提供することと、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させること、
とのステップを備えた方法。
【請求項2】
第1の繊維機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向と第2の繊維機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向とを相関させることを備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出されたデータおよび/または状態データは、時間的連続状態(「リアルタイム」モード)で前記主記憶手段(60)に送信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出されたデータおよび/または状態データは、予め定められた頻度、例えば毎日または毎週(「バッチ」モード)で、あるいは、機械停止またはスケジュールされたサービスの近接のケースのような、予め定められたイベントが発生すると(「イベントベース」モード)、前記遠隔の記憶手段(60)に送信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
例えば、ローカルにインストールされた少なくとも1つのウェブカムを含む、前記機械またはその組織の画像をキャプチャするための画像取得手段を提供するステップを備え、前記画像取得手段は、前記主記憶手段(60)への画像の送信のための前記遠隔送信/受信手段(70)に動作可能に接続されている、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法において、
複数の紡績場を提供し、それぞれには少なくとも1つの紡績ライン(1)が設けられ、各紡績ライン(1)は、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)と、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)とを備えることと、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ラインに対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)を提供することと、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)を提供することと、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)を提供することと、 大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させること、
とのステップを備えた方法。
【請求項7】
請求項2乃至5のうちのいずれかに記載の事項を備えた、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
紡績場における紡績ライン(1)を監視するシステムにおいて、
管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)、および、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)と、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)と、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)と、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)と、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させる相関手段と、 を備えたシステム。
【請求項9】
複数の紡績場における紡績ライン(1)を監視するシステムにおいて、
各紡績ライン中に、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)、および、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)と、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)と、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)と、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)と、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集したデータおよび/または状態データの傾向を相関させる相関手段と、 を備えたシステム。
【請求項10】
前記検出デバイス(20)は、温度値を提供するのに適しており、通常の処理の間、前記機械の動く組織のサポート構造の温度を検出するのに適している、例えば、温度センサ、例えば、抵抗温度計または熱量検出器である、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記検出デバイス(20)は、圧力値を提供するのに適している圧力センサであり、前記機械の吸引ダクトにおける低下の大きさを検出するのに適している、例えば、圧力トランスデューサである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項12】
前記検出デバイス(20)は、加速値を提供するのに適しており、コンポーネントが受ける振動の大きさを検出するのに適している、例えば、加速センサ、例えば、加速度計である、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項13】
前記検出デバイス(20)は、距離値を提供するのに適しており、組織間の予め定められた距離の前記メンテナンスを監視するために、前記機械の2つの組織間、例えば、動いている組織と固定された接合部の距離を検出するのに適している、例えば距離センサ、例えば誘導センサである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項14】
前記検出デバイス(20)は、電流値を提供するのに適しており、前記機械の電気モータによって吸収される電流を検出するのに適している、例えば、電流センサである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項15】
前記検出デバイス(20)は、力値を提供するのに適しており、前記機械のベルトの張りを検出するのに適している、例えば力センサであり、例えばロードセルである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項16】
前記機械またはその組織の画像をキャプチャするための画像取得手段を含み、例えば、ローカルにインストールされた少なくとも1つのウェブカムを含み、前記画像取得手段は、画像の前記主記憶手段(60)への送信のための前記遠隔送信/受信手段(70)に通信可能に結合されている、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項17】
繊維機械(2、4、6、8)は、監視システムのための、例えば、摘採機、混合器、開綿機、ミキシングローダ、スケールローダ、またはタフトブレンダのような混打綿機、梳綿機、練条機、ラップワインダ、またはコーマのような梳毛機、練紡機または紡績機のような紡績機である、請求項8乃至16のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、繊維の紡ぎ糸への変形のための、紡績ラインにおける繊維機械の物理パラメータを監視するシステムに関連する。
【0002】
特に、本発明は、繊維機械、例えば、(摘採機、混合器、開綿機、ミキシングローダ、またはタフトブレンダのスケールローダのような)混打綿機(blow room machine)、梳綿機(carding machine)、梳毛機(combing machine)(例えば、練条機(drawing frame)、ラップワインダ(lap winder)、またはコーマ(comber))、および、(例えば、練紡機または紡績機のような)紡績機のための監視システムに関連する。
【0003】
知られているように、経済的に有益な紡績ラインは、故障または処理停止による中断なく、継続的に動作しなければならない。
【0004】
しかしながら、機械の動作を回復させるために必要な修復作業は、障害の範囲に依存して、より長いまたはより短い期間、頻繁に生産休止時間に至る。したがって、故障または障害が発生する前に、監視システムによってスケジュールまたはガイドされるサービスを実行するために、遅れずに機械に介入することは非常に重要である。メンテナンス管理への本アプローチは、用語「予測メンテナンス」によって知られている。
【0005】
しかしながら、故障または障害の予測は、これらに基づきサービスが実行されることになるが、多数のケースからの経験、すなわち、単一の紡績場に存在する機械を大幅に上回る、多数の機械、長い作業時間、アプリケーションおよび動作条件の多くの履歴アーカイブからの経験に基づく場合にのみ、信頼できると見なすことができることから、予測メンテナンスシステムを効果的に実現することは、非常に複雑である。
【0006】
本発明の目的は、信頼できる予測メンテナンスシステムの実装のために、紡績ラインにおける繊維機械の動作を監視するためのシステムを提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1にしたがって実現されるシステムによって達成される。
【0008】
本発明にしたがって実現される監視システムの特性および利点は、添付の図にしたがって、非限定的な例として与えられる、以下の説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に沿った、本発明による紡績ラインと監視システムのダイヤグラムである。
図2図2は、実施形態に沿った、本発明による監視システムのさらなるダイヤグラムである。
図3図3は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した紡績機である。
図4図4は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した紡績機である。
図5図5は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した紡績機である。
図6図6は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した紡績機である。
図7図7は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練紡機である。
図8図8は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練紡機である。
図9図9は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練紡機である。
図10図10は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練紡機である。
図11図11は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したコーマである。
図12図12は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したコーマである。
図13図13は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したコーマである。
図14図14は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したコーマである。
図15図15は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したラップワインダである。
図16図16は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したラップワインダである。
図17図17は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備したラップワインダである。
図18図18は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練条機である。
図19図19は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練条機である。
図20図20は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練条機である。
図21図21は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した練条機である。
図22図22は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図23図23は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図24図24は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図25図25は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図26図26は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図27図27は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図28図28は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した梳綿機である。
図29図29は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した開綿機である。
図30図30は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した摘採機である。
図31図31は、本発明の実施形態による、監視システムのためのセンサを装備した摘採機である。
図32図32は、さらなる一般的パラメータXの関数として、一般パラメータP1とP2の傾向を表している。
図33図33は、時間tの関数として、一般パラメータP1の傾向を表している。
【0010】
本発明の実施形態にしたがって、図1を参照すると、紡績ライン1が紡績場に取り付けられている。用語「紡績場」は、織物繊維を紡ぎ糸または縫い糸に変形するのに必要な動作のシーケンスがある、繊維処理が実行される産業工場を指す。
【0011】
複数の紡績ライン1が紡績場中に取り付けられていることが好ましい。
【0012】
紡績ライン1は、以下の機械2、4、6、8の特性データの検出および/または収集のために、紡績場、監視システムのローカル装置10に取り付けられている、例えば、(摘採機、混合器、開綿機、ミキシングローダ、スケールローダ、またはタフトブレンダのような)1つ以上の混打綿機2、1つ以上の梳綿機4、(練条機、ラップワインダ、またはコーマのような)1つ以上の梳毛機6、(練紡機または紡績機のような)1つ以上の紡績機8を備えている。
【0013】
ローカル装置10は、動作パラメータのような機械の物理量の検出のために、それぞれの機械2、4、6、8と関係する少なくとも1つの検出デバイス20を備えている。
【0014】
実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、温度値を提供するに適しており、前記検出デバイスは、通常の処理の間、機械の動く組織のサポート構造の温度を検出するのに適している、例えば、温度センサ、例えば、抵抗温度計または熱量検出器である。
【0015】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、圧力値を提供するのに適しており、前記検出デバイスは、機械の吸引ダクトにおける減圧の大きさを検出するのに適している、例えば、圧力センサであり、例えば、圧力トランスデューサである。
【0016】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、加速値を提供するのに適しており、前記検出デバイスは、前記コンポーネントが受ける振動の大きさを検出するのに適している、例えば、加速センサであり、例えば、加速度計である。
【0017】
さらに、実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、距離値を提供するのに適しており、前記検出デバイスは、機械の2つの組織間の予め定められた距離のメンテナンスを監視するために、前記組織間、例えば、動いている組織と固定された接合部の距離を検出するのに適している、例えば、距離センサ、例えば誘導センサである。
【0018】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、電流値を提供するのに適しており、前記検出デバイスは、機械の電気モータによって吸収される電流を検出するのに適している、例えば、電流センサである。
【0019】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、力値(force value)を提供するのに適しており、前記検出デバイスは、機械のベルトの張りを検出するのに適している、例えば、力センサであり、例えば、ロードセルである。
【0020】
さらに、各機械2、4、6、8には処理の管理のための制御ユニットが設けられており、それ自身は、1つ以上の組織のスピード、吸収された電力、モータによって吸収された電流、ある組織の温度等のような、それぞれの機械の状態データを検出し(おそらくは記憶する)。
【0021】
好ましくは、さらに、ローカル装置は、画像取得手段、例えば、機械またはその組織に関連する画像のキャプチャのための少なくとも1つのウェブカムを備えている。
【0022】
好ましい実施形態にしたがうと、図2にしたがって、監視システムは、例えば、ワイヤレス(Wi−Fiタイプ)テクノロジーを有し、紡績場に取り付けられた、デバイス20(接続されている機械のタイプに基づいて、グループ20’にグループ化されてもよい)と、機械の制御ユニットと、さらには画像取得手段とに動作可能に接続されている、ローカル送信/受信手段30も備えている。
【0023】
さらに、監視システムは、紡績場に取り付けられ、ローカル送信/受信手段30に動作可能に接続され、デバイス20、制御ユニットおよび/または画像取得手段から来るグローバルデータストレージ(すなわち、動作データおよび状態データ)のための、記憶手段40、例えば、サーバを含んでいる。
【0024】
好ましくは、さらに、ローカル装置10は、紡績場に取り付けられ、記憶手段40に動作可能に接続されている、記憶されているグローバルデータのローカル処理のための、ローカル処理デバイス50、例えば、PCを備えている。
【0025】
好ましくは、センサ20から、および、制御ユニットから送信/受信手段30へのグローバルデータの送信と、これらから記憶手段40へのおよび処理手段50へのグローバルデータの送信とは、紡績場の主イントラネットとは別々に起こる。
【0026】
好ましくは、複数の紡績ライン1には、データの収集および送信のために、上記で説明したローカル装置10が設けられている。
【0027】
さらに、監視システムは、紡績ライン1に関する遠隔制御室に置かれている主記憶手段60と、例えば、インターネットネットワークによって構成されており、各紡績ライン1のローカル記憶手段40および/またはローカル処理手段50に接続され、および、複数の紡績ライン1から収集されたグローバルデータの送信および記憶のための主記憶手段60に動作可能に接続されている、遠隔送信/受信手段70とを含んでいる。
【0028】
好ましくは、ローカルに収集されたグローバルデータは、時間的に連続して(「リアルタイム」モード)で遠隔に主記憶手段60に送信され、さらなる実施形態にしたがうと、このデータは、毎日または毎週のような予め定められた頻度(「バッチ」モード)で送信され、またさらなる実施形態にしたがうと、機械が停止した場合のように、予め定められたイベントが発生したとき(「イベントベース」モード)、あるいは、スケジュールされたサービスが近接したときに、このデータは送信される。
【0029】
さらに監視システムは、各紡績ラインからのグローバルデータを処理するために、インターネット・ネットワークおよび/または主記憶手段60と動作可能に接続されている、PCのような遠隔処理手段80を含んでいる。
【0030】
本発明による機械2、4、6、8は、上記で説明したローカル装置10に動作可能に接続されている、動作パラメータのような物理的量を検出するための、少なくとも1つのデバイスを備えている。
【0031】
紡績機(図3から図6
本発明による紡績機100において、前記検出デバイスは、モータグループ110によって動かされる紡績機100のスピンドル108の可動練紡ボビンに対するベルト106のパスを規定する、あそび車104のサポート構造の温度を検出するように位置付けられている温度センサ102である。特に、前記温度センサは、前記あそび車のベアリングのサポート構造の温度を検出するのに適している。
【0032】
例えば、前記温度センサ102は、紡績機の1つのバンクと他方との間にベルト106を送り戻すあそび車104aのサポート構造に関係付けられており、さらなる実施形態において、前記あそび車104bは、(ベルトがスピンドルに連動しない)パスの戻りセクションに沿って、電気モータ111aおよびベルトテンショナホイール111bを備えるモータグループ110と、紡績機100の同じバンク中の他方との間にベルト106を送り戻し、またさらなる実施形態において、前記あそび車104aは、(ベルトがスピンドルに連動する)パスのアクティブセクションに沿って、モータグループ110と紡績機100の同じバンク中の他方との間にベルト106を送り戻す。
【0033】
さらなる実施形態において、前記温度センサは、紡績機の制御ボックス120中に収容されている1つ以上のコンポーネントに関係付けられており、1つ以上のコンポーネントは、紡績機100の練条シリンダ122、124、126の移動メカニズム、例えば、シリンダ制御ギヤおよびベルト128を含んでいる。
【0034】
さらなる実施形態において、前記温度センサは、前記モータの温度を検出するために、紡績機100のモータグループ110の電気モータ111aに関係付けられている。
【0035】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、紡績機のベルトの張りを検出するための力センサ130であり、例えば、スピンドル可動ベルト106またはシリンダ駆動ベルト128である。
【0036】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、モータグループ110のモータ111aのそれぞれによって使用される電流を検出するのに適している、電流センサ140である。
【0037】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、あそび車104、104a、104b、104cのサポート構造、または、練条シリンダ122、124、126のベアリングのサポート構造に関係付けられている、加速センサ150である。
【0038】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、紡績機の吸引ダクトにおける減圧を検出するのに適している、圧力センサ160である。
【0039】
例えば、前記圧力センサ160は、紡績機100の長手方向の両端の間に広がる、例えば、練紡機にオーバーラップする位置における、吸引チャネル162に関係付けられている。
【0040】
好ましくは、2つの圧力センサ160は、前記吸引チャネル162の長手方向の両端の近くに設けられ、適用される。
【0041】
好ましくは、さらに、紡績機100の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータおよび機械状態データに加えて、監視システムの主記憶手段60に送信されるデータは、ドッフィング(doffing)のステップにおける紡績機の管とボビンをサポートする板の進みの失敗、管/ボビンを入れ/取り出す動作、処理ステップの間の練紡の破損、および、スピンドルと練条シリンダの駆動ベルトの破損による、アラームの発生に関連するデータを含んでいる。
【0042】
練紡機(図7から図10
本発明による練紡機200では、前記検出デバイスは、フレーム200の練条シリンダ206、208、210のサポート構造204の温度を検出するために、または、フレームのフィンに対する移動メカニズムを含むボックス212の内部の温度を検出するために位置付けられている、温度センサ202である。
【0043】
さらなる例にしたがうと、前記温度センサ202は、フレームモータ200、例えば、キャリッジを駆動するためのモータ214、スプールを駆動するためのモータ216、キャリッジの変換のためのモータ218、ブリッジを駆動するためのモータ220、スプールを駆動するためのモータ222、吸引を制御するためのモータ224、ブリッジテープを駆動するためのモータ226、ドラフティングローラーを駆動するためのモータ228、および、フィンを駆動するためのモータ230の付近の温度を検出するように位置付けられている。
【0044】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ202は、フレーム200の管理のための電子デバイスを含む、電気ボックス232の内部の温度を検出するように位置付けられている。
【0045】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、フレームの吸引ダクトにおける減圧を検出するのに適している圧力センサ260である。
【0046】
例えば、前記圧力センサ260は、フレーム200の長手方向の両端の間に広がる吸引チャネル262に関係付けられており、例えば、ボックス212にオーバーラップする位置にある。
【0047】
好ましくは、2つの圧力センサ260は、前記吸引チャネル262の長手方向の両端の近くに設けられ、適用されている。
【0048】
好ましくは、さらに、フレーム200の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータと機械状態データに加えて、監視システムの主記憶手段60に送信されるデータは、例えば、処理ステップの間の練紡の破損、フィードクリール(feed creel)のベルトの破損、管またはスプールの熱交換機の動作異常、および、管またはスプールのドッフィングのステップの間の異常による、アラームの発生に関連するデータを含んでいる。
【0049】
コーマ(図11から図14
本発明にしたがうコーマ300では、前記検出デバイスは、オイルの温度を検出するために、または、コーマ300の練条グループ316の練条シリンダ308、310、312、314のベアリングのサポート構造306の温度を検出するために、熱ボックス304内部に位置付けられている温度センサ302である。
【0050】
さらなる例にしたがうと、前記温度センサ302は、機械のモータ、例えば、機械の軸を動かすためのモータ318、または、円形コームのクリーニング用のブラシを駆動するためのモータ320、または、練条グループのシリンダを駆動するためのモータ321、または、アンワインダローラー(unwinder roller)を駆動するためのモータ323、または、スピンポットデバイス(spin pot device)を駆動するためのモータ325の温度を検出するように位置付けられている。
【0051】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ302は、コーマ300の管理のための電子デバイスを含む電気ボックス322の内部の温度を検出するように位置付けられている。
【0052】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、コーマのサポートフレーム352に、または、練条シリンダ308、310、312、314のベアリングのサポート構造306に関係付けられている加速センサ350である。
【0053】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、例えば、空気の吸引の方向を考慮に入れたときの、すべてのコーミングヘッドの下流に、コーマのコーミングヘッドに沿って広がる吸引チャネル362に関係付けられた、圧力センサ360、および/または、それらのぞれぞれの減圧を検出するために各コーミングヘッドにそれぞれ関係付けられているいくつかの圧力センサ360bである。
【0054】
好ましくは、さらに、コーマ300の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータと機械状態データに加えて、例えば、詰められている素材で満ちたポットの取り換えのためのデバイスの誤動作、練条グループのシリンダにまたがる繊維巻のシグナリング、ドラフティングユニットのシリンダの変わり目における繊維のベールコンベヤ中の素材の蓄積のシグナリング、練条グループの出口における繊維のドッフィングコンベヤ中の素材の蓄積のシグナリング、個々のコーミングヘッドへの素材のフィードの異常のシグナリング、コイラ装置、すなわち検出されたアラームの数に関連するデータとともにポットの内部の梳かれたまたは作業された繊維のベルトの位置に定められたデバイスの誤動作により、データは、アラームの始まりに関連する監視システムの主記憶手段60に送信される。
【0055】
ラップワインダ(図15から図17
本発明によるラップワインダ400では、前記検出デバイスは、ラップワインダ400の練条シリンダ406、408、410のサポート構造404、または、ラップのトレーニングデバイスのシリンダの温度を検出するために位置付けられている温度センサ402である。
【0056】
さらなる例にしたがうと、前記温度センサ402は、例えば、練条グループを駆動するためのモータ412、または、ラップトレーニングカレンダー(lap training calenders)を駆動するためのモータ414である、ラップワインダのモータの温度を検出するように位置付けられている。
【0057】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ402は、ラップワインダ400の管理のための電子デバイスを含む電気ボックス416の内部の温度を検出するために位置付けられている。
【0058】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、ラップワインダ400の練条シリンダ406、408、410のサポート構造404、または、ラップトレーニングデバイスのシリンダに関係付けられている加速センサ402である。
【0059】
好ましくは、さらに、ラップワインダ400の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータと機械状態データに加えて、監視システムの主記憶手段60に送信されるデータは、例えば、フィードクリールから来るベルトの破損、練条グループのシリンダにまたがる繊維巻のシグナリング、ラップの構成ゾーン中の異常、ラップトレーニングゾーン中に置かれるように準備されている空の管をローディングするステップにおける異常、完全なカンバスの傾斜装置(tipper)の動作における異常による、アラームの発生に関連するデータを含んでいる。
【0060】
練条機(図18から図21
本発明による練条機500では、前記検出デバイスは、練条グループ512の練条シリンダ506、508、510のサポート構造504、または、練条機500の温度を検出するために位置付けられている温度センサ502である。
【0061】
さらなる例にしたがうと、前記温度センサ502は、練条機のモータ、例えば、ポットの回転のためのモータ514、または、ポットの取り換えのためのモータ516、または、練条自己調整デバイスのシリンダの動かすためのモータ518、または、練条グループのシリンダを動かすためのモータ520の温度を検出するように位置付けられている。
【0062】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ502は、練条機500の管理のための電子デバイスを含む電気ボックス522の内部の温度を検出するように位置付けられている。
【0063】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、練条シリンダ506、508、510のサポート構造504に関係付けられている加速センサ550である。
【0064】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、入口ゾーン、練条グループからの、および/または、出口ゾーンからの素材の採取のための、機械を通して広がる吸引チャネル562に関係付けられている圧力センサ560である。
【0065】
好ましくは、さらに、練条機300の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータと機械状態データに加えて、データは、例えば、詰められている満ちたポットの取り換えのためのデバイスの誤動作、練条グループのシリンダにまたがる繊維巻のシグナリング、フィードクリールから来るベルトの破損、出口ベルトの練条グループへの伝達ゾーンにおける素材の蓄積による異常により、アラームの発生に関連する監視システムの主記憶手段60に送信される。
【0066】
梳綿機(図22から図28
本発明にしたがう梳綿機600は、
−梳綿ドラム620、
−前記梳綿ドラム620の上流にあり、前記ドラムの繊維薄片をフィードするのに適しているサイロ610、
−前記ドラム620の下流にあり、前記ドラムから梳綿テープ受け取り、それをスピンポット640で巻くのに適している収集デバイス630を含んでいる。
【0067】
実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、モバイルフラットフラット606の端部サポートがスライドする、サポートアーチ604の温度を検出するように位置付けられている温度センサ602である。
【0068】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ602は、梳綿機の管理のための電子デバイスを含む電気ボックス608の内部の温度を検出するように位置付けられている。
【0069】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ602は、例えば、収集デバイス630のポット640を回転させるためのモータ642、前記ドラムおよび/またはドッフィンググループのシリンダからの素材を取り出すためにドラム620と連動するドッファを動かすためのモータ644、素材をドラムへロードするためにドラム620と連動するリッカーイン(licker-in)を動かすためのモータ646、薄片の繊維をリッカーインにフィードするためにサイロのシリンダを動かすためのモータ648、繊維をサイロへ強制して入れるための、および、繊維の分解のための、サイロのシリンダの動きのためのモータ650、652である、機械のモータの温度を検出するように位置付けられている。
【0070】
またさらなる例にしたがうと、前記温度センサ602は、サイロ610のファンを駆動するためのモータ654、モバイルフラットに対するクリーニンググループの作動のためのモータ656、ドラム620を回転させるためのモータ658、ドッフィンググループのブラシを回転させるためのモータ660、収集デバイス630に向けた出口グループを動かすためのモータ662の温度を検出するように位置付けられている。
【0071】
さらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、前記モバイルフラットのレジストレーションを監視するために、モバイルフラット606のサポートアーチ604と機械の固定された接合部605の間の距離を検出するように位置付けられている距離センサ662である。
【0072】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、素材の採取のために機械を通して広がる吸引チャネル662に関係付けられている圧力センサ664であり、特に、吸引チャネル662は、リッカーインの上流に隣接するエリアからの吸引のための開口部663、リッカーインの下流に隣接するエリアからの吸引のための開口部665、ドラムエリアの下からの吸引のための開口部667、次の梳綿ゾーンからの採取のための開口部669、ドッフィングブラシのエリアからの採取のための開口部671、673、カレンダーグループのエリアからの採取のための開口部675、モバイルフラットデバイスのエリアからの吸引のための開口部677、事前梳綿エリアからの採取のための開口部679を有している。
【0073】
好ましくは、さらに、梳毛機の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータと機械状態データに加えて、データは、例えば、繊維を梳毛するためのシリンダ(例えば、サイロフィードシリンダ、梳毛フィードシリンダ、ドラム、ドッファー、ドッフィングシリンダ、カウルボード(cowl board)、コイラカレンダー)の付近の素材の詰まりによる誤動作、前記シリンダ上のアラーム、機械を出て、収集容器中に保管する前の梳綿された/作業されたベルトの故障アラーム、機械の事前梳綿エリアに入る素材のフィーディングがないことにより、アラームの発生に関連する監視システムの主記憶手段に送信される。
【0074】
開綿機(図29
本発明による開綿機700では、前記検出デバイスは、例えば、開綿機700の開綿シリンダ706のような開綿機の回転シリンダのベアリングのサポート構造704の温度を検出するように位置付けられている、温度センサ702である。
【0075】
好ましくは、さらに、開綿機の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータおよび機械状態データに加えて、データは、アラームの発生に関連する監視システムの主記憶手段60に送信される。
【0076】
摘採機(図30および図31
本発明による摘採機800では、前記検出デバイスは、例えば、この自由端、および/または前記キャリッジ810のサポート柱820に対応する、例えば、前記キャリッジのスライディングガイド822、824に対応する、摘採機800のキャリッジ810に関係付けられている加速センサ850である。
【0077】
またさらなる実施形態にしたがうと、前記検出デバイスは、機械を通して、特に、摘採されることになる素材を採取するために、柱820およびキャリッジ810を通して広がる吸引チャネル832に関係付けられている圧力センサ830である。
【0078】
好ましくは、さらに、摘採機の制御ユニットとの動作接続を通して、検出されたデータおよび機械状態データに加えて、データは、アラームの発生に関連する監視システムの主記憶手段60に送信される。
【0079】
革新的なことに、本発明による監視システムは、1または複数の紡績ラインの大量の機械から来る膨大なデータ(ビッグデータ、すなわち、値の採取のために特定のテクノロジーおよび分析的方法を要求するような、量、スピード、多様性に関して大規模なデータの収集)を収集し、記憶し、分析できるようにすることから、本発明による監視システムは、予測メンテナンスを効果的に実現することを可能にし、特別な計算アルゴリズムを通して、予防的なメンテナンスサービスを実行する必要があることをメンテナンスオペレータに通知することを可能にする。
【0080】
有利なことに、さらに、本発明によるシステムは、非常に長い時間期間にわたって大量のデータを収集し、記憶することを可能にし、したがって、誤動作、または、動作条件のゆるやかな劣化の兆候であることが多く、通常は認識可能でないまたは識別可能でないドリフト現象または統計学的現象の検出を可能にする。
【0081】
さらに有利な態様にしたがうと、それらの間の、例えば、スピード、電流使用、および温度間の相関を識別する、機械のさまざまなパラメータを収集し、記憶する可能性がある。さらに、システムは、単一のパラメータ上の周期的な現象またはこれらの相関の結果を識別するために、頻度(frequencies)の領域で収集されたデータを分析することを可能にする。
【0082】
またさらに有利な態様にしたがうと、システムは、機械の1つ以上のパラメータの性能と他の機械、すなわち、先の機械の下流または上流にある機械の1つ以上のパラメータの性能の間、の相関、例えば、梳綿機または混打綿機(上流機械)のパラメータと紡績機(下流機械)のパラメータの傾向を識別することを可能にする。
【0083】
例えば、図32および図33で示されるように、さらなる一般パラメータXの関数として、一般パラメータP1およびP2の傾向を識別し、これらを相関関数Φ{P1(X),P2(X)}と相関させること、または、時間tの関数として一般パラメータP1の傾向を識別することが可能である。
【0084】
したがって、このように識別されたアーキテクチャ、所定のその柔軟性、大量の情報およびデータ(ビッグデータ)を蓄積する可能性、機械の動作パラメータの履歴傾向が利用可能である単一の中央システム中の処理および計算機能を開発する能力は、相関関数および予測アルゴリズムの段階的で継続的な識別、開発および発展を可能にする。
【0085】
単なる例として、ドラムの(例えば、周辺装置の)スピードの関数、または、暦年を通した大気温度の関数として、いくつかの梳綿機における梳綿テープの品質の傾向を相関させることが可能である。
【0086】
さらに、有利なことに、本発明による監視システムは、異常の傾向、ドリフト、値、または、他の何らかの例外の遠隔検出により、オンラインサポートサービスをアクティブ化できるようにする。
【0087】
さらなる有利な態様にしたがうと、本発明による監視システムは、ローカル介入する必要なく、機械の管理ソフトウェアを遠隔からアップデートできるようにする。
【0088】
特定の必要性を満たすために、上述した監視システムに対して当業者が変更できることが明らかであり、すべてが以下の特許請求の範囲によって規定される保護の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2021年1月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法において、
紡績ライン(1)中に、検出されたデータを構成する前記繊維機械のコンポーネントの物理値を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)、処理の管理のための各制御ユニットおよび画像取得手段が設けられた複数の繊維機械(2、4、6、8)を提供することと、
ここで、前記検出デバイスは、
i)前記繊維機械の動く組織のサポート構造の温度値、または、
ii)前記繊維機械の吸引ダクトにおける圧力値、または、
iii)前記コンポーネントの加速値、または、
iv)前記繊維機械の2つの組織間の距離値、または、
v)前記繊維機械の電気モータの電流値、または、
vi)前記繊維機械の張られたベルトの力値を提供し、
ここで、監視システムのローカル装置(10)は、前記検出値を構成する繊維機械(2、4、6、8)の前記物理量を検出するために、それぞれの繊維機械(2、4、6、8)と関係する前記検出デバイス(20)を備え、さらに、前記制御ユニット自体が、1つまたは複数の組織の速度、吸収された電力、モータによって吸収される電流、特定の組織の温度のような、それぞれの繊維機械(2、4、6、8)の状態データを検出し、
前記紡績ライン(1)または前記繊維機械の前記検出されたデータあるいは前記状態データを収集し記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)を提供することと、
前記ローカル装置(10)によって収集された前記検出されたデータおよび/または前記状態データを前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への送信のための遠隔送信/受信手段(70)を提供することと、
記憶された、前記ローカル装置(10)によって収集された前記検出されたデータおよび/または前記状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続された遠隔処理手段(80)を提供することと、
膨大な量のデータ、すなわちビッグデータに基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記繊維機械の、前記ローカル装置(10)によって収集された前記検出されたデータおよび/または状態データを相関させること、
第1の繊維機械の前記ローカル装置(10)によって収集された前記検出データおよび/または状態データと第2の繊維機械の前記ローカル装置(10)によって収集された検出データおよび/または状態データを相関させること、
上流の機械の検出されたデータおよび/または状態データと、さらに下流の機械の検出されたデータおよび/または状態データの間の相関関係を特定すること、ここで、上流の機械は梳綿機または混打綿機であり、下流の機械は紡績機であり、
ここにおいて、紡績ライン(1)は紡績場に取り付けられた、監視システムは以下を備える、
紡績場に取り付けられた、検出デバイス(20)および機械の制御ユニットと動作可能に接続されたローカル無線送信/受信手段(30)と、
紡績場に取り付けられた、グローバルデータストレージのための前記ローカル送信/受信手段(30)に動作可能に接続された記憶手段(40)と、ここで、前記グローバルデータは、検出デバイス(20)および前記制御ユニットから来る検出されたデータおよび/または状態データであり、
前記ローカル装置(10)のローカル処理デバイス(50)であって、前記ローカル処理デバイス(50)は、紡績場に取り付けられ、記憶されたグローバルデータのローカル処理のために前記記憶手段(40)に動作可能に接続され、
ここにおいて、前記遠隔送信/受信手段(70)は、各紡績ライン(1)の前記ローカル記憶手段(40)および/または前記ローカル処理手段(50)、ならびに複数の紡績ライン(1)から収集されたグローバルデータの送信および記憶のための前記主記憶手段(60)に動作可能に接続されている、
とのステップを備えた方法。
【請求項2】
前記検出されたデータおよび/または状態データは、時間的連続状態(「リアルタイム」モード)で前記主記憶手段(60)に送信される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記検出されたデータおよび/または状態データは、予め定められた頻度、例えば毎日または毎週(「バッチ」モード)で、あるいは、機械停止またはスケジュールされたサービスの近接のケースのような、予め定められたイベントが発生すると(「イベントベース」モード)、前記遠隔の記憶手段(60)に送信される、請求項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
特定の必要性を満たすために、上述した監視システムに対して当業者が変更できることが明らかであり、すべてが以下の特許請求の範囲によって規定される保護の範囲内に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法において、
紡績ライン(1)中に、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)と、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)とを提供することと、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)を提供することと、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)を提供することと、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続された遠隔処理手段(80)を提供することと、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させること、
とのステップを備えた方法。
[2] 第1の繊維機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向と第2の繊維機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向とを相関させることを備えた、[1]に記載の方法。
[3] 前記検出されたデータおよび/または状態データは、時間的連続状態(「リアルタイム」モード)で前記主記憶手段(60)に送信される、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記検出されたデータおよび/または状態データは、予め定められた頻度、例えば毎日または毎週(「バッチ」モード)で、あるいは、機械停止またはスケジュールされたサービスの近接のケースのような、予め定められたイベントが発生すると(「イベントベース」モード)、前記遠隔の記憶手段(60)に送信される、[1]または[2]に記載の方法。
[5] 例えば、ローカルにインストールされた少なくとも1つのウェブカムを含む、前記機械またはその組織の画像をキャプチャするための画像取得手段を提供するステップを備え、前記画像取得手段は、前記主記憶手段(60)への画像の送信のための前記遠隔送信/受信手段(70)に動作可能に接続されている、[1]乃至[4]のうちのいずれかに記載の方法。
[6] 繊維機械の誤作動または動作の劣化の識別の方法において、
複数の紡績場を提供し、それぞれには少なくとも1つの紡績ライン(1)が設けられ、各紡績ライン(1)は、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)と、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)とを備えることと、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ラインに対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)を提供することと、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)を提供することと、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)を提供することと、 大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させること、
とのステップを備えた方法。
[7] [2]乃至[5]のうちのいずれかに記載の事項を備えた、[6]に記載の方法。
[8] 紡績場における紡績ライン(1)を監視するシステムにおいて、
管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)、および、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)と、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)と、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)と、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)と、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集されたデータおよび/または状態データの傾向を相関させる相関手段と、 を備えたシステム。
[9] 複数の紡績場における紡績ライン(1)を監視するシステムにおいて、
各紡績ライン中に、管理を処理するための制御ユニットが設けられた少なくとも1つの繊維機械(2、4、6、8)、および、検出されたデータを構成する前記繊維機械の物理値、例えば動作パラメータ、を検出するための少なくとも1つの検出デバイス(20)と、
前記紡績ライン(1)または前記機械の検出されたデータあるいは状態データを記憶するための、前記紡績ライン(1)に対して遠隔の制御室に置かれている、主記憶手段(60)と、
前記検出デバイス(20)から前記主記憶手段(60)への、収集されたデータおよび/または状態データの送信のための遠隔送信/受信手段(70)と、
記憶された前記収集されたデータおよび/または状態データを処理するための、前記主記憶手段(60)と動作可能に接続されている遠隔処理手段(80)と、
大量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、予測メンテナンスを実現するために、前記機械の前記収集したデータおよび/または状態データの傾向を相関させる相関手段と、 を備えたシステム。
[10] 前記検出デバイス(20)は、温度値を提供するのに適しており、通常の処理の間、前記機械の動く組織のサポート構造の温度を検出するのに適している、例えば、温度センサ、例えば、抵抗温度計または熱量検出器である、[8]または[9]に記載のシステム。
[11] 前記検出デバイス(20)は、圧力値を提供するのに適している圧力センサであり、前記機械の吸引ダクトにおける低下の大きさを検出するのに適している、例えば、圧力トランスデューサである、[8]または[9]に記載のシステム。
[12] 前記検出デバイス(20)は、加速値を提供するのに適しており、コンポーネントが受ける振動の大きさを検出するのに適している、例えば、加速センサ、例えば、加速度計である、[8]または[9]に記載のシステム。
[13] 前記検出デバイス(20)は、距離値を提供するのに適しており、組織間の予め定められた距離の前記メンテナンスを監視するために、前記機械の2つの組織間、例えば、動いている組織と固定された接合部の距離を検出するのに適している、例えば距離センサ、例えば誘導センサである、[8]または[9]に記載のシステム。
[14] 前記検出デバイス(20)は、電流値を提供するのに適しており、前記機械の電気モータによって吸収される電流を検出するのに適している、例えば、電流センサである、[8]または[9]に記載のシステム。
[15] 前記検出デバイス(20)は、力値を提供するのに適しており、前記機械のベルトの張りを検出するのに適している、例えば力センサであり、例えばロードセルである、[8]または[9]に記載のシステム。
[16] 前記機械またはその組織の画像をキャプチャするための画像取得手段を含み、例えば、ローカルにインストールされた少なくとも1つのウェブカムを含み、前記画像取得手段は、画像の前記主記憶手段(60)への送信のための前記遠隔送信/受信手段(70)に通信可能に結合されている、[8]または[9]に記載のシステム。
[17] 繊維機械(2、4、6、8)は、監視システムのための、例えば、摘採機、混合器、開綿機、ミキシングローダ、スケールローダ、またはタフトブレンダのような混打綿機、梳綿機、練条機、ラップワインダ、またはコーマのような梳毛機、練紡機または紡績機のような紡績機である、[8]乃至[16]のいずれかに記載のシステム。
【外国語明細書】
2021073388000001.pdf