特許第5695196号(P5695196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695196
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】電流センサ用基板及び電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   G01R15/20 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-523835(P2013-523835)
(86)(22)【出願日】2012年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2012004498
(87)【国際公開番号】WO2013008466
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2013年11月1日
(31)【優先権主張番号】特願2011-154659(P2011-154659)
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2011-235330(P2011-235330)
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健治
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−364472(JP,A)
【文献】 特表2002−516396(JP,A)
【文献】 特開2003−004773(JP,A)
【文献】 特開2009−210481(JP,A)
【文献】 特開2001−174486(JP,A)
【文献】 特開2003−329749(JP,A)
【文献】 特表2007−503584(JP,A)
【文献】 特開2001−165963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定電流が流れるU字形の電流経路を有する一次導体と、
前記U字形の開口部に配置される、磁電変換素子を支持するための支持部と、
前記支持部に接続するリード端子と、を備え、
前記支持部は前記U字形の電流経路と電気的に接続せず、かつ前記U字形の前記開口部に配置された第1の支持部と、前記第1の支持部に隣接し、かつ前記開口部に配置されていない第2の支持部と
を有することを特徴とする電流センサ用基板。
【請求項2】
前記一次導体は、前記U字形の電流経路に接続する一次導体端子を有し、
前記一次導体端子は、前記電流経路の前記U字形の開口方向とは逆方向に延在しており、
前記リード端子は、前記一次導体端子が延在する方向とは逆方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の電流センサ用基板。
【請求項3】
請求項1又は記載の電流センサ用基板と、
前記電流センサ用基板の前記第1の支持部に配置された、前記電流センサ用基板の前記電流経路を流れる電流から生じる磁束を検出する磁電変換素子と、
前記電流センサ用基板の前記第2の支持部に配置された、前記磁電変換素子からの出力信号を処理するためのICチップと
を備えることを特徴とする電流センサ。
【請求項4】
前記磁電変換素子は、平面視において前記電流経路の前記U字形の内側に配置された化合物半導体磁気センサであることを特徴とする請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記磁電変換素子は、ホール素子であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記第1の支持部には段差が設けられ、前記磁電変換素子は前記段差に配置されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の電流センサ
【請求項7】
記磁電変換素子の感磁面は、前記一次導体の高さと略等しくなるように設けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の電流センサ。
【請求項8】
前記電流センサ用基板の前記第1の支持部には段差が設けられており、前記段差は前記磁電変換素子の感磁面の高さを低くする方向の段差であることを特徴とする請求項から7のいずれか一項に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサ用基板及び電流センサに関し、より詳細には、U字形の電流経路を有する一次導体を備えた電流センサ用基板及び電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導体に流れる電流を測定する電流センサとして、測定電流が流れることにより周囲に生じる磁束を検出する方法が知られている。例えば、測定電流が流れる一次導体近傍に磁電変換素子を配置する方法がある。
【0003】
図1(特許文献1の図7に対応)に、従来の電流センサの一例を示す。導電性クリップ204にU字形の電流導体部204aを形成し、ホール素子208を当該U字形の内側に配置している。U字形内側の中心付近は磁束密度が高くなるので測定感度が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/130393号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図1記載の電流センサは、導電性クリップ204を別個に設けてリード端子202a〜202dに結合することを要する等、製造上の手間がかかり、コストの増加を招く。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、U字形の電流経路を有する一次導体を備えた電流センサにおいて、製造コストを低減することにある。また、第2の目的は、当該電流センサ用の基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、被測定電流が流れるU字形の電流経路を有する一次導体と、前記U字形の開口部に配置される、磁電変換素子を支持するための支持部と、前記支持部に接続するリード端子と、を備え、前記支持部は前記U字形の電流経路と電気的に接続せず、かつ前記U字形の前記開口部に配置された第1の支持部と、前記第1の支持部に隣接し、かつ前記開口部に配置されていない第2の支持部とを有することを特徴とする電流センサ用基板である。
【0008】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記一次導体は、前記U字形の電流経路に接続する一次導体端子を有し、前記一次導体端子は、前記電流経路の前記U字形の開口方向とは逆方向に延在しており、前記リード端子は、前記一次導体端子が延在する方向とは逆方向に延在するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の第の態様は、第1又は2の態様の電流センサ用基板と、前記電流センサ用基板の前記第1の支持部に配置された、前記電流センサ用基板の前記電流経路を流れる電流から生じる磁束を検出する磁電変換素子と、前記電流センサ用基板の前記第2の支持部に配置された、前記磁電変換素子からの出力信号を処理するためのICチップとを備えることを特徴とする電流センサとしてもよい。
本発明の第の態様は、第の態様において、前記磁電変換素子は、平面視において前記電流経路の前記U字形の内側に配置された化合物半導体磁気センサであるようにしてもよい。
本発明の第の態様は、第3又は4の態様において、前記磁電変換素子は、ホール素子であるようにしてもよい。
本発明の第の態様は、第からのいずれかの態様において、前記第1の支持部には段差が設けられ、前記磁電変換素子は前記段差に配置されているようにしてもよい。
本発明の第の態様は、第から6のいずれかの態様において、前記電流センサ用基板の前記支持部には段差が設けられており、前記磁電変換素子の感磁面は、前記一次導体の高さと略等しくなるように設けられているようにしてもよい。
本発明の第の態様は、第から7のいずれかの態様において、前第1の支持部には段差が設けられており、前記段差は前記磁電変換素子の感磁面の高さを低くする方向の段差であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電流センサ用基板及び電流センサの構成を、部品点数を抑えた簡便なものとし、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来の電流センサを示す図である。
図2】第1の実施形態に係る電流センサを示す図である。
図3】第2の実施形態に係る電流センサを示す図である。
図4A】第2の実施形態に係る電流センサの製造方法を説明するための図である。
図4B】第2の実施形態に係る電流センサの製造方法を説明するための図である。
図5A】第2の実施形態に係る電流センサの製造方法を説明するための図である。
図5B】第2の実施形態に係る電流センサの製造方法を説明するための図である。
図5C】第2の実施形態に係る電流センサの製造方法を説明するための図である。
図6】第2の実施形態に係る電流センサにおいて、一次導体と磁電変換素子との位置関係を示す斜視図である。
図7図6の電流センサにおいて、A−A´断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図2に、第1の実施形態に係る電流センサを示す。電流センサ200は、U字形の電流経路210A及び一次導体端子210Bを有する一次導体210と、ホール素子等の磁電変換素子230Aを支持するための支持部220A、及びリード端子220B_1,220B_2を有する信号端子側部材220(以下、単に「部材220」と略記する。)と、支持部220Aに配置された、電流経路210Aを流れる電流から生じる磁束を検出する磁電変換素子230Aを有するICチップ230とを備える。一次導体210、部材220、及びICチップ230を樹脂240でモールドして、電流センサ200が形成される。ICチップ230及び樹脂240を除いた部分が電流センサ用基板である。
リード端子220B_1は支持部220Aに接続されているリード端子を表し、リード端子220B_2は支持部220Aに接続されていないリード端子を表してある。なお、リード端子220B_1,220B_2に共通の説明では各リード端子が単にリード端子220Bとして参照される。
支持部220Aは、被測定電流が流れるU字形の電流経路210Aに電気的に接続されておらず、このように構成することによって、一次導体210とICチップ230との間の高い絶縁耐圧を確保することができる。
【0015】
電流経路210AのU字形は、一次導体端子210B_1が延在する方向とは逆方向に開口部210Cを有し、部材220の支持部220Aは、この開口部210Cに配置されている。そして、部材220のリード端子220B_1は、一次導体端子210Bが延在する方向とは逆方向に延在する。
支持部220Aとリード端子220B_1とは、別個の部材ではなく、金属材で一体形成されている。すなわち、支持部220Aとリード端子220B_1とは物理的に一体となっており、物理的にも電気的にも接続されている。
【0016】
上述したように、U字形内側の中心付近は磁束密度が高くなり測定感度が向上するため、磁電変換素子230Aは、平面視において電流経路210AのU字形の内側に配置されている。特に、電流経路210AのU字形のコーナー部210A’では磁束密度が高くなるため、コーナー部210A’に近接して磁電変換素子230Aを配置するのが好ましい。
【0017】
本実施形態に係る電流センサ200においては、一次導体210と部材220が分離され、部材220の支持部220Aに配置されたICチップ230と一次導体210の電流経路210Aが接触せず、両者の間にクリアランスが得られる。当該クリアランスは、一次導体210とICチップ230との間の絶縁を保証し、パッケージ内部における高い耐圧の維持を可能にする。
【0018】
加えて、部材220のリード端子220B_1が、一次導体端子210Bが延在する方向とは逆方向に延在することにより、樹脂240の外周において絶縁に必要な沿面距離を確保することができ、耐圧が向上する。一次導体端子210Bとリード端子220B_1が樹脂240の同一端面から引き出されるような構成であると、両者がパッケージ外部で隣接することとなり、十分な沿面距離の確保が困難である。
【0019】
このように、第1の実施形態に係る電流センサ200は、従来よりも部品点数が抑えられ、製造コストが低減することに加えて、耐圧向上を図ることができる。
【0020】
(第2の実施形態)
図3に、第2の実施形態に係る電流センサを示す。電流センサ300が第1の実施形態の電流センサ200と異なるのは、ホール素子等の磁電変換素子330AがICチップ330に含まれておらず、別個に設けられている点である。
【0021】
支持部220Aは、U字形の開口部210Cに配置された第1の支持部220A’と、第1の支持部220A’に隣接し、開口部210Cに配置されていない第2の支持部220A”とを有する。第1の支持部220A’には、電流経路210Aを流れる電流から生じる磁束を検出する磁電変換素子330Aが配置され、第2の支持部220A”には、磁電変換素子330Aからの出力信号を処理するためのICチップ330が配置される。磁電変換素子330Aは、平面視において電流経路210AのU字形の内側に配置されている。
【0022】
本実施形態に係る電流センサ300は、磁電変換素子330Aのみが配置され、電流経路210Aの開口部210Cに配置される第1の支持部220A’と、信号処理用のICチップ330が配置され、開口部210Cに配置されない第2の支持部220A”とに分け、磁電変換素子330Aとして、InSb、InAs、GaAs等の感度の高い化合物半導体磁気センサを用いる。これにより、電流経路210Aを流れる電流の測定感度を向上させることができる。
【0023】
加えて、開口部210Cに配置する必要があるのはICチップ330ではなく磁電変換素子330Aのみであるため、U字形の電流経路210Aを小さく、且つ全長を短くすることができる。電流経路210Aが小型化すると、U字形の内側における磁場集中が高まり、電流の検出感度向上が得られる。
【0024】
また、電流経路210Aは、一次導体210のその他の部分よりも細く、抵抗が高いため発熱が集中するが、本実施形態による小型化により電流経路210Aの長さが短くなり、発熱量が低減する。
【0025】
また、電流経路210AにはU字形電流経路の一形態として、例えば、C字形、V字形、またはこれらに類似する形状の電流経路を使用しても良い。
【0026】
ここで、図4A図4B及び図5A〜5Cを参照して、第2の実施形態に係る電流センサ300の製造方法を説明する。第1の実施形態に関しても同様である。まず、一枚の金属板から、所望のパターンが形成されたリードフレームを作製する。図4Aは、一個の電流センサに対応する一部分を示している。次いで、磁電変換素子330Aを第1の支持部220A’に、ICチップ330を第2の支持部220A”にダイボンディングした後、ワイヤボンディングを行う(図4B)。最後に、一次導体210、部材220、及びICチップ330を樹脂240でモールドし、リードカットを行い、フォーミングにより高電圧側の一次導体端子210B及び低電圧側のリード端子(信号端子)220B_1,220B_2を形成する。
図5Aは平面図、図5Bは正面図、図5Cは右側面図である。
【0027】
次に、図3に示した電流センサ300における一次導体210と磁電変換素子330Aとの位置関係について図6および図7を参照して説明する。図6は、第2の実施形態に係る電流センサにおいて、一次導体210と磁電変換素子330Aとの位置関係を示す斜視図である。図7は、図6の電流センサ300において、A−A´断面を示す図である。
【0028】
図6に示した磁電変換素子330Aは、感磁面331を有し、この感磁面331が一次導体210の高さと略等しくなるように設けられている。本実施形態では、図7に示すように、第1の支持部220A’には例えばハーフエッジ加工等の手法により段差が設けられており、その第1の支持部220A’の露出部に磁電変換素子330Aが設置される構成となっている。これにより、一次導体210に流れる電流により生じる磁束が、感磁面331に対して垂直方向に通過するように発生する。したがって、磁電変換素子330Aの感磁面331における磁束密度が高くなり、電流センサ300の測定感度が向上する。
【0029】
に、感磁面331の高さが一次導体210の厚み中心の高さと等しくなるように段差を設けると、磁電変換素子330Aの感磁面331における磁束密度が最も高くなり、電流センサ300の測定感度が向上する。
【0030】
なお、支持部に段差を設ける手法としてはハーフエッジ加工に限られず、この他、コイニングにより押しつぶして機械的に薄くする方法や曲げ加工などの方法を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
200 電流センサ
210 一次導体
210A 電流経路
210B 一次導体端子
210C 開口部
220 信号端子側部材
220A 支持部
220A’第1の支持部
220A” 第2の支持部
220B,220B_1,220B_2 リード端子
230 ICチップ
230A 磁電変換素子
330 ICチップ
330A 磁電変換素子
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7