特許第5705436号(P5705436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5705436ネットワークの動作方法、ローカルエリアネットワーク及びネットワークコンポーネント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705436
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】ネットワークの動作方法、ローカルエリアネットワーク及びネットワークコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2009-551171(P2009-551171)
(86)(22)【出願日】2008年2月19日
(65)【公表番号】特表2010-520654(P2010-520654A)
(43)【公表日】2010年6月10日
(86)【国際出願番号】EP2008051980
(87)【国際公開番号】WO2008107302
(87)【国際公開日】20080912
【審査請求日】2011年1月31日
【審判番号】不服2013-11626(P2013-11626/J1)
【審判請求日】2013年6月19日
(31)【優先権主張番号】102007010789.9
(32)【優先日】2007年3月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヒュッター,インゴ
【合議体】
【審判長】 田中 庸介
【審判官】 山澤 宏
【審判官】 山中 実
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−235546(JP,A)
【文献】 特開2004−21666(JP,A)
【文献】 特表2007−501967(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0022467(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザアクションに応じて機能コマンドが生成されるホームネットワークを動作させる方法であって、前記機能コマンドはネットワークコンポーネントにおいて、割り当てられた機能を実行するように構成され、
前記機能コマンドをアクティブにしたユーザのユーザデータが利用可能にされ、前記ユーザデータから求められた個別のユーザ識別が前記機能コマンドに割り当てられ、
前記方法は、
前記割り当てられたユーザ識別を含む前記機能コマンドが前記ネットワークにより前記ネットワークコンポーネントに送信され、
前記機能コマンドは、予めプログラミングされたAVデータ再生又はAVデータ記録の処理を制御する制御コマンドを含み、ここでAVはオーディオ、ビデオを表し、前記機能コマンドを実行する、前記ネットワークコンポーネントにおいて、識別子が前記予めプログラミングされたAVデータ再生又はAVデータ記録の処理へ割り当てられているかどうか確認され、
前記確認は、前記ユーザ識別の、前記予めプログラミングされたAVデータ再生又はAVデータ記録の処理へ割り当てられ前記識別子との比較を含み、
前記ユーザ識別が前記識別子と一致したとき、前記機能コマンドが前記割り当てられたユーザ識別に関連して承認される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記機能コマンドを実行すると、該機能コマンドの結果として開始されるべき処理について記述する処理データが発生し、
前記機能コマンドに割り当てられる前記ユーザ識別に対応する識別子が、前記処理データへ割り当てられる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記識別子は、メモリに記憶されている割当テーブルにより前記処理データへ又はユーザアカウントへ割り当てられる、ことを特徴とする請求項記載の方法。
【請求項4】
一方での前記機能コマンドの発生、及び他方での前記機能コマンドの実行並びに前記ユーザ識別の評価は、前記ネットワークの異なるネットワークコンポーネントで実行される、ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ識別は、ハッシュ関数により前記集められたユーザデータから決定される値を有する、ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザデータは、ユーザによって入力されるユーザパスワードを有する、請求項1乃至のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記求められるユーザ識別は前記ユーザの年齢を含む、請求項1乃至のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
請求項1または2記載の方法において用いるネットワークコンポーネントであって、
前記ネットワークを介して受信した機能コマンドへ割り当てられる個別のユーザ識別を評価するよう構成される処理ユニットを有し、前記機能コマンドは前記ネットワークコンポーネントの予めプログラミングされたAVデータ再生又はAVデータ記録処理を制御する制御コマンドを含み、
前記機能コマンドを実行するよう構成される実行ユニットを更に有し、ここでAVはオーディオ、ビデオを表し、前記実行ユニットは、識別子が前記予めプログラミングされたAVデータ再生又はAVデータ記録処理に割り当てられいるか確認するように構成され、前記確認動作は、前記ユーザ識別の、前記予めプログラムされた処理に割り当てられた前記識別子との比較を含み、前記ユーザ識別が前記識別子と一致したとき、前記機能コマンドが前記割り当てられたユーザ識別に関連して承認される、
ネットワークコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク、特にホームネットワークの動作方法と、ローカルエリアネットワークと、第1のネットワークコンポーネント及び第2のネットワークコンポーネントとに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを形成する電子コンポーネントの組合せは、家庭でもますます重要になりつつある。これより、所謂ホームネットワークが現れる。ホームネットワークには、通常、互いに電子的に接続されているテレビ受像機、電子媒体(例えば、ビデオテープ、CD−ROM、DVD等)のための記録及び再生コンポーネント、画像及び映像データメモリ、ハイファイシステム、並びに同様の装置が含まれうる。なお、かかるホームネットワークに、ネットワーク用コンポーネントとして構成される更なる家庭電化製品を一体化することも可能である。
【0003】
ネットワーク構築の重要な利点は、様々な場所から様々なコンポーネントにアクセスすることができる可能性である。原理上、アクセスはコンポーネントの夫々を介して可能である。しかし、標準的なホームネットワークでは、アクセスは、ネットワークコンポーネント又は制御ポイント装置(CPs−“Control Points”)の制御を通して可能である。これらは、機能コマンドを発生させ、それらを実行のためにネットワーク内の他のコンポーネントへネットワークを介して伝送するよう構成される。
【0004】
例えば、仕事部屋にあるパーソナルコンピュータ及び居間にあるテレビ受像機は、家庭において、ある放送番組が録画されることを可能にするように、ビデオユニット及び衛星受信機にアクセス可能な制御ポイント装置として構成され得る。標準的なホームネットワークはUPnP標準(UPnP−“Universal Plug and Play”)を使用する。
【0005】
複数の家人が存在する場合はコリジョンが生じうる。上記の例において、テレビ受像機は第1ユーザにより操作され、パーソナルコンピュータは第2ユーザにより操作される場合に、2つの制御装置が、抵触する機能コマンドをビデオユニットへ送信することがある。目下利用可能なホームネットワークでは、2つのコマンドのうち、後の時点に到着したコマンドは、先に到着していたコマンドを書き換え又は変更しうる。
【0006】
従って、ユーザは、彼らがプログラミングしたコマンドが、そのコマンドが実行される前に他のユーザによってどうしても変更又は削除され得ないという何らの保証も有さない。同様に、標準的なホームネットワークは、原理上、各ユーザがネットワークに記憶されているデータの全てへのアクセスを有するという問題を抱える。これは、特に未成年者の保護の観点で憂慮すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ネットワークコンポーネントへの複数のユーザのアクセスがコリジョンのない動作を確かにするように改善されるネットワーク動作方法並びにネットワーク及び対応するネットワークコンポーネントを開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項1に従う方法により、独立請求項13に従うローカルネットワークにより、並びに独立請求項14及び15に従うネットワークコンポーネントにより、本発明に従って解消される。
【0009】
本発明に従って、機能コマンドが発生した状態で、ネットワークステーションで割り当てられている機能を実行するよう構成されるネットワーク、特にホームネットワークを動作させる方法であって、
集められたユーザデータから得られるユーザ識別を前記機能コマンドへ割り当て、
割り当てられた前記ユーザ識別を前記機能コマンドの実行に応答して前記ネットワークステーションで評価し、
前記機能コマンドが前記割り当てられたユーザ識別に関連して承認されることが、対応するユーザ識別の評価に応答して確かめられる場合に、前記機能コマンドを実行する方法が提供される。
【0010】
本発明の他の側面に従って、
機能コマンドを発生させるよう構成される制御ユニットと、
前記制御ユニットと接続され、ユーザデータから得られるユーザ識別と前記機能コマンドとの間の割当を発生させるよう構成される割当ユニットと、
前記制御ユニットと接続され、割り当てられた前記ユーザ識別を評価するよう構成される処理ユニットと、
前記制御ユニット及び前記処理ユニットと接続され、前記機能コマンドが前記割り当てられたユーザ識別に関連して承認されることが、対応するユーザ識別の評価に応答して確かめられる場合に、前記機能コマンドを実行するよう構成される実行ユニットと
を有するネットワークコンポーネントを備える、ホームネットワークを含むローカルネットワークが提供される。
【0011】
本発明は、発生した機能コマンドへユーザ識別を割り当てて、ユーザとの機能コマンドの接続を確立するという考えを有する。有利に、ユーザは、ユーザ識別を機能コマンドへ割り当てられているユーザであり、そのユーザのために及び/又はそのユーザのアクションに対する応答として、その機能コマンドが発生している。このようにして機能コマンドの個人化はネットワークにおいて達成される。ホームネットワークの標準的な動作方法と比べて、かかる個人化は、ホームネットワークで実行される機能とユーザとの間に常に論理的な接続が存在する点で有利である。割当は、例えば、メモリに記憶されている割当テーブルにより形成されてよい。
【0012】
個人化を実現するよう、ユーザ識別は、以前に集められたユーザデータから得られる。有利に、ユーザデータにはユーザ名及びユーザパスワードが含まれる。これらは、ユーザアカウントに記憶されており、全てのログイン処理に応答して又は最初のログイン処理にのみ応答してユーザから要求される。
【0013】
本発明の有利な発展によれば、前記機能コマンドがプログラミングされた処理を制御する制御コマンドを有し、前記機能コマンドを実行すると、識別子が前記プログラミングされた処理へ割り当てられているかどうかが確認され、前記機能コマンドへ割り当てられる前記ユーザ識別の評価は、該ユーザ識別と前記プログラミングされた処理へ割り当てられる前記識別子との比較を有することが提供される。このように、プログラミングされた処理(例えば、チューナによって実行されるべき、或るラジオ又はテレビ番組を受信して記憶するアクション)は如何なるユーザによっても変更又は削除をされ得ないことが可能とされる。プログラミングされた処理への一定の変更は、特定のユーザ識別、すなわち、特定のユーザに関してのみ認められる。プログラミングされた処理の制御は、これによって、このプログラミングされた処理の変更及び完全な削除を含みうる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記機能コマンドは、メモリに記憶されている電子データへのアクセスコマンドを有し、前記機能コマンドを実行すると、識別子が前記電子データへ割り当てられているかどうかが確認され、前記ユーザ識別の評価は、前記電子データへ割り当てられている前記ユーザ識別と割り当てられている前記識別子との比較を有することが提供される。これにより、電子データへのアクセスを有するユーザのサークルは限定される。これによって、電子データへのアクセスには、また、電子データの変更又は削除が含まれる。
【0015】
本発明の有利な改善によれば、前記メモリに記憶されている前記電子データはユーザアカウントデータを有することが提供される。これにより、ユーザアカウントデータへのアクセスは制限される。このようにして、例えば、各ユーザは、自身のユーザアカウントデータを更新し又はそれらを1つのネットワークコンポーネントから他の1つのネットワークコンポーネントへ複製するために自身のユーザカウントへのアクセスしか有さないことが達成され得る。
【0016】
機能コマンドの実行に応答して、望ましくは、本発明の発展によれば、前記機能コマンドの結果として開始されるべき処理について記述する処理データが発生し、前記機能コマンドに割り当てられる前記ユーザ識別に対応する識別子が、前記処理データへ割り当てられる。このようにして、処理はユーザによってプログラミングされることを特徴とし、これにより、そのユーザのみが例えば変形を実行することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記機能コマンドは電子データを発生させるコマンドを有し、前記機能コマンドの実行に応答して、前記電子データは発生し、且つ、前記機能コマンドに割り当てられる前記ユーザ識別に対応する識別子が前記電子データへ割り当てられる。
【0018】
本発明の有利な改善によれば、発生した前記電子データはユーザアカウントデータを有する。このユーザアカウントデータには、ユーザに係るユーザ情報(例えば、ホームネットワーク全体と一致するユーザ名、ユーザ識別子、及び/又はユーザが好むネットワークコンポーネントの設定)が含まれる。ユーザアカウントはユーザパスワードを用いて保護されてよく、ユーザパスワードは、また、このユーザアカウントに記憶されてよい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ユーザ識別は特定のユーザ情報を有する。例えば、この特定のユーザ情報は、ユーザの年齢に関する情報であってよい。これより、未成年者の保護のための機能の実施が可能となる。特定のユーザ情報は、前記ユーザアカウントデータに記憶されてよい。
【0020】
本発明の有利な発展によれば、前記識別子は、メモリに記憶されている割当テーブルにより前記処理データへ又は前記電子データへ割り当てられる。この割当テーブルは、ネットワークコンポーネントの1つ若しくは複数のネットワークコンポーネントのメモリに、又はネットワークコンポーネントの全てと接続されたメモリに記憶されてよい。
【0021】
本発明の有利な改善によれば、前記機能コマンドの発生及び実行並びに前記ユーザ識別の評価は、データ技術様式で互いと接続されている前記ネットワークの異なるネットワークコンポーネントで少なくとも部分的に実行される。ユーザによる入力に基づいて、例えば、制御ネットワークコンポーネントは、前記機能コマンドを発生させることができ、該機能コマンドにユーザ識別を割り当てることができ、その後に、前記機能コマンドを実行すべき被制御ネットワークコンポーネントへその機能コマンドを伝えることができる。次いで、前記機能コマンドは、前記被制御ネットワークコンポーネントによって集められ、前記割り当てられたユーザ識別は、前記機能コマンドが該割り当てられたユーザ識別に関連して承認されるかどうかを確かめるように評価される。前記機能コマンドは、それが前記割り当てられたユーザ識別に関連して承認される場合に、前記被制御ネットワークコンポーネントによって実行される。代替案として、前記制御ネットワークコンポーネント及び前記被制御ネットワークコンポーネントはネットワーク装置に一体化されてよい。
【0022】
前記被制御ネットワークコンポーネントはサーバ及びレンダラ(renderer)であってよい。ここで、「サーバ」は、あらゆるフォーマットのデータをネットワークへ供給するそれらのユニットをいう。これには、電子メモリ並びにチューナ及びメディアサーバが含まれる。それとは反対に、「レンダラ」は、サーバによって提供されるデータを処理し且つそれらをユーザにアクセス可能にするユニットである。それは、例えば、画像、映像又は音声出力装置であってよい。
【0023】
本発明の有利な実施形態によれば、前記ユーザ識別は、ハッシュ関数により前記集められたユーザデータから決定される値を有する。データ量から、ハッシュ関数又は一貫性のない値の関数(erratic value function)は、一般に元のデータ量よりも小さいメモリで済む所謂ハッシュ値を決定する。それは、一種の暗号化アルゴリズムとして理解され得る。結果として、暗号化されたデータ量をハッシュ値の解析により直接に推論することは可能でなく、また、それは望まれない。
【0024】
望ましくは、本発明の発展によれば、前記ユーザデータは、ユーザによって入力されるユーザパスワードを有する。前記ユーザ識別を得るためにユーザだけが知っているユーザパスワードを集めることによって、前記ユーザ識別が変造され得ないことが確かにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ネットワークコンポーネントを有し、うち2つが制御ポイント装置として具現されるホームネットワークの略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明について、実施例により更に詳細に説明する。
【0027】
図は、機能コマンドを生成し実行する方法を実行するよう構成されるホームネットワークの略図を示す。ホームネットワークは、第1の制御ポイント装置1として構成されるネットワークコンポーネントと、第2の制御ポイント装置2として構成される更なるネットワークコンポーネントとを有する。更に、制御ポイント装置1及び2が発生させた機能コマンドを受け取って実行する被制御ネットワークコンポーネント4が設けられている。制御ポイント装置1及び2並びに被制御ネットワークコンポーネント4は、ネットワーク構造3を介してデータ技術様式で互いに接続されている。ネットワーク構造3は、更なる制御及び/又は被制御ネットワークコンポーネントを包含してよい。それらのネットワークコンポーネントは、図中には別途表されていない。
【0028】
これらのネットワークコンポーネントは制御ポイント装置と称される。それによりユーザは機能コマンドを発生させることができ、機能コマンドは、その後に、制御ポイント装置自体によって又は他のネットワークコンポーネントによってネットワーク内で実行される。例えば、ユーザは、操作エレメントによってテレビ受像機に所定の設定を設定することができる。しかし、ユーザは、ホームネットワークの更なるネットワークコンポーネント(例えば、DVDプレーヤー)をプログラミングすることができ、あるいは、ユーザは、テレビ受像機における操作エレメントによってそれらのネットワークコンポーネントに機能を実行させることができる。或る程度、更なるネットワークコンポーネントは、制御ポイント装置自体として構成されてよい。このように、制御ポイント装置には、機能コマンドを発生させるよう構成される少なくとも1つの制御ユニットが含まれる。
【0029】
被制御ネットワークコンポーネント4をプログラミングするために第1の制御ポイント装置1を操作するユーザは、最初に、ユーザ名及びユーザパスワードにより又はユーザキーにより第1の制御ポイント装置1で自身を識別しなければならない。対応するユーザ名の下のユーザアカウントが既に第1の制御ポイント装置1で利用可能である場合は、入力されたユーザパスワードは評価され、ユーザアカウントに記憶されているユーザパスワードとの整合性の上に、ユーザアカウントは解放される。更に、ユーザアカウントには、ユーザ名及びユーザパスワードの結果であるユーザ識別が含まれる。
【0030】
ユーザによる命令に従って、次いで、制御ネットワークコンポーネント4でユーザが望む機能コマンドを実行するよう構成される機能コマンドが、制御ポイント装置1によって発生する。更に、ハッシュ関数によってユーザ識別から決定されたユーザ識別ハッシュ値が、発生した機能コマンドに割り当てられる。割当は、例えば、機能コマンドを記述する電子機能コマンドデータがユーザ識別ハッシュ値によって補完される点において、実行されてよい。代替案で、機能コマンドとユーザ識別ハッシュ値との間の割当は、割当テーブルへのエントリにより形成されてよい。
【0031】
次いで、機能コマンドは、ネットワーク構造3を介して被制御ネットワークコンポーネント4へ送信される。そこでは、最初に、機能コマンドへ割り当てられている機能が以前にプログラミングされた処理と衝突しうるかどうかが確認される。被制御ネットワークコンポーネント4が、例えば、或るDVDの内容を再生するよう以前にプログラミングされたDVDプレーヤーである場合は、異なるDVDを再生する命令を有する機能コマンドはコリジョンをもたらしうる。この場合に、制御ポイント装置1によって機能コマンドに割り当てられているユーザ識別ハッシュ値は、例えば、このユーザ識別ハッシュ値を、プログラミングされた処理に割り当てられている識別子と比較することによって、評価される。機能コマンドは、以前にプログラミングされた処理が同じユーザによるものであると評価の過程で決定される場合に、実行される。上記の場合に、機能コマンドは、例えば、処理の変更、上書き又は終了により、以前にプログラミングされた処理を制御するための制御コマンドとして解される。
【0032】
機能コマンドの実行の際に、ユーザ識別ハッシュ値に対応する更なる識別子は、機能コマンドによりプログラミングされる処理に割り当てられる。このように、プログラミングされた処理は、それが当該ユーザによってのみ変更されうるように個人化される。更なるユーザが、その後に、自身のユーザ名及びユーザパスワードにより第2の制御ポイント装置2に対して自身を識別することによってホームネットワークにログインし、被制御ネットワークコンポーネント4へ送信されるべき更なる機能コマンドが発生することを認める場合に、第2の制御ポイント装置2は更なるユーザ識別ハッシュ値を発生させ、それを更なる機能コマンドに割り当てる。
【0033】
第2の制御ポイント装置2によって発生した機能コマンドが、第1の制御ポイント装置1によって機能コマンドの結果としてプログラミングされた処理と衝突する場合に、被制御ネットワークコンポーネント4は、割り当てられたユーザ識別ハッシュ値の評価の間、機能コマンドが認定されないように異なるユーザであると判断する。この場合に、第2の制御ポイント装置2におけるユーザは、例えば、被制御ネットワークコンポーネント4が占有されていること、更に、該当する場合には誰によって占有されているかを通知され得る。
【0034】
被制御ネットワークコンポーネント4のメモリに記憶されている電子データへのアクセスは、ホームネットワークにおけるプログラミングされた処理の制御と同様に取り扱われる。このために、ユーザ識別ハッシュ値に対応する識別子は電子データに割り当てられている。第2の制御ポイント装置2における更なるユーザが電子データにアクセスすることを望む場合に、対応する機能コマンドがそこで発生する。その機能コマンドには、更なるユーザのユーザデータから得られるユーザ識別ハッシュ値が割り当てられる。次いで、発生した機能コマンドは被制御ネットワークコンポーネント4へ送られ、被制御ネットワークコンポーネント4は、上記のアプローチに従ってユーザ識別ハッシュ値を評価し、データアクセスが認定されるかどうかを確認する。
【0035】
ネットワークコンポーネントの全てが、1のユーザについてそのユーザのユーザデータに基づいて同じユーザ識別ハッシュ値を決定する点で有利である。複数の異なる識別子が、また、プログラミングされた処理に、又は記憶された電子データに割り当てられてよく、これより、異なるユーザによるプログラミングされた処理の制御又は記憶された電子データへのアクセスが認められる。
【0036】
ネットワークコンポーネント、特に制御ポイント装置は、利用可能なユーザアカウントに関するあらゆることを知っている必要はなく、一方で、しかし、制御ポイント装置間のユーザアカウントの全ての調停(reconciliation)は、全ての制御ポイント装置1及び2ごとのユーザについて新しいユーザアカウントをセットアップせざるを得ない状態を回避するように有利である。このために、1つの制御ポイント装置1又は2から他の制御ポイント装置2又は1へユーザアカウントを送信し又は少なくとも部分的に複製するサービスが提供される。
【0037】
ユーザアカウントが新たにセットアップされる場合に、それは自動的にサービスによって他の制御ポイント装置1又は2へ送信又は複製をされる。ユーザアカウントの複製に対する高まる規制は、対応する情報(例えば、コピー防止インジケータ)が、ユーザアカウントの設定の際にユーザアカウントに記憶される点で、確かにされ得る。ユーザアカウントを複製するよう、その場合に、適切なユーザは、複製されるべきユーザアカウントを有し又はユーザアカウントが複製されるべき制御ポイント装置1又は2にログインしなければならない。次いで、ユーザは、夫々の制御ポイント装置1又は2から他の制御ポイント装置2又1へ複製要求を送信することができる。この場合に、上記の方法は、また、電子データにアクセスするためにも使用される。電子データは、この場合に、ユーザアカウントからのユーザアカウントデータである。
【0038】
高まる安全性のために、他の電子データにアクセスし且つプログラミングされた処理を制御するために使用されるユーザ識別とは異ならせるよう、ユーザアカウントデータにアクセスするために使用されるユーザ識別が提供されてよい。これは、例えば、ユーザ識別ハッシュ値を決定する場合に異なるハッシュ関数を用いることで達成される。
【0039】
ユーザが自身のユーザアカウントを変更する場合に、ネットワーク内のユーザアカウントは依然として一貫性がなければならない。ユーザアカウントが構成された制御ポイント装置1又は2は、ネットワーク内の他の制御ポイント装置2又1に更新を知らせるために、他の制御ポイント装置2又1にイベント又はインシデント・メッセージを送信する。次いで、他の制御ポイント装置2又1は、制御ポイント装置1又は2からの現在のユーザアカウントデータを問い合わせることができる。
【0040】
ユーザアカウントを変更する場合に、時間マーク又は時間スタンプは発生し、ユーザアカウントに記憶される。ユーザアカウントの問い合わせに応答して、時間スタンプはそれと一緒に送信され、これより、ユーザアカウントのアップ・ツー・デイトネス(up-to-dateness)が比較され得る。このように、制御ポイント装置1及び2は、ユーザによる加入を必要とせずに互いの間でユーザアカウントを更新することができる。ユーザアカウントを更新する場合に、この目的のために使用されるユーザ識別は、不当な問い合わせ及び偽造したユーザアカウントデータを防ぐように、問い合わせを受けた制御ポイント装置1又は2によって及び問い合わせをした制御ポイント装置2又は1によって評価される。
【0041】
未成年者の保護のために、それは、或る機能(例えば、未成年者にとって不適切な映像データのダウンロード及び再生)が、ユーザが一定の最低年齢に達しているときにのみ認められる場合に有利である。この目的のために、インスタントメソッドは、ユーザの年齢に関する情報(例えば、ユーザの生年月日)を有するユーザアカウントデータをユーザアカウントに記憶する。機能コマンドを発生させる場合に、この付加的なユーザアカウントデータは、ユーザ識別に加えて、また機能コマンドに割り当てられ、機能コマンドが実行される場合に、その機能コマンドが要求されている映像データに割り当てられている未成年者保護に関する対応する情報と比較される点で、評価される。テレビ番組に関し、例えば、未成年者の保護に関するこのような情報は、ネットワークがアクセスすることができる電子テレビガイド(EPG(“Electronic Program Guide”)とも称される。)にリストアップされてよい。
【0042】
更なる実施形態が可能である。例えば、対応する識別子を割り当てることによる公衆の又は私的なデータとしてのメディアサーバにおける電子データの分類があり、アクセスは一定のユーザ識別子によってのみ認証される。更に、ネットワークコンポーネントは、例えば、レコーダとして構成され且つ異なる時間に放送される番組を記録するよう複数のユーザによってプログラミングされたネットワークコンポーネントであって、要求があると適切なユーザにより印を付けられた番組のリストを出力することができる。
【0043】
従来のホームネットワーク標準(例えば、UPnP)との互換性を確保するよう、例えば、付加的な方法ステップは、ユーザ識別及び該当する場合には更なるユーザアカウントデータ(例えば、誕生日)の割当を提供する方法ステップであって、新しいプロトコルのために導入されるべきである。その場合に、制御ポイント装置1又は2は、ネットワークコンポーネント(例えば、サーバ)が個人化を知らない場合を速やかに認識する。これは、ネットワークコンポーネントがその場合にエラーを有して答えることによる。この場合に、制御ポイント装置1又は2は、既知のプロトコルを用いても、すなわち、割り当てられているユーザ識別を用いずとも、ネットワークコンポーネントへ機能コマンドを再び送信する。
【0044】
更に、利用可能なデータに関する問い合わせを行うために、UPnP標準のブラウザコマンドはオプションを提供されてよい。このオプションを介して、ユーザは、私的コンテンツのみが、全てのコンテンツが、又は公衆コンテンツのみが取り出されるべきかどうかを特定することができる。
【0045】
UPnP標準により、httpプロトコル(ハイパーテキスト転送プロトコル)は、サーバからレンダラへデータを送信する場合に、しばしば使用される。データを再生するコマンドは、これによって、レンダラにあるモジュラへ送信され、AVトランスポートサービス(AVは音声(audio)及び映像(video)を表す。)として識別され、データ転送に寄与する。データ転送を制御するためのAVトランスポートサービスの既存の方法に加えて、ユーザ識別ハッシュ値を更に転送する新たな方法ステップが、また、ここで開始されるべきである。ユーザが要求されているデータにアクセスすることを認められているかどうかに関してレンダラが何らの情報も有さないという事実により、レンダラは、データ転送の間サーバへユーザ識別ハッシュ値を送信すべきである。これは、例えば、付加的なhttpパラメータ又はURLパラメータによって行われ得る。私的データに対する要求又は問い合わせに応答してレンダラからサーバへ認証されたユーザ識別ハッシュ値が送信されず又は不正なユーザ識別ハッシュ値が送信される場合に、サーバはデータ転送を拒み、レンダラはエラーメッセージを制御ポイント装置へ送信する。レンダラが個人化を識別しない場合は、レンダラはエラーメッセージ(例えば、識別番号402(“無効な引数(Invalid Arguments)”−無効パラメータ))により応答し、サーバの公衆データがアクセスされ得る元のUPnP方法のみがその場合に使用のために認められる。
【0046】
RTPプロトコル(“実時間転送プロトコル”)が、サーバとレンダラとの間の転送のためにhttpプロトコルに代えてRTSPプロトコル(“実時間ストリーミングプロトコル”)に関連して使用される場合に、当該方法は適切にRTSPプロトコルに適合され得る。httpステータス符号402(“無効な引数”)に代えて、適切なRTSPステータス符号が、例えば識別番号400(“不良要求(Bad Request)”)を有して、その場合には送信される。
【0047】
本明細書及び特許請求の範囲で開示される本発明の特徴は、個々に及びそれらのあらゆる組合せにおいて、その様々な実施形態での本発明の実現のために重要でありうる。
図1