(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726233
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】二重再熱を行う高温蒸気タービン発電プラント
(51)【国際特許分類】
F01K 7/22 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
F01K7/22 Z
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-106804(P2013-106804)
(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公開番号】特開2013-241934(P2013-241934A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2013年9月9日
(31)【優先権主張番号】12168611.7
(32)【優先日】2012年5月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ライグル
【審査官】
寺町 健司
(56)【参考文献】
【文献】
再公表特許第2010/018775(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 7/22−24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発電プラント(10)であって、1つのロータにおいて、運転中に第1の蒸気再熱器(151)に接続される蒸気出口(122)を有する少なくとも1つの高圧タービン(14)もしくはタービンセクションと、少なくとも2つの中圧タービン(161,162)もしくはタービンセクションと、を備え、該少なくとも2つの中圧タービン(161,162)もしくはタービンセクションのうちの第1のものは、運転中に第2の蒸気再熱器(152)に接続される蒸気出口(125)を有し、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)もしくはタービンセクションのうちの第2のものは、前記第2の蒸気再熱器(152)から蒸気を受け取るための蒸気入口(126)と、1つ以上の低圧タービン(163)もしくはタービンセクションに接続された蒸気出口(127)と、を有し、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)もしくはタービンセクションはそれぞれ、高温タービン(161−1,162−1)もしくはタービンセクションと、低温タービン(161−2,162−2)もしくはタービンセクションとに分離されており、
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションと、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションとは、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションのための別個の蒸気入口管(124)および出口管(128)と、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションのための別個の蒸気入口管(126)および出口管(129)とを備える1つの外側ケーシングにおける二重流れ構成において結合されていて、
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記低温タービン(161−2)もしくはタービンセクションと、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションまたは高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションとのうちの少なくとも1つは、1つの内側ケーシングにおける二重流れタービンであることを特徴とする、蒸気発電プラント(10)。
【請求項2】
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションの蒸気入口(124)は、前記第1の再熱器(151)の出口に接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションの蒸気出口(128)は、管結合を介して、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの別個の低温タービン(161−2)若しくはタービンセクションに接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記低温タービン(161−2)もしくはタービンセクションの蒸気出口は、戻り管(125)を介して前記第2の再熱器(152)に接続されている、請求項1記載の蒸気発電プラント(10)。
【請求項3】
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションの蒸気入口(126)は、前記第2の再熱器(152)の出口に接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションの蒸気出口(129)は、管結合を介して、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの別個の低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションに接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションの蒸気出口は、供給管(127)を介して少なくとも1つの低圧タービン(163)に接続されている、請求項1記載の蒸気発電プラント(10)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションの蒸気入口(124)は、前記第1の再熱器(151)の出口に接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションの蒸気出口(128)は、管結合を介して、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの別個の低温タービン(161−2)もしくはタービンセクションに接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記低温タービン(161−2)もしくはタービンセクションの蒸気出口は、戻り管(125)を介して前記第2の再熱器(152)に接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションの蒸気入口(126)は、前記第2の再熱器(152)の出口に接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションの蒸気出口(129)は、管結合を介して、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの別個の低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションに接続されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションの蒸気出口は、供給管(127)を介して少なくとも1つの低圧タービン(163)に接続されている、請求項1記載の蒸気発電プラント(10)。
【請求項5】
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションと、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションとは、650℃以上のそれぞれの蒸気入口温度に耐えるように製造されている、請求項1記載の蒸気発電プラント(10)。
【請求項6】
前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記高温タービン(161−1)もしくはタービンセクションと、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記高温タービン(162−1)もしくはタービンセクションとは、650℃以上のそれぞれの蒸気入口温度に耐えるように製造されており、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第1のものの前記低温タービン(161−2)もしくはタービンセクションと、前記少なくとも2つの中圧タービン(161,162)のうちの第2のものの前記低温タービン(162−2)もしくはタービンセクションとは、650℃未満の蒸気入口温度のために製造されている、請求項1記載の蒸気発電プラント(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、第1および第2の再熱において650℃以上の主または生蒸気温度によって駆動され、かつ100MW以上の電力出力を有する、二重再熱を行う高温蒸気タービン発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
現在稼働中の蒸気発電プラントは約600℃までの主蒸気温度を有する。この温度またはこの温度に近い温度で稼働する場合、主蒸気圧力が臨界圧よりも高くなるため、発電プラントは一般に"超臨界"と称される。蒸気温度を高めることにより超臨界発電プラントの効率を高める努力は、ボイラ、タービンおよび供給管用の適切な材料を欠くことにより大幅に妨げられてきた。クロムをベースとする場合の慣用の鋼でさえ、650℃未満で安定性を損なう。
【0003】
利用できる材料によって現在課せられる障害を突破するように設計された発電プラントは、しばしばウルトラ超臨界もしくはUSC蒸気プラントと称される。650℃よりも高い蒸気温度を得るために、高温に曝される部分はニッケルベース合金を必要とするが、ニッケルベース合金は、高価であり、また10トンの限界を超える大型鍛造に鍛造するのは困難である。この限界は、例えば公開された米国特許出願第2008/0250790号明細書に記載されたような大型蒸気タービンプラントのロータのためには不十分である恐れがある。
【0004】
他方で、"二重再熱"として記載された方法が提案されており、例えば米国特許第2955429号明細書によって証拠づけられるように、50年以上使用されている。二重再熱システムは、ボイラまたは再熱器への、主蒸気経路の付加的な戻り流を有する。典型的な単一再熱システムにおいては、戻り経路は、第1のまたは高圧タービンからの出口蒸気を、第2のまたは中圧におけるタービン段に再進入する前に予熱するためにボイラに戻す。二重再熱システムにおいては、蒸気が第2の(より低い)中圧または低圧タービン段に進入する前にこの蒸気を再熱するために、同様の戻り経路が、中圧タービンの出口に存在する。
【0005】
二重再熱システムは、USC蒸気プラントの効率をさらに高める手段として提案されてきた。二重再熱USC発電プラントの設計は、例えば、R.Blum, J.Bugge, S.Kjaer, "AD700 innovations pave the way for 53 per cent efficiency" in Modern Power Systems, 2008年11月、15〜19頁に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】R.Blum, J.Bugge, S.Kjaer, "AD700 innovations pave the way for 53 per cent efficiency" in Modern Power Systems, 2008年11月、15〜19頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、USC蒸気発電プラントのために提案された二重再熱システムは、既存の材料の特性およびコストに十分に最適化されていない。したがって、本発明の課題は、商業的に存在可能な設備に技術的および経済的により適した、USC蒸気発電プラントの改良された二重再熱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様によれば、蒸気発電プラントであって、1つのロータにおいて、運転中に第1の蒸気再熱器に接続される蒸気出口を有する少なくとも1つの高圧タービンもしくはタービンセクションと、少なくとも2つの中圧タービンもしくはタービンセクションと、を備え、該少なくとも2つの中圧タービンもしくはタービンセクションのうちの第1のものは、運転中に第2の蒸気再熱器に接続される蒸気出口を有し、前記少なくとも2つの中圧タービンもしくはタービンセクションのうちの第2のものは、前記第2の蒸気再熱器から蒸気を受け取るための蒸気入口と、1つ以上の低圧タービンもしくはタービンセクションに接続された蒸気出口と、を有し、前記少なくとも2つの中圧タービンもしくはタービンセクションはそれぞれ、高温タービンもしくはタービンセクションと、低温タービンもしくはタービンセクションとに分離されている、蒸気発電プラントが提供される。
【0009】
高温タービンもしくはタービンセクションは、650℃より高い、好適には700℃より高い温度において、再熱された蒸気を受け取ることができる。また、これにより高温タービンもしくはタービンセクションは、少なくとも部分的にニッケルベース合金のような最新の材料から製造される。
【0010】
中圧タービンの分離により生じる4つのタービンもしくはタービンセクションは、好適には二重流れタービンに再結合することができ、その結果、二重流れ高温タービン、二重流れ低温タービン、またはその両方を生じる。
【0011】
発明のこれらの態様またはその他の態様は、以下の詳細な説明または以下に列挙する図面から明らかになるであろう。
【0012】
ここで添付の図面を参照して発明の典型的な実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】公知のウルトラ超臨界蒸気発電プラント設計の再現である。
【
図2A】本発明の第1の態様による改良を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
図1のプラント設計10は、二重再熱を備える公知のUSC蒸気プラントを示す。蒸気発電機もしくはボイラ11において、生蒸気は水戻りサイクル(図示せず)から発生され、主蒸気供給管121および主蒸気入口弁131を通じて第1のタービン14へ案内される。タービン14は、一般的に、高圧もしくはHPタービンと称される。主蒸気経路は、管122を通じてHPタービン14から出る。管122は、次いで、第1の再熱器戻り管123へ分岐する。ボイラ11の一般的部分にある第1の再熱器151において、主蒸気流れは、再熱された後、供給管124に進入し、入口弁132を通って、第1の中圧またはIPタービン161へ通過する。
【0015】
この段階で、供給蒸気は、再熱により、もとの生蒸気温度に近いかまたはもとの生蒸気温度よりもさらに高い温度を獲得している。第1のIPタービン161は、基本的にHPタービン14と同じ耐熱材料を用いて製造されている。第1のIPタービン161の出口から、戻り管125が第2の再熱器152へ通じている。
【0016】
第2の再熱器152において、蒸気は再びもとの生蒸気温度に近いかまたはもとの生蒸気温度よりも更に高い温度に加熱される。第2の再熱器を通過した後、蒸気は、蒸気供給管126に入り、弁133を通って第2の中圧タービン162に入る。第2のIPタービン162もやはり、基本的にHPタービン14および第1のIPタービン161と同じ耐熱材料を用いて製造されている。
【0017】
第2のIPタービン162の出口における蒸気は、1つ以上の低圧もしくはLPタービン163に案内され、最終的に凝縮状態に膨張させられる。LPタービン163は、1つの内側ケーシングにおいて2つの平衡した分岐路を備えるいわゆる"二重流れ"タービンとして構成されている。
【0018】
全てのタービンは、技術分野において公知のように、電磁発電機18を駆動する1つのロータシャフト17を共有する。
【0019】
図2Aのプラント設計10は、本発明の実施例による再熱システムを備える、二重再熱を行うUSC蒸気プラントを示す。基本的に等しい構成要素または同様の機能を備える構成要素の符号は、
図1のものと同じである。
図2Aの設計において、やはり、水戻りサイクル(図示せず)から蒸気を発生し、蒸気を主蒸気供給管121および主蒸気入口弁131を通じて第1のタービン14へ案内するための、蒸気発生器もしくは生蒸気ボイラ11が設けられている。
図1の実施例のように、タービン14は、約700℃の温度および約350barの主蒸気圧力P0に適した材料から形成された高圧もしくはHPタービンである。前述のように、主蒸気経路は、管122を通じてHP蒸気タービン14から出る。管122は、次いで、第1の再熱器戻り管123に分岐する。一般的にボイラ11の一部分である第1の再熱器151において、主蒸気流は再熱された後、供給管124に進入し、入口弁132を通って第1の中圧もしくはIPタービン161へ通過する。
【0020】
第1の中圧もしくはIPタービン161は、この実施例では、第1の高温部分161−1および第2の低温部分161−2に分離されている。分離と言う場合、意味は、第1の高温部分161−1が、第2の低温部分161−2の内側ケーシングから分離された内側ケーシング内に収容されているかまたはその内側ケーシングによって包囲されていることを意味する。第1の高温部分161−1は、固有の内側ケーシングを有する。第1の中圧もしくはIPタービン161を第1の高温部分161−1および第2の低温部分161−2に分離するステップと言う場合、その最も意義のある要素は、したがって、タービンの両部分を、(それぞれ異なる供給および出口ラインを備える)異なる内側ケーシングに収容するステップである。
【0021】
この段階で、供給蒸気は、再熱により、約720℃の温度および約75barの圧力を獲得している。IPタービン161の第1の高温部分161−1は、基本的にHPタービン14と同じ耐熱材料を用いて製造される一方、第1の再熱サイクルからの減じられた蒸気圧力により、より低い圧力抵抗を必要とする。供給管128は、高温部分161−1の出口を第2の低温部分161−2に接続している。
【0022】
タービン161の第2の低温部分161−2はもはや第1の部分161−1と同じ高温に曝されないので、第2の低温部分161−2は、例えば超臨界蒸気用の蒸気タービンの製造において適用される、より一般的な材料を使用して製造することができる。タービン161の第2の低温部分161−2は、1つの内側ケーシングに2つの平衡した分岐路を備えた二重流れタービンとして示されている。第2の低温部分161−2の出口は、蒸気を第2の再熱器152へ戻す戻り管125に結合されている。
【0023】
第1の高温部分161−1および第2の低温部分161−2への第1のIPタービン161の分離は、ケーシングおよびタービン部品を高温構成部材および低温構成部材のみに分割するという利点を有する。IPタービン全体を高温構成部材で製造する必要がなく、また、一方の、高温合金から形成されたケーシング部材またはその他のタービン部材と、他方の、一般的な合金とを溶接する必要もない。高温蒸気環境における異なる合金の間の溶接は、き裂発生のリスクを引き起こすことが分かっており、USCタービンプラントにおける長期的欠陥の主たる原因となる恐れがある。
【0024】
第2の再熱器152において、蒸気は再び約720または730℃の温度に加熱される。第2の再熱器を通過した後、蒸気は蒸気供給管126に入り、弁133を通って第2の中圧タービン162に入る。第1のIPタービン161のように、第2のIPタービン162も、この実施例において、第1の高温部分162−1および第2の低温部分162−2に分離されている。分離は、第1の高温部分162−1が、第2の低温部分162−2の内側ケーシングから分離された内側ケーシング内に収容されているかまたはこの内側ケーシングによって包囲されていることを意味する。第1の高温部分162−1は、自己の内側ケーシングを有する。
【0025】
この段階で、供給蒸気は、再熱により、約720または730℃の温度および約30barの圧力を獲得している。IPタービン162の第1の高温部分162−1は、HPタービン14および第1の高温部分161−1と基本的に同じ耐熱材料を用いて製造されている一方、第2の再熱サイクルからの減じられた蒸気圧力により、第1の高温部分161−1よりも低い圧力抵抗を必要とする。供給管129は、高温部分162−1の出口を第2の低温部分162−2に接続している。
【0026】
第2のIPタービン162の第2の低温部分162−2も、もはや第1の部分162−1と同じ高温には曝されないので、第2の低温部分162−2は、例えば超臨界蒸気用の蒸気タービンの製造において適用されるようなより一般的な材料を用いて製造することができる。タービン162の第2の低温部分162−2は、1つの内側ケーシングにおいて2つの平衡した分岐路を備える二重流れタービンとして示されている。第2の低温部分162−2の出口は、供給管127に結合されており、この供給管127は、蒸気を、凝縮状態に最終的に膨張させるために、1つ以上の低圧もしくはLPタービン163に搬送する。LPタービン163は、1つの内側ケーシングに2つの平衡した分岐路を備えるいわゆる"二重流れ"タービンとして構成されている。実施例において、1つの二重流れタービン163は、プラントを通る全体的な蒸気の質量流量に応じて、このようなタービンのうちの1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのような、あらゆる数のLPタービンを代表している。
【0027】
図2Aの全てのタービンは、技術分野において公知の電磁発電機18を駆動する1つのロータシャフト17を共有している。
【0028】
図2Aに示されたようなプラントの態様によって得られる利点は、
図2Bの実施例に示したように高温タービン部分161−1および162−1を二重流れケーシング164に結合し、各部分が専用の供給管および出口管を有することによってさらに高めることができる。
図2Bにおいて、基本的に等しい構成要素または同様の機能を有する構成要素の符号は、
図2Aのものと同じである。
【0029】
したがって、
図2Bにおいて、高温タービン部分161−1および162−1は二重流れタービンケーシング164に結合されて示されている。供給管124は、第1の再熱器151からの蒸気を二重流れタービンの第1の高温タービン部分161−1に供給し、供給管126は、第2の再熱器151からの蒸気を二重流れタービンの第2の高温タービン部分162−1に供給する。二重流れタービン164の第1の高温タービン部分161−1の出口は、第1の中圧タービンの低温部分161−2の供給管128に接続されている。第1の中圧タービンの低温部分161−2は、二重流れタービンであり、その出口は戻り管125を介して第2の再熱器152に接続されている。
【0030】
二重流れタービン164の第2の高温タービン部分162−1の出口は、第2の中圧タービンの低温部分162−2の供給管129に接続されている。第2の中圧タービンの低温部分162−2は、出口が供給管127に結合された二重流れタービンであり、供給管127は、蒸気を、最終的に凝縮した状態に膨張させられるために1つ以上の低圧もしくはLPタービン163へ搬送する。LPタービン163は、1つの内側ケーシングにおいて2つの平衡した分岐路を備えるいわゆる"二重流れ"タービンとして構成されている。実施例において、1つの二重流れタービン163は、プラントを通る蒸気の全体の質量流量に応じて、このようなタービンのうちの1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのような、あらゆる数のLPタービンを代表している。
【0031】
本発明は、全くの例として説明されているので、発明の範囲において上記変更またはその他を行うことができる。例えば、より小さなプラント設計において、第1および第2の中圧タービンの第2の部分161−2,162−2は、上記実施例における2つの別個の二重流れタービンを形成する代わりに、1つの二重流れタービンに結合することができる。二重流れタービンケーシングのために、共通の外側ケーシングおよび共通の内側ケーシングを含む複数の態様が可能であるが、1つの内側ケーシングと、第2の側におけるピストンおよびブレードキャリヤとを備える設計、両側にブレードキャリヤを備える共通の内側入口ケーシングも可能である。
【0032】
本発明は、ここに説明または黙示されたまたは図面に示されたまたは黙示されたあらゆる個々の特徴、またはあらゆるこのような特徴のあらゆる組合せ、またはあらゆるこのような特徴または組合せのあらゆる一般化であって、その均等物にまで拡張されるものも含んでよい。つまり、本発明の広さおよび範囲は、上述の例示的な実施の形態のいずれによっても制限されるべきではない。そうでないことが明白に述べられない限り、同一、均等または類似の目的を果たす代替的な特徴が、図面を含む明細書に開示された各特徴と置き換えられてよい。
【0033】
ここに明示的に述べられない限り、明細書全体における従来技術のあらゆる説明は、このような従来技術が周知であるまたは技術分野における共通の一般的な知識の一部を構成することを認めるものではない。
【符号の説明】
【0034】
10 発電プラント
11 蒸気発生器
121 主蒸気供給管
131 主蒸気入口弁
14 HPタービン
122 出口管
123 第1の再熱器戻り管
151 第1の再熱器
124 供給管
132 入口弁
161 (第1の)IPタービン
161−1 (第1の)IPタービン高温部分
161−2 (第1の)IPタービン低温部分
128 供給管
125 戻り管
152 第2の再熱器
126 蒸気供給管
133 弁
162 (第2の)IPタービン
162−1 (第2の)IPタービン高温部分
162−2 (第2の)IPタービン低温部分
129 供給管
127 供給管
163 LPタービン
164 二重流れタービンケーシング