特許第5803623号(P5803623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5803623
(24)【登録日】2015年9月11日
(45)【発行日】2015年11月4日
(54)【発明の名称】衝撃吸収パッドの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/04 20060101AFI20151015BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20151015BHJP
【FI】
   B60R21/04 E
   B60J5/00 501B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-261471(P2011-261471)
(22)【出願日】2011年11月30日
(65)【公開番号】特開2013-112244(P2013-112244A)
(43)【公開日】2013年6月10日
【審査請求日】2014年5月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綿引 暁
【審査官】 八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−088789(JP,A)
【文献】 実開平05−089049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R21/04
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアトリムを構成するトリムボードの車室外側面に取り付けられる衝撃吸収パッドと、
前記車両用ドアトリムの車室外側面と、前記車両用ドアトリムが取り付けられる車両用ドアインナパネルと、の間に介在される不織布と、を備え、
前記不織布は、前記衝撃吸収パッドとは別部品であって前記車両用ドアトリムが備える少なくとも1つの機能部品を覆う形で配される本体部と、前記本体部の周端から突出する形で延設された延設部と、を有し、
前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの車室外側面に沿って延びるとともに、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と前記車両用ドアインナパネルの車室内側面との間に挟持されており、
前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面には、前記車両用ドアインナパネルに向かって立ち上がる立壁部が前記延設部と隣接する形で形成され、
前記立壁部の側面は、前記延設部の延設方向に沿うとともに、前記延設部と対向する形で配されており、
前記立壁部は、前記車両用ドアインナパネルに貫通形成された貫通孔に挿通されており、
前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と、前記車両用ドアインナパネルにおける前記貫通孔の孔縁部との間に挟持されていることを特徴とする衝撃吸収パッドの取付構造。
【請求項2】
車両用ドアトリムを構成するトリムボードの車室外側面に取り付けられる衝撃吸収パッドと、
前記車両用ドアトリムの車室外側面と、前記車両用ドアトリムが取り付けられる車両用ドアインナパネルと、の間に介在される不織布と、を備え、
前記不織布は、前記衝撃吸収パッドとは別部品であって前記車両用ドアトリムが備える少なくとも1つの機能部品を覆う形で配される本体部と、前記本体部の周端から突出する形で延設された延設部と、を有し、
前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの車室外側面に沿って延びるとともに、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と前記車両用ドアインナパネルの車室内側面との間に挟持されており、
前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面には、前記車両用ドアインナパネルに向かって立ち上がる立壁部が前記延設部と隣接する形で形成され、
前記立壁部の側面は、前記延設部の延設方向に沿うとともに、前記延設部と対向する形で配されており、
前記立壁部は、前記延設部の延設方向と交差する方向における両側から前記延設部を挟む形でそれぞれ形成されていることを特徴とする衝撃吸収パッドの取付構造。
【請求項3】
車両用ドアトリムを構成するトリムボードの車室外側面に取り付けられる衝撃吸収パッドと、
前記車両用ドアトリムの車室外側面と、前記車両用ドアトリムが取り付けられる車両用ドアインナパネルと、の間に介在される不織布と、を備え、
前記不織布は、前記衝撃吸収パッドとは別部品であって前記車両用ドアトリムが備える少なくとも1つの機能部品を覆う形で配される本体部と、前記本体部の周端から突出する形で延設された延設部と、を有し、
前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの車室外側面に沿って延びるとともに、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と前記車両用ドアインナパネルの車室内側面との間に挟持されており、
前記本体部は、
前記トリムボードの車室外側面に対して前記衝撃吸収パッドと隣接する形で取り付けられた前記機能部品であるドアポケットを車室外側から覆うドアポケット側本体部と、
前記衝撃吸収パッドと隣接する形で前記トリムボードに取り付けられた前記機能部品であるオーナメントを車室外側から覆うオーナメント側本体部と、を有しており、
前記延設部は、延設方向における一端が前記ドアポケット側本体部に、他端が前記オーナメント側本体部に連結されていることを特徴とする衝撃吸収パッドの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収パッドの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリムを構成するトリムボード(ドアトリム本体)の車室外側面に取り付けられ、車両の側突時における衝撃を吸収するための衝撃吸収パッド(EAパッド)が知られている(特許文献1)。下記特許文献1においては、衝撃吸収パッドに形成された貫通孔に、トリムボードから立設された取付ボスを挿通させることで、トリムボードに対して衝撃吸収パッドが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−88789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成においては、ドアトリムに荷重が加わった際、トリムボードに取り付けられた衝撃吸収パッドに応力が生じる。特に、衝撃吸収パッドにおいてトリムボードへ取り付けられる被取付部付近(上記構成では貫通孔付近)には応力が集中しやすい。このように、衝撃吸収パッドに応力がかかると、側突時における衝撃吸収パッドの衝撃吸収性能が低下してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車両用ドアトリムに荷重が加わった際に、衝撃吸収パッドに応力がかかる事態を抑制することが可能な衝撃吸収パッドの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の衝撃吸収パッドの取付構造は、車両用ドアトリムを構成するトリムボードの車室外側面に取り付けられる衝撃吸収パッドと、前記車両用ドアトリムの車室外側面と、前記車両用ドアトリムが取り付けられる車両用ドアインナパネルと、の間に介在される不織布と、を備え、前記不織布は、本体部と、前記本体部から延設された延設部と、を有し、前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの車室外側面に沿って延びるとともに、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と前記車両用ドアインナパネルの車室内側面との間に挟持されていることに特徴を有する。
【0007】
本発明によれば、不織布の延設部が、衝撃吸収パッドの車室外側面と車両用ドアインナパネルの車室内側面との間に挟持されている。つまり、本発明の衝撃吸収パッドは、トリムボードの車室外側面に取り付けられることに加えて、緩衝効果の高い不織布の延設部を介して、車両用ドアインナパネル側に固定されている。これにより、車両用ドアトリム(ひいては、衝撃吸収パッド)に荷重が加わった際には、衝撃吸収パッド(特に、トリムボードに対して取り付けられる被取付部)に応力がかかる事態を抑制することができる。
【0008】
また、不織布の延設部は、本体部から延設されている。これにより、本体部を車両用ドアトリムに配置するのと同時に、延設部を衝撃吸収パッドの車室外側面上に配置することができ、組付作業性が良好となる。さらに、不織布の延設部は、衝撃吸収パッドの車室外側面に沿って延びているから、衝撃吸収パッドと延設部の接触面積をより大きくすることができ、衝撃吸収パッドを車両用ドアインナパネル側により確実に固定することができる。
【0009】
上記構成において、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面には、前記車両用ドアインナパネルに向かって立ち上がる立壁部が前記延設部と隣接する形で形成され、前記立壁部の側面は、前記延設部の延設方向に沿うとともに、前記延設部と対向する形で配されているものとすることができる。
【0010】
延設部の延設方向に沿うとともに、延設部と対向する形で立壁部の側面を配することで、当該側面によって延設部の位置決めを行うことができる。言い換えると、衝撃吸収パッドに立壁部を形成することで、衝撃吸収パッドの車室外側面上に延設部の配置経路を形成することができる。これにより、延設部を衝撃吸収パッドの車室外側面に配置する際に延設部の位置ずれを抑制でき、作業性が良好となる。
【0011】
また、前記立壁部は、前記車両用ドアインナパネルに貫通形成された貫通孔に挿通されており、前記延設部は、前記衝撃吸収パッドの前記車室外側面と、前記車両用ドアインナパネルにおける前記貫通孔の孔縁部との間に挟持されているものとすることができる。
【0012】
衝撃吸収パッドの立壁部を車両用ドアインナパネルに貫通形成された貫通孔に挿通するとともに、衝撃吸収パッドの車室外側面と車両用ドアインナパネルにおける貫通孔の孔縁部とで延設部を挟持することで、延設部をより強く圧縮させることができる。これにより、延設部をより確実に固定することができる。
【0013】
また、前記立壁部は、前記延設部の延設方向と交差する方向における両側から前記延設部を挟む形でそれぞれ形成されているものとすることができる。
【0014】
延設部を挟む形で一対の立壁部を設けることで、より正確に延設部の位置決めを行うことができる。
【0015】
また、前記本体部は、前記トリムボードの車室外側面に対して前記衝撃吸収パッドと隣接する形で取り付けられたドアポケットを車室外側から覆うドアポケット側本体部と、前記衝撃吸収パッドと隣接する形で前記トリムボードに取り付けられたオーナメントを車室外側から覆うオーナメント側本体部と、を有しており、前記延設部は、延設方向における一端が前記ドアポケット側本体部に、他端が前記オーナメント側本体部に連結されているものとすることができる。
【0016】
本発明によれば、延設部がその両端側で本体部(より具体的には、ドアポケット側本体部及びオーナメント側本体部)に対してそれぞれ連結されている。これにより、延設部がその一端のみで連結されている構成と比べて、延設部が安定し、衝撃吸収パッド上に位置決めしやすいため、組付作業性が良好となる。また、延設部は、衝撃吸収パッドと隣接するドアポケット側本体部及びオーナメント側本体部に連結されているため、延設部の長さをより短くでき、組付作業性が良好となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車両用ドアトリムに荷重が加わった際に、衝撃吸収パッドに応力がかかる事態を抑制することが可能な衝撃吸収パッドの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係る衝撃吸収パッドを備えるドアトリムの正面図
図2図1のドアトリムを示す裏面図(車室外側から視た状態)
図3図2のドアトリムにおいて不織布を取り外した状態を示す図
図4】衝撃吸収パッドを示す正面図(車室外側から視た状態)
図5】衝撃吸収パッドの取付構造を示す断面図(図4のA−A線で切断した図に対応)
図6】衝撃吸収パッドの取付構造を示す断面図(図4のB−B線で切断した図に対応)
図7】実施形態2に係る衝撃吸収パッドの取付構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。図1は、本実施形態のドアトリム10(車両用ドアトリム)を示す正面図である。ドアトリム10は、ドアパネルを構成するドアインナパネル11(車両用ドアインナパネル、図5及び図6にて図示)に取り付けられることで車両ドアを構成するものである。
【0020】
ドアトリム10は、図1に示すように、トリムボード12と、トリムボード12に取り付けられるオーナメント15とを主体に構成されている。また、トリムボード12には、インサイドハンドル17などが設けられている。
【0021】
トリムボード12は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって構成されている。なお、トリムボード12の材質は、合成樹脂材料に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。トリムボード12は、正面視略方形状をなし、アッパーボード13とロアボード30とを備えている。また、トリムボード12の表面を覆う形で、表皮材14が貼り付けられている(図5参照)。
【0022】
ロアボード30には、図1に示すように、ドアポケット40やスピーカグリル16などが設けられている。オーナメント15は、アッパーボード13とロアボード30との間に介在される形で取り付けられている。また、ドアトリム10は、車室内側に張り出す形状をなすアームレスト部19を備えている。
【0023】
ロアボード30の車室外側面には、図3に示すように、衝撃吸収パッド50(衝撃吸収体)が取り付けられている。衝撃吸収パッド50の上方には、オーナメント15が衝撃吸収パッド50と隣接する形で配されている。なお、このオーナメント15の下端部は、車両前後方向に長い形状をなし、上述したアームレスト部19を構成するものとされる。また、オーナメント15の下端部は、図5に示すように、車室外側に突出する取付ボス15Aを有している。この取付ボス15Aは、例えば、熱カシメによってロアボード30の上端部に取り付けられている。
【0024】
また、図3に示すように、ロアボード30において、衝撃吸収パッド50の車両前側(図3の右側)には、ドアポケット40が衝撃吸収パッド50と隣接する形で配されている。図6に示すように、ドアポケット40は、ロアボード30から立設された取付ボス32に対して、例えば、熱カシメによって取り付けられている。
【0025】
ドアトリム10の車室外側面と、ドアインナパネル11との間には、シート状の不織布20(フェルト材)が介在されている(図5及び図6参照)。この不織布20は、吸音効果を有し、主に車室外から車室内への騒音の伝播を低減するために配されている。
【0026】
なお、不織布20は、例えば、接着剤などでトリムボード12に取り付けられる。また、不織布20の取付手段は適宜変更可能であり、例えば、トリムボード12に形成された取付片を不織布20に挿通させた後、この取付片を熱カシメすることで不織布20を取り付けてもよい。
【0027】
不織布20は、図2に示すように、ドアトリム10の車室外側面を広範囲に覆う形で配されている。具体的には、不織布20は、ドアトリム10が備える各機能部品(ドアポケット40、衝撃吸収パッド50、オーナメント15)を主に覆う形で配されている。以下の説明では、不織布20において、衝撃吸収パッド50以外の箇所を覆う部分を本体部21と呼び、本体部21から延設され、衝撃吸収パッド50を覆う部分を延設部23と呼ぶものとする。
【0028】
また、本体部21は、図2に示すように、ドアポケット40を車室外側から覆うドアポケット側本体部21A(図6も参照)と、オーナメント15を車室外側から覆うオーナメント側本体部21B(図5も参照)と、を有している。延設部23は、ドアポケット側本体部21A及びオーナメント側本体部21Bに対して、それぞれ隣接する形で配されている。この不織布20の延設部23は、衝撃吸収パッド50をドアインナパネル11側に対して固定するためのものである。
【0029】
次に本実施形態の衝撃吸収パッド50及び、その取付構造について説明をする。衝撃吸収パッド50は、例えば、ウレタンや発泡剤が含有されたポリプロピレン等の合成樹脂材料を数十倍(例えば、15〜45倍程度)に発泡させた硬質の発泡材として構成されている。衝撃吸収パッド50は、側突時(車両用ドアへの側面衝突時)の衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)を目的として装着されるもので、EA材とも呼ばれる。
【0030】
衝撃吸収パッド50は、図4に示すように正面視(車室外側から視た状態)において略方形状をなすパッド本体部51を有している。パッド本体部51の周端部には、複数(本実施形態では、3つ)の被取付部52(被取付片)が形成されており、この被取付部52において、衝撃吸収パッド50がロアボード30に取り付けられている。
【0031】
具体的には、被取付部52には、図5及び図6に示すように、インサートワッシャ53が埋め込まれている。インサートワッシャ53には、ロアボード30の車室外側面から立設された取付ボス31が挿通されている。インサートワッシャ53に挿通された取付ボス31は、超音波溶着などの溶着手段によって、その先端部が溶着(熱カシメ)される。これにより、取付ボス31の先端部が、インサートワッシャ53の孔縁に対して車室外側から係止され、ロアボード30に対して衝撃吸収パッド50が取り付けられる構成となっている。
【0032】
パッド本体部51の車室外側面には、図5及び図6に示すように、パッド本体部51の一部を車室外側に突き出すことで形成された立壁部54が形成されている。立壁部54は、図2及び図4に示すように、パッド本体部51において、上部かつドアポケット40寄りの位置に設けられている。立壁部54は、図4に示すように、延設部23と隣接する形で形成されている。また、立壁部54は、湾曲形状をなす側面54Aを有している。この側面54Aは、延設部23の上方で、延設部23の延設方向に沿うとともに、延設部23と対向する形(延設部23を上方から覆う形)で配されている。
【0033】
図4に示すように、上述した不織布20の延設部23は、パッド本体部51の車室外側面に沿って延びるとともに、立壁部54の側面54Aに沿う形で湾曲される形状をなしている。なお、図4では、不織布20の延設部23を2点鎖線で図示してある。
【0034】
これにより、延設部23に近接して立壁部54の側面54Aが配されることとなり、延設部23が側面54A側(主に上側)に位置ずれすることを規制可能な構成となっている。なお、以下の説明では、パッド本体部51の車室外側面において、延設部23が配置される面を延設部配置面51Aと呼ぶものとする。
【0035】
言い換えると、図5に示すように、パッド本体部51の車室外側面は、立壁部54の車室外側の面54Bに対して、延設部配置面51Aが低くなる段差状をなす段差部を有するものとされ、その段差部に延設部23が嵌合される構成となっている。つまり、立壁部54は、パッド本体部51の車室外側面上において、延設部23の配置経路を形成するものとされる。
【0036】
また、延設部23は、図2に示すように、延設方向における一端(車両前側の端部)がドアポケット側本体部21Aに、他端(上端)がオーナメント側本体部21Bに連結されている。つまり、延設部23は、その両端部において本体部21に対して連結されている。
【0037】
図5及び図6に示すように、延設部23は、パッド本体部51の延設部配置面51Aとドアインナパネル11の車室内側面11Aとの間に挟持されている。なお、延設部配置面51Aと車室内側面11Aとの間に挟持された延設部23は、その厚さ方向(図5の左右方向)において圧縮された状態で配されている。これにより、パッド本体部51は、延設部23を介して、ドアインナパネル11の板面方向において位置決め(固定)されている。
【0038】
また、ドアインナパネル11には、図5及び図6に示すように、サービスホール11B(貫通孔)が貫通形成されている。このサービスホール11Bは、トリムボード12とドアインナパネル11との間に設けられた各機能部品の組み付け作業や保守作業を行うためのものである。
【0039】
衝撃吸収パッド50の立壁部54は、図5及び図6に示すように、サービスホール11Bに対して、車室内側から挿通されている。つまり、延設部23は、パッド本体部51の延設部配置面51Aと、ドアインナパネル11におけるサービスホール11Bの孔縁部11B1(より正確には、孔縁部のうち延設部23との対向面)との間に挟持されている。
【0040】
また、ドアインナパネル11における延設部23との接触箇所は、略波形状をなす形で屈曲されている。これにより、ドアインナパネル11が延設部23に対して食い込むこととなる。その結果、延設部23がドアインナパネル11に対してより確実に位置決めされる構成となっている。
【0041】
なお、サービスホール11Bは、防水性を有するシート状のサービスホールカバー11D(2点鎖線で図示)によって塞がれている。サービスホールカバー11Dの一部は、立壁部54を避けるように車室外側に突き出している。
【0042】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の衝撃吸収パッド50の取付構造は、ドアトリム10を構成するトリムボード12の車室外側面に取り付けられる衝撃吸収パッド50と、ドアトリム10の車室外側面と、ドアトリム10が取り付けられるドアインナパネル11と、の間に介在される不織布20と、を備え、不織布20は、本体部21と、本体部21から延設された延設部23と、を有し、延設部23は、衝撃吸収パッド50の車室外側面に沿って延びるとともに、衝撃吸収パッド50の車室外側面とドアインナパネル11の車室内側面との間に挟持されていることに特徴を有する。
【0043】
本実施形態によれば、不織布20の延設部23が、衝撃吸収パッド50の車室外側面とドアインナパネル11の車室内側面との間に挟持されている。つまり、本実施形態の衝撃吸収パッド50は、トリムボード12の車室外側面に取り付けられることに加えて、緩衝効果の高い不織布20の延設部23を介して、ドアインナパネル11側に固定されている。これにより、ドアトリム10(ひいては、衝撃吸収パッド50)に荷重が加わった際には、衝撃吸収パッド50(特に、トリムボード12に取り付けられる被取付部52付近)に応力がかかる事態を抑制することができる。
【0044】
また、不織布20の延設部23は、本体部21から延設されている。これにより、本体部21をドアトリム10に配置するのと同時に、延設部23を衝撃吸収パッド50の車室外側面上に配置することができる。このため、延設部23が本体部21と別部材である構成と比較して、組付作業性が良好となる。さらに、不織布20の延設部23は、衝撃吸収パッド50の車室外側面に沿って延びているから、衝撃吸収パッド50と延設部23の接触面積をより大きくすることができ、衝撃吸収パッド50をドアインナパネル11側により確実に固定することができる。
【0045】
また、本実施形態では、衝撃吸収パッド50が発泡材から構成されている。衝撃吸収パッド50として発泡材を用いることで、衝撃吸収性能が高くなるものの、脆性が比較的高くなる。このため、衝撃吸収パッド50にかかる応力に対しては、より留意する必要がある。この点、本実施形態では、衝撃吸収パッド50に応力がかかる事態を抑制することができ効果的である。つまり、本実施形態の構成は、衝撃吸収パッド50が発泡材からなる構成において特に効果的である。
【0046】
上記構成において、衝撃吸収パッド50の車室外側面には、ドアインナパネル11に向かって立ち上がる立壁部54が延設部23と隣接する形で形成され、立壁部54の側面54Aは、延設部23の延設方向に沿うとともに、延設部23と対向する形で配されている。
【0047】
延設部23の延設方向に沿うとともに、延設部23と対向する形で立壁部54の側面54Aを配することで、側面54Aによって延設部23の位置決めを行うことができる。言い換えると、衝撃吸収パッド50に立壁部54を形成することで、衝撃吸収パッド50の車室外側面上に延設部23の配置経路を形成することができる。これにより、延設部23を衝撃吸収パッド50の車室外側面に配置する際に延設部23の位置ずれを抑制でき、作業性が良好となる。
【0048】
また、立壁部54は、ドアインナパネル11に貫通形成されたサービスホール11Bに挿通されており、延設部23は、衝撃吸収パッド50の車室外側面と、ドアインナパネル11におけるサービスホール11Bの孔縁部11B1との間に挟持されている。
【0049】
衝撃吸収パッド50の立壁部54をドアインナパネル11に貫通形成されたサービスホール11Bに挿通するとともに、立壁部54に隣接する衝撃吸収パッド50の延設部配置面51A、及びドアインナパネル11におけるサービスホール11Bの孔縁部11B1によって延設部23を挟持することで、延設部23をより強く圧縮することができる。これにより、延設部23をより確実に固定することができる。
【0050】
また、不織布20の本体部21は、トリムボード12の車室外側面に対して衝撃吸収パッド50と隣接する形で取り付けられたドアポケット40を車室外側から覆うドアポケット側本体部21Aと、衝撃吸収パッド50と隣接する形でトリムボード12に取り付けられたオーナメント15を車室外側から覆うオーナメント側本体部21Bと、を有しており、延設部23は、延設方向における一端がドアポケット側本体部21Aに、他端がオーナメント側本体部21Bに連結されている。
【0051】
本実施形態によれば、延設部23が、その両端側で本体部21(より具体的には、ドアポケット側本体部21A及びオーナメント側本体部21B)に対してそれぞれ連結されている。これにより、延設部23がその一端のみで本体部21に連結されている構成と比べて、延設部23が安定しやすい。仮に、延設部23がその一端のみで本体部21に連結されている構成の場合、他端側は自由に動いてしまうため、延設部23が安定しにくい。
【0052】
これに対して、本実施形態では、延設部23の両端が固定されているため、延設部23を衝撃吸収パッド50上に位置決めしやすく、組付作業性が良好となる。また、延設部23は、衝撃吸収パッド50と隣接するドアポケット側本体部21A及びオーナメント側本体部21B)に連結されているため、延設部23の長さをより短くでき、組付作業性が良好となる。
【0053】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の衝撃吸収パッド150の取付構造においては、立壁部の構成が上記実施形態と相違する。
【0054】
本実施形態では、図7に示すように、パッド本体部51の車室外側面において、車室内側に凹む凹部153が形成されている。この凹部153は、ドアインナパネル11におけるサービスホール11Bの孔縁部11B1の一部と対向する箇所に形成されている。
【0055】
凹部153には、不織布20の延設部123が嵌合されている。つまり、本実施形態においては、凹部153を構成する一対の立壁部154A,154Bが、延設部123の延設方向と交差する方向における両側(図7における上下両側)から延設部123を挟む形で、それぞれ形成されている。これにより、パッド本体部51の車室外側面上において、延設部123の位置決めをより正確にすることができる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)不織布20の構成は、上記実施形態で例示したものに限定されない。例えば、ドアポケット側本体部21A又はオーナメント側本体部21Bのうち、いずれか一方のみを備えている構成であってもよい。不織布20における本体部21は、不織布20において、衝撃吸収パッド50以外の箇所を覆う部分であればよく、その被覆対象は、適宜変更可能である。また、延設部23の形状は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
【0058】
(2)衝撃吸収パッド50の材質は、発泡材に限定されず、適宜変更可能である。また、衝撃吸収パッド50は、2種類以上の材質を含むものであってもよい。
【0059】
(3)上記実施形態では、衝撃吸収パッド50のロアボード30(トリムボード12)に対する取付手段として、ロアボード30から立設された取付ボス31を熱カシメする手段を例示したが、これに限定されない。衝撃吸収パッド50のロアボード30に対する取付手段としては、例えば、ビス止めなどを用いてもよい。
【0060】
(4)上記実施形態においては、パッド本体部51に立壁部54,154A,154Bを形成することで、延設部23,123を位置決めする構成を例示したが、このような立壁部を備えていない構成であってもよい。また、立壁部54は、延設部23と隣接する形で配されていればよく、その形成箇所は適宜変更可能である。例えば、立壁部54を延設部23の下方に形成してもよい。
【0061】
(5)上記実施形態では、延設部23,123が、ドアインナパネル11におけるサービスホール11Bの孔縁部11B1と、パッド本体部51との間で挟持される構成を例示したが、これに限定されない。延設部23,123は、衝撃吸収パッド50,150の車室外側面とドアインナパネル11の車室内側面によって挟持されていればよい。
【符号の説明】
【0062】
10…ドアトリム(車両用ドアトリム)、11…ドアインナパネル(車両用ドアインナパネル)、11A…ドアインナパネルの車室内側面、11B…サービスホール(貫通孔)、11B1…孔縁部(貫通孔の孔縁部)、12…トリムボード、15…オーナメント、20…不織布、21…本体部、21A…ドアポケット側本体部、21B…オーナメント側本体部、23,123…延設部、40…ドアポケット、50,150…衝撃吸収パッド、51A…延設部配置面(衝撃吸収パッドの車室外側面)、54,154A,154B…立壁部、54A…立壁部の側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7