特許第5807603号(P5807603)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧
<>
  • 特許5807603-車両用シート 図000002
  • 特許5807603-車両用シート 図000003
  • 特許5807603-車両用シート 図000004
  • 特許5807603-車両用シート 図000005
  • 特許5807603-車両用シート 図000006
  • 特許5807603-車両用シート 図000007
  • 特許5807603-車両用シート 図000008
  • 特許5807603-車両用シート 図000009
  • 特許5807603-車両用シート 図000010
  • 特許5807603-車両用シート 図000011
  • 特許5807603-車両用シート 図000012
  • 特許5807603-車両用シート 図000013
  • 特許5807603-車両用シート 図000014
  • 特許5807603-車両用シート 図000015
  • 特許5807603-車両用シート 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5807603
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/36 20060101AFI20151021BHJP
   A47C 1/024 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
   B60N2/36
   A47C1/024
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-79988(P2012-79988)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-208981(P2013-208981A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 芳朋
(72)【発明者】
【氏名】岸田 圭史
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−079793(JP,A)
【文献】 特開2010−274773(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0133886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
A47C 1/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートフレームにケーブル等の可撓性を有する線状部材が配索された車両用シートであって、
前記シートフレームには、一定方向に複数本並んで掛ワイヤが設けられており、
前記線状部材は、前記複数本の各掛ワイヤに対し、交互に蛇行して配索されるように弾性的に押し曲げられた状態として配索されることにより、前記複数本の各掛ワイヤに弾性的に押し付けられて留められた状態として配索されるようになっており、
前記シートフレームには、更に、前記線状部材が前記複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索される方向とは垂直な方向に前記線状部材を押し当てることのできる当てワイヤが設けられており、前記線状部材は、前記複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索される方向とは垂直な方向に弾性的に押し曲げられた状態として、その押し曲げられた外周側の一部が前記当てワイヤに押し当てられた状態として配索されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートであって、
前記シートフレームには、その着座乗員の荷重を受ける表側の面に着座乗員の荷重を軟らかく受け止めるクッション用パッドが組み付けられると共に、裏側の面に硬質な板材が組み付けられる構成となっており、前記複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索された前記線状部材が、前記クッション用パッドと前記板材とによって表裏側から挟み込まれた状態となるように配索されていることを特徴とする車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、シートフレームにケーブル等の可撓性を有する線状部材が配索された車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートにおいて、シートバックのフレーム構造に架け渡される態様でケーブルが配索された技術が知られている(特許文献1)。上記ケーブルは、可撓性の長尺状部材によって形成されており、その所々の箇所が、留め具によってフレーム構造に固定された状態として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−42191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、ケーブルの固定のために複数の留め具が用いられる構成では、部品点数の増大及び作業工数の増大を招くため、好ましくない。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、留め具を用いることなく、ケーブル等の線状部材をシートフレームに固定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートフレームにケーブル等の可撓性を有する線状部材が配索された車両用シートである。シートフレームには、一定方向に複数本並んで掛ワイヤが設けられている。線状部材は、複数本の各掛ワイヤに対し、交互に蛇行して配索されるように弾性的に押し曲げられた状態として配索されることにより、複数本の各掛ワイヤに弾性的に押し付けられて留められた状態として配索されるようになっている。
【0006】
この第1の発明によれば、線状部材は、シートフレームに設けられた複数本の掛ワイヤに対し、交互に蛇行するように押し曲げられた状態として配索されることにより、その弾発力により各掛ワイヤに押し付けられて留められた状態として保持される。これにより、留め具を用いることなく、ケーブル等の線状部材をシートフレームに固定することができる。
【0007】
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成となっているものである。シートフレームには、更に、線状部材が複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索される方向とは垂直な方向に線状部材を押し当てることのできる当てワイヤが設けられている。線状部材は、複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索される方向とは垂直な方向に弾性的に押し曲げられた状態として、その押し曲げられた外周側の一部が当てワイヤに押し当てられた状態として配索されている。
【0008】
この第2の発明によれば、線状部材が、その蛇行して配索される方向とは垂直な方向に押し曲げられて、当てワイヤに押し当てられた状態として配索されることにより、その押し当てられた方向の移動も規制された状態となる。これにより、線状部材を、シートフレームに対して、より適切に固定した状態に保持することができる。
【0009】
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成となっているものである。シートフレームには、その着座乗員の荷重を受ける表側の面に、着座乗員の荷重を軟らかく受け止めるクッション用パッドが組み付けられると共に、裏側の面に硬質な板材が組み付けられる構成となっている。複数本の各掛ワイヤに蛇行して配索された線状部材が、上記クッション用パッドと板材とによって、表裏側から挟み込まれた状態となるように配索されている。
【0010】
この第3の発明によれば、複数本の掛ワイヤに対して絡み付くように蛇行して配索された線状部材が、更に、クッション用パッドと板材とによって、各掛ワイヤに押し付けられる方向に挟み込まれた状態となる。これにより、線状部材を、各掛ワイヤに対して、一層安定した固定状態にして保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の車両用シートの構成を表した斜視図である。
図2】解除レバーを操作して、シートバックの背凭れ角度を後傾させた状態を表した斜視図である。
図3】遠隔レバーを操作して、シートバックを前倒しした状態を表した斜視図である。
図4】車両用シートのフレーム構造の分解斜視図である。
図5】車両用シートのフレーム構造の正面図である。
図6図5のVI部を拡大して表した斜視図である。
図7図5のVII部を拡大して表した斜視図である。
図8】シールド及び解除レバーの分解斜視図である。
図9図5のIX-IX線断面図である。
図10】遠隔レバーの操作により解除プレートが回された状態を表した断面図である。
図11図5のXI部を拡大して表した斜視図である。
図12図5のXII部を拡大して表した斜視図である。
図13図5のXIII部を拡大して表した斜視図である。
図14図5のXIV-XIV線断面図である。
図15】クッション用パッドの下部から伝達ケーブルが引き出されて配索されている様子を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
始めに、実施例1の車両用シート1の構成について、図1図15を用いて説明する。本実施例の車両用シート1は、いわゆるステーションワゴンタイプの車両の後列目に配設された3人掛け用の座席用シートとして構成されている。上記車両用シート1は、背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭部の凭れ部となるヘッドレスト4と、を備える。シートバック2は、幅方向に6:4分割された構成となっており、2人掛け用の広い幅をもつ6側のシートバック2Aと、1人掛け用の狭い幅をもつ4側のシートバック2Bとが、それぞれ個別に、フロアFに対して背凭れ角度の調節が行える状態に連結されて支持された状態とされている。ここで、6側のシートバック2Aが、本発明の「シートバック」に相当する。シートクッション3は、幅方向に長尺なひと続きの構成となっており、ヘッドレスト4は、上記6側のシートバック2Aの上部2箇所の位置と、4側のシートバック2Bの上部1箇所の位置と、に計3個装着されて設けられている。
【0014】
上記6側のシートバック2Aは、図2に示すように、着座乗員が、その車両外側(図示左側)の側部に設けられた解除レバー44Aを引き上げ操作することにより、その背凭れ角度の固定状態が解除されて、背凭れ角度の調節が行える状態に切り替えられる。具体的には、図4図5に示すように、上記6側のシートバック2Aには、同6側のシートバック2Aを支持するフロアF上のベースフレーム20との間に、渦巻きバネ2Abが掛着されており、上述した解除レバー44Aの操作によってその背凭れ角度の固定状態が解かれることにより、渦巻きバネ2Abの附勢力によって、着座乗員の背部に押し当てられる位置まで起こし上げられて、着座乗員の背部を前後させる動きに追従する格好でその背凭れ角度が調節されるようになっている。
【0015】
また、上記6側のシートバック2Aは、図3に示すように、その着座使用されていない不使用時に、使用者が、車両後部のハッチバックドアを開けて、その位置から、ラゲッジスペースLs内の向かって右側(図示左側)の側壁部に設けられた遠隔レバーRcを後方側に引く操作を行うことによっても、その背凭れ角度の固定状態が解かれるようになっている。この解除操作により、6側のシートバック2Aは、上述した渦巻きバネ2Abの附勢力によって前方側に大きく倒し込まれて、その背面がラゲッジスペースLs内の床面Ldと面一状の状態となる。これにより、6側のシートバック2Aは、その背面が、ラゲッジスペースLsの床面Ldとして広く利用することができる状態に切り替えられた状態となる。
【0016】
4側のシートバック2Bは、上述した6側のシートバック2Aと同様の構成となっている。すなわち、図2に示すように、4側のシートバック2Bは、着座乗員が、その車両外側(図示右側)の側部に設けられた解除レバー44Aを引き上げる操作により、その背凭れ角度の固定状態が解除されて、背凭れ角度の調節が行える状態になる。また、図3に示すように、4側のシートバック2Bは、その着座使用されていない不使用時に、使用者が、車両後部のハッチバックドアを開けて、その位置から、ラゲッジスペースLs内の向かって左側(図示右側)の側壁部に設けられた遠隔レバーRcを後方側に引く操作によっても、その背凭れ角度の固定状態が解除されるようになっている。
【0017】
この解除操作により、4側のシートバック2Bも、大きく前に倒し込まれて、その背面がラゲッジスペースLs内の床面Ldと面一状の状態となり、その背面をラゲッジスペースLsの床面Ldとして広く利用することができる状態に切り替えられる。なお、上述した4側のシートバック2Bの基本構造は、6側のシートバック2Aと幅が異なるものの、実質的にはそのほとんどが左右対称となる同じ構成となっているため、以下では、6側のシートバック2Aの構成を代表して説明し、4側のシートバック2Bの構成については省略することとする。
【0018】
図4図5に示すように、6側のシートバック2Aは、そのフレーム構造を成すバックフレーム10が、端側に座る乗員の背凭れ部を構成するメインフレーム10Aに、中央側に座る乗員の背凭れ部を構成するサブフレーム10Bが一体的に組み付けられて結合された構成となっている。ここで、上述した4側のシートバック2Bのフレーム構造を成すバックフレーム2Bfは、上述した6側のシートバック2Aのバックフレーム10のメインフレーム10Aの部分と同じ構成となっている。
【0019】
上述した6側のシートバック2Aのバックフレーム10は、概略四角枠形状に組まれて構成されている。具体的には、バックフレーム10は、メインフレーム10Aの左右両側部の骨格を成す左右一対のサイドフレーム11と、これらサイドフレーム11の上端部間に架け渡されて結合された、上側部の骨格を成すアッパフレーム12と、アッパフレーム12の肩口部に結合されてサブフレーム10Bの上側部と図示右側の側部の骨格を成すL字パイプ13と、このL字パイプ13の下端部と上述した各サイドフレーム11の各下部とに跨って幅方向に貫通して挿通されて設けられた補強パイプ15と、によって、概略四角枠形状に組まれて構成されている。
【0020】
上記各サイドフレーム11は、詳しくは、鋼板材をそれぞれ縦長状の形にカットして、その前側と後側の各縁部をそれぞれシート内側に折り曲げた、断面「コ」字状となる形に形成されている。アッパフレーム12は、L字状の形に折り曲げられた円鋼管とストレートな形の円鋼管とを逆U字状の形に組み付けて接合した状態として、その両脚部を、上述した各サイドフレーム11の上端部に形成された半パイプ状に絞り込まれた形状部分に嵌合させて一体的に溶着することにより、これらサイドフレーム11の上端部間に架け渡されて一体的に結合された状態となって設けられている。上記アッパフレーム12の両脚部間には、更に、横長状の鋼板材より成る補強板14が架け渡されて一体的に溶着されて結合された状態とされている。
【0021】
L字パイプ13は、その車両外方向(図示左方向)に向かって延びる一端が、上述したアッパフレーム12の肩口部に位置する円鋼管の開口端部内に嵌合されて一体的に溶着されて結合された状態とされている。また、L字パイプ13の下方側へ折れ曲がって延びる他端は、補強パイプ15の車両内側(図示右側)へ向かって延びる端部と、サイドブラケット18を介して一体的に溶着されて結合された状態とされている。補強パイプ15は、各サイドフレーム11の下部に幅方向に貫通して挿通されており、挿通された各部分に一体的に溶着されて結合された状態として設けられている。
【0022】
上述したバックフレーム10のメインフレーム10A及びサブフレーム10Bの各枠内部には、U字状やクランク状の形に折れ曲がって形成された複数本のパッド支持ワイヤ16A,16Bがそれぞれ架け渡されて結合された状態として設けられている。これらパッド支持ワイヤ16A,16Bは、バックフレーム10の前面部に敷設されるマット型のクッション用パッド2Aa(図1参照)を、バックフレーム10と共に後方側から面支持に近い状態で支持するためのものとして機能するようになっている。
【0023】
このうち、パッド支持ワイヤ16Aは、補強パイプ15のメインフレーム10A及びサブフレーム10Bの各枠内部を横切って露呈する各箇所に、それぞれ、両端部が溶着されて結合されて吊持された状態として設けられている。また、パッド支持ワイヤ16Bは、メインフレーム10A及びサブフレーム10Bの各枠内部にそれぞれ幅方向に架け渡された状態として、メインフレーム10Aやサブフレーム10Bの各枠部にそれぞれ両端部が溶着されて結合されて吊持された状態として設けられている。上述した各パッド支持ワイヤ16A,16Bは、それぞれ、メインフレーム10A及びサブフレーム10Bの各枠内部において、そのワイヤ形状が幅方向の広い領域に亘って延在するように、幅方向に長尺な形に折り曲げられて形成されている。
【0024】
また、上述したバックフレーム10のメインフレーム10A及びサブフレーム10Bの各枠内部には、更に、バックフレーム10の背面部にあてがわれて装着される樹脂製のバックボード17を掛着させるための複数本のボード掛ワイヤ16C,16Dが設けられている。このうち、ボード掛ワイヤ16Cは、アッパフレーム12の両脚部とL字パイプ13の縦方向に延びるパイプ部分とに跨って幅方向にストレートに延びるように架け渡されており、これら架け渡された各フレーム部に溶着されて結合された状態として設けられている。このボード掛ワイヤ16Cは、バックボード17の上部前面に幅方向に並んで形成された3つの各フック17Bをそれぞれ下側から掛け入れて係合させられるように機能するものとなっている。
【0025】
また、ボード掛ワイヤ16Dは、U字状に折り曲げられた形に形成されており、その両端部が、上述した補強パイプ15のメインフレーム10Aの両サイドフレーム11間に掛け渡された部分に溶着されて結合された状態として設けられている。このボード掛ワイヤ16Dは、同部に結合された前述したパッド支持ワイヤ16Aよりも後方側に傾けられた向きに配設された状態として、後方側に向かって突出する状態に配設された状態とされている。このボード掛ワイヤ16Dには、バックボード17の下部前面に幅方向に並んで形成された3つの掛着部17Aのうちの、車両外側に位置する2つの掛着部17Aをそれぞれ押し込みにより弾性的に掛着させられるように機能するものとなっている。なお、残りの1つの掛着部17Aは、前述したサブフレーム10B内を横切る補強パイプ15に吊持されたパッド支持ワイヤ16Aの一部に幅方向に折り曲げられて形成された掛部16Aaに、押し込みにより弾性的に掛着されるようになっている。
【0026】
上述したバックボード17は、バックフレーム10に対し、次のように取り付けられている。すなわち、先ず、上述したバックボード17の上部前面に形成された各フック17Bを、バックボード17の上部に架け渡されたボード掛ワイヤ16Cにそれぞれ引掛ける。次に、この各フック17Bが引掛けられたボード掛ワイヤ16Cを支点に、バックボード17の下端を前方側に揺動させるように動かして、各掛着部17Aをメインフレーム10A内のボード掛ワイヤ16Dやサブフレーム10B内のパッド支持ワイヤ16Aの掛部16Aaにそれぞれ押し込んで掛着させる。これにより、バックボード17がバックフレーム10の背面全体を覆うように掛けられた状態としてバックフレーム10に固定される。上記バックボード17により、6側のシートバック2Aの背面が硬質化されて、図3で前述したように、6側のシートバック2Aを大きく前に倒し込んだ際に、その背面をラゲッジスペースLsの床面Ldとして利用することができるようになっている。
【0027】
ここで、上記バックボード17には、メインフレーム10A内の補強パイプ15に一体的に結合されて後方側に突出するアンカーワイヤ15Aを通すための通し孔17Cが形成されている。上記アンカーワイヤ15Aは、図示しないチャイルドシート固定用のストラップ(トップテザー)を引掛けるためのもの(トップテザーアンカレッジ)として機能するようになっている。具体的には、アンカーワイヤ15Aは、U字状に折り曲げられた形に形成されており、その両端部が補強パイプ15に溶着されて結合されて、後ろ斜め上方側に突出するように向けられた状態として設けられている。上記バックボード17の通し孔17Cには、アンカーワイヤ15Aが通された後、キャップ17Dが装着されて、アンカーワイヤ15Aのまわりの隙間を覆うように蓋がされるようになっている。
【0028】
上述したバックフレーム10は、そのメインフレーム10Aを構成する左右の両サイドフレーム11の下端部が、それぞれ、フロアF上のベースフレーム20(ベースサイドフレーム23)に対して、回転止め可能な回転軸装置として機能する円盤状のリクライニング装置30を介して連結されている。これにより、6側のシートバック2Aが、フロアFに対して、前後方向に背凭れ角度の調節が行える状態に連結された状態とされている。
【0029】
また、上述した車両外側のサイドフレーム11の内側の側部には、同側のベースフレーム20(ベースサイドフレーム23)との間に介在する形で、円筒状のダンパー36が設けられている。このダンパー36は、図3で前述したように、6側のシートバック2Aが遠隔レバーRcの操作によって大きく前倒しされる際に、その倒し込まれる動きに弾みが付き過ぎないように倒れ込み速度を抑制するものとして機能するようになっている。このダンパー36による6側のシートバック2Aの倒れ込み速度を抑制する構成については、特開2007−191120号公報等の文献に開示されたものと同じ構成となっているため、その具体的な構成についての説明は省略することとする。
【0030】
上述した各リクライニング装置30は、常時は、6側のシートバック2Aの背凭れ角度を固定したロック状態に切り替えられた状態として保持されている。これらリクライニング装置30のロック状態は、6側のシートバック2Aの車両外側の側部に設けられた解除レバー44Aが前側に引き上げられる操作によって解除されるようになっている。具体的には、解除レバー44Aが引き上げ操作されることにより、この操作力が車両外側のリクライニング装置30の操作軸31(図6参照)に伝達されて同側のリクライニング装置30のロック状態が解除されると共に、この操作力が伝達ケーブル33を介して車両内側(図示右側)のリクライニング装置30の操作軸31(図7参照)にも伝達されて、同側のリクライニング装置30のロック状態も一斉に解除されるようになっている。これにより、6側のシートバック2Aの背凭れ角度が固定された状態から、前後方向に自由に調節することができる状態へと切り替えられる。なお、各リクライニング装置30の基本構造は、特開2011−116303号公報等の文献に開示されたものと同じ構成となっているため、その具体的な構成についての説明は省略することとする。
【0031】
ここで、上述したフロアF上に設けられたベースフレーム20の構成について説明する。ベースフレーム20は、フロアF上に固定された左右一対のベースブラケット21と、これらベースブラケット21の間に架け渡されて一体的に結合されたベースパイプ22と、ベースパイプ22上の中央2箇所の位置にそれぞれ一体的に結合されて設けられた台座部22Aと、各ベースブラケット21又は各台座部22Aにそれぞれ一体的に結合されて設けられた複数のベースサイドフレーム23と、から構成されている。上述した6側のシートバック2Aのバックフレーム10は、その左右の両サイドフレーム11の外側面が、それぞれ、リクライニング装置30を介して、それらの外側に配置される図示左側のベースブラケット21に結合されるベースサイドフレーム23と、中央左側の台座部22Aに結合されるベースサイドフレーム23と、に連結された状態とされている。なお、4側のシートバック2Bのバックフレーム10は、図示右側のベースブラケット21に結合されるベースサイドフレーム23と、中央右側の台座部22Aに結合されるベースサイドフレーム23と、に連結されるようになっている。
【0032】
上述した6側のシートバック2Aの車両外側のサイドフレーム11と同側のベースサイドフレーム23との連結構造は、これらの連結部に内外側からそれぞれ嵌め込まれて装着される樹脂製の外側内シールド40Bと外側外シールド40Aとによって、それぞれ外部から見えないように被覆された状態とされている。具体的には、上記外側内シールド40Bは、1本のクリップ41Bによって、バックフレーム10の車両外側(図示左側)のサイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。この外側内シールド40Bは、車両外側のサイドフレーム11の内側の側部に設けられた前述した円筒型のダンパー36全体を覆い被せると共に、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両外側のベースサイドフレーム23と6側のシートバック2Aのサイドフレーム11との連結部を下前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0033】
外側外シールド40Aは、2本のボルト40Aaによって、車両外側のベースブラケット21上に結合されるベースサイドフレーム23に締結されて取り付けられた状態とされている。この外側外シールド40Aは、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両外側のベースサイドフレーム23と6側のシートバック2Aのサイドフレーム11との連結部を上前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。この外側外シールド40Aの具体的な構成については後に詳しく説明することとする。
【0034】
また、6側のシートバック2Aの車両内側のサイドフレーム11と同側のベースサイドフレーム23との連結構造は、これらの構造部に内外側からそれぞれ嵌め込まれて装着される樹脂製の内側内シールド40Cと内側外シールド40Dとによって、それぞれ外部から見えないように被覆された状態とされている。具体的には、内側内シールド40Cは、1本のクリップ41Cによって、バックフレーム10の車両内側(図示右側)のサイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。この内側内シールド40Cは、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両内側のベースサイドフレーム23と6側のシートバック2Aのサイドフレーム11との連結部を下前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0035】
内側外シールド40Dは、上述した車両内側のベースサイドフレーム23に対し、外側から圧入されて嵌め込まれて装着された状態とされている。この内側外シールド40Dは、車両内側のサイドフレーム11の外側の側部に設けられた前述した渦巻きバネ2Ab全体を覆い被せると共に、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両内側のベースサイドフレーム23と6側のシートバック2Aのサイドフレーム11との連結部を上前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0036】
次に、前述した解除レバー44Aの操作によって各リクライニング装置30のロック状態を解除操作する機構の構成について詳しく説明する。解除レバー44Aは、図8図9に示すように、上述した外側外シールド40Aに回転可能に軸連結された状態として設けられている。ここで、外側外シールド40Aは、図4で前述したように、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両外側のベースサイドフレーム23と6側のシートバック2Aのサイドフレーム11との連結部を上前側から覆い被せることのできる形に形成されている。具体的には、外側外シールド40Aは、その上側部分が、リクライニング装置30及びリクライニング装置30の円盤形状に模して形成されたベースサイドフレーム23の上端部の形状を外側から覆い被せるように、これらよりもひとまわり大きな円筒容器型の形に形成されている。また、外側外シールド40Aの下側部分は、ベースサイドフレーム23と、ベースサイドフレーム23がベースブラケット21上に設置される座部分の形状と、をそれぞれ外側から覆い被せるように、下方側に寸胴状に延びた後、その先で外側に段差状に折れ曲がるように張り出して、その位置でカットされた形に形成されている。
【0037】
上述した解除レバー44Aは、円弧状に湾曲した縦長面状の形に形成されており、上述した外側外シールド40Aの上斜め前側の、円筒状に湾曲した面部の形に沿うように組み付けられた状態とされている。具体的には、解除レバー44Aは、その円弧状に湾曲した内周面箇所から後方側に延出して形成された腕部44Acが、外側外シールド40Aの上斜め前側の湾曲した面部に貫通して形成された縦長な窓形状の開口41A内に前側から差し込まれ、その先端部が、軸ピン44Aaにより、外側外シールド40Aの内側の側面部に回転可能に軸連結された状態として設けられている。これにより、解除レバー44Aは、その円弧状に湾曲した縦長面によって、外側外シールド40Aの開口41Aを外側から遮蔽した状態として、外側外シールド40Aに取り付けられた状態とされている。
【0038】
上述した軸ピン44Aaによる解除レバー44Aと外側外シールド40Aとの軸連結部には、解除レバー44Aに対して、常時、前下側に押し下げる方向の回転附勢力をかける捩りバネ44Abが掛着されている。この捩りバネ44Abのバネ附勢力により、解除レバー44Aは、常時は、上述した腕部44Acが、外側外シールド40Aの開口41Aの底面上に設置されたクッション42Aに弾性的に押し当てられて係止される位置(初期位置)に弾性的に保持された状態とされている。上記解除レバー44Aは、上記初期位置の状態では、その縦長面状の下端側の面部分が、操作部44Adとして、外側外シールド40Aの前外部に凹んで形成された凹部43Aの前部に位置した状態として、この凹部43Aに外側から指を掛け入れて操作部44Adを前側へ引き上げ操作することのできる状態に保持された状態とされている。
【0039】
また、解除レバー44Aは、上記初期位置の状態では、その縦長面状の上端側の面部分が、開口41Aの長さよりも更に長く延出する遮蔽部44Aeとして、開口41Aから外側外シールド40Aの形状内に入り込んで、開口41Aを外側から隙間なく遮蔽した状態となっている。上記遮蔽部44Aeは、解除レバー44Aの腕部44Acを開口41A内に差し込む際に一緒に開口41A内に差し込まれることにより、開口41A内に入り込んだ状態として組み付けられている。
【0040】
上述した解除レバー44Aは、図9に示すように、上記初期位置の状態から、外側外シールド40Aの凹部43A内に指が掛け入れられて操作部44Adが前側に引かれるように操作されることにより、軸ピン44Aaを中心に操作部44Adが前側に起こし上げられる態様で操作される。具体的には、解除レバー44Aは、その起こし上げられる操作により、その湾曲した縦長面が外側外シールド40Aの開口41A内に漸次入り込んでいくように移動するようになっており、上記開口41Aによってその起こし上げの操作が阻害されないように逃がされるようになっている。上記起こし上げ操作により、解除レバー44Aの腕部44Acの上部位置に張り出した状態として設けられたアーム部材32の蹴片32Aが、解除レバー44Aの腕部44Acによって上方側に押し回される態様で操作され、アーム部材32を介してリクライニング装置30の操作軸31が解除操作方向に操作され、同側のリクライニング装置30のロック状態が解除されるようになっている。
【0041】
上述したアーム部材32は、車両外側のリクライニング装置30の操作軸31に一体的に結合された状態として設けられており、その一部が、上述した解除レバー44Aの腕部44Acの上部位置にかかるように折り曲げられた状態とされている。これにより、アーム部材32は、解除レバー44Aが引き上げ操作される動きに連動して、その操作の途中から一緒に回転操作されて、車両外側のリクライニング装置30のロック状態を解除操作するようになっている。ここで、上述したアーム部材32には、図9及び図6図7に示すように、車両内側のリクライニング装置30の操作軸31(図7参照)を解除操作するための伝達ケーブル33の一端33Aが繋がれている。
【0042】
上記伝達ケーブル33は、図9及び図6に示すように、アーム部材32が上記解除レバー44Aの操作によって回転操作されることにより、その一端33Aが牽引操作され、その牽引された操作移動量が図7に示す他端33B側へと伝達されて、同他端33Bに繋がれた車両内側のリクライニング装置30の操作軸31を解除操作方向に牽引操作するようになっている。具体的には、上記伝達ケーブル33は、管状のアウターケーブルの内部に線状のインナーケーブルが挿通された二重のケーブル構造となっている。これらアウターケーブルやインナーケーブルは、いずれも、可撓性を有し、自由状態ではストレートな形状状態に向かって復元しようとする弾性を備えた構成となっており、後述するようにバックフレーム10内における所定の経路を通るようにその所々の箇所を湾曲させて配索することができるように構成されている。
【0043】
上記伝達ケーブル33は、図9及び図6に示すように、その一端33A側において、アウターケーブルの端部が、車両外側のベースサイドフレーム23に結合された第1ケーブル掛板23Aに掛着されて固定され、インナーケーブルの端部が、上記アーム部材32に掛着されて固定された状態とされている。また、伝達ケーブル33は、図7に示すように、その他端33B側において、アウターケーブルの端部が、車両内側のサイドフレーム11に結合された第2ケーブル掛板11Aに掛着されて固定され、インナーケーブルの端部が、車両内側のリクライニング装置30の操作軸31に一体的に連結されたアーム部材34に掛着されて固定された状態とされている。
【0044】
上記掛着により、図9及び図6に示すように、伝達ケーブル33は、アーム部材32が回転操作される動作によって、その一端33A側において、インナーケーブルの端部がアウターケーブルの端部から引き出される態様で操作され、この操作移動量が図7に示す他端33B側へと伝達されて、同他端33B側において、操作軸31に連結されたアーム部材34をインナーケーブルによって牽引操作して、同側のリクライニング装置30のロック状態も解除するようになっている。
【0045】
このように、車両内側のリクライニング装置30のロック状態が、コネクティングロッドではなく、解除レバー44Aによって操作される車両外側のアーム部材32に繋がれた伝達ケーブル33を介して、解除レバー44Aの操作力の伝達を受けて解除操作される構成となっていることにより、各リクライニング装置30の操作軸31同士がコネクティングロッドにより繋がれて操作力の伝達が行われるようになっている構成と比べて、次のようなメリットがある。
【0046】
すなわち、図4を参照して、両側のリクライニング装置30の操作軸31同士がコネクティングロッドによって連結されている構成を考えた場合、例えば、車両の前部衝突が発生して、6側のシートバック2Aの車両内側の側部(サイドフレーム11)に背後側からワインケースのような重量物が強い勢いで衝突すると、同側(車両内側)のリクライニング装置30(ロック状態)を介して同側のサイドフレーム11と一体的となっているベースサイドフレーム23が、強い曲げ方向の圧縮力を受けて、前下側に座屈する態様で押し潰されるように変形する。この変形により、上記ベースサイドフレーム23と一体的となっているロック状態のリクライニング装置30が、ベースサイドフレーム23の変形によって前方向に回転し、車両外側のリクライニング装置30の操作軸31に保持されているコネクティングロッドに対して前方向に回転移動する。このコネクティングロッドに対する前方向への回転移動は、車両内側のリクライニング装置30のロック状態が解除操作される回転方向となっており、同側(車両内側)のリクライニング装置30のロック状態が解除されてしまうおそれがある。
【0047】
しかしながら、本実施例の構成では、解除レバー44Aから各リクライニング装置30の操作軸31への操作力の伝達が、アーム部材32,34と伝達ケーブル33とを介して行われるようになっており、上記のような予期しない動力伝達の発生に伴う解除操作が起こらないようになっている。また、図9で前述したように、解除レバー44Aとアーム部材32とが別体で構成されており、解除レバー44Aの操作に押されてアーム部材32が回される構成となっていることにより、これらが一体で構成されているもの、或いは互いに連結されて設けられるものと比べて、解除レバー44Aとアーム部材32の双方の建て付けのバラつきが双方の設置間隙間で吸収されやすくなっており、組み付け性の良い構成となっている。また、解除レバー44Aの初期の回転領域に、アーム部材32の回転に影響を及ぼさないようにあそびを設定することも簡便に行えるようになっている。
【0048】
ところで、上述した両リクライニング装置30のロック状態を解除する操作は、図3で前述した遠隔レバーRcの操作によっても行えるようになっているが、その具体的な構成は次のようになっている。図10及び図6に示すように、遠隔レバーRcが操作されることにより、図示しない車体の側壁部やフロアF内を通って配索されたケーブル機構が操作され、上述したアーム部材32に一端35Aが繋がれた遠隔操作ケーブル35の他端35Bの操作部35Cが牽引操作される。ここで、上述した遠隔操作ケーブル35も、上述した伝達ケーブル33と同様に、管状のアウターケーブルの内部に線状のインナーケーブルが挿通された二重のケーブル構造となっており、図10及び図6に示すように、その一端35A側において、アウターケーブルの端部が、上述した第1ケーブル掛板23Aに掛着されて固定され、インナーケーブルの端部が、上記アーム部材32に掛着されて固定された状態とされている。また、遠隔操作ケーブル35は、その他端35B側において、アウターケーブルの端部が、外側外シールド40Aに形成された半筒形状のケーブル掛部45Aに嵌め込まれて固定され、インナーケーブルの端部が、上記図示しないケーブル機構によって牽引操作される操作部35Cとして、上記アウターケーブルの端部から繰り出された位置に保持された状態とされている。
【0049】
上記掛着により、図10及び図6に示すように、遠隔レバーRcが操作されて遠隔操作ケーブル35が牽引操作されると、アーム部材32が回転操作され、車両外側のリクライニング装置30のロック状態が解除されると共に、上述した伝達ケーブル33を介して車両内側のリクライニング装置30のロック状態も解除されるようになっている。このとき、遠隔操作ケーブル35によって操作されるのは、アーム部材32となっており、解除レバー44Aは操作されないようになっている。したがって、解除レバー44Aを操作前の初期位置に残したまま、遠隔レバーRcの操作によって両リクライニング装置30のロック状態を解除することができる。
【0050】
ところで、前述した伝達ケーブル33は、バックフレーム10に対し、次のように湾曲して配索された状態とされている。すなわち、図4図5に示すように、伝達ケーブル33は、上述した車両外側(図示左側)のアーム部材32に繋がれた一端33Aと、車両内側(図示右側)のアーム部材34に繋がれた他端33Bと、の間のケーブル部位が、バックフレーム10のメインフレーム10Aの枠内部において、S字状に緩やかなカーブを描くように幅方向と高さ方向とに押し曲げられて湾曲した状態で配索されている。上記の配索により、伝達ケーブル33は、図6で前述したように、車両外側のアーム部材32に繋がれた上向きに配索された一端33Aが牽引操作された操作力を、途中で急激的に屈曲されることなく、図7で前述した車両内側のアーム部材34に繋がれた下向きに配索された他端33Bへと良好に伝達することができるように配索された状態とされている。
【0051】
具体的には、図5に示すように、伝達ケーブル33は、その内部に挿通されたインナーケーブルの配索経路を案内する外部の管状のアウターケーブルが、図6で前述した車両外側のベースサイドフレーム23の第1ケーブル掛板23Aに固定された一端33Aから、バックフレーム10の後方側を通ってメインフレーム10Aの枠内領域へと導かれるように曲げ返され(第1湾曲部33P1)、そこから、図5に示すように、前述したベースフレーム20のベースパイプ22に沿って幅方向に伸びるように配索されて、この位置で、ベースパイプ22に結合された固定クリップ22Bに結着されてベースパイプ22に固定された状態とされている。そして、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、上記固定クリップ22Bにより固定された箇所から、更に上方向に湾曲するように曲げ返されて(第2湾曲部33P2)、前述したメインフレーム10A内に高さ方向に並んで設けられたパッド支持ワイヤ16Aと、ボード掛ワイヤ16Dと、補強パイプ15と、パッド支持ワイヤ16Bと、をそれぞれ高さ方向に通り抜けるように伸びた後、再び、車両内側(図示右側)に向けて下方側に曲げ返されて(第3湾曲部33P3)、図7で前述したように、他端33Bが、車両内側のサイドフレーム11に結合された第2ケーブル掛板11Aに固定されて配索された状態とされている。ここで、上記メインフレーム10A内に高さ方向に並んで設けられたパッド支持ワイヤ16A、ボード掛ワイヤ16D、補強パイプ15、及びパッド支持ワイヤ16Bが、それぞれ、本発明の「掛ワイヤ」に相当する。
【0052】
詳しくは、上記伝達ケーブル33のアウターケーブルは、上記第2湾曲部33P2から上方側に向かって伸びる途中箇所が、上述した高さ方向に並ぶパッド支持ワイヤ16Aと、ボード掛ワイヤ16Dと、補強パイプ15と、パッド支持ワイヤ16Bと、に対して、それぞれ前後方向に交互に蛇行して配索されるように、前後方向に交互に押し曲げられて蛇行して配索された状態とされている。これにより、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、その押し曲げられた弾発力により、上述したパッド支持ワイヤ16Aと、ボード掛ワイヤ16Dと、補強パイプ15と、パッド支持ワイヤ16Bと、に対して、それぞれ、押し付けられて留められた状態として配索された状態とされている。
【0053】
具体的には、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、図11に示すように、パッド支持ワイヤ16Aの後方側を通され、ボード掛ワイヤ16Dの前方側を通され、図12に示すように、補強パイプ15の後方側を通され、図13に示すように、パッド支持ワイヤ16BのU字の隅部を通るようにその前方側を斜めに通されて配索された状態とされている。これにより、図5に示すように、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、上述したパッド支持ワイヤ16Aと、ボード掛ワイヤ16Dと、補強パイプ15と、パッド支持ワイヤ16Bと、に対して、前後方向にバタつかないように弾性的に押し付けられた状態として、前後方向の位置決めがされた状態に配索された状態とされている。
【0054】
また、上述した伝達ケーブル33のアウターケーブルは、図11に示すように、更に、上述した第2湾曲部33P2から上方側に向かって伸びる途中箇所が、パッド支持ワイヤ16Aの高さ方向に伸びるワイヤ部分に幅方向にあてがわれて、タイラップTwにより結束されて固定された状態とされている。これにより、上記第2湾曲部33P2の湾曲形状が、上述したタイラップTwによる固定と、ベースパイプ22上の固定クリップ22Bによる固定と、によって、一定状態に保たれるように保持された状態とされている。
【0055】
また、図5に示すように、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、第3湾曲部33P3において車両内側(図示右側)に向けて下方側に曲げ返された他端33B側へ向かう部分が、車両内側のサイドフレーム11の内側の側面に押し当てられており、この押し当てに伴う反力作用によって、第3湾曲部33P3における車両外側(図示左側)の高さ方向に伸びるケーブル部位が、車両外側に向かって弾性的に押し退けられる弾発作用を受けた状態とされている。しかし、この車両外側への弾発作用を受けているケーブル部位は、前述した補強パイプ15から後ろ斜め上方側に突出するように向けられて設けられたアンカーワイヤ15Aに側方から押し当てられることにより、その車両外側への弾発作用による移動が規制された状態とされている。これにより、伝達ケーブル33のアウターケーブルは、上述したアンカーワイヤ15Aと車両内側のサイドフレーム11とによって第3湾曲部33P3が押し挟まれる態様で弾性的に保持された状態として、バックフレーム10に対して、幅方向の位置決めがされた状態として配索された状態とされている。ここで、アンカーワイヤ15Aが、本発明の「当てワイヤ」に相当する。
【0056】
上述したバックフレーム10に配索された伝達ケーブル33は、図14に示すように、バックフレーム10の前面部に敷設される前述したマット型のクッション用パッド2Aaと、バックフレーム10の背面部に敷設される前述したバックボード17と、によって、前後側から挟み込まれた状態とされるようになっている。ここで、バックボード17が、本発明の「板材」に相当する。この挟み込みにより、伝達ケーブル33が、上述したパッド支持ワイヤ16Aと、ボード掛ワイヤ16Dと、補強パイプ15と、パッド支持ワイヤ16Bとに対して、より強く、前後方向にバタつかないように押し付けられた状態として保持されるようになっている。
【0057】
ところで、上述した伝達ケーブル33は、図5に示すように、上述した第3湾曲部33P3から車両外側のサイドフレーム11の後方側を通って取り回される一端33Aまでのケーブル部位が、図15に示すように、クッション用パッド2Aaの下側の縁部に形成された通し孔17Cから、6側のシートバック2Aの形状の外側へと繰り出されて、車両外側のサイドフレーム11(図5参照)の後方側を通って前述した車両外側の外側外シールド40Aの形状内に後ろ下側から通されるように配索されている。これにより、図15に示すように、クッション用パッド2Aaの下側の縁部に、シートクッション3(図1参照)との間の隙間を隠すための延出部2Aa1が後方側に延出する形で形成されていても、伝達ケーブル33を、バックフレーム10の直下に位置するベースパイプ22(図5参照)に近接させて固定できるように、バックフレーム10の枠内から真っ直ぐ下方側へ伸ばせるように配索できるようになっている。なお、上述した伝達ケーブル33のクッション用パッド2Aaの通し孔17Cから外側へ繰り出されたケーブル部位は、6側のシートバック2Aの表面に被覆される表皮材2Acの背面側の下部に形成された、下方側へひれ状に延出する延長部2Ac1により背後側から見えないように覆い隠されるようになっている。
【0058】
このように、本実施例の車両用シート1の構成によれば、伝達ケーブル33は、バックフレーム10に設けられた複数本の掛ワイヤ(パッド支持ワイヤ16A、ボード掛ワイヤ16D、補強パイプ15、及びパッド支持ワイヤ16B)に対し、前後方向に交互に蛇行するように押し曲げられた状態として配索されることにより、その弾発力により上記各掛ワイヤに押し付けられて留められた状態として保持される。これにより、留め具を用いることなく、伝達ケーブル33をバックフレーム10に固定することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、上記実施例では、本発明の「シートフレーム」に相当するものとして、6側のシートバック2Aのバックフレーム10を例示したが、本発明の「シートフレーム」は、シートバックのフレームの他、シートクッションのフレームやヘッドレストのフレームであってもよい。また、シートバックのフレームとシートクッションのフレームとに跨って線状部材が配索される構成であってもよい。
【0060】
また、上記実施例では、本発明の「線状部材」として、二重のケーブル構造から成る伝達ケーブル33を例示したが、本発明の「線状部材」は、電気配線や他のケーブル等の可撓性を有する線状部材であれば特にどのような線状部材であっても構わない。また、上記実施例では、線状部材(伝達ケーブル33)が交互に蛇行して配索される掛ワイヤ(パッド支持ワイヤ16A、ボード掛ワイヤ16D、補強パイプ15、及びパッド支持ワイヤ16B)が、シートフレーム(バックフレーム10)に対して高さ方向に並んで設けられた構成を例示したが、この並び方向(線状部材が交互に蛇行して配索される方向)は、シート幅方向や前後方向等の他の方向に設定されていてもよい。また、掛ワイヤや当てワイヤは、線状のものでなく、面状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 車両用シート
2 シートバック
2A 6側のシートバック
2Aa クッション用パッド
2Aa1 延出部
2Aa2 通し孔
2Ab 渦巻きバネ
2Ac 表皮材
2Ac1 延長部
2B 4側のシートバック
2Bf バックフレーム
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
10 バックフレーム(シートフレーム)
10A メインフレーム
10B サブフレーム
11 サイドフレーム
11A 第2ケーブル掛板
12 アッパフレーム
13 L字パイプ
14 補強板
15 補強パイプ(掛ワイヤ)
15A アンカーワイヤ(当てワイヤ)
16A パッド支持ワイヤ(掛ワイヤ)
16Aa 掛部
16B パッド支持ワイヤ(掛ワイヤ)
16C ボード掛ワイヤ
16D ボード掛ワイヤ
17 バックボード(板材)
17A 掛着部
17B フック
17C 通し孔
17D キャップ
18 サイドブラケット
20 ベースフレーム
21 ベースブラケット
22 ベースパイプ
22A 台座部
22B 固定クリップ
23 ベースサイドフレーム
23A 第1ケーブル掛板
30 リクライニング装置
31 操作軸
32 アーム部材
32A 蹴片
33 伝達ケーブル(線状部材)
33A 一端
33B 他端
33P1 第1湾曲部
33P2 第2湾曲部
33P3 第3湾曲部
34 アーム部材
35 遠隔操作ケーブル
35A 一端
35B 他端
35C 操作部
36 ダンパー
40A 外側外シールド
40Aa ボルト
41A 開口
42A クッション
43A 凹部
44A 解除レバー
44Aa 軸ピン
44Ab 捩りバネ
44Ac 腕部
44Ad 操作部
44Ae 遮蔽部
45A ケーブル掛部
40B 外側内シールド
41B クリップ
40C 内側内シールド
41C クリップ
40D 内側外シールド
F フロア
Ls ラゲッジスペース
Ld 床面
Rc 遠隔レバー
Tw タイラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15