特許第5812732号(P5812732)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧
<>
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000002
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000003
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000004
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000005
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000006
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000007
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000008
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000009
  • 特許5812732-定着装置及びこれを用いる画像形成装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5812732
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月17日
(54)【発明の名称】定着装置及びこれを用いる画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20151029BHJP
【FI】
   G03G15/20 515
【請求項の数】4
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2011-156047(P2011-156047)
(22)【出願日】2011年7月14日
(65)【公開番号】特開2013-24890(P2013-24890A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】向井 崇
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−177142(JP,A)
【文献】 特開平04−258982(JP,A)
【文献】 特開2008−216977(JP,A)
【文献】 特開2010−286743(JP,A)
【文献】 特開平11−260533(JP,A)
【文献】 特開平05−019652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像が転写された記録媒体を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを備える定着装置において、
前記加熱部材は、その長手方向が前記無端状ベルトの回動方向と直交するベルト幅方向に沿って延設されて、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置される伝熱部材と、前記面状発熱体に前記伝熱部材を固定するための補強部材と、前記面状発熱体の熱が補強部材側に拡散するのを防ぐ断熱部材とを備え、
前記伝熱部材と前記補強部材とは、長さ方向横断面形状がいずれもコの字形状を呈して開口内に空間を有する構造であると共に、前記伝熱部材の開口幅よりも前記補強部材の外面幅が小さく形成され、
前記断熱部材は、面状発熱体に沿って長く形成され、
一側が伝熱部材に接した面状発熱体の他側に断熱材を接しさせた状態で、かつ、前記伝熱部材と補強部材との開口部同士を対向させた状態で、前記伝熱部材内部と前記補強部材内部で作る空間内に前記面状発熱体及び前記断熱部材が位置するように、前記伝熱部材内部に前記補強部材を装着して、前記伝熱部材と前記補強部材とを接続して構成することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記断熱部材と前記補強部材との間に押圧部材を備え、
前記伝熱部材と前記補強部材とは、前記無端状ベルトのベルト幅方向に沿って複数箇所で接続されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記面状発熱体は、前記無端状ベルトのベルト幅方向に沿って長く延設される基板と、前記基板の表面に基板長手方向に沿って複数本並列して形成される抵抗発熱層とを備え、
前記伝熱部材の長さと前記面状発熱体の抵抗発熱層の長さの関係が、
伝熱部材の長さ≧面状発熱体の抵抗発熱層の長さ、
となることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項4】
トナー画像が転写された記録媒体を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを具備する定着装置を備え、電子写真方式により形成したトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置において、
前記定着装置として、請求項1から3のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及びこれを用いる画像形成装置に係り、特に、記録媒体上に形成された未定着トナー画像を加熱することにより記録媒体に未定着トナー画像を定着させる定着装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という。)は、例えば、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを備えて構成されている。
【0003】
画像形成装置は、感光体およびこれらの手段を用いて帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程および定着工程を行い、シート状の記録媒体(以下、単に「シート」ともいう。)に画像を形成する装置である。
【0004】
定着工程を行う定着手段として、例えば、熱ローラ定着方式の定着装置を用いる。
熱ローラ定着方式の定着装置は、定着ローラと、加圧ローラとを含む。
定着ローラおよび加圧ローラは、互いに圧接するローラ対である。
定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータなどの熱源を含む。
【0005】
定着工程において、熱源が定着に必要な所定の温度(以下、「定着温度」という。)までローラ対を加熱した後、未定着トナー像が形成された記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ニップ部に供給される。
【0006】
定着ニップ部を通過する未定着トナー像は、定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方から伝わる熱と、定着ローラおよび加圧ローラの圧力とによって、紙などの記録媒体に定着される。定着ニップ部において、記録媒体が通過した部分(以下、「通紙部」という。)は温度が低下するが、加熱源によって定着温度まで加熱される。
【0007】
フルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置では、例えば、シリコーンゴムなどからなる弾性層を表面に設けた定着ローラ(以下、「弾性ローラ」という。)を用いる。弾性ローラを用いると、定着ニップ部において弾性ローラ表面の弾性層が未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形し、未定着トナー像を覆い包むようにして弾性ローラと未定着トナー像とが接触するので、単色画像に比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して、定着性を良好にすることができる。
【0008】
また、弾性ローラ表面の弾性層の歪み解放効果によって、単色画像に比べてオフセットしやすいカラートナーの離型性を向上させることができる。具体的には、定着ニップ部で圧縮され、歪の生じた弾性層は、定着ニップ部の出口で、その歪が解放されるので、定着ニップ部の出口では、弾性層とトナー像との間にずれが生じ、その結果、弾性層のトナー像に対する付着力が低減され、離型性が向上する。
【0009】
また、定着ニップ部における定着ローラおよび加圧ローラの形状であるニップ形状が、定着ローラ側に凸(逆ニップ形状)となるので、定着ローラと記録媒体との剥離性能を向上させることができる。したがって、定着ローラと記録媒体とを剥離する剥離手段として、例えば剥離爪を用いることなく記録媒体と定着ローラとの剥離が可能なセルフストリッピングを実現することができるので、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
【0010】
定着装置を高速化に対応するためには、定着ニップ部の幅(以下、「定着ニップ幅」という。)を広くする必要がある。定着ニップ幅を広くする手段として、弾性ローラの弾性層を厚くする、または、弾性ローラ径を大きくする、という2つの方法が挙げられる。
【0011】
しかし、弾性ローラの弾性層の熱伝導性は非常に低いので、従来の弾性ローラのように弾性ローラ内部に加熱手段がある場合は、弾性ローラの弾性層を厚くすると、ウォームアップ時間が長くなるという問題がある。また、プロセス速度を高速化すると、定着ローラの温度が定着温度に追従しなくなる問題がある。
また、弾性ローラ径を大きくすると、加熱手段の消費電力が増大するという問題がある。
【0012】
このような問題を解決するために、従来技術として、定着ローラと加圧ローラと加熱ローラと無端状ベルトとを備え、定着ローラと加熱用ヒータを内部に含む加熱ローラとの間に無端状ベルトを掛け渡し、無端状ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させるベルト定着方式の定着装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【0013】
特許文献1に記載の定着装置によれば、加熱手段である加熱ローラによって熱容量の小さい無端状ベルトを加熱し、熱容量の大きい弾性層を加熱しないので、ウォームアップ時間を短くすることができる。また、加熱手段を定着ローラに内蔵する必要がなく、スポンジゴムなどからなる低硬度の弾性層を厚く設けることができるので、広い定着ニップ幅を確保することができる。
【0014】
また、その他の技術として、加熱手段を面状発熱体として、加熱手段の熱をフィルム部材を介して被加熱材としての記録材に付与することで記録材上の未定着トナー画像を加熱溶融して定着させるフィルム加熱方式の定着装置が提案されている(特許文献2を参照)。
【0015】
特許文献2に記載の定着装置によれば、面状発熱体の熱容量がハロゲンランプヒーターの熱容量より小さいので、従来のハロゲンランプヒーターの構成と比べて、加熱手段の熱容量を小さくすることができるため、省電力化やウォームアップ時間の短縮が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開パンフレットWO99/00713号公報
【特許文献2】特開平5−289556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、ヒータ部の構成において、セラミックヒータを直接伝熱板に接着する構成を取っている。この場合、用紙の摺動によってセラミックヒータと伝熱板との接着部分に力がかかりヒータが破損したり、セラミックヒータと伝熱板との接触状況が変化することで伝熱が上手く行われないといった問題が生じていた。
【0018】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、定着装置において、伝熱状態を良好にして省電力化やウォームアップ時間の短縮を図り、均一な加熱を可能にして、加熱部材の破損や不良の発生がない安定した定着装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するための本発明に係る定着装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0020】
本発明は、トナー画像が転写された記録媒体を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを備える定着装置において、
前記加熱部材は、その長手方向が前記無端状ベルトの回動方向と直交するベルト幅方向に沿って延設されて、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置される伝熱部材と、前記面状発熱体に前記伝熱部材を固定するための補強部材と、前記面状発熱体の熱が補強部材側に拡散するのを防ぐ断熱部材とを備え、
前記伝熱部材と前記補強部材とは、長さ方向横断面形状がいずれもコの字形状を呈して開口内に空間を有する構造であると共に、前記伝熱部材の開口幅よりも前記補強部材の外面幅が小さく形成され、
前記断熱部材は、面状発熱体に沿って長く形成され、
一側が伝熱部材に接した面状発熱体の他側に断熱材を接しさせた状態で、かつ、前記伝熱部材と補強部材との開口部同士を対向させた状態で、前記伝熱部材内部と前記補強部材内部で作る空間内に前記面状発熱体及び前記断熱部材が位置するように、前記伝熱部材内部に前記補強部材を装着して、前記伝熱部材と前記補強部材とを接続して構成することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明は、前記断熱部材と前記補強部材との間に押圧部材を備え、前記伝熱部材と前記補強部材とは、前記無端状ベルトのベルト幅方向に沿って複数箇所で接続されることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、前記面状発熱体の構成として、前記無端状ベルトのベルト幅方向に沿って長く延設される(すなわち、幅方向に細長い)基板と、前記基板の表面に基板長手方向に沿って複数本並列して形成される抵抗発熱層とを備え、前記伝熱部材の長さと前記面状発熱体の抵抗発熱層の長さの関係が、伝熱部材の長さ≧面状発熱体の抵抗発熱層の長さ、となるようにすることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、トナー画像が転写された記録媒体を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを具備する定着装置を備え、電子写真方式により形成したトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置において、前記定着装置として、請求項1から3のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の定着装置によれば、トナー画像が転写された記録媒体(例えば、シート部材)を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材(例えば、ヒータ部)と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材(例えば、ローラ部材)とを備える定着装置において、前記加熱部材の構成として、前記無端状ベルトの回動方向と直交するベルト幅方向に沿って延設して、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置される伝熱部材と、前記伝熱部材を固定するための補強部材を備え、前記伝熱部材と前記補強部材とを接続して構成することで、伝熱部材の均一な加熱が可能になり、破損や不良の発生がない堅牢で安定した定着装置を提供できる。
【0025】
具体的には、定着装置において、面状発熱体を剛体の伝熱部材に押し当てる構成として、面状発熱体を適切な位置で押圧することにより、均一な加熱と堅牢で安定した構造を実現することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記伝熱部材と前記補強部材とを、前記無端状ベルトのベルト幅方向(長手方向)に沿って複数箇所で接続することで、前記補強部材側に逃げる熱を均一にすることができ、前記面状発熱体を前記伝熱部材に押圧する力により、伝熱部材の変形を防止することができる。また、伝熱部材と補強部材を安定して接続することができるので、破損や不良の発生がない堅牢で安定した定着装置を提供できる。
【0027】
また、本発明によれば、前記面状発熱体の構成として、前記無端状ベルトのベルト幅方向に沿って長く延設される(すなわち、幅方向に細長い)基板と、前記基板の表面に基板長手方向に沿って複数本並列して形成される抵抗発熱層とを備え、前記伝熱部材の長さと前記面状発熱体の抵抗発熱層の長さの関係が、伝熱部材の長さ≧面状発熱体の抵抗発熱層の長さ、となるようにすることで、面状発熱体の抵抗発熱層の長さと伝熱部材の長さを略等しくすることが可能となり、伝熱部材端部の温度低下を防止することができる。
また、抵抗発熱層の長さが伝熱部材と略等しいか短い構成となっているため、抵抗発熱体と伝熱部材が接触していない部分がなく、面状発熱体の異常昇温を防止することができる。
【0028】
また、本発明の画像形成装置によれば、トナー画像が転写された記録媒体を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを加熱するための加熱部材と、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを具備する定着装置を備え、電子写真方式により形成したトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置において、前記定着装置として、請求項1から3のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることで、加熱部材による均一な加熱が可能になり、前記加熱部材の破損や不良の発生がない堅牢で安定した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
図2】前記画像形成装置を構成する画像形成部の画像形成ユニットの構成を模式的に示す説明図である。
図3】前記画像形成装置を構成する特徴的な定着装置の構成を示す説明図である。
図4図3のS1部の定着ベルトの詳細を示す説明図である。
図5図3のS2部のヒータユニットの構成を示す説明図である。
図6】前記定着装置を構成するヒータユニットの発熱体の構成を示す説明図である。
図7】(a)は前記ヒータユニットを構成する補強部材と伝熱部材の構成を示す説明図、(b)は(a)のA1矢視図、(c)は(b)のA2−A2矢視図、(d)は(b)のA3−A3矢視図である。
図8】本実施形態の定着装置を構成する補強部材と伝熱部材との構成の変形例1を示す説明図であって、(a)は前記補強部材と伝熱部材の構成を示す説明図、(b)は(a)のB1矢視図、(c)は(b)のB2−B2矢視図、(d)は(b)のB3−B3矢視図である。
図9】本実施形態の定着装置を構成する補強部材と伝熱部材との構成の変形例2を示す説明図であって、(a)は前記補強部材と伝熱部材の構成を示す説明図、(b)は(a)のC1矢視図、(c)は(b)のC2−C2矢視図、(d)は(b)のC3−C3矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置を構成する画像形成部の画像形成ユニットの構成を模式的に示す説明図、図3は前記画像形成装置を構成する特徴的な定着装置の構成を示す説明図、図4図3のS1部の定着ベルトの詳細を示す説明図、図5図3のS2部のヒータユニットの構成を示す説明図である。
【0031】
本実施形態は、図1に示すように、トナー画像が転写された記録媒体(図示省略)を加熱しそのトナー画像を記録媒体に定着させる定着ベルト(無端状ベルト)71と、定着ベルト71を加熱するためのヒータユニット(加熱部材)80と、定着ベルト71を回動可能に懸架するテンションローラ(懸架部材)77と、定着ローラ50と、加圧ローラ60とを具備する定着装置6を備え、電子写真方式により形成したトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置1において、定着装置6の構成として、本発明に係る定着装置の構成を採用したものである。
【0032】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
画像形成装置1は、読み取った原稿の画像情報や外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置1は、図1に示すように、原稿の画像情報を読み取る原稿読み取り部であるスキャナ部9と、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー画像を形成するための画像形成ユニット10y,10m,10c,10bを有する画像形成部2と、画像形成部2で形成されたトナー画像を一時的に中間転写ベルト21に保持する中間転写部3と、中間転写ベルト21に担持されたトナー画像を記録媒体に転写する2次転写部4と、収納された記録用紙8を2次転写部4に供給する記録媒体供給部5と、記録用紙8上に転写されたトナー画像を熱融着させるための定着装置6と、図1には図示しない表示部、操作部および制御部とを備えて構成されている。
【0033】
画像形成部2は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー画像を形成するための画像形成ユニット10y,10m,10c,10bを備えている。
画像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、各色相のデジタル信号(以下、「画像情報」と称する。)に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して、各色のトナーでトナー像を形成する。
【0034】
すなわち、画像形成ユニット10yはイエロー色の画像情報に対応するトナー像を形成し、画像形成ユニット10mはマゼンタ色の画像情報に対応するトナー像を形成し、画像形成ユニット10cはシアン色の画像情報に対応するトナー像を形成し、画像形成ユニット10bはブラック色の画像情報に対応するトナー像を形成する。
【0035】
画像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の移動方向(副走査方向)、すなわち、矢印B方向の上流側から下流側にこの順番で一列に並んで配列される。
【0036】
以下、画像形成ユニット10y,10m,10c,10bについては、イエロー色に対応する画像形成ユニット10yを例として図面を参照して説明する。他の画像形成ユニットについては説明を省略する。
【0037】
各色の画像形成ユニットの相違点は、それぞれイエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤またはブラック色現像剤を使用すること、および画像形成部2に入力される画像情報のうち、イエロー色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、ブラック色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力されることである。
【0038】
なお、各色に対応する画像形成ユニットを個々に示す場合には、アルファベットの添字:y(イエロー色)、m(マゼンタ色)、c(シアン色)、b(ブラック色)を付して表す。
【0039】
画像形成ユニット10yは、図2に示すように、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13yと、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを備えている。
【0040】
感光体ドラム11yは、イエロー色のトナー像が表面に形成される像担持体であり、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状、円柱状または薄膜シート状(好ましくは円筒状)の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを備えて構成されている。
【0041】
感光体ドラム11yとしては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される感光層である有機感光層とを含む、GND(接地)電位に接続される感光体ドラムを使用できる。
【0042】
有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成されるものであってもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む1つの層によって形成されてもよい。また、有機感光層の層厚は、特に限定されるものではないが、例えば、20μmである。また有機感光層と導電性基体との間に下地層を設けてもよい。さらに、有機感光層の表面に保護層を設けてもよい。
【0043】
また、感光体ドラム11yは、図2に示すように、図示しない駆動手段によって、図中で反時計周りの方向(矢印A方向)に、例えば周速度220mm/sで回転する。
感光体ドラム11yの駆動手段は、図示しない画像形成部制御手段によって制御され、この画像形成部制御手段によって感光体ドラム11yの回転速度が制御される。
【0044】
帯電ローラ12yは、感光体ドラム11yの表面を所定の極性の電位に帯電させる帯電手段である。なお、帯電手段としては、帯電ローラ12yに限定されるものではなく、帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、またはスコロトロンというコロナ帯電器なども使用できる。
【0045】
光走査ユニット13yは、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面にイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、感光体ドラム11yの表面に、イエロー色の画像情報に対応する静電潜像を形成する潜像形成手段である。レーザ光の光源には、半導体レーザ素子などが用いられる。
【0046】
現像装置14yは、感光体ドラム11yに臨んで設けられる現像手段である。現像スリーブ17y表面に、2成分現像剤16yに含まれるイエロー色トナーおよびキャリアのうち、イエロー色トナーを担持し、層厚規制部材18yによって所定量の厚さに規制して感光体ドラム11y表面に搬送し、感光体ドラム11y表面に形成される静電潜像を現像して顕像化する。なお、現像剤としては、キャリアを含まない1成分現像剤を用いることもできる。図中の符号19yはケース、20a,20bは撹拌ローラを示す。
【0047】
現像スリーブ17yは、感光体ドラム11yに近接する現像ニップ部において、感光体ドラム11yの回転駆動方向と逆の方向に回転駆動する。
ドラムクリーナ15yは、感光体ドラム11y表面のイエロー色のトナー像が中間転写ベルト21に中間転写された後、感光体ドラム11y表面において中間転写ベルト21に中間転写されずに残存したイエロー色トナーを除去し回収する。
【0048】
画像形成ユニット10yによれば、感光体ドラム11yをその軸線回りに回転駆動させながら、図示しない電源により帯電ローラ12yに、例えば−1200Vを印加し、放電させることよって感光体ドラム11yの表面を、例えば−600Vに帯電させる。
【0049】
次に、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13yからイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、イエロー色の画像情報に対応する露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
【0050】
次いで、感光体ドラム11yの表面と現像スリーブ17y表面に担持されるイエロー色トナーとを近接させる。現像スリーブ17yには現像電位として−450Vの直流電圧が印加されており、現像スリーブ17yと感光体ドラム11yとの電位差によって、静電潜像にイエロー色トナーが付着し、感光体ドラム11yの表面にイエロー色トナー像が形成される。
【0051】
このイエロー色トナー像は、感光体ドラム11yの表面に圧接し、矢印B方向に駆動する中間転写ベルト21に中間転写される。感光体ドラム11yの表面に残留するイエロー色トナーは、ドラムクリーナ15yにより除去回収される。以後、同様にしてイエロー色のトナー像の形成動作が繰り返し実行される。
【0052】
以下に、本実施形態の画像形成装置1で用いられる2成分現像剤16y,16m,16c,16bについて詳細に説明する。
【0053】
2成分現像剤16y,16m,16c,16bは、トナーと、キャリアとを含む。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナー粒子で構成される。
結着樹脂としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0054】
これらの結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性および耐久性などの点から、軟化点が100〜150℃であり、ガラス転移点が50〜80℃の結着樹脂が好ましく、上記範囲内に軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは、軟化または溶融状態で高い透明度を示す。
【0055】
結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を、定着装置6で記録用紙8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって十分な発色が得られる。
【0056】
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術に用いられるトナー用顔料、および染料を使用できる。トナー顔料としては、例えば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロムおよびベルリンブルーなどの無機系顔料、ならびにアルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。トナー顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0057】
離型剤としては、例えば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0058】
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤および導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有してもよい。
【0059】
また、トナーは、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法などの公知の方法で製造できる。
粉砕法では、着色剤および離型剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕することでトナーを得る。
懸濁重合法では、結着樹脂、着色剤および離型剤などのモノマーを均一に分散した後、これらのモノマーを重合させることでトナーを得る。
乳化凝集法では、結着樹脂、着色剤および離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱することでトナーを得る。
【0060】
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、2μm以上7μm以下であることが好ましい。トナーの体積平均粒径がこのように適度に小さい場合には、記録用紙8に対する被覆率が高くなるので、低付着量での高画質化、およびトナー消費量の低減化を達成できる。
【0061】
一方、トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不十分になるので、感光体ドラム11に供給されるトナー量の不足や逆極トナーの増加などが発生し、高画質画像が得られないおそれがある。
【0062】
また、トナーの体積平均粒径が7μmを超えると、定着時に中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、記録用紙8へのトナー像の定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPシートへの定着の場合には、画像が暗くなる。
【0063】
従って、本実施形態の画像形成装置1で用いられるトナーは、ガラス転移点が60℃であり、軟化点が120℃であり、体積平均粒径が6μmの負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、記録用紙8の表面において5g/m2のトナー量が必要である。
【0064】
また、トナーは、結着樹脂として、ガラス転移点が60℃であり軟化点が120℃のポリエステルを含み、着色剤として、各色の顔料をトナー全量の12重量%含み、離型剤として、ガラス転移点が50℃であり軟化点が70℃の低分子ポリエチレンワックスをトナー全量の7重量%含む。
【0065】
このトナーに離型剤として用いられる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂として用いられるポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。
【0066】
キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。
磁性を有する粒子としては、例えば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
【0067】
また、磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。
磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては、特に制限されないけれども、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。
また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては、特に制限されないけれども、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。
【0068】
キャリアの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは30μm以上50μm以下である。
さらに、キャリアの抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
【0069】
キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められたキャリアにおもりで1kg/cm2の荷重を掛け、おもりと底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることで得られる値である。キャリアの抵抗率が低いと、現像スリーブ17yにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム11yにキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
【0070】
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g以上60emu/g以下、さらに好ましくは15emu/g以上40emu/g以下である。
磁化強さは、現像スリーブ17yの磁束密度にもよるけれども、現像スリーブ17yの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。
また、磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、感光体ドラム11yと非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
【0071】
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。
2成分現像剤16y,16m,16c,16bにおけるトナーとキャリアとの混合割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択すればよい。
【0072】
中間転写部3は、図1に示すように、中間転写ベルト21と、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ23,24,25と、ベルトクリーナ26とを備えている。本実施形態では、主に中間転写部3と2次転写部4とによって転写手段を構成している。
【0073】
中間転写ベルト21は、支持ローラ23,25,24との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状の像担持体である。この中間転写ベルト21は、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で、矢印B方向に、すなわち、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに臨む像担持面が、感光体ドラム11yから感光体ドラム11bに向って移動するように回転駆動される。
【0074】
中間転写ベルト21には、例えば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料としてはポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンなどの合成樹脂、または各種ゴムなどから構成されるフィルムを使用できる。
【0075】
合成樹脂または各種ゴムから構成されるフィルム中には、中間転写ベルト21の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラックおよびグラファイトカーボンなどの導電材が配合される。
【0076】
また、中間転写ベルト21には、トナーに対する付着力の弱いフッ素樹脂組成物、またはフッ素ゴムなどから構成される被覆層が設けられていてもよい。
被覆層の構成材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。被覆層には導電材が配合されていてもよい。
【0077】
中間転写ベルト21の像担持面は、中間転写ベルト21の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接するが、中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。
【0078】
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向するように設けられるローラ状部材である。かつ中間転写ベルト21における像担持面の反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。
【0079】
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、例えば、金属製軸体と、金属製軸体の表面に形成される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって構成される。金属製軸体の直径は、特に制限されないけれども、好ましくは8mm以上10mm以下である。
【0080】
導電性層は、導電性の弾性体などによって構成される。
導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDMおよび発泡ウレタンなどが挙げられる。
この導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。
【0081】
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。
これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナー像が中間転写ベルト21の像担持面に順次重ね合わさって転写され、多色のトナー像が形成される。
【0082】
ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色の一部のみの画像情報が入力される場合には、画像形成ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する画像形成ユニット10のみにおいてトナー像が形成される。
【0083】
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト21を張架して矢印B方向に回転駆動させる。支持ローラ23,25には、例えば直径30mm、および肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。このうち、支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して2次転写ローラ28に圧接して2次転写ニップ部29を形成し、かつ電気的に接地される。
【0084】
ベルトクリーナ26は、中間転写ベルト21の像担持面上のトナー像を2次転写部4において記録用紙8に転写した後に、像担持面上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ25に対向するように設けられる。
【0085】
中間転写部3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像は、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bにトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。これによって、中間転写ベルト21の像担持面の所定位置に重ね合わされて中間転写され、多色のトナー像が形成される。
【0086】
このトナー像は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24と2次転写ローラ28による2次転写ニップ部29において記録用紙8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト21の像担持面に残留するトナーおよび紙粉などが、ベルトクリーナ26によって除去され、中間転写ベルト21の像担持面には再度多色のトナー像が転写される。
【0087】
2次転写部4は、図1に示すように、支持ローラ24と、2次転写ローラ28とを備えている。
支持ローラ24は、中間転写ベルト21を張架する機能ととともに、中間転写ベルト21上の多色のトナー像を記録用紙8に2次転写させる機能を有する。
2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。
【0088】
2次転写ローラ28は、例えば、金属製軸体と、金属製軸体の表面に形成される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって構成される。
【0089】
導電性層は、導電性弾性体などによって形成される。
導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、カーボンブラックなどの導電材を含む、EPDM、発泡EPDMおよび発泡ウレタンなどが挙げられる。
【0090】
2次転写ローラ28には、図示しない電源が接続され、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。支持ローラ24と中間転写ベルト21と2次転写ローラ28との圧接部が2次転写ニップ部29である。
【0091】
2次転写部4によれば、中間転写ベルト21上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、記録媒体供給部5から送給される記録用紙8が2次転写ニップ部29に搬送される。そして、2次転写ニップ部29において多色のトナー像と記録用紙8とが重ね合わされ、2次転写ローラ28にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、未定着のトナー像が記録用紙8に2次転写される。そして、未定着トナー像を担持した記録用紙8は、定着装置6に搬送される。
【0092】
記録媒体供給部5は、図1に示すように、記録用紙収容トレイ42と、記録用紙搬出ローラ43と、搬送ローラ44a,44bと、搬送路Pとを備えている。
記録用紙収容トレイ42は、記録媒体である記録用紙8を収容する。記録用紙搬出ローラ43は、記録用紙収容トレイ42に収容されている記録用紙8を搬出する。搬送ローラ44a,44bは、搬出された記録用紙8を2次転写部4へ搬送する。
【0093】
定着装置6は、図3に示すように、定着ローラ50と、加圧ローラ60と、定着ベルト(無端状ベルト)71と、テンションローラ(懸架部材)77と、ヒータユニット80とを備えて構成されている。
【0094】
定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、加圧ローラ60、定着ベルト71の回転駆動によって、矢印D方向に所定の速度で従動回転するローラ状部材である。本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性層52とを含む直径30mmの円筒形状に形成されるローラ状部材を使用する。
芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。
【0095】
弾性層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特に液状熱硬化型シリコーンゴムが好ましい。また、定着ローラ50の断熱性を高めるためにスポンジ状とすることが好ましい。更に、定着ベルト71の寄りを修正するため、弾性層上に表面層53を設ける構成としてもよい。これにより定着ローラ50の表面の摺動性が向上し、定着ベルト71の寄りを修正し易くなる。
【0096】
表面層53を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、摺動性が高いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴム等が好ましい。
【0097】
また、定着ローラ50の内部に、補助的な加熱手段を設けてもよい。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録用紙8に熱が移行することに起因する定着ローラ50の表面温度の低下などを防止するためである。
【0098】
加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ベルト71を介して定着ローラ50に圧接され、定着ニップ部55を形成する。加圧ローラ60は図示しない駆動手段によって回転駆動される。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録用紙8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録用紙8に対して押圧することによって、トナー像の記録用紙8への定着を促進する。
図中の符号Tは未定着トナーを示す。
【0099】
本実施形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性層62と、表面層63とを含む直径30mmのローラ状部材を使用する。芯金61、弾性層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、定着ローラ50の芯金51、弾性層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。
【0100】
加圧ローラ60の内部に加熱手段64を設けてもよい。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録用紙8に熱が移行することに起因する加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止するためである。加熱手段64にはハロゲンランプなどが用いられる。
【0101】
テンションローラ77は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって定着ベルト71にテンションを加えられるように設けられたローラ状部材である。
テンションローラ77は、定着ベルト71の矢印D方向の回転に従動回転する。テンションローラ77には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラを使用できる。金属製ローラは必要に応じてその表面にフッ素樹脂層が形成されてもよい。更に金属製ローラに熱が逃げないようにローラ表面にシリコンスポンジ等の耐熱性に優れた断熱部材が形成されてもよい。
【0102】
定着ベルト71は、定着ローラ50とテンションローラ77との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。
また、定着ベルト71は、定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接点で加圧ローラに接触するように設けられ、記録用紙8に担持されるトナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録用紙8に定着させるものである。定着ベルト71は加圧ローラ60の矢印C方向の回転駆動によって矢印D方向に従動回転する。
【0103】
本実施形態では、定着ベルト71として、図4に示すように、基材層72と、弾性層73と、離型層74とを含む3層構造で、直径50mmの円筒形状に形成された無端ベルトを使用する。
【0104】
基材層72を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、耐熱性合成樹脂を挙げることができ、中でも、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ニッケル電鋳、SUSなどが好ましい。これらの材料は、強度、耐熱性、価格性等に優れている。
基材層72の厚さは、特に制限されないけれども好ましくは、30〜200μmである。
【0105】
弾性層73を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
【0106】
弾性層73の硬度は、JIS−A硬度1〜60度であることが好ましい。このJIS−A硬度の範囲であれば、弾性層73の強度の低下、密着性の不良を防止しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。このシリコーンゴムとしては具体的には、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコーンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコーンゴム、縮合型又は付加型のシリコーンゴム等が挙げられる。
【0107】
また、弾性層73の厚さは、100〜200μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、弾性層73の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができて省エネルギー効果を発揮できる。本実施例では、JIS−A硬度5度のシリコーンゴムを使用した。
【0108】
離型層74は、フッ素樹脂チューブまたはフッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて形成された層よりなる。
このようなフッ素樹脂の材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。
【0109】
離型層74の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、適度な強度を持ち、弾性層の弾性を活かしながら、記録材の微小な凹凸に追従することが可能である。
【0110】
次に、本実施形態に係る定着装置6を構成する特徴的なヒータユニット(加熱部材)80の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図6は本実施形態の定着装置を構成するヒータユニットの発熱体の構成を示す説明図、図7の(a)は前記ヒータユニットを構成する補強部材と伝熱部材の構成を示す説明図、(b)は(a)のA1矢視図、(c)は(b)のA2−A2矢視図、(d)は(b)のA3−A3矢視図である。
【0111】
ヒータユニット80は、図3図5に示すように、内部に加熱源を持ち、定着ベルト71の回動方向と直交するベルト幅方向に沿って長く延設されて、図示しない加圧手段によって定着ベルト71に接触し、定着ベルト71を加熱するように設けられた部材である。ヒータユニット80は、主に伝熱部材81、面状発熱体82、断熱部材83、押圧部材84、補強部材85で構成されている。
【0112】
加熱源となる面状発熱体82は、図6に示すように、定着ベルト71のベルト幅方向に沿って長く形成されて、平面視矩形短冊状のセラミックなどの絶縁基板(以下、「基板」と称する。)82a上に銀・パラジウム(AgPd)などからなる抵抗発熱体86が複数本配置されている。
【0113】
基板82aは、耐熱性、良熱伝導性、電気絶縁性などを備えたものであれば特に制限はないけれども、アルミナや窒化アルミなどのセラミック材料が挙げられる。また、耐熱性に優れ、電気絶縁性を持つガラス材料などをコーティングしたSUSなどの金属板を使用することも可能である。本実施形態では、長さ366mm、幅15.8mm、厚さ0.6mmのSUS基板を用いている。
【0114】
抵抗発熱体86は、基板82a上にペースト状の導電材料を印刷などの方法により所定のパターンに形成する。本実施形態では、3本の直線状の抵抗パターンとしている。
また、それぞれの抵抗発熱体86は、図6に示すように、長手方向の抵抗値を安定させるために、両端の端部電極の間に導通部87を設けている。抵抗発熱体86には、銀・パラジウムペーストなどが用いられる。導通部87には、銀ペーストなどが用いられる。なお本実施例における抵抗発熱体86および導通部87の厚みは、それぞれ約10μmの層である。各抵抗発熱体86の一端および他端は、端部電極88でそれぞれ共通に接続されている。
【0115】
そして、面状発熱体82は、焼成炉に投入され、所定の焼成条件によりセラミックシートの焼成が行われたのち、絶縁保護層として抵抗発熱体表面をガラス材料などの絶縁材料によりコーティングを施すことで面状発熱体として完成する。
本実施形態では、抵抗発熱体86の長さは、320mmとした。
【0116】
伝熱部材81は、面状発熱体82の熱を定着ベルト71に伝達する部材である。
伝熱部材81の材質は、耐熱性があり、熱伝導率の高い部材であれば特に制限されないけれども、アルミニウム、鉄などの金属が好ましい。
【0117】
また、伝熱部材81と補強部材85との接続を安定させるために、伝熱部材81は、図5に示すように、コ字状断面を有する形状とすることが望ましい。
【0118】
また、図7(a)〜(d)に示すように、伝熱部材81と補強部材85の長手方向に、取り付け穴81a、ビス穴85aをそれぞれ複数箇所に設けた形状として、伝熱部材81と補強部材85とをビス(図示省略)によって取り付けることで、安定して接続することができる。
【0119】
また、伝熱部材81と補強部材85とを長手方向において複数箇所で接続するようにしたので、伝熱部材81の局所的な温度低下を防止することができる。また、伝熱部材81が撓むことによる伝熱部材81の変形による押圧が不均一になることも防止できる。
本実施形態では、伝熱部材81には、アルミニウム製の長さ320mmのものを使用した。
【0120】
すなわち、伝熱部材81の長さを、面状発熱体82の抵抗発熱体86に長さと同じに構成している。これにより、抵抗発熱体86からの熱を効率良く伝熱させることができる。
なお、伝熱部材81の長さを、抵抗発熱体86に長さよりも長く構成してもよい。
【0121】
伝熱部材81の表面は、定着ベルト71の内面と摺動するため、定着ベルト71に対向する側をかまぼこ状の曲率を持った凸形状とすることが好ましい。ただし、曲率が大きい場合、定着ベルト71が伝熱部材81の形状に追従することができず、伝熱部材81の中央部において、定着ベルト71が伝熱部材81から浮いてしまうといった不具合が発生するため、伝熱部材81の曲率は、R10〜200の範囲であることが望ましい。
【0122】
また、定着ベルト71の内面と良好に摺動させるため、必要に応じて伝熱部材81の表面にフッ素樹脂層を形成してもよい。
【0123】
断熱部材83は、面状発熱体82に沿って長く形成されている。この断熱部材83は、面状発熱体82の熱が押圧部材84を通して拡散するのを防ぐために面状発熱体82と押圧部材84の間に配置するものであって、耐熱性、断熱性に優れるものであれば特に制限はないけれども、発泡ポリイミドシートやアラミドシートなどを使用することができる。
【0124】
補強部材85は、図7(a)〜(d)に示すように、伝熱部材81に沿って略同じ長さで形成されて、伝熱部材81との接続を安定させるために、コ字状断面を有する形状で構成されている。
【0125】
補強部材85は、定着ベルトにヒータユニット80を接触させる際に、ヒータユニット80が撓むのを防止するための部材である。また、伝熱部材81と補強部材85を安定して接続するための部材としての役割も果たす。補強部材85は、耐熱性があり、剛性の高い部材であれば特に制限はないけれども、鉄などの金属が好ましい。
【0126】
次に、本実施形態の定着装置6における温度制御について説明する。
定着装置6の温度は、図3に示すように、サーミスタ76により検知するようにされている。サーミスタ76は、定着ローラ50と加圧ローラ60との間に記録用紙8が搬送される方向の上流側で定着ローラ50側に近接して配置されている。
【0127】
詳しくは、サーミスタ76は、ヒータユニット80と定着ベルト71の接触点80aよりも回転方向下流側でかつ、定着ベルト71と加圧ローラ60の接触点よりも上流側の位置において定着ベルト71に近接するように配置され、定着ベルト71の温度を検知する。サーミスタ76による検知結果はCPUに入力される。
【0128】
CPUは、サーミスタ76の検知結果から、サーミスタ76の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも低い場合には、後述するヒータユニット80の面状発熱体82に接続される電源に制御信号を送り、面状発熱体82に電力を供給して発熱を促す。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも高い場合には、面状発熱体82への給電力の有無を確認する。電力供給が継続される場合は、電力供給を停止する制御信号を送る。
【0129】
このようにして、定着ローラ50とヒータユニット80と定着ベルト71と加圧ローラ60とを含む定着装置6の定着機構は、画像形成装置1の全動作を制御する図示しないCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)によって制御される。
このCPUは、前述の制御部に相当するものである。
【0130】
CPUは、画像形成指示の入力を受けると、ヒータユニット80、加圧ローラ60の内部に設けられる面状発熱体82、加熱手段64に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。
制御信号を受けた電源は、電力を供給して面状発熱体82、加熱手段64を起動させる。
【0131】
面状発熱体82、加熱手段64は、ヒータユニット80、定着ローラ50、加圧ローラ60および定着ベルト71表面がそれぞれの設定温度になるように加熱する。
【0132】
定着ローラ50および加圧ローラ60の近傍に設けられる図示しない温度検知センサが設定温度に到達したことを検知し、その検知結果がCPUに入力されると、CPUは定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、加圧ローラ60を矢印C方向に回転駆動させる。
【0133】
それにより、定着ベルト71、定着ローラ50および加圧ローラ60が回転する。この状態で、未定着トナー像を担持する記録用紙8が2次転写ローラ28(図1を参照)から定着装置6の定着ニップ部55に搬送される。この記録用紙8が定着ニップ部55を通過する際に、トナー像を構成するトナーが加熱加圧され、記録用紙8に定着されて画像が形成される。
【0134】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、定着装置6の構成として、ヒータユニット80を、定着ベルト71の回動方向と直交するベルト幅方向に沿って長く延設して、通電により発熱する面状発熱体82と、面状発熱体82と定着ベルト71とのいずれにも接触するように配置される伝熱部材81と、伝熱部材81を固定するための補強部材85を備え、伝熱部材81と補強部材85とを接続して構成したので、伝熱部材81が撓んだり歪むことなく均一な加熱が可能になり、しかも、ヒータユニット80の破損や不良の発生がない堅牢で安定した定着装置6を実現できる。
【0135】
また、本実施形態では、伝熱部材81と補強部材85を長手方向において複数箇所で接続するように構成し、伝熱部材81の長さと面状発熱体82の抵抗発熱体86の長さを略等しく構成したことで、伝熱部材81端部の温度低下を防止することができる。
【0136】
また、本実施形態によれば、伝熱部材81と補強部材85とが安定して接続できるので、定着ベルト71との摺動による面状発熱体82と伝熱部材81との接触不良、面状発熱体82の破損などの不具合を防止できる。
【0137】
なお、本実施形態では、伝熱部材81と補強部材85とをコ字状断面を有する形状で構成して、開口部を対向させて長手方向の両側端の複数箇所をビス止めで固定することで接続しているが、本発明は、この伝熱部材81と補強部材85の構成に限定されるものではない。
【0138】
例えば、変形例1として、図8(a)〜(d)に示すように、伝熱部材181と補強部材185とを、略コ字状断面を有する形状で構成するとともに、伝熱部材181の長手方向両側端に、内側に凹んだ係止部181aを長手方向にわたり形成し、補強部材185の長手方向両側端部に、伝熱部材181の係止部181aに係合するように外側に突出した係止部185aを長手方向にわたり形成したものであってもよい。
【0139】
このように構成することで、前述した実施形態の伝熱部材81と補強部材85のようにビス止めをすることなく、伝熱部材181と補強部材185とを接続することができる。
【0140】
また、その他の変形例2として、図9(a)〜(d)に示すように、伝熱部材281と補強部材285とを、略コ字状断面を有する形状で構成するとともに、伝熱部材281の長手方向両側端に、内側に凹んだ係止部281aを複数箇所に形成し、補強部材285の長手方向両側端部に、伝熱部材281の係止部281aに係合するように外側に突出した係止部285aを複数箇所に形成したものであってもよい。
【0141】
このように構成することで、伝熱部材281の係止部281aの凹部に補強部材285の係止部285aの凸部を入れ込むようにして取り付けることが可能となるので、さらに簡単に伝熱部材281と補強部材285とを接続することができる。
【0142】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 中間転写部
4 2次転写部
6 定着装置
8 記録用紙(記録媒体)
21 中間転写ベルト
50 定着ローラ
60 加圧ローラ
64 加熱手段
71 定着ベルト(無端状ベルト)
77 テンションローラ(懸架部材)
80 ヒータユニット(加熱部材)
81,181,281 伝熱部材
82 面状発熱体
83 断熱部材
84 押圧部材
85,185,285 補強部材
86 抵抗発熱体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9