特許第5821334号(P5821334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5821334
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】フロントアンダーランプロテクタ
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/56 20060101AFI20151104BHJP
   B60R 19/18 20060101ALI20151104BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   B60R19/56
   B60R19/18 P
   B60R19/48 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-145862(P2011-145862)
(22)【出願日】2011年6月30日
(65)【公開番号】特開2013-10475(P2013-10475A)
(43)【公開日】2013年1月17日
【審査請求日】2014年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】山口 和彦
【審査官】 黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−207673(JP,A)
【文献】 特開2002−370594(JP,A)
【文献】 特開2004−322861(JP,A)
【文献】 特開2009−040423(JP,A)
【文献】 特開平06−247240(JP,A)
【文献】 実開昭63−149346(JP,U)
【文献】 特開2005−132160(JP,A)
【文献】 特開2000−280841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/56
B60R 19/18
B60R 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシャシフレーム前方下部に車幅方向に延設され、車幅方向に所定の長さで延在する中央部と、該中央部の車幅方向両端から車両後方に所定の角度で傾斜する一対の傾斜部と、から構成されるビーム部材と、
前記ビーム部材の前面に車幅方向に沿って設けられ、車両前後方向の幅長さが左右両端に向かうに従い長くなるように形成された衝撃吸収部材とを備え
前記衝撃吸収部材の後面は、前記中央部の前面形状及び前記一対の傾斜部の前面形状に合わせて屈曲して形成されることを特徴とするフロントアンダーランプロテクタ。
【請求項2】
前記衝撃吸収部材は、ハニカム形状で形成される請求項1に記載のフロントアンダーランプロテクタ。
【請求項3】
前方端が前記ビーム部材の左後面に固定されると共に、後方端が前記車両の左前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記ビーム部材の左側部が車両後方に変形した際に該後方端を該左前輪の少なくとも一部に当接させて塑性変形する左側衝撃吸収部材と、
前方端が前記ビーム部材の右後面に固定されると共に、後方端が前記車両の右前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記ビーム部材の右側部が車両後方に変形した際に該後方端を該右前輪の少なくとも一部に当接させて塑性変形する右側衝撃吸収部材とをさらに備える請求項1又は2に記載のフロントアンダーランプロテクタ。
【請求項4】
前記左側衝撃吸収部材の後端部に固定されると共に、前記左前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記左前輪の外周面の形状に合わせて湾曲して形成された受面部を有する左側ストッパと、
前記右側衝撃吸収部材の後端部に固定されると共に、前記右前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記右前輪の外周面の形状に合わせて湾曲して形成された受面部を有する右側ストッパとをさらに備える請求項3に記載のフロントアンダーランプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントアンダーランプロテクタに関し、特に衝突エネルギ吸収型のフロントアンダーランプロテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、トラック等の大型車両は、乗用車等の小型車両と衝突した際に、この小型車両が自車両の下側に潜り込むことを防止するフロントアンダーランプロテクタを備えている。
【0003】
従来、この種のフロントアンダーランプロテクタとして、車幅方向に延びるプロテクタビームを車体フレームの前方下部にブラケットを介して固定したリジッドタイプのフロントアンダーランプロテクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、車幅方向に延びるプロテクタビームを車体フレームの前方下部に固定されたブラケットに衝撃吸収部材を介して取り付けた衝突エネルギ吸収型のフロントアンダーランプロテクタも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−132160号公報
【特許文献2】特開2000−280841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のリジッドタイプのフロントアンダーランプロテクタでは、強固なプロテクタビームにより、衝突時における乗用車の潜り込みは防げるものの、衝突エネルギを十分に吸収できない可能性がある。
【0007】
また、この様なリジッドタイプのフロントアンダーランプロテクタを上述の衝突エネルギ吸収型に変更する場合は大掛かりな設計変更が必要となり、開発コストや設備投資の増加を招く可能性もある。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構成で、他車両と衝突した際の衝突エネルギを効果的に吸収することができるとともに、既存のリジッドタイプからの変更も容易なフロントアンダーランプロテクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明のフロントアンダーランプロテクタは、車両のシャシフレーム前方下部に車幅方向に延設され、車幅方向に所定の長さで延在する中央部と、該中央部の車幅方向両端から車両後方に所定の角度で傾斜する一対の傾斜部と、から構成されるビーム部材と、前記ビーム部材の前面に車幅方向に沿って設けられ、車両前後方向の幅長さが左右両端に向かうに従い長くなるように形成された衝撃吸収部材とを備え、前記衝撃吸収部材の後面は、前記中央部の前面形状及び前記一対の傾斜部の前面形状に合わせて屈曲して形成されたことを特徴とする。
【0010】
また、前記衝撃吸収部材は、ハニカム形状で形成されてもよい。
【0011】
また、前方端が前記ビーム部材の左後面に固定されると共に、後方端が前記車両の左前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記ビーム部材の左側部が車両後方に変形した際に該後方端を該左前輪の少なくとも一部に当接させて塑性変形する左側衝撃吸収部材と、前方端が前記ビーム部材の右後面に固定されると共に、後方端が前記車両の右前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記ビーム部材の右側部が車両後方に変形した際に該後方端を該右前輪の少なくとも一部に当接させて塑性変形する右側衝撃吸収部材とをさらに備えてもよい。
【0012】
また、前記左側衝撃吸収部材の後端部に固定されると共に、前記左前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記左前輪の外周面の形状に合わせて湾曲して形成された受面部を有する左側ストッパと、前記右側衝撃吸収部材の後端部に固定されると共に、前記右前輪から所定の間隔を隔てて配置され、前記右前輪の外周面の形状に合わせて湾曲して形成された受面部を有する右側ストッパとをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフロントアンダーランプロテクタによれば、簡素な構成で、他車両と衝突した際の衝突エネルギを効果的に吸収することができるとともに、リジッドタイプからの変更も容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るフロントアンダーランプロテクタを示す模式的な斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るフロントアンダーランプロテクタと、このフロントアンダーランプロテクタが適用されたトラックの一部を示す模式的な側面図である。
図3】トラックと乗用車がフルラップ衝突した状態を示す模式的な平面図である。
図4】トラックと乗用車がオフセット衝突した状態を示す模式的な平面図である。
図5】トラックと乗用車が高速度でオフセット衝突して状態を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜5に基づいて、本発明の一実施形態に係るフロントアンダーランプロテクタについて説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のフロントアンダーランプロテクタ1は、大型車両であるトラックのシャシフレーム11前方下部に設けられるもので、車幅方向に延設されたプロテクタビーム2と、プロテクタビーム2の前側面に車幅方向に沿って設けられたエネルギ吸収部材3と、プロテクタビーム2の左後側面に設けられた左側補助エネルギ吸収機構5と、プロテクタビーム2の右後側面に設けられた右側補助エネルギ吸収機構6とを備えている。なお、本実施形態において、プロテクタビーム2は本発明のビーム部材に相当し、エネルギ吸収部材3は本発明の衝撃吸収部材に相当する。
【0017】
シャシフレーム11は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドレール12と、このサイドレール12間を車幅方向に架け渡されたクロスメンバ13とを備えている。サイドレール12の前方側部には、プロテクタビーム2を保持する左右一対のブラケット4の上端部が溶着もしくはボルト締結により固定されている。また、ブラケット4の前方下部には、プロテクタビーム2を保持するビーム固定部4aが形成されている。
【0018】
プロテクタビーム2は、車幅方向に所定の長さで延在する中央部2aと、中央部2aの左端から車両左後方に所定の角度で傾斜する左側傾斜部2bと、中央部2aの右端から車両右後方に所定の角度で傾斜する右側傾斜部2cとを備え構成されている。このプロテクタビーム2は、中央部2aの後側面をブラケット4のビーム固定部4aに溶着もしくはボルト締結により取り付け固定されている。
【0019】
エネルギ吸収部材3は、箱状のボディ内部に車幅方向に延在する複数の板部材が格子状に組みこまれたハニカム構造体を備え構成されている。また、エネルギ吸収部材3は、その後側面の形状をプロテクタビーム2の中央部2aの前側面、左側傾斜部2bの前側面及び、右側傾斜部2cの前側面に合わせて屈曲して形成されており、これら中央部2a、左側傾斜部2b及び、右側傾斜部2cに図示しないボルトで固定されている。すなわち、エネルギ吸収部材3は、車両前後方向の幅長さが左右両端に向かうに従い長くなる(体積が大きくなる)ように形成されている。このエネルギ吸収部材3は、他車両との衝突により、衝撃力が図示しないフロントバンパを介して伝達されると、ハニカム構造体が車両後方に潰れて塑性変形することで衝突エネルギを効果的に吸収するように構成されている。
【0020】
左側補助エネルギ吸収機構5は、車両の前後方向に延在する左側エネルギ吸収部材5aと、左前輪20の車両前方に所定の間隔を隔てて配置された左側ストッパ5bとを備え構成されている(図2参照)。
【0021】
左側エネルギ吸収部材5aは、エネルギ吸収部材3と同様にハニカム形状に形成されており、その前端部をプロテクタビーム2の左側傾斜部2b後側面に図示しないボルトで固定されている。
【0022】
左側ストッパ5bは、受面部を構成する後側面を左前輪20の外周面の形状に合わせて湾曲して形成されるとともに、前側面を左側エネルギ吸収部材5aの後端部に図示しないボルトで固定されている。この左側ストッパ5bは、受面部が左前輪20の外周面と所定の間隔を隔てて対向するように配置される(図2参照)。
【0023】
すなわち、左側補助エネルギ吸収機構5は、他車両とのオフセット衝突によりエネルギ吸収部材3が潰れ切り、プロテクタビーム2の左側傾斜部2bが車両後方へと折れ曲がると、左側ストッパ5bを左前輪20に当接させるとともに、左側エネルギ吸収部材5aのハニカム構造体を塑性変形させることで、エネルギ吸収部材3では吸収しきれなかった衝突エネルギを補助的に吸収するように構成されている。
【0024】
右側補助エネルギ吸収機構6は、車両の前後方向に延在する右側エネルギ吸収部材6aと、右前輪21の車両前方側に所定の間隔を隔てて配置され右側ストッパ6bとを備え構成されている(図2参照)。
【0025】
右側エネルギ吸収部材6aは、エネルギ吸収部材3と同様にハニカム形状に形成されており、その前端部をプロテクタビーム2の右側傾斜部2c後側面に図示しないボルトで固定されている。
【0026】
右側ストッパ6bは、受面部を構成する後側面を右前輪21の外周面の形状に合わせて湾曲して形成されるとともに、前側面を右側エネルギ吸収部材6aの後端部に図示しないボルトで固定されている。この右側ストッパ6bは、受面部が右前輪21の外周面と所定の間隔を隔てて対向するように配置される(図2参照)。
【0027】
すなわち、右側補助エネルギ吸収機構6は、他車両とのオフセット衝突によりエネルギ吸収部材3が潰れ切り、プロテクタビーム2の右側傾斜部2cが車両後方へと折れ曲がると、右側ストッパ6bを右前輪21に当接させるとともに、右側エネルギ吸収部材6aのハニカム構造体を塑性変形させることで、エネルギ吸収部材3では吸収しきれなかった衝突エネルギを補助的に吸収するように構成されている。
【0028】
次に、本実施形態に係るフロントアンダーランプロテクタ1による作用を説明する。
【0029】
図3,4に示すように、トラック10が乗用車80と衝突すると、衝突による衝撃力はフロントバンパを介してエネルギ吸収部材3の前側面に伝達される。この様に衝撃力が伝達されると、強固なプロテクタビーム2に固定されたエネルギ吸収部材3のハニカム構造体が車両後方に押し潰されて塑性変形することで、衝突エネルギは効果的に吸収される。
【0030】
したがって、プロテクタビーム2の前側面にエネルギ吸収部材3を設けた簡素な構成により、衝突の際の衝突エネルギを効果的に吸収することができるとともに、相手車両の自車両への潜り込みを防止することができる。
【0031】
また、既存のリジッドタイプを本実施形態のフロントアンダーランプロテクタ1に変更する場合は、軽量なハニカム構造のエネルギ吸収部材3をプロテクタビーム2の前側面にボルト締結や溶着等により固定するのみで可能である。
【0032】
したがって、開発コストの増大や車両重量の増加を招くことなく、既存のリジッドタイプを衝突エネルギ吸収型のフロントアンダーランプロテクタに容易に変更することができる。
【0033】
また、エネルギ吸収部材3の車両前後方向の幅長さは、左右両端に向かうに従い長くなるように形成されている。すなわち、後方側を強固なブラケット4で支持されていない両端部ほどエネルギ吸収部材3の体積は大きく確保されている。
【0034】
したがって、例えば図4に示すオフセット衝突の場合に、エネルギ吸収部材3のハニカム構造体の潰れ込み量を大きく確保することが可能となり、オフセット衝突時の衝突エネルギを効果的に吸収することができる。
【0035】
また、図5に示すように、衝突エネルギがエネルギ吸収部材3を潰し切るほど大きい高速度のオフセット衝突においては、プロテクタビーム2の右側傾斜部2cは車両後方に折り曲げられるとともに、右側エネルギ吸収部材6aのハニカム構造体は右側ストッパ6bが右前輪21に当接することで塑性変形される。すなわち、エネルギ吸収部材3で吸収しきれなかった衝突エネルギは、プロテクタビーム2の右後方に補助的に設けられた右側補助エネルギ吸収機構6(左側でのオフセット衝突の場合は、左側補助エネルギ吸収機構5)によって効果的に吸収される。
【0036】
したがって、エネルギ吸収部材3が潰れ切った場合においても、左側エネルギ吸収部材5aや右側エネルギ吸収部材6aがさらに衝突エネルギを吸収することで、オフセット衝突時における相手車両の自車両への潜り込みを確実に防止することができる。
【0037】
ここで、図3に示すトラック10と乗用車80がフルラップ衝突した場合及び、図4に示すトラック10と乗用車80が50%ラップ衝突した場合に、衝突エネルギが効果的に吸収される理由について説明する。本説明において、乗用車80は、車幅:1.48m,重量:1000kg、プロテクタビーム2は、左右幅:2.5m,上下高さ:120mm、エネルギ吸収部材3は、構造:ハニカム,圧縮強度:20kgf/cm2≒1960kN/m2(例えば、AL3/16−5052−001),上下高さ:120mm,左右幅:2.5m,前後幅:0.1mとする。
【0038】
図3に示すようなフルラップ衝突時における乗用車80とエネルギ吸収部材3との接触面積は以下の数式1で算出される。
【0039】
【数1】
【0040】
また、エネルギ吸収部材3が圧縮する際に発生する圧縮荷重は以下の数式2で算出される。
【0041】
【数2】
【0042】
さらに、エネルギ吸収部材3が潰れ切るまでに吸収されるエネルギは以下の数式3で算出される。
【0043】
【数3】
【0044】
一方、乗用車の速度変化による運動エネルギの変化は以下の数式4で算出される。
【0045】
【数4】
【0046】
なお、トラック10の重量は乗用車80の重量に比べて非常に大きいため、トラック10の速度は衝突前後で大きく変化しない。そのため、衝突前後におけるトラック10の運度エネルギの変化は無視できるものとする。また、乗用車80の衝突後における速度変化がエネルギ吸収部材3のみによってなされたものとすると、エネルギ保存の法則から、乗用車80の運動エネルギとエネルギ吸収部材3により吸収されるエネルギとは等しくなる。
【0047】
したがって、数式3及び数式4から、乗用車80の速度変化は以下の数式5で算出される。
【0048】
【数5】
【0049】
すなわち、フルラップ衝突の場合、エネルギ吸収部材3が潰れ切るまでに乗用車80の速度を約30km/hほど衝撃緩和することが可能となる(例えば、100km/hの衝突時は、70km/hの衝突相当まで衝撃緩和される)。
【0050】
次に、50%ラップ衝突の場合について説明する。図4に示すような50%ラップ衝突時における乗用車80とエネルギ吸収部材3との接触面積は以下の数式6で算出される。
【0051】
【数6】
【0052】
また、エネルギ吸収部材3が圧縮する際に発生する圧縮荷重は以下の数式7で算出される。
【0053】
【数7】
【0054】
さらに、エネルギ吸収部材3が潰れ切るまでに吸収されるエネルギは以下の数式8で算出される。
【0055】
【数8】
【0056】
一方、乗用車の速度変化による運動エネルギの変化は上述の数式4で算出される。また、乗用車80の衝突後における速度変化がエネルギ吸収部材3のみによってなされたものとすると、エネルギ保存の法則から、乗用車80の運動エネルギとエネルギ吸収部材3により吸収されるエネルギとは等しくなる。
【0057】
したがって、数式8及び数式4から、乗用車80の速度変化は以下の数式9で算出される。
【0058】
【数9】
【0059】
すなわち、50%ラップ衝突の場合、エネルギ吸収部材3が潰れきるまでに乗用車80の速度を約21km/hほど衝撃緩和することが可能となる(例えば、100km/hの衝突時は、79km/hの衝突相当まで衝撃緩和される)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のフロントアンダーランプロテクタ1によれば、フルラップ衝突の場合は約30km/hほど衝撃緩和され、50%ラップ衝突の場合は約21km/hほど衝撃緩和されることからも、衝突エネルギを効果的に吸収することができる本発明の効果が分かる。
【0061】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0062】
例えば、左側エネルギ吸収部材5a及び右側エネルギ吸収部材6aの圧縮強度を、エネルギ吸収部材3の圧縮強度よりも高く設定して、左側エネルギ吸収部材5a及び右側エネルギ吸収部材6aを高速域の衝突に対応させ、エネルギ吸収部材3を低速域の衝突に対応させるように構成してもよい。
【0063】
また、プロテクタビーム2は、両端部を車両後方に傾斜させる左側傾斜部2bと右側傾斜部2cとを備えている必要はなく、単に直線状のものであってもよい。
【0064】
また、エネルギ吸収部材3、左側エネルギ吸収部材5a及び、右側エネルギ吸収部材6aはハニカム形状に限定されず、衝突エネルギを吸収し得るものであれば、例えばFRP等の塑性変形部材を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 フロントアンダーランプロテクタ
2 プロテクタビーム(ビーム部材)
2a 中央部
2b 左側傾斜部(傾斜部)
2c 右側傾斜部(傾斜部)
3 エネルギ吸収部材(衝撃吸収部材)
5a 左側エネルギ吸収部材(左側衝撃吸収部材)
6a 右側エネルギ吸収部材(右側衝撃吸収部材)
10 車両
11 シャシフレーム
図2
図3
図4
図5
図1