特許第5821481号(P5821481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5821481ネガ型感光性樹脂組成物およびそれを用いた保護膜およびタッチパネル部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5821481
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】ネガ型感光性樹脂組成物およびそれを用いた保護膜およびタッチパネル部材
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/038 20060101AFI20151104BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20151104BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20151104BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   G03F7/038 501
   G03F7/004 501
   G03F7/075 501
   G06F3/041 495
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-216290(P2011-216290)
(22)【出願日】2011年9月30日
(65)【公開番号】特開2013-76821(P2013-76821A)
(43)【公開日】2013年4月25日
【審査請求日】2014年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒木 斉
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 充史
【審査官】 石附 直弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−048293(JP,A)
【文献】 特開2010−270293(JP,A)
【文献】 特開2010−054912(JP,A)
【文献】 特開2007−304355(JP,A)
【文献】 特開2006−259710(JP,A)
【文献】 特開2002−221786(JP,A)
【文献】 特開平11−044955(JP,A)
【文献】 特開2004−191919(JP,A)
【文献】 特開2007−199687(JP,A)
【文献】 特開2012−031357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/004−7/18
G06F3/041−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂、(B)光重合開始剤、(C)多官能モノマー、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合を3つ以上有する4級炭素を有する多官能エポキシ化合物、及び、(E)イソシアネート化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
(E)イソシアネート化合物が、(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物であることを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂が、スチレンを共重合して得られアクリル樹脂である請求項1又は2記載のネガ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか記載のネガ型感光性樹脂組成物を硬化させてなる金属配線保護膜。
【請求項5】
金属配線がモリブデン含有金属配線である、請求項記載の金属配線保護膜。
【請求項6】
請求項1又は2記載のネガ型感光性樹脂組成物の硬化膜を具備するタッチパネル部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物およびそれを用いた保護膜およびタッチパネル部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及と共に静電容量式タッチパネルが注目を浴びている。静電容量式タッチパネルのセンサー基板は、ガラス上にITO(Indium Tin Oxide)や金属(銀、モリブデン、アルミニウムなど)がパターニングされた配線を有し、その他、配線の交差部に絶縁膜、ITOおよび金属を保護する保護膜を有する構造が一般的である。一般に、保護膜は高硬度な無機系のSiO、SiNxや感光性透明材料などで形成され(例えば、特許文献1参照)、絶縁膜は感光性透明材料によって形成される場合が多い。しかし、無機系材料は、SiOやSiNxをCVD(Chmial Vapor Deposition)により高温製膜して形成するうえ、レジストを用いたパターン加工を行うためプロセス数が増加するなど、製造コストが高くなる課題があった。さらに、耐湿熱性に乏しく下地の金属配線が腐食するなど、信頼性の高いタッチパネルを得ることは出来なかった。また、感光性透明材料はプロセス数の減少によるコスト削減は見込めるものの、硬度が不十分なうえ、無機系材料同様に耐湿熱性に課題があった。また、絶縁膜としても同様の感光性透明材料が使用されるが、後工程のITO製膜プロセスにおいてアウトガスが発生し、ITOの抵抗値が上昇する課題を抱えている。そこで、高硬度であり、透明性、耐熱性、耐湿熱性に優れ、パターン加工が可能な感光性透明材料が求められている。
【0003】
感光性透明材料として、アルカリ可溶性ポリマー、モノマー、光重合開始剤およびその他添加剤を含有するUV硬化型コーティング組成物が知られている。かかる組成物はたとえば、カラーフィルター用オーバーコート材およびスペーサー材に使用される他、さらに着色剤を使用することでカラーレジストにも使用される(たとえば、特許文献2、3参照)。その他、層間絶縁膜、ソルダーレジストなどその適用範囲は広い(たとえば、特許文献4、5参照)。
【0004】
これらの組成物の特性向上の手法として多官能エポキシ化合物が検討されている。特許文献3では耐薬品性の向上に、特許文献4では耐熱性の向上に、特許文献5では露光感度の向上に寄与する事が確認されている。一方、耐湿熱性について上記特許文献4では、ビフェニルノボラック構造含有アクリル樹脂等による向上が示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−279819号公報
【特許文献2】特開2006−30809号公報
【特許文献3】特開2010−24434号公報
【特許文献4】特開2011−75923号公報
【特許文献5】特開2007−233184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献4のように耐湿熱性の重要性は知られていたものの、硬化膜の外観変化が生じるか否かを評価する程度であり、試験前後で保護した下地金属がどのように変化するかという観点では検討されていなかった。
【0007】
本発明者らは、下地金属の腐食を抑えるという観点における耐湿熱性に着目したが、以上のように、高硬度、高透明、高耐熱であり、かつ下地金属の腐食を抑える高い耐湿熱性を備え、アルカリ現像液にてパターン加工可能なネガ型感光性透明材料については、これまでその技術は確立されていなかった。
【0008】
本発明は、高硬度、高透明、高耐熱であり、かつ下地金属の腐食を抑える高い耐湿熱性を備える硬化膜を与える、アルカリ現像可能なネガ型感光性樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特許文献3では耐薬品性の向上に、特許文献4では耐熱性の向上に、特許文献5では露光感度の向上に寄与する事が確認されているが、下地金属の腐食を抑える高い耐湿熱性という観点ではこれまで検討されて来なかった、多官能エポキシ化合物に着目し、鋭意検討を行った結果、特定の多官能エポキシ化合物が下地金属の腐食を抑える高い耐湿熱性に寄与することを見出したものである。
【0010】
本発明の目的は、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂、(B)光重合開始剤、(C)多官能モノマー、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合が3つ以上ある4級炭素を有する多官能エポキシ化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物によって達成される。
【0011】
本発明の目的は、上記のネガ型感光性樹脂組成物を硬化させてなる金属配線保護膜により達成される。
【0012】
本発明の目的は、上記のネガ型感光性樹脂組成物の硬化膜を具備し、該硬化膜によりモリブデン含有金属配線が保護されているタッチパネル部材により達成される。
【0013】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(E)イソシアネート化合物を含有することが好ましい。
【0014】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(E)イソシアネート化合物が(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物であることが好ましい。
【0015】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂が、スチレンを共重合して得られアクリル樹脂であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、パターン加工性に優れ、UV硬化および熱硬化により、高硬度、高透明、高耐熱であり、かつ下地金属の腐食を抑える高い耐湿熱性を備える硬化膜を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】タッチパネル部材の製造における各工程後の概略上面図である。
図2】タッチパネル部材を表す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂、(B)光重合開始剤、(C)多官能モノマー、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合が3つ以上ある4級炭素を有する多官能エポキシ化合物および(E)イソシアネート化合物を含有する。
【0019】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂を含有する。カルボキシル基を含有することにより、アルカリ水溶液での現像が可能となる。該アクリル樹脂のカルボン酸当量に特に制限は無いが、好ましくは200g/mol以上、1400g/mol以下であり、さらに好ましくは300g/mol以上、1200g/mol以下であり、さらに好ましくは400g/mol以上、800g/mol以下である。カルボン酸当量とは、カルボキシル基1mol量を得るのに必要な樹脂の重量を表し、単位はg/molである。カルボン酸当量がかかる範囲にあることで、ネガ型感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液での現像後の残さを抑制するとともに露光部の膜減りを抑えられ、良好なパターンを形成することできる。
【0020】
また、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂の少なくとも一部にエチレン性不飽和二重結合基が導入されていることが、露光感度および硬化膜硬度の点で好ましい。エチレン性不飽和二重結合基を有することにより、露光時の硬化が促進され感度が向上すると共に、熱硬化後の架橋密度が向上し、硬化膜の硬度を向上させることができる。(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂の二重結合当量に特に制限はないが、150g/mol以上、10,000g/mol以下であることが好ましい。上記範囲であることで、硬度と耐クラック性を高いレベルで両立出来る。二重結合当量はヨウ素価を測定することで算出できる。
【0021】
(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂として好ましい例を下に挙げるが、これに限定されない。(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂としては、カルボキシル基および/または酸無水物基含有(メタ)アクリル化合物および、その他の(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合したものが好ましい。また、スチレンを共重合することが好ましい。スチレンを共重合させることで得られる硬化膜の耐湿熱性が向上し、保護膜として用いた場合の金属の腐食耐性が向上する。ラジカル重合の触媒に特に制限はなく、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物や過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物など一般的に用いられる。
【0022】
ラジカル重合の条件は適宜設定することができるが、例えば、溶媒中、カルボキシル基および/または酸無水物基含有(メタ)アクリル化合物および、その他の(メタ)アクリル酸エステルおよびラジカル重合触媒を添加し、バブリングや減圧脱気などによって反応容器内を十分に窒素置換したのち、60〜110℃で30〜300分反応させることが好ましい。酸無水物基含有(メタ)アクリル化合物を用いた場合には、理論量の水を加え30〜60℃で30〜60分反応させることが好ましい。また、必要に応じてチオール化合物などの連鎖移動剤を用いてもよい。
【0023】
カルボキシル基および/または酸無水物基含有(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸無水物、イタコン酸、イタコン酸無水物、こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、テトラヒドロフタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。
【0024】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロプロピルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキセニルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸1−メチルアダマンチル等が用いられる。
【0025】
スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物を共重合しても良い。中でも、スチレンが好ましい。スチレンを共重合する事により、得られる硬化膜の耐熱性および耐湿熱性が向上する。
【0026】
(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂がエチレン性不飽和結合を有する場合、アクリル樹脂としては、たとえばカルボキシル基および/または酸無水物基含有(メタ)アクリル化合物および(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合したのち、エチレン性不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物を付加反応して得られるものが好ましい。エチレン性不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物の付加反応に用いる触媒に特に制限はなく、公知の触媒を用いることが出来るが、たとえば、ジメチルアニリン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン等のアミノ系触媒、2−エチルヘキサン酸すず(II)、ラウリン酸ジブチルすず等のすず系触媒、2−エチルヘキサン酸チタン(IV)等のチタン系触媒、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒およびアセチルアセトネートクロム、塩化クロム等のクロム系触媒などが用いられる。
【0027】
エチレン性不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸α−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−プロピルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−ブチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸α−エチル−6,7−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等が用いられる。
【0028】
(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、2,000以上、200,000以下であることが好ましい。Mwを上記範囲とすることで、良好な塗布特性が得られ、パターン形成する際の現像液への溶解性も良好となる。
【0029】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂の含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂と(C)多官能モノマーの和を100重量部とした場合に、10重量部以上、70重量部以下とすることが一般的である。
【0030】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤を含有する。(B)光重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものが好ましい。
【0031】
具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
【0032】
これらのうち、硬化膜の硬度をより高くするためには、α−アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、アミノ基を有するベンゾフェノン化合物またはアミノ基を有する安息香酸エステル化合物が好ましい。
【0033】
α−アミノアルキルフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル化合物の具体例としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)などが挙げられる。アミノ基を有するベンゾフェノン化合物の具体例としては、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アミノ基を有する安息香酸エステル化合物の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどが挙げられる。
【0034】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(B)光重合開始剤の含有量に特に制限はないが、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂と(C)多官能モノマーの和を100重量部とした場合に、0.1重量部以上、20重量部以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、硬化を十分に進めることができ、かつ残留した重合開始剤の溶出などを防ぎ耐溶剤性を確保することができる。
【0035】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)多官能モノマーを含有する。光照射により上記(B)光重合開始剤によって(C)多官能モノマーの重合が進行し、本発明のネガ型感光性樹脂組成物の露光部がアルカリ水溶液に対して不溶化し、ネガ型のパターンを形成することができる。多官能モノマーとは、分子中に少なくとも2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物をいい、特に限定するわけでないが、ラジカル重合のしやすい(メタ)アクリル基を有する多官能モノマーが好ましい。また、(C)多官能モノマーの二重結合当量は80g/mol以上、400g/mol以下であることが、感度、硬度の点から好ましい。
【0036】
(C)多官能モノマーとしてはたとえばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、テトラペンタエリスリトールノナメタクリレート、テトラペンタエリスリトールデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−3、5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−3、5−ジメチルフェニル]フルオレン、などが挙げられる。
【0037】
中でも、感度向上の観点から、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、などが好ましい。また、疎水性向上の観点から、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが好ましい。
【0038】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(C)多官能モノマーの含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂と(C)多官能モノマーの和を100重量部とした場合に、10重量部以上、60重量部以下が一般的である。
【0039】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合が3つ以上ある4級炭素を有する多官能エポキシ化合物を含有する。該エポキシ化合物を含有することで、得られる硬化膜の耐熱性と共に、下地金属の腐食を抑える耐湿熱性が向上する。
多官能エポキシ化合物のエポキシ当量に特に制限はないが、好ましくは600g/mol以下であり、さらに好ましくは300g/mol以下である。かかる範囲にあることで、熱硬化時の架橋度が向上し、湿熱耐性の高い硬化膜が得られる。
【0040】
多官能エポキシ化合物としては例えば、下記式(1)〜(14)の化合物が挙げられる。
【0041】
【化1】
【0042】
(R〜R、R〜R10、R11〜R13、R14〜R17、R18〜R21は、それぞれ独立に、水素、フッ素、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基を表す。m、nは0〜10の整数を表す。)
【0043】
【化2】
【0044】
これらの中で特に耐湿熱性の向上に効果があるのは式(1)、(2)、(6)、(7)
、(8)、(9)および(10)の化合物であり、好ましい。
【0045】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合が3つ以上ある4級炭素を有する多官能エポキシ化合物の含有量に特に制限はなく、所望の用途により任意に選ぶことができるが、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂と(C)多官能モノマーの和を100重量部とした場合に、0.1重量部、20重量部以下が好ましく、さらに好ましくは1重量部以上、15重量部以下であり、さらに好ましくは3重量部以上、10重量部以下である。
【0046】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(E)イソシアネート化合物を含有することが好ましい。(E)イソシアネート化合物を含有することで得られる硬化膜の耐湿熱性が向上する。該イソシアネート化合物は、ブロック化されたブロックイソシアネート化合物を含む。また、(E)イソシアネート化合物が(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物であることがより好ましい。(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物であることにより、様々な基板上での接着性が向上する。
【0047】
(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物としては例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−イソシアネートエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−イソシアネートエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−イソシアネートエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−イソシアネートエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、組成物中での保存安定性の観点から、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランおよび3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
【0048】
(e−1)イソシアネート基含有シラン化合物以外のイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸 2−(0−[1‘−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどが挙げられる。これらの中から、硬度の観点から、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレートが、透明性と耐熱性の観点から1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネートが好ましい。
【0049】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(D)芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合が3つ以上ある4級炭素を有する多官能エポキシ化合物の含有量に特に制限はなく、所望の用途により任意に選ぶことができるが、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂と(C)多官能モノマーの和を100重量部とした場合に、0.1重量部以上、20重量部以下が好ましく、さらに好ましくは1重量部以上、15重量部以下であり、さらに好ましくは3重量部以上、8重量部以下である。
【0050】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。なかでも、硬化剤の安定性、得られた塗布膜の加工性などから金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましく用いられる。
【0051】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することで、得られる硬化膜の耐光性が向上し、パターン加工を必要とする用途では現像後の解像度が向上する。紫外線吸収剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、透明性、非着色性の面から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物が好ましく用いられる。
【0052】
ベンゾトリアゾール系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。トリアジン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
【0053】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を適量含有することで、現像後の解像度が向上する。重合禁止剤としては特に限定はなく公知のものが使用でき、たとえば、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、1,4−ベンゾキノン、t−ブチルカテコールが挙げられる。また、市販の重合禁止剤としては、「IRGANOX 1010」、「IRGANOX 1035」、「IRGANOX 1076」、「IRGANOX 1098」、「IRGANOX 1135」、「IRGANOX 1330」、「IRGANOX 1726」、「IRGANOX 1425」、「IRGANOX 1520」、「IRGANOX 245」、「IRGANOX 259」、「IRGANOX 3114」、「IRGANOX 565」、「IRGANOX 295」(以上、BASF製)などが挙げられる。
【0054】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、溶媒を含有してもよい。各成分を均一に溶解し、得られる塗布膜の透明性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物またはカルボニル基を有する環状化合物が好ましく用いられる。これらを2種以上用いてもよい。また、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物がより好ましい。沸点を110℃以上とすることで、塗膜時に適度に乾燥が進み、塗布ムラのない良好な塗膜が得られる。一方、沸点を250℃以下とした場合、膜中の残存溶剤量を少なく抑えることができ、熱硬化時の膜収縮をより低減できるため、より良好な平坦性が得られる。
【0055】
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点からはジアセトンアルコールが好ましく、段差被覆性の点からはプロピレングリコールモノt−ブチルエーテルが特に好ましく用いられる。
【0056】
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどが挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが特に好ましく用いられる。
【0057】
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記以外の溶媒を含有してもよい。例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのアセテート類などが挙げられる。
【0058】
溶媒の含有量に特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量用いることができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、ネガ型感光性樹脂組成物全体の50wt%以上、95wt%以下とすることが一般的である。
【0059】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、塗布時のフロー性向上のために、各種のフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、“メガファック(登録商標)”「F142D(商品名)」、「F172(商品名)」、「F173(商品名)」、「F183(商品名)」、「F445(商品名)」、「F470(商品名)」、「F475(商品名)」、「F477(商品名)」(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、「NBX−15(商品名)」、「FTX−218(商品名)」((株)ネオス製)などのフッ素系界面活性剤、「BYK−333(商品名)」、「BYK−301(商品名)」、「BYK−331(商品名)」、「BYK−345(商品名)」、「BYK−307(商品名)」(ビックケミー・ジャパン(株)製)などのシリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
【0060】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
【0061】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物の固形分濃度に特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量の溶媒や溶質を用いることができる。例えば、後述のようにスピンコーティングにより膜形成を行う場合には、固形分濃度を5wt%以上、50wt%以下とすることが一般的である。
【0062】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物の代表的な製造方法について以下に説明する。
【0063】
例えば、(B)光重合開始剤、(D)多官能エポキシ化合物とその他の添加剤を任意の溶媒に加え、撹拌して溶解させた後、(A)カルボキシル基含有アクリル樹脂および(C)多官能モノマーを加えさらに20分〜3時間撹拌する。得られた溶液を濾過し、ネガ型感光性樹脂組成物が得られる。
【0064】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法について例を挙げて説明する。
【0065】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークする。プリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとすることが好ましい。
【0066】
プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などの露光機を用いて、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)の光を所望のマスクを介してあるいは介さずに照射する。露光光源に制限はなく、i線、g線、h線などの紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどを用いることができる。その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度加熱する露光後ベークを行ってもよい。
【0067】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、PLAによる露光での感度が100〜4000J/mであることが好ましい。前記のPLAによるパターニング露光での感度は、例えば以下の方法により求められる。組成物をシリコンウエハにスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製する。作製した膜をPLA(キヤノン(株)製「PLA−501F(商品名)」)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介して露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「AD−2000(商品名)」)を用いて0.4wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で任意の時間パドル現像し、次いで水で30秒間リンスする。形成されたパターンにおいて、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅で解像する露光量を感度として求める。
【0068】
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ネガ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリンなどの4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行ってもよい。その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で120〜280℃の範囲で1時間程度熱硬化することにより、硬化膜を得る。
【0069】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、その膜厚に特に制限はないが、0.1〜15μmが好ましい。また、膜厚1.5μmにおいて硬度が4H以上、透過率が90%以上であることが好ましい。なお、透過率は波長400nmにおける透過率を指す。硬度や透過率は、露光量、熱硬化温度の選択によって調整することができる。
【0070】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルム、パッシベーション膜などの各種保護膜および、光学フィルター、タッチパネル用絶縁膜、TFT用絶縁膜、カラーフィルター用フォトスペーサーなどに用いることができる。これらの中でも、高い硬度、透明性、耐熱性を有することから、タッチパネル用保護膜として好適に用いることができる。タッチパネルの方式としては、抵抗膜式、光学式、電磁誘導式、静電容量式などが挙げられる。静電容量式タッチパネルは特に高い硬度が求められることから、本発明の硬化膜を好適に用いることができる。
【0071】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、高い耐湿熱性を有することから、金属配線保護膜として好適に用いることができる。金属配線上に形成することにより、金属の腐食等による劣化(導電性の低下など)を防ぐことが出来る。保護する金属に特に制限はないが、たとえば、銅、銀、アルミニウム、クロム、モリブデン、チタン、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、ZnOなどが挙げられる。
【実施例】
【0072】
以下に本発明をその実施例を用いて説明するが、本発明の様態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0073】
合成例1 アクリル樹脂溶液(A)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を1g、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)を50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を23.0g、ベンジルメタクリレートを31.5g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを32.8g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを12.7g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液(A)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(A)に固形分濃度が40wt%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は30000、カルボン酸当量は560g/molであった。
【0074】
合成例2 アクリル樹脂溶液(B)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を2g、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)を50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を26.5g、スチレンを21.3g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを37.7g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを14.6g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液(B)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(B)に固形分濃度が40wt%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は13000、カルボン酸当量は490g/molであった。
【0075】
合成例3 アクリル樹脂溶液(C)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を2g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を32.3g、スチレンを14.2g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを37.7g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを14.5g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液(C)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(C)に固形分濃度が40wt%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は20000、カルボン酸当量は360g/molであった。
【0076】
合成例4 アクリル樹脂溶液(D)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を2g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を26.4g、スチレンを21.3g、イソボニルメタクリレートを37.9g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを14.5g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液(D)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(D)に固形分濃度が40wt%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は13000、カルボン酸当量は490g/molであった。
【0077】
合成例5 アクリル樹脂溶液(E)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を29.4g、スチレンを26.7g、メチルメタクリレートを25.7g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを18.2g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液(E)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(E)に固形分濃度が40wt%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は20000、カルボン酸当量は470g/molであった。
【0078】
各実施例・比較例における評価方法を以下に示す。合成例1〜5の組成をまとめて表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
各実施例・比較例における評価方法を以下に示す。
【0081】
(1)透過率の測定
作製したネガ型感光性樹脂組成物を5cm角のテンパックスガラス基板(AGCテクノグラス(株)製)にスピンコーター(ミカサ(株)製「1H−360S(商品名)」)を用いて500rpmで10秒回転した後、1000rpmで4秒回転してスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製「SCW−636(商品名)」)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製した。作製した膜をパラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製「PLA−501F(商品名)」)を用いて超高圧水銀灯を光源として露光し、オーブン(エスペック(株)製「IHPS−222」)を用いて空気中230℃で1時間キュアして膜厚1.5μmの硬化膜を作製した。
【0082】
得られた硬化膜について、紫外−可視分光光度計「UV−260(商品名)」(島津製作所(株)製)を用いて、400nmの透過率を測定した。なお、膜厚は大日本スクリーン製造(株)製「ラムダエースSTM−602(商品名)」を用いて屈折率1.55で測定した。以下に記載する膜厚も同様である。
【0083】
(2)硬度の測定
テンパックスガラス基板上に、前記(1)記載の方法で得られた膜厚1.5μmの硬化膜について、「JIS K5600−5−4(1999)」に準拠して鉛筆硬度を測定した。
【0084】
(3)耐湿熱性
(3)−1 PCT(プレッシャークッカーテスト)を用いた下地金属腐食抑制評価
下地金属としてモリブデン/アルミニウム/モリブデン積層膜(MAM)を具備するガラス上に、前記(1)記載の方法で硬化膜を作製した後、温度121℃、湿度100%、気圧=2atmのオーブン(エスペック株式会社、「HAST CHAMBERE EHS−221MD(商品名)」)内に20時間放置する試験を行った後、硬化膜下のMAMが腐食によって変色する欠点の占有面積割合を目視によって評価した。7以上を合格とした。
10:硬化膜下のMAMの変色面積割合が0%。硬化膜自体の外観変化なし。
9:硬化膜下のMAMの変色面積割合が1%〜3%。硬化膜自体の外観変化なし。
8:硬化膜下のMAMの変色面積割合が4%〜6%。硬化膜自体の外観変化なし。
7:硬化膜下のMAMの変色面積割合が7%〜9%。硬化膜自体の外観変化なし。
6:硬化膜下のMAMの変色面積割合が10%〜15%。硬化膜自体の外観変化なし。
5:硬化膜下のMAMの変色面積割合が16%〜20%。硬化膜自体の外観変化なし。
4:硬化膜下のMAMの変色面積割合が21%〜30%。硬化膜自体の外観変化なし。
3:硬化膜下のMAMの変色面積割合が31%〜50%。硬化膜自体の外観変化なし。
2:硬化膜下のMAMの変色面積割合が51%〜70%。硬化膜自体の外観変化なし。
1:硬化膜下のMAMの変色面積割合が71%〜100%。硬化膜自体の外観変化なし。
0:硬化膜下のMAMの変色面積割合が100%かつ、硬化膜自体に変色、クラック等が発生
(3)−2 人工汗耐性試験を用いた下地金属腐食抑制評価
下地金属としてMAMを具備するガラス上に、前記(1)記載の方法で硬化膜を作製した後、人工汗(NaCl=1g、乳酸=0.1g、リン酸水素ナトリウム12水和物=0.25g、ヒスチジン塩酸塩=0.025gを100gの水に溶解させた水溶液)を基板上に直径3mmとなるように滴下し、温度60℃、湿度90%、気圧=1atmのオーブン(エスペック株式会社、「EX−111(商品名)」)内に24日間放置する試験を行った後、硬化膜下のMAMが人工汗滴下部位を中心に同心円上に腐食によって退色した部分の面積(ただし、人工汗滴下部位を除く)を評価した。面積は退色部の半径を定規で測定の上、算出した。また、楕円状に広がった場合は長径と短径を測定の上、算出した。
円状の場合:退色面積=π×r2−π×1.5
楕円状の場合:退色面積=π×r×r−π×1.5
(rは円の半径を表す。π×1.5は人工汗滴下面積を表す。rは楕円の長径を表す。rは楕円の短径を表す)
(4)パターン加工性
(a)感度
ネガ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハにスピンコーター(ミカサ(株)製「1H−360S(商品名)」)を用いて500rpmで10秒回転した後、1000rpmで4秒回転してスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製「SCW−636(商品名)」)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚2μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、感度測定用のグレースケールマスクを介して100μmのギャップで露光した。その後、自動現像装置(「AD−2000(商品名)」、滝沢産業(株)製)を用いて、0.4wt%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。
【0085】
露光、現像後、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。露光量はI線照度計で測定した。
【0086】
(b)解像度
最適露光量における現像後の最小パターン寸法を測定した。
【0087】
(5)接着性の評価
表面にITOまたはMAMをスパッタリングしたガラス基板(以下、「ITO基板」または「MAM基板」)上に、前記(1)記載の方法と同様にして膜厚1.5μmの硬化膜を形成し、JIS「K5600−5−6(制定年月日=1999/04/20)」に準じてITOと硬化膜の接着性を評価した。
ガラス基板上のITO表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた硬化膜表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角を保ち瞬間的に剥離した際のマス目の残存数を目視によって評価した。マス目の剥離面積により以下のように判定し、3以上を合格とした。
5:剥離面積=0%
4:剥離面積=<5%
3:剥離面積=5〜14%
2:剥離面積=15〜34%
1:剥離面積=35%〜64%
0:剥離面積=65%〜100%
実施例1
黄色灯下にて1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](「イルガキュアOXE−01(商品名)」チバスペシャリティケミカル製)0.278g、4−メトキシフェノール0.017g、多官能エポキシ化合物「テクモア VG3101L (商品名)」((株)プリンテック製、式(1)のR=R=R=R=R=R=Hに相当)0.139gをDAA(ジアセトンアルコール)2.827g、PGMEA4.020gに溶解させ、シリコーン系界面活性剤である「BYK−333(商品名)」(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1wt%溶液0.2000g(濃度100ppmに相当)を加え、撹拌した。そこへ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド(登録商標)”DPHA(商品名)」、新日本化薬製)のPGMEA50重量%溶液5.564g、アクリル樹脂溶液(A)6.955gを加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−1)について、前記方法で透過率、硬度、耐湿熱性、パターン加工性を評価した。
【0088】
実施例2
「テクモア VG3101L (商品名)」の量を0.417gに変更する以外は、実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−2)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−2)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0089】
実施例3
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(B)を用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−3)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−3)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0090】
実施例4
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(C)を用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−4)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−4)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0091】
実施例5
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(D)を用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−5)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−5)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0092】
実施例6
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(E)を用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−6)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−6)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0093】
実施例7
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりに9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレンを用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−7)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−7)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0094】
実施例8
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりに9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンを用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−8)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−8)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0095】
実施例9
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりに9,9−ビス(6−グリシジルオキシナフタレン−2−イル)フルオレンを用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−9)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−9)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0096】
実施例10
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりにビス(4−グリシジルオキシフェニル)ジフェニルメタンを用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−10)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−10)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0097】
実施例11
黄色灯下にて「イルガキュアOXE−01(商品名)」0.259g、4−メトキシフェノール0.016g、「テクモア VG3101L (商品名)」0.388gをDAA3.115g、PGMEA4.212gに溶解させ、「BYK−333(商品名)」のPGMEA1wt%溶液0.2000g、ノルボルナンジイソシアネート0.155を加え、撹拌した。そこへ、「DPHA(商品名)」のPGMEA50重量%溶液5.180g、アクリル樹脂溶液(A)6.475gを加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−11)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−11)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0098】
実施例12
ノルボルナンジイソシアネートの替わりに2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート(「カレンズ MOI−BP(商品名)」昭和電工(株)製)を用いる以外は、実施例11と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−12)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−12)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0099】
実施例13
ノルボルナンジイソシアネートの替わりに3−イソシアネートトリエトキシシラン(「KBE−9007(商品名)」信越化学(株)製)を用いる以外は、実施例11と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−13)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−13)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0100】
実施例14
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(B)を用いる以外は、実施例11と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−14)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−14)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0101】
実施例15
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(B)を用いる以外は、実施例12と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−16)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−15)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0102】
実施例16
アクリル樹脂溶液(A)の替わりにアクリル樹脂溶液(B)を用いる以外は、実施例13と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A−16)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A−16)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0103】
実施例17
以下の手順に従い、タッチパネル部材を作製した。
【0104】
(1)ITOの作製
厚み約1mmのガラス基板にスパッタリング装置HSR−521A((株)島津製作所製)を用いて、RFパワー1.4kW、真空度6.65×10−1Paで12.5分間スパッタリングすることにより、膜厚が150nmで、表面抵抗が15Ω/□のITOを成膜し、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製「OFPR−800」)を塗布し、80℃で20分間プリベークして膜厚1.1μmのレジスト膜を得た。PLAを用いて、得られた膜に超高圧水銀灯をマスクを介してパターン露光した後、自動現像装置を用いて2.38wt%TMAH水溶液で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。その後、40℃のHCl/HNO/HO=18/4.5/77.5(重量比)混合溶液に80秒浸すことでITOをエッチングし、50℃の剥離液(ナガセケムテックス(株)製「N−300」)で120秒処理することでフォトレジストを除去し、膜厚150nmのパターン加工されたITO(図1および図2の符号2)を有するガラス基板を作製した(図1のaに相当)。
【0105】
(2)透明絶縁膜の作製
得られたガラス基板上にネガ型感光性樹脂組成物(A−1)を用い、上述の評価の方法の手順に従い透明絶縁膜(図1および図2の符号3)を作製した(図1のbに相当)。
【0106】
(3)MAM配線の作製
得られたガラス基板上に、ターゲットとしてモリブデンおよびアルミニウムを用い、エッチング液としてHPO/HNO/CHCOOH/HO=65/3/5/27(重量比)混合溶液を用いる以外は(1)と同様の手順によりMAM配線(図1および図2の符号4)を作製した(図1のcに相当)。
【0107】
(4)透明保護膜の作製
得られたガラス基板上にネガ型感光性樹脂組成物(A−1)を用い、上述の評価の方法の手順に従い透明保護膜を作製した。テスターを用いて接続部の導通テスト実施したところ、電流の導通が確認された(図2に相当)。
【0108】
比較例1
「テクモア VG3101L (商品名)」用い無い以外は、実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(H−1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(H−1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0109】
比較例2
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりに1,1,1−トリス(4−グリシジルオキシフェニル)エタンを用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(H−2)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(H−2)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0110】
比較例3
「テクモア VG3101L (商品名)」の替わりに「エピクロン 850S(商品名)」(DIC(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を用いる以外は、実施例2と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(H−3)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(H−3)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
【0111】
【表2】
【符号の説明】
【0112】
a:透明電極形成後の上面図
b:絶縁膜形成後の上面図
c:金属配線形成後の上面図
1:ガラス基板
2:透明電極
3:透明絶縁膜
4:配線電極
5:透明保護膜
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネルの保護膜などの各種ハードコート膜の他、タッチセンサー用絶縁膜、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、金属配線保護膜、絶縁膜、反射防止膜、反射防止フィルム、光学フィルター、カラーフィルター用オーバーコート、柱材などに好適に用いられる。
図1
図2