特許第5830434号(P5830434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830434
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/58 20060101AFI20151119BHJP
【FI】
   H04L12/58 100Z
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-125594(P2012-125594)
(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公開番号】特開2013-251778(P2013-251778A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】神谷 俊之
(72)【発明者】
【氏名】木下 雅文
(72)【発明者】
【氏名】小池 隆文
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−233558(JP,A)
【文献】 特開2001−086152(JP,A)
【文献】 特開2011−082733(JP,A)
【文献】 特開2005−210634(JP,A)
【文献】 特開2002−051203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末から送信されるメールを格納する記憶部と、
前記メールを前記記憶部から読み出し、前記メールの宛先ドメインに対応する複数のMXレコードを得、前記複数のMXレコードをキーとしてMXレコード毎輻輳統計情報を検索して送信先MXレコードを決定し、前記送信先MXレコードに対応する複数のIPアドレスを得、前記複数のIPアドレスをキーとしてホスト毎輻輳統計情報を検索して送信先ホストを決定し、前記送信先ホストに前記メールを転送するメール中継処理部とを有する通信システム。
【請求項2】
前記メール中継処理部は、前記メールの宛先ドメインについてDNSサーバと通信して前記複数のMXレコードを得、前記送信先MXレコードについて前記DNSサーバと通信して複数のIPアドレスを得ることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記メール中継処理部は、前記複数のIPアドレスをキーとしてホスト毎輻輳統計情報を検索して送信先ホストIPアドレスを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記MXレコード毎輻輳統計情報はMXレコード毎のメール送信の失敗情報を含み、前記ホスト毎輻輳統計情報はIPアドレス毎のメール送信の失敗情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記メール中継処理部は、前記MXレコード毎輻輳統計情報を検索して前記複数のMXレコード間で相対的にメール送信の失敗が一番少ないMXレコードを前記送信先MXレコードとし、かつホスト毎輻輳統計情報を検索して前記複数のIPアドレス間で相対的にメール送信の失敗が一番少ないIPアドレスを前記送信先ホストとすることを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記メール中継処理部は、前記送信先ホストから前記メールの送信結果を受信し、前記送信結果に基づいて前記MXレコード毎輻輳統計情報と前記ホスト毎輻輳統計情報とを更新することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メールゲートウェイシステムにおいて、宛先のメールサーバや通信経路に障害が発生した場合などに送信先メールサーバの選択を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメールゲートウェイシステムは、メール送信宛先ドメインの名前解決をDNS(DomainNameService)問い合わせにより行っている。DNS問い合わせは、まずMX(MaileXchange)レコード問い合わせを行い、得られたMXレコードの中で一番優先度(preference値)が高いMXレコードのAレコードの問い合わせを行い、得られたホスト(IPアドレス)群の中の何れかのメールサーバにメール送信を行う。
従来のメールゲートウェイでは、対向メールサーバ障害時には、例えば特許文献1に記載されるように複数の送信先メールサーバをドメイン単位に輻輳制御し送信規制、解除を行っている。また、例えば特許文献2では、内部DNSが保有するMXレコードの障害が発生したサーバの優先度を下げることで輻輳制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-287987
【特許文献2】特開2001-086152
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のメールゲートウェイシステムでは、メール送信宛先ドメインの一部のメールサーバで障害が発生した場合、メール送信の度に障害が発生しているメールサーバへのメール送信試行を繰り返し、メールゲートウェイシステムで提供するメール配信サービスに配信遅延の影響を与える可能性がある。またメール送信先ドメインのMXレコードは、優先度を持つが、外部DNSにマスタ管理されている為、メールゲートウェイで優先度を変更することが出来ない。また、MXレコードに紐付いたホストには優先度が無く、複数のMXレコード、ホストを有する大規模な通信システムの一部サーバで障害が発生した場合、送信可能なホストがあるにも関わらず、障害メールサーバへのメール送信試行を繰り返しメール送信が遅延する課題がある。
【0005】
メールゲートウェイシステムにおいては、送信先ドメインの一部のメールサーバや通信経路で障害が発生した場合に、障害が発生したドメインに対して、障害発生メールサーバへのメール送信を規制し、健全なメールサーバへのメール送信を優先的に行うことで、送信先ドメインで発生した障害による影響が少ないメール配信サービスを提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による通信システムは一例として、通信端末から送信されるメールを格納する記憶部と、前記メールを前記記憶部から読み出し、前記メールの宛先ドメインに対応する複数のMXレコードを得、前記複数のMXレコードをキーとしてMXレコード毎輻輳統計情報を検索して送信先MXレコードを決定し、前記送信先MXレコードに対応する複数のIPアドレスを得、前記複数のIPアドレスをキーとしてホスト毎輻輳統計情報を検索して送信先ホストを決定し、前記送信先ホストに前記メールを転送するメール中継処理部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
メール送信先ドメインの一部のメールサーバで障害が発生した場合にも、メールサーバ群から送信が成功する可能性が相対的に高いホストサーバを決定し、メール配信障害の影響を極小化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態を示すシステム構成例のブロック図。
図2】メールゲートウェイブロック論理構成例の図
図3】本メールゲートウェイシステムによる輻輳制御のシーケンス例の図。
図4】MXレコード毎輻輳統計情報例
図5】ホスト毎輻輳統計情報例
図6】送信可能MXレコード判定フローチャート例
図7】送信可能ホスト判定フローチャート例
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
図1はメールゲートウェイシステムの実施の形態の例のブロック図を示したものである。図1において101はメール送信が可能な通信端末、102は101と103を接続する無線網、103は通信キャリアが管理するキャリア設備網(コア網)で102、104と106を接続する、104はインターネットで、105は104を介して接続されるメール送信先のメールサーバ群、107は104を介して接続されるDNSサーバ、106はメールゲートウェイシステム、108は103を介して106の運用監視を行う運用監視サーバである。
図2はメールゲートウェイシステムの論理構成を示したものである。図2において201は103を介して通信端末からのメールを受信するメール受信プロセス処理部、202は201で受信したメールを格納するメッセージキュー(第1記憶部)、204は202に格納されたメールを103を介して転送先のメールサーバへ送信するメール中継プロセス処理部である。207は204がメール送信に失敗した場合にメールを格納する再送キュー(第2記憶部)である。205は204から依頼のあった宛先ドメインの名前解決を行うDNS通信プロセス処理部である。206は108からの運用コマンドを204に中継するコマンドI/Fプロセス処理部である。203は204による処理についての統計情報を処理する輻輳統計情報処理部である。
次に、本メールゲートウェイシステムによる名前解決制御を図3のシーケンスに従って説明する。メールクライアント機能を持つ通信端末からメール301を受信したメール受信プロセス処理部は、メール302をメッセージキューに格納し、成功応答303を受信すると通信端末に正常応答304を送信する。メッセージ中継プロセス処理部は、メッセージキューに格納されたメール305を読み出し、送信可能ドメイン判定306を行い、DNSサーバにメッセージキューから読み出したメールの宛先ドメインについてのMXレコード問い合わせ307を送信する。メール中継プロセス処理部は、DNSサーバよりMXレコード問い合わせ307の応答としてMXレコード308を受信する。
【0010】
メール中継プロセス処理部は次に、輻輳統計情報処理部203に格納されるMXレコード毎輻輳統計情報320に対して、受信したMXレコードをキー情報として検索を行う。MXレコード毎輻輳統計情報320は後述する図4に詳細を示す。当該検索では、受信したMXレコードと一致するキー情報402を検索し、一致するキー情報402に対応する失敗判定カウンタ情報404、失敗内訳情報405、優先度情報407を検索する。これらの検索結果に基づいて、詳細を後述する送信可能MXレコード判定309を行う。
【0011】
メール中継プロセス処理部は、309で送信先MXレコードとして決定したMXレコードを用いてホスト名問い合わせ310をDNSサーバに送信し、ホスト名問い合わせ310の応答としてDNSサーバよりIPアドレス311を受信する。
【0012】
メール中継プロセス処理部は、輻輳統計情報処理部203に格納されるホスト(IPアドレス)毎輻輳統計情報321に対して、送信先MXレコードと受信したIPアドレスをキー情報として検索を行う。IPアドレス毎輻輳統計情報321は後述する図5に詳細を示す。当該検索では、受信したIPアドレスとMXレコードをキーにしてキー情報(IPアドレス)502とオプション記憶領域(MXレコード)507を検索し、対応する失敗判定カウンタ504情報、失敗内訳505情報を検索する。これらの検索結果に基づいて、詳細を後述する送信可能ホスト判定312を行う。なお、キー情報(IPアドレス)のみをキーとして検索をしてもよい。
【0013】
メール中継プロセス処理部は、312で決定した送信先ホスト(送信先ホストIPアドレス)に送信先メールサーバにメール313を送信(転送)する。313の送信結果314を受信後、メール中継プロセス処理部は、送信結果判定315を行い、その結果を320、321に反映して輻輳統計情報更新316を行う。
次に、本メールゲートウェイシステムが収集するMXレコード毎の輻輳統計情報の例を図4に従って説明する。MXレコード毎の輻輳統計情報は、MXレコード毎のメール送信の失敗情報を含む。例えば、ユニークなID401と、キー情報(MXレコード)毎に、メール送信が成功した回数をカウントするカウンタ情報403と、メール送信が失敗した回数をカウントする失敗判定カウント情報404と、メール送信が失敗した場合のエラー要因別に回数をカウントする失敗内訳情報405と、更新日時情報406と、DNSから受信した優先度情報407を記憶するテーブルである。例えば、メール送信コネクションを使い回す場合は、使用中のコネクション数を併せて格納してもよい。また、単位時間毎の送信メール数や、送信したメールの平均メッセージサイズや、メール送信要求の平均応答時間を集計しても良い。
次に、本メールゲートウェイシステムが収集するIPアドレス毎の輻輳統計情報の例を図5に従って説明する。IPアドレス毎の輻輳統計情報は、IPアドレス毎のメール送信の失敗情報を含む。例えば、ユニークなID501と、キー情報(IPアドレス)毎に、メール送信が成功した回数をカウントするカウンタ情報503と、メール送信が失敗した回数をカウントする失敗判定カウント情報504と、メール送信が失敗が失敗した場合のエラー要因別に回数をカウントする失敗内訳情報505と、更新日時情報506と、元となったMXレコード507を記憶するテーブルである。例えば、メール送信コネクションを使い回す場合は、使用中のコネクション数を併せて格納してもよい。また、単位時間毎の送信メール数や、送信したメールの平均メッセージサイズや、メール送信要求の平均応答時間を集計しても良い。
次に送信可能MXレコード判定について図6に従って説明する。送信可能MXレコード判定では、送信先ドメインのDNS問い合わせで得られたMXレコードについて、601でMXレコード毎輻輳統計情報320に存在するか判定を行い、存在しない場合は、DNS問い合わせで得られたMXレコードの優先度の高いMXレコードを選択する。ここでMXレコードは、一般に送信先ドメインのDNS問い合わせの応答にて複数得られるものである。よって、MXレコード毎輻輳統計情報320に送信先ドメインのDNS問い合わせで得られた複数MXレコードが存在する場合は、602で失敗の少ないMXレコードを選択する。
【0014】
失敗が少ないMXレコードとは、複数のMXレコード間で相対的に失敗が一番少ないと判断されるMXレコードであって、例えば、カウンタ情報に対する失敗判定カウンタの割合が最も少ないものとすることや、失敗判定カウンタ情報の数値が最も少ないものとすることや、失敗内訳情報において特定の失敗要因についての失敗数値が最も少ないものとすることができる。
【0015】
602の選択では、例えば、閾値を儲け失敗率(カウンタ情報に対する失敗判定カウンタの割合)が一定以下のMXレコードについて優先度の高いMXレコードを選択する方法も可能である。その他、メール送信のコネクションを使い回して使用する場合は、有効なコネクション数が少ないMXレコードを選択する方法も可能である。また、単位時間毎の送信メール数の一番少ないMXレコードを選択する方法や、送信したメールの平均メッセージサイズが一番小さいMXレコードを選択する方法や、メール送信要求の平均応答時間が一番小さいMXレコードを選択する方法や、複数の方法に優先度をつけて選択する方法であっても良い。また602の判定は、運用監視端末からのコマンド操作で閾値、有効期限や判定優先度を変更することもできる。602で選択したMXレコードについては、603で更新日時の有効期限判定を行い、有効期限が切れていた場合は、604で該当情報の輻輳統計情報からの削除を行い、「開始」からMXレコード選択をやり直す。
次に送信可能ホスト判定について図7に従って説明する。送信可能ホスト判定では、送信可能MXレコード判定で選択したMXレコードのDNS問い合わせ応答で得るIPアドレスについて、701でホスト(IPアドレス)毎輻輳統計情報321に存在するか判定を行い、存在しない場合は、DNS問い合わせで得られたIPアドレスの中から任意に選択する。
【0016】
ここでIPアドレスには、一般にMXレコードのDNS問い合わせの応答にて複数得られるものである。よって、ホスト(IPアドレス)毎輻輳統計情報321にMXレコードのホスト名問い合わせ応答で得られた複数IPアドレスが存在する場合は、702で失敗の少ないIPアドレスを選択する。
【0017】
失敗が少ないIPアドレスとは、複数のIPアドレス間で相対的に失敗が一番少ないと判断されるIPアドレスであって、例えば、カウンタ情報に対する失敗判定カウンタの割合が最も少ないものとすることや、失敗判定カウンタ情報の数値が最も少ないものとすることや、失敗内訳情報において特定の失敗要因についての失敗数値が最も少ないものとすることができる。
【0018】
702の選択では、例えば、閾値を儲け失敗率(カウンタ情報に対する失敗判定カウンタの割合)が一定以下のIPアドレスを選択する方法も可能である。その他、メール送信のコネクションを使い回して使用する場合は、有効なコネクション数が少ないIPアドレスを選択する方法も可能である。また、単位時間毎の送信メール数の一番少ないIPアドレスを選択する方法や、送信したメールの平均メッセージサイズが一番小さいIPアドレスを選択する方法や、メール送信要求の平均応答時間が一番小さいIPアドレスを選択する方法や、複数の方法に優先度をつけて選択する方法であっても良い。また702の判定は、運用監視端末からのコマンド操作で閾値、有効期限や、有効期限を変更することもできる。702で選択したIPアドレスについては、703で更新日時の有効期限判定を行い、有効期限が切れていた場合は、704で該当情報の輻輳統計情報からの削除を行い「開始」からIPアドレス選択をやり直す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7