特許第5830938号(P5830938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5830938タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830938
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 61/04 20060101AFI20151119BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20151119BHJP
   C08K 5/3477 20060101ALI20151119BHJP
   C08L 59/02 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   C08L61/04
   C08L9/00
   C08K5/3477
   C08L59/02
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-120204(P2011-120204)
(22)【出願日】2011年5月30日
(65)【公開番号】特開2012-246409(P2012-246409A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】井上 芳久
【審査官】 新留 豊
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−089370(JP,A)
【文献】 特公昭48−025403(JP,B1)
【文献】 特開平01−153781(JP,A)
【文献】 特開昭61−076580(JP,A)
【文献】 特開2012−246415(JP,A)
【文献】 特開2012−246411(JP,A)
【文献】 特開平05−156091(JP,A)
【文献】 特開2009−035683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K3/00− 13/08
C08L1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に対し、軟化点が84℃以上であるノボラック型フェノール系樹脂を有機溶媒に溶解してなるゴム加工用樹脂溶液を、ノボラック型フェノール系樹脂の質量として0.1〜30質量部および硬化剤を0.1〜15質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
【請求項2】
前記ノボラック型フェノール系樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂のいずれかあるいはそれらの混合物であり、前記ノボラック型フェノール系樹脂と前記有機溶媒との比率が、前者:後者(質量比)として、1:0.25〜1:4であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物
【請求項3】
前記有機溶媒のSP値が40以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物
【請求項4】
前記硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を加硫し成形する工程を有する空気入りタイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム加工用樹脂溶液、タイヤ用ゴム組成物、それを用いた空気入りタイヤの製造方法に関するものであり、詳しくは、タイヤの破断伸びを悪化させずに高硬度化を達成し、耐偏摩耗性を向上させることのできるゴム加工用樹脂溶液、タイヤ用ゴム組成物、それを用いた空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
良路走行向けの空気入りタイヤにおいて、キャップトレッドのヒール&トー等の耐偏摩耗向上が市場から望まれている。偏摩耗性を向上する手法として、1)カーボンブラックの増量、2)硫黄や加硫促進剤の増量による高硬度化等があるが、前記1)、2)の方法では共に破断伸びが低下してしまい耐ブロック欠け性が悪化してしまう。
一方、高硬度化を達成するために、ゴム組成物にフェノール系樹脂とその硬化剤を配合する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、現在の市場における厳しい耐偏摩耗性への要求には十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5226987号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、タイヤの破断伸びを悪化させずに高硬度化を達成し、耐偏摩耗性を向上させることのできるゴム加工用樹脂溶液、タイヤ用ゴム組成物、それを用いた空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂溶液をゴムに配合することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
【0006】
.ジエン系ゴム100質量部に対し、軟化点が84℃以上であるノボラック型フェノール系樹脂を有機溶媒に溶解してなるゴム加工用樹脂溶液を、ノボラック型フェノール系樹脂の質量として0.1〜30質量部および硬化剤を0.1〜15質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記ノボラック型フェノール系樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂のいずれかあるいはそれらの混合物であり、前記ノボラック型フェノール系樹脂と前記有機溶媒との比率が、前者:後者(質量比)として、1:0.25〜1:4であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物
3.前記有機溶媒のSP値が40以下であることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物
.前記硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする前記に記載のタイヤ用ゴム組成物。
.前記1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を加硫し成形する工程を有する空気入りタイヤの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂溶液は、軟化点が84℃以上であるノボラック型フェノール系樹脂を有機溶媒に溶解してなることを特徴としているので、これをゴム加工用として用いた場合、ノボラック型フェノール系樹脂をそのままゴムに配合するのと比較して混練り時の粘度が低くなる。これにより、混練り加工性が良化し、ノボラック型フェノール系樹脂やカーボンブラックのゴム中での分散性が向上し、例えばタイヤ用ゴム組成物に用いた場合は、タイヤの破断伸びを悪化させずに高硬度化が達成され、耐偏摩耗性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】比較例4で得られたゴム組成物の原子間力顕微鏡により得られた位相像である。
図2】実施例1で得られたゴム組成物の原子間力顕微鏡により得られた位相像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂溶液は、軟化点が84℃以上であるノボラック型フェノール系樹脂を有機溶媒に溶解してなることを特徴とする。
【0010】
ノボラック型フェノール系樹脂は、本発明の効果の観点から好ましいものとして、例えばノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂等が挙げられる。オイル変性フェノール樹脂としては、カシュー変性フェノール樹脂が好ましい。
本発明において、発熱性とゴム中への分散性という理由から、ノボラック型フェノール系樹脂の軟化点は、84℃以上が好ましい。さらに好ましくは87〜160℃である。
本発明で使用するノボラック型フェノール系樹脂は、発熱性とゴム中への分散性の観点から、ノボラック型フェノール系樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂のいずれかあるいはそれらの混合物であることが好ましい。
また本発明で使用するノボラック型フェノール系樹脂は、市販されているものを利用することができ、例えば田岡化学工業(株)製スミカノール610、住友ベークライト(株)製PR−YR−170等が挙げられる。
【0011】
本発明で使用される有機溶媒は、SP値(溶解度パラメーター)が40以下であるものがノボラック型フェノール系樹脂の分散性の観点から好ましい。
【0012】
SP値が40以下の有機溶媒として、好適なものとして、例えばエチレングリコール(SP値=30.3)、ジエチレングリコール(SP値=26.6)、エタノール(SP値=22.4)、アセトン(SP値=17.2)、ジメチルホルムアミド(SP値=20.9)、シクロヘキサノール(SP値=21.7)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(SP値=19.2)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(SP値=18.0)等が挙げられる。
本発明において好ましい有機溶媒の好ましいSP値は40以下16以上である。
なお、ノボラック型フェノール系樹脂の分散性の観点から、使用される有機溶媒のSP値はノボラック型フェノール系樹脂のSP値と差異が少ないことが好ましい(例えばノボラック型クレゾール樹脂のSP値=23.6)。また、ノボラック型フェノール系樹脂が0℃〜200℃の範囲で溶解できる、および作業環境への配慮から非有害性の有機溶媒が好ましいので、有機溶媒としてはエチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。さらにゴムと化学結合を形成する等の親和性があるとより好ましい。ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等がより好ましい。
【0013】
本発明の樹脂溶液において、軟化点が84℃以上であるノボラック型フェノール系樹脂と有機溶媒との割合は、前者:後者(質量比)として、1:0.25〜4の範囲が好ましく、1:0.5〜3の範囲がさらに好ましい。樹脂の質量比が大きすぎると溶液の粘度が高すぎて、ゴム中での分散が良化しない。樹脂の質量比が小さすぎると溶剤を多量に配合することになり、例えば硬度が下がりすぎたり、発熱が悪化してしまったりするので好ましくない。
上記割合を採用することにより、ゴム成分に対するノボラック型フェノール系樹脂の分散性が一層向上し、本発明の効果を良好に奏することができる。
【0014】
本発明の樹脂溶液は、ゴム加工用、とくにタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、タイヤの破断伸びを悪化させずに高硬度化を達成でき、耐偏摩耗性を向上させることができる。
このようなタイヤ用ゴム組成物は、タイヤ用の各種部材に使用することができ、トレッド(とくにキャップトレッド)に好ましく使用できる。
以下、本発明に好適なタイヤ用ゴム組成物について説明する。
【0015】
(ゴム成分)
本発明で使用されるゴム成分は、ゴム組成物に配合することができる任意のゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはNR、BRが好ましい。
【0016】
(硬化剤)
本発明のゴム組成物は、硬化剤を配合する。硬化剤としてはノボラック型フェノール系樹脂を硬化可能なものであればよく、とくに制限されないが、例えば本発明の効果の観点から、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体からなる群から選択された1種以上が好ましい。
【0017】
(充填剤)
本発明のゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、シリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
【0018】
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、上記樹脂溶液を、ノボラック型フェノール系樹脂の質量として0.1〜30質量部および硬化剤を0.1〜15質量部配合するのが好ましい。
ノボラック型フェノール系樹脂の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量部を超えると、硬度および破断伸びが悪化する。
硬化剤の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に15質量部を超えると発熱性が悪化する。
さらに好適な形態において、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、上記樹脂溶液を、ノボラック型フェノール系樹脂の質量として0.5〜18質量部および硬化剤を0.5〜10質量部配合するのがよい。
【0019】
本発明に係るゴム組成物には、前記した成分に加えて、カーボンブラック等の補強用充填剤、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0020】
次に本発明の空気入りタイヤの製造方法について説明する。
本発明の樹脂溶液をゴム組成物に配合する方法には特に制限はないが、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を密閉式バンバリーミキサー等のミキサーで混練する際に配合するのが好ましい。その際の混練り温度は130℃〜170℃が好ましい。得られたゴム組成物は、加硫し、成形されることによって、空気入りタイヤが製造される。なお該加硫および成形工程は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従えばよい。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0022】
実施例1〜5および比較例1〜10
サンプルの調製
所定の比率の樹脂と溶液を樹脂の軟化点以上の温度にて攪拌することで透明の樹脂溶液を得た。
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)と硬化剤を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、タイヤ用ゴム組成物を得た。得られたタイヤ用ゴム組成物を150℃、30分の条件でプレス加硫し、以下に示す試験法で物性を測定した。
【0023】
硬度:JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は比較例4の値を100として指数表示し、この数字が大きいほど硬度が高く、耐偏摩耗性が良好であることを示す。
破断伸び:上記加硫ゴム試験片を用い、JIS K6251に基づき、室温にて引張試験を実施し、室温における破断伸び(%)を測定した。結果は比較例4の値を100として指数表示し、この数字が大きいほど破断伸びが高く、耐ブロック欠け性が良好であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
*1:NR(タイ製STR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol 1220)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シースト6、NSA=119m/g)
*4:ノボラック型クレゾール樹脂(田岡化学工業(株)製スミカノール610、軟化点=96℃)
*5:カシュー変性ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製PR−YR−170、軟化点=94℃)
*6:ノボラック型フェノール樹脂−1(住友ベークライト(株)製PR−50731、軟化点=122℃)
*7:ノボラック型フェノール樹脂−2(住友ベークライト(株)製PR−HF−3、軟化点=82℃)
*8:樹脂溶液−1(上記ノボラック型クレゾール樹脂をジエチレングリコールに溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*9:樹脂溶液−2(上記カシュー変性ノボラック型フェノール樹脂をジエチレングリコールに溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*10:樹脂溶液−3(上記ノボラック型フェノール樹脂−1をジエチレングリコールに溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*11:樹脂溶液−4(上記ノボラック型フェノール樹脂−2をジエチレングリコールに溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*12:樹脂溶液−5(上記ノボラック型クレゾール樹脂をビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(エボニックデグッサ(株)製Si75)に溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*13:樹脂溶液−6(上記ノボラック型フェノール樹脂−1をビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(エボニックデグッサ(株)製Si75)ルに溶解したもの。樹脂:有機溶媒(質量比)として、1:2。なお表中の括弧内は樹脂の質量部を表す)
*14:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*15:ステアリン酸(千葉脂肪酸(株)製工業用ステアリン酸)
*16:老化防止剤(住友化学(株)アンチゲン6C)
*17:ヘキサメチレンテトラミン(三新化学工業(株)製サンセラーHT−PO)
*18:HMMM(三井サイテック(株)製サイレッツ964RPC、ヘキサメトキシメチロールメラミン65%+シリカ35%)
*19:PMMM(田岡化学工業(株)製スミカノール507A)
*20:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*21:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS−F)
【0026】
上記の表から明らかなように、実施例1〜5で調製されたゴム組成物は、熱硬化性樹脂および硬化剤を添加した従来の代表的な例である比較例4に対し、タイヤの破断伸びを悪化させずに高硬度化を達成でき、耐偏摩耗性を向上させることができる。図2は、比較例4で得られたゴム組成物の原子間力顕微鏡により得られた位相像である。また図3は、実施例1で得られたゴム組成物の原子間力顕微鏡により得られた位相像である。これらの図により、熱硬化性樹脂およびカーボンブラックのゴム中での分散状態を比較できる。色の暗い部分が熱硬化性樹脂やカーボンブラックである。これらの図を比較すると樹脂溶液を用いることで熱硬化性樹脂とカーボンブラックの分散が向上していることが明らかである。
これに対し、比較例1は、ノボラック型フェノール系樹脂および硬化剤を配合しない例であり、硬度および破断伸びともに改善されず、耐偏摩耗性、耐ブロック欠け性に劣る結果となった。
比較例2は、単にカーボンブラックを増量した例であり、破断伸びが低下し、耐ブロック欠け性が悪化した。
比較例3は、単に硫黄を増量した例であり、破断伸びが低下し、耐ブロック欠け性が悪化した。
比較例5は、カシュー変性ノボラック型フェノール樹脂を有機溶媒に溶解させることなく添加した例であり、硬度および破断伸びともに改善されず、耐偏摩耗性、耐ブロック欠け性に劣る結果となった。
比較例6および7は、ノボラック型フェノール樹脂を有機溶媒に溶解させることなく添加した例であり、硬度および破断伸びともに改善されず、耐偏摩耗性、耐ブロック欠け性に劣る結果となった。
比較例8は、本発明で規定する軟化点未満であるノボラック型フェノール樹脂−2を用い、これを有機溶媒に溶解させた例である。ノボラック型フェノール樹脂を有機溶媒に溶解していない比較例7よりも硬度が低下してしまった。これはノボラック型フェノール樹脂−2の軟化点が低く、有機溶媒に溶解させることにより逆にゴム中に細かく分散しすぎたことが原因である。
図1
図2