特許第5830944号(P5830944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5830944車両用運転支援装置及び車両用運転支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830944
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】車両用運転支援装置及び車両用運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20151119BHJP
   G08B 21/06 20060101ALI20151119BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20151119BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20151119BHJP
   B60W 30/12 20060101ALI20151119BHJP
   B60W 30/16 20120101ALI20151119BHJP
【FI】
   G08G1/16 F
   G08B21/06
   B60R1/00 A
   B60W40/08
   B60W30/12
   B60W30/16
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-124341(P2011-124341)
(22)【出願日】2011年6月2日
(65)【公開番号】特開2012-252497(P2012-252497A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻 正文
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−248599(JP,A)
【文献】 特開2008−197916(JP,A)
【文献】 特開2007−265377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60R 1/00
B60W 30/12
B60W 30/16
B60W 40/08
G08B 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの覚醒度を算出する覚醒度算出手段と、
前記覚醒度算出手段で算出したドライバの覚醒度が、予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を前記ドライバへ出力する覚醒促進情報出力手段と、
前記覚醒促進情報出力手段が、前記覚醒促進情報を出力したと判定すると、前記ドライバの運転操作を支援する運転支援モードを設定し、前記覚醒促進情報を出力したと判定後に、前記ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、前記ドライバに対して警報を発生する警報モードに設定するモード設定手段と、
前記運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように前記車両の運転を制御する運転支援手段と、
前記警報モードの設定に応じて、前記車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定すると前記ドライバに対して警報を発生する警報発生手段と、を備えることを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項2】
前記運転支援手段は、前記車両の走行車線内での位置を目標位置で維持するように前記車両の運転を制御する機能と、前記車両の先行車両との車間時間を目標車間時間で維持するように前記車両の運転を制御する機能とのうち少なくとも一方の機能を有する手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援装置。
【請求項3】
前記覚醒促進情報出力手段は、前記ドライバの覚醒度が前記覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記覚醒促進情報として前記ドライバに対して応答入力を要求する情報を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用運転支援装置。
【請求項4】
前記覚醒促進情報出力手段は、前記覚醒度の強さに応じて前記ドライバの覚醒状態を、覚醒している状態を示す第1段階と、重度の眠気を感じている状態又は居眠りをしている状態を示す第3段階と、前記第1段階と前記第3段階の中間の眠気を感じている状態を示す第2段階との少なくとも3つの段階に分類し、前記ドライバの覚醒度が、前記第2段階に属すると判定すると、前記覚醒促進条件に合致したと判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
【請求項5】
前記モード設定手段は、前記覚醒促進情報を出力したと判定してから予め設定した時間が経過するまでの期間は前記運転支援モードを設定し、前記設定した時間を経過後は、前記ドライバの覚醒度が予め設定した第1覚醒度以上に増加していると判定すると、前記覚醒促進情報の出力前に設定していたモードを設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
【請求項6】
前記モード設定手段は、前記覚醒促進情報を出力したと判定してから予め設定した時間が経過後において、前記ドライバの覚醒度が予め設定した第2覚醒度以下に低下していると判定すると、前記警報条件に合致したと判定することを特徴とする請求項5に記載の車両用運転支援装置。
【請求項7】
前記覚醒度算出手段は、前記ドライバの少なくとも眼部分を含む撮影画像に基づき前記ドライバの眼の開閉状態を検出し、検出した前記開閉状態に基づき前記覚醒度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
【請求項8】
前記覚醒度算出手段は、前記ドライバの運転操作によって発生する信号である車両操作信号に基づき前記覚醒度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
【請求項9】
ドライバの運転操作を支援する運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように前記車両の運転を制御する機能と、前記ドライバに対して警報を発生する警報モードの設定に応じて、前記車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定すると前記ドライバに対して警報を発生する機能とを有する車両の運転を支援するための車両用運転支援方法であって、
ドライバの覚醒度を算出する覚醒度算出ステップと、
前記覚醒度算出ステップで算出したドライバの覚醒度が予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を前記ドライバへ出力する覚醒促進情報出力ステップと、
前記覚醒促進情報を出力したと判定すると、前記運転支援モードを設定し、前記覚醒促進情報を出力したと判定後に、前記ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、前記警報モードに設定するモード設定ステップと、を含むことを特徴とする車両用運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転するドライバの覚醒状態に応じて覚醒を促す情報をドライバに出力する際の車両の運転支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を運転するドライバの覚醒状態に応じて覚醒を促す情報をドライバに出力する技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1の従来技術では、ドライバに提供する情報の出力態様として、例えば、ドライバの覚醒状態に応じて、情報出力の有無や、音声出力や、警報のタイミング、音量といったパラメータを変更することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−197916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ドライバの覚醒度に応じて出力態様に係るパラメータを変更しているに過ぎず、情報を出力時の運転支援という観点から改善の余地があった。
本発明は、上記のような点に着目したもので、ドライバの覚醒を促す情報の出力時における車両の運転支援制御をより適切に行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、ドライバの覚醒度が予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報をドライバへ出力し、この覚醒促進情報が出力されたと判定すると、ドライバの運転操作を支援する運転支援モードを設定し、覚醒促進情報が出力されたと判定された後に、ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、ドライバに対して警報を発生する警報モードに設定する。さらに、運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように車両の運転を制御し、警報モードの設定に応じて、車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定するとドライバに対して警報を発生するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、覚醒促進情報を出力したと判定すると、車両の走行状態を予め設定された走行状態に維持するように車両の運転を制御する。これにより、覚醒を促す情報を出力しているときに、走行安定性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る運転支援装置の概要構成図である。
図2】CCDカメラとレーザスキャナとドライバカメラの配置図である。
図3】本発明の実施形態に係る運転支援装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】運転支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】覚醒促進情報の設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】モード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】覚醒促進情報Bの画面出力の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1図7は、本発明の実施形態に係る車両用運転支援装置及び車両用運転支援方法の実施形態を示す図である。
(構成)
まず、運転支援装置の構成について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る運転支援装置の概要構成図である。
【0009】
運転支援装置100は、ECU101と、GPS201と、メモリ202と、ディスプレイ203と、レーザスキャナ204及び205と、車輪速センサ206と、ドライバカメラ211と、車線維持支援設定スイッチ213と、車間距離維持支援設定スイッチ216と、を備える。
運転支援装置100は、更に、ブレーキアクチュエータ207と、ステアリングアクチュエータ208と、アクセルペダルアクチュエータ214と、CCDカメラ209及び210と、アクセルセンサ301と、ステアリングセンサ302と、ブレーキセンサ303と、駆動ユニット401と、警報器212と、オーディオ機器215と、を備える。
【0010】
図2は、CCDカメラとレーザスキャナとドライバカメラの配置図である。
CCDカメラ209は、左のドアミラーに設けられ、CCDカメラ210は、右のドアミラーに設けられる。CCDカメラ209及び210は、夫々、ドアミラー位置から撮影レンズを路面に標示された通行区分線が画角に含まれる方向に向けて設置される。このようにして設置されたCCDカメラ209及び210は、路面に標示された車道中央線、車線境界線、車道外側線などの通行区分線を撮影し、撮影した画像データをECU101に送信する。
レーザスキャナ204は、自車両の左前端部に設けられ、レーザスキャナ205は、自車両の右前端部に設けられる。レーザスキャナ204及び205は、夫々、走査面が道路と略水平になるように設置され、先行車両の走行状態を検出し、検出結果をECU101に送信する。
【0011】
ドライバカメラ211は、CCDカメラから構成されており、例えば、車室内のステアリングに設けられる。ドライバカメラ211は、撮影レンズを、ステアリング位置から運転席の上部に向けて設置される。このようにして設置されたドライバカメラ211は、運転席に着席したドライバの顔領域を含む領域を撮影し、撮影した画像データをECU101に送信する。この画像データは、ドライバの覚醒度を算出するために用いるため、顔全体に限らず、眼部分を含む領域(瞬きが解る領域)、眼部分に加えて口部分を含む領域などの顔領域の部分領域をピンポイントに撮影してもよい。以下、この画像データを、覚醒度算出用画像データと称す。
【0012】
車線維持支援設定スイッチ213は、ドライバが手動操作により車線維持支援モードを設定指示するためのスイッチである。車線維持支援モードは、車線幅方向の自車両の走行位置が予め設定した目標位置(例えば、走行車線の中央)を維持するようにステアリングアクチュエータ208を制御する制御モードである。
車間距離維持支援設定スイッチ216は、ドライバが手動操作により車間距離維持支援モードを設定指示するためのスイッチである。車間距離維持支援モードは、自車両と先行車両との車間時間を予め設定した目標車間時間に維持するようにアクセルペダルアクチュエータ214やブレーキアクチュエータ207等を制御する制御モードである。
【0013】
警報器212は、警報モード(後述)の設定時において、ECU101からの指令に応じて警報音を発生する。
オーディオ機器215は、アンプ及びスピーカを含んで構成され、ECU101からの指令に応じて音声メッセージや楽曲等のサウンドを出力する。
ECU(Electronic Control Unit)101は、マイクロコンピュータを主要構成部品として有するユニットである。ECU101は、通常走行時、ドライバの指令(アクセルセンサ301、シフトセンサ(不図示)、ブレーキセンサ303からの入力値)に応じて駆動ユニット401へとトルク指令値を送信する。
【0014】
また、本実施形態では、ECU101は、ドライバカメラ211から送信された覚醒度算出用画像データに基づき、ドライバの覚醒度を算出し、算出した覚醒度に基づき、ドライバの覚醒を促す情報(以下、覚醒促進情報と称す)を出力する。
また、本実施形態では、ECU101は、車線維持支援設定スイッチ213がONのときに車線維持支援モードを設定し、OFFのときに車線逸脱警報モードを設定する。ここで、車線逸脱警報モードは、自車両が走行車線を逸脱しそうになった時に警報器212に警報音を発生させる制御モードである。ECU101は、車間距離維持支援設定スイッチ216がONのときに車間距離維持支援モードを設定し、OFFのときに接近警報モードを設定する。ここで、接近警報モードは、自車両が先行車両に接近して追突の可能性が生じた時に警報器212に警報音を発生させる制御モードである。
【0015】
以下、車線維持支援設定スイッチ213及び車間距離維持支援設定スイッチ216を区別しないときは、これらを総じて運転支援設定スイッチと称する。また、車線維持支援モード及び車間距離維持支援モードを区別しないときは、これらを総じて運転支援モードと称する。また、車線維持支援モード及び車間距離維持支援モードの設定に応じて行われる制御を、これらを総じて、運転支援制御と称する。また、車線逸脱警報モード及び接近警報モードを区別しないときは、これらを総じて警報モードと称する。
【0016】
ECU101は、車線維持支援モードの設定に応じて、車線幅方向の自車両の走行位置が予め設定した目標位置を維持するようにステアリングアクチュエータ208を自動制御する。ECU101は、この制御において、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報を元に演算された車線幅方向の自車位置を利用する。
また、ECU101は、車線逸脱警報モードの設定に応じて、自車位置が通行区分線を越える可能性があると判定したときに警報器212に対して警報を発生させる指令を出力する。ECU101は、この運転支援制御において、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報を元に演算された車線幅方向の自車位置を利用する。
【0017】
また、ECU101は、車間距離維持支援モードの設定に応じて、レーザスキャナ204及び205を活用して先行車両の情報収集を行う。そして、ECU101は、収集した情報を元に演算された先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を利用して、先行車両と自車両との車間時間を予め設定した目標車間時間を維持するようにブレーキアクチュエータ207や、アクセルペダルアクチュエータ214などを自動制御する。
【0018】
また、ECU101は、接近警報モードの設定に応じて、レーザスキャナ204及び205を活用して先行車両の情報収集を行う。そして、ECU101は、収集した情報を元に演算された先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を利用して、先行車両と自車両との車間時間が設定した許容車間時間を超える可能性があると判定したときに警報器212に対して警報を発生させる指令を出力する。
【0019】
また、車間距離を維持するために自車両を減速させたり、車線幅方向の自車位置を維持するために車幅方向に移動させたりする際には、駆動ユニット401へのトルク配分を制御したり、ブレーキアクチュエータ207により制動力を制御したり、ステアリングアクチュエータ208により自車の転舵角を制御したりする。また、本実施形態では、車間時間を維持するに際して、アクセルペダルアクチュエータ214によってペダル反力を制御する。
【0020】
また、本実施形態において、ECU101は、覚醒促進情報が出力されたと判定すると、運転支援設定スイッチの状態、覚醒促進情報が出力されてからの経過時間及びドライバの覚醒度の変化に応じて、運転支援モード、警報モードのいずれか一方のモードへと適宜設定変更を行う。
GPS(Global Positioning System)201は、自車の緯度、経度等を検出し、ECU101へと送信する。
【0021】
メモリ202は、後述する運転支援機能を実現するための専用プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが格納されている。メモリ202は、ECU101からの要求に応じて格納された各種データをECU101に出力する。その他にも、メモリ202は、緯度、経度情報に対応して走行路の幅や曲率等の道路情報が記録されたデジタルマップなどが格納されており、ECU101からの要求に応じてこれら格納データをECU101に出力する。
【0022】
ディスプレイ203は、ECU101が覚醒促進情報として画像を出力する際に活用する。なお、メータディスプレイやナビゲーションシステムのディスプレイと併用でも構わない。
車輪速センサ206は、自車速V1を検出し、その結果をECU101へと送信する。
アクセルセンサ301は、ドライバが操作するアクセル開度情報を検出し、これをECU101へと送信する。
ステアリングセンサ302は、ドライバが操作するステアリング舵角を検出し、これをECU101へと送信する。
ブレーキセンサ303は、ドライバが操作するブレーキペダルの開度情報を検出し、これをECU101へと送信する。
【0023】
駆動ユニット401は、ガソリンエンジンから構成されており、自車両の出力トルクを発生させるユニットである。なお、駆動ユニット401は、ディーゼルエンジンから構成してもよい。また、本実施形態の運転支援装置100を、駆動ユニットとしてモータを備えるハイブリッド車両や電気自動車に適用してもよい。この場合、出力トルクの発生は、エンジン及びモータへのトルク配分や、モータの回生トルクなどを制御することで実現される。
【0024】
ステアリングアクチュエータ208は、電動パワーステアリング装置などで操舵角を制御できるユニットである。
ブレーキアクチュエータ207は、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。ブレーキアクチュエータ207は、、ドライバのブレーキ操作に係らず各ホイールシリンダの液圧を増圧・保持・減圧できるように構成されている。
アクセルペダルアクチュエータ214は、ECU101からの指令に応じたペダル反力をアクセルペダルに付与するアクチュエータである。
【0025】
次に、運転支援装置100のECU101において専用のプログラムを実行することによって実現される運転支援機能の機能構成を説明する。
図3は、運転支援装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、運転支援装置100の運転支援機能構成部110は、覚醒度算出部121と、覚醒促進情報出力部123と、モード設定部125と、運転支援制御部127と、警報発生制御部129と、を備える。
更に、運転支援制御部127は、車線維持支援制御部131と、車間距離維持支援制御部133と、を備え、警報発生制御部129は、車線逸脱警報制御部141と、接近警報制御部143と、を備える。
【0026】
覚醒度算出部121は、ドライバカメラ211で撮影して得たドライバの顔領域を含む画像データである覚醒度算出用画像データに基づきドライバの眼の開閉(瞬き)状態等を検出して、その瞬き状態等からドライバの覚醒度を算出する。覚醒度算出部121は、算出した覚醒度を覚醒促進情報出力部123及びモード設定部125にそれぞれ出力する。
なお、ドライバの覚醒度の算出方法はどのような方法でも良く、操舵角信号やアクセル・ブレーキの操作信号等の車両操作信号に基づいて算出しても構わない。また、覚醒度算出用画像データと車両操作信号とを併用して算出しても構わない。
【0027】
覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121により算出された覚醒度が予め設定した覚醒促進条件(後述)に合致したと判定すると、ディスプレイ203やオーディオ機器215を用いてドライバへの覚醒を促進する覚醒促進情報の出力を行うための出力内容を設定する。この出力内容は、ドライバの覚醒度が低い(眠い)時ほどドライバからのアクションが必要となるような出力態様が望ましい。
【0028】
例えば、ドライバに対して実行するタスクの選択操作を要求するタスクメニュー画面をディスプレイ203に表示したり、音声認識機能を利用して、ドライバに音声応答を要求する音声メッセージをオーディオ機器215を介して出力したりする。
また、覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間を測定し、該測定した経過時間の情報を、モード設定部125に出力(通知)する。
【0029】
モード設定部125は、覚醒促進情報出力部123からの覚醒促進情報の出力開始からの経過時間を示す情報と、覚醒度算出部121からの覚醒度と、運転支援設定スイッチからのON/OFF入力とに基づき、制御モードを、運転支援モード及び警報モードのいずれか一方のモードに設定する。
具体的に、モード設定部125は、経過時間が予め設定した時間を経過した場合は、ドライバの覚醒度の変化に応じて、制御モードを、運転支援設定スイッチのON/OFFに応じたモードか、又は運転支援設定スイッチのON/OFFに係わらず、警報モードに設定する。本実施形態おいて、モード設定部125は、ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件(後述)に合致したと判定すると、警報モードに設定する。
【0030】
また、モード設定部125は、経過時間が予め設定した時間を経過していない場合は、運転支援設定スイッチのON/OFFに係わらず、制御モードを、運転支援モードに設定する。
車線維持支援制御部131は、モード設定部125で車線維持支援モードが設定されたことに応じて、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報に基づき車線幅方向の自車位置を演算する。車線維持支援制御部131は、演算した自車位置を利用して、車線幅方向の自車位置が設定した目標位置(走行車線の中央位置)を維持するようにステアリングアクチュエータ208を制御する。
【0031】
車間距離維持支援制御部133は、モード設定部125で車間距離維持支援モードが設定されたことに応じて、レーザスキャナ204及び205によって収集した情報を元に先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を演算する。車間距離維持支援制御部133は、、演算した車間距離及び相対速度から車間時間を演算し、演算した車間時間に基づき自車両と先行車両との車間時間を予め設定した目標車間時間以上に保つように、ブレーキアクチュエータ207及びアクセルペダルアクチュエータ214を制御する。これにより、自車両と先行車両との車間距離が、目標車間時間と目標相対速度から演算される目標車間距離以上を保つように維持される。
【0032】
車線逸脱警報制御部141は、モード設定部125で車線逸脱警報モードが設定されたことに応じて、車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したかを判定する。具体的に、車線逸脱警報制御部141は、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報に基づき車線幅方向の自車位置を演算する。車線逸脱警報制御部141は、演算した自車位置に基づき、自車両が走行車線を逸脱する可能性が生じたと判定すると、警報発生条件に合致したと判定し、警報音を発生するように警報器212を制御する。
【0033】
接近警報制御部143は、モード設定部125で接近警報モードが設定されたことに応じて、車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したかを判定する。具体的に、接近警報制御部143は、レーザスキャナ204及び205、車輪速センサ206によって収集した情報を元に先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を演算する。接近警報制御部143は、演算した先行車両との車間距離及び相対速度に基づき、自車両が先行車両に接近して追突の可能性が生じたと判定すると、警報発生条件に合致したと判定し、警報音を発生するように警報器212を制御する。
【0034】
(運転支援処理)
次に、運転支援機能構成部110で行われる運転支援処理の処理手順について説明する。
図4は、運転支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
電源がON(イグニッションON)され、CPU101において専用のプログラムが実行されると、図4に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS100では、以降の処理の実行に使用するタイマーやカウンタ、フラグを初期設定する初期化の処理を実行して、ステップS102に移行する。
【0035】
ステップS102では、覚醒度算出部121において、ドライバカメラ211から送信された、覚醒度算出用画像データからドライバの眼の開閉(瞬き)状態を検出して、その瞬き状態等からドライバの覚醒度を算出して、ステップS104に移行する。
本実施形態において、覚醒度算出部121は、算出されたドライバの覚醒度を複数段階に分類する。例えば、第1段階:眠くない、第2段階:少し眠い、第3段階:眠い、第4段階:かなり眠い(居眠り状態を含む)に分類する。以後この覚醒度の段階に応じて制御モードの選択を行う。
【0036】
なお、本実施形態では、ドライバの覚醒度が、第2段階又は第3段階に属するときに、覚醒促進条件に合致したと判定する。
ステップS104では、覚醒促進情報出力部123において、ステップS102で算出された覚醒度の段階に基づき覚醒促進情報の設定を行い、ステップS106に移行する。
ステップS106では、モード設定部125において、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間と、ドライバの覚醒度の段階と、運転支援モード設定スイッチの状態とに基づき、運転支援モード又は警報モードの設定処理を実行して、ステップS108に移行する。
【0037】
ステップS108では、覚醒促進情報出力部123において、ステップS104で設定した覚醒促進情報の出力処理を行い、モード設定部125において、ステップS106で設定したモードに応じた制御指令の出力処理を行って、ステップS102に移行する。
具体的に、覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報として、ディスプレイ203に画像を出力するための制御信号を出力したり、オーディオ機器215を介して音声を出力するための制御信号を出力したりする。このとき、タイマー又はカウンタによって、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間(以下、出力経過時間と称す)の計測を開始する。そして、この出力経過時間を示す情報をモード設定部125に出力する。また、覚醒促進情報出力部123は、制御信号の出力に応じて、覚醒促進情報の出力判定フラグをONに設定する。また、モード設定部125は、設定されたモードに応じて、各種アクチュエータへの制御信号や、警報器212等への制御信号の出力を行う。
【0038】
(覚醒促進情報設定処理)
次に、覚醒促進情報出力部123で行われる覚醒促進情報の設定処理の処理手順について説明する。
図5は、ステップS104において、覚醒促進情報出力部123によって行われる覚醒促進情報の設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS104において、覚醒促進情報の設定処理が実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報を出力したか否かを判定し、出力したと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
【0039】
具体的に、覚醒促進情報出力部123は、上記覚醒促進情報の出力判定フラグがONであるか否かを判定することによって、出力したか否かを判定する。本実施形態では、ONであると判定した場合に、出力していると判定し、OFFであると判定した場合に出力していないと判定する。
ステップS202に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報の出力後に予め設定した時間が経過したか否かを判定し、予め設定した時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでない場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0040】
ステップS204に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒度算出部121から取得した覚醒度の段階に基づき、覚醒度が改善したか否かを判定する。そして、改善したと判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。例えば、覚醒度が第1段階である場合に改善したと判定し、第2〜第4段階の場合は、前回と同じ又は改悪したと判定する。
【0041】
ステップS206に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報の出力判定フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS200において出力していないと判定し、ステップS208に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒度算出部121から取得した覚醒度の段階が、第2段階か否かを判定する。そして、第2段階であると判定した場合(Yes)は、覚醒促進条件に合致したと判定して、ステップS210に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS212に移行する。
【0042】
ステップS210に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報Aを設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS212に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒度の段階が第3段階か否かを判定し、第3段階であると判定した場合(Yes)は、覚醒促進条件に合致したと判定して、ステップS214に移行する。一方、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0043】
ステップS214に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報Bを設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
本実施形態において、覚醒促進情報AとBとは、Bの方がAよりもドライバの覚醒を促すような内容となっている。例えば、覚醒促進情報Aは、警告文の画像表示と音声メッセージの出力(注意喚起)とを行う内容とする。一方、覚醒促進情報Bは、ドライバに対して応答入力(選択操作、音声入力等)を要求する画像表示と音声メッセージの出力とを行う内容とする。
【0044】
(モード設定処理)
次に、モード設定部125で行われるモード設定処理の処理手順について説明する。
図6は、ステップS106において、モード設定部125によって行われるモード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS106に移行して、モード設定部125においてモード設定処理が実行されると、図6に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、モード設定部125において、覚醒促進情報が出力されたか否かを判定し、出力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS302に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS330に移行する。
【0045】
具体的に、モード設定部125は、上記覚醒促進情報の出力判定フラグがONである否かを判定することによって、覚醒促進情報が出力されたか否かを判定する。
ステップS302に移行した場合は、モード設定部125において、覚醒促進情報出力部123からの出力経過時間の情報に基づき、覚醒促進情報の出力経過時間が予め設定した時間を経過したか否かを判定する。そして、経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS318に移行する。
【0046】
ステップS304に移行した場合は、モード設定部125において、覚醒度算出部121からの覚醒度の段階の情報に基づき覚醒度が改善したか否かを判定し、改善したと判定した場合(Yes)は、ステップS330に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS306に移行する。本実施形態では、覚醒度が第1段階になった場合に改善したと判定し(Yesの分岐)、第2段階以上の場合に変化無し又は改悪したと判定する(いずれもNoの分岐)。本実施形態では、このように、覚醒促進情報の出力を行ってから予め設定した時間が経過したにも係わらず、覚醒度が改善しなかった場合に、モード設定部125は、覚醒度の変化(推移状態)が警戒条件に合致したと判定する。
【0047】
覚醒度が変化無し又は改悪したと判定して、ステップS306に移行した場合は、モード設定部125において、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS308に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS310に移行する。
ステップS308に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、車線維持支援モードから車線逸脱警報モードに変更して、ステップS312に移行する。
【0048】
一方、ステップS310に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、接近警報モードを維持して、ステップS312に移行する。
ステップS312では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS314に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS316に移行する。
【0049】
ステップS314に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、車間距離維持支援モードから接近警報モードに変更して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS316に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして接近警報モードを維持して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0050】
つまり、覚醒度が変化無し又は改悪した場合は、警戒条件に合致したと判定し、上記S306〜S316の処理によって、運転支援制御によるドライバのシステム依存度を減らすために、運転支援モードを警報モードへと設定変更する、又は警報モードを維持する。
また、ステップS302において、予め設定した時間が経過していないと判定して、ステップS318に移行した場合は、モード設定部125において、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS320に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS322に移行する。
【0051】
ステップS320に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車線維持支援モードを維持して、ステップS324に移行する。
一方、ステップS322に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、車線逸脱警報モードから車線維持支援モードに変更して、ステップS324に移行する。
ステップS324では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS326に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS328に移行する。
【0052】
ステップS326に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車間距離維持支援モードを維持して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS328に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、接近警報モードから車間距離維持支援モードに変更して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0053】
つまり、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過するまでの期間は、上記S318〜S328の処理によって、運転支援設定スイッチのON/OFFの状態に関係なく、運転支援モードの設定を行う。
また、ステップS300で覚醒促進情報が新規に出力されていないと判定するか、又はステップS304で覚醒度が改善したと判定して、ステップS330に移行した場合は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS332に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS334に移行する。
【0054】
ステップS332に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車線維持支援モードを設定して、ステップS336に移行する。
一方、ステップS334に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車線逸脱警報モードを設定して、ステップS336に移行する。
ステップS336では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS338に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS340に移行する。
【0055】
ステップS338に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車間距離維持支援モードを設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS340に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、接近警報モードを設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
つまり、上記S330〜S340の処理によって、覚醒度が元々第1段階である場合と、覚醒促進情報の出力によって第1段階に改善した場合において、運転支援設定スイッチのON/OFF状態に応じた正規のモード設定、又は正規のモードへの復帰設定を行う。
【0056】
(動作)
次に、本実施形態の運転支援装置100の動作を説明する。
図7は、覚醒促進情報Bの画面出力の一例を示す図である。
イグニッションスイッチがONされ、電源がONされると、CPU101において専用のプログラムが実行される。これにより、初期化処理が実行され、タイマーやカウンタの初期化に加えて、プログラムで用いる各種変数等が初期化される(S100)。初期化処理後は、ドライバカメラ211、CCDカメラ209及び210、レーザスキャナ204及び205、各種センサ等が作動して、これらによって取得される各種情報がECU101に入力される。
【0057】
ECU101の運転支援機能構成部110は、まず、ドライバカメラ211から送信される覚醒度算出用画像データに基づき、ドライバの瞬きの状態を検出し、検出した瞬きの状態等に基づき覚醒度を算出する(S102)。
例えば、複数フレームの覚醒度算出用画像データから、瞬きの振幅、持続時間及び速度などのパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて、予め眼電図(EOG)で測定した瞬き波形データとの比較を行って、該当する波形種類を特定する。眼電図では、覚醒状態から居眠り状態に至るまでの波形データをいくつかの測定点で測定しておく。
【0058】
例えば、覚醒状態時の波形データ、軽い眠気を感じている状態時の波形データ、眠気を感じている状態時の波形データ、重度の眠気を感じている状態時の波形データ、居眠り状態時の波形データ等の複数種類の波形データを測定する。また、本実施形態では、覚醒度を第1段階〜第4段階の4段階に分類している。このため、例えば、覚醒時を第1段階、軽い眠気を感じている状態時を第2段階、眠気を感じている状態時を第3段階、重度の眠気を感じている状態時及び居眠り状態時を第4段階に分類する。
【0059】
また、これらの状態時について、例えば、複数の被験者の波形データを取得し、これらの波形データに基づき、各状態の波形データを隠れマルコフモデル(HMM)などによってモデル化するなどして、メモリ202に記憶しておく。このようにして測定した波形データと、覚醒度算出用画像データから抽出した各特徴パラメータとの比較処理(例えば、尤度の算出処理等)によって、ドライバの覚醒度の段階(波形種類)を確定する。
【0060】
なお、車両操作信号に基づき覚醒度を算出する場合も、眼電図のときと同様に、車両操作信号と覚醒度との関係を予め実験等により対応付けておく。そして、上記同様に各状態の信号データをモデル化するなどして、メモリ202に記憶しておく。このようにして測定した信号データと、車両操作信号から抽出した各特徴パラメータとの比較処理によって、ドライバの覚醒度の段階を確定する。
【0061】
覚醒度算出部121は、覚醒度の段階が確定すると、確定した覚醒度の段階を示す情報を、覚醒促進情報出力部123と、モード設定部125とにそれぞれ出力する。
このようにして、覚醒度の算出処理が完了すると、次に、覚醒促進情報の設定処理へと移行する(ステップS104)。
覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121からの覚醒度の段階を示す情報を取得すると、現在は起動したばかりであり、まだ覚醒促進情報を出力していない状態であるため(S200のNo)、取得した覚醒度の段階に基づき、覚醒促進情報の設定を行う。
【0062】
具体的に、ドライバの覚醒度が第2段階(少し眠い)であれば(S208のYes)、覚醒促進情報Aを設定し(S210)、ドライバの覚醒度が第3段階(眠い)であれば(S212のYes)、覚醒促進情報Bを設定する(S214)。
一方、ドライバの覚醒度が第1段階であると判定した場合は、ドライバが覚醒状態であるため、覚醒促進情報の出力が不要であると判定する(S208のNo,S212のNo)。
【0063】
なお、最初から第4段階であると判定した場合は、泥酔状態で運転しようとしている等のドライバが正常に運転できる状態では無い可能性が高い。このため、別途、音声等による呼びかけを行った後に発進前であれば運転を行えないようにする等の処置を行う。
ここでは、一例として覚醒度が第3段階であると判定されたとする(S212のYes)。
【0064】
覚醒促進情報出力部123は、覚醒度が第3段階であると判定すると、覚醒促進情報Bを設定する(S214)。
このようにして、覚醒促進情報の設定処理が完了すると、次に、モード設定処理へと移行する(ステップS106)。
モード設定部125は、覚醒促進情報が出力されていない状態であるため(S300のNo)、次に、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S330)。ここでは、OFF状態であるとして(S330のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードを設定する(S334)。
【0065】
引き続き、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定する(S336)。ここでは、ON状態であるとして(S336のYes)、モード設定部125は、車間距離維持支援モードを設定する(S338)。
このようにして、モード設定処理が完了すると、次に、出力処理へと移行する(S108)。
【0066】
覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報Bが設定されているので、覚醒促進情報Bを出力するための制御信号(画像信号及び音響信号)を、ディスプレイ203及びオーディオ機器215に出力する。これと同時に、覚醒促進情報出力部123は、覚醒情報の出力開始からの経過時間の測定を開始する。覚醒促進情報出力部123は、測定した経過時間情報を、モード設定部125に出力する。
これにより、ディスプレイ203には、図7に例示するような、複数種類のタスクの中から、ドライバに実行するタスクを選択させるタスクメニュー画面が表示される。この画面表示に合わせて、オーディオ機器215のスピーカからは、例えば、メニューの選択を促す音声メッセージ等が出力される。
【0067】
一方、車線逸脱警報制御部141は、車線逸脱警報モードが設定されているので、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報に基づき、車幅方向の自車位置を演算する。そして、車線逸脱警報制御部141は、車幅方向の自車位置の演算結果等に基づき、予め設定した逸脱許容位置範囲との比較を行い、自車両が走行車線を逸脱する可能性があるか否かを判定する。本実施形態では、自車両がこの逸脱許容位置範囲外に位置(移動)することで逸脱の可能性があると判定する。逸脱する可能性があると判定した場合は、警報器212に警報音を発生するように制御信号を出力する。一方、自車位置が逸脱許容位置範囲内に位置しており、逸脱する可能性が無いと判定した場合は、引き続き、自車位置の演算処理及び逸脱可能性の有無を判定する処理を繰り返し行う。
【0068】
また、車間距離維持支援制御部133は、車間距離維持支援モードが設定されているので、レーザスキャナ204及び205から送信された情報と、車輪速センサ206から送信された検出信号とに基づき、先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を演算する。そして、車間距離維持支援制御部133は、演算した車間距離及び相対速度と、アクセルセンサ301及びブレーキセンサ303の検出信号とに基づき、先行車両と自車両との車間時間を、予め設定した目標車間時間に維持するための制御信号をブレーキアクチュエータ207及びアクセルペダルアクチュエータ214に出力する。
【0069】
これにより、先行車両との車間時間を目標車間時間(目標車間距離)に維持する運転支援が行われる。
このようにして、出力処理が完了すると、再び覚醒度算出処理へと移行する(S102)。
覚醒度算出部121は、ドライバカメラ211からの覚醒度算出用画像データに基づき覚醒度を算出すると共に覚醒度の段階を確定し、確定した覚醒度の段階を示す情報を、覚醒促進情報出力部123及びモード設定部125にそれぞれ出力する。ここでは、覚醒度が第3段階に確定したとする。
【0070】
次に、覚醒促進情報の設定処理へと移行する(S104)。覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報が出力されている状態であるので(S200のYes)、覚醒促進情報を出力してから、予め設定した時間(例えば、覚醒促進情報Bを出力中の場合は5分)が経過したか否かを判定する(S202)。ここでは、経過していないと判定したとする(S202のNo)。
次に、モード設定処理へと移行する(S106)。モード設定部125は、覚醒促進情報が出力されている状態であるので(S300のYes)、覚醒促進情報を出力してから、予め設定した時間が経過したか否かを判定する(S302)。ここでは、経過していないと判定したとする(S302のNo)。
【0071】
次に、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S318)。現在OFF状態になっているので(S318のNo)、モード設定部125は、現在設定されている車線逸脱警報モードを、車線維持支援モードへと変更する(S322)。このとき、本実施形態では、車線維持支援設定スイッチ213をOFF状態にしたまま車線維持支援モードへと変更する。
【0072】
次に、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定する(S336)。現在ON状態になっているので(S324のYes)、モード設定部125は、現在設定されている車間距離維持支援モードの設定をそのまま維持する(S326)。
なお、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態であり、車線維持支援モードが設定されている場合は(S318のYes)、車線維持支援モードの設定をそのまま維持する(S320)。
【0073】
また、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がOFF状態であり接近警報モードが設定されている場合は(S324のNo)、接近警報モードを車間距離維持支援モードに変更する(S328)。このとき、本実施形態では、車間距離維持支援設定スイッチ216をOFF状態にしたまま車間距離維持支援モードへと変更する。
つまり、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過していない期間は、運転支援設定スイッチのON/OFF状態に関係なく、車線維持支援モード及び車間距離維持支援モードを設定する。
【0074】
これにより、車線維持支援制御部131は、車線維持支援モードが設定されているので、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報に基づき、車幅方向の自車位置を演算する。そして、車線維持支援制御部131は、車幅方向の自車位置の演算結果とステアリングセンサ302から送信された検出信号とに基づき、自車位置を設定した目標位置(例えば、走行車線の中央位置)に維持するための制御信号をステアリングアクチュエータ208に出力する。
【0075】
これにより、車幅方向の自車位置を目標位置に維持する運転支援が行われる。
一方、車間距離維持支援制御部133は、車間距離維持支援モードが設定されているので、引き続き、上記した自車両と先行車両との車間時間を目標車間時間以上に維持する運転支援を行う。
このように、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過していない期間は、ドライバがディスプレイ203に表示されたタスクメニューからいずれかのタスクを操作ユニット(リモコン等)の操作やマイクを介した音声入力等によって選択している最中である可能性が高い。そのため、自車両の走行を安定させるべく走行車線の逸脱や先行車両との急接近などを回避するための運転支援を行う。
【0076】
そして、覚醒度算出処理を経て覚醒促進情報の設定処理へと移行し、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過したと判定したとする(S202のYes)。覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121から取得した覚醒度の段階を示す情報に基づき、覚醒度が改善したか否かを判定する(S204)。ここでは、例えば、ドライバのタスクの選択操作及び実行されたタスクによって、ドライバの覚醒度が第3段階から第1段階へと変化し、覚醒度が改善したと判定したとする(S204のYes)。これにより、覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報の出力判定フラグをOFFに設定する(S206)。
【0077】
次に、モード設定処理へと移行し、モード設定部125は、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過しているので(S302のYes)、次に、覚醒度算出部121からの覚醒度の段階に基づき、ドライバの覚醒度が改善しているか否かを判定する(S304)。
ここでは、ドライバの覚醒度は改善しているので(S304のYes)、モード設定部125は、次に、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S330)。ここでは、OFF状態であるので(S330のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードを設定する(S334)。このとき、覚醒促進情報の出力に応じて車線維持支援モードが優先的に設定されているので、車線維持支援モードを車線逸脱警報モードへと変更することになる。
【0078】
次に、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定する(S336)。ここでは、ON状態であるので(S336のYes)、モード設定部125は、車間距離維持支援モードを設定する(S338)。
これにより、覚醒促進情報の出力前に当初設定されていた運転支援設定スイッチの状態に応じたモードで自車両の運転支援制御が行われる。
【0079】
次に、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過してもドライバの覚醒度が改善しなかった場合の動作を説明する。
この場合は、覚醒促進情報の設定処理において、覚醒促進情報出力部123は、覚醒度が改善していないと判定して(S204のNo)、モード設定処理へと移行する。そして、モード設定部125においても、覚醒度が改善していないと判定する(S304のNo)。
この判定により、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S306)。現在OFF状態であるので(S306のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードの設定をそのまま維持する(S310)。
【0080】
次に、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定する(S312)。現在ON状態ではあるが(S312のYes)、モード設定部125は、車間距離維持支援モードを、接近警報モードへと変更する(S314)。
なお、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態であり、車線維持支援モードが設定されている場合は、車線維持支援モードを車線逸脱警報モードへと変更する。
同様に、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がOFF状態であり接近警報モードが設定されている場合は、接近警報モードの設定をそのまま維持する。
【0081】
つまり、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過しても覚醒度が改善しなかった場合は、運転支援設定スイッチのON/OFF状態に関係なく、車線逸脱警報モード及び接近警報モードを設定する。
これにより、車線逸脱警報制御部141は、車線逸脱警報モードが設定されているので、上記同様に、車幅方向の自車位置の演算処理及び逸脱可能性の有無を判定する処理を繰り返し行う。そして、車線逸脱警報制御部141は、逸脱可能性が有ると判定した場合に警報器212に警報音を発生するように制御信号を出力する。
【0082】
一方、接近警報制御部143は、接近警報モードが設定されているので、レーザスキャナ204及び205から送信された情報と、車輪速センサ206から送信された検出信号とに基づき、先行車両と自車両との車間距離及び相対速度を演算する。接近警報制御部143は、演算した車間距離及び相対速度から車間時間を演算し、この車間時間と予め設定した許容車間時間との比較を行う。接近警報制御部143は、この比較結果に基づき、自車両が先行車両に接近して追突する可能性があるか否かを判定する。自車両が追突する可能性があると判定した場合は、警報器212に警報音を発生するように制御信号を出力する。一方、追突する可能性が無いと判定した場合は、引き続き、先行車両と自車両との車間距離及び相対速度の演算処理、車間時間の演算処理、並びに追突可能性の有無を判定する処理を繰り返し行う。
【0083】
そして、警報音の発生等によって、ドライバの覚醒度が改善した場合は、上記改善したときと同様に、運転支援設定スイッチの当初の設定状態に応じたモード設定が行われる。
ここで、上記説明において、覚醒度算出部121は、覚醒度算出手段を構成する。覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報促進手段を構成する。モード設定部125は、モード設定手段を構成する。運転支援制御部127は、運転支援手段を構成する。警報発生制御部129は、警報発生手段を構成する。覚醒度の段階について、第1段階は第1段階に、第2段階及び第3段階は第2段階に、第4段階は第3段階にそれぞれ該当する。
【0084】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)覚醒度算出部121は、ドライバの覚醒度を算出する。覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121で算出したドライバの覚醒度が、予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を出力する。モード設定部125は、覚醒促進情報出力部123が、覚醒促進情報を出力したと判定すると、ドライバの運転操作を支援する運転支援モードに設定し、覚醒促進情報を出力したと判定後に、ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、ドライバに対して警報を発生する警報モードに設定する。運転支援制御部127は、運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように車両の運転を制御する。警報発生制御部129は、警報モードの設定に応じて、車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定するとドライバに対して警報を発生する。
【0085】
例えば、ディスプレイへの画像出力、スピーカからの音声出力等、覚醒促進情報出力部123が覚醒促進情報を出力したと判定すると、自車両の車幅方向の位置を目標位置に維持する運転支援制御、先行車両と自車両との車間時間を目標車間時間に維持する運転支援制御等を実行する運転支援モードの設定を行うようにした。また、覚醒促進情報の出力後において、例えば、覚醒度の状態が覚醒促進情報の出力開始時の状態から低下した状態になったと判定すると、車線逸脱の可能性があるときにドライバに対して警報音を発生したり、先行車両との追突の可能性があるときにドライバに対して警報音を発生する警報モードの設定を行うようにした。
【0086】
これによって、覚醒促進情報の出力期間において、車線維持や車間時間(車間距離)維持等を支援する運転支援制御を行うことができるので、該期間における車両の走行安定性を確保することが可能となる。更に、覚醒促進情報を出力しても、ドライバの覚醒度の状態が低下した状態に推移するような場合に、運転支援制御といったシステム依存の走行制御を行わずに、車線逸脱の可能性や先行車両との追突の可能性が生じたときに警報を発生することができる。これによって、システム依存度を減らしつつ、リスク回避効果及び覚醒効果の高い措置を行うことが可能となる。
【0087】
(2)運転支援制御部127は、車両の走行車線内での位置を目標位置で維持するように車両の運転を制御する機能と、車両の先行車両との車間時間を目標車間時間で維持するように車両の運転を制御する機能とのうち少なくとも一方の機能を有する。
覚醒促進情報の出力期間において、車線維持及び車間時間維持の少なくとも一方の運転支援を行うようにしたので、該期間における車線維持による走行安定性及び車間時間(車間距離)維持による走行安定性の少なくとも一方を確保することが可能となる。
【0088】
(3)覚醒促進情報出力部123は、ドライバの覚醒度が覚醒促進条件に合致したと判定すると、覚醒促進情報としてドライバに対して応答入力を要求する情報を出力する。
例えば、軽い眠気から重度の眠気へと移行する途中の覚醒状態のときに、ドライバに対して、操作ユニットを介した操作入力やマイクを介した音声入力等の応答入力を要求する情報を出力するようにした。これによって、単に覚醒促進用の画面を表示したり、覚醒促進用の音声を出力したりするよりもドライバの覚醒を強く促すことが可能となる。
また、このような応答入力を行っている最中において、運転支援を行うことができるので、応答入力時の車両の走行安定性を確保することが可能となる。
【0089】
(4)覚醒促進情報出力部123は、覚醒度の強さに応じてドライバの覚醒状態を、覚醒している状態を示す第1段階と、重度の眠気を感じている又は居眠りをしている状態を示す第3段階と、第1段階と第3段階の中間の眠気を感じている状態を示す第2段階との少なくとも3つの段階に分類する。覚醒促進情報出力部123は、ドライバの覚醒度が、第2段階に属すると判定すると、覚醒促進条件に合致したと判定する。
【0090】
ドライバが覚醒状態においては、覚醒促進情報の出力を行っても無意味である。また、ドライバが重度の眠気を感じている状態又は居眠りをしている状態においては、ドライバの痛覚に訴えるなどのもっと直接的かつ即効的な眠気覚ましを行う必要がある。従って、これらの中間の眠気を感じている状態時において、覚醒促進情報を出力するようにしたので、的確な覚醒促進を行うことが可能となる。
また、ドライバが第2段階の覚醒状態時において、運転支援モードを設定するようにしたので、ドライバがある程度の運転操作を行える状態時に運転支援が行われるようになる。これにより、的確なタイミングでの運転支援を行うことが可能となる。
【0091】
(5)モード設定部125は、覚醒促進情報を出力したと判定してから予め設定した時間が経過するまでの期間は運転支援モードを設定し、設定した時間を経過後は、ドライバの覚醒度が予め設定した第1覚醒度以上に増加していると判定すると、覚醒促進情報の出力前に設定していたモードを設定する。
覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過するまでは運転支援モードを優先して設定し、予め設定した時間を経過後に、覚醒度が第1覚醒度以上に改善しているときに、当初設定されていたモードに復帰するようにした。これによって、ドライバが手動操作によってモード設定をやり直すといった煩わしさを低減することが可能となる。
【0092】
(6)モード設定部125は、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過後において、ドライバの覚醒度が予め設定した第2覚醒度以下に低下していると判定すると、警報条件に合致したと判定する。
覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過するまでは運転支援モードを優先して設定し、予め設定した時間を経過後に覚醒度が第2覚醒度以下に低下しているときに、警報モードを優先して設定するようにした。これによって、覚醒促進情報の出力では覚醒度を改善できない状態のときに、運転支援制御といったシステム依存の走行制御を行わずに、車線逸脱の可能性や先行車両との追突の可能性が生じたときに警報を発生することができる。これによって、眠気が比較的強い状態のときに、システム依存度を減らしつつ、リスク回避効果及び覚醒効果の高い措置を行うことが可能となる。
【0093】
(7)覚醒度算出部121は、ドライバの少なくとも眼部分を含む撮影画像に基づきドライバの眼の開閉状態を検出し、検出した開閉状態に基づき覚醒度を算出する。
人の眼の瞬きの状態に基づき覚醒度を算出するようにしたので、精度の高い覚醒度の算出を行うことが可能となる。
(8)覚醒度算出部121は、ドライバの運転操作によって発生する信号である車両操作信号に基づき覚醒度を算出する。
ドライバの運転操作によって発生する車両操作信号に基づき覚醒度を算出するようにしたので、精度の高い覚醒度の算出が行えると共に、ドライバの運転状態に応じた適切な運転支援モードを設定することが可能となる。
【0094】
(変形例)
(1)上記実施形態において、運転支援制御として、車線維持支援制御及び車間距離維持支援制御の2種類の支援制御を行う構成を説明したが、この構成に限らない。例えば、いずれか一方の支援制御を行う構成、車速制限制御、定速走行制御等の別の支援制御を行う構成、別の支援制御との組み合わせなど他の構成としてもよい。
【0095】
(2)上記実施形態において、覚醒促進情報の出力後において、予め設定した時間が経過するまでは、車線維持支援制御及び車間距離維持支援制御の双方の運転支援制御を実施するモード設定を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、予め設定した期間が経過するまで、いずれか一方の運転支援制御だけを実施するモード設定を行う構成としてもよい。この構成において、例えば、複数種類の運転支援制御のうち、覚醒度算出時の車両操作信号の内容に応じて決定した運転支援制御を選択的に実施するようにしてもよい。なお、選択的に実施するにあたって、3種類以上の運転支援制御のうち2種類以上を選択する場合も含む構成としてもよい。
【0096】
(3)上記実施形態において、覚醒度の段階を覚醒度の大きさに応じて4段階に分類する構成としたが、この構成に限らない。例えば、覚醒度の段階を3つの段階に分類する構成としてもよいし、5段階以上に分類する構成としてもよい。なお、5段階上に分類する場合は、例えば、上記実施形態における第2段階及び第3段階をより細かく分類する。
【0097】
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
100 運転支援装置
101 ECU
110 運転支援機能構成部
121 覚醒度算出部
123 覚醒促進情報出力部
125 モード設定部
127 運転支援制御部
129 警報発生制御部
131 車線維持支援制御部
133 車間距離維持支援制御部
141 車線逸脱警報制御部
143 接近警報制御部
202 メモリ
203 ディスプレイ
204,205 レーザスキャナ
206 車輪速センサ
207 ブレーキアクチュエータ
208 ステアリングアクチュエータ
209,210 CCDカメラ
211 ドライバカメラ
212 警報器
213 車線維持支援設定スイッチ
214 アクセルペダルアクチュエータ
215 オーディオ機器
216 車間距離維持支援設定スイッチ
301 アクセルセンサ
302 ステアリングセンサ
303 ブレーキセンサ
401 駆動ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7