特許第5832941号(P5832941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5832941
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】ヒートポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20151126BHJP
   F24H 9/06 20060101ALI20151126BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20151126BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20151126BHJP
【FI】
   F24H9/02 301A
   F24H9/06 301B
   F24H1/00 611F
   F24F5/00 L
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-63570(P2012-63570)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-195004(P2013-195004A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 孝二
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−075276(JP,A)
【文献】 特開2006−275322(JP,A)
【文献】 特開2012−037162(JP,A)
【文献】 特開2005−147620(JP,A)
【文献】 特開2001−082397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00− 9/20
F24H 1/00
F24F 5/00
F04B53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒と水とを熱交換させる水熱交換器と、
冷媒と外気とを熱交換させる空気熱交換器と、
前記水熱交換器に水を供給するためのポンプと、
前記水熱交換器、前記空気熱交換器および前記ポンプが収容された筺体とを備えたヒートポンプユニットであって、
前記筺体は、前記空気熱交換器の下方に配置された底板を含み、
前記底板は、その周縁の少なくとも一部に上方に向けて立設された縁曲げ部を有し、
前記縁曲げ部は、前記ポンプを支持するためのポンプ支持部を含み、
前記ポンプが、高さ方向に沿って前記底板の内底面から離間した状態で前記ポンプ支持部に固定されている、ヒートポンプユニット。
【請求項2】
前記縁曲げ部は、前記底板の内底面を平面視した場合に、前記ポンプ支持部が設けられた第1縁曲げ部と、前記第1縁曲げ部が延びる方向とは異なる方向に沿って延びる第2縁曲げ部とを含み、
前記第1縁曲げ部の端部と前記第2縁曲げ部の端部とが連続するように、前記第1縁曲げ部および前記第2縁曲げ部が連設されている、請求項1に記載のヒートポンプユニット。
【請求項3】
前記筺体は、略直方体形状を有し、前記空気熱交換器に外気を導入するための吸気口が設けられた背面側であってかつ前記底板が位置する下端側の角部の一方に凹状に窪んだ部位を有し、
前記第1縁曲げ部が、前記凹状に窪んだ部位に対応する部分の前記底板の周縁に位置している、請求項に記載のヒートポンプユニット。
【請求項4】
前記ポンプの少なくとも一部が、前記凹状に窪んだ部位の上方に配置されている、請求項に記載のヒートポンプユニット。
【請求項5】
前記凹状に窪んだ部位に対応する部分の前記底板の周縁に、さらに前記第2縁曲げ部が位置している、請求項またはに記載のヒートポンプユニット。
【請求項6】
前記筺体に前記凹状に窪んだ部位を設けることにより、前記凹状に窪んだ部位の上面を規定する部分によって持ち手が構成されている、請求項からのいずれかに記載のヒートポンプユニット。
【請求項7】
前記筺体の内部に外気を導入するための補助吸気口が、前記凹状に窪んだ部位に設けられている、請求項からのいずれかに記載のヒートポンプユニット。
【請求項8】
前記筺体は、前記凹状に窪んだ部位に沿ってこれを覆う樹脂製のカバー部材をさらに含み、
前記カバー部材が、前記底板に固定されている、請求項からのいずれかに記載のヒートポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯機に具備されるヒートポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプ給湯機は、圧縮機、水熱交換器、膨張弁、空気熱交換器等からなるヒートポンプサイクルが設けられたヒートポンプユニットと、上記水熱交換器に供給するための水および当該水熱交換器において沸きあげられた湯を一時的に貯留する貯留タンクが設けられたタンクユニットとによって主として構成される。
【0003】
このうち、ヒートポンプユニットには、上述した圧縮機、水熱交換器、膨張弁、空気熱交換器に加え、貯留タンクに貯留された水を上記水熱交換器に供給するとともに、当該水熱交換器において沸きあげられた湯を貯留タンクに戻すためのポンプが設けられる。
【0004】
一般に、ヒートポンプユニットは、底板と天板と側板とを有する箱状の筺体を備えており、これら底板、天板および側板によって規定される筺体の内部空間に上述した圧縮機、水熱交換器、膨張弁、空気熱交換器、ポンプ等が収容されて構成される。ここで、ポンプや各種の電装部品は、筺体の底板(通常は、ドレンパンを兼ねる)上に溜まる水(専ら結露水)による損傷や漏電を避けるため、筺体の底板よりも高所に設置される場合が多い。
【0005】
特に、上述したポンプは、水熱交換器が筺体の底板上に設置される都合上、底板上の位置の近傍に設置されることが必要になる。そのため、当該ポンプは、底板上に溜まる水の影響を避けるため、アングル等の支持部材を用いて底板よりも高所に設置されるように構成されることが一般的である。
【0006】
たとえば、特開平7−151355号公報(特許文献1)には、温水を循環させるためのポンプを備えた空気調和機用熱交換ユニットにおいて、当該ポンプを支持する取付具(上記支持部材に相当)を筺体の底板に設けられた突出部上にネジ留めすることにより、ポンプを底板よりも高所に設置可能とした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−151355号公報(特に図12ないし図17等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した如くの支持部材を用いたポンプの組付構造を採用した場合には、プレス加工等によって個別に底板および支持部材を成形し、ヒートポンプユニットの組み立ての際に底板に支持部材を固定し、さらに支持部材にポンプを固定するという手順を踏むことが必要となってしまう。そのため、組付作業が煩雑になるといった問題や、部品点数が多いために製造コストが圧迫されてしまうといった問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、低コストにかつ容易に製造することができるヒートポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づくヒートポンプユニットは、冷媒と水とを熱交換させる水熱交換器と、冷媒と外気とを熱交換させる空気熱交換器と、上記水熱交換器に水を供給するためのポンプと、上記水熱交換器、上記空気熱交換器および上記ポンプが収容された筺体とを備えている。上記筺体は、上記空気熱交換器の下方に配置された底板を含んでおり、上記底板は、その周縁の少なくとも一部に上方に向けて立設された縁曲げ部を有している。上記縁曲げ部は、上記ポンプを支持するためのポンプ支持部を含んでおり、上記ポンプは、高さ方向に沿って上記底板の内底面から離間した状態で上記ポンプ支持部に固定されている。
【0012】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記縁曲げ部が、上記底板の内底面を平面視した場合に、上記ポンプ支持部が設けられた第1縁曲げ部と、上記第1縁曲げ部が延びる方向とは異なる方向に沿って延びる第2縁曲げ部とを含んでいることが好ましく、その場合には、上記第1縁曲げ部の端部と上記第2縁曲げ部の端部とが連続するように、上記第1縁曲げ部および上記第2縁曲げ部が連設されていることが好ましい。
【0013】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記筺体が、略直方体形状を有するとともに、上記空気熱交換器に外気を導入するための吸気口が設けられた背面側であってかつ上記底板が位置する下端側の角部の一方に凹状に窪んだ部位を有していることが好ましく、その場合には、上記第1縁曲げ部が、上記凹状に窪んだ部位に対応する部分の上記底板の周縁に位置していることが好ましい。
【0014】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記ポンプの少なくとも一部が、上記凹状に窪んだ部位の上方に配置されていることが好ましい。
【0015】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記凹状に窪んだ部位に対応する部分の上記底板の周縁に、さらに上記第2縁曲げ部が位置していることが好ましい。
【0016】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記筺体に上記凹状に窪んだ部位を設けることにより、上記凹状に窪んだ部位の上面を規定する部分によって持ち手が構成されていることが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記筺体の内部に外気を導入するための補助吸気口が、上記凹状に窪んだ部位に設けられていることが好ましい。
【0018】
上記本発明に基づくヒートポンプユニットにあっては、上記筺体が、上記凹状に窪んだ部位に沿ってこれを覆う樹脂製のカバー部材をさらに含んでいることが好ましく、その場合には、上記カバー部材が、上記底板に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低コストにかつ容易に製造することができるヒートポンプユニットとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットを具備したヒートポンプ給湯機のシステム構成図である。
図2】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットの背面側斜視図である。
図3】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットの筺体内部の構造を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットのポンプの組付構造を示す正面側斜視図である。
図5】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットのポンプの組付構造を示す背面側斜視図である。
図6】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットの底板に設けられたポンプ支持部の形状を示す背面側斜視図である。
図7】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットのポンプの組付手順を説明するための図である。
図8】本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットのカバー部材の形状および組付構造を示す背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態におけるヒートポンプユニットを具備したヒートポンプ給湯機のシステム構成図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100が具備されるヒートポンプ給湯機1のシステム構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、ヒートポンプ給湯機1は、ヒートポンプユニット100と、タンクユニット200とによって主として構成されている。ヒートポンプユニット100は、圧縮機120、水熱交換器130、膨張弁140、空気熱交換器150等からなるヒートポンプサイクルを主として備えており、タンクユニット200は、貯留タンク210を主として備えている。
【0024】
ヒートポンプユニット100に設けられたヒートポンプサイクルは、冷媒が循環される冷媒循環路と、冷媒を圧縮する圧縮機120と、冷媒と水とを熱交換させる水熱交換器130と、冷媒を膨張させる膨張弁140と、冷媒と外気とを熱交換させる空気熱交換器150と、ヒートポンプユニット100の外部から外気を吸気し、これを空気熱交換器150に向けて送風する吸気ファン160とを含んでいる。
【0025】
ヒートポンプサイクルにおいては、圧縮機120において圧縮されて吐出された高温高圧の冷媒が、水熱交換器130において水と熱交換されて冷却された後に、膨張弁140に流入する。膨張弁140において膨張されて吐出された低温低圧の冷媒は、空気熱交換器150において外気と熱交換されることで吸熱して気化し、その後圧縮機120に再度流入する。
【0026】
ここで、ヒートポンプサイクルにおいて使用される冷媒としては、たとえばCO2冷媒に代表される如くの炭酸ガス冷媒や、R410A冷媒に代表される如くのHFC冷媒等が挙げられる。
【0027】
また、ヒートポンプユニット100には、水熱交換器130に供給するための水および水熱交換器130において沸きあげられた湯を排出するための水流通路が設けられており、当該水流通路は、水熱交換器130に接続されている。水流通路には、上述した水および湯を流通させるためのポンプ170が設けられている。
【0028】
なお、ヒートポンプユニット100には、上述した各種の構成部品に加え、これら各種の構成部品の動作を制御する図示しない電装部品が設けられている。
【0029】
一方、タンクユニット200は、水および湯を貯留するための貯留タンク210を備えており、当該貯留タンク210は、上述したヒートポンプユニット100に設けられた水流通路に接続されている。これにより、上述したヒートポンプユニット100に設けられポンプ170が駆動されることにより、貯留タンク210に貯留された水が水熱交換器130に供給され、当該水熱交換器130において冷媒と熱交換することで加熱されて湯に沸きあげられ、その後貯留タンク210に戻されることになる。
【0030】
また、貯留タンク210は、タンクユニット200の外部に設置された給水口300に接続されており、これにより貯留タンク210には、給水口300を介して外部から水が供給されることになる。さらに、貯留タンク210は、タンクユニット200の外部に設置された給湯口400に接続されており、これにより貯留タンク210に貯留された湯が、給湯口400を介して外部に供給されることになる。
【0031】
また、タンクユニット200には、貯留タンク210と給水口300とを接続する給水路と、貯留タンク210と給湯口400とを接続する給湯路との間を接続するバイパス路が設けられており、当該バイパス路と給湯路との接続箇所に三方弁220がさらに設けられている。これにより、三方弁220において湯と水とが混合されることになり、その混合比を調整することで給湯温度の調整が行なわれることになる。
【0032】
図2は、本実施の形態におけるヒートポンプユニットの背面側斜視図であり、図3は、ヒートポンプユニットの筺体内部の構造を示す図である。次に、これら図2および図3を参照して、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100の具体的な構造について説明する。なお、図3は、ヒートポンプユニット100に具備される筺体110の一部を取り外した状態を示したものである。
【0033】
図2および図3に示すように、ヒートポンプユニット100は、金属製の筺体110を備えており、当該筺体110は、底板111、天板112および側板113を含む略直方体形状の箱状の形状を有している。このうち、側板113は、正面側に位置する前板と、背面側に位置する背板と、正面側から見て右側に位置する右側板と、正面側から見て左側に位置する左側板とを有している。上述した圧縮機120、水熱交換器130、膨張弁140、空気熱交換器150、吸気ファン160およびポンプ170は、いずれも筺体110の内部空間に収容されている。
【0034】
図2に示すように、筺体110は、その背面側であってかつ底板111が位置する下端側の角部の一方である右下奥側の角部に凹状に窪んだ部位を有しており、当該凹状に窪んだ部位は、樹脂製のカバー部材115によって覆われている。当該カバー部材115によって覆われた凹状に窪んだ部位は、底板111の対応する部分と、側板113のうちの左側板および背板の対応する部分とをそれぞれ一部切り欠くことで形成されている。なお、当該部分の詳細な構造については、後述することとする。
【0035】
図3に示すように、空気熱交換器150は、平面視略L字状の形状を有しており、筺体110の左側板および背板に面するように底板111上に設置されている。これに対応して、筺体110の背板の空気熱交換器150に面する部分には、外気を取り込むための吸気口113aが設けられている(図2参照)。
【0036】
水熱交換器130は、高さ方向において扁平な略直方体形状を有しており、空気熱交換器150にその背面および左側面が対面するように底板111上に設置されている。
【0037】
水熱交換器130の上方に位置する空間は、隔壁180によって左右の空間に区画されており、その左側の空間に吸気ファン160が設置されており、右側の空間に圧縮機120が設置されている。なお、図には表れていないが、筺体110の前板の吸気ファン160に面する部分には、図示しない排気口が設けられている。
【0038】
ポンプ170は、筺体110の内部空間のうちの背板側の部分であってかつ左側板側の部分の底板111上に設置されている。すなわち、ポンプ170は、上述した筺体110に設けられた凹状に窪んだ部位の近傍に設置されている。ここで、ポンプ170は、高さ方向に沿って底板111の内底面から離間した状態で底板111に組付けられているが、その詳細な組付構造については、後述することとする。
【0039】
また、筺体110の内部空間のうちの上部に位置する空間には、上述した電装部品が設置される電装部品収容部190が位置している。電装部品収容部190は、隔壁180上の位置において隔壁180によって区切られる左右の空間を跨ぐように配置されている。
【0040】
ここで、筺体110の底板111は、上述したように空気熱交換器150の下方に配置されており、空気熱交換器150の表面において生じることで当該空気熱交換器150から滴り落ちる結露水(ドレン水)を受けるドレンパンを兼ねている。すなわち、底板111は、各種の構成部品が組付けられるフレームとして機能するばかりでなく、結露水を受け止めてこれを外部に排出する機能をも果たしている。
【0041】
そのため、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100においては、底板111に溜まった結露水の影響を受けてポンプ170が損傷したり漏電したりしてしまうことを避けるべく、上述したようにポンプ170が底板111の内底面よりも高所に設置される構成とされている。以下においては、これを実現するポンプ170の具体的な組付構造および組付手順等について詳説する。
【0042】
図4および図5は、本実施の形態におけるヒートポンプユニットのポンプの組付構造を示す正面側斜視図および背面側斜視図であり、図6は、ヒートポンプユニットの底板に設けられたポンプ支持部の形状を示す背面側斜視図である。また、図7は、本実施の形態におけるヒートポンプユニットのポンプの組付手順を説明するための図である。なお、図7においては、ポンプの組付け前の状態を(A)に示しており、ポンプの組付け後の状態を(B)に示している。
【0043】
図4ないし図6に示すように、底板111は、金属製のプレス成形品からなり、その周縁にプレス加工の一種である折り曲げ加工または切り曲げ加工が施されることで上方に向けて立設された縁曲げ部111aを有する板状の部材にて構成されている。ここで、底板111としては、一般的な鋼板を利用して製作することが可能である。
【0044】
縁曲げ部111aは、上述した結露水が底板111から溢れ出すことを防止するためのものであるとともに、底板111と側板113とを固定するための固定しろとなるものである。上述した結露水の溢れ出しを防止する観点から、縁曲げ部111aは、底板111の周縁に沿って全周囲に設けられることが好ましい。
【0045】
本実施の形態においては、上述したように、筺体110に設けられた凹状に窪んだ部位に対応する部分の底板111が切り欠かれることにより、当該部分が平面視略L字状の内側に入り込んだ周縁部を有することになるが、当該周縁部においても、上述した折り曲げ加工または切り曲げ加工が施されることにより、上方に向けて立設された縁曲げ部111aが形成されている。
【0046】
なお、折り曲げ加工とは、金属製の板状の部材の周縁に切れ目を入れることなくこれを曲げることで成形するプレス加工の一種であり、切り曲げ加工とは、金属製の板状の部材の周縁に切れ目を入れた上でこれを曲げることで成形するプレス加工の一種である。これら加工のうち、切り曲げ加工を利用することとすれば、金属製の板状の部材の周縁から内方に入り込んだ位置においても、所定の高さの縁曲げ部(立ち上がり部)を形成することが可能になる。
【0047】
ここで、図6に示すように、底板111の上記平面視略L字状の内側に入り込んだ周縁部に設けられた一対の縁曲げ部111aのうちの一方には、ポンプ支持部111bが設けられている。ポンプ支持部111bは、縁曲げ部111aの上端部分をさらに上方に向けて延設することで形成されており、当該ポンプ支持部111bには、ポンプ170を取付けるための取付用孔111cが穿設されている。
【0048】
上記平面視略L字状の内側に入り込んだ周縁部に設けられた一対の縁曲げ部111aのうち、ポンプ支持部111bが設けられた方の縁曲げ部111aは、第1縁曲げ部に該当し、ポンプ支持部111bが設けられていない方の縁曲げ部111aは、第2縁曲げ部に該当する。これら第1縁曲げ部および第2縁曲げ部は、平面視した場合に互いに異なる方向に沿って延びており、その端部同士が連続するように連設されている。
【0049】
このように構成することにより、ポンプ支持部111bが設けられた第1縁曲げ部の厚みが薄い場合にも、当該第1縁曲げ部と上記第2縁曲げ部とが交差した状態で連続して設けられることになるため、水平方向におけるいずれの方向においても第1縁曲げ部の剛性が高められることになり、ポンプ170の組付強度を確保することが可能になる。その結果、ポンプ170が駆動した際に底板111に振動が生じることが抑制でき、ヒートポンプユニット100の静穏化が実現できることになる。
【0050】
なお、上述した第1縁曲げ部の端部と第2縁曲げ部の端部とが連続する部分は、ポンプ支持部111bが設けられた部位の近傍とされることが好ましい。このように構成することにより、第1縁曲げ部の剛性をより高めることが可能になる。
【0051】
図4図5および図7に示すように、ポンプ170は、上述した取付用孔111cを用いて締結手段としてのネジ172を介してポンプ支持部111bに組付けられる。具体的には、図7に示すように、ポンプ170の所定位置には、予めネジ孔171が設けられており、当該ネジ孔171と上述した取付用孔111cとが合致するようにポンプ170をポンプ支持部111bに位置決めして配置し、その状態においてネジ172を取付用孔111cおよびネジ孔171に挿入して捩じ込むことにより、ポンプ170がポンプ支持部111bに固定される。なお、図5においては、ネジ172の図示を省略している。
【0052】
ここで、図示するように、ポンプ170の少なくとも一部が筺体110の上記凹状に窪んだ部位の上方に配置されることとなるように構成すれば、筺体110の内部空間の有効利用が可能になり、ヒートポンプユニット100の体格が大型化してしまうことが防止できる。また、ポンプ170の下面がポンプ支持部111bの上端に当接した状態でポンプ170がポンプ支持部111bに固定される組付構造とすれば、組付けの際の位置決めが容易となるとともに、組付け後においてポンプ170が安定的にポンプ支持部111bによって支持されることになる。
【0053】
また、上述したように、ポンプ支持部111bは、縁曲げ部111aの上端部分をさらに上方に向けて延設することで形成されているため、ポンプ支持部111bに組付けられるポンプ170の高さを嵩上げすることができる。したがって、縁曲げ部111aの高さが不足することでポンプ170を底板111の内底面から十分に離間させることができない場合にも、当該構成を採用することでその問題の解決を図ることができる。ただし、縁曲げ部111aの高さが不足していない場合には、当然に縁曲げ部111aを上方に延設することなくポンプ支持部111bを縁曲げ部111aに設けてもよい。
【0054】
なお、上述したポンプ支持部111bが設けられた第1縁曲げ部およびポンプ支持部111bが設けられていない第2縁曲げ部の大きさや形状は、特に限定されるものではないが、一例として、第1縁曲げ部および第2縁曲げ部が直交するように配置し、第1縁曲げ部の水平方向における長さを100mmとし、第2縁曲げ部の水平方向における長さを50mmとし、第1縁曲げ部の高さを50mmとし、第1縁曲げ部および第2縁曲げ部の厚みを約1.5mmとした場合に、十分にポンプ170の組付強度が確保できることが確認されている。
【0055】
図8は、本実施の形態におけるヒートポンプユニットのカバー部材の形状および組付構造を示す背面側斜視図である。次に、この図8を参照して、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100に具備されるカバー部材115の形状および組付構造等について説明する。
【0056】
図8に示すように、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100においては、上述した筺体110に設けられた凹状に窪んだ部位に沿ってこれを覆う樹脂製のカバー部材115が設けられている。当該カバー部材115は、筺体110の一部を構成するものであり、底板111に組付けられている。
【0057】
具体的には、カバー部材115の所定位置には、取付用孔115cが設けられており、カバー部材115が組付けられる部分の底板111の縁曲げ部111aには、予めネジ孔111dが設けられている。組付けに際しては、当該ネジ孔111dと上述した取付用孔115cとが合致するようにカバー部材115を底板111に対して位置決めして配置し、その状態において図示しないネジを取付用孔115cおよびネジ孔111dに挿入して捩じ込むことにより、カバー部材115が底板111に固定される。
【0058】
カバー部材115は、上述した筺体110に設けられた凹状に窪んだ部位に対応した上面、前面および右側面を有する形状を有しており、このうちの前面および右側面に補助吸気口115bを有している。補助吸気口115bは、筺体110の内部に外気を導入するためのものである。なお、補助吸気口115bの形状としては、図示するようなスリット状であってもよいし、メッシュ状に微細な孔がレイアウトされたものであってもよい。
【0059】
ヒートポンプユニット100は、一般に家屋の外壁面に沿って設置される場合が多いため、上記のように構成することにより、雨水の影響を受け難い部位に補助吸気口115bが設けられることになるとともに、圧縮機120や電装部品収容部190に近い位置に補助吸気口115bが設けられることになるため、雨水を含まない外気が当該補助吸気口115bを介して圧縮機120や電装部品収容部190に導入されることになり、効果的にこれらを冷却することが可能になる。
【0060】
また、補助吸気口115bは、筺体110の背板側の位置に設けられているため、筺体110の背板に設けられた吸気口113aを介して空気熱交換器150に導入される外気の量も増加することになる。したがって、上記のように構成することにより、空気熱交換器150に導入される外気の量を増加させることが可能になり、空気熱交換器150において効率的に熱交換が行なえるようにもなる。なお、当該効果をより大きく得るためには、上述した凹状に窪んだ部位を筺体110の背面側のより中央寄りの位置に設けることとすればよい。
【0061】
一方、カバー部材115の上面は、ヒートポンプユニット100の組み立て後や、底板111に各種の構成部品を組付けた組み立て途中において、当該ヒートポンプユニット100またはその仕掛品を搬送する際の持ち手115aとして機能することになる。通常、ヒートポンプユニット100は、相当程度の重量を有するものであるため、上記のように構成することにより、その持ち運びが容易となり、製造の際や施工の際の作業性が大幅に向上することになる。
【0062】
以上において説明したように、本実施の形態におけるヒートポンプユニット100とすることにより、ポンプ170を底板111に固定するために従来必要であったアングル等の支持部材が不要になるため、部品点数が削減できるとともにアングル等の支持部材に別途成形加工等を施すことも必要なくなり、さらにはポンプ170の組付作業も簡素化されることになる。したがって、従来に比して低コストにかつ容易に製造することができるヒートポンプユニットとすることができる。
【0063】
また、上述した本実施の形態におけるヒートポンプユニット100とすることにより、圧縮機120や電装部品収容部190の冷却が効率的に行なえるといった効果や、空気熱交換器150における熱交換効率が向上するといった効果を得ることもできることになり、性能面においてもその向上が図られることになる。
【0064】
さらには、上述した本実施の形態におけるヒートポンプユニット100とすることにより、製造の際や施工の際の持ち運びが容易となり、その作業性が大幅に向上するといった副次的な効果を得ることもできる。
【0065】
なお、上述した本発明の実施の形態においては、底板に切り欠き部を設け、当該切り欠き部が設けられた部分の底板の周縁に位置する縁曲げ部にポンプ支持部を設けた構成とした場合を例示したが、切り欠き部を有しない略矩形状の底板の周縁に位置する縁曲げ部にポンプ支持部を設ける構成とすることも当然に可能である。
【0066】
また、上述した本発明の実施の形態においては、ポンプ支持部に締結手段としてのネジを用いてポンプを固定する組付構造とした場合を例示したが、ボルトやナット等の他の締結手段を用いてポンプを固定することとしてもよいし、締結手段以外の固定手段を用いてポンプを固定することも当然に可能である。
【0067】
また、上述した本発明の実施の形態においては、筺体に凹状に窪んだ部位を設け、当該部位の近傍にポンプを設置することとし、さらに当該部位を樹脂製のカバー部材で覆うように構成した場合を例示したが、側板にカバー部材に相当する部分を設け、当該部分によって凹状に窪んだ部位が覆われるように構成することとしてもよいし、そもそも凹状に窪んだ部位を特には覆わない構成とすることとしてもよい。
【0068】
加えて、上述した本発明の実施の形態においては、筺体の底板を金属製の部材にて構成した場合を例示したが、これを樹脂製の部材にて構成することも当然に可能である。その場合には、縁曲げ部を射出成形等によって成形することとすればよい。
【0069】
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0070】
1 ヒートポンプ給湯機、100 ヒートポンプユニット、110 筺体、111 底板、111a 縁曲げ部、111b ポンプ支持部、111c 取付用孔、111d ネジ孔、112 天板、113 側板、113a 吸気口、115 カバー部材、115a 持ち手、115b 補助吸気口、115c 取付用孔、120 圧縮機、130 水熱交換器、140 膨張弁、150 空気熱交換器、160 吸気ファン、170 ポンプ、171 ネジ孔、172 ネジ、180 隔壁、190 電装部品収容部、200 タンクユニット、210 貯留タンク、220 三方弁、300 給水口、400 給湯口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8