特許第5909794号(P5909794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5909794-ウィンカーシステム 図000005
  • 特許5909794-ウィンカーシステム 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909794
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】ウィンカーシステム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/42 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   B60Q1/42 A
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-282604(P2011-282604)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-132916(P2013-132916A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】大芝 拓真
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−018185(JP,A)
【文献】 特開2007−112327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングの操舵状態に連動させてウィンカー装置を作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行可能なものであり、
前記ウィンカー装置の作動操作を行うための操作手段を有し、
オートキャンセル動作が実行された後、所定時間内に、前記ウィンカー装置が前記オートキャンセル動作の実行前と同一方向に前記操作手段が操作されることを条件として、所定期間に亘って前記オートキャンセル動作の禁止、あるいは前記オートキャンセル動作の実施条件の強化がなされることを特徴とするウィンカーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングの操舵状態に連動させてウィンカー装置を作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行可能なウィンカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているようなウィンカーキャンセル装置が提供されている。このウィンカーキャンセル装置は、ウィンカーがオン状態であり、ヨーレートが所定値未満に減少し、ウィンカーをキャンセルする方向のステアリングの操舵角が所定値以上になり、自車が交差点や分岐点を通過し終わったことを検出し、かつ車速が所定値以上であるときにアクチュエータを作動させ、ウィンカーを強制的にキャンセルすることとしている。これにより、機械的なウィンカーキャンセル装置によってはウィンカーをキャンセルできない場合であっても、ウィンカーをキャンセルできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−59645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているウィンカーキャンセル装置においては、車速が所定速度以上の速度領域である状態において、運転者が意図的にステアリングを切りつつ、ウィンカー装置を作動したまま維持させたい場合であっても、ウィンカー装置がオートキャンセルされてしまうという問題がある。このような場合は、ウィンカー装置がオフ状態になる毎に、運転者が再度ウィンカー装置をオン状態とする操作を行わねばならず、煩わしさに耐えない。
【0005】
また、従来技術のウィンカーシステムにおいては、レーンチェンジ時等の操舵角の小さい運転状況下においてウィンカー装置がオートキャンセルされないこと、あるいは運転者が意図しないタイミングにおいてウィンカー装置がオートキャンセルされてしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、ウィンカー装置のオートキャンセルを運転状況に応じて適切なタイミングにおいて実施するよう、ウィンカー装置の動作を制御可能であるウィンカーシステムの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決すべく提供される本発明のウィンカーシステムは、ステアリングの操舵状態に連動させてウィンカー装置を作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行可能なものであり、前記ウィンカー装置の作動操作を行うための操作手段を有し、オートキャンセル動作が実行された後、所定時間内に、前記ウィンカー装置が前記オートキャンセル動作の実行前と同一方向に前記操作手段が操作されることを条件として、所定期間に亘って前記オートキャンセル動作の禁止、あるいは前記オートキャンセル動作の実施条件の強化がなされることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のウィンカーシステムにおいては、オートキャンセル動作によりウィンカー装置がオートキャンセルされた後、所定時間内にウィンカー装置が再び同一方向に操作されることを条件として、所定期間に亘ってオートキャンセル動作の実施が禁止あるいは制限される。これにより、例えば緩やかなカーブを走行している最中等に、オートキャンセルによってひとたびウィンカー装置がオフ状態になってしまったとしても、所定時間内に同一方向にウィンカー装置をオン状態とすることによりオートキャンセルが頻発することを防止できる。従って、本発明によれば、予期せぬタイミングにおいてウィンカー装置がオートキャンセルされることを防止し、車両の運転状況に応じて適切なタイミングにおいてウィンカー装置のオートキャンセルを実行させることが可能となる。
【0009】
また、本発明のウィンカーシステムは、ステアリングの操舵状態に連動させてウィンカー装置を作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行可能なものであり、前記ウィンカー装置の作動操作を行うための操作手段を有し、前記ウィンカー装置の作動中に、前記操作手段の操作によりウィンカー装置が作動停止状態とされることを条件として、前記オートキャンセル動作の実行条件が緩和されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明のウィンカーシステムにおいては、ウィンカー装置の作動中に操作手段の操作によりウィンカー装置が作動停止状態とされることを条件として、オートキャンセル動作の実行条件を緩和する学習制御が実施される。これにより、学習制御の実施前よりも小さいステアリング操作によりウィンカー装置がオートキャンセルされるようになり、手動操作によりウィンカー装置をオフ状態とせねばならない状態になる頻度を最小限に抑制できる。従って、本発明によれば、車両の運転状況に応じて適切なタイミングにおいてウィンカー装置のオートキャンセルを実行させることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウィンカー装置のオートキャンセルを運転状況に応じて適切なタイミングにおいて実施するよう、ウィンカー装置の動作を制御可能であるウィンカーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るウィンカーシステムの構成を示す説明図である。
図2図1に示すウィンカーシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、本発明の一実施形態に係るウィンカーシステム10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ウィンカーシステム10は、車両がカーブや交差点、分岐点等に差し掛かった際に、運転者が後続車等に車両の旋回方向を示すために用いられるものである。ウィンカーシステム10は、ウィンカー装置20と、制御装置30とに大別される。
【0014】
ウィンカー装置20は、ステアリング22の近傍に設けられた操作部24と、左右のターンランプ25,25とを有する。操作部24は、ターンスイッチ26(操作手段)と、アクチュエータ28とを備えており、制御装置30に対して電気的に接続されている。ターンスイッチ26は、ステアリング22の脇から突出し、車両走行時に運転者が手動操作可能なように設置された棒状の部材である。ターンスイッチ26は、オン状態に切り替えることによりターンランプ25を点滅動作させることができる。
【0015】
アクチュエータ28は、ソレノイド等の駆動装置によって構成されており、後に詳述する制御装置30により動作制御されている。アクチュエータ28は、手動操作によりオン状態とされたターンスイッチ26を、制御装置30からの制御信号に基づき、オフ状態に切り替えるための駆動源として機能する。
【0016】
制御装置30は、ウィンカー装置20の動作制御を行うものである。制御装置30には、ステアリング22の操舵角θを検出するための舵角センサ32と、車両のヨーレートYを検出するためのヨーレートセンサ34とが接続されている。
【0017】
制御装置30は、ターンスイッチ26を手動操作することによりオン状態とされているウィンカー装置20を、ステアリング22の操舵状態に連動させて作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行することができる。制御装置30は、図2に示す制御フローに則り、オートキャンセル動作の実行制御を行う。以下、図2を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
制御装置30は、先ずステップ1においてターンスイッチ26がオン状態であるか否かを確認する。ここで、ターンスイッチ26がオン状態である場合には、ステップ2においてターンランプ25がオン状態とされる。その後、ステップ3において、オートキャンセル動作を実施して良いか否かについての判定(オートキャンセル判定)が実施される。
【0019】
オートキャンセル判定は、以下に示すような方法により実施される。具体的には、下記のようにして操舵確認がなされ、かつその後に舵戻し確認がなされることを条件としてオートキャンセル動作によりウィンカー装置20を自動的にオフ状態とする。すなわち、制御装置30は、操舵確認がなされること、及び舵戻し確認がなされることを判定条件とし、オートキャンセル動作を実施することとしている。
【0020】
≪操舵確認≫
制御装置30は、以下の(条件1)及び(条件2)を満足することを条件として、ステアリング22が左右いずれかに操舵されたことについての確認(操舵確認)を実施することができる。
(条件1)車両の偏向角δが所定の角度(閾角度γ)以上になる。
(条件2)車両の横方向への移動量が所定量(閾横移動量η)以上になる。
【0021】
上記(条件1)の判定に際し、制御装置30は、曲線部の走行を考慮し、下記に示す<方法A>あるいは<方法B>により導出された相対的な偏向角δを使用する。
【0022】
<方法A>
方法Aに係る偏向角δの導出方法は、ヨーレートセンサ34により検出されるヨーレートYを用いた推定方法である。ターンスイッチ26によりウィンカー装置20がオン状態とされた時点におけるヨーレートYをY(0)、時刻tにおけるヨーレートYをY(t)とした場合、制御装置30は、以下の(数式1)に基づき偏向角δを導出する。なお、(数式1)において、ヨーレートYは、ウィンカー装置20の指示方向、すなわち左右のターンランプ25,25のうち点滅状態になっている側への方向を正方向とされる。
【0023】
【数1】
【0024】
<方法B>
方法Bに係る偏向角δの導出方法は、舵角センサ32により検出される操舵角θを用いた推定方法である。ターンスイッチ26によりウィンカー装置20がオン状態とされた時点における操舵角θをθ(0)、時刻tにおける操舵角θをθ(t)、時刻tにおける車速VをV(t)とした場合、制御装置30は、以下の(数式2)に基づき偏向角δを導出する。なお、以下の(数式2)において、k1は車両に依存する定数である。また、操舵角θはウィンカー装置20の指示方向を正として規定される。
【0025】
【数2】
【0026】
上記(条件2)の判定に際し、制御装置30は、次のようにして車両の横方向への移動量を導出する。すなわち、ウィンカー装置20がオン状態とされた時の操舵角θをθ(0)、時刻tにおける操舵角をθ(t)、時刻tにおける車速をV(t)とした場合、制御装置30は、上記方法Aあるいは方法Bにより導出した偏向角δを用い、下記(数式3)によって横移動量を導出する。
【0027】
【数3】
【0028】
≪舵戻し確認≫
また、制御装置30は、左右いずれかの方向に操舵している状態のステアリング22を逆方向に戻したことについての確認(舵戻し確認)を、以下の<方法α>又は<方法β>により検出することができる。
【0029】
<方法α>
上述した(条件1)及び(条件2)に基づく操舵確認を行った後、ウィンカー装置20による指示方向とは逆方向への操舵角θの変化量が、所定の角度以上になることを条件として、制御装置30は、ステアリング22が逆方向に戻されたものと認識する。
【0030】
<方法β>
方法βは、偏向角δに基づき舵戻し確認を行う方法である。操舵完了判定時の偏向角δをδcとした場合、δ<<δcになることを条件として、制御装置30は、ステアリング22が逆方向に戻されたものと認識する。
【0031】
上述したようにしてオートキャンセル判定を行った結果、オートキャンセル動作を実施要件を満足していないものと判定された場合には、制御フローがステップ5に進められる。ステップ5においては、手動操作によりターンスイッチ26をオフ状態とする動作(キャンセル操作)がなされたか否かが確認される。ステップ4においてキャンセル操作がなされていない場合には、制御フローがステップ3に戻される。従って、この場合にはターンランプ25が引き続き点灯(点滅)状態とされる。
【0032】
一方、ステップ4においてキャンセル操作がなされた場合には、オートキャンセル動作の実施条件の緩和、すなわち次回以降のオートキャンセル動作が実施されやすくなるように実施条件の設定変更がなされる。具体的には、上述した操舵確認における(条件1)の判断基準たる閾角度γを現状値よりも小さく設定すること、(条件2)の閾横移動量ηを現状値よりも小さく設定すること等によりオートキャンセル動作の実施条件が緩和される。
【0033】
また、上述したステップ3においてオートキャンセル動作の実施要件を満足しているとの判定がなされた場合には、制御フローがステップ6に進められ、オートキャンセル動作が実行される。すなわち、制御装置30からアクチュエータ28に向けて動作信号が出力され、ターンスイッチ26が自動的にオフ状態とされる。その後、制御フローがステップ7及びステップ8に進められる。これにより、ステップ6におけるオートキャンセル動作の実行後、所定時間内に運転者の再操作によりターンスイッチ26がオン状態とされたか否かが確認される。
【0034】
ステップ6においてオートキャンセル動作が実行された後、所定時間(ステップ8)が経過するまでターンスイッチ26がオン状態にならなかった場合には、制御フローがステップ1に戻され、次にターンスイッチ26がオン状態になるまで待機する。
【0035】
一方、オートキャンセル動作が実行された後、所定時間が経過するまでの期間に、運転者の再操作によってターンスイッチ26がオン状態とされたことが確認されると、制御フローがステップ7からステップ9に進められる。ステップ9においては、ステップ7において確認されたターンスイッチ26の再操作が、ステップ6においてオートキャンセル動作される前と同一方向へのものであるか否かが確認される。ステップ9において、ターンスイッチ26の再操作が直前のものとは逆方向であることが確認された場合には、制御フローがステップ1に戻され、次にターンスイッチ26がオン状態になるまで待機する。
【0036】
一方、ステップ9においてターンスイッチ26が直前のものと同一方向に再操作されたことが確認された場合には、制御フローがステップ10に進められる。ステップ10においては、ターンランプ25がオン状態(点滅状態)とされると共に、オートキャンセル動作が一時的に禁止された状態になる。これにより、後に詳述するようにステップ12において運転者の手動操作によりターンスイッチ26がオフ状態とされるまでターンランプ25がオン状態(点滅状態)のまま維持される。また、ステップ11において、オートキャンセル動作の実施条件の強化、すなわち次回以降のオートキャンセル動作が実施されにくくなるように実施条件の設定変更がなされる。具体的には、上述した操舵確認における(条件1)の判断基準たる閾角度γを現状値よりも大きく設定すること、(条件2)の閾横移動量ηを現状値よりも大きく設定すること等によりオートキャンセル動作の実施条件が強化され、次回以降のオートキャンセル動作がされにくいように設定変更がなされる。
【0037】
その後、制御フローがステップ12に進むと、運転者の手動操作によりターンスイッチ26がオフ状態とされたか否かが確認される。ターンランプ25は、ターンスイッチ26が手動操作によりオフ状態とされるまでオン状態(点滅状態)のまま維持される。ターンスイッチ26がオフ状態とされたことが確認されると、ステップ13においてターンランプ25がオフ状態とされると共に、制御フローがステップ1に戻され、次にターンスイッチ26がオン状態になるまで待機状態とされる。
【0038】
上述したように、本実施形態のウィンカーシステム10においては、オートキャンセル動作によりウィンカー装置20がオートキャンセルされた後、所定時間内にウィンカー装置20が再び同一方向に操作されることを条件として、所定期間に亘ってオートキャンセル動作の実施が禁止される。これにより、例えば緩やかなカーブを走行している最中等に、オートキャンセルによってひとたびウィンカー装置20がオフ状態になってしまった後、所定時間内に同一方向にウィンカー装置20をオン状態とした場合には、運転者の操作によらなければウィンカー装置20がオフ状態にならないようにし、オートキャンセルが頻発することを防止できる。従って、ウィンカーシステム10によれば、予期せぬタイミングにおいてウィンカー装置20がオートキャンセルされ、運転者が手動操作によってウィンカー装置20をオン状態にせねばならない頻度を抑制することができる。従って、ウィンカーシステム10によれば、車両の運転状況に応じて適切なタイミングにおいてウィンカー装置20のオートキャンセルを実行させることが可能となる。
【0039】
また、上述したウィンカーシステム10においては、ウィンカー装置20の作動中に運転者が手動でターンスイッチ26を操作することによりウィンカー装置20が作動停止状態とされた場合に、オートキャンセル動作の実行条件を緩和する学習制御を実行することとしている(ステップ5)。これにより、学習制御の実施前よりも小さなステアリング22の操作によりウィンカー装置20がオートキャンセルされるようになり、手動操作によりウィンカー装置20をオフ状態とせねばならない状態になることを防止できる。
【0040】
上述したウィンカーシステム10の構成及び制御は、本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。具体的には、ウィンカー装置20は、アクチュエータ28等の電気的に制御可能なものによってターンスイッチ26をオフ状態とすることができるものであればいかなる機構のものであっても良い。
【0041】
また、本実施形態においては、オートキャンセル動作の実行後、所定時間内に再度ターンスイッチ26がオン状態とされた場合に、オートキャンセル動作を完全に禁止する(上記ステップ10参照)ものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、オートキャンセル動作の実行条件を強化、すなわちオートキャンセル動作が実行されにくくするようにしても良い。
【0042】
また、オートキャンセル動作の実施可否についての判定方法は、上述した(条件1)、(条件2)に基づいて判定するものに限定されず、他の条件を用いて判定するようにしても良い。また、(条件1)、(条件2)の判定方法についても、上述した<方法A>、<方法B>、<方法α>、<方法β>に限定されるものではなく、これらとは別の方法を採用しても良い。
【0043】
さらに、(条件1)、(条件2)の判定基準、具体的には閾角度γや閾横移動量ηについては、適宜設定することが可能である。また、閾角度γや閾横移動量ηについては、固定値であっても、諸条件を加味して変動するものであっても良い。具体的には、上記(条件2)に係る閾横移動量ηは、車速が低車速域である場合、あるいは操舵角θが大きい時、あるいはヨーレートYが大きい場合に、より大きな値となるようにすることも可能である。このような基準の下、閾横移動量ηを可変値とすることにより、右折時及び左折時におけるウィンカー装置の誤動作を防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のウィンカーシステムは、ステアリングの操舵状態に連動させてウィンカー装置を作動停止状態とするオートキャンセル動作を実行可能なものであれば、ウィンカー装置の機構等によらず利用することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 ウィンカーシステム
20 ウィンカー装置
22 ステアリング
26 ターンスイッチ(操作手段)
30 制御装置
32 舵角センサ
34 ヨーレートセンサ
図1
図2