(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、デジタルカメラ101を斜め後方から見下ろした様子を示す斜視図である。デジタルカメラ101は、本体部110およびレンズ鏡筒120を含む本体と、本体に対して取り付けられた表示部130とを備える。
【0009】
本体部110は、撮像素子、画像処理回路等を含む電子回路と電池等を収容する。レンズ鏡筒120は、本体部110の前面に設けられ、複数のレンズを含む光学系を収容する。これにより、レンズ鏡筒120内に形成された光学系を通じて入射した像光を撮像素子により撮像する。撮像された像光は、表示画像として表示し得る画像信号または二次記憶媒体に保存し得る画像ファイルに変換される。
【0010】
本体部110においてレンズ鏡筒120が配された面と対向して、レンズ鏡筒120の光軸Zと交差する背面112には、表示部130およびファインダ140が配される。表示部130は、本体部110の背面112に沿って配され、平坦な表示面を有する。ファインダ140は、本体部110から背面112側に向かって突出するファインダ鏡筒142の後端面に配される。
【0011】
レンズ鏡筒120に入射した像光から生成された表示画像は、表示部130およびファインダ140の少なくとも一方に表示される。ユーザは、本体部110の一部を把持してデジタルカメラ101を構え、表示部130またはファインダ140に表示される表示画像を観察しつつ撮影を指示するタイミングを決定する。
【0012】
ここで、デジタルカメラ101をユーザの目の高さに構えることができる場合は、表示部またはファインダ140を選択してフレーミングに使用できる。また、デジタルカメラ101を構える位置がユーザの目に対して高いまたは低い場合は、表示部130を回動させて背面112に対して異なる傾きにすることにより、表示画像を観察できる。
【0013】
図2は、三脚等のカメラ台190に載せたデジタルカメラ101の模式的な側面図である。デジタルカメラ101は、三脚ネジ192によりカメラ台190に締結されることにより、カメラ台190の上面に固定される。
【0014】
デジタルカメラ101において、表示部130は、結合部150により、本体部110の背面112に結合される。結合部150は、本体部側ブラケット151、結合アーム154、摺動アーム156および表示部側ブラケット159を含む。
【0015】
本体部側ブラケット151は、本体部110の背面112に対して固定されて本体部側回動軸部材152を、背面112と平行に支持する。結合アーム154の図中下端は、本体部側回動軸部材152に軸支される。これにより、本体部側ブラケット151、本体部側回動軸部材152および結合アーム154がヒンジを形成する。よって、結合アーム154は本体部側回動軸部材152の回りを本体部110の背面112に対して回動する。
【0016】
摺動アーム156は、結合アーム154により支持され、結合アーム154が背面112に対して回動する場合に、結合アーム154と共に回動する。また、摺動アーム156は、結合アーム154の側面に形成された溝に挿通されたガイドピン155に結合される。これにより、摺動アーム156は、結合アーム154の長手方向に、結合アーム154に沿って並進する。
【0017】
更に、摺動アーム156の図中上端は、表示部側回動軸部材158に結合される。表示部側回動軸部材158は、表示部側ブラケット159に、本体部側回動軸部材152と平行に支持される。表示部側ブラケット159は、表示部130において、本体部110の背面112に対向する表示部130の背面132に固定される。
【0018】
これにより、摺動アーム156、表示部側回動軸部材158および表示部側ブラケット159がヒンジを形成する。よって、表示部130は、摺動アーム156に対して、表示部側回動軸部材158の回りに回動する。
【0019】
上記のように、表示部130は、本体部110の背面112に対して、本体部側回動軸部材152および表示部側回動軸部材158を介して結合されている。よって、表示部130は、本体部側回動軸部材152および表示部側回動軸部材158の少なくとも一方について回動することにより、本体部110に対する傾きを変えることができる。
【0020】
ただし、図示の状態は、摺動アーム156が結合アーム154の内側に入り込んで、本体部側回動軸部材152および表示部側回動軸部材158の間隔が短縮している。また、結合アーム154は、背面112に沿った状態にある。更に、表示部130も、本体部110の背面112に沿って収納された状態にある。
【0021】
図3は、結合部150を抜き出して単独で示す斜視図である。
図2と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0022】
本体部側ブラケット151は、本体部110の背面112に密着する平坦なフランジ部212と、フランジ部212から立ち上がる一対の軸受け部214とを有する。フランジ部212は、取り付けねじ111により、本体部110の背面112にねじ止めされる。軸受け部214は、それぞれ、本体部側回動軸部材152を支持する。
【0023】
結合アーム154は、一対の側壁部242と、一対の側壁部242を連結する連結部244とを有する。一対の側壁部242は、長手方向に切られたガイド溝153をそれぞれ有する。連結部244の下端近傍には、本体部側フック246が配される。本体部側フック246には、付勢ばね157の一端が掛けられる。
【0024】
摺動アーム156は、一対の側壁部262と、一対の側壁部262を連結する連結部264とを有する。一対の側壁部262は、結合アーム154の側壁部242の内側に沿って配され、ガイド溝153に挿通されたガイドピン155を固定される。これにより、摺動アーム156は、結合アーム154の内側で、結合アーム154に沿って図中縦方向に並進可能に結合アーム154に結合される。
【0025】
摺動アーム156の側壁部262の図中上端は、表示部側回動軸部材158に結合される。よって、摺動アーム156が結合アーム154に沿って並進する場合は、表示部側回動軸部材158も摺動アーム156と共に並進する。
【0026】
更に、摺動アーム156の連結部264は、長手方向の中程に摺動側フック266を有する。摺動側フック266には、付勢ばね157の他端が掛けられる。これにより、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進して、本体部側回動軸部材152と表示部側回動軸部材158とが離間した場合に、付勢ばね157が引き延ばされて付勢力を生じる。換言すれば、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進した場合は、付勢ばね157の付勢力が作用して、本体部側回動軸部材152および表示部側回動軸部材158の間隔が当初の間隔まで戻される。
【0027】
表示部側ブラケット159は、平坦なフランジ部292と、フランジ部292の両側端でフランジ部292から立ち上がる一対の軸受け部294とを有する。フランジ部292は、表示部130において本体部110の背面112と対向する表示部130の背面132に対して、取り付けねじ131で固定される。軸受け部294は、表示部側回動軸部材158を回動可能に支持する。
【0028】
これにより、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進した場合は、表示部側回動軸部材158、表示部側ブラケット159および表示部130も、本体部110に対して並進する。また、表示部130は、本体部側ブラケット151、結合アーム154および摺動アーム156に対して、表示部側ブラケット159と共に回動する。
【0029】
なお、結合アーム154および摺動アーム156の内側には、付勢ばね157と共に、フレキシブルプリント基板113が収容される。フレキシブルプリント基板113は、結合アーム154および摺動アーム156の内部において2回折り返されている。これにより、フレキシブルプリント基板113が、結合部150の回動および摺動アーム156の結合アーム154に対する並進に円滑に追従し、本体部110の内部と表示部130の内部とを電気的に結合する。
【0030】
また、本体部側ブラケット151の軸受け部214と、結合アーム154との間には、本体部側回動軸部材152と同軸に配されたフリクションワッシャ218が挟まれる。これにより、外部から操作されていない結合アーム154は、そのときの位置にとどまる。
【0031】
図4は、デジタルカメラ101の背面において、表示部130の上端が本体部110の背面112から引き離されることにより、表示部130が本体部110に対して回動した状態を示す。このような操作により、表示部130は、本体部110に対して下方を向くので、ユーザは、本体部110を見上げた状態で表示部130を観察できる。
【0032】
図5は、雲台のカメラ台190に固定されたデジタルカメラ101において、
図4に示したように表示部130の上端が開かれた状態を示す側面図である。
図1から
図4までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0033】
表示部130の上端側を本体部110の背面112から引き離した場合、表示部130は、表示部130の下端側に位置する本体部側回動軸部材152を中心にして回動する。これにより、表示部130の上端Qは、図中に点線で示す軌跡L
1を描いて変位し、表示部130は本体部110に対して傾いて下方を向いた状態になる。
【0034】
ここで、本体部側回動軸部材152は表示部130に対して本体部110側に位置する。よって、表示部130が本体部側回動軸部材152の回りに回動した場合、表示部130において図中下側の縁部に位置する下端Pは、図中下方に、光軸Z方向から見た場合の表示部130自体の輪郭の外側へと変位する。
【0035】
デジタルカメラ101がカメラ台190に固定された場合、デジタルカメラ101の底面と同じ高さにあるカメラ台190の上面は、本体部110に対する相対位置が固定されている。よって、回動に伴って下降した表示部130の下端Pは、図示のように、カメラ台190の上面に当接する。
【0036】
下端Pがカメラ台190に当接すると、表示部130の本体部110に対する傾きをより大きくしようとした場合に、表示部130の回動がカメラ台190により妨げられる。このため、本体部側回動軸部材152の回りに関しては、表示部130をこれ以上回動させることはできない。
【0037】
しかしながら、結合部150において摺動アーム156が結合アーム154に対して並進することにより、表示部側回動軸部材158を並進させてカメラ台190の上面から遠ざけることができる。これにより、表示部130は、下端Pを背面112に平行な仮想の回動軸として回動できる。よって、表示部130は、図中に一点鎖線で示す軌跡L
2を描いて上端Qを変位させ、本体部110に対する傾きをより大きくする。
【0038】
このように、デジタルカメラ101は、結合部150の上記構造により、本体部側回動軸部材152の回りを回動した表示部130の下端Pがカメラ台190に当接して回動を妨げられると、引き続き下端Pの回りに回動する。これにより、本体部側回動軸部材152に負担をかけることなく、表示部130をより大きく傾けることができる。
【0039】
なお、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進し始めると、表示部130の回動に伴って付勢ばね157を延ばすことになる。このため、表示部130の操作力に付勢ばね157の付勢力が加わり、表示部130に対する操作感は変化する。これにより、表示部130を操作するユーザに、表示部130の傾きが大きくなったことが伝わる。
【0040】
また、表示部130が図中反時計回りに回動して、表示部130の下端Pがカメラ台190から離間した場合、付勢ばね157の付勢力により摺動アーム156は、結合アーム154に引き込まれる。よって、本体部側回動軸部材152と表示部側回動軸部材158の間隔は縮まり、結合部150は当初の長さに戻る。その後、表示部130は、本体部側回動軸部材152を回動軸として回動し、本体部110の背面112において、ファインダ鏡筒142の下方に円滑に収納される。
【0041】
図6は、デジタルカメラ101の背面において、表示部130の下端が本体部110の背面112から引き離されることにより、表示部130が本体部110に対して回動した状態を示す。このような操作により、表示部130は、本体部110に対して上方を向くので、ユーザは、本体部110を見下ろした状態で表示部130を観察できる。
【0042】
なお、表示部130が上方を向いた状態では、表示部130の上端が、本体部110の背面112に当接する場合がある。背面112には、このような場合に表示部130が当接する位置に保護部材114が配されている。
【0043】
保護部材114は、本体部110の背面112と表示部130との間に挟まって、背面112および表示部130の表面が相互に摺動することを防止する。また、表示部130の背面112に対する摩擦を低減して、表示部130を円滑に回動させる。
【0044】
図7は、雲台のカメラ台190に固定されたデジタルカメラ101において、
図6に示したように表示部130の下端が開かれた状態を示す側面図である。
図1から
図6までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0045】
表示部130の下端側を本体部110の背面112から引き離した場合、表示部130は、表示部130の上端側に位置する表示部側回動軸部材158を中心にして回動し始める。表示部130の回動に伴って、表示部130の上端Sは表示部側回動軸部材158よりも本体部110側に位置する状態になるので、本体部110の背面112に当接する。
【0046】
更に表示部130が図中反時計回りに回動すると、結合アーム154が、本体部側回動軸部材152の回りに図中時計回りに回動して、表示部側回動軸部材158が背面112から離間する。これにより、表示部130は、表示部側回動軸部材158の回りを更に反時計回りに回動する。こうして、表示部130の下端Rは図中に一点鎖線で示す軌跡L
3を描いて変位し、表示部130は本体部110に対して傾いて上方を向いた状態になる。
【0047】
ここで、表示部側回動軸部材158は、結合アーム154の回動に伴って降下する。このため、表示部130の回動に伴って、表示部130の下端Rとカメラ台190の上面とが干渉する。
【0048】
しかしながら、結合部150において摺動アーム156が結合アーム154に対して並進することにより、表示部側回動軸部材158を図中上方に並進させてカメラ台190の上面から遠ざけることができる。これにより、表示部130は、下端Rを表示部側回動軸部材158の回りに回動させることができる。
【0049】
なお、表示部130の回動により、下端Rがカメラ台190と干渉しない位置まで変位した場合は、付勢ばね157の付勢力により、摺動アーム156は結合アーム154に引き込まれる。これにより結合部150は当初の長さに戻る。
【0050】
また、既に説明した通り、本体部110の背面112と表示部130の上端Sとの間には、保護部材114が挟まる。よって、表示部130は、背面112に対して円滑に摺動する。また、摺動に伴って、背面112および表示部130に擦過傷等が生じることが防止される。このような保護部材114は、表示部130側に設けてもよい。
【0051】
上記のようなデジタルカメラ101において、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進できる並進可能量を、表示部130を回動させる場合に生じる結合部150の伸縮量よりも大きくしてもよい。これにより、デジタルカメラ101を使用している間に、表示部130に外力が作用した場合に、結合部150を保護することができる。
【0052】
図8は、他のデジタルカメラ102の模式的側面図である。
図8において、
図1から
図7までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0053】
デジタルカメラ102は、本体部110、レンズ鏡筒120および表示部130を備える。レンズ鏡筒120は、本体部110と一体的に形成される。表示部130は、結合部150により、本体部110に結合される。
【0054】
ここで、デジタルカメラ102において用いられている個々の要素は、
図1から
図7までに示したデジタルカメラ101と共通している。ただし、デジタルカメラ102においては、本体部側回動軸部材152が表示部130の図中上端側に、表示部側回動軸部材158が表示部130の図中上端側にそれぞれ配され、デジタルカメラ101の構造に対して結合部150が倒立した構造を有する。
【0055】
これにより、表示部130を上方に向ける場合に、図中に点線で軌跡L
4を示すように、表示部130の下端Tを、カメラ台190の上面と干渉することなく背面112から離間させることができる。ただし、ファインダ140を備えたデジタルカメラ102では、表示部130の傾きが大きくなった場合に、表示部130の上端Uは、光軸Z方向から見た場合の表示部130自体の輪郭の外側へと変位する。このため、表示部130の上端Uは、ファインダ鏡筒142の下面に当接する。
【0056】
このような場合、結合部150において摺動アーム156が結合アーム154に対して並進することにより、表示部側回動軸部材158をファインダ鏡筒142の下面から遠ざけることができる。これにより、表示部130は、上端Uを背面112に平行な仮想の回動軸として回動できる。よって、表示部130は、図中に一点鎖線で示す軌跡L
5を描いて下端Tを変位させ、本体部110に対する傾きをより大きくする。
【0057】
このように、デジタルカメラ102は、結合部150の上記構造により、本体部側回動軸部材152の回りを回転した表示部130の上端Uがファインダ鏡筒142に当接すると、本体部側回動軸部材152と異なる位置にある表示部130の上端Uの回りに回動する。よって、本体部側回動軸部材152に負担をかけることなく、表示部130をより大きく傾けることができる。
【0058】
なお、開いた表示部130が図中時計回りに回動して、表示部130の上端Uがファインダ鏡筒142から離間した場合は、付勢ばね157の付勢力により摺動アーム156が結合アーム154に引き込まれる。よって、本体部側回動軸部材152と表示部側回動軸部材158の間隔は縮まり、結合部150は当初の長さに戻る。その後、表示部130は、本体部側回動軸部材152を回動軸として回動し、カメラ台190と干渉することなく本体部110の背面112に収納される。
【0059】
また、表示部130を開く回動の過程で表示部130の上端Uが当接するファインダ鏡筒142の下面には、保護部材114を設けてもよい。これにより、表示部130は、ファインダ鏡筒142に対して円滑に摺動すると共に、ファインダ鏡筒142および表示部130に擦過傷等が生じることが防止される。更に、本体部110の背面112にも保護部材を設けてもよいことはもちろんである。
【0060】
更に、上記のようなデジタルカメラ102において、摺動アーム156が結合アーム154に対して並進できる並進可能量を、表示部130を回動させる場合に生じる結合部150の伸縮量よりも大きくてしもよい。これにより、デジタルカメラ101を使用している間に、表示部130に外力が作用した場合に結合部150を保護できる。
【0061】
デジタルカメラ102において、表示部130を下向きにすべく回動させる場合に生じる動作は、デジタルカメラ101において表示部を上向きにすべく回動させる場合に生じる動作と同じになる。よって、重複する説明は割愛する。
【0062】
図9は、他の結合部160を備えたデジタルカメラ103の模式的側面図である。デジタルカメラ103は、三脚ネジ192によりカメラ台190に締結されることにより、カメラ台190の上面に固定される。
図9において、
図1から
図8までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0063】
デジタルカメラ103において、表示部130は、結合部160により、本体部110の背面112に結合される。結合部160は、本体部側ブラケット161、結合アーム164および表示部側ブラケット169を含む。
【0064】
本体部側ブラケット161は、本体部110の背面112に対して固定されて本体部側回動軸部材162を、背面112と平行に支持する。結合アーム164の図中下端は、本体部側回動軸部材162に軸支される。これにより、本体部側ブラケット161、本体部側回動軸部材162および結合アーム164がヒンジを形成する。よって、結合アーム164は、本体部側回動軸部材162の回りを、本体部110の背面112に対して回動する。
【0065】
また、結合アーム164の図中上端は、表示部側回動軸部材168に結合される。表示部側回動軸部材168は、表示部側ブラケット169に、本体部側回動軸部材162と平行に支持される。表示部側ブラケット169は、表示部130において本体部110の背面112に表示部130の背面132に固定される。
【0066】
これにより、結合アーム164、表示部側回動軸部材168および表示部側ブラケット169もヒンジを形成する。よって、表示部130は、結合アーム164に対して、表示部側回動軸部材168の回りに回動する。
【0067】
上記のように、表示部130は、本体部110の背面112に対して、本体部側回動軸部材162および表示部側回動軸部材168を介して結合されている。よって、表示部130は、本体部側回動軸部材162および表示部側回動軸部材168の少なくとも一方について回動することにより、本体部110に対する傾きを変えることができる。
【0068】
ただし、図示の状態は、結合アーム164が背面112に沿った状態にある。また、表示部130も、本体部110の背面112に沿って収納された状態にある。
【0069】
図10は、デジタルカメラ103の背面において、表示部130の上端を本体部110の背面112から引き離すことにより、表示部130を本体部110に対して傾けた状態を示す。このような操作により、表示部130は、本体部110に対して下方を向くので、ユーザは、本体部110を見上げた状態で表示部130を観察できる。
【0070】
なお、
図10には、結合部160の本体部側ブラケット161が現れている。本体部側ブラケット161は、本体部側回動軸部材162を支持して、結合アーム164を回動自在に軸支する。
【0071】
また、本体部側ブラケット161は、図中の上下方向に形成されたガイド溝163を有し、ガイド溝163に挿通されたガイドねじ115により本体部110の背面112に取り付けられる。これにより、本体部側ブラケット161は、背面112に沿って図中上下方向に並進する。本体部側ブラケット161が本体部110の背面112に沿って並進した場合、本体部側ブラケット161に支持された本体部側回動軸部材162も背面112に沿って並進する。
【0072】
図11は、雲台のカメラ台190に固定されたデジタルカメラ103において、
図10に示したように表示部130の上端が開かれた状態を示す側面図である。
図9および
図10と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0073】
表示部130の上端側を本体部110の背面112から引き離した場合、表示部130は、表示部130の下端側に位置する本体部側回動軸部材162を中心にして回動する。これにより、表示部130の上端Vは図中に点線で示す軌跡L
6を描いて変位し、表示部130は本体部110に対して傾いて下方を向いた状態になる。
【0074】
上記の状態から表示部130を図中時計回りに更に回動させると、回動に伴って表示部130自体の輪郭の外側へと下降した表示部130の下端Wがカメラ台190の上面に当接する。下端Wがカメラ台190に当接すると、表示部130の傾きをより大きくしようとした場合に、表示部130の回動がカメラ台190により妨げられる。このため、表示部130を本体部側回動軸部材162の回りに回動させることはできなくなる。
【0075】
しかしながら、結合部160において本体部側ブラケット161が本体部110に沿って並進することにより、本体部側回動軸部材162を並進させてカメラ台190の上面から遠ざけることができる。これにより、表示部130は、下端Wを背面112に平行な仮想の回動軸として回動する。よって、表示部130は、図中に一点鎖線で示す軌跡L
7を描いて上端Vを変位させ、本体部110に対する傾きを更に大きくする。
【0076】
このように、デジタルカメラ103は、結合部160の上記構造により、本体部側回動軸部材162の回りを回転した表示部130の下端Wがカメラ台190に当接して回動が妨げられると、そこからは下端Wの回りに回動する。よって、本体部側回動軸部材162に負担をかけることなく、表示部130を大きく傾けることができる。
【0077】
図12は、結合部160の構造を示す目的で、表示部130を取り除いた状態でデジタルカメラ103の背面112を示す背面図である。
図9、
図10および
図11と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0078】
本体部側ブラケット161は、図中上下方向に形成された一対の平行なガイド溝163を有する。ガイド溝163の各々には、図中上下に配されたそれぞれ2本ずつのガイドねじ115が挿通される。ガイドねじ115は、本体部110の背面112に対して固定される。これにより、本体部側ブラケット161は、図中上下方向に移動可能に、背面112に対して取り付けられる。
【0079】
また、本体部側ブラケット161に形成された結合部側フック165には、付勢ばね167の一端が結合される。付勢ばね167は、本体部110の背面112と、本体部側ブラケット161との間に配される。付勢ばね167の他端は、背面112に対して結合される。これにより、本体部側ブラケット161は、背面112に対して相対的に下がりきった位置に向かって付勢される。
【0080】
なお、本体部側ブラケット161の図中下端中央部には切欠き部116が形成され、フレキシブルプリント基板113が挿通される。フレキシブルプリント基板113は、結合アーム164の内側を通じて表示部130に結合される。
【0081】
また、本体部側ブラケット161と結合アーム164との間には、本体部側回動軸部材162と同軸に配されたフリクションワッシャ166を挟んでもよい。これにより、外部から操作されていない結合アーム154は、そのときの位置にとどまる。
【0082】
図13は、結合部160の動作を説明する図であり、
図12と同じ視点から本体部110の背面112を描いた背面図である。
図12と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0083】
図示の状態は、
図11に示したように、回動した表示部130の下端Wがカメラ台190に当接した場合に、本体部側ブラケット161が背面112に沿って上方に並進している。これにより、ガイド溝163は、ガイドねじ115に沿って上方に変位している。
【0084】
また、付勢ばね167は、本体部側ブラケット161に設けられた結合部側フック165に一端を押され上昇している。これにより、付勢ばね167は弾性変形して、
図12に示した状態に戻るべく付勢力を発生する。よって、本体部側ブラケット161を並進させた力が解消した場合は、付勢ばね167の付勢力により、本体部側ブラケット161は当初の位置に自律的に復帰する。
【0085】
図14は、結合部170を有するデジタルカメラ104の背面において、表示部130の上端を本体部110の背面112から引き離すことにより、表示部130を本体部110に対して傾けた状態を示す。このような操作により、表示部130は、本体部110に対して下方を向くので、ユーザは、本体部110を見上げた状態で表示部130を観察できる。
【0086】
なお、
図14には、結合部170の本体部側ブラケット171が現れている。本体部側ブラケット171は、本体部側回動軸部材172を支持して、結合アーム174を回動自在に軸支する。
【0087】
また、
図14には、表示部130において本体部110の背面112に対向する背面132に取り付けられた表示部側ブラケット179も現れている。本体部側ブラケット171は、表示部側回動軸部材178を支持して、結合アーム174に対して回動自在に結合される。
【0088】
更に、表示部側ブラケット179は、表示部側回動軸部材178に直交して形成されたガイド溝173を有し、ガイド溝173に挿通されたガイドねじ135により表示部130の132背面に取り付けられる。これにより、表示部側ブラケット179は、背面132に沿って、表示部側回動軸部材178と直交する方向に並進する。表示部側ブラケット179が背面132に沿って並進した場合、表示部側ブラケット179に支持された表示部側回動軸部材178が、背面132に沿って表示部130に対して相対的に並進する。
【0089】
図15は、雲台のカメラ台190に固定されたデジタルカメラ104において、
図14に示したように表示部130の上端が開かれた状態を示す側面図である。
図14と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0090】
表示部130の上端側を本体部110の背面112から引き離した場合、表示部130は、表示部130の下端側に位置する本体部側回動軸部材172を中心にして回動する。これにより、表示部130の上端Xは図中に点線で示す軌跡L
8を描いて変位し、本体部110に対して傾いて下方を向いた状態になる。
【0091】
上記の状態から表示部130を図中時計回りに更に回動させると、回動に伴って下降した表示部130の下端Yが表示部130自体の輪郭の外側下方へと変位して、カメラ台190の上面に当接する。下端Yがカメラ台190に当接すると、表示部130の傾きをより大きくしようとした場合に、表示部130の回動がカメラ台190により妨げられる。このため、表示部130を本体部側回動軸部材172の回りに回動させることはできなくなる。
【0092】
しかしながら、結合部170において表示部側ブラケット179が表示部130の背面132に沿って並進することにより、表示部130が本体部側回動軸部材172から遠ざかる。これにより、表示部130は、下端Yを背面112に平行な仮想の回動軸として回動する。よって、表示部130は、図中に一点鎖線で示す軌跡L
9を描いて上端Xを変位させ、本体部110に対する傾きを更に大きくする。
【0093】
このように、デジタルカメラ104は、結合部170の上記構造により、本体部側回動軸部材172の回りを回転した表示部130の下端Yがカメラ台190に当接して回動が妨げられると、そこからは下端Yの回りに回動する。よって、本体部側回動軸部材172に負担をかけることなく、表示部130を大きく傾けることができる。
【0094】
図16は、結合部170の構造を示す目的で、結合部170と共に表示部130を本体部110から取り外した状態で、表示部130の背面132を示す背面図である。また、結合アーム174の一部も切り欠いている。
図14および
図15と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0095】
表示部側ブラケット179は、図中上下方向に形成された一対の平行なガイド溝173を有する。ガイド溝173の各々には、図中上下に配されたそれぞれ2本ずつのガイドねじ135が挿通される。ガイドねじ135は、表示部130の背面132に対して固定される。これにより、表示部側ブラケット179は、表示部側回動軸部材178と直交する方向に表示部130の背面に沿って並進可能に背面132に対して取り付けられる。
【0096】
また、表示部側ブラケット179に形成された結合部側フック175には、付勢ばね177の一端が結合される。付勢ばね177の他端は、表示部130の背面132に設けられた表示部側フック133に結合される。これにより、表示部130は、表示部側ブラケット179に対して相対的に下がりきった位置に向かって付勢される。
【0097】
なお、表示部側ブラケット179と結合アーム174との間には、表示部側回動軸部材178と同軸に配されたフリクションワッシャ176を挟んでもよい。これにより、外部から操作されていない結合アーム174は、そのときの位置にとどまる。
【0098】
図17は、結合部170の動作を説明する図であり、
図16と同じ視点から表示部130の背面132を描いた背面図である。
図16と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0099】
図示の状態は、
図15に示したように、回動した表示部130の下端Yがカメラ台190に当接した場合に、表示部130が表示部側ブラケット179に対して相対的に上方に並進している。これにより、ガイド溝173は、ガイドねじ135に沿って下方に変位している。
【0100】
また、付勢ばね177は、表示部側ブラケット179の結合部側フック175と表示部側フック133との間で引き延ばされている。これにより、付勢ばね177は、
図16に示した状態に戻るべく付勢力を発生する。よって、表示部130を並進させた力が解消した場合は、付勢ばね177の付勢力により、表示部130は、表示部側ブラケット179に対して当初の相対位置に自律的に復帰する。
【0101】
以上、一体型のデジタルカメラ101、102、103、104を例にあげて説明した。しかしながら、上記のような表示部130と結合部150、160、170を用いた構造は、レンズ交換式ミラーレスカメラ、一眼レフカメラ、ビデオカメラ等のように、表示部130を備えた他の撮像装置においても広く適用できる。
【0102】
また、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。